JP2008211211A - 半導体装置の製造方法および基板処理装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法および基板処理装置 Download PDF

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貞義 堀井
Hironobu Miya
博信 宮
Masayuki Asai
優幸 浅井
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Abstract

【課題】500℃以下の低温でシリコン酸化膜またはシリコンを含んだ金属酸化膜であるシリケート膜を化学気相成長法(CVD法)により形成する。
【解決手段】基板を処理室内に搬入する工程と、処理室内の基板上に薄膜を形成する工程と、基板を処理室内から搬出する工程と、を有する半導体装置の製造方法において、前記基板上に薄膜を形成する工程では、少なくともシリコン原子を含み、且つ、その組成にOC(CHCHOCHを含む液体原料を気化したガスを基板に対して供給する工程と、前記液体原料が自己分解しない温度において自己分解して水分を発生する添加剤を基板に対して供給する工程と、を交互に複数回繰り返すことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体装置の製造方法に関し、例えば、半導体集積回路装置(以下、ICという。)の製造方法において、ICが作り込まれる半導体ウエハ(以下、ウエハという。)にCVDによるシリコンを含んだ酸化膜を形成する酸化膜形成工程に利用して有効な技術に関する。
これまで、ICの構成部位の中で、シリコン酸化膜が数多くの部位で用いられているが、最近は、ICの最小加工寸法の縮小に伴い、500℃以下の低温で形成されなければならなくなってきている。また、シリコンを含んだ金属酸化膜であるシリケート膜をシリコン酸化膜の代わりに用いることが検討されている。
シリコン酸化膜の化学気相成長(CVD)に一般に用いられているシリコンを含んだ原料には、SiHなどの気体とTEOSなどの液体原料があるが、これらは熱的に安定で、CVDによる酸化膜形成においては、高温でなければ、酸素と反応して酸化膜を形成することが出来ない。また、低温でCVDによるシリコン酸化膜を形成するためにオゾンを用いることが行われている。しかし、オゾンを用いても、シリコン原料のCVDによる成膜温度は、500℃以下に抑えることは出来ない(特許文献1参照)。
特開2001−160587号公報
本発明の目的は、低温シリコン酸化膜およびシリケート膜を化学気相成長(CVD)させることが可能な半導体原料、半導体装置の製造方法、基板処理方法、および基板処理装置を提供することにある。
第1の発明は、少なくともシリコン原子を含む液体原料に、この液体原料が自己分解しない温度において自己分解して水分を発生する添加剤を添加した半導体原料である。
第2の発明は、第1の発明において、前記添加剤は、その組成にOC(CHCHOCHを含むことを特徴とする半導体原料である。
第3の発明は、第2の発明において、前記添加剤とは、Hf[OC(CHCHOCH、またはH[OC(CHCHOCH]であることを特徴とする半導体原料である。
第4の発明は、第1の発明において、前記少なくともシリコン原子を含む液体原料は、その組成にOC(CHCHOCHを含むことを特徴とする半導体原料である。
第5の発明は、第4の発明において、前記少なくともシリコン原子を含む液体原料とは、Si[OC(CHCHOCHであることを特徴とする半導体原料である。
第6の発明は、基板を処理室内に搬入する工程と、処理室内の基板に半導体原料を気化したガスを供給して基板を処理する工程と、基板を処理室から搬出する工程とを有する半
導体装置の製造方法において、前記基板を処理する工程では、少なくともシリコン原子を含む液体原料に、この液体原料が自己分解しない温度において自己分解して水分を発生する添加剤を添加した半導体原料を用いることを特徴とする半導体装置の製造方法である。
第7の発明は、第6の発明において、前記基板を処理する工程では、基板上に酸化膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法である。
第8の発明は、第7の発明において、前記酸化膜とは、シリコン酸化膜またはシリコンを含んだ金属酸化膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法である。
第9の発明は、第6の発明において、前記基板を処理する工程では、処理温度を前記少なくともシリコン原子を含む液体原料が自己分解しない程度の温度であって、添加剤が自己分解して水分を発生する程度の温度とすることを特徴とする半導体装置の製造方法である。
第10の発明は、第9の発明において、前記基板を処理する工程では、処理温度を300℃以上500℃以下とすることを特徴とする半導体装置の製造方法である。
第11の発明は、第6の発明において、前記添加剤は、その組成にOC(CHCHOCHを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法である。
第12の発明は、第11の発明において、前記添加剤とは、Hf[OC(CHCHOCH、またはH[OC(CHCHOCH]であることを特徴とする半導体装置の製造方法である。
第13の発明は、第6の発明において、前記少なくともシリコン原子を含む液体原料は、その組成にOC(CHCHOCHを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法である。
第14の発明は、第13の発明において、前記少なくともシリコン原子を含む液体原料とは、Si[OC(CHCHOCHであることを特徴とする半導体装置の製造方法である。
