JP2008212869A - 塗料充填装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】廃塗料を削減でき、ひいてはランニングコストを低減できる塗料充填装置を提供すること。
【解決手段】塗料充填装置21は、塗料充填経路22a内に溜まった塗料及びエアを外部に排出する排出経路31を備える。排出経路31上には絞り装置41が設けられる。絞り装置41は、直列に配置された複数のエレメントを有する。これにより、排出経路31を流れる塗料の流量がエレメントによって絞られるため、塗料及びエアを排出経路31を介して外部に排出する際に、塗料が緩やかに排出される。
【選択図】図1
【解決手段】塗料充填装置21は、塗料充填経路22a内に溜まった塗料及びエアを外部に排出する排出経路31を備える。排出経路31上には絞り装置41が設けられる。絞り装置41は、直列に配置された複数のエレメントを有する。これにより、排出経路31を流れる塗料の流量がエレメントによって絞られるため、塗料及びエアを排出経路31を介して外部に排出する際に、塗料が緩やかに排出される。
【選択図】図1
Description
本発明は、塗料充填経路内に溜まった塗料及びエアを外部に排出する排出経路を備えた塗料充填装置に関するものである。
従来、自動車ボディなどの被塗装物を塗装する塗装システムにおいては、高品質な塗装が要求されるため、例えば静電塗装機のような、塗着効率や塗膜の平滑性などに優れた塗装機が用いられている。
塗装機では、水性塗料を霧化するための回転霧化頭が設けられており、その回転霧化頭を回転させることにより、塗料粒子が霧化されて塗装が行われる。この塗装機としては、塗料カートリッジを装着して定量の塗料押出液(作動流体)を充填することにより、塗料カートリッジ内の塗料を押し出して回転霧化頭に供給し、塗装を行うようにした塗装機がある(例えば、特許文献1参照)。
そして、塗料カートリッジ内の塗料がなくなったとしても、塗料カートリッジを塗料充填装置に装着すれば、再び塗料カートリッジ内に塗料を充填できる。なお図4に示されるように、塗料カートリッジ71が内部に塗料バッグ72を有する場合、塗料は、塗料充填装置81の塗料充填経路82を介して塗料バッグ72内に充填される。これに伴い、塗料カートリッジ71内の塗料押出液は、塗料の充填分だけ排出され、塗料押出液の回収経路を介して塗料押出液貯留容器に回収されて再利用される。
特開2000−176328号公報(図6等参照)
ところで、塗料カートリッジ71の塗料バッグ72内に充填する塗料の色を変更する場合、色の異なる塗料が同じ塗料充填経路82を通過するようになるために、塗料充填経路82内に残存した塗料を洗浄する洗浄工程が必要となる。具体的には、塗料充填経路82にエアを供給して下流側の開閉弁83から塗料を押し出した後、塗料充填経路82にシンナーを供給することにより、塗料充填経路82内に残存する塗料を洗浄する(図4(a)参照)。その後、塗料充填経路82に塗料を供給して塗料充填経路82内に残ったエアを開閉弁83から押し出すエア抜き工程を行った後(図4(b)参照)、塗料バッグ72内に次色の塗料を充填する塗料充填工程を行う(図4(c)参照)。
なお、上記のエア抜き工程を行うことにより、塗料へのエアの混入を防止できるため、エアが混入した塗料を用いて被塗装物が塗装されることを防止できるとともに、それに起因した被塗装物の塗装品質低下を防止できる。しかしながら、エア抜き工程において開閉弁83からエアが排出される際に、同時に塗料も勢い良く排出されてしまう。その結果、無駄になる塗料(廃塗料)が多くなり、ランニングコストの上昇につながってしまう。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、廃塗料を削減でき、ひいてはランニングコストを低減できる塗料充填装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、塗料充填経路内に溜まった塗料及びエアを外部に排出する排出経路を備えた塗料充填装置であって、前記排出経路上において直列に配置された複数のエレメントを有する絞り装置を、前記排出経路上に設けたことを特徴とする塗料充填装置をその要旨とする。
