JP2008212037A - 連続式マイクロ波解凍装置及び方法 - Google Patents

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恵三 小林
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Abstract

【課題】被解凍物を連続解凍する装置にて、短時間で均一解凍が可能で且つドリップの発生を抑制することが可能なマイクロ波解凍装置及び方法を提供する。
【解決手段】トンネル状のケーシング2により解凍室3が形成され、該解凍室の入口3aから出口3bに向けて被解凍物20を搬送する搬送コンベア10が配置されており、前記搬送コンベア10上の被解凍物20に対してマイクロ波を断続的に照射するマイクロ波照射装置6を備え、前記ケーシング2がマイクロ波遮蔽材料で形成され、且つ該解凍室の入口と出口に被解凍物が通過可能であるマイクロ波遮蔽手段が配設されるとともに、前記マイクロ波照射装置6によるマイクロ波の影響を受けない部位に、解凍室内を冷却雰囲気に維持する冷却装置7、8が設けられた構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、食品をマイクロ波解凍する技術に関し、特に、短時間で均一解凍が可能で且つドリップの発生を抑制することが可能である食品の連続式マイクロ波解凍装置及び方法に関する。
食品の保存方法として、畜肉や魚介類等の生鮮食品、或いは調理済み食品などの食品の冷凍保存が普及してきており、特に近年はその冷凍技術が向上し、食品の鮮度を高く維持した状態で長期保存することが可能となってきている。これに伴い、解凍する際にも鮮度を低下させることなく高品質の解凍品を提供できる解凍装置が望まれている。
従来の解凍方法としては、自然解凍、流水解凍、温風解凍等の方法があるが、なかでもマイクロ波を用いた解凍は、短時間解凍が可能であるとともに、他の方法に比べて解凍ムラが生じ難いという利点を有している。
このマイクロ波解凍を利用した解凍装置として、特許文献1(特開2005−53号公報)には、加熱室内に収納した冷凍食品にマイクロ波を照射して、該冷凍食品を解凍する解凍装置が開示されている。さらに、この装置では、食品の表面又は端部などの一部分に集中過熱が生じないように、食品の周縁部を優先的に冷却する冷却手段を有し、高品質の解凍を可能としている。
しかしながら、従来の解凍装置では、解凍に際してドリップが発生するという問題を有していた。ドリップは、冷凍時に氷の結晶が細胞を破壊するために発生し、急速凍結技術が進んだ現在でも避けられない問題である。ドリップが大量に発生すると食品の変色や風味の劣化を引き起こしてしまう。
そこで、特許文献2(特許第3284409号公報)では、ドリップの流出を抑制した解凍装置を提案している。この解凍装置は、減圧をすすめながらマイクロ波加熱を行う工程で、ドリップ状の液が出る状態になる前にマイクロ波加熱を停止させ、停止させた状態でさらに減圧をすすめ、その後復圧し、再度減圧を進めながらマイクロ波加熱を行い、再度マイクロ波加熱を停止するという工程を繰り返すことによって、凍結物内部の温度より高い凍結物表層部の温度を昇華潜熱にて低下させて凍結物内部の温度に近づけ、順次この操作を繰り返して凍結物を昇温させることにより、ドリップの流出を防止している。
特開2005−53号公報 特許第3284409号公報 特許第3398886号公報
上記したように、ドリップの発生を防止するための方法として特許文献2に記載される装置は有効であるが、しかしこの装置はバッチ式で且つ減圧−復圧操作が容易に行える小型の装置のみに適用可能であり、連続的に解凍処理を行う大型装置には適用することができない。
