JP2014012099A - 連続式加熱処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加熱処理室1を仕切り部によって下側空間27と上側空間28に二分するとともに、吸い込み口30を介して連通しており、下側空間27は加熱媒体によって処理対象物を加熱処理しつつ搬送する空間で、上側空間28は下側空間27の加熱媒体を吸い上げて再加熱したのち、下側空間27へと送り出す加熱空間で、加熱媒体噴射ノズル17を、下側空間27の少なくとも入口2と出口3にてその噴射口17a,17aが対向するように配設し、上側空間28によって再加熱されて体積膨張した再加熱媒体が、加熱媒体噴射ノズル17の噴射口17aから噴射される加熱媒体とともに、加熱処理室1の内方へと噴射される。
【選択図】図3
Description
過熱水蒸気は、飽和水蒸気を更に加熱することにより、ある圧力において飽和温度以上の蒸気温度を持って発生する。過熱水蒸気は外気に触れて温度が下がっても、過熱状態を保っていれば凝縮せず、同じ圧力の飽和水蒸気よりも大きな熱量を保有している。例えば、食材の加熱において、食材の低温時には初期凝縮が発生して、飽和水蒸気同様に潜熱による凝縮伝熱が起こるが、食材の品温上昇に伴い、凝縮現象は消えて食材中水分の蒸発が始まる。この結果、食材内部への凝縮水流入が無く、味の変化や成分溶出の少ない加熱処理方法として過熱水蒸気が用いられている。
この種の装置によれば、加熱処理室内にコンベアによって搬送されてきた処理対象物に加熱媒体(過熱水蒸気)を噴射することによって加熱処理していたものである。また、連続して噴射される加熱媒体(過熱水蒸気)によって加熱処理室内を所定の加熱処理雰囲気(過熱水蒸気雰囲気)に維持させようとしているものである。
このように入口側と出口側に開口が開いているため、この開口から加熱処理室内の加熱媒体(過熱水蒸気)が逃げて(漏れて)しまうことがあり、また、この開口から外気(空気)が混入されてしまうこともあり、所定の加熱処理雰囲気を維持できなくなってしまうという不都合があった。
加熱処理室内からの加熱媒体の流出や加熱処理室内への外気(空気)混入は、水蒸気濃度の低下や食材表面温度の上昇速度の低下などが発生し、食材の加熱に障害がでるばかりか、殺菌効果にも大きな影響が有る。すなわち、加熱処理装置、特にこの種の連続式加熱処理装置において加熱媒体の室外への流出及び外気遮断は重要な要素となる。
すなわち、特許文献1では、開口している入口側と出口側にそれぞれカーテンを配設し、処理対象物が加熱処理室に入る時と加熱処理室から出る時のみ、カーテンを押し開いて開口を通過し、それ以外の時は、カーテンによってそれぞれの開口を閉じて加熱媒体の室外への流出及び外気遮断を図るものとしている。
(1)このカーテンや緩衝シール材は、処理対象物が通過する際に処理対象物によって容易に押し開くことができる程度であるため、加熱処理室内に噴射される加熱媒体の圧力によって通過時以外でも加熱処理室内の加熱媒体が室外へと流出してしまう。
(2)さらに、このように入口側と出口側に処理対象物が押し開いて通過する遮蔽機構では、加熱処理されて加熱処理室内から搬送される処理対象物(処理済対象物)にカーテンや緩衝シール材が接触するため、処理対象物(処理済対象物)に雑菌などが付着してしまう虞もあった。
特許文献3は、過熱水蒸気は空気よりも軽いという特性に着眼し、過熱水蒸気が滞留し易い機構を採用している。
具体的には、入口側と出口側にそれぞれ処理対象物が搬送して通過可能な開口(以下、開口入口と開口出口とも言う。)をそれぞれ設けた加熱処理室を使用しているが、前記開口入口と開口出口にわたって連通する加熱処理室内の処理対象物搬送空間を段差状に構成しているものである。すなわち、開口入口側と開口出口側を低位置とするとともに、加熱媒体を噴射して加熱処理する処理領域(加熱処理雰囲気領域)を高位置となるように設計している。
これによれば、空気よりも軽い過熱水蒸気は、開口入口や開口出口よりも高位置な処理領域に滞留することとなるため、処理領域よりも低位置の開口入口や開口出口から外部へと流出してしまう虞がない、というものである。したがって、この技術的手段によれば、カーテンや緩衝シール材などの機械的な遮蔽機構を別途開口入口や開口出口に備えなくとも良いということである。
