以下に添付図面を参照して、この発明にかかる位置検出装置および位置検出方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる位置検出装置の構成を示す図であり、図2は図1の位置検出装置のA−A矢視断面図である。
本実施の形態にかかる位置検出装置1は、マスク基板用支柱2、第1の照明装置3、第2の照明装置4、撮像装置5、照明コントローラ6、カメラコントローラ7、および、制御装置(演算処理部)8を備えて構成されている。そして位置検出をするマスク基板9は、マスク基板用支柱2の上に搭載される。なお、マスク基板9は、CrマスクやEUVマスクであり、パターンが既に形成されているマスクまたはパターン形成前のマスクブランクスのいずれでもよい。
第1の照明装置3は、マスク基板9の側面からマスク基板9の表裏面に略平行な方向に光を照射する。この照明光は、マスク基板9の厚さ以上の上下方向の広がりを有した強度分布を持つ。そのため、第1の照明装置3は、マスク基板9の裏面(下面)と第1の照明装置3の射光中心部が概ね同一面上になるように設置されている。
第2の照明装置4は、マスク基板9の表面(上面)の上方からマスク基板9の表面に対して略垂直な方向に光を照射する。そのため、第2の照明装置4は、マスク基板9の表面の上方に設置され、マスク基板9の基板エッジ部10を十分に照明する照明範囲を有している。ここで、第1の照明装置3および第2の照明装置4は、本例ではLEDが使用される。
撮像装置5は、第1の照明装置3から光を照射した状態の画像である第1の画像と、第2の照明装置4から光を照射した状態の画像である第2の画像とを撮像する。そのため、撮像装置5は、マスク基板9の裏面の下方に図示しないカメラ用ステーに固定されることにより設置されている。撮像装置5には、CCDカメラが使用される。ここで、撮像装置5とマスク基板9の裏面との距離は、撮像距離(WD)になるように調整されている。さらに、撮像装置5のカメラは、カメラのレンズ部のフォーカス調整により、マスク基板9の裏面と焦点があうように微調整がされている。本例では、フォーカス調整後にはフォーカスを固定して使用している。
撮像距離は、CCDカメラとレンズの組み合わせから決まる焦点距離と必要な撮像範囲(視野サイズ)とCCDカメラ画素当たりの検出分解能の関係から決定している。本例では、マスク基板の位置をミクロンオーダーで検出するために、視野サイズを約50mm角として、1024ピクセルのカメラを用いる。そしてサブピクセル単位で画像処理することにより、検出する位置を5um程度の分解能で計測できるようにしている。
図1および図2をみると、第1の照明装置3と基板エッジ部10との位置関係は、第1の照明装置3から照射される光の領域の一部に、基板エッジ部10が含まれるようになっていることがわかる。そして、撮像装置5の撮像範囲は、第1の照明装置3からの光が照射された基板エッジ部10を含む領域である。また、第2の照明装置4と基板エッジ部10との位置関係は、第2の照明装置4から照射される光の領域の一部に、基板エッジ部10が含まれるようになっていることがわかる。そして、撮像装置5の撮像範囲は、第2の照明装置4からの光が照射された基板エッジ部10を含む領域である。
なお、第1の照明装置3の光の発射面と基板エッジ部10の距離は、マスク基板9のサイズに応じて変化するが、この距離が変化しても、CCDカメラで撮像される画像の強度(明暗)が変化するだけであるので、CCDカメラの検出感度範囲内であれば、この距離が離れていても特に問題は無い。
照明コントローラ6は、第1の照明装置3および第2の照明装置4を制御する。具体的には、制御装置8に基づいて、撮像のタイミングにあわせて各照明装置の点灯および消灯の指示や、照明装置の照明光量を段階的に変更、調整する指示等を行う。例えば、照明コントローラ6は、CPUやマイクロコンピュータである。カメラコントローラ7は、撮像装置5を制御する。具体的には、カメラの撮像時間(シャッタ時間)および撮像の指示等を行い、使用するカメラにオートフォーカス機構が装備されている場合には、フォーカス調整も行う。例えば、カメラコントローラ7は、CPUやマイクロコンピュータである。
制御装置8は、照明コントローラ6およびカメラコントローラ7を制御するとともに、撮像装置5が撮像した第1の画像、および/または、第2の画像から、マスク基板9の位置(基板エッジ部10のエッジ位置)を検出し、決定する。制御装置8は、コントローラ制御部11、位置検出部12、位置保存部13、差分算出部14、差分保存部15、位置決定部16、および、決定位置保存部17を備えて構成されている。
コントローラ制御部11は、照明コントローラ6およびカメラコントローラ7を制御する。位置検出部12は、撮像装置5が撮像した第1の画像から基板エッジ部10のエッジ位置Aを検出し、撮像装置5が撮像した第2の画像から基板エッジ部10のエッジ位置Bを検出する。なお、位置検出方法の詳細は後述する。位置保存部13は、第1の画像から検出した基板エッジ部10のエッジ位置A、および、第2の画像から検出した基板エッジ部10のエッジ位置Bを保存するメモリ等の記憶媒体である。
差分算出部14は、第1の画像から検出されたマスク基板9のエッジ位置Aと、第2の画像から検出されたマスク基板9のエッジ位置Bとの差分(B−A)を算出する。差分保存部15は、差分算出部14が算出した差分(B−A)を保存するメモリ等の記憶媒体である。位置決定部16は、エッジ位置A、エッジ位置B、および、差分(B−A)から基板エッジ部10のエッジ位置を決定する。決定位置保存部17は、決定された基板エッジ部10のエッジ位置を保存するメモリ等の記憶媒体である。制御装置8は、例えば、CPUやマイクロコンピュータである。なお、位置保存部13、差分保存部15、および、決定位置保存部17は、CPUやマイクロコンピュータ内部のキャッシュメモリであるが、図示しないRAM等であってもよい。
(位置検出方法)
次に、上述したように構成されている位置検出装置による位置検出方法について説明する。図3は、位置検出装置による位置検出の手順を示すフローチャートである。
初めに、マスク基板9を位置検出装置1に設置する(ステップS301)。具体的には、マスク基板9をマスク基板用支柱2の上に搭載する。以後のステップで位置検出が行われる。
第1の照明装置3を点灯し、マスク基板9の基板エッジ部10の側面方向からマスク基板9に対して光を照射する(ステップS302)。具体的には、制御装置8から点灯指示を受けた照明コントローラ6が照明装置3を点灯する。
撮像装置5が、第1の照明装置3から光を照射した状態の画像を撮像する(ステップS303)。具体的には、制御装置8から撮像指示を受けたカメラコントローラ7が撮像装置5で撮像する。
位置検出部12が、撮像装置5が撮像した第1の画像から基板エッジ部10のエッジ位置Aを検出し、位置保存部13が検出されたエッジ位置Aを保存する(ステップS304)。以下に、位置検出部12が、撮像装置5が撮像した第1の画像から基板エッジ部10のエッジ位置Aを検出する具体的な方法を説明する。
図4は、撮像装置5が撮像した第1の画像を模式的に表した図である。本図は、第1の照明装置3がマスク基板9の2箇所(本図における上側と左側)に設置され、2つの第1の照明装置3がマスク基板9へ光をそれぞれ照射した場合の画像を表している。このため、マスク基板9の上側と左側の2箇所の基板エッジ部10で、それぞれ散乱光18が高いコントラストで発生し、基板エッジ部10の像が形成されている。ここで、上側の基板エッジ部10に重なっている波形は、散乱光18の像強度プロファイルを表している。
位置検出部12は、撮像装置5が撮像した第1の画像から基板エッジ部10での散乱光18の像強度プロファイルを算出し、さらに、散乱光18の像強度プロファイルから基板エッジ部10のエッジ位置Aを検出する。
図5は、光強度プロファイルから基板エッジ部のエッジ位置を検出する方法を説明する図である。図5の上段は、図4の散乱光の像強度プロファイルの波形の模式図であり、図5の下段は、この波形をCCD画素位置で1次微分した後の波形図である。図5の上段および下段の縦軸は、画素における光強度を表し、単位は任意スケールである。図5の上段および下段の横軸は、カメラのCCD画素位置を表す。ここで、下段の微分波形において、強度に対する閾値をあらかじめ設定した上で、微分波形の左から右方向へサーチしていき、微分波形からと閾値が交差した位置を基板エッジ部のエッジ位置として検出する。なお、本図の光強度プロファイルの微分波形は、サーチ方向に対して、暗から明に変化する光強度の勾配に対して閾値を設定している。この閾値は、波形のノイズレベル等から設定しており、本例では最大強度に対して30%としている。
図3に戻り、ステップS304で、位置保存部13が第1の画像により検出された基板エッジ部10のエッジ位置Aを保存した後、第1の照明装置3を消灯する(ステップS305)。具体的には、制御装置8から消灯指示を受けた照明コントローラ6が照明装置3を消灯する。
第2の照明装置4を点灯し、マスク基板9の上方からマスク基板9の表面に対して垂直な方向に光を照射する(ステップS306)。具体的には、制御装置8から点灯指示を受けた照明コントローラ6が第2の照明装置4を点灯する。
撮像装置5が、第2の照明装置4から光を照射した状態の画像を撮像する(ステップS307)。具体的には、制御装置8から撮像指示を受けたカメラコントローラ7が撮像装置5で撮像する。
位置検出部12が、撮像装置5が撮像した第2の画像から基板エッジ部10のエッジ位置Bを検出し、位置保存部13が検出されたエッジ位置Bを保存する(ステップS308)。位置検出部12が、撮像装置5が撮像した第2の画像から基板エッジ部10のエッジ位置Bを検出する具体的な方法は、上述した撮像装置5が撮像した第1の画像から基板エッジ部10のエッジ位置Aを検出する方法と同様のものである。但し、本ステップの第2の画像は、CCDカメラに照明が透過してくる部分とマスク基板9による影の部分とを撮像したものであるので、これらの境界である基板エッジ部の画像の暗明は、ステップS304の第1の画像と異なる。従って、サーチ方向に対して、光強度プロファイルの微分波形が明から暗に変化する光強度の勾配に対して閾値を設定している。
すなわち、撮像装置5が撮像した第2の画像から、CCDカメラに照明が透過してくる部分とマスク基板9による影の部分との境界である基板エッジ部10での光の像強度プロファイルを算出し、さらに、光の像強度プロファイルの波形を1次微分し、微分波形において、強度に対する閾値をあらかじめ設定した上で、微分波形の左から右方向へサーチしていき、微分波形と閾値が交差した位置を基板エッジ部10のエッジ位置Bとして検出する。なお、閾値は、波形のノイズレベル等から設定しており、本例では最大強度に対して30%としている。
図3に戻り、ステップS308で、位置保存部13が第2の画像により検出された基板エッジ部10のエッジ位置Bを保存した後、第2の照明装置4を消灯する(ステップS309)。具体的には、制御装置8から消灯指示を受けた照明コントローラ6が第2の照明装置4を消灯する。
次に、差分算出部14が、位置保存部13に保存された第1の画像により検出された基板エッジ部10のエッジ位置Aと、第2の画像により検出された基板エッジ部10のエッジ位置Bとから位置データの差分を算出し、差分保存部15が算出された位置データの差分(B−A)を保存する(ステップS310)。
差分算出部14が位置データの差分(B−A)を算出する方法について、以下に説明する。図6は、R面取り加工されている基板エッジ部の断面に対して、第1の照明装置3により計測された位置と、第2の照明装置4により計測された位置との関係を示す模式図である。ここで、実線の波形は、第1の照明装置3を用いて撮像されたCCDカメラ画像における光強度プロファイルを表し、点線の波形は、第2の照明装置4を用いて撮像されたCCDカメラ画像における光強度プロファイルを表している。これらの光強度プロファイルも、計測された位置との関係を説明する上で模式的に示してある。図の横軸は、CCDカメラの画素位置を示し、本例では右方向を負(−)とした座標系としている。
また、図のAは、第1の照明装置3により計測後、前述の方法で検出された基板エッジ部10のエッジ位置を表し、図のBは、第2の照明装置4により計測後、前述の方法で検出された基板エッジ部10のエッジ位置を表している。ここで、Aの位置は、Bの位置Bの右側(−側)となっており、この関係は、基板エッジ部の面取り加工がR面取り加工であるかC面取り加工であるかに関わらず、さらには面取り量に関わらず同じである。従って、B−Aとして算出した値が位置データの差分となる。