第15の発明は、基板を処理室内に搬入する工程と、処理室内の基板上に薄膜を形成する工程と、基板を処理室から搬出する工程とを有する半導体装置の製造方法において、前記基板上に薄膜を形成する工程は、少なくともシリコン原子を含む液体原料を気化したガスを基板に対して供給する工程と、少なくとも金属原子を含む液体原料を気化したガスを基板に対して供給する工程とを有し、前記少なくともシリコン原子を含む液体原料と前記少なくとも金属原子を含む液体原料のいずれかに、前記少なくともシリコン原子を含む液体原料が自己分解しない温度において自己分解して水分を発生する添加剤を添加したことを特徴とする半導体装置の製造方法である。
第16の発明は、基板を処理室内に搬入する工程と、処理室内の基板上に薄膜を形成する工程と、基板を処理室から搬出する工程とを有する半導体装置の製造方法において、前記基板上に薄膜を形成する工程では、少なくともシリコン原子を含む液体原料に、この液体原料が自己分解しない温度において自己分解して水分を発生する添加剤を添加した半導体原料を気化したガスを基板に対して供給する工程と、2次原料を基板に対して供給する工程とを交互に複数回繰り返すことを特徴とする半導体装置の製造方法である。
第17の発明は、基板を処理室内に搬入する工程と、処理室内の基板上に薄膜を形成す
る工程と、基板を処理室から搬出する工程とを有する半導体装置の製造方法において、前記基板上に薄膜を形成する工程は、少なくともシリコン原子を含む液体原料を気化したガスを基板に対して供給する工程と、少なくとも金属原子を含む液体原料を気化したガスを基板に対して供給する工程と、2次原料を基板に対して供給する工程とを有し、前記少なくともシリコン原子を含む液体原料と前記少なくとも金属原子を含む液体原料のいずれかに、前記少なくともシリコン原子を含む液体原料が自己分解しない温度において自己分解して水分を発生する添加剤を添加したことを特徴とする半導体装置の製造方法である。
第18の発明は、第17の発明において、前記少なくともシリコン原子を含む液体原料を気化したガスを基板に対して供給する工程と、少なくとも金属原子を含む液体原料を気化したガスを基板に対して供給する工程とを同時に行う原料ガス供給工程と、2次原料を基板に対して供給する工程とを、交互に複数回繰り返すことを特徴とする請求項17記載の半導体装置の製造方法である。
第19の発明は、第17の発明において、前記少なくとも金属原子を含む液体原料を気化したガスを基板に対して供給する工程と、2次原料を基板に対して供給する工程と、少なくともシリコン原子を含む液体原料を気化したガスを基板に対して供給する工程と、2次原料を基板に対して供給する工程と、をこの順に複数回繰り返すことを特徴とする半導体装置の製造方法である。
第20の発明は、基板を処理室内に搬入する工程と、処理室内の基板上に薄膜を形成する工程と、基板を処理室から搬出する工程とを有する半導体装置の製造方法において、前記基板上に薄膜を形成する工程では、少なくともシリコン原子を含む液体原料を気化したガスを基板に対して供給する工程と、前記液体原料が自己分解しない温度において自己分解して水分を発生する添加剤を基板に対して供給する工程とを交互に複数回繰り返すことを特徴とする半導体装置の製造方法である。
第21の発明は、基板を処理室内に搬入する工程と、処理室内の基板に半導体原料を気化したガスを供給して基板を処理する工程と、基板を処理室から搬出する工程とを有する半導体装置の製造方法において、前記基板を処理する工程では、少なくともシリコン原子を含む液体原料に、この液体原料が自己分解しない温度において自己分解して水分を発生する添加剤を添加した半導体原料を用いることを特徴とする基板処理方法である。
第22の発明は、基板を処理する処理室と、処理室内で基板を支持する支持具と、処理室内に少なくともシリコン原子を含む液体原料に、この液体原料が自己分解しない温度において自己分解して水分を発生する添加剤を添加した半導体原料を気化したガスを供給する供給口と、処理室内を排気する排気口と、処理室内の基板を加熱するヒータと、基板を処理する際の温度を、前記少なくともシリコン原子を含む液体原料が自己分解しない程度の温度であって、添加剤が自己分解して水分を発生する程度の温度とするよう制御する制御手段と、を有する基板処理装置である。
第23の発明は、基板を処理する処理室と、処理室内で基板を支持する支持具と、処理室内に少なくともシリコン原子を含む液体原料に、この液体原料が自己分解しない温度において自己分解して水分を発生する添加剤を添加した半導体原料を気化したガスを供給する供給口と、処理室内に少なくとも金属原子を含む液体原料を気化したガスを供給する供給口と、処理室内を排気する排気口と、処理室内の基板を加熱するヒータと、基板を処理する際の温度を、前記少なくともシリコン原子を含む液体原料が自己分解しない程度の温度であって、添加剤が自己分解して水分を発生する程度の温度とするよう制御する制御手段と、を有する基板処理装置である。
第24の発明は、基板を処理する処理室と、処理室内で基板を支持する支持具と、処理室内に少なくともシリコン原子を含む液体原料に、この液体原料が自己分解しない温度において自己分解して水分を発生する添加剤を添加した半導体原料を気化したガスを供給する供給口と、処理室内に2次原料を供給する供給口と、処理室内を排気する排気口と、処理室内の基板を加熱するヒータと、基板を処理する際に、前記半導体原料を気化したガスの基板への供給と、2次原料の基板への供給を交互に複数回繰り返すよう制御する制御手段と、を有する基板処理装置である。
第25の発明は、基板を処理する処理室と、処理室内で基板を支持する支持具と、処理室内に少なくともシリコン原子を含む液体原料に、この液体原料が自己分解しない温度において自己分解して水分を発生する添加剤を添加した半導体原料を気化したガスを供給する供給口と、処理室内に少なくとも金属原子を含む液体原料を気化したガスを供給する供給口と、処理室内に2次原料を供給する供給口と、処理室内を排気する排気口と、処理室内の基板を加熱するヒータと、基板を処理する際に、前記半導体原料を気化したガスと金属原子を含む液体原料を気化したガスの基板への供給と、2次原料の基板への供給とを複数回繰り返すよう制御する制御手段と、を有する基板処理装置である。
