JP2008214030A - 糸条の走行監視装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、合繊糸などの糸条であっても、非接触で正確にその走行が監視できる装置を提供することにある。
【解決手段】糸条の走行監視装置10は、糸条12に照射する光Lを発光する光源14と、光Lを糸条12に垂直に照射し、糸条12からの反射光を光源14とは異なる方向に導く導光手段16と、糸条12からの反射光を撮像素子18で受光し、撮像素子18の出力の単位時間ごとの相対変化から糸条12の動きを検出する手段20と、を含む。
【選択図】図1
【解決手段】糸条の走行監視装置10は、糸条12に照射する光Lを発光する光源14と、光Lを糸条12に垂直に照射し、糸条12からの反射光を光源14とは異なる方向に導く導光手段16と、糸条12からの反射光を撮像素子18で受光し、撮像素子18の出力の単位時間ごとの相対変化から糸条12の動きを検出する手段20と、を含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、ミシンや編機、ワインダ等の各種の繊維機械において、ミシン糸や編立糸条等の走行糸長や糸速、糸切れやミシンの目飛び等を確実に監視する糸条の走行監視装置に関するものである。
従来、ミシンや編機などの繊維機械の稼働中に走行する糸条の監視が行われている。衣類などの繊維製品の生産中に起きる糸切れや目飛びなどを監視することによって、製造歩留まりを改善する目的がある。走行する糸条の糸長や糸速、糸切れあるいはミシンの目飛び発生等を監視する場合、糸条をローラに巻きつけて行う方法がある。この方法では、糸条に連れ回りするローラの回転数を検出することによって、糸条の走行状態を監視する。
糸条をローラに巻きつける方法では、糸条とローラとの間に不規則な滑りや摩擦が発生して、糸条の走行に対するローラの回転数が一定しないため、糸長や糸速、糸切れ、ミシンの目飛び等を正確に監視することができない。また、ローラを回転させるためのエネルギーを糸の走行によって得ているので、過大な張力で糸条を引っ張る必要がある。さらに、ローラには回転摺動部が存在するために、回転摺動部に綿ゴミなどがたまって回転しなくなるという問題点があった。
差動型空間フィルタを使用した糸条の走行監視装置が特許文献1と2に開示されている。この糸条の走行監視装置は非接触で糸条の走行監視を行うことができる。具体的には、差動型空間フィルタによって糸条の毛羽の動きを検出して走行を監視する。非接触であるので、上記のような問題が解決される。しかし、毛羽が存在する綿糸であれば問題ないが、毛羽が存在しないナイロン等の合繊糸等は検出できないという欠点があった。
そこで本発明の目的は、合繊糸などの糸条であっても、非接触で正確にその走行が監視できる装置を提供することにある。
本発明の糸条の走行監視装置は、糸条に照射する光を発光する光源と、前記光を糸条に垂直に照射し、糸条からの反射光を光源とは異なる方向に導く導光手段と、前記糸条からの反射光を受光する撮像素子と、前記撮像素子の出力の単位時間ごとの相対変化から糸条の動きを検出する手段と、を含む。
光源で発光した光は導光手段を介して糸条に照射され、反射光が再び導光手段を介して撮像素子に導かれる。糸条が動くことによって単位時間ごとの撮像素子の出力が異なるようになる。動きを検出する手段は、この撮像素子の出力の違いから糸条の動きを検出する。
糸条の走行糸長や糸速、糸切れやミシンの目飛び等を監視する装置において、撮像素子の出力によって糸条の動きを検出するため、糸条が綿糸だけでなくすべての糸条に対して適用でき、かつ非接触で糸条の走行に影響を与えずに監視することができる。
本発明の糸条の走行監視装置について図面を使用して説明する。本発明の走行監視装置は、繊維機械の糸条の走行経路の途中に取り付けられる。走行を監視される糸条は、綿等の天然繊維またはナイロン等の合成繊維等からなるが、糸であれば限定されない。
図1に本発明の糸条の走行監視装置10の基本的な構成を示す。本発明の糸条の走行監視装置10は、糸条12に照射する光Lを発光する光源14と、光Lを糸条12に垂直に照射し、糸条12からの反射光を光源14とは異なる方向に導く導光手段16と、糸条12からの反射光を撮像素子(イメージセンサ)18で受光し、撮像素子18の出力の単位時間ごとの相対変化から糸条12の動きを検出する手段20と、を含む。
光源14は、発光ダイオード(LED)や半導体レーザ(レーザダイオード)を含む。光Lは集光レンズ22で指向性を高め、所定の方向に進行するようにする。
導光手段16は、ハーフミラーまたはビームスプリッターと呼ばれる2つのプリズム16a,16bを貼り合わせたものを使用する。導光手段16は各辺の長さが等しい立方体である。図1のように光Lを側方から入射させると、プリズム16a,16bの接合面17で光Lの半分が下方に導かれる。糸条12と導光手段16の下面とが平行になっていると、光Lが糸条12に垂直照射される。糸条12で反射された光Lは、再び導光手段16に下方から入射され、入射光の半分が真っ直ぐに進行して、導光手段16の上面から出射される。撮像素子18は糸条12の反射光を垂直に受光するようにする。
