JP4644470B2 - イオンビーム加工装置および試料作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体デバイスなどの観察、分析あるいは計測するための試料作製方法に係わり、試料内部を観察するための試料作製方法、および観察用の微小試料を作製するのに用いるイオンビーム加工装置に関する。
ダイナミックランダムアクセスメモリに代表される半導体メモリやマイクロプロセッサ、半導体レーザなど半導体デバイス、および磁気ヘッドなど電子部品の製造においては、高歩留まり製造が求められる。すなわち不良発生による製品歩留りの低下は、採算の悪化を招く。このため、不良の原因となる欠陥や異物、加工不良の早期発見および早期対策が大きな課題となる。例えば、電子部品の製造現場では、入念な検査による不良発見、およびその発生原因の解析に注力されている。基板を用いた実際の電子部品製造工程では、完成後の基板を検査して、回路パターンの欠陥や異物など異常箇所の原因を追及して対策方法が検討される。
通常、試料の微細構造観察には高分解能の走査型電子顕微鏡(以下、SEMと略記)が用いられるが、半導体の高集積化に伴い、対象物がSEMの分解能では観察できなくなっており、SEMに代って観察分解能が高い透過型電子顕微鏡(以下、TEMと略記)が用いられようになった。
最近では、集束イオンビーム(以下、FIBと略記)を試料に照射した時に試料構成粒子が試料外に放出される作用、すなわちスパッタ作用を応用した加工方法が利用されるようになった。特にFIBを用いれば、ウェーハを割ることなく、TEM試料を作製することも可能である。この方法は国際公開公報WO99/05506『試料作製方法及び装置』に開示されている。この方法について図2を用いて説明する。図2(a):まず、観察位置を特定するマーキングする。最初に、FIBの走査二次電子像(SIM像)を用いてウォール形成位置にマーキングする。以降FIB加工で試料作製する。まず、観察断面を形成する両端マーク130を2個施す。
次に上記2個のマーク130を結ぶ直線上で、マーク130の両側に2個の角穴132を設ける。図2(b):次に、一方の角穴と交わるように、他方の角穴には交わらないような細長垂直溝133を形成する。一方の角穴132と交わらない小さな領域は、後に摘出すべき試料を支える支持部134になる。図2(c):図2(a)(b)工程の後、試料面を小さく傾斜(本実施例では15°)させる。そこで、上記両角穴132を結ぶように、細長い溝135を形成する。試料表面に対して斜めから入射したFIBによって斜溝135が形成され、先に形成した垂直溝133と交わる。図2(a)から(c)の工程によって支持部134を残して、マーク130を含み、頂角が15°の直角三角形断面のクサビ型微小試料が片持ち梁の状態で保持されている状態になる。
図2(d):次に、試料ステージを水平に戻し、摘出すべき試料136の支持部134とは反対の端部に移送手段先端のプローブ137を接触させる。次に、摘出すべき試料136にプローブ137を固定するために、プローブ137先端を含む領域に、デポジション用ガスを流出させつつFIB131を走査させる。このようにしてFIB照射領域にデポ膜138が形成され、プローブ137と摘出すべき試料136とは接続される。図2(e)(f):微小試料を試料基板から摘出するために、支持部134にFIB照射してスパッタ加工することで、支持状態から開放される。図2(g)(h):プローブ137の先端に接続されて摘出した微小試料139は試料ホルダ140に移動させ、デポガスを導入しつつ微小試料139と試料ホルダ140と接触部にFIB131を照射する。この操作によって微小試料は試料ホルダ140に接続できる。
図2(i):次に、プローブ137と微小試料139を接続しているデポ膜138にFIBを照射してスパッタ除去し、プローブを切断することで、プローブ137を微小試料139から分離する。図2(j):最後に、FIB照射して、最終的に観察領域を厚さが100nm以下程度のウォール143になるように薄く仕上げ加工を施してTEM試料とする。上述の加工の結果、TEM観察領域ができあがる。
このようにしてウォール加工後、サイドエントリ型試料ホルダを引き抜き、TEMの試料室に導入する。TEM観察では欠陥や異物などの断面を、SEM観察に比べてより高分解能な観察することができる。この観察結果から欠陥原因を解析することができる。
また、試料の分離方法を用いてウェーハを割ることなく、試料から検査用の微小試料を取り出し、ウェーハは次のプロセスに戻す手法については、特開2000―156393号公報『電子部品製造方法』に開示されている。ここでは、試料に複数の加工プロセスを施して電子部品を形成する電子部品製造方法において、加工プロセスの終了時に試料を割ることなく試料の一部表面を摘出し、これに対して加工プロセスでの進捗をモニタまたは検査・解析を行う工程を含む方法を開示している。この手法によれば、ウェーハの分断によって失われる半導体デバイスはなくなり、トータルの半導体デバイスの製造コストを低減することができる。具体的には、複数枚のウェーハを1ロットとし、その中の特定の一枚から各プロセス終了後の断面形状をTEMで評価するために、ウェーハを搭載可能なFIB装置の中でウェーハ表面近傍の微小試料を摘出してTEM試料に仕上げる。この試料をTEMに導入することにより、注目する加工プロセス後の微細構造の評価が行える。