差分算出部14が位置データの差分を算出する意義について、以下に説明する。ステップS302〜ステップS305では、第1の照明装置3がマスク基板9の側面方向からマスク基板9に光を照射し、撮像装置5がその状態で第1の画像を撮像し、位置検出部12が第1の画像から基板エッジ部10での散乱光の像強度プロファイルを算出し、基板エッジ部10の位置を検出している。このような位置検出方法について、光線追跡シミュレーションによる検出誤差解析を実施した結果、基板エッジ部10の形状(面取り方法)によって検出位置がずれる現象が発生する場合があることが判明した。
図7は、面取り加工の違いによる検出誤差について、光線追跡シミュレーションで解析した結果を示したグラフである。ここでは、マスク基板の基板エッジ部の形状をR面取り加工している場合とC面取り加工している場合とについて解析をしている。図の横軸は、基板エッジ部の面取り量を表し、フォトマスク基板に関するSEMI規格の通り0.2〜0.6mmとしている。図の縦軸は、CCDカメラ上に形成されるエッジ画像の検出位置を表し、単位は任意スケールであるが、目盛0.1で約50umのずれを表す。尚、SEMI規格のドキュメントとして、SEMI P1−1101の「ハードサーフェス・フォトマスク用基板」と、SEMI P37−1102の「極紫外線リソグラフィマスク基板の仕様」とを引用する。
図7から、R面取り加工の面取り量が大きくなるに従い、検出位置のずれが大きくなることがわかる。R=0.2mmの場合の検出位置とR=0.6mmの場合の検出位置とを比べると、目盛で約0.4のずれ、すなわち約200umのずれがある。この検出位置のずれによる誤差要因は、本実施の形態で必要とする検出精度を超えるために改善が必要である。これに対して、C面取り加工の面取り量が大きくなっても、検出位置のずれは、ほぼ一定であり、10um未満の誤差影響と期待される。
マスク基板の基板エッジ部の形状は、C面取り加工である場合が多く、この場合には、基板エッジ部の最外郭部分がエッジ位置として検出される。このため、検出精度に影響するような誤差が発生せず、高精度な位置検出が実現される。そのことを確かめるため、製造メーカと成膜種類の異なるマスク基板について実際に位置計測を実施し、エッジ形状による誤差影響を調査した。
図8は、異なるマスク基板について、各マスク基板のエッジ部を位置計測した結果を示したグラフである。ここで、#1は、メーカAの通常のCrマスクであり、#2はメーカBの通常のCrマスクである。また、#3と#4は、異なるメーカのEUVマスクであり、それぞれ表面のTa膜の上にレジストが成膜されている。さらに、#4の裏面には、導電膜が形成されている。そして、#1〜4の基板について、#1と2を各5枚、#3と#4は基板の辺を変えて各5箇所、合計20点について計測を実施した。なお、#1〜#4の基板のエッジ部は、いずれもC面取り加工がされているが、ガラス研磨がされているので厳密には端部にR面が存在している。図の横軸は、計測した#1〜4の各基板を表す。図の縦軸は、CCDカメラ上に形成されるエッジ画像の検出位置を表し、単位は任意スケールであるが、目盛0.1で約50umのずれを表す。
図8から、マスク基板の種類に関わらず、目盛で約0.2のずれ、すなわち約100umのずれがあることがわかる。このずれの量は、光線追跡シミュレーションで解析したR面取り加工の面取り量の違いによるずれ(約200um)と比べると約半分の量であり、また、C面取り加工の場合の解析結果と比べると10倍悪い。これは、上述したようにガラス研磨により端部にR面が存在していることに起因すると考えられる。しかしながら、これらの結果からマスク基板の基板エッジ部の形状がC面取り加工である場合は、R面取り加工の場合に比べてより精度の高い位置検出を実現できることが示唆される。
図7および図8の結果からわかるように、マスク基板の基板エッジ部の形状がR面取り加工である場合、位置検出に対する影響は、成膜材料や膜構成の違いによる影響と比べて無視できない。従って、基板エッジ部の形状の影響を受けにくい位置検出方法を実現する必要がある。
そのため、ステップS306〜ステップS309では、第2の照明装置4がマスク基板9の上方からマスク基板9の表面に光を照射し、撮像装置5が撮像した第2の画像から、位置検出部12がCCDカメラに照明が透過してくる部分とマスク基板9による影の部分との境界である基板エッジ部10での光の像強度プロファイルを算出し、基板エッジ部10のエッジ位置Bを検出している。このときマスク基板9の影の位置は、基板エッジ部10の形状の影響を受けないため、エッジ形状に起因する誤差要因が含まれず、この誤差要因の分だけ精度が高い計測が実現できる。
しかしながら、ステップS302〜ステップS305で行われる第1の照明装置3による位置計測は、像のコントラストが高いため、位置検出精度が極めて高いことが予想される。一方で、ステップS306〜ステップS309で行われる第2の照明装置4による位置計測は、第1の照明装置3による場合と比べると像コントラストが低いため、第1の照明装置3による場合と比べて検出精度が低いことが想定される。この仮説を確認するために、実験を行った。
図9は、各照明条件で位置計測の再現性を測定した実験の結果を示したグラフである。図の縦軸は、位置検出再現性を示し、各照明条件において100回計測したデータの3σ値を表す。なお、計測毎に照明の点灯および消灯を繰り返して撮像を行っている。図の横軸は、照明条件を表し、照明1は、ステップS302〜ステップS305で行われる第1の照明装置3による位置計測を行った場合、照明2は、ステップS306〜ステップS309で行われる第2の照明装置4による位置計測を行った場合である。また、照明3は、照明1および照明2との比較のために、いわゆる同軸落射照明方法を使用して位置計測を行った場合である。
図10は、同軸落射照明方法を使用した場合の位置検出装置の構成を示す図である。この位置検出装置は、撮像範囲、WD等は全て同じ条件となるように、同軸落射照明を行う同軸落射照明装置19を、撮像装置(CCDカメラ)5の同軸上に配置している。
この場合の位置検出方法は次の通りである。初めに、同軸落射照明装置19がマスク基板9の下方からマスク基板9の裏面へ光を照射し、撮像装置5が同軸落射照明装置19の光の照射方向と同じ方向からマスク基板9の基板エッジ部10を撮像する。次に、撮像装置5が撮像した画像から基板エッジ部10での光の像強度プロファイルを算出し、さらに、光の像強度プロファイルの波形を1次微分し、微分波形において、強度に対する閾値をあらかじめ設定した上で、微分波形の左から右方向へサーチしていき、微分波形と閾値が交差した位置を基板エッジ部10の位置として検出する。なお、閾値は、波形のノイズレベル等から設定しており、本例では最大強度に対して30%としている。
また、照明1〜3の照明装置には、全て白色LEDを使用し、位置計測する基板には、マスク依存性についても調べるため、通常のCrマスクと、裏面に導電膜が形成されているEUVマスクとを使用した。なお、各基板のエッジ部は、いずれもC面取り加工されている。ただし、厳密には、C面取り加工ではあるが、ガラス研磨により端部にわずかにR面が存在している。
図9から明らかなように、第1の照明装置3による位置計測は、第2の照明装置4による位置計測、および、同軸落射照明装置19による位置計測に比べて検出精度が良いことがわかる。また、同軸落射照明装置19による位置計測は、検出精度が一番悪く、位置検出には向いていないことがわかる。さらに、通常のCrマスクの位置計測の方が、裏面に導電膜が形成されているEUVマスクの位置計測より、若干精度が良いことがわかる。
なお、図9の実験では、照明1〜3の照明は全て白色LEDを使用したが、例えば、第2の照明装置4によるマスク基板9の上方からの照明光は、青色の方が波長が短いので青色LEDを使用した方が検出分解能を向上できる。マスク基板9の上方からの照明光に青色LEDを使用した場合の位置再現性は、CrマスクおよびEUVマスクとも、1.8um程度であり、図9の結果(約2.3um)に比べて精度が向上していることが確認されている。但し、第1の照明装置3に白色LEDを使用した場合の位置検出再現性は、図9の結果では約0.9umであり、白色LEDを使用しても極めてその精度は高い。
以上のことから、ステップS302〜ステップS305で行われる第1の照明装置3による位置計測の検出精度は非常に高いが、基板エッジ部の形状の影響を受ける懸念がある。そのため、ステップS306〜ステップS309で行われる第2の照明装置4による位置計測をさらに行い、2つの位置計測の結果の差分を求めることにより、基板エッジ部の面取り加工がR面取り加工であるかC面取り加工であるか、R面取り加工である場合は面取り量がどれくらいであるかを知ることが可能となる。
そして、その結果をもとに、基板エッジ部の位置を、第1の照明装置3を使用することにより検出されたエッジ位置Aとするか、第2の照明装置4を使用することにより検出されたエッジ位置Bとするかを判断することも可能となる。
図3に戻り、最後に、位置決定部16が基板エッジ部10のエッジ位置を決定し、決定位置保存部17が、決定された基板エッジ部10のエッジ位置を保存し(ステップS311)、位置検出が終了する。具体的には、算出された差分(B−A)が必要な計測精度より小さく、基板エッジ部の面取り加工がC面取り加工である可能性が高く計測精度の低下を懸念する必要がない場合は、位置決定部16は、第1の照明装置3を使用することにより検出されたエッジ位置Aを基板エッジ部10のエッジ位置と決定する。また、算出された差分(B−A)が必要な計測精度より大きく、基板エッジ部の面取り加工がR面取り加工である可能性が高く計測精度の低下を懸念する必要がある場合は、位置決定部16は、第2の照明装置4を使用することにより検出されたエッジ位置Bを基板エッジ部10の位置と決定する。
なお、ステップS302〜ステップS305で行われる第1の照明装置3による位置計測と、ステップS306〜ステップS309で行われる第2の照明装置4による位置計測の順番が入れ替わってもよい。すなわち、第2の照明装置4による位置計測を行った後に第1の照明装置3による位置計測を行っても、ステップS310で、差分算出部14が位置データの差分を算出し、差分保存部15が算出された位置データの差分を保存することが可能である。
このように、第1の実施の形態にかかる位置検出装置によれば、別々に光を照射した状態で撮像した画像からマスク基板のエッジ位置を検出することにより、パターンが既に形成されているか否かに関わらず、マスク基板のエッジ部形状の影響を受けずにエッジ位置を決定できるので、検出精度に優れた位置検出装置および位置検出方法を提供することが可能である。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態にかかる位置検出装置では、基板の上に何も搭載されていないマスク基板の位置検出を行うが、この第2の実施の形態にかかる位置検出装置では、基板の上にカバー若しくはトレイが搭載されたマスク基板の位置検出を行う。
第2の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態にかかる位置検出装置の構成例について、第1の実施の形態を異なる部分を説明する。他の部分については第1の実施の形態と同様であるので、上述した説明を参照し、ここでの説明を省略する。図11は、第2の実施の形態にかかる位置検出装置の構成を示す図であり、図12は図11の位置検出装置のA−A矢視断面図である。
本実施の形態にかかる位置検出装置21は、マスク基板用支柱2、第1の照明装置3、第2の照明装置24、撮像装置25、照明コントローラ6、カメラコントローラ7、および、制御装置(演算処理部)28を備えて構成されている。ここで、マスク基板用支柱2、第1の照明装置3、照明コントローラ6、および、カメラコントローラ7の構成および機能は、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
位置検出をするマスク基板9は、CrマスクやEUVマスクであり、パターンが既に形成されているマスクまたはパターン形成前のマスクブランクスのいずれでもよいが、本例では、パターンが既に形成されているマスクを使用する。マスク基板9は、マスク基板9のパターン形成面または形成予定面である表面(上面)にカバー29を搭載した状態で、その裏面(下面)でマスク基板用支柱2に搭載される。カバー29は、マスク基板9のパターン形成面または形成予定面を全面的に覆っている物や、マスク基板9の基板エッジ部10の全部または一部だけを覆っている物があるが、いずれでもよい。