第26の発明は、基板を処理する処理室と、処理室内で基板を支持する支持具と、処理室内に少なくともシリコン原子を含む液体原料に、この液体原料が自己分解しない温度において自己分解して水分を発生する添加剤を添加した半導体原料を気化したガスを供給する供給口と、処理室内に少なくとも金属原子を含む液体原料を気化したガスを供給する供給口と、処理室内に2次原料を供給する供給口と、処理室内を排気する排気口と、処理室内の基板を加熱するヒータと、基板を処理する際に、前記半導体原料を気化したガスの基板への供給と、2次原料の基板への供給と、金属原子を含む液体原料を気化したガスの基板への供給と、2次原料の基板への供給とをこの順で複数回繰り返すよう制御する制御手段と、を有する基板処理装置である。
第27の発明は、基板を処理する処理室と、処理室内で基板を支持する支持具と、処理室内に少なくともシリコン原子を含む液体原料を気化したガス供給する供給口と、処理室内に前記液体原料が自己分解しない温度において自己分解して水分を発生する添加剤を供給する供給口と、処理室内を排気する排気口と、処理室内の基板を加熱するヒータと、基板を処理する際に、前記液体原料を気化したガスの基板への供給と、前記添加剤の基板への供給を交互に複数回繰り返すよう制御する制御手段と、を有する基板処理装置である。
本発明によれば、成膜の際、少なくともシリコン原子を含む液体原料に、この液体原料が自己分解しない温度において自己分解して水分を発生する添加剤を添加した半導体原料を用いるようにしたので、500℃以下の低温でシリコン酸化膜またはシリケート膜を形成することができる。
以下、本発明の第一の実施形態について説明する。本発明者らは、低温下でのシリコン酸化膜およびシリケート膜をCVD成長させるために、一般にシリコン(Si)原子を含む液体原料(以下、単にSi原料ともいう。)は、熱的に安定で、自己分解するには、高温が必要であるが、水(HO)とは低温で加水分解を起し、SiOを形成する、といった性質に着目し、熱的にSi原料よりは不安定で、比較的低温で水分を発生する原料をSi原料に添加して成膜する方法を発明した。以下にその原理を含む本発明の実施形態について説明する。
まず、熱的にSi原料よりも不安定で、Si原料が自己分解しない温度において自己分
解して水分を発生する原料(以下、添加剤という。)をSi原料に添加する。Si原料としては500℃以下では自己分解しない原料を用いる。この原料を気化した原料ガスを反応室内に供給し、成膜したいSi基板上に吸着させる。Si原料と同時(一緒)に供給された添加剤は、基板表面上に到達した際に熱分解が起こり、HOやCOなどを発生する。基板上に吸着したSi原料は、熱分解が起こらないので、脱離と吸着を繰り返すだけで成膜は起こらないが、同時に供給される添加剤が熱分解した際に発生する水分と加水分解反応を起し、SiOの成膜が起こる。
図1にSi−(MMP)(Si(OC(CHCHOCH:テトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロポキシ)−シリコン)原料のみの熱分解による成膜温度と成膜レートを示す。この実験は、図2に示す基板処理装置で、Si−(MMP)を原料タンク9aに充填し、圧送Nで気化器29に送り込み、気化させてシャワーヘッド6に設けられた多数の孔8を介して反応室1に送り込むことにより行った。反応室1内ではサセプタ2上に基板(ウエハ)4を載置し、基板4はサセプタ2の下方に設けられたヒータ3を用いて加熱した。なお、同図には、リモートプラズマユニット11が書かれているが、この実験には用いていない。図1から、500℃以下の場合、Si酸化膜は全く成膜されないことがわかる。これに対し、Hf−(MMP)(Hf(OC(CHCHOCH:テトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロポキシ)−ハフニウム)を5%加えた場合、400℃以上で成膜が起こっていることが本発明者らにより確かめられた。
この理由を、図3にHf−(MMP)およびSi−(MMP)の1時間加熱後の熱的安定性を示すTG−DTAを用いて説明する。Hf−(MMP)の場合を黒塗りの四角で、Si−(MMP)の場合を白抜きの丸で表す。Hf−(MMP)の自己分解が280℃で始まっているのに対し、Si−(MMP)の自己分解は、320℃から始まっており、Si−(MMP)の方が、熱的に安定なのがわかる。この測定結果は、常圧で1時間加熱した結果あるが、一般に真空では、この自己分解温度が50〜100℃高いことが分かっている。これらのことから、Si−(MMP)は真空中では、500℃以下では、数分程度の成膜時間では、ほとんど分解されず、成膜できないことが予想される。これに対し、Hf−(MMP)は、1時間、340℃に放置しておくだけで、100%分解していることがわかり、数分から数十分の成膜時間で十分に熱分解されることが予想される。
ハフニウムシリケートを成膜する際に、発明者らはHf−(MMP):Si−(MMP)=1:20のカクテル原料を用いたが、この場合、Hf濃度が約10%のハフニウムシリケートが得られた。これまで述べた、Hf−(MMP)とSi−(MMP)の性質から、SiOは通常成膜されないことが予想されるが、このカクテル原料の場合は、Si−(MMP)による成膜が起こっている。通常、Hf−(MMP)の熱分解反応には、式(1)〜(4)に示す反応が混ざって起こっていることが考えられる。Hf−(MMP)を6時間300℃で加熱後、GC−MSで測定したスペクトルを図4に示すが、これらの式(1)〜(4)は、図4で生成されている副生成物の組み合わせより予想されたものである。この中で、式(4)の反応により生成される水がSi−(MMP)と式(5)に示すように加水分解反応を起し、Si(OH)が形成されるが、このSi(OH)がSi−O−Si−Oと繋がっていき、SiO膜が成膜されていることが予想された。