従って、請求項1に記載の発明によると、絞り装置を排出経路上に設けることにより、塗料充填経路内に溜まったエアを外部に排出する際に塗料が緩やかに排出される。これにより、廃塗料を削減でき、ひいてはランニングコストを低減できる。
また、絞り装置が複数のエレメントを有し、各エレメントが多段状に配置されるため、個々のエレメントでの絞り量を小さくできる。よって、塗料が詰まりにくくなる。しかも、個々のエレメントでの絞り量を小さくしたとしても、各エレメントが直列に配置されるため、全体としての絞り量を大きくすることができる。
なお、前記排出経路を2つに分岐させ、それら2つの分岐経路にそれぞれ開閉弁を設けるとともに、一方の分岐経路のみに前記絞り装置を設けることが好ましい。このようにすれば、絞り装置がある分岐経路の開閉弁を開状態にすれば、塗料充填経路内に溜まった塗料を緩やかに外部に排出できる一方、絞り装置がない分岐経路の開閉弁を開状態にすれば、塗料充填経路の洗浄時に大量の流体を速やかに外部に排出できる。これにより、絞り装置を設けたとしても、従来と同等の洗浄力を確保できる。なお、排出経路が分岐していない場合、洗浄時に大量の流体を流すために、絞り装置に絞り量を調整する調整機構を設けることが好ましくなるが、排出経路を2つに分岐させれば、上記調整機構を設けなくても済む。
上記発明において、前記エレメントは、前記排出経路の下流側に突出するとともに上流側が凹面状の膨出部を有し、前記膨出部には、複数のオリフィスが透設されていることが好ましい(請求項2)。仮にエレメントが平板状であれば、排出経路に対して垂直な同一面上に複数のオリフィスが存在することになるため、複数のオリフィスが同時に詰まる可能性があるが、下流側に突出する膨出部に複数のオリフィスを透設することで、排出経路に対して垂直な同一面上に複数のオリフィスが存在しなくなるため、複数のオリフィスが同時に詰まりにくくなる。
なお、オリフィスの断面形状(即ち、オリフィスの軸線方向から見たときの形状)としては、円形状、三角形状、矩形状などが挙げられるが、形成が容易な円形状であることが好ましい。
また、オリフィスの数は、任意に設定することが可能であるが、前記絞り量を多くするためには、できるだけ少なく設定することが好ましい。しかし、オリフィスの数が少なすぎると、絞り装置が詰まりやすくなるため、例えばエレメントの数が比較的多く、絞り量が比較的大きくなる場合には、オリフィスの数を多く設定することが好ましい。一方、エレメントの数が比較的少なく、絞り量が小さい場合には、オリフィスの数は少なくてもよい。
同様に、オリフィスの断面積も、任意に設定することが可能であるが、前記絞り量を多くするためには、できるだけ小さく設定することが好ましい。しかし、オリフィスの断面積が小さすぎると、絞り装置が詰まりやすくなるため、例えばエレメントの数が比較的多く、絞り量が比較的大きくなる場合には、オリフィスの断面積を大きく設定することが好ましい。一方、エレメントの数が比較的少なく、絞り量が小さい場合には、オリフィスの断面積は小さくてもよい。
なお、上記塗料充填装置は、複数のカラーバルブを有する塗料マニホールドと、塗料カートリッジが着脱可能に取り付けられるカートリッジ取付部と、前記塗料カートリッジの取付時に塗料を前記塗料マニホールドから前記塗料カートリッジ内に導く前記塗料充填経路とを備えることが好ましい(請求項3)。この構成によれば、塗料カートリッジをカートリッジ取付部に取り付けるだけで、塗料を塗料カートリッジ内に導くことが可能となるため、塗料充填経路内に溜まったエアを外部に排出する作業や、塗料カートリッジ内に塗料を充填する作業をスムーズに行うことができる。
