JP2004328003A - 基板抽出方法及びそれを用いた電子部品製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 試料に複数の加工プロセスを施して電子部品を形成する電子部品製造方法において、加工プロセスの終了時に上記試料の一部表面を摘出し、上記一部表面に対して上記加工プロセスでの加工の進捗をモニタまたは検査または解析のうちの少なくともいずれかを行なう工程を含む方法とする。
【効果】 ウェーハなど試料無駄に割断することなく評価でき電子部品の製造歩留りが向上する。
【選択図】 図1
Description
(1)TEM観察のルーチン化(TEM試料作製の問題点)
通常、試料の外観観察には高分解能の走査型電子顕微鏡(以下、SEMと略記)が用いるが、半導体の高集積化に伴い、対象物がSEMの分解能では観察できないほど極微細なものなっている。SEMに代って観察分解能が高い透過型電子顕微鏡(以下、TEMと略記)に頼らざるを得なくなっている。電子部品製造に当たって、良品を生産し続けるためにはTEMを如何に簡単にルーチン作業として使えるかが要点となるが、TEMをルーチン的に使用するためには解決すべき大きな問題を抱えている。それは試料作製法である。
試料基板の表面に対しほぼ垂直な断面やウォールを形成するためには、底面の傾斜を小さくして底面を表面に平行に近くすることが必須で、そのためには試料傾斜をさらに大きくしなければならず、これは上述の装置上の制約からさらに困難になるという問題点を有している。
(2)モジュールプロセスと逐一検査
電子部品の製造において、最終段階で良不良の判定をしていると、不良発生時に発生原因を追及することが困難で、たとえ原因が明らかになっても途中のプロセス条件を見直した対策品を作り終えるまでに多大の時間と手間を要する。反対に、早期良品の製品化を実現するためには逐一モニタ、検査することが好ましいが、各プロセス毎、全プロセスに渡って逐一検査していると検査時間に膨大な時間を要するとともに、検査装置が膨大な数となり、安価で早期良品製品化の目的には反する。
このように、検査に必要な箇所、個数、およびそれらの検査に要する時間などを考慮したライン管理者の判断に依存する。
即ち、モジュールプロセスとは、製造しようとする電子部品のうちある部分が形としてまとまる一連の複数のプロセスを指す。類似する電子部品を製造する際、全プロセスが全て同じことはないが、頻繁に繰り返されたり、部分的に共通なプロセスが連続する場合がある。その一連のプロセスをモジュール化しておくと、モジュールとして汎用性があり、他の部品の製造にも適用できる。図4において、電子部品の製造プロセスがプロセスs1からプロセスs11まで連続しているとする。実際にはもっと多くのプロセスを通過するが、ここでは省略している。図4は、プロセスs1からプロセスs4までのグループをモジュールプロセスm1とし、以下、プロセスs4からプロセスs5までをモジュールプロセスm2、プロセスs6からプロセスs8までをモジュールプロセスm3、プロセスs9からプロセスs11までをモジュールプロセスm4とした例である。なお、上記(イ)については、下記実施の形態例3において詳述する。
(1)試料に複数の加工プロセスを施して電子部品を形成する電子部品製造方法であって、加工プロセスの終了時に上記試料の一部表面を摘出し、上記一部表面に対して上記加工プロセスでの加工の進捗をモニタまたは検査または解析のうちの少なくともいずれかを行なう工程を含む電子部品製造方法、または、
(2)試料に複数の加工プロセスを施して電子部品を形成する電子部品製造方法であって、予め定めた連続した複数の加工プロセスの終了時に上記試料の一部表面を摘出し、上記一部表面に対して上記連続した加工プロセスでの加工の進捗をモニタまたは検査または解析のうちの少なくともいずれかを行なう工程を含む電子部品製造方法、または、(3)試料に複数の加工プロセスを施して電子部品を形成する電子部品製造方法であって、予め定めた特定の加工プロセスの終了時に上記試料の一部表面を摘出し、上記一部表面に対して上記特定の加工プロセスまでの加工の進捗をモニタまたは検査または解析のうちの少なくともいずれかを行なう工程を含む電子部品製造方法、または、(4)試料に複数の加工プロセスを施して電子部品を形成する電子部品製造方法であって、上記電子部品の完成までの全加工プロセスを連続した複数の上記加工プロセスからなる複数のモジュールプロセスに分割し、上記モジュールプロセスの終了時に上記試料の一部表面を摘出し、上記一部表面に対して上記モジュールプロセスでの加工の進捗をモニタまたは検査または解析のうちの少なくともいずれかを行なう工程を含む電子部品製造方法、または、(5)複数個の試料をロットとして上記各試料に複数の加工プロセスを施して電子部品を形成する電子部品製造方法であって、上記電子部品の完成までの全加工プロセスを、連続した複数の上記加工プロセスからなる複数のモジュールプロセスに分割し、上記各モジュールプロセスの終了のたびに上記ロット内の特定試料の一部表面を摘出し、上記一部表面に対して上記モジュールプロセスでの加工の進捗をモニタまたは検査または解析のうちの少なくともいずれかを行なう工程を含む電子部品製造方法を用いればよい。