しかし、これらの手法では、微小試料を分離するときなどに、ガリウム(以下Ga)をイオン種とするFIBを用いているために、FIBを構成していたGaが、微小試料を取り出した加工領域に残る。このGaの存在は、半導体デバイス製造にとっては不良発生原因となる可能性が高い。特にSi半導体に対してはp型の不純物でることから問題は深刻である。すなわち、Gaの汚染をそのままにして、ウェーハを次のプロセスに戻すと、汚染であるGaが拡散し、正常に製造プロセスを経ていた半導体素子に侵入し、電気的特性不良やコンタクト不良を発生させるという問題があった。この対策として、化学薬液を使った洗浄を、微小試料を取り出したウェーハに施したりすることが考えられる。しかし、工程数が多くなり、製造コストが高くなるという問題があった、さらにFIBは、例えば30kV加速で照射した場合、試料表面から深さ10nm程度は内部に入射しており、表面だけの洗浄では、試料中に埋めこまれたイオンビーム元素種を含む汚染を完全には除去不能という深刻な問題もあった。
Ga汚染に関する対応の一つは、アルゴン(以下Ar)イオンビームで断面加工する技術の関連で、特開平H7-320670号公報『集束イオンビーム手段をもちいた処理方法およびその装置』が開示されている。ここではヘリコン波イオン源を使い、ビームスポット径0.1μmのArイオンビームによるSEM観察用の断面加工について開示している。しかし、対象物がSEMの分解能で観察できる場合についてのみ開示しており、SEMでは観察できない場合のTEMによる観察に関しては考慮されていなかった。
国際公開公報WO99/05506
公開特許 特開2000−156393号公報 公開特許 特開平07−320670号公報
半導体デバイス等の歩留向上のために、途中の検査がウェーハを割ることなく実施でき、さらにウェーハをプロセスに問題となるような元素で汚染することなく、ウェーハから解析用サンプルを分離または分離準備するという課題には次のような課題が残されていた。
従来の方法で、ビームスポット径0.1μmのArイオンビームによるSEM観察用の断面加工する方法では、そもそも、この方法ではSEMでは観察できない場合のTEMによる観察は想定していなかった。この方法は、従来のGaFIBの使用する場合と同じ考えで、ビームスポット径0.1μmの微細なイオンビームを形成して、表面に垂直で平坦な断面を加工しようとするものである。しかし、Arのような気体元素イオンを発生させるイオン源の輝度が、GaFIBを形成するのに用いられる液体金属イオン源に比べ少なくとも2桁から3桁低い。このためビームスポット径0.1μmのビームを形成しようとすると、目標の100pAを得ることは、実際は非常に困難であり、たとえ得られたとしても実用上の必要な時間、その性能を保つことは達成されていなかった。
このため、ビームスポット径0.1μmにした場合に得られる数pAの電流では、断面加工のため数時間要する場合もあり、実用上この方法は実現できていなかった。また、半導体ウェーハを割ることなく基板から微小試料を分離または分離準備するためには、少なくとも数nA以上の電流が必要であり、ビームスポット径0.1μmを達成するために作られたイオンビーム照射系を用いた従来の手法では困難であった。一方、ビームスポット径が少なくとも0.2μm以下でないとSEM観察用の断面を良好に作製できず、特にTEM試料のように厚さ0.2μm程度の薄片加工は非常に困難であった。
また、従来の微小試料片の分離方法ではプローブ等のスパッタ現象に起因して汚染が発生するという問題もあることがわかった。すなわち、上記で述べたような方法では、FIBを走査しながら試料、プローブおよび試料ホルダ等に照射して、試料から放出される二次粒子を検出して試料、プローブおよび試料ホルダ等を観察する。この際、プローブや試料ホルダから発生するスパッタ粒子が試料基板を汚染してしまうという問題があることがわかった。
特に、プローブと微小試料を接続しているデポ膜にFIBを照射してスパッタ除去してプローブを微小試料から分離する際に、デポ膜のみを除去することは困難でプローブを切断してプローブと微小試料とを分離していた。この際プローブの切断に伴うスパッタ粒子が汚染を増大させていた。
上述の問題点に鑑み、本願の目的は、半導体デバイス等の歩留向上のために、途中の検査がウェーハを割ることなく実施でき、さらにウェーハをプロセスに問題となるような元素で汚染することなく、ウェーハから解析用サンプルを分離または分離準備する試料作製方法、および解析用サンプルを分離または分離準備する方法を実現できるイオンビーム加工装置を提供することにある。
本願によると、半導体デバイス等の歩留向上のために、途中の検査がウェーハを割ることなく実施でき、さらにウェーハをプロセスに問題となるような元素で汚染することなく、ウェーハから解析用サンプルを分離または分離準備する試料作製方法および、これを実現できるイオンビーム加工装置が提供される。また本願による電子部品製造方法を用いることで、ウェーハを割ることなく評価でき、新たな不良を発生させず、高価なウェーハを無駄にすることはない。ひいては、電子部品の製造歩留りが向上する。
以上に述べたような目的は、以下のようにすることによって達成される。
(1)イオン源と、試料を保持する試料台と、前記試料にイオン源から放出するイオンビームを照射する照射光学系と、前記イオンビームにより分離加工された試料片を移送するためのプローブとを有し、前記イオン源で生成されるイオンビームは、元素種として不活性ガス種、酸素または窒素のいずれかを含み、前記プローブはシリコン、ゲルマニウムまたはカーボンのいずれかを含むことを特徴とするイオンビーム加工装置とする。