第2の照明装置24は、マスク基板9の表面の上方に設置され、マスク基板9の基板エッジ部10だけでなく、マスク基板9に搭載されたカバー29のカバーエッジ部31を十分に照明する照明範囲を有している。その他の構成および機能は、第1の形態にかかる第2の照明装置4と同一である。
撮像装置25は、第1の照明装置3から光を照射した状態の画像である第1の画像と、第2の照明装置24から光を照射した状態の画像である第2の画像とを撮像する。撮像装置25の撮像範囲は、第2の照明装置4からの光が照射された基板エッジ部10を含むだけでなく、カバー29のカバーエッジ部31を含む領域である。その他の構成および機能は、第1の形態にかかる撮像装置5と同一である。
制御装置28は、第1の形態にかかる制御装置8の機能に加えて、撮像装置25が撮像した第2の画像から、カバー29の位置(カバーエッジ部31のエッジ位置)を検出する。制御装置28は、コントローラ制御部11、位置検出部32、位置保存部33、差分算出部14、差分保存部15、位置決定部36、および、決定位置保存部17を備えて構成されている。ここで、コントローラ制御部11、差分算出部14、差分保存部15、および、決定位置保存部17の構成および機能は、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
位置検出部32は、第1の形態にかかる位置検出部12の機能に加えて、撮像装置25が撮像した第2の画像から、カバーエッジ部31のエッジ位置を検出する。位置保存部33は、第1の形態にかかる位置保存部13の機能に加えて、第2の画像から検出したカバーエッジ部31のエッジ位置を保存する。
位置決定部36は、第1の形態にかかる位置決定部16の機能に加えて、エッジ位置Aに差分(B−A)を加算し、エッジ位置Bを算出し、エッジ位置Bを基板エッジ部10のエッジ位置であると決定する。
図13は、撮像装置25が撮像した第1の画像を模式的に表した図である。本図は、第1の照明装置3がマスク基板9の2箇所(本図における上側と左側)に設置され、2つの第1の照明装置3がマスク基板9へ光をそれぞれ照射した場合の画像を表している。このため、マスク基板9の上側と左側の2箇所の基板エッジ部10で、それぞれ散乱光18が高いコントラストで発生し、基板エッジ部10の像が形成されている。ここで、上側の基板エッジ部10に重なっている波形は、散乱光の像強度プロファイルを表している。また、カバー29の上側と左側の2箇所のカバーエッジ部31でも、それぞれ散乱光18が発生し、カバーエッジ部31の像が形成されている。
従って、第1の照明装置3を使用した位置検出方法を使用すれば、マスク基板9にカバー29が搭載された場合でも、第1の照明装置3がマスク基板9の側面方向からマスク基板9に光を照射し、撮像装置25がその状態で第1の画像を撮像し、位置検出部32が第1の画像から基板エッジ部10での散乱光の像強度プロファイルを算出し、基板エッジ部10のエッジ位置Aを検出することができる。
なお、第2の照明装置24を使用した位置検出方法では、マスク基板9にカバー29が搭載された場合は、第2の照明装置24がマスク基板9の上方からマスク基板9の表面に光を照射しても、カバー29が光を遮ってしまう。このため、撮像装置25が基板エッジ部10を撮像することができず、基板エッジ部10のエッジ位置Bを検出することができない。
そこで、位置検出装置21は、マスク基板9にカバー29が搭載される前に、あらかじめ、第1の照明装置3を使用して基板エッジ部10のエッジ位置Aを検出し、第2の照明装置24を使用して基板エッジ部10のエッジ位置Bを検出し、さらに、位置データの差分(B−A)を算出、保存しておく。
算出された差分(B−A)が必要な計測精度より小さく、基板エッジ部の面取り加工がC面取り加工である可能性が高く計測精度の低下を懸念する必要がない場合は、第1の照明装置3を使用することにより検出されたエッジ位置Aを基板エッジ部10の位置と決定する。
しかしながら、算出された差分(B−A)が必要な計測精度より大きく、基板エッジ部の面取り加工がR面取り加工である可能性が高く計測精度の低下を懸念する必要がある場合は、マスク基板9にカバー29が搭載された状態で、第1の照明装置3を使用して検出した基板エッジ部10のエッジ位置Aに、保存しておいた位置データの差分(B−A)を加算することにより基板エッジ部10のエッジ位置Bを算出し、このエッジ位置Bを基板エッジ部10のエッジ位置であると決定する。
ここで、カバー29がマスク基板9の上にどのように搭載されているかについて具体的に説明する。図14は、カバー29に設けられたパッド34の形状の詳細を示した図である。カバー29は、その構成要素であるパッド34を介してマスク基板9に接触している。なお、パッド34は、カバー29がマスク基板9に正しく搭載された場合にマスク基板9の側面から少し離れた位置に土手が設けられた構造をしており、カバー29がマスク基板9に正しく搭載されていれば、パッド34の土手部分の側面とマスク基板9の側面との間に距離dの余裕があり、マスク基板9とこの土手部分が接触することはない。また、振動などによりカバー29がマスク基板9からずれた場合は、この土手部分により、カバー29がマスク基板9から脱落しないようになっている。カバー29をマスク基板9に搭載する際に、マスク基板9がパッド34の土手部分に接触した場合にはパーティクルが発生するので、カバー29をマスク基板9に対して正確に位置決めした上で搭載することが必要になる。この位置決めを行う際には、本検出装置の構成でマスク基板9の位置とカバー29の位置とをそれぞれ検出することにより、マスク基板9とパッド34の土手部分との接触を防ぐことが可能になる。
マスク基板9の位置は、上述した方法で検出することが可能であり、カバー29の位置も、以下の方法で検出することが可能である。撮像装置5とカバー29との距離を撮像距離(WD)になるように調整し、撮像装置5のカメラの焦点がカバー29の下面とあうように調整する。そうすれば、第2の照明装置24がカバー29の上方からカバー29の上面に光を照射し、撮像装置5がその状態で第2の画像を撮像し、位置検出部32が第2の画像からカバーエッジ部31での光の像強度プロファイルを算出し、カバーエッジ部31の位置を検出することができる。
なお、上述では、撮像装置25とカバー29との距離を撮像距離(WD)になるように調整することを説明したが、レンズの焦点深度の範囲であれば、撮像距離(WD)をマスク基板の下面にあわせたままの場合であっても、エッジ計測は十分な精度で実現できる。本例で使用しているレンズの焦点深度は約10mmであり、通常のフォトマスク基板の厚さ6.35mmに比べて十分に大きいので問題はない。また、マスク基板9とカバー29のWDは、それぞれが異なるので、厳密にはカメラ画素あたりの距離が異なるが、この画素あたりの距離を、それぞれマスク基板9とカバー29について設定して使用すれば位置ずれを算出することができるので問題は生じない。
そして、制御装置28の図示しない位置関係判定部が、それぞれ検出したマスク基板9の位置とカバー29の位置とから、互いの位置関係が許容範囲であるかを判定することが可能である。さらには、カバー29がマスク基板9に搭載される前に、マスク基板9の位置とカバー29の位置関係を判定し、許容範囲であると判定した場合に、カバー29をマスク基板9に搭載することも可能である。なお、検出されたカバーエッジ部31の位置精度は、決定されたマスク基板9のエッジ部10の位置精度よりも劣っているが、カバー29のパッド34の土手部分の側面とマスク基板9の側面との間に距離dの余裕があるので、大きな問題とはならない。
このように、第2の実施の形態にかかる位置検出装置によれば、カバーが搭載されたマスク基板についても、あらかじめカバーが搭載される前のマスク基板について別々に光を照射した状態で撮像した画像からマスク基板のエッジ位置を検出しておくことにより、パターンが既に形成されているか否かに関わらず、マスク基板のエッジ部形状の影響を受けずにエッジ位置を決定できるので、検出精度に優れた位置検出装置および位置検出方法を提供することが可能である。
また、第2の実施の形態にかかる位置検出装置によれば、マスク基板に搭載するカバーについても、光を照射した状態で撮像した画像からカバーのエッジ位置を検出することができるので、マスク基板とカバーの位置関係を正確に把握することができる位置検出装置および位置検出方法を提供することが可能である。
(第3の実施の形態)
第2の実施の形態にかかる位置検出装置では、基板の上にカバー若しくはトレイが搭載されたマスク基板の位置検出を行うが、第3の実施の形態にかかる位置検出装置では、カバー若しくはトレイの上に搭載されたマスク基板の位置検出を行う。
第3の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態にかかる位置検出装置の構成例について、第1の実施の形態を異なる部分を説明する。他の部分については第1の実施の形態と同様であるので、上述した説明を参照し、ここでの説明を省略する。図15は、第3の実施の形態にかかる位置検出装置の構成を示す図であり、図16は図15の位置検出装置のA−A矢視断面図である。
本実施の形態にかかる位置検出装置41は、カバー用支柱42、第1の照明装置43、第2の照明装置44、撮像装置45、照明コントローラ6、カメラコントローラ7、および、制御装置(演算処理部)48を備えて構成されている。ここで、照明コントローラ6およびカメラコントローラ7の構成および機能は、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
本実施の形態にかかる位置検出装置41は、実施の形態2にかかる位置検出装置21に対して、基本的には天地を逆にした構成から成り立っている。位置検出をするマスク基板9はカバー49の上に搭載され、さらにカバー49はカバー用支柱42の上に搭載される。なお、マスク基板9は、CrマスクやEUVマスクであり、パターンが既に形成されているマスクまたはパターン形成前のマスクブランクスのいずれでもよいが、本例では、パターンが既に形成されているマスクを使用する。マスク基板9のパターン形成面または形成予定面である表面(下面)は、カバー49と向かい合っている。カバー49は、マスク基板9の基板エッジ部10に対しては、その全部ではなく一部だけを覆っている。
第1の照明装置43は、マスク基板9の裏面(上面)と第1の照明装置43の射光中心部が概ね同一面上になるように設置されている。その他の構成および機能は、第1の形態にかかる第1の照明装置3と同一である。
第2の照明装置44は、マスク基板9の表面の下部からマスク基板9の表面に対して略垂直な方向に光を照射する。そのため、第2の照明装置44は、マスク基板9の表面の下方に設置され、マスク基板9の基板エッジ部10だけでなく、マスク基板9を搭載したカバー49のカバーエッジ部51を十分に照明する照明範囲を有している。その他の構成および機能は、第1の形態にかかる第2の照明装置4と同一である。
撮像装置45は、第1の照明装置43から光を照射した状態の画像である第1の画像と、第2の照明装置44から光を照射した状態の画像である第2の画像とを撮像する。そのため、撮像装置45は、マスク基板9の裏面の上方に図示しないカメラ用ステーに固定されることにより設置されている。撮像装置45の撮像範囲は、第2の照明装置44からの光が照射された基板エッジ部10を含むだけでなく、カバー49のカバーエッジ部51を含む領域である。その他の構成および機能は、第1の形態にかかる撮像装置5と同一である。
制御装置48は、第1の形態にかかる制御装置8の機能に加えて、撮像装置45が撮像した第2の画像から、カバー49の位置(カバーエッジ部51のエッジ位置)を検出する。制御装置48は、コントローラ制御部11、位置検出部52、位置保存部53、差分算出部14、差分保存部15、位置決定部16、および、決定位置保存部17を備えて構成されている。ここで、コントローラ制御部11、差分算出部14、差分保存部15、位置決定部16、および、決定位置保存部17の構成および機能は、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
位置検出部52は、第1の形態にかかる位置検出部12の機能に加えて、撮像装置45が撮像した第2の画像から、カバーエッジ部51のエッジ位置を検出する。位置保存部53は、第1の形態にかかる位置保存部13の機能に加えて、第2の画像から検出したカバーエッジ部51のエッジ位置を保存する。