また、上記(1)から(5)のいずれかにおいて、(6)上記試料はシリコン半導体ウェーハ、エピタキシャル成長シリコンウェーハ、基板に形成されたシリン薄膜を有するウェーハ、化合物半導体ウェーハ、磁気ヘッド集積ウェーハのうちのいずれかであるか、または、
(7)上記電子部品は、シリコン半導体装置、化合物半導体装置、磁気記録再生用ヘッド、光磁気記録再生用ヘッドのうちのいずれかであるか、または、(8)上記試料の一部表面を摘出する工程が、エネルギビームの照射による上記試料の除去と、摘出する試料の搬送部への付着とを少なくとも含む工程であるか、または、(9)上記検査は予め定めた箇所について形状、寸法、元素分布、元素濃度、不純物分布、不純物濃度のうち少なくともいずれかの実測と、予め定めた基準とを比較して上記モジュールプロセスの良不良を判断する方法か、または、(10)上記検査は透過型電子顕微鏡、走査型透過電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡もしくは走査型プローブ顕微鏡のうちの少なくともいずれかを用いるか、または、(11)上記モニタは予め定めた箇所について、電子ビーム、イオンビーム、X線、レーザ光のうちの少なくともいずれかを照射して得られる物理数と、予め定めた基準と逐一比較して上記モジュールプロセスの達成度を把握するか、または、(12)上記解析は、電子ビーム、イオンビーム、X線の少なくともいずれかを用いて元素分析し、予め定めた基準の元素分布または元素濃度、不純物分布、不純物濃度のうち少なくともいずれと比較して良不良を判断するか、または、
(13)上記解析は、予め定めた箇所について予め定めた基準の形状、寸法、元素分布、元素濃度、不純物分布、不純物濃度のうち少なくともいずれかを外れた原因を解明するか、または、(14)上記モニタまたは検査または解析のうちの少なくともいずれかを行なう工程において得たデータは、少なくとも計算処理機に保存するか、または、(15)上記一部表面を摘出した領域を上記計算処理機に記憶し、上記全加工プロセス終了後に、上記一部表面を摘出した領域を含む電子部品を除外する方法か、または、(16)上記一部表面を摘出際に、イオン源による汚染を防止するためにイオン源として希ガス特にArガスが用いられる。このガスはガリューム(Ga)とは異なり金属ともならないため汚染源になりずらい。
このイオン源を用い摘出したもとの基板を対象のモジュールプロセスに投入する方法であってもよい。
また、上記(3)における上記特定のプロセスは、特に、(17)上記試料に開孔を設けるエッチング工程であるか、
(18)上記試料の少なくとも一部に膜を設けるか、開孔部を埋める成膜工程であってもよい。
さらに、上記(4)または(5)における上記モジュールプロセスの一つは、(19)シリコン半導体メモリプロセスにおけるゲート電極作製完了までの一連のプロセスであるか、または、(20)シリコン半導体メモリプロセスにおけるゲート電極作製完了以降、シリコン基板と接続するプラグ電極作製完了までの一連のプロセスであるか、または、(21)シリコン半導体メモリプロセスにおける金属配線形成の一連のプロセスであってもよい。
また、上記(1)から(5)のいずれかにおける上記モニタまたは検査または解析のうちの少なくともいずれかを行なう工程は、
(22)半導体デバイスにおけるコンタクトホールの断面形状の評価を行なう工程であるか、または、
(23)半導体デバイスにおけるゲート酸化膜の評価を行なう工程であるか、または、
(24)半導体デバイスにおける単一トランジスタの動作特性の評価を行なう工程であってもよい。
さらに、特に、
(25)上記(8)において、上記エネルギビームが、集束イオンビーム、投射イオンビーム、電子ビーム、レーザービームの少なくともいずれかであればよく、
(26)上記(15)において、上記計算処理機に保存した上記データと、あらかじめ定めた基準とを比較して上記基準を満足しない場合、上記計算処理機は対象とする上記モジュールプロセスの加工条件を修正するように命令を下す工程を伴ってもよい。