Figure 2008211211
また、同様に、H−MMPを6時間300℃で加熱後、GC−MSで測定したスペクトルを図5に示す。この図から、Hf−(MMP)の熱分解の場合とほとんど同じ副生成物が存在していることがわかる。これらのことから、Hf−(MMP)の熱分解の際に発生している副生成物は、H−MMPの熱分解によるものであると予想された。そこで、本発明者は、Hf−(MMP)に代えて、300℃以上の温度で熱分解により水を発生する添加剤を加えることを発明した。
図6は、H−MMP(H(OC(CHCHOCH))をSi−(MMP)に50%の割合で添加したカクテル原料を用いた場合の、SiO膜の成膜温度と成膜レートの関係である。H−MMPは、式(2)の中で生成されたものと同じ物であり、300℃以上で保持されている基板上で、(4)式で示すように分解され、水を発生する。これが、式(5)のような反応を起し、SiOが成膜されると考えられる。このように、本発明は、Si−(MMP)単独の原料では成膜されないような温度帯でも、水を発生する添加物をブレンドすることにより、成膜させることが出来るようにするものである。
なお、原料と同時に反応炉へ水(HO)を導入することも既に行われているが、この場合は気相中でSi原料が加水分解するため、基板表面形状が複雑な形状をしているものに対しては、コンフォーマルな成膜が出来ないので好ましくない。また、Si原料に対し過剰に水を添加すると膜中に水分を含むこととなり、SiO膜の絶縁特性に悪影響を及ぼすこととなるので好ましくない。また、過剰な水が基板よりも低温な反応炉内壁などに吸着し、これがSi原料と反応を起こして反応炉内壁に膜が形成され、この膜が膜剥れを起こしてパーティクルの原因となり好ましくない。
これに対し、本実施形態のように希釈原料(熱的にSi原料よりも不安定で、Si原料が自己分解しない温度において自己分解して水分を発生する原料である添加剤)を用いる場合は、成膜対象の基板表面上で、希釈原料が分解され、基板に到達したSi原料と反応するので、コンフォーマルな膜を形成することが出来る。また、希釈原料を用いる際は、式(4)に示すように、希釈原料の分子1つに対し、水分子が形成される数が分かっているので、水の過剰供給を防ぐことが出来る。
ここでは、Si−(MMP)について述べたが、例えば、TEOS(Si(OC
)のような原料でも、TEOSが分解しないような温度帯で保持されている基板上で分解する添加剤を加えることにより、同様の効果が得られることが予想される。
また、SiO膜を成膜する場合だけではなく、Si以外の金属原子を少なくともひとつ以上含むシリケート膜を成膜する場合にも有効である。例えば、図2に示す原料タンクと気化器の組を2組用意し、片方のタンクにSi原料に希釈剤を混ぜた液体原料を入れ、もう片方のタンクに、金属原子を含む液体原料を別々に用意し、それぞれの気化器で気化させ、気体を混合してから、あるいは、別々に反応炉に導入することにより成膜することにより、通常は成膜できないような低い温度で成膜することができるようになる。この場合、希釈剤は、金属原料のほうに混ぜても良い。
さらに、この希釈剤は、SiOを低温で成膜するために考案されたものであるが、液体Si原料に限らず、金属を含む液体原料に混ぜて用いることも可能である。
次に、本発明の第ニの実施形態について説明する。
本発明者らは、MOCVDと膜の改質処理を繰り返した成膜法を考案済みであるが、この方法に希釈剤を混ぜたSi原料を用いることがさらに有効である。というのは、式(4)に示すように、稀釈剤を分解させて水を発生する際に、同時に有機物も発生するため、通常のMOCVD成膜法においては、これが膜に取り込まれ、膜質を悪化させる懸念がある。しかし、1〜数原子層のMOCVD成膜毎に、2次原料すなわちリモートプラズマで励起された酸素、窒素、アルゴンあるいは、オゾンなどの活性酸素などの気体に膜表面をさらすことにより、膜表面に吸着した有機物を取り除くことが出来るからである。
この場合、図7に示すような成膜シーケンスにより成膜することとなる。
すなわち、反応室内のサセプタ上に基板としてのシリコンウェハを載置し、シリコンウェハの温度が安定化したら、
(1)Si−(MMP)とH−MMPのブレンド原料を希釈Nと共に反応室内に△Mt秒間導入する。
(2)その後、ブレンド原料の導入を停止すると、反応室内が希釈Nにより△It秒間パージされる。
(3)反応室内のパージ後、酸素をリモートプラズマユニットにより活性化させて得た2次原料としてのリモートプラズマ酸素を反応室内に△Rt秒間導入する。この間も希釈Nは導入され続けている。
(4)リモートプラズマ酸素の導入を停止すると、反応室内は再び希釈Nにより△It秒間パージされる。
(5)この(1)から(4)までのステップ(1cycle)を、膜厚が所望の値(厚さ)に到達するまで(n cycle)繰り返す。なお、酸素をリモートプラズマユニットにより活性化させて得たリモートプラズマ酸素の代わりに、アルゴン、または窒素をリモートプラズマユニットにより活性化させて得たリモートプラズマアルゴンまたは窒素を用いるようにしてもよい。
以下、この成膜シーケンスを行う基板処理装置、およびこの基板処理装置を用いてこの成膜シーケンスを行う方法の詳細について説明する。
図9は第ニの実施形態に係る基板処理装置である枚葉式CVD装置の一例を示す概略図である。
図に示すように、反応室1内に、上部開口がサセプタ2によって覆われた中空のヒータユニット18が設けられる。ヒータユニット18の内部にはヒータ3が設けられ、ヒータ3によってサセプタ2上に載置される基板4を加熱するようになっている。サセプタ2上
に載置される基板4は、例えば半導体シリコンウェハ、ガラス等である。