これにより、半導体デバイス等の歩留向上のために、途中の検査がウェーハを割ることなく実施でき、さらにウェーハをプロセスに問題となるような元素で汚染することなく、ウェーハから解析用サンプルを分離または分離準備する方法を実現できるイオンビーム加工装置が提供される。特に、プローブからの汚染を低減可能なイオンビーム加工装置が提供される。
(2)イオン源と、試料を保持する試料台と、前記試料にイオン源から放出するイオンビームを照射する照射光学系と、前記イオンビームにより分離加工された試料片を移送するためのプローブと、移送した試料片を載置するための試料ホルダを有し、前記イオン源で生成されるイオンビームは、元素種として不活性ガス種、酸素または窒素のいずれかを含み、前記試料ホルダはシリコン、ゲルマニウムまたはカーボンのいずれかを含むことを特徴とするイオンビーム加工装置とする。
これにより、半導体デバイス等の歩留向上のために、途中の検査がウェーハを割ることなく実施でき、さらにウェーハをプロセスに問題となるような元素で汚染することなく、ウェーハから解析用サンプルを分離または分離準備する方法を実現できるイオンビーム加工装置が提供される。特に、試料ホルダからの汚染を低減可能なイオンビーム加工装置が提供される。
(3)上記(1)または(2)に記載のイオンビーム加工装置において、イオンビームを照射する照射光学系がイオンビームのビームスポット径を縮小する手段を備え、試料表面上における前記イオンビームのビーム径が、光源サイズ以下になるように前記レンズを制御する制御手段を備えることを特徴とするイオンビーム加工装置とする。
これにより、半導体デバイス等の歩留向上のために、途中の検査がウェーハを割ることなく実施でき、さらにウェーハをプロセスに問題となるような元素で汚染することなく、ウェーハから解析用サンプルを分離または分離準備する方法を実現できるイオンビーム加工装置が提供される。
(4)上記(1)または(2)に記載のイオンビーム加工装置において、イオンビームを照射する照射光学系が、イオンビームが通過できる開口パターンを有するマスクと、マスクを通過したイオンビームを試料上に投影して前記開口パターンの像を形成するための投射レンズとを含むことを特徴とするイオンビーム加工装置とする。
これにより、半導体デバイス等の歩留向上のために、途中の検査がウェーハを割ることなく実施でき、さらにウェーハをプロセスに問題となるような元素で汚染することなく、ウェーハから解析用サンプルを分離または分離準備する方法を実現できるイオンビーム加工装置が提供される。特に、高速に分離加工できるイオンビーム加工装置が提供される。
(5)イオン源と、試料を保持する試料台と、前記試料にイオン源から放出するイオンビームを照射する照射光学系と、前期試料にイオンビーム照射によって作製した断面を電子ビームによって観察するための電子ビーム照射系を有し、前記イオン源で生成されるイオンビームは、元素種として不活性ガス種、酸素または窒素のいずれかを含み、さらにイオンビームを照射する照射光学系が、イオンビームが通過できる開口パターンを有するマスクと、マスクを通過したイオンビームを試料上に投影して前記開口パターンの像を形成するための投射レンズを含むイオンビーム加工装置において、マスク材質がシリコン、ゲルマニウムまたはカーボンのいずれかを含むことを特徴とするイオンビーム加工装置とする。
これにより、半導体デバイス等の歩留向上のために、途中の検査がウェーハを割ることなく実施でき、さらにウェーハをプロセスに問題となるような元素で汚染することなく、ウェーハ中の断面観察を実現できるイオンビーム加工装置が提供される。特に、高速に加工でき、マスク材質によって試料が汚染されないイオンビーム加工装置が提供される。
(6)イオン源と、試料を保持する試料台と、前記試料にイオン源から放出するイオンビームを照射する照射光学系と、前記イオンビームにより分離加工された試料片を移送するためのプローブとを有し、前記イオン源で生成されるイオンビームは、元素種として不活性ガス種、酸素または窒素のいずれかを含み、さらにイオンビームを照射する照射光学系が、イオンビームが通過できる開口パターンを有するマスクと、マスクを通過したイオンビームを試料上に投影して前記開口パターンの像を形成するための投射レンズを含むイオンビーム加工装置において、マスク材質がシリコン、ゲルマニウムまたはカーボンのいずれかを含むことを特徴とするイオンビーム加工装置とする。
これにより、半導体デバイス等の歩留向上のために、途中の検査がウェーハを割ることなく実施でき、さらにウェーハをプロセスに問題となるような元素で汚染することなく、ウェーハから解析用サンプルを分離または分離準備する方法を実現できるイオンビーム加工装置が提供される。特に、高速に分離加工でき、マスク材質によって試料が汚染されないイオンビーム加工装置が提供される。
(7)イオンビームにより試料片を試料基板から分離する工程と、イオンビームアシストデポジションによりプローブと試料片を固定させる工程と、イオンビームアシストデポジションにより試料片を観察装置の試料ホルダにより固定する工程と、イオンビームにより試料片からプローブを分離する工程を含む試料作製方法において、イオンビームにより試料片からプローブを分離する工程が、プローブ材質に比較して選択的にデポジション膜のエッチング速度が高くなる効果を持つガスを供給する工程を含むことを特徴とする試料作製方法とする。
これにより、半導体デバイス等の歩留向上のために、途中の検査がウェーハを割ることなく実施でき、さらにウェーハをプロセスに問題となるような元素で汚染することなく、ウェーハから解析用サンプルを分離または分離準備する試料作製方法が提供される。特に、プローブ寿命を長くできる試料作製方法が提供される。