従って、第1の照明装置43を使用した位置検出方法を使用すれば、マスク基板9がカバー49に搭載された場合でも、第1の照明装置43がマスク基板9の側面方向からマスク基板9に光を照射し、撮像装置45がその状態で第1の画像を撮像し、位置検出部52が第1の画像から基板エッジ部10での散乱光の像強度プロファイルを算出し、基板エッジ部10のエッジ位置Aを検出することができる。
なお、カバー49における、第2の照明装置44がマスク基板9の表面の下部からマスク基板9の表面に光を照射する部分は、図示しない切り欠きがあるか、窓が開いている。従って、マスク基板9をカバー49に搭載した場合でも、第2の照明装置44を使用した位置検出方法を使用して、基板エッジ部10のエッジ位置Bを検出することができる。すなわち、第2の照明装置44がマスク基板9の表面の下部からマスク基板9の表面に向けて光を照射した時に、光の一部がカバー49の切り欠きまたは窓を抜けてマスク基板9の基板エッジ部10を含む表面に到達する。そして、撮像装置45がその状態で第2の画像を撮像し、位置検出部52が第2の画像から基板エッジ部10での光の像強度プロファイルを算出し、基板エッジ部10のエッジ位置Bを検出することができる。
ここで、マスク基板9がカバー49の上にどのように搭載されているかについて具体的に説明する。カバー49は、その構成要素であるパッド54を介してマスク基板9に接触している。なお、パッド54は、第2の実施の形態にかかるパッド34とほぼ同じ形状をしており、マスク基板9が正しく搭載された場合に側面から少し離れた位置に土手が設けられた構造をしており、マスク基板9が正しく搭載されていれば、マスク基板9とこの土手部分が接触することはない。また、振動などによりマスク基板9がカバー49からずれた場合は、この土手部分により、マスク基板9がカバー49から脱落しないようになっている。マスク基板9をカバー29に搭載する際に、マスク基板9がパッド54の土手部分に接触した場合には、パーティクルが発生するので、マスク基板9をカバー49に対して正確に位置決めした上で搭載することが必要になる。この位置決めを行う際には、本検出装置の構成でマスク基板9の位置とカバー29の位置とを計測することにより、マスク基板9とパッド54の土手部分との接触を防ぐことが可能になる。
マスク基板9の位置は、上述した方法で検出することが可能であり、カバー49の位置も、以下の方法で検出することが可能である。撮像装置45とカバー49との距離を撮像距離(WD)になるように調整し、撮像装置45のカメラの焦点がカバー49の上面とあうように調整しておく。そして、第2の照明装置44がカバー49の下部からカバー49の下面に光を照射した時に、光の一部がカバー49のカバーエッジ部51を含む表面を照らし、撮像装置45がその状態で第2の画像を撮像し、位置検出部52が第2の画像からカバーエッジ部51での光の像強度プロファイルを算出し、カバーエッジ部51の位置を検出することができる。
なお、撮像装置45とカバー49との距離と撮像距離(WD)の調整、レンズの焦点深度、カメラ画素あたりの距離については、第2の実施の形態にて先述した通りである。
そして、制御装置48の図示しない位置関係判定部が、それぞれ検出したマスク基板9の位置とカバー49の位置とから、互いの位置関係が許容範囲であるかを判定することが可能である。さらには、カバー49をマスク基板9に搭載する前に、マスク基板9の位置とカバー49の位置関係を判定し、許容範囲であると判定した場合に、カバー49にマスク基板9を搭載することも可能である。
このように、第3の実施の形態にかかる位置検出装置によれば、カバーに搭載されたマスク基板についても、別々に光を照射した状態で撮像した画像からマスク基板のエッジ位置を検出することにより、パターンが既に形成されているか否かに関わらず、マスク基板のエッジ部形状の影響を受けずにエッジ位置を決定できるので、検出精度に優れた位置検出装置および位置検出方法を提供することが可能である。
また、第3の実施の形態にかかる位置検出装置によれば、マスク基板が搭載されるカバーについても、光を照射した状態で撮像した画像からカバーのエッジ位置を検出することができるので、マスク基板とカバーの位置関係を正確に把握することができる位置検出装置および位置検出方法を提供することが可能である。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態では、マスク基板へのカバー搭載装置に、第1〜第3の実施の形態にかかる位置検出装置を適用し、マスク基板へカバーを搭載する。
第4の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図17は、第4の実施の形態にかかるカバー搭載装置の概念図である。カバー搭載装置61は、第1の処理室62、第2の処理室63、マスクポッド開閉機構64、搬送ロボット65、カバー搭載機構66を備えて構成されている。
カバー搭載装置61が、マスク基板9にカバー67を搭載する簡単なフローは、以下の通りである。あらかじめ、マスク基板9は、第1の処理室62にあるマスクポッド68に収納されており、カバー67は、第2の処理室63に保存されている。マスク基板9は、CrマスクやEUVマスクであり、パターンが既に形成されているマスクまたはパターン形成前のマスクブランクスのいずれでもよいが、本例では、パターンが既に形成されているマスクを使用する。初めに、第1の処理室62に設けられているマスクポッド開閉機構64が、マスクポッド68を開放する。そして、搬送ロボット65が、マスクポッド68からマスク基板9を取り出し、さらに、取り出したマスク基板9を第1の処理室62から搬出する。さらに、搬送ロボット65が、取り出したマスク基板9を第2の処理室63へ搬入し、第2の処理室63に設けられているカバー搭載機構66へ搭載する。
次に、カバー搭載機構66が、マスク基板9にカバー67を搭載する。搬送ロボット65が、カバー67を搭載したマスク基板9を、再び第2の処理室63から搬出し第1の処理室62へ搬入し、マスクポッド68へ入れる。最後に、マスクポッド開閉機構64がマスクポッド68を閉鎖する。
カバー67を搭載したマスク基板9が収納されたマスクポッド68は、AGV(Automated Guided Vehicle)などにより、例えば、露光装置などの別の装置へ運搬される。このようにして、カバーを搭載したマスクを別の装置に移動することが可能になる。
(マスクポッド開閉機構)
図18は、マスクポッド開閉機構64によるマスクポッド68の開閉方法を示した概念図である。マスクポッド開閉機構64は、テーブル69とエレベータ70を備えて構成されており、基本的にはSMIF(Standard Mechanical Interface)方式と同じ機構である。また、マスクポッド68は、ポッド底71とポッド蓋72により構成されている。そして、マスク基板9は、ポッド底71上に搭載され、さらにポッド蓋72に覆われている状態で保管されている。なお、マスク基板9のパターン形成面(上面)は、図の上側にある。ポッド蓋72は、透明体の物質、例えば、帯電防止樹脂からなる。なお、ポッド底71には窓90が2箇所、テーブル69には開口部91が2箇所設けられているが、これらは位置検出のために必要であり、第1の位置検出装置の説明部で詳しく説明する。
図18の左図は、マスクポッド開閉機構64によりマスクポッド68が閉鎖されている状態を示す。図では、エレベータ70がテーブル69を上昇させており、そのためテーブル69の上に搭載されているポッド底71がポッド蓋72と接触している。なお、ポッド底71とポッド蓋72は、互いに接触した段階で、図示しないロック機構によりロックされている。
図18の右図は、マスクポッド開閉機構64によりマスクポッド68が開放されている状態を示す。図では、エレベータ70がテーブル69を下降させており、そのためテーブル69の上に搭載されているポッド底71がポッド蓋72と分離している。なお、ポッド底71とポッド蓋72は、互いに離れた段階で、図示しないオープナーによりロックが解除される。従って、エレベータ70がテーブル69を上下動させることにより、マスクポッド68が開閉される。
(カバー搭載機構)
図19は、カバー搭載機構66によるカバー67のマスク基板9への装着方法を示した概念図である。カバー搭載機構66は、マスク支持台73、カバー搭載用ハンド74、および、図示しない2軸の駆動系を備えて構成されている。また、カバー67には、パッド75が設けられており、このパッドは、第2の実施の形態にかかるパッド34および第3の実施の形態にかかるパッド54と同様の形状をしており、周辺部に土手が設けられている。
図19の左下図は、カバー搭載機構66がカバー67をマスク基板9へ搭載する前の状態をカバー67の側面から見た図を示し、図19の左上図は、同じ状態をカバー67の底面から見た図を示す。図では、マスク基板9はマスク支持台73の上に搭載され、カバー67はカバー搭載用ハンド74に保持された状態でマスク基板9の上方にある。なお、マスク基板9のパターン形成面(上面)は、図の上側にある。なお、カバー搭載用ハンド74は、図示しない2軸の駆動系によりこの位置まで移動している。なお、マスク支持台73には窓120が2箇所設けられているが、これらは位置検出のために必要であり、第2の位置検出装置の説明部で詳しく説明する。
図19の右図は、カバー搭載機構66がカバー67をマスク基板9へ搭載した後の状態をカバー67の側面から見た図を示す。図では、カバー搭載用ハンド74が下降し、カバー搭載用ハンド74に保持されたカバー67が、パッド75を介してマスク基板9へ搭載されている。従って、カバー搭載機構66は、カバー搭載用ハンド74を図示しない2軸の駆動系により下降させることにより、カバー67をマスク基板9へ搭載する。なお、カバー搭載機構66は、カバー搭載用ハンド74を図示しない2軸の駆動系により上昇させることにより、カバー67のマスク基板9からの脱着を行うこともできる。
(第1の位置検出装置)
第1の処理室62には、さらに、第1〜第3の実施の形態にかかる第1の位置検出装置81が設けられている。図20は、カバーをマスク基板に搭載する前の第1の処理室62における第1の位置検出装置81の構成を示す側面図であり、図21は、カバーをマスク基板に搭載する前の第1の処理室62における第1の位置検出装置81の構成を示す上面図である。また、図22は、カバーをマスク基板に搭載した後の第1の処理室における第1の位置検出装置の構成を示す側面図である。図20からわかるように、マスクポッド68は閉鎖されており、テーブル69の上にポッド底71が搭載されている。マスク基板9は、ポッド底71上に搭載され、さらにポッド蓋72に覆われている状態で保管されている。
本実施の形態にかかる第1の位置検出装置81は、第1の照明装置83、第2の照明装置84、撮像装置85、照明コントローラ86、カメラコントローラ87、および、制御装置(演算処理部)88を備えて構成されている。
第1の照明装置83は、マスク基板9の側面からマスク基板9の表裏面に略平行な方向に光を照射する。この照明光は、マスク基板9の厚さ以上の上下方向の広がりを有した強度分布を持つ。そのため、第1の照明装置83は、マスク基板9の下面と第1の照明装置3の射光中心部が概ね同一面上になるように設置されている。なお、第1の照明装置83は、マスク基板9の2辺を照明するように2箇所に設置されている。
第2の照明装置84は、マスク基板9の上面の上方からマスク基板9の上面に対して略垂直な方向に光を照射する。そのため、第2の照明装置84は、マスク基板9の上面の上方に設置され、マスク基板9の基板エッジ部10だけでなく、カバー67がマスク基板9に搭載されている場合に、カバー67のカバーエッジ部89を十分に照明する照明範囲を有している。ここで、第1の照明装置83および第2の照明装置84は、本例ではLEDが使用される。
撮像装置85は、第1の照明装置83から光を照射した状態の画像である第1の画像と、第2の照明装置84から光を照射した状態の画像である第2の画像とを撮像する。そのため、撮像装置85は、テーブル69の下面の下方に図示しないカメラ用ステーに固定されることにより設置されている。撮像装置85には、CCDカメラが使用される。