以上詳述したように、請求項1〜3に記載の発明によると、廃塗料を削減でき、ひいてはランニングコストを低減できる塗料充填装置を提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1に示されるように、塗料充填システム20は、塗料充填装置21、塗料押出液貯留容器27、塗料押出液送り配管29及び塗料押出液戻り配管28などを備えている。塗料充填装置21は、塗料押出液送り配管29を介して塗料押出液貯留容器27に接続されている。また、塗料充填装置21は、塗料押出液戻り配管28を介して塗料押出液貯留容器27に接続されている。なお、塗料押出液貯留容器27は、塗料押出液を溜めておくための容器である。
塗料充填装置21にはカートリッジ取付部30が設けられ、カートリッジ取付部30の上面には塗料カートリッジ11が着脱可能に取り付けられている。なお、この状態において、塗料カートリッジ11内には塗料が充填されるようになる。また、塗料カートリッジ11は、塗装機(図示略)の装着部にも着脱可能に取り付けられる。なお、塗装機には回転霧化頭が回転可能に取り付けられ、この回転霧化頭には、図示しない高電圧発生器から高電圧が印加されるようになっている。即ち、本実施形態の塗装機は、塗料を負に帯電し、自動車ボディなどの被塗装物をアースした状態で、塗装を行う静電塗装機である。
図1に示されるように、塗料カートリッジ11は、耐溶剤性の樹脂からなり、略筒状をなす本体部11aと、本体部11aが装着されるベース部11cと、本体部11aの開口部分を塞ぐ蓋部11bとから構成されている。ベース部11cは、塗装機の装着部及びカートリッジ取付部30に接続可能な接続端面11fを有している。
また、塗料カートリッジ11内には塗料バッグ12が設けられている。塗料バッグ12は、可撓性を有する樹脂製のバッグであり、変形可能となっている。塗料バッグ12は、塗料カートリッジ11の内部領域を、塗料が充填される塗料室13と、塗料を塗料室13から押し出すための塗料押出液が給排される塗料押出液室14とに区画しており、塗料と塗料押出液との接触を防止するようになっている。なお、塗料バッグ12は、一端側に開口部を有する袋状に形成されているため、塗料バッグ12の内部が塗料室13となる。ここで、本実施形態で用いられる塗料は、導電性を有する静電塗装用水性塗料であり、本実施形態で用いられる塗料押出液は、絶縁性を有する酢酸ブチルなどの油性透明液体である。ゆえに、油性透明液体の比重は0.8〜0.9となり、静電塗装用水性塗料の比重(1.1〜1.3)よりも小さくなる。
なお、塗料バッグ12は、塗料押出液室14内に塗料押出液が充填された際に変形して収縮する。これに伴い、塗料バッグ12内(塗料室13内)の塗料は塗料カートリッジ11の外部領域に押し出される。また、塗料バッグ12は、内部(塗料室13内)に塗料が充填された際に変形して膨張する。これに伴い、縮小された塗料押出液室14内の塗料押出液は、塗料カートリッジ11の外部領域に押し出される。本実施形態において、塗料室13(塗料バッグ12)の最大容量は約500ccに設定され、塗料押出液室14の最大容量は約1000ccに設定されている。
図1に示されるように、塗料カートリッジ11内には、塗料室13と塗料カートリッジ11の外部領域との間を連通しうる1系統の塗料移動経路を構成する塗料移動管16が設けられている。塗料移動管16の先端は塗料室13内にて開口し、塗料移動管16の基端部は、ベース部11c内に設けられた塗料ストップ弁11dに連結されている。また、塗料カートリッジ11は、塗料押出液室14と塗料カートリッジ11の外部領域との間を連通しうる2系統の塗料押出液移動経路18a,18bを有している。一方の塗料押出液移動経路18aは、本体部11aの内壁面近傍に配置され、他方の塗料押出液移動経路18bは、塗料押出液移動経路18aと塗料移動経路(塗料移動管16)との間に配置されている。塗料押出液移動経路18aは、ベース部11cの外周部を貫通する貫通孔と、同貫通孔内に基端部が挿入される塗料押出液移動管15とによって構成されている。塗料押出液移動管15は、ベース部11cの外周部から塗料押出液室14内に突出している。一方、塗料押出液移動経路18bは、ベース部11cを貫通する貫通孔のみによって構成されるため、ベース部11cから塗料押出液室14内に塗料押出液移動管15などが突出していない。