連続解凍を行う装置としては、特許文献3(特許第3398886号公報)に記載されるように、搬送用コンベヤベルトに載置した解凍対象物を搬送しながら温風を供給して解凍する装置が提案されているが、この装置ではドリップを防止する方法については考慮されておらず、連続解凍を行う大型装置においてドリップを抑制できる装置が望まれていた。
また、従来の自然解凍、流水解凍、温風解凍等の方法に比べてマイクロ波解凍は解凍ムラが少なくなるものの、中心部と表層部にはやはり解凍ムラが生じてしまい、高品質の解凍品を得るためには、この解凍ムラを解消する技術が求められている。
従って、本発明は上記従来の技術の問題点に鑑み、被解凍物を連続解凍する装置にて、短時間で均一解凍が可能で且つドリップの発生を抑制することが可能な連続式マイクロ波解凍装置及び方法を提供することを目的とする。
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、トンネル状ケーシングにより解凍室が形成され、該解凍室の入口部から出口部に向けて被解凍物を搬送する搬送コンベアが配置され、該搬送コンベア上に載置された被解凍物を搬送しながら連続的に解凍する連続式マイクロ波解凍装置において、
前記搬送コンベア上の被解凍物に対してマイクロ波を断続的に照射するマイクロ波照射装置を備え、前記ケーシングがマイクロ波遮蔽材料で形成され、且つ前記解凍室の入口部と出口部に前記被解凍物が通過可能であるマイクロ波遮蔽手段が配設されるとともに、
前記マイクロ波照射装置によるマイクロ波の影響を受けない部位に、前記解凍室内を被解凍物の凍結温度以下に冷却する冷却装置が設けられたことを特徴とする。
本発明によれば、搬送コンベアにて被解凍物に、低温雰囲気下の解凍室内を搬送しながら計画的にマイクロ波の断続照射を行うことにより、被解凍物の加熱されやすい表層部の凍結状態を維持したまま中心部を加熱できることから、大量の被解凍物に対して短時間で且つ均一に解凍処理を施すことが可能である。
一般にマイクロ波解凍では、被解凍物はマイクロ波を照射されると、表層からその電磁エネルギを吸収し、分子摩擦運動によって発生する摩擦熱で解凍される。このとき、マイクロ波の吸収率は氷より水の方が極めて高く、マイクロ波照射のみの場合は表層部が解凍して水となると、それ以降は主に水がマイクロ波を吸収してしまい中央部の凍結部は解凍され難くなる。そのため、解凍室内を低温制御することにより、マイクロ波照射での過度の表層温度の上昇を制御するとともに、マイクロ波停止時に表層部温度と中央部温度の温度差から発生する熱伝導により均温を図るようにしている。このように、本発明によれば被解凍物におけるドリップの発生を抑制し、高品質の解凍品(半解凍品を含む)を提供することが可能である。
また、前記マイクロ波照射装置が、前記搬送コンベアの搬送方向に対して所定間隔離間して複数設置されていることを特徴とする。
このように、マイクロ波照射装置を複数設置することにより、解凍室内の被解凍物に対して均一にマイクロ波を照射することが可能となる。
さらに、前記マイクロ波照射装置は、マイクロ波照射と停止を繰り返し行うようになっており、該マイクロ波照射と停止の時間及びタイミングに関するマイクロ波照射モデルが、被解凍物の初期温度、全解凍時間、及びマイクロ波出力に基づいて予め設定されていることを特徴とする。
これにより、被解凍物や解凍装置の構成に応じて、最適な解凍処理を行うことが可能となり、高品質の解凍品とすることができる。
尚、前記マイクロ波照射モデルを設定する際の因子として、被解凍物の加熱特性を加えることが好ましい。加熱特性とは、例えば、マイクロ波に対する吸収特性等の被解凍物の電磁特性、熱伝導率や比熱等の熱物性、或いは形状、重量などが挙げられる。
さらにまた、前記マイクロ波遮蔽手段が、板状遮蔽材料で形成された昇降自在の遮蔽ゲートであり、該遮蔽ゲートは、マイクロ波停止時にのみ開放することを特徴とする。
このように、昇降自在の遮蔽ゲートを設置し、マイクロ波停止時にのみ開放することで、マイクロ波の外部への漏洩を確実に防止することが可能となる。
