JP2008209544A - フォトマスク上の異物の組成分析方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 フォトマスク上の単体では組成分析不可能な微細な異物の組成分析方法を提供する。
【解決手段】 異物除去探針3に組成分析可能な量まで付着蓄積した異物1または異物の削り滓2をレーザーマイクロプローブ質量分析法で組成分析する。導電性の異物除去探針の場合にはオージェ電子分光法または二次イオン質量分析法で異物または異物の削り滓を組成分析する。異物除去探針3で異物1または異物の削り滓2を移動させ組成分析可能な量まで寄せ集めたものにレーザーマイクロプローブ質量分析法で組成分析する。異物除去探針で導電性のパターン上に集めた場合にはオージェ電子分光または二次イオン質量分析法で異物または異物の削り滓を組成分析する。
【選択図】 図1
【解決手段】 異物除去探針3に組成分析可能な量まで付着蓄積した異物1または異物の削り滓2をレーザーマイクロプローブ質量分析法で組成分析する。導電性の異物除去探針の場合にはオージェ電子分光法または二次イオン質量分析法で異物または異物の削り滓を組成分析する。異物除去探針3で異物1または異物の削り滓2を移動させ組成分析可能な量まで寄せ集めたものにレーザーマイクロプローブ質量分析法で組成分析する。異物除去探針で導電性のパターン上に集めた場合にはオージェ電子分光または二次イオン質量分析法で異物または異物の削り滓を組成分析する。
【選択図】 図1
Description
本発明はフォトマスク上の微細な異物の組成分析方法に関するものである。
Si半導体集積回路の微細化はめざましく、それに伴って転写に用いるフォトマスクまたはレチクル上のパターン寸法も微細になってきている。フォトマスクはリソグラフィ工程の原版であり、フォトマスクに異物等のソフトディフェクトが存在するとそれがそのままウェーハに転写されてしまい転写されたウェーハ全てにデバイスの不良を生じることになりかねないので完全に取り除かれなければならない。異物は従来洗浄で除去されてきたが、パターン寸法の微細化に伴い、今まで許容されてきた異物サイズも取り除かなければならなくなっている。また取り除かなければならない異物のサイズが小さくなり体積に対する表面の割合が増えてきているためか強固に付着していて洗浄条件を工夫しても除去できない異物が増えてきている。洗浄も膜減りや光近接補正用のアシストパターンのような微細なパターンの倒れを防ぐためにソフトな条件が求められるようになってきており、なおさら洗浄で完全に異物を除去することが難しくなってきている。
フォトマスクの検査工程や欠陥修正工程で見つかった異物はそのマスク上の位置もわかっており、座標をリンケージさせて他の装置で他のアプローチでクリーンかつ確実に取り除けるのならば、多少工程が増えてもフォトスク製造工程全体でみると高品質を達成する上で魅力的かつ必要な方法である。このような1つの方法として原子間力顕微鏡技術を用いて異物を移動もしくは削り取りで除去する方法が提案されている(特許文献1)。実際には下地への付着力の弱いものは異物の移動により、下地への付着力の大きいものは異物を削り取って削り滓にすることにより洗浄で落ち易い状態にしてから洗浄を行い除去している。
上記方法で異物を除去することも可能であるが異物が多数発生した場合には除去に時間もかかるためやはりフォトマスクから転写に影響するような異物そのものを製造プロセスからなくしていくことが望ましい。製造プロセスにおいて異物を発生させなくするためには異物のルート分析が重要である。異物発生の原因を取り除けば、異物を発生させなくすることができる。そのためには異物の組成は、ルートを特定するのに重要な手がかりとなる。しかし最先端の微細パターンで問題になるような異物はサイズが小さく、高感度な分析法を用いても組成分析可能な量以下であることが多い。それに加えてフォトマスクはガラス基板の上にクロムまたはMoSiONを堆積させたものなので絶縁体であり、従来用いられてきた荷電粒子を用いたオージェ電子分光法(AES)や二次イオン質量分析法(SIMS)や電子ビーム誘起特性X線分析(エネルギー分散型や波長分散型)などの標準的な微細な領域の高感度組成分析手法をチャージアップのため使用することができないという問題があった。
特開2006-039260(要約参照)
本発明は洗浄で除去できないフォトマスク上の微細な異物の発生の原因を取り除く上で重要な情報となる異物の組成分析方法を提供することを目的とする。