なお、ポッド底71には、第1の照明装置83が光を照射した場合に、散乱光が高いコントラストで発生するマスク基板9の2箇所の基板エッジ部10を包含する位置、および、第2の照明装置84が光を照射した場合に、光が透過してくる部分とマスク基板9による影の部分との境界である2箇所の基板エッジ部10および光が透過してくる部分とカバー67による影の部分との境界である2箇所のカバーエッジ部89を包含する位置に、透明な窓90が2箇所設けられている。さらに、テーブル69にも、窓90に対応する位置に開口部91が形成されている。また、前述したようにポッド蓋72は透明体である。
従って、撮像装置85が撮像した第1の画像から、後述する位置検出部102は、2箇所の基板エッジ部10での散乱光の像強度プロファイルを算出し、さらに、散乱光の像強度プロファイルから基板エッジ部10の2箇所のエッジ位置Aを検出することができる。また、撮像装置85が撮像した第2の画像から、後述する位置検出部102は、2箇所の基板エッジ部10または2箇所のカバーエッジ部89での光の像強度プロファイルを算出し、さらに、光の像強度プロファイルから基板エッジ部10の2箇所のエッジ位置Bまたはカバーエッジ部89の2箇所のエッジ位置を検出することができる。
なお、撮像装置85とマスク基板9の下面(カバー67の下面)との距離は、撮像距離(WD)になるように調整されている。さらに、撮像装置85のカメラは、カメラのレンズ部のフォーカス調整により、マスク基板9の下面(カバー67の下面)と焦点があうように微調整がされている。撮像装置85の撮像範囲は、第2の照明装置84からの光が照射された基板エッジ部10を含むだけでなく、カバー67がマスク基板9に搭載されている場合に、第2の照明装置84からの光が照射されたカバーエッジ部89を含む領域である。
なお、撮像装置85とマスク基板9の下面およびカバー67の下面との距離と撮像距離(WD)の調整、レンズの焦点深度、カメラ画素あたりの距離については、第2の実施の形態にて先述した通りである。オートフォーカス機構が無いカメラを使用した場合でも、焦点深度が十分であれば問題ない。また画素あたりの距離を予めマスク基板9の下面、カバー67の下面の位置において設定しておけば、それぞれの位置を正確に求めることが可能である。
照明コントローラ86は、第1の照明装置83および第2の照明装置84を制御する。具体的には、制御装置88に基づいて、撮像のタイミングにあわせて各照明装置の点灯および消灯の指示や、照明装置の照明光量を段階的に変更、調整する指示等を行う。例えば、照明コントローラ86は、CPUやマイクロコンピュータである。カメラコントローラ87は、撮像装置85を制御する。具体的には、カメラの撮像時間(シャッタ時間)および撮像の指示等を行い、使用するカメラにオートフォーカス機構が装備されている場合には、フォーカス調整も行う。例えば、カメラコントローラ87は、CPUやマイクロコンピュータである。
制御装置88は、照明コントローラ86およびカメラコントローラ87を制御し、撮像装置85が撮像した第1の画像、および/または、第2の画像から、マスク基板9の位置(基板エッジ部10のエッジ位置)を検出、決定し、撮像装置85が撮像した第2の画像から、カバー67の位置(カバーエッジ部89のエッジ位置)を検出し、マスク基板9にカバー67が搭載されているか否かを判定し、マスク基板9とカバー67が所定の位置にあるか否かを判定する。制御装置88は、コントローラ制御部101、位置検出部102、位置保存部103、差分算出部104、差分保存部105、位置決定部106、決定位置保存部107、カバー搭載判定部108、および、位置関係判定部109を備えて構成されている。
コントローラ制御部101は、照明コントローラ86およびカメラコントローラ87を制御する。位置検出部102は、撮像装置85が撮像した第1の画像から基板エッジ部10のエッジ位置Aを検出し、撮像装置85が撮像した第2の画像から基板エッジ部10のエッジ位置B、および、カバーエッジ部89のエッジ位置を検出する。なお、具体的な位置検出の方法は、第1の実施の形態および第2の実施の形態で説明した方法と同じであり省略する。位置保存部103は、第1の画像から検出した基板エッジ部10のエッジ位置A、および、第2の画像から検出した基板エッジ部10のエッジ位置Bおよびカバーエッジ部89のエッジ位置を保存するメモリ等の記憶媒体である。
差分算出部104は、第1の画像から検出されたマスク基板9のエッジ位置Aと、第2の画像から検出されたマスク基板9のエッジ位置Bとの差分(B−A)を算出する。なお、具体的な差分算出の方法は、第1の実施の形態で説明した方法と同じであり省略する。差分保存部105は、差分算出部104が算出した差分(B−A)を保存するメモリ等の記憶媒体である。
位置決定部106は、検出したエッジ位置A、検出したエッジ位置B、差分(B−A)、および、エッジ位置Aに差分(B−A)を加算し算出したエッジ位置Bから基板エッジ部10のエッジ位置を決定する。決定位置保存部107は、決定された基板エッジ部10のエッジ位置を保存するメモリ等の記憶媒体である。カバー搭載判定部108は、マスク基板9にカバー67が搭載されているか否かを判定する。位置関係判定部109は、マスク基板9とカバー67が所定の位置にあるか否か、すなわち、マスク基板9とカバー67の位置関係が正しいか否かを判定する。制御装置88は、例えば、CPUやマイクロコンピュータである。なお、位置保存部103、差分保存部105、および、決定位置保存部107は、CPUやマイクロコンピュータ内部のキャッシュメモリであるが、図示しないRAM等であってもよい。
(第2の位置検出装置)
また、第2の処理室63にも、第1〜第3の実施の形態にかかる位置検出装置が設けられている。図23は、カバー67をマスク基板9に搭載する前の第2の処理室63における第2の位置検出装置111の構成を示す側面図であり、図24は、カバー67をマスク基板9に搭載した後の第2の処理室63における第1の位置検出装置111の構成を示す側面図である。図24ではカバー搭載用ハンド74は既に退避している。また、両図からわかるように、マスク基板9はマスク支持台73上に搭載されている。
本実施の形態にかかる第2の位置検出装置111は、第1の照明装置113、第2の照明装置114、撮像装置115、照明コントローラ116、カメラコントローラ117、および、制御装置(演算処理部)118を備えて構成されている。
第1の照明装置113は、マスク基板9の側面からマスク基板9の表裏面に略平行な方向に光を照射する。この照明光は、マスク基板9の厚さ以上の上下方向の広がりを有した強度分布を持つ。そのため、第1の照明装置83は、マスク基板9の下面と第1の照明装置3の射光中心部が概ね同一面上になるように設置されている。なお、第1の照明装置83は、マスク基板9の2辺を照明するように2箇所に設置されている。
第2の照明装置114は、カバー67の上面の上方からカバー67の上面に対して略垂直な方向に光を照射する。そのため、第2の照明装置114は、カバー67の上面の上方に設置され、カバー67のカバーエッジ部89を十分に照明する照明範囲を有している。ここで、第1の照明装置83および第2の照明装置84は、本例ではLEDが使用される。
撮像装置115は、第1の照明装置113から光を照射した状態の画像である第1の画像と、第2の照明装置114から光を照射した状態の画像である第2の画像とを撮像する。そのため、撮像装置115は、マスク支持台73の下面の下方に図示しないカメラ用ステーに固定されることにより設置されている。撮像装置115には、CCDカメラが使用される。
なお、マスク支持台73には、第1の照明装置113が光を照射した場合に、散乱光が高いコントラストで発生するマスク基板9の2箇所の基板エッジ部10を包含する位置、および、第2の照明装置114が光を照射した場合に、光が透過してくる部分とカバー67による影の部分との境界である2箇所のカバーエッジ部89を包含する位置に、透明な窓120が2箇所設けられている。
従って、撮像装置115が撮像した第1の画像から、後述する位置検出部122は、2箇所の基板エッジ部10での散乱光の像強度プロファイルを算出し、さらに、散乱光の像強度プロファイルから基板エッジ部10の2箇所のエッジ位置Aを検出することができる。また、撮像装置115が撮像した第2の画像から、後述する位置検出部122は、2箇所のカバーエッジ部89での光の像強度プロファイルを算出し、さらに、光の像強度プロファイルからカバーエッジ部89の2箇所のエッジ位置を検出することができる。
なお、撮像装置115とマスク基板9の下面(カバー67の下面)との距離は、撮像距離(WD)になるように調整されている。さらに、撮像装置115のカメラは、カメラのレンズ部のフォーカス調整により、マスク基板9の下面(カバー67の下面)と焦点があうように微調整がされている。撮像装置115の撮像範囲は、第2の照明装置114からの光が照射された基板エッジ部10を含むだけでなく、第2の照明装置84からの光が照射されたカバーエッジ部89を含む領域である。
なお、撮像装置115とカバー67との距離と撮像距離(WD)の調整、レンズの焦点深度、カメラ画素あたりの距離については、第4の実施の形態にかかる第1の位置検出装置にて先述した通りである。
照明コントローラ116は、第1の照明装置113および第2の照明装置114を制御する。具体的には、制御装置118に基づいて、撮像のタイミングにあわせて各照明装置の点灯および消灯の指示や、照明装置の照明光量を段階的に変更、調整する指示等を行う。例えば、照明コントローラ116は、CPUやマイクロコンピュータである。カメラコントローラ117は、撮像装置115を制御する。具体的には、カメラの撮像時間(シャッタ時間)および撮像の指示等を行い、使用するカメラにオートフォーカス機構が装備されている場合には、フォーカス調整も行う。例えば、カメラコントローラ117は、CPUやマイクロコンピュータである。
制御装置118は、照明コントローラ116およびカメラコントローラ117を制御し、撮像装置115が撮像した第1の画像と、制御装置88の差分保存部105が保存している差分(B−A)から、マスク基板9の位置(基板エッジ部10のエッジ位置)を検出、決定し、撮像装置115が撮像した第2の画像から、カバー67の位置(カバーエッジ部89のエッジ位置)を検出し、マスク基板9とカバー67が所定の位置にあるか否かを判定する。制御装置118は、コントローラ制御部121、位置検出部122、位置保存部123、差分保存部125、位置決定部126、決定位置保存部127、および、位置関係判定部129を備えて構成されている。
コントローラ制御部121は、照明コントローラ116およびカメラコントローラ117を制御する。位置検出部122は、撮像装置115が撮像した第1の画像から基板エッジ部10のエッジ位置Aを検出し、撮像装置115が撮像した第2の画像からカバーエッジ部89のエッジ位置を検出する。なお、具体的な位置検出の方法は、第1の実施の形態および第2の実施の形態で説明した方法と同じであり省略する。位置保存部123は、第1の画像から検出した基板エッジ部10のエッジ位置A、および、第2の画像から検出したカバーエッジ部89のエッジ位置を保存するメモリ等の記憶媒体である。
差分保存部125は、制御装置88の差分保存部105が保存している差分(B−A)を保存するメモリ等の記憶媒体である。この差分は、制御装置88と制御装置118とをネットワークで接続することにより、差分保存部105から差分保存部125へ送信されてもよい。または、作業者が差分保存部105にあるデータを携帯型の記憶装置に記憶し、差分保存部125へそのデータを移すことにより保存させてもよい。さらに、制御装置118の機能と制御装置88の機能とを一つの装置で構成し、差分保存部105と差分保存部125の機能を統合して、位置検出を行ってもよい。
位置決定部126は、検出したエッジ位置Aに差分(B−A)を加算することにより算出したエッジ位置Bから基板エッジ部10のエッジ位置を決定する。決定位置保存部127は、決定された基板エッジ部10のエッジ位置を保存するメモリ等の記憶媒体である。位置関係判定部129は、マスク基板9とカバー67が所定の位置にあるか否か、すなわち、マスク基板9とカバー67の位置関係が正しいか否かを判定する。制御装置128は、例えば、CPUやマイクロコンピュータである。なお、位置保存部123、差分保存部125、および、決定位置保存部127は、CPUやマイクロコンピュータ内部のキャッシュメモリであるが、図示しないRAM等であってもよい。
(カバー搭載方法)