反応室1外に基板回転ユニット12が設けられ、基板回転ユニット12によって反応室1内のヒータユニット18を回転して、サセプタ2上の基板4を回転できるようになっている。基板4を回転させるのは、後述する成膜工程、改質工程における基板への処理を基板面内において素早く均一に行うためである。
また、反応室1内のサセプタ2の上方に多数の孔8を有するシャワーヘッド6が設けられる。このシャワーヘッド6には、成膜ガスを供給する原料供給管5とラジカルを供給するラジカル供給管13とが共通に接続されて、成膜ガス又はラジカルをシャワーヘッド6からシャワー状に反応室1内へ噴出できるようになっている。ここで、シャワーヘッド6は、成膜工程で基板4に供給する成膜ガスと、改質工程で基板4に供給するラジカルとをそれぞれ供給する同一の供給口を構成する。
反応室1外に、成膜原料としての有機液体原料を供給する成膜原料供給ユニット9と、成膜原料の液体供給流量を制御する流量制御手段としての液体流量制御装置28と、成膜原料を気化する気化器29とが設けられる。非反応ガスとしての不活性ガスを供給する不活性ガス供給ユニット10と、不活性ガスの供給流量を制御する流量制御手段としてのマスフローコントローラ46が設けられる。成膜原料としてはSi−(MMP)とH−MMPのブレンド原料(カクテルSi原料)などの有機材料を用いる。また、不活性ガスとしてはAr、He、Nなどを用いる。成膜原料供給ユニット9に設けられた原料ガス供給管5bと、不活性ガス供給ユニット10に設けられた不活性ガス供給管5aとを一本化して、シャワーヘッド6に接続される原料供給管5が設けられる。原料供給管5は、基板4上にSiO膜を形成する成膜工程で、シャワーヘッド6に成膜ガスと不活性ガスとの混合ガスを供給するようになっている。原料ガス供給管5b、不活性ガス供給管5aにはそれぞれバルブ21、20を設け、これらのバルブ21、20を開閉することにより、成膜ガスと不活性ガスとの混合ガスの供給を制御することが可能となっている。
また、反応室1外に、ガスをプラズマにより活性化させて反応物としてのラジカルを形成するプラズマ源となる反応物活性化ユニット(リモートプラズマユニット)11が設けられる。改質工程で用いる2次原料としてのラジカルは、原料として有機材料を用いる場合は、例えば酸素ラジカルが良い。これは酸素ラジカルにより、SiO膜形成直後にCやHなどの不純物除去処理を効率的に実施することができるからである。また、クリーニング工程で用いるラジカルはClFラジカルが良い。改質工程において、酸素含有ガス(O、NO、NO等)をプラズマによって分解した酸素ラジカル雰囲気中で、膜を酸化させる処理をリモートプラズマ酸化処理(RPO[remote plasma oxidation]処理)という。
反応物活性化ユニット11の上流側には、ガス供給管37が設けられる。このガス供給管37には、酸素(O)を供給する酸素供給ユニット47、プラズマを発生させるガスであるアルゴン(Ar)を供給するAr供給ユニット48、及びフッ化塩素(ClF)を供給するClF供給ユニット49が、供給管52、53、54を介して接続されて、改質工程で使用するOとAr、及びクリーニング工程で使用するClFを反応物活性化ユニット11に対し供給するようになっている。酸素供給ユニット47、Ar供給ユニット48、及びClF供給ユニット49には、それぞれのガスの供給流量を制御する流量制御手段としてのマスフローコントローラ55、56、57が設けられている。供給管52、53、54にはそれぞれバルブ58、59、60を設け、これらのバルブ58、59、60を開閉することにより、Oガス、Arガス、及びClFの供給を制御することが可能となっている。
反応物活性化ユニット11の下流側には、シャワーヘッド6に接続されるラジカル供給管13が設けられ、改質工程又はクリーニング工程で、シャワーヘッド6に酸素ラジカル又はフッ化塩素ラジカルを供給するようになっている。また、ラジカル供給管13にはバルブ24を設け、バルブ24を開閉することにより、ラジカルの供給を制御することが可能となっている。
反応室1に排気口7aが設けられ、その排気口7aは除害装置(図示せず)に連通する排気管7に接続されている。排気管7には、成膜原料を回収するための原料回収トラップ16が設置される。この原料回収トラップ16は、成膜工程と改質工程とに共用で用いられる。前記排気口7a及び排気管7で排気ラインを構成する。
また、原料ガス供給管5b及びラジカル供給管13には、排気管7に設けた原料回収トラップ16に接続される原料ガスバイパス管14a及びラジカルバイパス管14b(これらを単に、バイパス管14という場合もある)がそれぞれ設けられる。原料ガスバイパス管14a及びラジカルバイパス管14bに、それぞれバルブ22、23を設ける。これらのバルブの開閉により、成膜工程で反応室1内の基板4に成膜ガスを供給する際は、改質工程で使用するラジカルの供給は停止させずに反応室1をバイパスするようラジカルバイパス管14b、原料回収トラップ16を介して排気しておく。また、改質工程で基板4にラジカルを供給する際は、成膜工程で使用する成膜ガスの供給は停止させずに反応室1をバイパスするよう原料ガスバイパス管14a、原料回収トラップ16を介して排気しておく。
そして、反応室1内で基板4上にSiO膜を形成する成膜工程と、成膜工程で形成したSiO膜中の特定元素であるC、H等の不純物を反応物活性化ユニット11を用いたプラズマ処理により除去する改質工程とを、前記バルブ20〜24の開閉等を制御することにより、連続して複数回繰り返すように制御する制御装置25が設けられている。
次に上述した図1のような構成の枚葉式CVD装置を用いて、高品質なSiO膜を堆積するための手順を示す。この手順には、昇温工程、成膜工程、パージ工程、改質工程が含まれる。
まず、図1に示す反応室1内のサセプタ2上に基板4を載置し、基板4を基板回転ユニット12により回転させながら、ヒータ3に電力を供給して基板4の温度を300〜500℃に均一に加熱する(昇温工程)。基板4の搬送時や基板加熱時は、不活性ガス供給管5aに設けたバルブ20を開けて、Ar、He、Nなどの不活性ガスを常に流しておくとパーティクルや金属汚染物の基板4への付着を防ぐことができる。