今まで原子間力顕微鏡技術を用いた異物除去工程で発生し邪魔ものだった異物や異物の削り滓を、探針へ蓄積させたり、マスク上の異物の削り滓を収集し蓄積させたりすることにより、異物のルート分析のため、その組成分析に活用する。原子間力顕微鏡技術を用いた異物除去で移動または削り取った後の異物または異物の削り滓が原子間力顕微鏡探針で所望の位置に移動可能なことや、異物や異物の削り滓が探針に付着して集積されることを利用する。異物や異物の削り滓が組成分析可能な量になるまで異物除去を行い探針に蓄積させる。また探針で異物を所望の位置に移動できることや移動できない異物も硬い探針で削り取ったときに発生する削り滓が所望の位置に移動できることを利用して近傍に分散している異物や異物の削り滓を移動蓄積させて組成分析できる量まで寄せ集める。
上記方法で異物除去用探針に蓄積した異物または異物の削り滓をレーザーマイクロプローブ質量分析法で組成分析する。あるいは異物除去用探針として導電性加工探針を用いた場合には探針に蓄積した異物または異物の削り滓をオージェ電子分光法または二次イオン質量分析法で組成分析することもできる。
上記方法で、異物除去用探針で所望の位置に移動させ集め蓄積させた異物または異物の削り滓をレーザーマイクロプローブ質量分析法で組成分析する。あるいは異物除去用探針で異物または異物の削り滓を導電性のパターン上の所望の位置に移動させ集めてオージェ電子分光法または二次イオン質量分析法で組成分析することもできる。
異物の削り滓であっても異物の元素が含まれており、異物の組成の有力な手がかりが得られる。異物が多数発生する場合には同一の原因で発生している場合も多く、集めることで組成分析に必要な信号量を増やすことができ、微量で単体では組成分析できないような異物も異物除去しているうちに探針先端に蓄積されるため組成分析可能な量になる。また近傍に分布している場合には導電性のパターン膜上に移動させて集め蓄積させて組成分析可能な量にすることも可能である。
ガラス基板上ではチャージアップのためにできなかった電子ビームやイオンビームや強電界を用いるような分析法も、異物を導電性のパターン膜上に移動させたり、異物を導電性の探針に付着させたりすることで適用可能になる。導電性探針や導電性パターンの含有組成は既知なので、異物に他の組成が含まれている場合は容易に区別でき検出が可能である。
以下に本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。
欠陥検査装置で異物が見つかった位置に原子間力顕微鏡のXYステージを移動する。異物を含む領域を観察し、異物の基板への付着力が弱く、異物が移動可能な場合には異物除去用探針で移動させて後洗浄で除去する。異物の基板への付着力が大きい場合には硬い探針で荷重を高くして異物のみ削り取りを行い、発生した削り滓を洗浄で除去する。異物除去用の原子間力探針は異物が削り取れるよう、異物よりも固い材質例えばダイヤモンド製のものを用い、カンチレバーも、異物除去時に高荷重をかけたときの加工抵抗で捩れて、異物が削れなくなることのないようにバネ定数の高いものを用いる。
上記の異物除去作業で図1(a)のようにカンチレバー14の端部に設けられた異物除去用探針3に異物1または異物の削り滓2が付着する。異物除去作業を続けると図1(b)のように異物除去用探針3に異物1または異物の削り滓2が蓄積する。組成分析可能な量まで蓄積したら異物除去用探針3を原子間力顕微鏡から取り出し、レーザーマイクロプローブ質量分析装置に組成分析しようとする異物除去探針を導入し、その先端がビーム照射方向に向くようにセットする。図1(c)に示すように異物除去用探針3に付着している異物1または異物の削り滓2に絞ったパルスレーザービーム6を照射して二次イオン12を発生させ飛行時間型質量分析器7で組成分析を行う。
あるいは異物除去用探針3として導電性のもの(例えばダイヤモンドにホウ素ドープをしたもの)を用いて異物除去を行い、組成分析可能な量まで付着・蓄積したら異物除去用探針3を原子間力顕微鏡から取り出し、オージェ電子分光装置に組成分析しようとする異物除去探針を導入し、その先端がビーム照射方向に向くようにセットする。図3に示すように導電性異物除去用探針3に付着している異物1または異物の削り滓2に電子光学系で絞った電子ビーム8を照射し、円筒鏡型もしくは同心半球型のエネルギー分析器9で発生した異物から発生したオージェ電子10を分光して組成分析を行う。
導電性異物除去探針3を用いた場合にはチャージアップしないので異物の組成分析に二次イオン質量分析計でも組成分析を行うことができる。組成分析しようとする異物除去探針を二次イオン質量分析装置に導入し、その先端がビーム照射方向に向くようにセットする。図4に示すように導電性異物除去探針3に付着・蓄積した異物1または異物の削り滓2にイオン光学系で絞ったCs+等の一次イオンビーム11を照射して出てきた異物由来の二次イオン12を取り込みセクター型または4重極型または飛行時間型の質量分析器13で質量分離して組成分析を行う。