(8)上記(7)記載の試料作製方法において、プローブと試料片とを固定するイオンビームアシストデポジション膜がシリコンの酸化物を含む膜であって、イオンビームにより試料片からプローブを分離する工程において供給するガスを、2フッ化キセノンを含むガスとすることを特徴とする試料作製方法とする。
これにより、半導体デバイス等の歩留向上のために、途中の検査がウェーハを割ることなく実施でき、さらにウェーハをプロセスに問題となるような元素で汚染することなく、ウェーハから解析用サンプルを分離または分離準備する試料作製方法が提供される。特に、プローブ寿命を長くできる試料作製方法が提供される。
(9)上記(7)記載の試料作製方法において、プローブと試料片とを固定するイオンビームアシストデポジション膜がカーボンを主な成分の一つとする膜であって、イオンビームにより試料片からプローブを分離する工程において供給するガスを水または過酸化水素水を含むガスとすることを特徴とする試料作製方法とする。
これにより、半導体デバイス等の歩留向上のために、途中の検査がウェーハを割ることなく実施でき、さらにウェーハをプロセスに問題となるような元素で汚染することなく、ウェーハから解析用サンプルを分離または分離準備する試料作製方法が提供される。特に、プローブ寿命を長くできる試料作製方法が提供される。
(10)イオン源と、試料を保持する試料台と、前記試料にイオン源から放出するイオンビームを照射する照射光学系と、前記イオンビームにより分離加工された試料片を移送するためのプローブとを有するイオンビーム加工装置において、イオンビームは、酸素イオンビームで試料近傍に2フッ化キセノンを導入する機構を有することを特徴とするイオンビーム加工装置とする。
これにより、半導体デバイス等の歩留向上のために、途中の検査がウェーハを割ることなく実施でき、さらにウェーハをプロセスに問題となるような元素で汚染することなく、ウェーハから解析用サンプルを分離または分離準備する方法を実現できるイオンビーム加工装置が提供される。特に、高速に分離加工できるイオンビーム加工装置が提供される。
(11)上記(4)のイオンビーム加工装置による試料作製方法において、成形イオンビームの強度プロファイルの裾の幅について、観察するべき加工断面の垂直方向の幅を、イオンビーム照射軸に垂直で加工断面に平行方向に比べて小なるように制御するステップを含むことを特徴とする試料作製方法とする。
これにより、半導体デバイス等の歩留向上のために、途中の検査がウェーハを割ることなく実施でき、さらにウェーハをプロセスに問題となるような元素で汚染することなく、ウェーハから解析用サンプルを分離または分離準備する試料作製方法が提供される。特に、高速に分離加工できる試料作製方法が提供される。
(12)材料基板上に第1の層を形成する工程と、該第1の層が形成された材料基板を第1のイオンビーム加工装置に搬送する工程と、該第1のイオンビーム加工装置内に搬送された材料基板に対し、元素種として不活性ガス種、酸素または窒素のいずれかを含む第1のイオンビームによって前記第1の層の一部を試料片に加工する工程と、該試料片を前記第1の層から分離する工程と、イオンビームアシストデポジションによりプローブと試料片を固定させる工程と、プローブ材質に比較して選択的にデポジション膜のエッチング速度が高くなる効果を持つガスを供給して試料片からプローブを分離する工程と、前記試料片の分離された半導体基板上に第2の層を形成する工程とを含むことを特徴とする電子部品の製造方法とする。
これにより、ウェーハを評価のために無駄に廃棄せず、かつ検査のための試料を取り出したウェーハをプロセスに戻しても不良を発生させない新たな検査・解析方法、および電子部品製造方法が提供される。
また、上記(1)から(12)のいずれかにおいて、(13)上記試料はシリコン半導体ウェーハ、エピタキシャル成長シリコンウェーハ、基板に形成されたシリコン薄膜を有するウェーハのうちのいずれかであるとする。
本願による実施の形態例は、半導体デバイスの製造プロセスにおいて、ある加工プロセス後において試料基板の一部を分離または分離準備する方法にあり、さらに、これを実現するイオンビーム加工装置にある。さらに、試料に複数の加工プロセスを施して電子部品を形成する電子部品製造方法において、上記基板表面を含む一部を上記加工プロセスでの加工の進捗を解析する工程と、基板を更に加工プロセスへ戻し回路パターンを製造する方法にある。
本願による一実施例であるイオンビーム加工装置17の概略構成図を図1に示す。本イオンビーム加工装置17は、真空容器41を有しており、真空容器内には、Ar、ネオン、キセノン、クリプトン、酸素、窒素等のガスイオンを放出するデュオプラズマトロン81、コンデンサレンズ82、対物絞り83、イオンビーム走査偏向器84、対物レンズ86などから構成されるイオンビーム照射系が配置されている。さらに、プローブ3、二次粒子検出器36、デポガス源37、試料台39および試料ウェーハ2の一部を摘出した微小な摘出試料を固定する試料ホルダ8などが配置されている。また本装置を制御する装置として、デュオプラズマトロン制御装置91、レンズ制御装置92、イオン走査偏向制御装置93、マニピュレータ制御装置62、二次電子検出器の増幅器63、デポガス源制御装置64、試料台制御装置61、および計算処理装置74、などが配置されている。