昇温工程終了後、成膜工程に入る。成膜工程では、成膜原料供給ユニット9から供給したSi−(MMP)とH−MMPのブレンド原料を、液体流量制御装置28で流量制御し、気化器29へ供給して気化させる。原料ガス供給管5bに設けたバルブ21を開くことにより、気化した原料ガスをシャワーヘッド6を介して基板4上へ供給する。このときも、バルブ20を開いたままにして、不活性ガス供給ユニット10から不活性ガス(Nなど)を常に流して、成膜ガスを撹拌させるようにする。成膜ガスは不活性ガスで希釈すると撹拌しやすくなる。原料ガス供給管5bから供給される成膜ガスと、不活性ガス供給管5aから供給される不活性ガスとは原料供給管5で混合され、混合ガスとしてシャワーヘッド6に導びかれ、多数の孔8を経由して、サセプタ2上の基板4上へシャワー状に供給される。
この混合ガスの供給を所定時間実施することにより、基板4上に基板との界面層(第1の絶縁層)としてのSiO膜を形成する。この間、基板4は回転しながらヒータ3によ
り所定温度(成膜温度)に保たれているので、基板面内にわたり均一な膜を形成できる。次に、原料ガス供給管5bに設けたバルブ21を閉じて、原料ガスの基板4への供給を停止する。なお、この際、原料ガスバイパス管14aに設けたバルブ22を開き、成膜ガスの供給を原料ガスバイパス管14aで反応室1をバイパスして排気し、成膜原料供給ユニット9からの成膜ガスの供給を停止しないようにする。液体原料を気化して、気化した原料ガスを安定供給するまでには時間がかかるので、成膜ガスの供給を停止させずに、反応室1をバイパスするように流しておくと、次の成膜工程では流れを切換えるだけで、直ちに成膜ガスを基板4へ供給できる。
成膜工程終了後、パージ工程に入る。パージ工程では、反応室1内を不活性ガスによりパージして残留ガスを除去する。なお、成膜工程ではバルブ20は開いたままにしてあり、反応室1内には不活性ガス供給ユニット10から不活性ガス(Nなど)が常に流れているので、バルブ21を閉じて原料ガスの基板4への供給を停止すると同時にパージが行われることとなる。
パージ工程終了後、改質工程に入る。改質工程はRPO(remote plasma
oxidation)処理によって行う。改質工程では、供給管53に設けたバルブ59を開き、Ar供給ユニット48から供給したArをマスフローコントローラ56で流量制御して反応物活性化ユニット11へ供給し、Arプラズマを発生させる。Arプラズマを発生させた後、供給管52に設けたバルブ58を開き、酸素供給ユニット47から供給したOをマスフローコントローラ55で流量制御してArプラズマを発生させている反応物活性化ユニット11へ供給し、Oを活性化する。これにより酸素ラジカルが生成される。ラジカル供給管13に設けたバルブ24を開き、反応物活性化ユニット11から2次原料としての酸素ラジカルを含むガスを、シャワーヘッド6を介して基板4上へ供給する。この間、基板4は回転しながらヒータ3により所定温度(成膜温度と同一温度)に保たれているので、成膜工程において基板4上に形成されたSiO膜よりC、H等の不純物を素早く均一に除去できる。
その後、ラジカル供給管13に設けたバルブ24を閉じて、酸素ラジカルの基板4への供給を停止する。なお、この際、ラジカルバイパス管14bに設けたバルブ23を開くことにより、酸素ラジカルを含むガスの供給を、ラジカルバイパス管14bで反応室1をバイパスして排気し、酸素ラジカルの供給を停止しないようにする。酸素ラジカルは生成から安定供給するまでに時間がかかるので、酸素ラジカルの供給を停止させずに、反応室1をバイパスするように流しておくと、次の改質工程では、流れを切換えるだけで、直ちにラジカルを基板4へ供給できる。
改質工程終了後、再びパージ工程に入る。パージ工程では、反応室1内を不活性ガスによりパージして残留ガスを除去する。なお、改質工程でもバルブ20は開いたままにしてあり、反応室1内には不活性ガス供給ユニット10から不活性ガス(N2など)が常に流れているので、酸素ラジカルの基板4への供給を停止すると同時にパージが行われることとなる。
パージ工程終了後、再び成膜工程に入り、原料ガスバイパス管14aに設けたバルブ22を閉じて、原料ガス供給管5bに設けたバルブ21を開くことにより、成膜ガスをシャワーヘッド6を介して基板4上へ供給し、またSiO膜を、前回の成膜工程で形成した薄膜上に堆積する。
以上のような、成膜工程→パージ工程→改質工程→パージ工程を複数回繰り返すというサイクル処理により、CH、OHの混入が極めて少ない所定膜厚のSiO薄膜を形成することができる。
なお、成膜工程と、改質工程は、略同一温度で行なうのが好ましい(ヒータの設定温度は変更せずに一定とするのが好ましい)。これは、温度変動を生じさせないことにより、シャワーヘッドやサセプタ等の周辺部材の熱膨張によるパーティクルが発生しにくくなり、また、金属部品からの金属の飛び出し(金属汚染)を抑制できるからである。
次に、本発明の第三の実施形態について説明する。
シリコンを含んだ金属酸化膜であるシリケート膜を成膜する際にも、MOCVDと膜の改質処理を繰り返した成膜法に希釈剤を混ぜたSi原料を用いることが有効である。
図10は第三の実施形態に係る基板処理装置である枚葉式CVD装置の一例を示す概略図である。
図9の第ニの実施形態と異なるのは原料ガス供給系だけであり、その他の部分は同一なので、ここでは基板処理装置の原料ガス供給系のみ説明することとする。
反応室1内のサセプタ2の上方に多数の孔8を有するシャワーヘッド6が設けられる。このシャワーヘッド6には、成膜ガスを供給する原料供給管5とラジカルを供給するラジカル供給管13とが共通に接続されて、成膜ガス又はラジカルをシャワーヘッド6からシャワー状に反応室1内へ噴出できるようになっている。ここで、シャワーヘッド6は、成膜工程で基板4に供給する成膜ガスと、改質工程で基板4に供給するラジカルとをそれぞれ供給する同一の供給口を構成する。