図1に示されるように、各塗料押出液移動経路18a,18bには、塗料押出液ストップ弁11eがそれぞれ設けられている。各塗料押出液ストップ弁11eは、ベース部11c内に設けられており、塗料押出液移動経路18aに設けられた塗料押出液ストップ弁11eは、塗料押出液移動管15の基端部に連結されている。各塗料押出液ストップ弁11eは、前記塗装機及び前記カートリッジ取付部30に取り付けられたときに各塗料押出液移動経路18a,18bを開状態とし、塗料押出液室14と塗料カートリッジ11の外部領域との間を連通させる。また、各塗料押出液ストップ弁11eは、塗装機及びカートリッジ取付部30に取り付けられていないときに各塗料押出液移動経路18a,18bを閉状態とし、塗料押出液室14と塗料カートリッジ11の外部領域との間の連通を遮断させる。
図1に示されるように、前記塗料押出液送り配管29上には、塗料押出液送り配管29を開状態または閉状態に切り替える液体供給バルブ24が設けられている。液体供給バルブ24は、カートリッジ取付部30の側面に取り付けられている。液体供給バルブ24は、開状態に切り替えられた際に、塗料押出液送り配管29及びカートリッジ取付部30を介して塗料押出液室14に塗料押出液を充填可能とするようになっている。なお、本実施形態の液体供給バルブ24は、図示しないソレノイドにより作動する電磁弁である。また、塗料押出液送り配管29上には塗料押出液供給ポンプ26が設けられている。塗料押出液送り配管29は、塗料押出液供給ポンプ26の駆動により、前記塗料押出液貯留容器27に溜められた塗料押出液を塗料押出液室14に供給する経路である。なお、塗料押出液供給ポンプ26は、塗料押出液を他の塗料充填装置21(塗料カートリッジ11内の塗料押出液室14)や他の塗装機にも供給するようになっている。
図1に示されるように、前記塗料押出液戻り配管28上には、塗料押出液戻り配管28を開状態または閉状態に切り替える液体排出バルブ25が設けられている。液体排出バルブ25は、カートリッジ取付部30の側面に取り付けられている。液体排出バルブ25は、開状態に切り替えられた際に、塗料押出液室14内の塗料押出液を排出可能とするようになっている。なお、本実施形態の液体排出バルブ25は、図示しないソレノイドにより作動する電磁弁である。塗料押出液戻り配管28は、塗料押出液室14から排出される塗料押出液を、塗料充填装置21を介して塗料押出液貯留容器27に戻す経路である。なお、塗料押出液戻り配管28は他の塗料充填装置21や他の塗装機にも接続されているため、塗料押出液貯留容器27には、他の塗料充填装置21や他の塗装機から排出される塗料押出液も戻るようになっている。
図1に示されるように、カートリッジ取付部30の下面には、エア供給バルブ23a、洗浄用バルブ23b及び複数のカラーバルブ23cを有する塗料マニホールド22が取り付けられている。塗料マニホールド22内には、カラーバルブ23cを開状態に切り替えた際に、塗料タンク68内に溜められた塗料が塗料ポンプ67によって供給される塗料充填経路22aが設けられている。また、塗料充填経路22aには、エア供給バルブ23aを開状態に切り替えた際にエア源(図示略)からエアが供給されるとともに、洗浄用バルブ23bを開状態に切り替えた際にシンナー貯留タンク(図示略)からシンナーが供給されるようになっている。なお、本実施形態のエア供給バルブ23a、洗浄用バルブ23b及びカラーバルブ23cは、いずれも図示しないソレノイドにより作動する電磁弁である。
図1に示されるように、カートリッジ取付部30内には、前記塗料室13内の塗料を外部に排出するとともに、塗料充填経路22a内に溜まった塗料及びエアを外部に排出する排出経路31が設けられている。また、前記塗料ストップ弁11dと塗料充填経路22aと排出経路31との接続部分には、塗料ストップ弁11d、塗料充填経路22a及び排出経路31のうちの1つを遮断して、残りの2つを連通させるトリガバルブ22dが設けられている。さらに、排出経路31は、2つに分岐しており、分岐経路32a,32bを有している。一方の分岐経路32aには開閉弁33aが設けられており、他方の分岐経路32bには開閉弁33bが設けられている。開閉弁33a,33bは、カートリッジ取付部30の下面に取り付けられており、開状態に切り替えられた際に塗料などを排出するようになっている。なお、本実施形態のトリガバルブ22d及び開閉弁33a,33bは、いずれも図示しないソレノイドにより作動する電磁弁である。