光源14と導光手段16との位置関係は、図1に限定されるものではない。例えば、図2〜図4の走行監視装置10b、10c、10dで示す位置であっても良い。図2であれば、光源14と導光手段16との間にミラー26を設けて、光Lを導光手段16の側方に垂直入射させる。図2であれば、糸条12の動き検出手段20と光源14とが同じ方向に位置するため、装置10bの構成が楽になる。また、図3と図4は、図1と図2の構成に対して導光手段16と糸条12との間にレンズ28を設けたものである。レンズ28によって、糸条12に光Lを集光させる。
撮像素子18は、CCD(Charge Coupled Devices)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)と呼ばれる縦横に受光素子が並べられたものである。図1に示すように、必要に応じて糸条12にピントを合わせて、撮像素子18に糸条12の像を結ぶための受光レンズ24を導光手段16と撮像素子18との間に設ける。撮像素子18の受光面と糸条12とが平行になっており、撮像素子18に対して糸条12の全体のピントを合わせることができる。光源14によって確実に糸条12の像を撮像素子18に結ぶことができ、繊維機械の使用環境に撮像素子18の受光精度が左右されなくなる。糸条12の位置ずれが発生しないように、図1〜図4に示すように、糸条12の経路にガイドGを設けるのが好ましい。
なお、図1〜図4に示す光源14と撮像素子18の位置を逆にしても良い。例えば、図1であれば、上方から導光手段16に光Lを入射し、導光手段16の側方から撮像素子18に向けて光Lを出射する。撮像素子18には垂直に光りLが入射される。図2〜図3も同様である。このとき、集光レンズ22と受光レンズ24の位置も逆になるようにする。
糸条12の動き検出手段20は、撮像素子18の出力の単位時間ごとの相対変化から糸条12の動きを検出するものである。例えば図5(a)、(b)のように、5×5に受光素子30が並んだ撮像素子18を用いたとする。一定時間後に図5(a)から図5(b)に出力が変化したとする。そうすると、図5(a)での中心の受光素子30aの出力と図5(b)での中心右横の受光素子30bの出力が同じとなる。この単位時間ごとの相対変化から、糸条12が動いていることがわかる。このように、単位時間ごとの撮像素子18の出力から、同じ出力がある受光素子30の位置の違いを求めることによって、糸条12の動きがあるか否かを求めることができる。例えば糸切れや目飛びによって糸条12の走行が全くなければ、同じ出力がある受光素子30の位置は変わらない。また、糸条12が無くなってしまうと、撮像素子18に結ばれる像が無くなり、結果として受光素子30の出力は変わらなくなる。なお、動き検出手段20がおこなう上述のような処理は、画像処理によっておこなう。説明の便宜上、図5ではある受光素子30に注目しているが、実際には撮像素子18に像が結ばれているのは糸条12であるため、糸条12の単位時間の動きを画像処理することとなる。
ガイドGが無ければ糸条12の走行が無くなっても糸条12が揺れて撮像素子18の単位時間当たりの出力の変化が生じてしまう場合がある。ガイドGによって糸条12が走行しなくなったときに糸条12の揺れを無くしたり小さくしたりすることができ、撮像素子18の出力を同じにすることができる。
より線の糸条12aには必ず凹凸があり(図6)、単線の糸条12であっても表面に微細な変化がある。本発明は、この表面の凹凸や微細な変化などを検出することによって、糸条12の動きを検出する構成となっている。図6に示すような毛羽のない糸条12aであっても動きを検出することができ、その走行を監視することができる。
図7のように、糸条12の走行を監視するために、検出手段20で求めた上記の相対変化や糸条12の動きの有無をコンピュータ32に出力し、コンピュータ32のディスプレイに表示するようにしても良い。検出手段20とコンピュータ32とを接続するためのコントローラ34を設け、USB(Universal Serial Bus)などで接続する。
図8のように、動き検出手段20から繊維機械の動作を制御するシーケンサ36にデータを送るようにしても良い。シーケンサ36の動きを糸条12の動きに合わせて制御するためである。途中に、撮像素子18の単位時間ごとの相対変化の変化量をパルスに変換する信号変換手段38を含む。この信号変換手段38に、パルスの有無によって糸条12の走行の有無を判断する手段(図示せず)を含むようにしても良い。相対変化があればパルスを発生させ(図9(a))、無ければパルスが発生しないようにする(図9(b))。パルスの有無によって簡単に糸条の走行の有無がわかる。パルスがなければ、糸条12の走行が無く、目飛びや糸切れを起こしているので、シーケンサ36は繊維機械の動きを止めるようにする。