ここではデュオプラズマトロンに酸素ガスを導入し、酸素イオンビーム85を形成した。ここで酸素イオンビーム85の加速電圧は30kVとした。また、デュオプラズマトロンの光源サイズを決定するアパーチャ径は50μmとした。イオンビーム照射系の光学特性としては、マイクロサンプルを基板から摘出するのに好適なようにイオンビームスポット径が数μmで電流密度が最大となるようにした。なおここでの試料上のビームスポット径は、光源の寸法をレンズ系によって試料上に集束する際の倍率によって決まる大きさ、および、レンズの球面収差や色収差などによって決まるビームのぼけ量によって決定される。ここで、従来のFIB照射系は、FIBによりマイクロサンプルを摘出する際に用いるように、サブマイクロメートルのビームスポット径のビームを作製した。このためレンズ倍率をほぼ等倍にして、絞り穴径を大きくし数nA以上のビーム電流を得ていた。しかしこれにより収差によるぼけ量が拡大し、試料上のビームスポット径は光源サイズが約50nmに比較すると増大されていた。
この照射系にデュオプラズマトロンを搭載すると、その光源サイズが50μmであるために、試料上でイオンビームスポット径は小さくとも数10μmとなってしまい、とてもマイクイロサンプルの摘出は不可能であった。そこで、レンズ倍率を0.1以下の大幅な縮小として、さらにレンズ収差を低下させるため対物レンズ先端と試料間距離を10mm以下にした。また、レンズの使用条件を制御することにより、試料上のビームスポット径が少なくとも光源よりも縮小できるようにしてビームスポット径数μmに最適化した。これらにより、マイクロサンプルを摘出が可能なビーム性能を得ることができた。
また、プローブ3はシリコン基板からマイクロマシーン技術を駆使して作製したシリコンプローブである。また、プローブに導電性を持たせるため不純物をドープした。また、試料ホルダはカーボン製である。
酸素イオンビームを用いたマイクロサンプル作製のための加工動作については従来とは異なり、イオンビームスポット径が比較的大きいことを考慮する必要がある。すなわち、従来のFIBようにビームスポット径0.1μmを使った微細な加工は困難であり、大まかな加工でマイクロサンプルを作製することが求められる。
この方法は、図3に示すように、まず始めに、酸素イオンビーム85を照射し目標位置の両外側に矩形穴301、302を試料2に形成する(図3(a))。これらの矩形穴の大きさは約4×10μmで深さは約10μmとした。図に模式的に示すように矩形穴の角は、ビームスポット径が約3μmと大きいために丸みがかった形となる。この次に試料台を傾ける(図3(b))。次に、酸素イオンビームを試料表面に斜めから照射することにより、斜溝303を形成する(図3(c))。この斜溝の大きさは約20×40μmで深さは約12μmとした。次に、試料台傾斜を戻し、プローブ3を、プローブ制御装置により制御し、マイクロサンプル6の一部に接触させる(図3(d))。
次に、プローブ3先端を含む領域に、デポジションガス51であるTEOS(ステトラエトキシシラン)を供給させつつ酸素イオンビーム85を走査させる。このようにしてFIB照射領域にシリコン酸化膜4が形成され、プローブ3と摘出すべき試料6とは接続される(図3(e))。次に、矩形穴304を試料2に形成することにより摘出試料6を基板から切り出す(図3(f))。次に、プローブ3をプローブ駆動装置によって上昇させ摘出する(図3(g))。マイクロサンプル6を摘出した後は、基板に取り出し痕305が残る(図3(h))。
次に、この切り出されたマイクロサンプル6をサンプルキャリア8に接触を行う(図3(i))。接触させた後、デポ膜4を用いて両者を固定する(図3(j))。固定後、プローブ3接続部近傍に、エッチングガス52であるXeFガスを供給しながら酸素イオンビーム85を照射する。このようにすると、シリコン酸化膜の方がシリコンプローブに比べスパッタ率が高くなり、シリコン酸化膜のデポ膜が除去されプローブ3はマイクロサンプル6から分離される(図6(k))。ここでプローブは一部がスパッタされるが従来に比べて基の形を残すことができ、プローブは繰り返し使用可能で、長寿命使用できる。なお、図3(A)から図6(K)はAA´断面図である。また、酸素イオンビームはプローブおよび試料ホルダに照射されるが、それぞれシリコンおよびカーボンであるためデバイスを金属で汚染することはない。
図4で従来の方法と本発明を比較する。図4(a)は従来の方法でもデポ膜にイオンビームを照射していたが、デポ膜とプローブとのスパッタ速度に大差がないため、詳細にみるとプローブ3がマイクロサンプル6と分離される際、プローブ3が切断されていることがわかる。図4(b)は本発明の方法であるが、デポ膜が除去されてプローブ3がマイクロサンプル6と分離されるため、プローブ3は切断されていない。
なお、本実施例では、デポ膜の除去にXeFガスを用いたが、その他の有機系のガスで例えばアルコール系のガスでも、シリコンに対しシリコン酸化膜の方が、スパッタ率が相対的に高くなるガスであれば良い。また、デポ膜のガス材料にTEOS(ステトラエトキシシラン)を用いたが、フェナントレン、スチレンやピレン等を用いてカーボン膜を形成して接着しても良い。このときにはデポ膜の除去には水や過酸化水素ガスを供給する。またシリコンに対しカーボン膜の方が、スパッタ率が相対的に高くなるガスであれば良い。他にも、プローブ材質に対してデポ膜のスパッタ率が相対的に高くなるガスをもちいれば本発明は実施でき、特定のプローブ材質やガス種に限定したものでは無い。
プローブ材質としては、シリコンデバイスに影響を少なくするためには、シリコン、ゲルマニウムおよびカーボン等が考えられるが、これらの窒化物、酸化物、炭化膜を含んでも良い。また、金属汚染がデバイス特性にあまり影響のないプロセスでは、プローブはタングステン等の金属であっても良い。この場合にも、プローブが繰り返し使用可能となる本発明の効果は失われない。試料ホルダについても、本実施例ではカーボンであるが、その他にシリコン、ゲルマニウムまたはこれらの窒化物、酸化物、炭化膜を含んでも同様な効果が得られる。