また、トンネル状ケーシング内に形成された解凍室内にて、搬送コンベア上に載置された被解凍物を搬送しながら連続的に解凍する連続式マイクロ波解凍方法において、
前記解凍室内が前記被解凍物の凍結温度以下まで冷却され、
前記解凍室内に導入された被解凍物に、冷却雰囲気下にてマイクロ波を照射するマイクロ波照射工程と、
前記マイクロ波の照射を停止し、前記被解凍物の冷却のみを行う冷却工程と、を備え、
前記マイクロ波照射工程と前記冷却工程とを繰り返し行うことにより被解凍物を解凍することを特徴とする。
さらに、前記マイクロ波照射工程が前記冷却工程より時間が短くなるように設定され、且つ前記マイクロ波照射工程と前記冷却工程の滞留時間及びタイミングに関するマイクロ波照射モデルが、被解凍物の初期温度、全解凍時間、及びマイクロ波出力に基づいて予め設定されていることを特徴とする。
以前記載のごとく本発明によれば、大量の被解凍物に対して短時間で且つ均一に解凍処理を施すことが可能である。また、本発明によれば被解凍物におけるドリップの発生を抑制し、高品質の解凍品を提供することが可能である。さらに、予め設定されたマイクロ波照射モデルに基づいて解凍を実施することにより、被解凍物や解凍装置の構成に応じて、最適な解凍処理を行うことが可能となり、高品質の解凍品とすることができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の実施例1に係るマイクロ波解凍装置の側断面図、図2は本発明の実施例2に係るマイクロ波解凍装置の側断面図、図3は本発明の実施例3に係るマイクロ波解凍装置の側断面図、図4は本実施例に係る被解凍物の搬入手段の一例を示す側断面図、図5はマイクロ波の照射タイミングの一例を説明する表、図6及び図7は解凍試験における温度変化を示すグラフである。
図1を参照して、本実施例1のマイクロ波解凍装置の構成を説明する。
本実施例1のマイクロ波解凍装置1は、トンネル状のケーシング2により形成された解凍室3と、その前側に形成された前室4と、後側に形成された後室5とを備えており、ケーシング2内にはケーシング入口2aからケーシング出口2bに向けて搬送コンベア10が走行するように配設されている。該搬送コンベア10は、メッシュコンベアやベルトコンベア等のマイクロ波の影響を受けない構造とする。搬送コンベア10上には、被解凍物20が載置され、所定速度で搬送されながら解凍室3にて解凍されるようになっている。ケーシング2は、断熱性を有するとともに、マイクロ波を透過せず且つ吸収が少ない遮蔽材料により構成される。尚、前室4及び後室5は設けない構成としてもよいが、解凍室3内の冷却雰囲気を保持するため、及びマイクロ波の漏洩を完全に防止するため、設置する構成とすることが好ましい。
また、解凍室3と前室4の間と、解凍室3と後室5との間には夫々開口部が存在し、夫々解凍室入口3a、解凍室出口3bとなっている。
解凍室入口3aと解凍室出口3b、若しくはケーシング入口2aとケーシング出口2bには、マイクロ波を遮蔽する遮蔽手段が設けられている。同図では、一例として解凍室入口3aと解凍室出口3bに、開閉自在な遮蔽ゲート30を設けている。この遮蔽ゲート30は、マイクロ波を遮蔽する板状材料で形成され、マイクロ波の照射時には閉じた状態とし、マイクロ波の停止時に開放されてコンベア上を搬送される被解凍物20が通過できるようになっている。また、この遮蔽手段は、図2及び図3に示されるように、遮蔽シート31としてもよい。遮蔽シート31は、マイクロ波を遮蔽する可撓性材料で形成され、被解凍物20が通過する際に、開口部と被解凍物20との間に隙間ができ難いように構成される。
また、搬入手段の別の例として、図4に示す構成を採用してもよい。尚、同図では、前室4を設けない構成を示している。