図1に示されるように、排出経路31を構成する一方の分岐経路32a上には、絞り装置41が設けられている。絞り装置41は、分岐経路32aにおいて開閉弁33aの下流側に配置されている。図2(a)に示されるように、絞り装置41は、ケース42、入口ホースジョイント43及び出口ホースジョイント44を備えている。ケース42は、両端にて開口する略円筒状をなし、一方の開口部分に入口ホースジョイント43の基端側が螺着されるとともに、他方の開口部分に出口ホースジョイント44の基端側が螺着されている。さらに、入口ホースジョイント43の先端側及び出口ホースジョイント44の先端側には、分岐経路32aを構成するホース(図示略)を挿入するためのホース挿入溝43a,44aが形成されている。そして、ホースをホース挿入溝43a,44aに挿入した状態で、ホースジョイント43,44の先端側にそれぞれホース取付ナット(図示略)を螺着させることにより、ホースが絞り装置41に固定される。このとき、入口ホースジョイント43が、絞り装置41において分岐経路32aの上流側に位置するとともに、出口ホースジョイント44が、絞り装置41において分岐経路32aの下流側に位置する。なお、ケース42、入口ホースジョイント43及び出口ホースジョイント44は、金属材料(本実施形態ではSUS304)によって形成されている。
図2(a)〜(c)に示されるように、ケース42内には、5個のスペーサ45と5個のエレメント51とが設けられている。各スペーサ45及び各エレメント51は、排出経路31上において直列かつ交互に配置されている。例えば、1番目のエレメント51(図2(a)において最も左側に位置するエレメント51)は、ケース42の内周面42aに形成された段部43aに係合している。また、1番目のスペーサ45(図2(a)において最も左側に位置するスペーサ45)は、1番目のエレメント51に接触している。さらに、2番目のエレメント51(図2(a)において左から2番目に位置するエレメント51)は、1番目のスペーサ45に接触している。なお、出口ホースジョイント44が5番目のスペーサ45(図2(a)において最も右側に位置するスペーサ45)に接触することにより、各スペーサ45及び各エレメント51のガタツキが抑えられる。即ち、出口ホースジョイント44は、ホースを接続する機能と、各スペーサ45及び各エレメント51を固定する機能とを兼ねている。
図2(a)に示されるように、スペーサ45は、厚さ2.0mmの合成樹脂(本実施形態ではポリテトラフルオロエチレン:PTFE)によって円筒状に形成されている。スペーサ45の外径は、ケース42の最小内径(図2(a)において段部43aよりも左側部分の内径)よりも大きく、ケース42の最大内径(図2(a)において段部43aよりも右側部分の内径)よりもやや小さくなっている。
一方、図2(a)〜(c)に示されるように、前記エレメント51は、厚さ1.0mmの金属材料(本実施形態ではSUS304)によって形成されている。エレメント51は、同エレメント51の外周部を構成する平板部52と、エレメント51の内周部を構成する膨出部53とを有している。平板部52は円形の外径形状をなしており、平板部52の外径は、ケース42の最小内径よりも大きく、ケース42の最大内径よりもやや小さくなっている。また、膨出部53は、ケース42に取り付けた状態で、前記排出経路31の下流側に突出するとともに上流側が凹面状となっており、断面円弧状をなしている。膨出部53の突出量は、スペーサ45の軸線方向の長さよりも小さくなっている。