また、本実施例では、酸素イオンビームを用いているが、シリコン基板を加工する際、XeFガスを試料に供給することが加工時間短縮に効果的である。すなわち、酸素イオンビオームはシリコン基板中に注入され、試料表面は酸素とシリコンの原子の混合状態になっている。ここでXeFガスを供給することにより試料のスパッタ速度を高め加工時間が短縮されるのである。なお、ガス種はXeFガスに限らず、フッ素と炭素が含まれるフッ化物質ガスであっても同様な効果が得られる。また、本実施例では、イオンビーム加工装置でマイクロサンプルを取り出す方法を採用した例を述べたが、イオンビーム加工装置で、マイクロサンプルの分離の準備をして、イオンビーム加工装置からウェーハを取り出して、別の機構でマイクロサンプルを分離して摘出してもよい。
例えば、ウェーハから、大気中でガラス棒の静電気を利用して、マイクロサンプルを摘出する。このように、マイクロサンプルを装置内で分離しなくとも、マイクロサンプルの外形のほとんどをイオンビームによって加工して、分離準備する装置においても、酸素イオンビームを照射し、フッ素と炭素が含まれるフッ化物質ガスを供給する方法は有効である。
次に、本実施例ではマイクロサンプル6は試料ホルダ8に設置された状態で保持される。イオンビーム加工装置17の第2の試料台となるマイクロサンプル用試料台99を搭載しており、試料ホルダ8はこの第2の試料台上に設置される。そして、マイクロサンプル用試料台99に設置されたまま、GaFIBを照射するイオンビーム加工装置に、イオンビーム加工装置17の筐体の開口部を経て搬送される。なお、ここでマイクロサンプル用試料台99は、その先端が取り外し可能となっており、イオンビーム加工装置17内に、その先端部のみ導入し、試料台の上に配置しても良い。
次にイオンビーム加工装置18の構成と動作について図5を用いて説明する。
イオンビーム加工装置18は、真空容器41を有しており、真空容器内には、Gaを放出する液体金属イオン源32、ビーム制限アパーチャ33、イオンビーム走査偏向器34、およびイオンビームレンズ31などから構成されるFIB照射光学系35、FIB照射によって試料から放出する二次電子や二次イオンを検出する二次粒子検出器36、などが配置されている。そして、二次電子検出回路63、デポガス源制御装置64、FIB制御装置65などが配置される。そしてマイクロサンプル用試料台99が試料台となる。
次に、本イオンビーム加工装置の動作について説明する。まず、液体金属イオン源32から放出したイオンをビーム制限アパーチャ33、イオンビームレンズ31を通して試料ウェーハ38に照射する。FIB1は試料上で0.05から0.2μm程度に集束される。図6にTEM試料作製の様子を示す。図6(a)から図6(b)へ、マイクロサンプル6の解析領域を薄膜化加工する。なお、図6(c)は図6(b)の鳥瞰図である。ここでは、最初は径0.2μmのビームを用い、徐々に微細なビームを用い、最終目標の膜厚100nmの薄膜は0.05μmのビームで形成した。このような、微細な加工は上で述べた酸素イオンビームでは困難である。
以上に述べた実施の形態例では、イオンビームサイズを表すのにビームスポット径を用いた。これはビーム形状が、ほぼ円形であり、ビームプロファイルが図7に示すように表される場合である。なお、本実施の形態例ではビームスポット径とは図7に示すように、ビームプロファイル強度の約37%の位置でのビーム幅とした。このような円形のビームに限らず楕円または方形に近いビームでも、光源に比べそのサイズが小さくなるようにレンズを制御して、ビームサイズの最大幅を概略0.2から10μmにすれば、本発明の目的は達成できる。
次に、本願によるイオンビーム加工装置を用いた試料作製方法を含む電子部品製造方法の基本的な流れをウェーハの流れを、図8を用いて説明する。
まず複数のウェーハからなるロット13が任意のN番目のプロセス11に投入される。N番目のプロセスまでには例えばウェーハ上に第1の膜形成工程がある。次に複数のウェーハのうち検査用ウェーハ14を選別し、残されたウェーハは待機する。選別した検査用ウェーハ14は、まず検査電子顕微鏡15に導入される。ここで異常が発見された場合には、その位置がアドレスとして記録され、その情報がウェーハ対応イオンビーム加工装置17に送られる。このウェーハ対応イオンビーム加工装置17で検査用ウェーハ14から検査すべき箇所を含むマイクロサンプル6を、酸素イオンビームとマニピュレータ先端に取り付けたプローブ、およびデポガスであるシリコン有機化合物によって作製したデポ膜等を用いて摘出する。したがって、このマイクロサンプルはウェーハ上に形成された膜からは分離されることになる。
マイクロサンプル6を摘出された検査用ウェーハ14は、摘出穴を酸素イオンビームデポジションで酸化膜を埋めこむ。その後、ウェーハ14は再び上記残されたロット13に組み込まれ、次のN+1番目のプロセス12に投入される。この後このウェーハには、別の第2の膜が形成される。一方、ウェーハから摘出したマイクロサンプル6は、GaFIBを照射するイオンビーム加工装置に送られる。ここでマイクロサンプル6は、GaFIBにより薄膜化されTEM観察用試料に加工される。透過電子顕微鏡18では、膜形成界面等の試料構造の詳細な観察や元素分析が行われる。