反応室1外に、第1の成膜原料としての有機液体原料を供給する第1成膜原料供給ユニット9aと、第1の成膜原料の液体供給流量を制御する流量制御手段としての第1液体流量制御装置28aと、第1の成膜原料を気化する第1気化器29aとが設けられる。また、第2の成膜原料としての有機液体原料を供給する第2成膜原料供給ユニット9bと、第2の成膜原料の液体供給流量を制御する流量制御手段としての第2液体流量制御装置28bと、第2の成膜原料を気化する第2気化器29bとが設けられる。非反応ガスとしての不活性ガスを供給する不活性ガス供給ユニット10と、不活性ガスの供給流量を制御する流量制御手段としてのマスフローコントローラ46が設けられる。
第1の成膜原料としては金属を含む液体原料であるHf−(MMP)などの有機材料を用いる。第2の成膜原料としては、Si−(MMP)とH−MMPのブレンド原料(カクテルSi原料)などの有機材料を用いる。また、不活性ガスとしてはAr、He、Nなどを用いる。
第1成膜原料供給ユニット9aに設けられた第1原料ガス供給管5bと、第2成膜原料供給ユニット9bに設けられた第2原料ガス供給管5cと、不活性ガス供給ユニット10に設けられた不活性ガス供給管5aとを一本化して、シャワーヘッド6に接続される原料供給管5が設けられる。なお、不活性ガス供給管5aはマスフローコントローラ46よりも下流側で枝分かれしており、第1原料ガス供給管5b、第2原料ガス供給管5cに接続されている。
原料供給管5は、基板4上にHfシリケート膜を形成する成膜工程で、シャワーヘッド6に成膜ガスと不活性ガスとの混合ガスを供給するようになっている。第1原料ガス供給管5b、第2原料ガス供給管5c、枝分かれした一方の不活性ガス供給管5a、枝分かれした他方の不活性ガス供給管5aには、それぞれバルブ21a、21b、20a、20bを設け、これらのバルブ21a、21b、20a、20bを開閉することにより、成膜ガスと不活性ガスとの混合ガスの供給を制御することが可能となっている。
また、第1原料ガス供給管5b、第2原料ガス供給管5cには、排気管7に設けた原料回収トラップ16に接続される原料ガスバイパス管14aが設けられる。原料ガスバイパス管14aは第1原料ガス供給管5b、第2原料ガス供給管5cのそれぞれの配管に接続されており、その下流側で一本化している。第1原料ガス供給管5bに接続された原料ガスバイパス管14a、第2原料ガス供給管5cに接続された原料ガスバイパス管14aには、それぞれバルブ22a、22bが設けられている。これらのバルブの開閉により、成膜工程で反応室1内の基板4に成膜ガスを供給したり、改質工程で成膜ガスの供給は停止させずに反応室1をバイパスするよう原料ガスバイパス管14a、原料回収トラップ16を介して排気するようにしたりできる。
そして、反応室1内で基板4上にSiO膜を形成する成膜工程と、成膜工程で形成したSiO膜中の特定元素であるC、H等の不純物を反応物活性化ユニット11を用いたプラズマ処理により除去する改質工程とを、前記バルブ20a、20b、21a、21b、22a、22b、23、24の開閉等を制御することにより、連続して複数回繰り返すように制御する制御装置25が設けられている。
この基板処理装置を用いて、図8に示すような成膜シーケンスにより成膜する方法について説明する。
図8(a)のシーケンスの場合、反応室内のサセプタ上に基板としてのシリコンウェハを載置し、シリコンウェハの温度が安定化したら、
(1)Hf−(MMP)およびSi−(MMP)とH−MMPのブレンド原料を希釈Nと共に反応室内に△Mt秒間導入する。
(2)その後、Hf−(MMP)およびブレンド原料の導入を停止すると、反応室内が希釈Nにより△It秒間パージされる。
(3)反応室内のパージ後、酸素をリモートプラズマユニットにより活性化させて得た2次原料としてのリモートプラズマ酸素を反応室内に△Rt秒間導入する。この間も希釈Nは導入され続けている。
(4)リモートプラズマ酸素の導入を停止すると、反応室内は再び希釈Nにより△It秒間パージされる。
(5)この(1)から(4)までのステップ(1cycle)を、膜厚が所望の値(厚さ)に到達するまで(n cycle)繰り返す。なお、2次原料としては、酸素をリモートプラズマユニットにより活性化させて得たリモートプラズマ酸素の代わりに、アルゴン、または窒素をリモートプラズマユニットにより活性化させて得たリモートプラズマアルゴンまたは窒素を用いるようにしてもよい。
図8(b)のシーケンスの場合、反応室内のサセプタ上に基板としてのシリコンウェハを載置し、シリコンウェハの温度が安定化したら、
(1)Hf−(MMP)を希釈Nと共に反応室内に△Mt1秒間導入する。
(2)その後、Hf−(MMP)の導入を停止すると、反応室内が希釈Nにより△It秒間パージされる。
(3)反応室内のパージ後、酸素をリモートプラズマユニットにより活性化させて得た2次原料としてのリモートプラズマ酸素を反応室内に△Rt秒間導入する。この間も希釈Nは導入され続けている。
(4)リモートプラズマ酸素の導入を停止すると、反応室内は再び希釈Nにより△It秒間パージされる。
(5)反応室内のパージ後、Si−(MMP)とH−MMPのブレンド原料を希釈Nと共に反応室内に△Mt2秒間導入する。
(6)その後、ブレンド原料の導入を停止すると、反応室内が希釈Nにより△It秒間パージされる。
(7)反応室内のパージ後、酸素をリモートプラズマユニットにより活性化させて得た2次原料としてのリモートプラズマ酸素を反応室内に△Rt秒間導入する。この間も希釈Nは導入され続けている。
(8)リモートプラズマ酸素の導入を停止すると、反応室内は再び希釈Nにより△It秒間パージされる。
(9)この(1)から(8)までのステップ(1cycle)を、膜厚が所望の値(厚さ)に到達するまで(n cycle)繰り返す。なお、2次原料としては、酸素をリモートプラズマユニットにより活性化させて得たリモートプラズマ酸素の代わりに、アルゴン、または窒素をリモートプラズマユニットにより活性化させて得たリモートプラズマアルゴンまたは窒素を用いるようにしてもよい。