(27)集束イオンビームの照射光学系と、上記集束イオンビームの照射によってウェーハから発生する二次粒子を検出する二次粒子検出器と、上記ウェーハを載置する試料ステ−ジと、上記ウェーハの一部表面を分離した摘出試料を別の部材に移し変える移送部とを少なくとも有する構成であればよい。特に、
(28)上記(27)における、上記搬送部は、XYZ軸方向に移動可能な機構と、摘出する試料に接触する針状部材とから構成されることでよい。
<実施形態例1>
本実施例は、本願による電子部品製造方法の基本的な流れをウェーハの流れと共にを図1を用いて説明する。
モジュールプロセスm1に投入されたロット1は、モジュールプロセスm1の完了後、ロット1のうち所定の枚数を検査用試料2として選別し、残された試料3は待機する。選別した検査用試料2から検査すべき箇所4をマイクロサンプル5として摘出する。微小試料5を摘出された検査用試料2は再び上記残された試料3に組み込まれ、ロット1Aとして次のモジュールプロセスm2に投入する。ここで、マイクロサンプル5は各種解析装置6に対応できるように加工を施し、経路fを通って解析装置6に送り、マイクロサンプル5の注目する部分を解析する。解析結果は計算処理機7に送りデータベースとして保存する。蓄えられたデータベースは必要に応じて通信経路hを通ってモジュールプロセスm1もしくはモジュールプロセスm2に伝達し、プロセス条件の変更などの指令を行なう。このように、モジュールプロセスm1からモジュールプロセスm2に至る間に、ウェーハは経路a、b、c、dを経て、その間、解析すべき微小試料が摘出されることが大きな特徴である。また、検査によって試料が減少することはなく、モジュールプロセスm1に投入するロット1とモジュールプロセスm2に投入するロット1の試料数は同じである。なお、マイクロサンプル5の摘出方法(経路e)については、下記実施例2で詳述する。図中、符号ma、mbはモジュールプロセス間の経路を示している。
図5において、符号s21、s22、s23、s24は各モジュールプロセスである。まず最初、モジュールプロセスs21に投入される1ロット40のウェーハ枚数をここでは例えば10枚とする。ステップs21を完了したロットは1枚を検査用ウェーハ41Aと残りのウェーハ群42Aに分けて(経路a)、検査用ウェーハ41Aを試料作製装置(図示せず)に送り(経路b)、その検査用ウェーハ41Aからμmレベルのマイクロサンプル43Aを摘出する。摘出されたウェーハ41Aはもとのウェーハ群42Aと併せるか、他のウェーハ群と併せてロット40Aとして(経路c)次のモジュールプロセスm22に送る。この時のロット40Aは、ウェーハ41Aを割断せずに試料作製したため、もとのロット40と枚数は同じである。つまり、モジュールプロセスを完了してそのうちの1枚を検査用に割り当てても、ロットの枚数を減少させることなく、次のモジュールプロセスm22に送ることができる。一方、摘出したマイクロサンプル43Aは試料作製装置において各種解析装置、例えばTEMに適合する解析試料44Aに加工し(経路d)、各種解析、例えばTEM観察する。このときの観察形状など解析データは共通の計算処理機(図示せず)に送り保存すると共に、プロセスm21でのプロセス条件の最適化や変動の修正のために用いる。
<実施形態例2>
本実施例では、ウェーハの所定の場所からマイクロサンプルを摘出して各種分析装置に適合する試料に加工する方法について説明する。
このような状況から、本願による試料作製方法では試料ステージを極端に大きく傾斜することなく、微小試料を摘出することが実現できる。さらに、摘出試料の厚み(ウォ−ルの厚み方向と同じ)を薄く加工することができるため、ウォ−ル加工時間が大幅に削減できる方法である。
上記の試料作製手順は、TEM試料に限らず、他の分析や観察手法に用いることも可能である。
図7は、本願による電子部品製造方法における試料からマイクロサンプルを摘出し、各種解析装置に適する試験片に加工するときに用いる試料作製装置の一実施例の概略構成図である。
摘出試料の移送手段の概略構成について説明する。移送手段78は図7においてモータやギヤ、圧電素子などで構成して、1μm程度のストロークで、数μmの移動分解能を有している。
装置構成が異なっても対応できるという本構成特有の利点がある。
そして、図7は、FIB照射光学系72の対物レンズの最終レンズ電極面に設置した例である。 試料室88の空間を利用していて、装置外部に余分な機器を突出させることなく、装置外部が複雑な他機種にも適用でき、装置外観を簡素にまとまるという利点がある。