信号変換手段38は、相対変化の変化量の違いによって、パルスの単位時間当たりの数と幅が異なるようにしても良い。糸条12の動きが速ければ、パルスの単位時間当たりの数が多く、幅が狭くなるようにする。糸条12の動きが遅ければ、その反対になる。パルスによって、糸条12の動きがわかる。この場合、パルスの単位時間当たりの数と幅から糸条12の走行糸長、糸速を算出する手段を含むようにする。糸条12の走行の有無だけでなく、糸条12の走行状態がわかる。算出された糸条12の走行糸長、糸速のデータを繊維機械の動作を制御するシーケンサ36にフィードバックするようにしても良い。フィードバックされたデータから、シーケンサ36が繊維機械の動作を修正することができる。
算出された糸条12の走行の有無、糸長、糸速のデータを繊維機械の動作を制御するシーケンサ36にフィードバックすることによって、繊維機械の動作を停止させたりすることができるため、繊維機械が生産する衣料などの歩留まりを改善することができる。
なお、糸条12の動き検出手段20などは、上述した動作をおこなうための回路、ソフト、あるいはその両方で構成されるものである。
以上、本発明の実施形態を上述したが本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
10、10b、10c、10d:走行監視装置
12、12a:糸条
14:光源
16:導光手段(ハーフミラー、ビームスプリッター)
18:撮像素子
20:動き検出手段
22、28:集光レンズ
24:受光レンズ
26:ミラー
30:受光素子
32:コンピュータ
34:コントローラ
36:シーケンサ
38:信号変換手段
12、12a:糸条
14:光源
16:導光手段(ハーフミラー、ビームスプリッター)
18:撮像素子
20:動き検出手段
22、28:集光レンズ
24:受光レンズ
26:ミラー
30:受光素子
32:コンピュータ
34:コントローラ
36:シーケンサ
38:信号変換手段
Claims (3)
- 糸条の走行を監視する装置であって、
前記糸条に照射する光を発光する光源と、
前記光を糸条に垂直照射し、糸条からの反射光を光源とは異なる方向に導く導光手段と、
前記糸条からの反射光を受光する撮像素子と、
前記撮像素子の出力の単位時間ごとの相対変化から糸条の動きを検出する手段と、
を含む走行監視装置。 - 前記撮像素子の出力の単位時間ごとの相対変化の変化量をパルスに変換する手段と、
前記パルスの有無によって糸条の走行の有無を判断する手段と、
を含む請求項1の走行監視装置。 - 前記相対変化の変化量の違いによって、前記パルスの単位時間当たりの数と幅が異なるようにし、前記パルスの単位時間当たりの数と幅から糸条の走行糸長、糸速を算出する手段を含む請求項2の走行監視装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007053869A JP2008214030A (ja) | 2007-03-05 | 2007-03-05 | 糸条の走行監視装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007053869A JP2008214030A (ja) | 2007-03-05 | 2007-03-05 | 糸条の走行監視装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008214030A true JP2008214030A (ja) | 2008-09-18 |
Family
ID=39834542
Family Applications (1)
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JP2007053869A Withdrawn JP2008214030A (ja) | 2007-03-05 | 2007-03-05 | 糸条の走行監視装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008214030A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011011895A (ja) * | 2009-07-06 | 2011-01-20 | Gunze Ltd | 糸条の走行監視装置 |
JP2011168916A (ja) * | 2010-02-18 | 2011-09-01 | Gunze Ltd | 積極給糸装置の糸検出装置 |
CN109183293A (zh) * | 2017-10-16 | 2019-01-11 | 杭州琦星机器人科技有限公司 | 缝纫机底线断线检测装置及其检测和余量判断方法 |
CN112391731A (zh) * | 2020-10-20 | 2021-02-23 | 天津大学 | 一种经编机织造断纱在线检测方法 |
-
2007
- 2007-03-05 JP JP2007053869A patent/JP2008214030A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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