次に異物または異物の削り滓を寄せ集めて組成分析する場合について説明する。
図2(a)のように異物1または異物の削り滓2を異物除去用探針3で所望の位置(ガラス基板上またはパターン上)に移動する。図2(b)のように組成分析可能な量まで異物1または異物の削り滓2を寄せ集めてからフォトマスクを取り出し、レーザーマイクロプローブ質量分析装置に導入する。図2(c)に示すように寄せ集めた異物1または異物の削り滓2に絞ったパルスレーザービーム6を照射して二次イオン12を発生させ飛行時間型質量分析器7で組成分析を行う。
あるいは異物除去用探針3で孤立していない導電性のあるパターン4(クロム膜またはMoSiON膜)上に異物1または異物の削り滓2を組成分析可能な量まで寄せ集めた場合には、チャージアップしないのでオージェ電子分光で組成分析を行うことができる。異物1または異物の削り滓2を組成分析可能な量まで寄せ集めたフォトマスクを取り出し、オージェ電子分光装置に導入する。図5に示すように寄せ集めた異物1または異物の削り滓2に電子光学系で絞った電子ビーム8を照射し、円筒鏡型もしくは同心半球型のエネルギー分析器9で異物から発生したオージェ電子10を分光して組成分析を行う。
同様に孤立していない導電性のあるパターン4上に異物1または異物の削り滓2を組成分析可能な量まで寄せ集めた場合には、チャージアップしないので異物の組成分析に二次イオン質量分析法を適用することもできる。異物1または異物の削り滓2を質量分析可能な量まで寄せ集めたフォトマスクを取り出し、二次イオン質量分析装置に導入する。図6に示すように寄せ集めた異物1または異物の削り滓2にイオン光学系で絞ったCs+等の一次イオンビーム11を照射して出てきた異物由来の二次イオン12を取り込みセクター型または4重極型または飛行時間型の質量分析器13で組成分析を行う。
上記質量分析法のみならず探針への蓄積または寄せ集めた異物または異物の削り滓の組成分析はもちろんアトムプローブ質量分析法や電子ビーム誘起特性X線分析(エネルギー分散型や波長分散型)やX線光電子分光法でも行うことができる。また本発明の微量な異物を探針に蓄積したり、寄せ集めたりすることで分析可能な量にする方法はフォトマスク上の異物のみならず、ウェーハ上の微量な異物の組成分析にも適用できる。特に配線間やアイソレーションの絶縁膜上の微量な異物の組成分析には有効である。
1 異物
2 異物の削り滓
3 原子間力顕微鏡異物除去探針
4 導電性遮光膜パターン
5 ガラス基板
6 レーザービーム
7 飛行時間型質量分析器
8 電子ビーム
9 エネルギー分析器
10 オージェ電子
11 一次イオンビーム
12 異物から発生した二次イオン
13 質量分析器
14 カンチレバー
2 異物の削り滓
3 原子間力顕微鏡異物除去探針
4 導電性遮光膜パターン
5 ガラス基板
6 レーザービーム
7 飛行時間型質量分析器
8 電子ビーム
9 エネルギー分析器
10 オージェ電子
11 一次イオンビーム
12 異物から発生した二次イオン
13 質量分析器
14 カンチレバー
Claims (6)
- 原子間力顕微鏡の探針を用いた異物の移動または異物の除去により異物または削り滓を組成分析可能な量まで蓄積させてから異物の組成分析を行うことを特徴とするフォトマスク上の異物の組成分析方法。
- 前記異物または削り滓は探針に蓄積されるものである請求項1記載のフォトマスク上の異物の組成分析方法。
- 前記異物または削り滓は前記探針により移動させて集めることにより蓄積されたものである請求項1記載のフォトマスク上の異物の組成分析方法。
- 前記原子間力顕微鏡の探針が導電性であって、オージェ電子分光法または二次イオン質量分析法で前記蓄積された異物または異物の削り滓を組成分析することを特徴とする請求項1または2に記載のフォトマスク上の異物の組成分析方法。
- 前記移動させた場所が導電性部位であって移動させ集めた異物または異物の削り滓をオージェ電子分光法または二次イオン質量分析法で組成分析ことを特徴とする請求項3に記載のフォトマスク上の異物の組成分析方法。
- レーザーマイクロプローブ質量分析法で前記蓄積した異物または異物の削り滓を組成分析することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のフォトマスク上の異物の組成分析方法。
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2007
- 2007-02-26 JP JP2007045006A patent/JP2008209544A/ja active Pending
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