また、エレメント51の膨出部53には、複数のオリフィス54が透設されている。本実施形態では、1つのエレメント51につき5個のオリフィス54が透設されている。本実施形態のオリフィス54は、円形の断面形状をなしており、内径が0.2mm程度に設定されている。各オリフィス54は、ケース42に取り付けた状態でケース42の軸線方向と同一方向に沿って延びるように貫通している(図2(a),(b)参照)。5個のオリフィス54のうち、1個のオリフィス54は膨出部53の中央部に配置され、残り4個のオリフィス54は膨出部53の外周部分において90°間隔で配置されている(図2(c)参照)。なお本実施形態では、膨出部53はポンチを用いた深絞り成形によって形成され、各オリフィス54は、膨出部53が形成された後でドリルなどを用いて形成される。
次に、塗料充填システム20の電気的構成について説明する。
図1に示されるように、塗料充填システム20はパソコン61を備えており、パソコン61は、CPU62、ROM63、RAM64、入出力回路等により構成されている。また、CPU62には、キーボード65やディスプレイ66などが電気的に接続されている。CPU62は、前記エア供給バルブ23a、前記洗浄用バルブ23b、前記カラーバルブ23c、前記開閉弁33a,33b、前記トリガバルブ22d、前記液体供給バルブ24及び前記液体排出バルブ25に電気的に接続されており、各種の駆動信号によってそれらを制御する。
次に、上記実施形態の塗料充填システム20を用いた塗料の充填方法を説明する。
ところで、塗料カートリッジ11の塗料バッグ12内に充填する塗料の色が変更されることがある。この場合、まず、次色の塗料を充填するための塗料カートリッジ11を、接続端面11fを下向きにした状態で塗料充填装置21のカートリッジ取付部30に取り付ける。
この状態において、CPU62からエア供給バルブ23a、トリガバルブ22d及び開閉弁33bに駆動信号を出力すると、エア供給バルブ23a及び開閉弁33bが開状態に切り替わるとともに、トリガバルブ22dが駆動されて塗料ストップ弁11dが閉状態となり、塗料充填経路22aと分岐経路32bとが連通する。これにより、エア源のエアが、塗料充填経路22a及び分岐経路32bを通過し、塗料充填経路22a内に溜まった塗料が外部に押し出される(図3(a)参照)。
次に、CPU62からエア供給バルブ23aへの駆動信号の出力を終了するとともに、洗浄用バルブ23bへの駆動信号の出力を開始する。これにより、エア源から塗料充填経路22aへのエアの供給が終了するとともに、シンナー貯留タンクから塗料充填経路22aへのシンナーの供給が開始される。その結果、シンナーが、塗料充填経路22a及び分岐経路32bを通過し、塗料充填経路22a内に残存する塗料が洗浄される。
次に、CPU62から洗浄用バルブ23b及び開閉弁33bへの駆動信号の出力を終了し、シンナー貯留タンクから塗料充填経路22aへのシンナーの供給を終了させるとともに、分岐経路32bを遮断する。さらに、CPU62からカラーバルブ23c及び開閉弁33aに駆動信号を出力すると、カラーバルブ23c及び開閉弁33aが開状態に切り替わるとともに、塗料充填経路22aと分岐経路32aとが連通する。これにより、塗料タンク68内の次色の塗料が、塗料ポンプ67によって塗料充填経路22a、分岐経路32a及び絞り装置41を通過し、塗料充填経路22a内に残ったエアが塗料とともに外部に押し出され、エア抜き工程が行われる(図3(b)参照)。なお、エア抜き工程において分岐経路32aを通過する塗料の流量は、絞り装置41を通過する際に絞られる。具体的には、絞り装置41内のエレメント51のオリフィス54を通過する際に、塗料の流量が絞られる。その結果、塗料は緩やかに排出されるため、無駄になる廃塗料が削減される。
その後、CPU62から開閉弁33aへの駆動信号の出力を終了してエア抜き工程を終了させるとともに、分岐経路32aを遮断する。さらに、CPU62からトリガバルブ22dに駆動信号を出力すると、トリガバルブ22dが駆動されて塗料ストップ弁11dが開状態となり、塗料充填経路22aと塗料移動管16とが連通する。これにより、塗料タンク68内の塗料が、塗料ポンプ67によって塗料充填経路22a、塗料ストップ弁11d及び塗料移動管16を通過し、塗料バッグ12内に充填される(図3(c)参照)。