以上のように、N番目のプロセスからN+1番目プロセスに至る間に、解析用のマイクロサンプル6が酸素イオンビームによって摘出され、ウェーハをGaで汚染せず、さらに酸素イオンビームでは困難なTEM試料作製は別のイオンビーム加工装置のGaFIBで行うことが大きな特徴である。また、検査によってマイクロサンプル6を摘出した加工領域を含む半導体デバイスはN+1番目以降のプロセスは無効となり製品となることはないが、ウェーハ枚数は減少することはない。すなわち、N番目のプロセスに投入するウェーハとN+1番目のプロセスに投入するウェーハ数は同じであり、マイクロサンプル6が取り出された領域以外で製造された半導体デバイスは良品であれば製品として製造数に貢献する。
本実施の形態によると、半導体デバイス等の歩留向上のために、途中の検査がウェーハを割ることなく実施でき、さらにウェーハをプロセスに問題となるような元素で汚染することなく、ウェーハから解析用サンプルを分離または分離準備する試料作製方法および、これを実現できるイオンビーム加工装置が提供される。また本願による電子部品製造方法を用いることで、ウェーハを割ることなく評価でき、新たな不良を発生させず、高価なウェーハを無駄にすることはない。ひいては、電子部品の製造歩留りが向上する。
なお、以上の実施の形態例では、酸素イオンビーム照射系とFIBイオンビーム照射系は別々の装置に組み込んだが、両者を同じ装置に組み込んでもよい。この場合には、酸素イオンビームによるマイクロサンプルの摘出が終了後、ウェーハをGaで汚染することを避けるためウェーハは装置から取り出すか、Gaの飛散などによる汚染の懸念がないようにする必要がある。この実施の形態では、装置コストの大幅な低減が可能である。ただし、TEM試料作製のスループットは低下することになる。
また、以上に述べた実施の形態例では、酸素イオンビームをスポット状に集束した例を述べたが、イオンビーム照射系の途中に、ある形状の孔を持つマスクを挿入し、そのマスク形状を試料上に投影した成形ビームを用いる場合にも、本発明は適用することができる。図9にこの例の装置の概略構成図を示す。本イオンビーム加工装置は、真空容器41を有しており、真空容器内には、Ar、ネオン、キセノン、クリプトン、酸素、窒素等のガスイオンを放出するデュオプラズマトロン81、コンデンサレンズ82、ステンシルマスク401、対物レンズ86などから構成されるイオンビーム照射系が配置されている。
さらに、プローブ3、二次粒子検出器36、デポガス源37、試料台39および試料ウェーハ2の一部を摘出した微小な摘出試料を固定するサンプルキャリア8などが配置されている。また本装置を制御する装置として、デュオプラズマトロン制御装置91、レンズ制御装置92、マニピュレータ制御装置62、二次電子検出器の増幅器63、デポガス源制御装置64、試料台制御装置61、および計算処理装置74、などが配置されている。
ここではデュオプラズマトロンに酸素ガスを導入し、イオンビームを引き出す。まず、このイオンビーム402をコンデンサレンズにより対物レンズ中心近傍に集束させる。ここでイオンビームは矩形の穴を有するステンシルマスクを通過する。対物レンズはステンシルマスクを試料上に投影する条件で制御する。すると、試料上には矩形の成形イオンビームが照射され、矩形の穴が加工される。この矩形穴を図3で示した加工に用いて、試料片を加工して、マイクロサンプルを分離または分離準備することができる。なお、ここでイオンビームの加速電圧は40kVとした。また、デュオプラズマトロンの光源サイズを決定するアパーチャ径は50μmとした。
なお、この例では、イオンビームは概円形ではないため図9で用いたビームスポット径の定義は使えないが、図10に示すように、ビームプロファイルの裾でビーム強度の16%から84%までの距離をイオンビームスポット径と置き換えれば、これが光源サイズよりも小さくなるようにして、イオンビーム照射系を構成し、マイクロサンプルを摘出できるようにすればよい。
また、ステンシルマスクの材質はシリコンとした。これによりマスクにイオンビームが照射されて、マスクがスパッタされて試料上に到達してもシリコンデバイスの電気特性に影響を与えることは無い。なお、マスク材質としては、シリコン、ゲルマニウムおよびカーボン等が考えられるが、これらの窒化物、酸化物、炭化膜を含んでも良い。また、マスクの表面をこれらの材質で覆っても良い。
また、以上に述べた実施の形態例では、酸素イオンビームを用いたが、他に窒素、アルゴン、ネオン、キセノン、クリプトンなどの元素、およびこれらの混合イオンビームでも同様な効果が得られるのは明らかである。
また、以上のようにウェーハから解析用のマイクロサンプルを取り出すイオンビーム加工装置ばかりでなく、同装置に取りつけられ、電子ビーム照射装置から放出された電子ビームにより断面部などデバイス内部を観察して、デバイス解析をするイオンビーム加工装置も、本願に示すイオンビーム加工装置に含む。なお、電子ビーム照射方向はイオンビーム照射位置に向いており、断面加工後、試料を移動させることなく電子ビームで観察が可能になる。例えば、上記の実施例でシリコン製のステンシルマスクを用いて、酸素イオンの成形ビームを照射して断面を加工し、その断面を同一装置の走査電子顕微鏡カラムからの電子ビームによって観察することができる。