本実施例では、モジュールプロセスの一例として、プラグ形成のモジュールについてそのプロセス手順について説明し、所定の場所からマイクロサンプルを摘出して解析すべき注目点について説明する。図8(a)はゲート作製以降プラグ形成完了までの欠くプロセスを示している。符号s101からs112は、SiN膜デポジション、層間絶縁膜塗布、層間絶縁膜表面研磨、ホトレジスト塗布、露光、現像、層間絶縁膜エッチング、SiN膜エッチング、イオン注入、アッシング、多結晶Si埋め込み、層間絶縁膜表面研磨などのシリアルに行なう各プロセスに対応する。
ただし、この一連の工程のプロセス数はこの数に限定されることはない。このような一連のプロセスを経て、プラグが完成する。図8(b)から(g)は図(a)の一連のプロセスのうち、代表的な工程での半導体装置の断面図である。図(b)から(g)に共通してSi基板100には部分的に酸化膜領域101を有して、ゲーと102は既に前のプロセスで形成されている。図(b)は絶縁層SiN膜が形成された状態である。次に、図(c)のように層間絶縁膜104を全面に塗布する。塗布した層間絶縁膜104に加熱等の後処理を行なった後、図(d)のように層間絶縁膜104を部分的にドライエッチングして開口105を設ける。続いて、開口105の底面のSiN膜をドライエッチングしてコンタクトホール106が出来る(図(e))。
次に、多結晶Si107をコンタクトホール106に埋め込む(図(f))。最後に表面に露出している層間絶縁膜104、多結晶Si107を化学的機械研磨などの手法で平坦化して平坦面108を形成して所望の多結晶Siプラグ109が完成する。
40…ロット、41…ウェーハ、42…ウェーハ群、43…マイクロサンプル、44…解析試料、71…試料作製装置、72…FIB照射光学系、73…二次粒子検出器、74…デポガス源、75…試料ステージ、76…試料ホルダ、77…ホルダカセット、78…移送手段、80…ステージ制御装置、81…移送手段制御装置、82…試料基板、83…画像表示手段、84…FIB制御装置、85…デポガス源制御装置、86…ステ−ジ制御装置、87…計算処理装置、88…試料室、100…Si基板、101…酸化膜、102…ゲート、103…SiN膜、104…層間絶縁膜、105…開口、106…コンタクトホール、107…多結晶Si、108…平坦加工面、109…多結晶Siプラグ。
Claims (11)
- 基板に回路パターンを製造するプロセスの第1の加工工程と、前記加工工程の後前記加工工程で製造されたパターンの一部をイオンビームを用い所定の部分にイオンビームを照射し基板の一部を分離する工程と、回路パターンを製造する前記プロセスに前記一部分離された前記基板を戻して第2の加工をする工程とを有することを特徴する電子部品製造方法。
- 前記分離する工程として、前記イオンビームと前記試料台とを相対的に回転させる工程を含むことを特徴とする請求項1記載の電子部品製造方法。
- 前記基板を分離する工程として、前記試料の厚みの半分以上残すように加工することを特徴する請求項1記載の電子部品製造方法。
- 前記イオンビームとしてアルゴンビームを用いたことを特徴とする請求項1記載の電子部品製造方法。
- 試料を試料室に搬入し試料台に位置決めする工程と、前記試料の一部を加工する位置を特定する工程と、前記特定された試料の一部をイオンビームで照射し試料から一部の基板を分離する工程と、前記分離された基板を前記試料の外部へ取り出す工程とを含む基板抽出方法。
- 前記取り出す工程として、前記分離された基板を探針に固定する工程と、前記探針を移動させ前記基板を試料ホルダに付け替える工程を含むことを特徴する請求項5記載の基板抽出方法。
- 前記イオンビームとしてアルゴンビームを用いたことを特徴とする請求項5記載の基板抽出方法。
- 複数の基板を用い複数の半導体プロセスを経由して素子を製造する電子部品製造方法であって、前記複数の基板中にプロセスの状態を監視する監視基板を含み、前記第1の製造プロセスの終了時に前記監視基板の一部を摘出する工程と、前記摘出された監視基板を第2の製造プロセスに着手する工程と、前記摘出された基板を検査する工程とを含む電子部品製造方法。
- 前記摘出する工程として、前記基板の深さ方向に幅が狭くなっているくさび型として摘出することを特徴とする請求項8記載の電子部品製造方法。
- 前記摘出する工程として前記摘出された基板を探針に固定する工程と、前記探針を移動させ前記基板を試料ホルダに付け替える工程を含むことを特徴する請求項8記載の電子部品製造方法。
- 前記摘出する工程にイオンビームを用いることを特徴とする請求項8記載の電子部品製造方法。
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