すなわち、加熱処理室内の加熱媒体を一旦加熱処理室外へと強制的に吸い出して、加熱室外に備えた加熱部にて所定温度以上に加熱して体積膨張した再加熱媒体を生成した後、加熱処理室の入口側と出口側にそれぞれ備えた再加熱媒体噴射部を介して再加熱媒体を噴射する構成である。
このように、加熱処理室とは別に加熱処理室の外に再加熱媒体噴射機構を備える構成であるため、装置全体としてある程度大型サイズにならざるを得なかった。また、加熱処理室内の加熱媒体を再加熱して体積膨張させ、かつ加熱処理室内に再度噴射させる機構を別途採用するものであるため、装置全体の価格を低く抑えることには困難な面も存していた。
加熱処理室内に備えられ、加熱処理室内を所定温度に加熱する処理室内加熱機構と、
前記入口から前記出口に向かって処理対象物を搬送する搬送機構と、
前記加熱処理室内に加熱媒体を噴射する加熱媒体噴射ノズルを備えた加熱媒体生成機構とを備え、
加熱処理室は、仕切り部によって室内空間を鉛直方向で下側空間と上側空間に二分されており、
下側空間は、前記搬送機構が配される処理空間とし、
上側空間は、前記処理室内加熱機構を備えるとともに、前記下側空間内の加熱媒体を吸い上げる吸い込みファンを備えており、前記吸い込みファンにて吸い上げた加熱媒体を前記処理室内加熱機構によって所定温度以上に加熱して体積膨張した再加熱媒体を生成する加熱空間としており、
仕切り部の周囲と加熱室の内壁との間には、前記上側空間で生成された再加熱媒体が下側空間に移行可能な隙間が形成されており、
加熱媒体噴射ノズルは、少なくとも前記加熱処理室の下側空間において、入口側と出口側にて、それぞれ噴射口を対向させて配設させていることを特徴とする連続式加熱処理装置としたことである。
吸い込みファンは、前記吸い込み口の直上に配設され、
処理室内加熱機構は、前記吸い込みファンの近傍に配設され、
前記整流板は、前記吸い込み口から上側空間に吸い上げられた加熱媒体を前記処理室内加熱機構の方向へと案内するように配設されていることを特徴とする連続式加熱処理装置としたことである
加熱媒体生成機構は、加熱部と、水供給源と連絡して前記加熱部により加熱される管路と、前記管路の先端部に備えられ、加熱処理室内に先端を臨ませてなる加熱媒体噴射ノズルを備え、前記加熱媒体噴射ノズルは、内圧0.19MPa以上、内部温度120℃以上に制御されており、
前記管路内に0.7gr/sec以上で供給された水を所定温度及び所定圧力で沸騰させることで管路内に水蒸気と熱水からなる気液混合体を生成し、
前記加熱媒体噴射ノズルを介して前記気液混合体を前記加熱処理室内に噴出することにより、前記加熱処理室内を過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する状態の加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気に調整しており、
再加熱媒体は、前記加熱処理雰囲気に調整されている加熱処理室の下側空間内の加熱媒体を、加熱処理室の上側空間内にて再加熱して生成され体積膨張した過熱水蒸気であることを特徴とする連続式加熱処理装置としたことである。
2 入口
3 出口
7 処理室内加熱機構
12 搬送機構
13 加熱媒体生成機構
17 加熱媒体噴射ノズル
22 吸い込みファン
27 下側空間
28 上側空間
29 仕切り部
30 吸い込み口
31 隙間
32 整流板
F 加熱処理雰囲気
H 熱水
M 水蒸気
T 処理対象物
SK 再加熱媒体
KM 過熱水蒸気
KH 高温微細水滴
なお、加熱処理室1は、後述するように室内空間を所定温度以上に加熱制御するため、保温可能な材質を選定して形成するようにしている。
仕切り部29の外寸は、加熱処理室1の天板1aから吊り下げ支持された際に、仕切り部29の周囲29a,29b,29c,29dと、加熱室の4つの側板1b,1c,1d,1e内面との間に所定の隙間31,31,31,31が形成される程度の大きさに設計される(図3・図4参照。)。また、吸い込み口30の口径や開口形状などは設計変更可能である。
本実施例において前記隙間31は、平面視矩形状で、かつ隣り合う隙間31,31が連通している構成としている
前記隙間31は、上側空間28で生成された再加熱媒体が下側空間27に移行可能な程度の寸法であればよく、隙間寸法・形状は特に限定解釈されるものではなく、任意に設計変更可能である。