次に、上述したように構成されているカバー搭載装置が、マスク基板をマスクポッドから取り出し、マスク基板にカバーを取り付け、再びマスク基板をマスクポッドに収納する方法について説明する。図25は、カバー搭載装置によるカバー搭載の手順を示すフローチャートである。なお、ステップS2501〜ステップS2505、および、ステップS2517〜ステップS2522は、主に第1の処理室62で行われ、ステップS2506〜ステップS2616は、主に第2の処理室63で行われる。
初めに、マスクポッド68に収納されたマスク基板9を第1の処理室62にセットする(ステップS2501)。なお、図20および図21は、この状態の第1の処理室62を表している。
カバー搭載判定部108がマスク基板9にカバー67が搭載されていないと判定すると、照明コントローラ86が第1の照明装置83を点灯し、第1の照明装置83がマスク基板9の基板エッジ部10の側面方向からマスク基板9に対して光を照射し、撮像装置85が第1の照明装置83から光を照射した状態の画像を撮像し、位置検出部102が撮像装置85が撮像した第1の画像から基板エッジ部10のエッジ位置Aを検出し、位置保存部103が検出されたエッジ位置を保存する(ステップS2502)。その後、照明コントローラ86が第1の照明装置83を消灯する。
さらに、照明コントローラ86が第2の照明装置84を点灯し、照明装置84がマスク基板9の上方からマスク基板9の上面に対して垂直な方向に光を照射し、撮像装置85が第2の照明装置84から光を照射した状態の画像を撮像し、位置検出部102が撮像装置85が撮像した第2の画像から基板エッジ部10のエッジ位置Bを検出し、位置保存部103が検出されたエッジ位置を保存する(ステップS2503)。その後、照明コントローラ86が第2の照明装置84を消灯する。
差分算出部104が、位置保存部103に保存された第1の画像により検出された基板エッジ部10の検出位置と第2の画像により検出された基板エッジ部10の検出位置とから位置データの差分(B−A)を算出し、差分保存部105が算出された位置データの差分を保存する(ステップS2504)。
マスクポッド開閉機構64がマスクポッド68を開放し、搬送ロボット65が、マスクポッド68のポッド底71からマスク基板9を取り出し、このマスク基板9を第1の処理室62から搬出する(ステップS2505)。
搬送ロボット65が、マスク基板9を第2の処理室63へ搬入する(ステップS2506)。
第2の処理室63で、搬送ロボット65が、マスク基板9をカバー搭載機構66のマスク支持台73へ搭載する(ステップS2507)。この後、図23のように、カバー搭載用ハンド74が、カバー67を保持した状態でマスク基板9の上方まで移動する。次に、カバー67をマスク基板9に対して正確な位置関係で搭載するため(カバー67のパッド75の土手部分がマスク基板9に接触しないようにするため)、現在のカバー67の位置とマスク支持台73上のマスク基板9の位置とを測定する。
先に、マスク支持台73上のマスク基板9の位置を測定する場合を考える。カバー67がマスク基板9の上方に存在する状態でも、第1の照明装置113を使用して、マスク基板9の基板エッジ部10のエッジ位置を検出することは可能である。従って、照明コントローラ116が第1の照明装置113を点灯し、第1の照明装置113がマスク基板9の基板エッジ部10の側面方向からマスク基板9に対して光を照射し、撮像装置115が第1の照明装置113から光を照射した状態の画像を撮像し、位置検出部122が撮像装置115が撮像した第1の画像から基板エッジ部10のエッジ位置Aを検出し、位置保存部123が検出されたエッジ位置を保存する(ステップS2508)。その後、照明コントローラ116が第1の照明装置113を消灯する。
しかしながら、図23をみればわかるように、カバー67がマスク基板9の上方に存在する状態ではカバー67が邪魔となり、第2の照明装置114を使用して、マスク基板9の基板エッジ部10のエッジ位置Bを検出することは不可能である。このため、位置決定部126は、ステップS2504で第1の位置検出装置81の差分算出部104が算出し、第2の位置検出装置111の差分保存部125が保存しておいた位置データの差分(B−A)を、ステップS2508で検出した基板エッジ部10のエッジ位置Aに加算することにより、基板エッジ部10のエッジ位置Bを算出する。そして、位置決定部126がこのエッジ位置Bを基板エッジ部10のエッジ位置であると決定し、決定位置保存部127が決定されたエッジ位置を保存する(ステップS2509)。
このように、カバー67がマスク基板9の上方に存在し、第2の照明装置114を使用してマスク基板9の基板エッジ部10のエッジ位置Bを検出することができない場合においても、位置決定部126が、あらかじめ算出していた位置データの差分(B−A)を、検出した基板エッジ部10のエッジ位置Aに加算することにより、基板エッジ部10のエッジ位置を決定し、マスク基板の位置を知ることが可能になる。
なお、差分(B−A)が必要な計測精度より小さく、基板エッジ部の面取り加工がC面取り加工である可能性が高く計測精度の低下を懸念する必要がない場合は、位置決定部126は、ステップS2509を行わずに、第1の照明装置113を使用することにより検出されたエッジ位置Aをそのまま基板エッジ部10のエッジ位置と決定してもよい。
次に、カバー67の位置を測定する場合を考える。照明コントローラ116が第2の照明装置114を点灯し、第2の照明装置114がカバー67の上方からカバー67の上面に対して垂直な方向に光を照射し、撮像装置115が第2の照明装置114から光を照射した状態の画像を撮像し、位置検出部122が撮像装置115が撮像した第2の画像からカバーエッジ部89のエッジ位置を検出し、位置保存部123が検出されたエッジ位置を保存する(ステップS2510)。その後、照明コントローラ116が第2の照明装置114を消灯する。
そして、位置関係判定部129が、ステップS2510で算出したカバー67のカバーエッジ部89のエッジ位置と、ステップS2509で決定したマスク基板9の基板エッジ部10のエッジ位置とから、カバー67とマスク基板9がそれぞれ所定の位置にあることを確認する(ステップS2511)。なお、検出されたカバーエッジ部89の位置精度は、決定されたマスク基板9のエッジ部10の位置精度よりも劣っているが、カバー67とマスク基板とが互いに正確な位置関係にある場合、カバー67のパッド84の土手部分の側面とマスク基板9の側面との間に距離の余裕があるので、大きな問題とはならない。
カバー搭載機構66が、マスク基板9にカバー67を搭載する(ステップS2512)。なお、位置関係判定部129が、カバー67とマスク基板9がそれぞれ所定の位置にないと判定した場合には、そのままマスク基板9にカバー67を搭載すると、マスク基板9とカバー67のパッド75の土手とが接触しパーティクルが発生したり、最悪の場合マスク基板が損傷するおそれがあるので、作業を中断する。
カバー67をマスク基板9に搭載する際の振動により、カバー67とマスク基板9の位置がずれた場合を考慮して、再度、カバー67をマスク基板9に搭載した後のカバー67とマスク基板9の位置を測定する。
先に、マスク基板9の位置を測定する場合を考える。カバー67がマスク基板9に搭載された状態でも、第1の照明装置113を使用して、マスク基板9の基板エッジ部10のエッジ位置を検出することは可能である。従って、照明コントローラ116が第1の照明装置113を点灯し、第1の照明装置113がマスク基板9の基板エッジ部10の側面方向からマスク基板9に対して光を照射し、撮像装置115が第1の照明装置113から光を照射した状態の画像を撮像し、位置検出部122が撮像装置115が撮像した第1の画像から基板エッジ部10のエッジ位置Aを検出し、位置保存部123が検出されたエッジ位置を保存する(ステップS2513)。その後、照明コントローラ116が第1の照明装置113を消灯する。
しかしながら、図23をみればわかるように、カバー67がマスク基板9に搭載された状態ではカバー67が邪魔となり、第2の照明装置114を使用して、マスク基板9の基板エッジ部10のエッジ位置Bを検出することは不可能である。このため、位置決定部126は、ステップS2504で第1の位置検出装置81の差分算出部104が算出し、第2の位置検出装置111の差分保存部125が保存しておいた位置データの差分(B−A)を、ステップS2513で検出した基板エッジ部10のエッジ位置Aに加算することにより、基板エッジ部10のエッジ位置Bを算出する。そして、位置決定部126がこのエッジ位置Bを基板エッジ部10のエッジ位置であると決定し、決定位置保存部127が決定されたエッジ位置を保存する(ステップS2514)。
このように、カバー67がマスク基板9に搭載され、第2の照明装置114を使用してマスク基板9の基板エッジ部10のエッジ位置Bを検出することができない場合においても、位置決定部126が、あらかじめ算出していた位置データの差分(B−A)を、検出した基板エッジ部10のエッジ位置Aに加算することにより、基板エッジ部10のエッジ位置を決定し、マスク基板の位置を知ることが可能になる。
なお、差分(B−A)が必要な計測精度より小さく、基板エッジ部の面取り加工がC面取り加工である可能性が高く計測精度の低下を懸念する必要がない場合は、位置決定部126は、ステップS2514を行わずに、第1の照明装置113を使用することにより検出されたエッジ位置Aをそのまま基板エッジ部10のエッジ位置と決定してもよい。
次に、カバー67の位置を測定する場合を考える。照明コントローラ6が第2の照明装置114を点灯し、第2の照明装置がカバー67の上方からカバー67の上面に対して垂直な方向に光を照射し、撮像装置115が第2の照明装置114から光を照射した状態の画像を撮像し、位置検出部122が撮像装置115が撮像した第2の画像からカバーエッジ部89のエッジ位置を検出し、位置保存部123が検出されたエッジ位置を保存する(ステップS2515)。その後、照明コントローラ116が第2の照明装置114を消灯する。
そして、位置関係判定部129が、ステップS2515で算出したカバー67のカバーエッジ部89のエッジ位置と、ステップS2514で決定したマスク基板9の基板エッジ部10のエッジ位置とから、カバー67とマスク基板9がそれぞれ所定の位置にある状態でカバー67がマスク基板9に搭載されていることを確認する(ステップS2516)。なお、検出されたカバーエッジ部89の位置精度は、決定されたマスク基板9のエッジ部10の位置精度よりも劣っているが、カバー67とマスク基板とが互いに正確な位置関係にある場合、カバー67のパッド84の土手部分の側面とマスク基板9の側面との間に距離の余裕があるので、大きな問題とはならない。
位置関係判定部129が、カバー67とマスク基板9がそれぞれ所定の位置にないと判定した場合には、そのままでは、マスク基板9の側面とカバー67のパッド75の土手とが接触しパーティクルが発生したり、最悪の場合マスク基板が損傷するおそれがあるので、作業を中断する。
搬送ロボット65が、カバー67を搭載したマスク基板9を、第2の処理室63から搬出し第1の処理室62へ搬入する。(ステップS2517)。
第1の処理室62で、搬送ロボット65が、マスクポッド68のポッド底71へマスク基板9を置き、マスクポッド開閉機構64が、マスクポッド68を閉鎖する(ステップS2518)。なお、図22は、この状態の第1の処理室62を表している。
カバー67が搭載されたマスク基板9が、第2の処理室63から第1の処理室62に搬送後、マスクポッド68のポッド底71へ置かれるまでの間に、カバー67とマスク基板9の位置がずれた場合を考慮して、再度、カバー67とマスク基板9の位置を測定する。
先に、マスク基板9の位置を測定する場合を考える。この測定は、カバー搭載判定部108がマスク基板9にカバー67が搭載されていると判定した後に行われる。カバー67がマスク基板9に搭載された状態でも、第1の照明装置83を使用して、マスク基板9の基板エッジ部10のエッジ位置を検出することは可能である。従って、照明コントローラ86が第1の照明装置83を点灯し、第1の照明装置83がマスク基板9の基板エッジ部10の側面方向からマスク基板9に対して光を照射し、撮像装置85が第1の照明装置83から光を照射した状態の画像を撮像し、位置検出部102が撮像装置85が撮像した第1の画像から基板エッジ部10のエッジ位置Aを検出し、位置保存部103が検出されたエッジ位置を保存する(ステップS2519)。その後、照明コントローラ86が第1の照明装置83を消灯する。