解凍室3の入口2aに遮蔽ゲート30を設け、該解凍室3の外側に、搬送コンベア10とは別の搬入コンベア15を設けている。該搬入コンベア15は、搬送コンベア10の搬送方向に対して垂直方向に配置され、図中、紙面手前側から奥側へ被解凍物20が搬送されるようになっている。そして、入口2aにおいて、プッシャ33にて被解凍物20を搬送コンベア10に押し込むように構成される。このプッシャ33は、遮蔽ゲート30と連動しており、マイクロ波照射装置6のマイクロ波停止時に、遮蔽ゲート35が開放するとともにプッシャ33にて被解凍物20を押し込むようになっており、コントローラ35により制御される。
また本実施例では、解凍室3にマイクロ波を照射するマイクロ波照射装置6を具備する。このマイクロ波照射装置6は、搬送コンベア10上の被解凍物20にマイクロ波が照射される位置であれば何れに設置してもよい。同図では、搬送コンベア10の上方に設置した構成を示している。このマイクロ波照射装置6は、好適には解凍室3の搬送方向に対して所定間隔を有して複数設けられる。これは、マイクロ波を被解凍物20に均一に照射するためである。マイクロ波照射装置6としては、マイクロ波を発生させるマグネトロンと、該マグネトロンにより発生させたマイクロ波を解凍室3内に導き、所定方向に照射する各周辺機器とを備えた周知の装置が用いられる。
さらに、解凍室3内に冷風を供給し、室内を冷却雰囲気とする空気冷却器7を具備する。該空気冷却器7は、マイクロ波照射装置6からのマイクロ波の影響が及ばない位置に配置する。空気冷却器7は、冷却器と送風ファンを備える。同図において、空気冷却器7はマイクロ波照射装置6の上方に配置しているが、この場合、空気冷却器7とマイクロ波照射装置6の間にメッシュ状の遮蔽部材を介在させるようにしてもよい。該空気冷却器7は、解凍室3の背面にマイクロ波遮蔽空間を設けて、この空間に設置するようにしてもよい。
また、空気冷却器7に連通する冷風吹出部8が設けられており、解凍室3内を被解凍物20の凍結温度以下の冷却雰囲気に維持している。好適には、室内温度を−20℃〜−5℃に冷却するとよい。
同図では一例として、マイクロ波照射装置6の間に冷風吹出部8を配置している。冷風吹出部8としては、衝突噴流式ノズル(図示略)を採用することが好ましい。該衝突噴流式ノズルは、搬送コンベア10上面に対して低温の高速噴流を垂直に吹き付けるようになっている。この衝突噴流式ノズルを用いることにより効果的な冷却が可能である。このとき、ノズルは上下方向に昇降可能な構成とすることが好ましく、被解凍物の厚さが変わっても、その冷却面との距離を一定に保つようにする。
空気冷却器7による冷却の強さは、解凍室3内の低温温度と被解凍物20の表層部温度との差で、例えば70%の寄与率で決定される。上記した衝突噴流式ノズルを用いることで、残りの30%の寄与率をより高めることが可能である。
上記構成を備えた装置における動作をその作用とともに説明する。
まず、搬送コンベア10に載置された被解凍物20は、ケーシング入口2aより搬入され、前室4を通過して解凍室入口3aより解凍室3内に導入される。このとき、被解凍物20の通過タイミングに合わせて、解凍室入口3aの遮蔽ゲート30が上下に昇降する。解凍室3は、被解凍物20の凍結温度以下まで冷却されている。
解凍室3内に導入された被解凍物20は、冷風吹出部8からの冷風により冷却されながら、マイクロ波照射装置6により所定の時間及びタイミングによりマイクロ波を照射される。このマイクロ波照射と停止の時間及びタイミングに関するマイクロ波照射モデルは、被解凍物20の初期温度、全解凍時間、及びマイクロ波出力に基づいて予め設定されているものである。マイクロ波照射時間は、マイクロ波停止時間よりも短く設定されている。
マイクロ波の照射を断続的に行うことにより、被解凍物20は温度上昇して解凍される。しかし、マイクロ波照射のみでは、被解凍物20の表面側の温度上昇が大きく、中心温度と表面温度に差が生じる。そこで本実施例では、空気冷却器7により生成した冷風により室内を冷却雰囲気に維持している。