また、CPU62は、カラーバルブ23c及びトリガバルブ22dに駆動信号を出力するのと同時に、液体排出バルブ25に駆動信号を出力し、液体排出バルブ25を開状態に切り替える。これにより、塗料押出液室14内にある塗料押出液は、塗料バッグ12に塗料が充填されるのに伴い、塗料押出液移動経路18b内に流れ込む。そして、塗料押出液は、塗料押出液移動経路18b、液体排出バルブ25及び塗料押出液戻り配管28を順番に通過し、塗料押出液貯留容器27に流れ込む。
その後、塗料バッグ12内への塗料の充填が終了すると、塗料カートリッジ11は、塗料充填装置21のカートリッジ取付部30から取り外されて塗装機に取り付けられる。塗料カートリッジ11が塗装機に取り付けられると、塗料カートリッジ11の塗料押出液室14内には別の駆動源によって塗料押出液が供給される。それに伴い、塗料バッグ12は変形して収縮するため、塗料バッグ12内の塗料は塗装機の回転霧化頭より吐出され、塗装が実施される。
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態の塗料充填装置21によれば、絞り装置41を排出経路31の分岐経路32a上に設けることにより、塗料充填経路22a内に溜まったエアを外部に排出する際に塗料が緩やかに排出される。これにより、廃塗料を削減でき、ひいてはランニングコストを低減できる。
また、絞り装置41が5個のエレメント51を有し、各エレメント51が多段状に配置されるため、個々のエレメント51での絞り量を小さくできる。よって、塗料が詰まりにくくなる。しかも、個々のエレメント51での絞り量を小さくしたとしても、各エレメント51が直列に配置されるため、全体としての絞り量を大きくすることができる。
(2)本実施形態では、排出経路31が2つの分岐経路32a,32bを有し、一方の分岐経路32a上のみに絞り装置41が設けられている。このため、絞り装置41がある分岐経路32aの開閉弁33aを開状態にすれば、塗料充填経路22a内に溜まった塗料を緩やかに外部に排出できる一方、絞り装置41がない分岐経路32bの開閉弁33bを開状態にすれば、塗料充填経路22aの洗浄時に大量の流体を速やかに外部に排出できる。これにより、絞り装置41を設けたとしても、従来と同等の洗浄力を確保できる。
(3)本実施形態において、絞り装置41の出口ホースジョイント44は、各スペーサ45及び各エレメント51を固定する機能を有している。また、出口ホースジョイント44は、絞り装置41のケース42に螺着されている。このため、エア抜き工程時にエレメント51が詰まったとしても、すぐに塗料ポンプ67を停止して塗料の流れを停止させるようにすれば、出口ホースジョイント44を取り外すだけで一気に取り外せるエレメント51を清掃するだけで、エア抜き工程を即座に再開することができる。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態の各オリフィス54は、ケース42に取り付けた状態でケース42の軸線方向と同一方向に沿って延びるように貫通していた。しかし、図2(c),(d)に示されるように、膨出部53の外周部分に配置されたオリフィス54は、ケース42に取り付けた状態で、ケース42の軸線方向に対して所定角度(例えば60°)傾斜した方向に沿って延びるように貫通していてもよい。この場合、各オリフィス54は、膨出部53を形成する前にドリルなどを用いて形成されることが好ましい。
・上記実施形態のオリフィス54の内径は0.2mm程度に設定されていたが、オリフィス54の内径を、0.1mm、0.3mm、0.4mmなどに適宜変更してもよい。また、オリフィス54の数を適宜変更してもよい。
・上記実施形態の絞り装置41は5個のエレメント51を備えていたが、エレメント51の数は、2個以上4個以下であってもよいし、6個以上であってもよい。