しかしながら、図22をみればわかるように、カバー67がマスク基板9に搭載された状態ではカバー67が邪魔となり、第2の照明装置84を使用して、マスク基板9の基板エッジ部10のエッジ位置Bを検出することは不可能である。このため、位置決定部106は、ステップS2504で位置検出部102が算出し、差分保存部105が保存しておいた位置データの差分(B−A)を、ステップS2519で検出した基板エッジ部10のエッジ位置Aに加算することにより、基板エッジ部10のエッジ位置Bを算出する。そして、位置決定部106がこのエッジ位置Bを基板エッジ部10のエッジ位置であると決定し、決定位置保存部107が決定されたエッジ位置を保存する(ステップS2520)。
このように、カバー67がマスク基板9に搭載され、第2の照明装置84を使用してマスク基板9の基板エッジ部10のエッジ位置Bを検出することができない場合においても、位置決定部106が、あらかじめ算出していた位置データの差分(B−A)を、検出した基板エッジ部10のエッジ位置Aに加算することにより、基板エッジ部10のエッジ位置を決定し、マスク基板の位置を知ることが可能になる。
なお、差分(B−A)が必要な計測精度より小さく、基板エッジ部の面取り加工がC面取り加工である可能性が高く計測精度の低下を懸念する必要がない場合は、位置決定部106は、ステップS2519を行わずに、第1の照明装置83を使用することにより検出されたエッジ位置Aをそのまま基板エッジ部10のエッジ位置と決定してもよい。
次に、カバー67の位置を測定する場合を考える。照明コントローラ86が第2の照明装置84を点灯し、第2の照明装置がカバー67の上方からカバー67の上面に対して垂直な方向に光を照射し、撮像装置85が第2の照明装置84から光を照射した状態の画像を撮像し、位置検出部102が撮像装置85が撮像した第2の画像からカバーエッジ部89のエッジ位置を検出し、位置保存部103が検出されたエッジ位置を保存する(ステップS2521)。その後、照明コントローラ6が第2の照明装置84を消灯する。
そして、位置関係判定部109が、ステップS2521で算出したカバー67のカバーエッジ部89のエッジ位置と、ステップS2520で決定したマスク基板9の基板エッジ部10のエッジ位置とから、カバー67とマスク基板9がそれぞれ所定の位置にある状態でカバー67がマスク基板9に搭載されていることを確認し(ステップS2522)、処理を終了する。なお、検出されたカバーエッジ部89の位置精度は、決定されたマスク基板9のエッジ部10の位置精度よりも劣っているが、カバー67とマスク基板とが互いに正確な位置関係にある場合、カバー67のパッド84の土手部分の側面とマスク基板9の側面との間に距離の余裕があるので、大きな問題とはならない。
位置関係判定部109が、カバー67とマスク基板9がそれぞれ所定の位置にないと判定した場合には、そのままでは、マスク基板9の側面とカバー67のパッド75の土手とが接触しパーティクルが発生したり、最悪の場合マスク基板が損傷するおそれがあるので、作業を中断する。
なお、本実施の形態では、第1の位置検出装置81の制御装置88と、第2の位置検出装置111の制御装置118との構成は若干異なっているが、全く同じ構成としてもよい。その場合は、第1の処理室62および第2の処理室63のいずれで使用されるかにより、制御装置内で使用される機能を適宜選択すればよい。そうすれば、2種類の制御装置を作成する手間を省くことができる。
また、第1の位置検出装置81と第2の位置検出装置111との構成は、基本的に同じ構成として、撮像装置、照明装置は概略同じ配置にすることが高精度を実現する上では望ましい。特に、側方から光を照射するための第1の照明装置、基板、および、撮像装置の配置関係を共通とすることにより、第1の処理室62と第2の処理室63における基板の位置検出誤差を最小限に小さくできる。
このように、第4の実施の形態にかかるカバー搭載装置によれば、第1の実施の形態で説明した位置検出装置および位置検出装置の方法を使用することにより、第2の照明装置を使用してマスク基板の基板エッジ部のエッジ位置を検出することができない場合においても、第1の照明装置を使用して検出したマスク基板の基板エッジ部のエッジ位置に、あらかじめ算出していた位置データの差分を加算することにより、基板エッジ部のエッジ位置を決定し、マスク基板の位置を知ることが可能となり、マスク基板の位置の検出精度に優れたカバー搭載装置を提供することが可能である。
また、第4の実施の形態にかかるカバー搭載装置によれば、第1の実施の形態および第2の実施の形態で説明した位置検出装置および位置検出装置の方法を使用することにより、カバーをマスク基板に搭載する前にマスク基板の位置とカバーの位置とを検出して互いの位置関係を確認した上でカバーをマスク基板に搭載することができ、カバーの搭載ミスのない信頼度に優れたカバー搭載装置を提供することが可能である。
さらに、第4の実施の形態にかかるカバー搭載装置によれば、第1の実施の形態および第2の実施の形態で説明した位置検出装置および位置検出装置の方法を使用することにより、カバーをマスク基板に搭載した後にもマスク基板の位置とカバーの位置とを検出して互いの位置関係を確認し、搭載後のカバーのずれを検出することができ、信頼度に優れたカバー搭載装置を提供することが可能である。
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態では、EUV露光装置で、リムーバブルペリクルに覆われたマスク基板を、リムーバブルペリクルから外した後マスクステージへ搭載する場合に、第1〜第3の実施の形態にかかる位置検出装置を適用し、マスク基板をマスクステージへ搭載する。
第5の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。初めに、EUV露光装置において、リムーバブルペリクルに覆われていたEUVマスクが、マスクチャックに保持され、次の露光工程へ進むまでのフローを説明する。
図26は、リムーバブルペリクルと搬送ロボットハンドの関係を示した概念図である。図26の左図は、EUVマスクがリムーバブルペリクルに覆われた状態で搬送ロボットハンドに搭載されている状態を示す。リムーバブルペリクル130は、リムーバブルペリクルベース131とリムーバブルペリクルカバー132から構成されている。そして、EUVマスク133は、リムーバブルペリクルベース131上に搭載され、さらにリムーバブルペリクルカバー132に覆われている状態で保管されている。ここで、EUVマスク133のパターン形成面は、リムーバブルペリクルベース131側にある。そして、搬送ロボットハンド134が、EUVマスク133を保管したリムーバブルペリクル130を、リムーバブルペリクルベース131の下面から支えている。
図26の右図は、リムーバブルペリクルカバー132がリムーバブルペリクルベース131から分離している状態を示す。EUVマスク133を露光に使用する際には、リムーバブルペリクルカバーオープナ135が、リムーバブルペリクルカバー132を上方に持ち上げ、EUVマスク30のパターン形成面の反対面が開放される。次に、搬送ロボットハンド134が、リムーバブルペリクルベース131に搭載された状態のEUVマスク133を、位置検出装置に搬送する。
図27は、EUVマスクを露光装置内のマスクステージ上のマスクチャックに設置する前に、EUVマスクの位置を計測する位置検出装置の構成を示した概略図である。搬送ロボットハンド134は、EUVマスク133を搭載したリムーバブルペリクルベース131を、位置検出装置141の位置まで搬送し、位置検出装置141がEUVマスク133の位置を検出する。ここで、リムーバブルペリクルカバー132が外れた状態で、位置検出装置141を使用することにより、EUVマスク133の位置を検出することが可能となる。
EUVマスク133の位置を検出後、搬送ロボットハンド134は、EUVマスク133を搭載したリムーバブルペリクルベース131を、マスクチャック142の下方まで搬送する。マスクチャック142は、図示しないマスクステージとつながっており、このマスクステージが駆動し、マスクチャック142をEUVマスク133のパターン形成面の反対面と接触させ、マスクチャック142とEUVマスク133の接触面間の静電力により、EUVマスク133がマスクチャック142に保持(チャック)される。なお、EUV露光装置では、静電チャックが使用されることが前提となっている。この時、マスクステージは、位置検出装置141により検出されたEUVマスク133の位置を利用することにより、EUVマスク133をマスクチャック142における所定の位置に接触させ、保持させることができる。
マスクチャック142にEUVマスク133が保持された後、マスクチャック142が上昇、または、搬送ロボットハンド134が下降し、リムーバブルペリクルベース131は、EUVマスク133から分離される。その結果、EUVマスク133のパターン形成面は露光装置の露光光学系に対して露出し、次の露光処理へと工程が進められる。
次に、本実施の形態にかかる位置検出装置141について詳しく説明する。位置検出装置141は、照明装置143、ミラー144、撮像装置145、照明コントローラ146、カメラコントローラ147、および、制御装置(演算処理部)148を備えて構成されている。
照明装置143は、EUVマスク133の側面からEUVマスク133の表裏面に略平行な方向に光を照射する。この照明光は、EUVマスク133の厚さ以上の上下方向の広がりを有した強度分布を持つ。そのため、照明装置143は、EUVマスク133のパターン形成面の反対面と照明装置143の射光中心部が概ね同一面上になるように設置されている。照明装置143は、本例ではLEDが使用される。
ミラー144は、照明装置143が光を照射するEUVマスク133の側面の上方に設けられたミラーである。ミラー144は、その反射面がEUVマスク133の面に対して、概略45度傾斜した状態で固定されている。従って、照明装置143がEUVマスク133の側面に光を照射すると、EUVマスク133のエッジ部150で発生した散乱光の光線束149はミラー144に入射する。そして、ミラー144は、光線束149を概略90度折り曲げ、右方向へ出射する。
撮像装置145は、ミラー144が出射した光線束149の出射先に設置され、光線束149で形成された画像を撮像する。さらに、撮像装置145は、オートフォーカス機構を装備している。撮像装置145には、CCDカメラが使用される。このような関係で照明装置143、ミラー144、および、撮像装置145が配置されているのは、露光装置内に配置されている、ステージ駆動系、露光照明光学系、および、ファインアライメント光学系の配置上の制約のためである。
なお、EUVマスク133のパターン形成面の反対面からミラー144を経由して撮像装置145まで到達する距離は、撮像距離(WD)になるように調整されている。さらに、撮像装置145のカメラは、オートフォーカス機構によりカメラのレンズ部のフォーカス調整がされ、ミラー144を介してEUVマスク133のパターン形成面と焦点があうようにされている。撮像装置115の撮像範囲は、照明装置143からの光が照射されたエッジ部150を写したミラー144を含む領域である。
照明コントローラ146は、照明装置143を制御する。具体的には、制御装置148に基づいて、撮像のタイミングにあわせて各照明装置の点灯および消灯の指示や、照明装置の照明光量を段階的に変更、調整する指示等を行う。例えば、照明コントローラ146は、CPUやマイクロコンピュータである。カメラコントローラ147は、撮像装置145を制御する。具体的には、カメラの撮像時間(シャッタ時間)および撮像の指示等を行い、オートフォーカス機構のフォーカス調整を行う。例えば、カメラコントローラ147は、CPUやマイクロコンピュータである。
制御装置148は、照明コントローラ146およびカメラコントローラ147を制御し、撮像装置145が撮像した画像と、第4の実施の形態で説明したカバー搭載装置のような別装置、または、露光装置のマスクロードポートにおいてあらかじめ算出しておいた差分(B−A)とからEUVマスク133の位置(エッジ部150のエッジ位置)を検出し、決定する。制御装置148は、コントローラ制御部151、位置検出部152、位置保存部153、差分保存部155、位置決定部156、および、決定位置保存部157を備えて構成されている。
コントローラ制御部151は、照明コントローラ146およびカメラコントローラ147を制御する。位置検出部152は、撮像装置145が撮像した画像からEUVマスク133のエッジ部150のエッジ位置Aを検出する。なお、具体的な位置検出の方法は、第1の実施の形態で説明した方法と同じであり省略する。位置保存部153は、第1の画像から検出したエッジ部150のエッジ位置Aを保存するメモリ等の記憶媒体である。