本願の一実施形態例に用いるイオンビーム加工装置を示す図。 従来の試料から微小試料を分離するフローを説明するための図。 本願による微小試料を分離する方法を説明するための模式図。 本願による微小試料を分離する方法を説明するための模式図。 本願による微小試料を分離する方法を説明するための模式図。 本願による微小試料を分離する方法と従来の方法を説明するための模式図。 本願の一実施形態例に用いるイオンビーム加工装置を示す図。 本願による微小試料を分離した後、透過電子顕微鏡用試料を作製する方法を説明するための模式図。 本願による酸素イオンビームのビームスポット径を示す模式図。 本願による電子部品製造方法にかかわるプロセスにおけるウェーハの流れを説明するための図。 本願の一実施形態例に用いるイオンビーム加工装置で、マスク形状を投影した成形ビームを用いるイオンビーム加工装置を示す図。 本願による投影による酸素イオンビームの強度プロファイルを示す模式図。
符号の説明
1…FIB、2…試料、3…プローブ、4…デポ膜、5…デポガス、6…マイクロサンプル、7…薄膜部、8…サンプルキャリア、11…N番目のプロセス、12…N+1番目のプロセス、13…ロット、14…検査用ウェーハ、15…検査電子顕微鏡、17…ウェーハ対応イオンビーム加工装置、18…イオンビーム加工装置、19…透過電子顕微鏡、31…イオンビームレンズ、32…液体金属イオン源、33…ビーム制限アパーチャ、34…イオンビーム走査偏向器、35…FIB照射光学系、36…二次粒子検出器、37…デポ源、38…ウェーハ、39…試料台、41…真空容器、42…加工穴、51…デポジションガス、52…エッチングガス、63…二次電子検出回路、65…FIB制御装置、81…デュオプラズマトロン、82…コンデンサレンズ、83…対物絞り、84…イオンビーム走査偏向器、85…酸素イオンビーム、86…対物レンズ、87…冷却機構、88…除振機構、89…質量分析器、90…計算処理装置、91…デュオプラズマトロン制御装置、92…イオンビームレンズ制御装置、93…イオンビーム走査偏向制御装置、94…マニュピレータ、95…試料台制御装置、96…二次電子検出回路、97…デポガス源制御装置、98…質量分離器制御装置、99…マイクロサンプル用試料台、101…角穴、102…底穴、103…切り欠き溝、104…ガスノズル、130…マーク、131…FIB、132…角穴、133…垂直溝、134…支持部、135…斜溝、136…摘出すべき試料、137…プローブ、138…デポ膜、139…微小試料、140…試料ホルダ、143…ウォール、301…矩形穴、302…矩形穴、303…斜溝、304…矩形穴、305…取り出し痕、401…ステンシルマスク、402…イオンビーム。

Claims (8)

  1. イオン源と、試料を保持する試料台と、前記試料にイオン源から放出するイオンビームを照射する照射光学系と、前記イオンビームにより分離加工された試料片を移送するためのプローブとを有し、前記イオン源で生成されるイオンビームは、元素種として不活性ガス種、酸素または窒素のいずれかを含み、前記プローブはシリコン、ゲルマニウムまたはカーボンのいずれかを含むイオンビーム加工装置において、
    前記照射光学系は、イオンビームが通過できる開口パターンを有するマスクと、前記マスクを通過したイオンビームを前記試料上に投影して前記開口パターンの像を形成する照射レンズを含み、
    前記照射光学系は、前記試料上に投影された前記開口パターンの像のビームプロファイルの裾の幅が前記イオン源のイオン光源サイズよりも小さくなるよう構成されていることを特徴とするイオンビーム加工装置。
  2. 請求項1記載のイオンビーム加工装置において、前記ビームプロファイルは、観察するべき加工断面の垂直方向の前記裾の幅が、イオンビーム照射軸に垂直で前記加工断面の平行方向の前記裾の幅に比べ小さくなるよう制御されることを特徴とするイオンビーム加工装置。
  3. 請求項1または2に記載のイオンビーム加工装置において、前記マスクの材質がシリコン、ゲルマニウムまたはカーボンのいずれかを含むことを特徴とするイオンビーム加工装置。
  4. 請求項1または2に記載のイオンビーム加工装置において、前記イオンビームは、酸素イオンビームであり、試料に2フッ化キセノンを導入する機構を有することを特徴とするイオンビーム加工装置。
  5. 請求項1又は2記載のイオンビーム加工装置において、
    前記イオンビームにより試料片を前記試料から分離する工程と、
    イオンビームアシストデポジションにより前記プローブと前記試料片を固定させる工程と、
    イオンビームアシストデポジションにより前記試料片を観察装置の試料ホルダに固定する工程と、
    前記イオンビームにより前記試料片から前記プローブを分離する工程を含み、
    前記イオンビームにより前記試料片から前記プローブを分離する工程は、プローブ材料に比較して選択的にデポジション膜のエッチング速度が高くなる効果を持つガスを供給する工程を含むことを特徴とする試料作製方法。
  6. 請求項5記載の試料作製方法において、前記プローブと前記試料片とを固定する前記デポジション膜はシリコンの酸化膜を含む膜であって、前記イオンビームにより前記試料片から前記プローブを分離する工程において供給するガスは、2フッ化キセノンを含むガスであることを特徴とする試料作製方法。
  7. 請求項5記載の試料作製方法において、前記プローブと前記試料片とを固定する前記デポジション膜はカーボンを主な成分の一つとする膜であって、前記イオンビームにより前記試料片から前記プローブを分離する工程において供給するガスは水または過酸化水素水を含むガスであることを特徴とする試料作製方法。
  8. 請求項7記載の試料作製方法において、前記ガスは過酸化水素水を含むガスであることを特徴とする試料作製方法。
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