即ち、被解凍物20は、空気冷却器7による冷却雰囲気下にて、マイクロ波照射装置6により所定時間マイクロ波を照射された後、マイクロ波を停止して冷却のみを行い所定時間経過後、またマイクロ波照射を所定時間行う。そして再度マイクロ波照射を停止して冷却のみを行い、この操作を予めモデル化された通りに繰り返し行うようになっている。
このような構成により、マイクロ波照射時においては、冷風により被解凍物20の表面温度の上昇勾配を緩やかにし、またマイクロ波停止時においては、該冷風により上昇し過ぎた表面温度を冷却するようになっている。
これにより、被解凍物20の解凍処理時に表面温度と中心温度に生じた差を解消でき、ドリップの発生を抑制し、高品質の解凍品(半解凍品を含む)を提供することが可能である。
解凍処理が終了した被解凍物20は、解凍室出口3bより排出され、後室5を通過してケーシング出口2bより搬出される。
尚、被解凍物20の解凍処理後に他の処理工程を有する場合、出口2bにおける被解凍物20の温度は被解凍物20の最大氷結晶生成帯となる温度若しくはそれ以下とし、マイクロ波解凍装置1にて部分解凍を行う構成とすることが好ましいこともあるが、これは、食品工場における解凍後の処理工程、例えばスライスやカットなどに最適な状態の解凍品を得ることができるものである。
本実施例によれば、搬送コンベア10にて被解凍物20を低温雰囲気下の解凍室3内を搬送しながら計画的にマイクロ波の断続照射を行うことにより、被解凍物20の加熱されやすい表層部の凍結状態を維持したまま中心部を加熱できることから、大量の被解凍物20に対して短時間で且つ均一に解凍処理を施すことが可能である。さらに、本発明によれば被解凍物20におけるドリップの発生を抑制し、高品質の解凍品を提供することが可能である。
次に、図2を参照して、本実施例2のマイクロ波解凍装置の構成を説明する。尚、以下の実施例2及び3において、上記した実施例1と同様の構成についてはその詳細な説明を省略する。
本実施例2のマイクロ波解凍装置1は、実施例1の装置において、マイクロ波照射装置6をコンベア搬送方向に所定間隔だけ離間させて複数設置するとともに、該マイクロ波照射装置6の上方に空気冷却部7と、冷風吹出部8を設置した構成となっている。この冷風吹出部8は、解凍室3の長さ方向に延設されている。
このような構成とすることで、マイクロ波照射装置6の設置に自由度が増し、該装置の設置数の増減も自在となる。
図3を参照して、本実施例3のマイクロ波解凍装置の構成を説明する。
本実施例3のマイクロ波照射装置1は、実施例1の装置において、搬入手段と搬出手段を異ならせた構成となっている。
搬送コンベア10を、解凍室入口3aから解凍室出口3bまで延設し、該搬送コンベア10の上流側に搬入コンベア11を連設し、下流側に搬出コンベア13を連設している。搬入コンベア11は、ケーシング2の外部から解凍室入口3aまで延設しており、下流側が下方に傾斜するように配置されている。さらに、この傾斜により被解凍物20が滑らないように、コンベア上にストッパ12を設けている。該搬入コンベア11は、搬送コンベア10と接する部分で、該搬送コンベア10の上方に位置するようにし、搬入コンベア11上を搬送されてきた被解凍物20が搬送コンベア10上に落下するようになっている。
搬出コンベア13は、上流側が上方に傾斜するように配置されている。この搬出コンベア13は、搬送コンベア10と接する部分で該搬送コンベア10の下方に位置するようにし、搬送コンベア10上を搬送されてきた被解凍物20が搬出コンベア13上に落下するようになっている。尚、該搬出コンベア13にもストッパを設けることが好ましい。
また、搬入コンベア11及び搬出コンベア13は、搬送距離を短くすることで、薄型化及びコンパクト化することができる。さらに、これらの搬入コンベア11及び搬出コンベア13の速度を調整することにより、搬送コンベア10への被解凍物20の供給を円滑に行うことが可能となる。
さらに、上記した実施例1乃至3の構成において、解凍室3を搬送方向に複数に仕切り、夫々の異なる温度の冷風を供給する複数の冷却帯を設けるようにしてもよい。