例えば、前記隙間31は、仕切り部29を、加熱処理室1の4つの側板1b,1c,1d,1e内面に接する大きさに形成し、それぞれの辺縁部に下側空間27と上側空間28を連通する孔若しくは切欠きを設け、これら孔若しくは切り欠きによって前記隙間を構成するものであってもよく本発明の範囲内である。
図中、符号22aは吸い込みファン22の羽根車、22bは加熱処理室1外に配設される駆動源(モータ)をそれぞれ示す。なお、吸い込みファン22は本発明の範囲内で適宜設計変更可能で、その吸い込み能力や配設個数なども仕様に応じて対応可能である。
具体的には、このコイル状加熱部(処理室内加熱機構)7を搬送機構12と平行で、かつ搬送機構12のコンベア幅よりも広く離して前記加熱処理室1内の上側空間28の天板1aにそれぞれ一対ずつ(合計4つ)配設している。
なお、コイル状加熱部(処理室内加熱機構)7は、本実施例では、平面視で仕切り部29上に収まるように配されており、仕切り部29の周囲(側面)29b,29dから隙間31,31上に突出しないようにしている。
また、このコイル状加熱部(処理室内加熱機構)7は、図1乃至図3に示すように、その両端部7a,7bを加熱処理室1の天板1aの外面に突出させるとともに、それぞれの両端部7a,7bを図示しない所定の熱源と連絡している。すなわち、本実施例のコイル状加熱部(処理室内加熱機構)7は、加熱処理室1の天板1aの内面から上側空間28内に吊り下げ状に配設されている。
本実施例では、このコイル状加熱部(処理室内加熱機構)7によって、加熱処理室1内全体を、常圧で、かつ115℃程度(好ましくは、105℃〜120℃)に加熱制御している。
なお、処理室内加熱機構7を本実施例ではコイル状に形成された加熱部をもって説明するが、処理室内加熱機構の形状・構造及び配設数量などについては、適宜設計変更可能であって、何等本実施例に限定解釈されるものではない。
すなわち、本実施例では、上述したコイル状加熱部(処理室内加熱機構)7が、下側空間27から上側空間28へと前記吸い込みファン22を介して吸い上げた加熱媒体を再加熱し、体積膨張した再加熱媒体へと生成するための加熱機構としても機能している。
本実施例では、2つの板材33・33,33・33が鋭角状に交差してなる平面視で略V字形状に形成され、吸い込みファン22を中心にし、かつそれぞれの交差部34,34を吸い込みファン22に向けた状態で平面視で左右に一つずつ配設されており、仕切り部29上に取り付け固定されている(図4参照)。
本実施例の整流板32は、それぞれの2つの板材33・33の上端縁33a・33aが上側空間28の天板1aとの間に所定の第二隙間35をもって位置するように配設されている。
従って、吸い込みファン22によって吸い込み口30から上側空間28に吸い上げられた加熱媒体は、上記滞留エリアS1…に送られ、かつ吸い込みファン22によって撹拌されつつコイル状加熱部(処理室内加熱機構)7の方向に流れていく。すなわち、吸い込みファン22によって吸い上げられて撹拌される加熱媒体は、整流板32によって移動が遮られているため、必然的にコイル状加熱部(処理室内加熱機構)7の方向に流れていき、コイル状加熱部(処理室内加熱機構)7によって再加熱される。そして、吸い込みファン22によって順次加熱媒体が上側空間28(滞留エリアS1)に送り込まれてくるため、コイル状加熱部(処理室内加熱機構)7によって再加熱された再加熱媒体は、隙間31から下側空間27へと移動する(押出される)。
整流板32は、吸い込みファン22によって下側空間27から吸い上げられた加熱媒体が、コイル状加熱部(処理室内加熱機構)7に効率良く接するように配設されていればよく特に本実施例に限定解釈はされない。
加熱処理室1内の所定温度に耐え得る材質であれば特に本実施例の形状・材質に限定解釈されるものではない。
加熱媒体生成機構13は、加熱処理室1の外方に備えられ、所定長さの円筒状に形成された加熱チャンバ(加熱部)14と、該加熱チャンバ14内に一部を内装した金属製の加熱管路(管路)15と、該加熱管路15の先端側に配され、ノズルヘッダー16を介して加熱処理室1内(下側空間27内)に取り付け配置される加熱媒体噴射ノズル17とで構成されている。
加熱管路15内に供給される水量は、0.7gr/sec以上、好ましくは0.7gr/sec〜25gr/secとする。なお、加熱チャンバ14の構成、加熱管路15の管径及び長さは特に限定されず本発明の範囲内において適宜設計可能である。