次に、本発明の第四の実施形態について説明する。
有機原料と水の交互供給によるALD(Atomic Layer Deposition)をコールドウォール炉で行う場合、水を過剰に供給すると、膜に水が取り込まれたり、基板がSiだった場合、過剰な水がSi基板までも酸化したりする弊害が問題になっている。また、過剰な水が基板よりも低温な反応炉内壁などに吸着し、真空引きやパージが不十分なまま、液体原料が導入されると、反応炉内壁の水分と液体原料が反応し、反応炉壁面に成膜が起こり、それが膜はがれを起こし、パーティクルの原因になったりもする。
これに対し、この添加剤をSi原料と同時に供給せずに水の代わりに用いる、すなわちSi原料と添加剤との交互供給によるALDにより成膜を行うことにより、添加剤が基板表面で分解し水を発生するが、低温の反応炉壁面では添加剤は分解せず、真空引きやパージが不十分でも、低温ではSi原料とは反応を起こすことはなく、成膜が起こることはないので、ALDの反応剤に用いる場合も有効である。
この場合、次のようなシーケンスにより成膜することとなる。
すなわち、反応室内のサセプタ上に基板としてのシリコンウェハを載置し、シリコンウェハの温度が安定化したら、
(1)Si原料としてのSi−(MMP)原料を希釈Nと共に反応室内に△Mt秒間導入する。
(2)その後、Si−(MMP)原料の導入を停止すると、反応室内が希釈Nにより△It秒間パージされる。
(3)反応室内のパージ後、添加剤としてのH−MMP原料を反応室内に△Rt秒間導入する。この間も希釈Nは導入され続けている。
(4)H−MMP原料の導入を停止すると、反応室内は再び希釈Nにより△It秒間パージされる。
(5)この(1)から(4)までのステップ(1cycle)を、膜厚が所望の値(厚さ)に到達するまで(n cycle)繰り返す。これにより所望の膜厚のSiO膜を形成することができる。
Si−(MMP)の熱分解のみによる成膜温度と成膜レートの関係を示す図である。 第一の実施形態における基板処理装置の概要説明図である。 Hf−(MMP)およびSi−(MMP)の1時間加熱後の熱的安定性を示す図である。 Hf−(MMP)の6時間加熱後の溶液のGC−MSスペクトルを示す図である。 H−MMPの6時間加熱後の溶液のGC−MSスペクトルを示す図である。 Si−(MMP)とH−MMPのカクテル原料の熱分解のみによる成膜温度と成膜レートの関係を示す図である。 第ニの実施形態におけるSi−(MMP)とH−MMPのカクテル原料のMOCVD成膜と改質のプロセスのシーケンス例を示す図である。 第三の実施形態におけるSi−(MMP)とH−MMPのカクテル原料とHf−(MMP)のMOCVD成膜と改質のプロセスによるシーケンス例を示す図である。 第ニの実施形態における基板処理装置の概要説明図である。 第三の実施形態における基板処理装置の概要説明図である。
符号の説明
1 反応室
4 基板
5 原料供給管
6 シャワーヘッド
7 排気管
9 成膜原料供給ユニット
11 反応物活性化ユニット
14 バイパス管
16 トラップ
25 制御装置

Claims (4)

  1. 基板を処理室内に搬入する工程と、
    処理室内の基板上に薄膜を形成する工程と、
    基板を処理室内から搬出する工程と、を有する半導体装置の製造方法において、
    前記基板上に薄膜を形成する工程では、少なくともシリコン原子を含み、且つ、その組成にOC(CHCHOCHを含む液体原料を気化したガスを基板に対して供給する工程と、前記液体原料が自己分解しない温度において自己分解して水分を発生する添加剤を基板に対して供給する工程と、を交互に複数回繰り返すことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 基板を処理室内に搬入する工程と、
    処理室内の基板上に薄膜を形成する工程と、
    基板を処理室内から搬出する工程と、を有する半導体装置の製造方法において、
    前記基板上に薄膜を形成する工程では、Si[OC(CHCHOCH、または、Si(OCからなる液体原料を気化したガスを基板に対して供給する工程と、前記液体原料が自己分解しない温度において自己分解して水分を発生する添加剤を基板に対して供給する工程と、を交互に複数回繰り返すことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 基板を処理する処理室と、
    処理室内で基板を支持する支持具と、
    処理室内に少なくともシリコン原子を含み、且つ、その組成にOC(CHCHOCHを含む液体原料を気化したガス供給する供給口と、
    処理室内に前記液体原料が自己分解しない温度において自己分解して水分を発生する添加剤を供給する供給口と、
    処理室内を排気する排気口と、
    処理室内の基板を加熱するヒータと、
    基板を処理する際に、前記液体原料を気化したガスの基板への供給と、前記添加剤の基板への供給と、を交互に複数回繰り返すよう制御する制御手段と、を有する基板処理装置。
  4. 基板を処理する処理室と、
    処理室内で基板を支持する支持具と、
    処理室内に、Si[OC(CHCHOCH、または、Si(OCからなる液体原料を気化したガス供給する供給口と、
    処理室内に前記液体原料が自己分解しない温度において自己分解して水分を発生する添加剤を供給する供給口と、
    処理室内を排気する排気口と、
    処理室内の基板を加熱するヒータと、
    基板を処理する際に、前記液体原料を気化したガスの基板への供給と、前記添加剤の基板への供給と、を交互に複数回繰り返すよう制御する制御手段と、を有する基板処理装置。
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