この複数の冷却帯の温度を、上流側から下流側に向けて段階的に温度が高くなるように構成することで、解凍温度に沿った適切な温度制御が可能となる。
具体例としては、複数存在する冷却帯を、搬送方向に対して上流側ゾーン、中流側ゾーン、下流側ゾーンの3つの区域に区分し、上流側ゾーンでは冷却温度を極低温とし、中流側ゾーンでは中低温とし、下流側ゾーンでは低温となるように、冷却温度が段階的に上昇するように設定する。
本実施例のごとく、出口側の冷却帯における冷却温度を、入口側の冷却帯における冷却温度より高く設定することにより、被解凍物の温度が急激に変化することを防止し、鮮度を維持しドリップの少ない高品質の解凍品を得ることができる。
また、上流側から下流側に向けて温度が低くなるように構成してもよい。これは、下流側の方が被解凍物20の温度が高くなるため、マイクロ波照射による温度上昇の影響が大きくなり表面温度と中心温度の差が出やすいため、下流側の冷風温度を低く設定することにより温度差が生じないようにする。
尚、何れの冷却帯においても、マイクロ波照射が均一に行われるように、マイクロ波照射装置6が設置されるものとする。
ここで、上記した実施例1を採用して解凍試験1を行った。被解凍物として、1.7kgの冷凍牛肉を4個用いた。冷凍牛肉の初期温度は−20℃である。マイクロ波照射装置として、運転能力が3kWの設備を用い、運転時には1.8kWの出力とした。
図5の表のごとく、冷却雰囲気下にてマイクロ波解凍を断続的に行って実験を行った。まず、−20℃の冷凍牛肉を搬送コンベアに載置し、解凍室内に導入して該牛肉を移送しながらマイクロ波を70秒間照射する。これにより冷凍牛肉の表面温度は−20℃から−10℃となり、中心温度は−20℃から−12℃まで上昇した。ここで、冷凍牛肉には表面温度と中心温度に−2℃の差が生じた。その後、マイクロ波照射を停止して冷風供給のみを2分間行う。これにより冷凍牛肉の表面温度は−10℃から−13℃まで冷却され、中心温度は−12℃から−13℃まで冷却され、表面温度と中心温度が同じ温度になった。
同様に、断続的なマイクロ波照射を、予め設定された滞留時間と温度にて繰り返し行った結果、牛肉は表面温度、中心温度とも−3℃まで上昇し、解凍を終了した。
この実験にて明らかなように、冷却雰囲気下にてマイクロ波解凍を断続的に行いながら解凍することにより、表面温度と中心温度の温度差を解消することができ、ドリップの発生を防止することが可能であるとともに、鮮度を維持でき高品質の解凍品とすることが可能である。
また、別の解凍試験として、冷凍豚肉を用いて試験を行った結果を以下に示す。
解凍試験2、3では、被解凍物として豚の肩ロース0.8kgからなる冷凍豚肉を用いた。冷凍豚肉の初期温度は−18℃である。マイクロ波照射装置として、上記解凍試験1と同様の設備、運転条件を用いた。
解凍試験2では、被解凍物として0.84kgの冷凍豚肉を用い、以下の条件により試験を行った。
マイクロ波照射タイミングは、冷却雰囲気下にて1回目にマイクロ波を30秒照射した後、停止して180秒間冷却のみを行い、2回目にマイクロ波を15秒照射した後、停止して180秒間冷却のみを行い、3回目にマイクロ波を15秒照射した後、停止して120秒間冷却のみを行い、以降、3回目の条件にて断続的なマイクロ波照射を繰り返し行い、11回目まで実施した。試験時間は26分である。
解凍試験3では、被解凍物として0.709kgの冷凍豚肉を用い、以下の条件により試験を行った。
マイクロ波照射タイミングは、冷却雰囲気下にてマイクロ波を17秒照射した後、停止して120秒間冷却のみを行い、これを13回繰り返し実施した。試験時間は30分である。