また、本実施例では、加熱処理室1の天井壁1aの外面から加熱処理室1の下側空間27内に加熱媒体噴射ノズル17…,17…が向くようにしてノズルヘッダー16…,16…が配設されている。
当然にこのノズルヘッダー16,16も加熱チャンバ14に連結された加熱管路15,15に連結されている。
加熱処理室1の天板1aから吊り下げ支持されるノズルヘッダー16,16(加熱媒体噴射ノズル17…,17…)は、仕切り部29を挟んで平面視で手前側と奥側に一つずつ計2つ配設している。ノズルヘッダー16,16(加熱媒体噴射ノズル17…,17…)は、隙間31,31に位置するように配設されている。
本実施例では、入口2側と出口3側のそれぞれの室外吸い込み部26,26は同一構成を採用しているため、以下、入口2側の室外吸い込み部26をもって説明し、出口3側の室外吸い込み部26の説明は省略する。
このように構成したため、入口2側から溢れ出た加熱媒体は、室外吸い込み部26の吸い込みファン26fによって強制的に第一吸い込み空間26aに吸い込まれる。この時、入口2付近にある外気も併せて一緒に第一吸い込み空間26aに吸い込まれる。そして、吸い込まれた加熱媒体と外気は、第二吸い込み空間26cを経由して吐き出し管部26gへと送られ、該吐き出し管部26gの先端開口から外気側へと排出される。
そして、ノズル内圧0.19MPa以上、ノズル内部温度120℃以上に制御した加熱媒体噴射ノズル17を介し、前記したように115℃程度に加熱制御された加熱処理室1内に前記気液混合体(水蒸気Mと熱水H)を噴出することにより、前記加熱処理室1内が過熱水蒸気KMと高温微細水滴KHが混在する状態の加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気Fに調整される(図6参照。)。
すなわち、水供給源から定量ポンプを介して加熱管路15内に供給される水量が、加熱媒体噴射ノズル17から噴射される過熱水蒸気KMの流量を超過した場合、供給水量の超過分は、過熱水蒸気としてではなく、高温微細水滴KHとして過熱水蒸気KMとともに加熱媒体噴射ノズル17から噴射される(図6参照)。
例えば、再加熱媒体SKは、前記加熱処理雰囲気Fに調整されている下側空間27内の加熱媒体Fを、上側空間28においてコイル状加熱部(処理室内加熱機構)7…により再加熱して生成され、体積膨張した過熱水蒸気である。
再加熱媒体(過熱水蒸気)SKの温度は、例えば、下側空間27内の温度よりも10℃程度高く設定する。なお、加熱媒体の供給量等によっては、適宜再加熱媒体(過熱水蒸気)SKの加熱温度を上げて比容積の増加(体積膨張)を調整する必要もある。
すなわち、搬送機構12によって加熱処理室1内に搬送された処理対象物Tは、所定の加熱処理雰囲気Fとなっている加熱処理室1内を所定の時間掛けて搬送されることで、その加熱処理室1内に充満されている加熱処理雰囲気(加熱媒体)Fによって加熱処理される。本実施例によれば、高温微細水滴KHにより処理対象物Tの表面で凝縮伝熱が発生する。
また、その周囲は過熱水蒸気KMが充満しており、凝縮伝熱により潜熱を失った微細水滴は、過熱水蒸気KM中に蒸発する。この結果、過熱水蒸気同様に処理対象物Tへの凝縮水による影響が無く、更に、蒸発による内部水分の減少もほとんどない加熱特性が得られる。
そしてその、体積膨張した再加熱媒体(過熱水蒸気)SKは、隙間31…を介して下側空間27へと流れ込む。
特に、吸い込みファン22によって上側空間28に送り込まれて再加熱されて生成された再加熱媒体(過熱水蒸気)SKは、吸い込みファン22によって順次押し出されるとともに、加熱媒体噴射ノズル17…からの加熱媒体の噴射時に生じる負圧によって隙間31…から強制的に下側空間27へと送られる。
すなわち、入口2側に配設した加熱媒体噴射ノズル17…と出口3側に配設した加熱媒体噴射ノズル17…のそれぞれの噴射口17a….17a…をそれぞれ対向させて備える構成としているため、それぞれの対向する加熱媒体噴射ノズル17…,17…のそれぞれの噴射口17a….17a…から噴射される高温の加熱媒体は、加熱処理室1(下側空間27)の中央までに増幅されて密度が高くなる。
そして、加熱処理室1の下側空間27は、高温で噴射される加熱媒体と、再加熱されて下側空間27へと送り込まれる高温の再加熱媒体により、加熱処理室1、例えば加熱処理室1における加熱媒体噴射ノズル17…,17…の後ろ側領域S2,S2は高温雰囲気となり、低温の外気とは体積の膨張率が異なるので外気侵入を防ぐシールド効果が生じるものである。