差分保存部155は、第4の実施の形態で説明したカバー搭載装置のような別装置、または、露光装置のマスクロードポートにおいてあらかじめ算出しておいた差分(B−A)を保存するメモリ等の記憶媒体である。この差分は、装置間をネットワークで接続することにより、差分保存部155へ送信されてもよい。または、作業者が差分データを差分保存部155へ入力することにより保存させてもよい。
位置決定部156は、検出したエッジ位置Aに差分(B−A)を加算することにより算出したエッジ位置Bからエッジ部150のエッジ位置を決定する。決定位置保存部157は、決定されたエッジ部150のエッジ位置を保存するメモリ等の記憶媒体である。制御装置148は、例えば、CPUやマイクロコンピュータである。なお、位置保存部153、差分保存部155、および、決定位置保存部157は、CPUやマイクロコンピュータ内部のキャッシュメモリであるが、図示しないRAM等であってもよい。
従って、位置検出装置141は、EUVマスク133の側面に光を照査することにより得られた画像からエッジ位置Aを検出し、第4の実施の形態で説明したカバー搭載装置のような別装置、または、露光装置のマスクロードポートにおいて、あらかじめ算出しておいた差分(B−A)を加算することにより、EUVマスク133の位置(エッジ部150のエッジ位置)を正確に知ることが可能である。
なお、EUVマスク133のエッジ部150の面取り加工量は、SEMI規格によれば、通常のマスクに比べて最大で6分の1程度と小さいため、場合によっては差分を考慮せずに、EUVマスクの側面に光を照射することにより得られた画像から検出したエッジ部150のエッジ位置Aを、そのままエッジ部150のエッジ位置と決定し、使用することも可能である。
また、照明装置143は、LED照明を使用しているので数10度程度の拡がり角度を有して光を出射しており、リムーバブルペリクルベース131のエッジ位置にもこの光が照射される。従って、位置検出装置141を使用することにより、リムーバブルペリクルベース131の位置を検出することが可能であり、さらに、位置検出装置141に第4の実施の形態で説明した位置関係判定部109の機能を追加することにより、EUVマスク133とリムーバブルペリクルベース131との位置関係を知ることが可能である。
本実施の形態では、EUVマスク133をマスクチャック142へ搭載する前にEUVマスク133の位置を確認することができる。そして、測定したEUVマスク133の位置に応じて、EUVマスク133を保持するために必要な所定の位置範囲に収まるように、マスクチャック142をマスクステージで駆動させた後、マスクチャック142がEUVマスク133を保持することができる。
ここで、必要な所定の位置範囲とは、EUVマスク133のアライメントマークをサーチする範囲であり、いわゆる露光装置に設けられたアライメントマークを検出する検出装置のキャプチャレンジに相当する。マスクチャック142がEUVマスク133を保持した際にキャプチャレンジを超えていた場合には、EUVマスク133のアライメントが不可能となるためマスクロードエラーとなり、露光処理を実行できず露光装置のスループットの大幅な低下の原因となる。本実施の形態にかかる位置検出装置を使用することにより、マスクロードエラー等の問題も回避できるようになる。
また、上述した説明では、リムーバブルペリクルベース131上にあるEUVマスク133をマスクチャック142へ搭載する前にEUVマスク133の位置を検出し、この値に応じてマスクステージが駆動することにより、EUVマスク133とマスクチャック142とが所定の範囲以内になるように位置決め(アライメント)しているが、リムーバブルペリクルベース131を介してEUVマスク133を保持している搬送ロボットハンド134が駆動することによって、EUVマスク133とマスクチャック142とが所定の範囲以内になるように位置決め(アライメント)することも可能である。
また、マスクステージ周辺のように空間的に制約がある場合には、本実施の形態のような手法で撮像装置の配置に自由度を持たせることが可能である。そして、EUVマスク133のエッジ部150からの散乱光は単純な光束であるので、位置検出装置141は単純な構成とすることができる。従って、位置検出装置141では、アライメントマークを使用した位置検出光学系においてしばしば問題とされるような像歪みの影響が少ない状態で検出することが可能であるために、レンズや光学部品を多用し比較的複雑で大型となる光学系検出装置のような配置上の制約を受けにくい。
なお、位置検出装置141と別装置または露光装置のマスクロードポートにある位置検出装置との構成は、基本的に同じ構成として、撮像装置、照明装置は概略同じ配置にすることが高精度を実現する上では望ましい。特に、側方から光を照射するための第1の照明装置、基板、および、撮像装置の配置関係を共通とすることにより、別装置またはマスクロードポートにおいて予め計測、算出、保存した差分データ(B−A)を用いて、露光装置内のマスクステージにおいて基板の位置検出を行う際に、位置検出誤差を最小限に小さくできる。従って、位置検出精度を確保する観点からすると、撮像装置や照明装置の配置は、完全に自由ではないことに注意が必要である。
このように、第5の実施の形態にかかる露光装置によれば、第1の実施の形態および第3の実施の形態で説明した位置検出装置および位置検出装置の方法を使用することにより、EUVマスクをマスクチャックに保持する前にEUVマスクの位置とマスクチャックの位置とを検出して互いの位置関係を確認した上でEUVマスクをマスクチャックに保持することができ、マスクのアライメントを実現する露光装置を提供することが可能である。
(変形例)
なお、本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではない。第1〜第3の実施形態では、第1の照明装置および第2の照明装置を各1個づつ配置しているが、複数配置してもよい。また、第1〜第5の実施形態では、第1の照明装置および第2の照明装置にLEDを使用しているが、ライトガイドを用いたファイバー照明を使用してもよい。
また、第2および第3の実施の形態では、マスク基板のパターン形成面または形成予定面をカバーで覆う構成としているが、マスク基板のパターン形成面または形成予定面の反対面をカバーで覆う構成としてもよい。この場合、第1の照明装置は、マスク基板のパターン形成面または形成予定面と第1の照明装置3の射光中心部が概ね同一面上になるように設置される。
また、第5の実施の形態の撮像装置において示したように、マスク基板に照射する照明装置の配置についても、折り返しミラー等の手段を適用して実質的に照明光がマスク基板の側面方向から照射され、また、垂直方向から照射される構成であれば、本実施の形態を適用することは可能である。
また、第1〜第5の実施の形態では、マスク基板の下面と第1の照明装置の射光中心部が概ね同一面上になるように設置されているが、必ずしも同一面上になくても本発明は十分に機能する。例えば、基板厚さ以上に高さがずれていても、上下方向に広がりを有した強度分布を持つ照明光を使用して基板エッジを照明することによって、本検出手段の構成により高品質なエッジ画像が形成されるために高精度な計測が可能である。また、エッジ散乱光が発生する範囲であれば、照明光の高さ方向のずれや射光の中心方向に傾きがあっても、本検出手段の構成により高品質なエッジ画像が形成されるために高精度な計測が可能である。
また、第1〜第5の実施の形態では、撮像装置はCCDカメラを使用したが、CCDラインセンサやCMOSセンサを使用することも可能であり、照明した際のエッジ散乱光の強度、または、照明の明暗を検出し位置を計測できる手段であれば、本実施の形態に適用できることは言うまでもない。
また、撮像装置となる例えばCCDカメラと被検出対象となるマスク基板、若しくはカバーの間には、拡大レンズやテレセントリックレンズ、テレコンバータレンズ、或いは色素フィルタや偏光フィルタ、レンズ保護フィルタなどの一般的な光学部品を介在させて使用しても、本発明を適用することは可能である。
また、マスク基板側面方向から照明する照明領域については特に規定はされていないが、マスク基板の長手方向に平行な面を有限なサイズで照明することが望ましい。
また、マスク基板を支持する部分の構造については、種々の形状が適用可能であり、照明領域、検出領域、および、その他周辺と物理的に干渉しない範囲で形状を決定することが望ましく、本実施の形態のように四隅で支持する構成ではなく、3点で支持する構成でもよい。
また、第1〜第4の実施の形態では、回路パターンの原版であるマスク基板には、現在主流で使用されているCrマスクと、次世代リソグラフィ用で使用されるEUVマスクとを用いているが、ハーフトーンマスクやフッ化カルシウムを母材としたマスクを用いることも可能である。
また、第1〜第5の実施の形態にかかる位置検出装置および位置検出方法は、必要に応じて適宜変更を加えることにより、各種の製造装置に適用することが可能である。例えば、第4の実施の形態では、第2の処理室において第2の照明装置を設置したが、マスク基板の位置は第1の照明装置だけを使用して求めることができる。従って、カバーの位置があらかじめ機械的に決められていれば、マスク基板の位置を検査するだけでもマスク基板とカバーの物理的な接触や擦動の問題を回避することは可能であり、その結果、第2の照明装置は不要となる。
また、第1の実施形態で説明したように、第1の照明装置による位置計測と、第2の照明装置による位置計測の順番が入れ替わってもよく、これらの差分算出部における位置データの差分算出も、順番を入れ替えて引き算を行っても良い。このときに保存された位置データの差分の加算方法については、矛盾がないように定義をしておけば、本発明を適用することが可能であることはいうまでも無い。
また、第1〜第5の実施の形態にかかる位置検出装置および位置検出方法では、光の像強度プロファイルを算出し、さらに、光の像強度プロファイルの波形を1次微分し、微分波形において、強度に対する閾値をあらかじめ設定した上で、微分波形の左から右方向へサーチしていき、微分波形と閾値が交差した位置を基板エッジ部位置として検出しているが、基板のエッジ位置を決定する上での処理内容は、これに限るものではなく、例えば、2回微分処理や、ラプラス変換など適宜画像処理を行うことにより、エッジ位置を決定することができる。さらに、閾値は、波形のノイズレベル等から設定しているが、これに限るものではない。
また、第4の実施の形態では、第1の処理室で第1の照明装置と第2の照明装置とを用いて、マスク基板の基板エッジ部のエッジ位置の差分データを算出したが、マスクケース(シッピングボックス)からマスクポッドへマスク基板を移し変える装置において、第1の処理室と同様の位置検出装置を構成し、差分データを算出する工程を行うことも可能である。また、搬送ロボット上にマスク基板が搭載した状態において、第1の処理室と同様の位置検出装置を適用し、差分データを算出する工程を行うことも可能であり、この場合には、各種装置の機構や機器配置の制約等も緩和されるために適用がしやすくなる。
また、第5の実施の形態で説明したマスク基板を搭載しているマスクステージを、マスク基板の位置を確認した上で設置する必要がある装置に対しても、本実施の形態例を一例として適用することが可能である。例えば、計測対象のマスク基板が狭小空間に配置された状態で、マスク基板の位置を検出する場合についても、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。狭小空間とは、検査装置を代表例として検査光学系がマスク基板に近接している場合や、近接露光装置におけるマスク基板とウエハの間隙が極めて狭い場合等を示し、マスク描画装置の場合も含む。
また、他の装置の一機能として、本実施の形態にかかる位置検出装置および位置検出方法が適用されるだけでなく、基板位置を検出し基板を位置決めするアライメント装置に対しても、本実施の形態にかかる位置検出装置および位置検出方法を適用できることが可能である。
また、搬送装置、基板移載装置、または、位置決め装置等において使用される本実施の形態にかかる位置検出装置および位置検出方法は、マスク基板のみならず、液晶パネル等の表示デバイスも位置検出することが可能である。
また、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。