上記解凍試験3、4では、冷却機能を高めに設定しているため中心温度よりも表面温度の方が低くなっているが、何れの試験においてもマイクロ波照射時に生じた中心温度と表面温度の差が、マイクロ波停止時(冷却のみ)に解消される方向に進み、最終的に温度ムラの少ない解凍品が得られることがわかる。従って、本実施例におけるマイクロ波解凍装置によれば、温度ムラが少ない解凍品(半解凍品を含む)が得られ、ドリップ等の発生を防ぐことが可能であることが明らかである。
本発明は、被解凍物を連続的に大量解凍できる解凍装置であり、短時間で均一解凍が可能で且つドリップの発生を抑制することが可能であるため、畜肉、魚介類の解凍に好適に適用できる装置である。
本発明の実施例1に係るマイクロ波解凍装置の側断面図である。 本発明の実施例2に係るマイクロ波解凍装置の側断面図である。 本発明の実施例3に係るマイクロ波解凍装置の側断面図である。 本実施例に係る被解凍物の搬入手段の一例を示す側断面図である。 マイクロ波の照射タイミングの一例を説明する表である(解凍試験1)。 解凍試験2における温度変化を示すグラフである。 解凍試験3における温度変化を示すグラフである。
符号の説明
1 マイクロ波解凍装置
2 ケーシング
3 解凍室
3a 解凍室入口
3b 解凍室出口
4 前室
5 後室
6 マイクロ波照射装置
7 空気冷却器
8 冷風吹出口
10 搬送コンベア
11 搬入コンベア
12 ストッパ
13 搬出コンベア
20 被解凍物
30 遮蔽ゲート
31 遮蔽シート

Claims (6)

  1. トンネル状ケーシングにより解凍室が形成され、該解凍室の入口部から出口部に向けて被解凍物を搬送する搬送コンベアが配置され、該搬送コンベア上に載置された被解凍物を搬送しながら連続的に解凍する連続式マイクロ波解凍装置において、
    前記搬送コンベア上の被解凍物に対してマイクロ波を断続的に照射するマイクロ波照射装置を備え、前記ケーシングがマイクロ波遮蔽材料で形成され、且つ前記解凍室の入口部と出口部に前記被解凍物が通過可能であるマイクロ波遮蔽手段が配設されるとともに、
    前記マイクロ波照射装置によるマイクロ波の影響を受けない部位に、前記解凍室内を被解凍物の凍結温度以下に冷却する冷却装置が設けられたことを特徴とする連続式マイクロ波解凍装置。
  2. 前記マイクロ波照射装置が、前記搬送コンベアの搬送方向に対して所定間隔離間して複数設置されていることを特徴とする請求項1記載の連続式マイクロ波解凍装置。
  3. 前記マイクロ波照射装置は、マイクロ波照射と停止を繰り返し行うようになっており、該マイクロ波照射と停止の時間及びタイミングに関するマイクロ波照射モデルが、被解凍物の初期温度、全解凍時間、及びマイクロ波出力に基づいて予め設定されていることを特徴とする請求項1記載の連続式マイクロ波解凍装置。
  4. 前記マイクロ波遮蔽手段が、板状遮蔽材料で形成された昇降自在の遮蔽ゲートであり、該遮蔽ゲートは、マイクロ波停止時にのみ開放することを特徴とする請求項1記載の連続式マイクロ波解凍装置。
  5. トンネル状ケーシング内に形成された解凍室内にて、搬送コンベア上に載置された被解凍物を搬送しながら連続的に解凍する連続式マイクロ波解凍方法において、
    前記解凍室内が前記被解凍物の凍結温度以下まで冷却され、
    前記解凍室内に導入された被解凍物に、冷却雰囲気下にてマイクロ波を照射するマイクロ波照射工程と、
    前記マイクロ波の照射を停止し、前記被解凍物の冷却のみを行う冷却工程と、を備え、
    前記マイクロ波照射工程と前記冷却工程とを繰り返し行うことにより被解凍物を均一に解凍することを特徴とする連続式マイクロ波解凍方法。
  6. 前記マイクロ波照射工程が前記冷却工程より時間が短くなるように設定され、且つ前記マイクロ波照射工程と前記冷却工程の滞留時間及びタイミングに関するマイクロ波照射モデルが、被解凍物の初期温度、全解凍時間、及びマイクロ波出力に基づいて予め設定されていることを特徴とする請求項5記載の連続式マイクロ波解凍方法。

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