よって、連続して多数の処理対象物を順次加熱処理することのできるこの種の連続式加熱処理装置であって、少なくとも入口2側と出口3側に、それぞれ搬送されてきた処理対象物が通過することのできる開口(入口2と出口3)を備えた非密閉状の加熱処理室1を使用しつつも、加熱処理室1内の加熱処理雰囲気を維持することができる。
すなわち、加熱処理室1内において加熱処理室1内の加熱媒体を再加熱して再加熱媒体を生成し、その再加熱媒体を加熱処理室1内で循環させる構成としたため、装置全体がコンパクト化され、使用者ニーズに十分に対応できるとともに、低価格化ニーズにも対応し得る。
よって、入口2付近と出口3付近にある外気は、加熱処理室1内へと侵入することなく室外吸い込み部26,26によって強制的に吸込まれて排出されるため、さらに加熱処理室1内への外気の侵入が阻止されるため、加熱処理室1内は、常に所定の加熱処理雰囲気Fが維持できる。
Claims (4)
- 一端側に開口した入口と、他端側に開口した出口を設けた加熱処理室と、
加熱処理室内に備えられ、加熱処理室内を所定温度に加熱する処理室内加熱機構と、
前記入口から前記出口に向かって処理対象物を搬送する搬送機構と、
前記加熱処理室内に加熱媒体を噴射する加熱媒体噴射ノズルを備えた加熱媒体生成機構とを備え、
加熱処理室は、仕切り部によって室内空間を鉛直方向で下側空間と上側空間に二分されており、
下側空間は、前記搬送機構が配される処理空間とし、
上側空間は、前記処理室内加熱機構を備えるとともに、前記下側空間内の加熱媒体を吸い上げる吸い込みファンを備えており、前記吸い込みファンにて吸い上げた加熱媒体を前記処理室内加熱機構によって所定温度以上に加熱して体積膨張した再加熱媒体を生成する加熱空間としており、
仕切り部の周囲と加熱室の内壁との間には、前記上側空間で生成された再加熱媒体が下側空間に移行可能な隙間が形成されており、
加熱媒体噴射ノズルは、少なくとも前記加熱処理室の下側空間において、入口側と出口側にて、それぞれ噴射口を対向させて配設させている
ことを特徴とする連続式加熱処理装置。 - 上側空間には、吸い込みファンによって下側空間から吸い上げられた加熱媒体が、処理室内加熱機構に効率良く接するように配設される整流板が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の連続式加熱処理装置。
- 仕切り部には、下側空間と上側空間を連通する吸い込み口が形成されており、
吸い込みファンは、前記吸い込み口の直上に配設され、
処理室内加熱機構は、前記吸い込みファンの近傍に配設され、
前記整流板は、前記吸い込み口から上側空間に吸い上げられた加熱媒体を前記処理室内加熱機構の方向へと案内するように配設されていることを特徴とする請求項2に記載の連続式加熱処理装置。 - 加熱処理室は、常圧で、かつ処理室内加熱機構によって115℃程度に加熱制御されており、
加熱媒体生成機構は、加熱部と、水供給源と連絡して前記加熱部により加熱される管路と、前記管路の先端部に備えられ、加熱処理室内に先端を臨ませてなる加熱媒体噴射ノズルを備え、前記加熱媒体噴射ノズルは、内圧0.19MPa以上、内部温度120℃以上に制御されており、
前記管路内に0.7gr/sec以上で供給された水を所定温度及び所定圧力で沸騰させることで管路内に水蒸気と熱水からなる気液混合体を生成し、
前記加熱媒体噴射ノズルを介して前記気液混合体を前記加熱処理室内に噴出することにより、前記加熱処理室内を過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する状態の加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気に調整しており、
再加熱媒体は、前記加熱処理雰囲気に調整されている加熱処理室の下側空間内の加熱媒体を、加熱処理室の上側空間内にて再加熱して生成され体積膨張した過熱水蒸気であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の連続式加熱処理装置。
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