・上記実施形態の塗料充填システム20では、塗料押出液移動経路が2つの経路(塗料押出液移動経路18a,18b)からなっていた。しかし、塗料押出液移動経路18aと塗料押出液移動経路18bとを、1つの経路としてもよい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)請求項1乃至3のいずれか1項において、前記排出経路は2つに分岐しており、それら2つの分岐経路にそれぞれ開閉弁を設けるとともに、一方の分岐経路に前記絞り装置を設けたことを特徴とする塗料充填装置。
(2)請求項1乃至3のいずれか1項において、前記絞り装置は、両端にて開口し、前記複数のエレメント及び複数のスペーサが内部にて直列かつ交互に配置されるケースと、前記ケースの一方の開口部分に取り付けられる入口ジョイントと、前記ケースの他方の開口部分に取り付けられ、前記複数のエレメント及び前記複数のスペーサを固定する出口ジョイントとを備えることを特徴とする塗料充填装置。
(3)技術的思想(2)において、前記複数のオリフィスは、前記ケースの軸線方向と同一方向に貫通していることを特徴とする塗料充填装置。
11…塗料カートリッジ
21…塗料充填装置
22…塗料マニホールド
22a…塗料充填経路
23c…カラーバルブ
30…カートリッジ取付部
31…排出経路
41…絞り装置
51…エレメント
53…膨出部
54…オリフィス
21…塗料充填装置
22…塗料マニホールド
22a…塗料充填経路
23c…カラーバルブ
30…カートリッジ取付部
31…排出経路
41…絞り装置
51…エレメント
53…膨出部
54…オリフィス
Claims (3)
- 塗料充填経路内に溜まった塗料及びエアを外部に排出する排出経路を備えた塗料充填装置であって、
前記排出経路上において直列に配置された複数のエレメントを有する絞り装置を、前記排出経路上に設けたことを特徴とする塗料充填装置。 - 前記エレメントは、前記排出経路の下流側に突出するとともに上流側が凹面状の膨出部を有し、
前記膨出部には、複数のオリフィスが透設されていることを特徴とする請求項1に記載の塗料充填装置。 - 複数のカラーバルブを有する塗料マニホールドと、
塗料カートリッジが着脱可能に取り付けられるカートリッジ取付部と、
前記塗料カートリッジの取付時に塗料を前記塗料マニホールドから前記塗料カートリッジ内に導く前記塗料充填経路と
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の塗料充填装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007055841A JP2008212869A (ja) | 2007-03-06 | 2007-03-06 | 塗料充填装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007055841A JP2008212869A (ja) | 2007-03-06 | 2007-03-06 | 塗料充填装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2008212869A true JP2008212869A (ja) | 2008-09-18 |
Family
ID=39833548
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007055841A Pending JP2008212869A (ja) | 2007-03-06 | 2007-03-06 | 塗料充填装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008212869A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2007
- 2007-03-06 JP JP2007055841A patent/JP2008212869A/ja active Pending
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