JP2008209541A - レンズ鏡筒および撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】その目的は開口の開口面積を正確にかつ安定して得る上で有利なレンズ鏡筒および撮像装置を提供することにある。
【解決手段】ステッピングモータ66の駆動軸6402の回転により、カムピン74、カム溝70を介して2枚の絞り羽根62が往復直線移動し、開口63の全開状態と、1/2開放状態と、1/4開放状態と、1/8開放状態と、全閉状態がそれぞれ形成可能であり、これらの状態は駆動制御部68によりステッピングモータ66を介して形成される。駆動制御部68は、ステッピングモータ66の励磁状態が常に2相励磁となるようにステッピングモータ66に駆動信号を供給するとともに、ステッピングモータ66の励磁状態が、開口63の全開状態、1/2開放状態、1/4開放状態、1/8開放状態、全閉状態でそれぞれ形成されるようにした。
【選択図】図19

Description

本発明はレンズ鏡筒および撮像装置に関する。
従来から、開口の大きさを調整する光量調整装置を備えたレンズ鏡筒が提供されている。
このような光量調整装置として、移動することで開口の大きさを変化させる2つ絞り羽根と、駆動軸の回転により前記複数の絞り羽根を移動させる移動機構と、駆動軸を回転させるステッピングモータとを備えたものが提供されている(特許文献1参照)。
特開2004−109531号公報
従来の光量調整装置では、ステッピングモータを1−2相励磁で使用しているため、開口の開放状態の一部が1相励磁の状態で、残りが2相励磁の状態で形成されている。
ステッピングモータは1相励磁の状態では、回転トルクが少なく、したがって、駆動軸の回転精度や安定性に欠ける面があり、絞り羽根の位置を正確で安定した状態とする上で不利があり、開口の開口面積を正確にかつ安定して得る上で不利があった。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は開口の開口面積を正確にかつ安定して得る上で有利なレンズ鏡筒および撮像装置を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明は、開口の大きさを調整する光量調整装置を備えたレンズ鏡筒であって、前記光量調整装置は、移動することで前記開口の大きさを変化させる複数の絞り羽根と、駆動軸の回転により前記複数の絞り羽根を移動させる移動機構と、前記駆動軸を回転させるステッピングモータと、前記ステッピングモータの励磁状態が常に2相励磁となるように前記ステッピングモータに駆動信号を供給する駆動制御部とを備えることを特徴とする。
また本発明は、開口の大きさを調整する光量調整装置を備えた撮像装置であって、前記光量調整装置は、移動することで前記開口の大きさを変化させる複数の絞り羽根と、駆動軸の回転により前記複数の絞り羽根を移動させる移動機構と、前記駆動軸を回転させるステッピングモータと、前記ステッピングモータの励磁状態が常に2相励磁となるように前記ステッピングモータに駆動信号を供給する駆動制御部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、ステッピングモータの励磁状態が常に2相励磁となっているため、駆動軸の回転位置がより正確で安定した状態で得られ、したがって、絞り羽根の位置がより正確で安定した状態となり、開口の開口面積を正確にかつ安定して得る上で有利となる。
(第1の実施の形態)
次に本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本実施の形態の撮像装置100を前方から見た斜視図、図2は本実施の形態の撮像装置100を後方から見た斜視図、図3は本実施の形態の撮像装置100を下方から見た斜視図、図4はメモリカード132およびバッテリー138の収容状態を説明する説明図、図5は撮像装置100の制御系を示すブロック図である。
図1、図2に示すように、撮像装置100はデジタルスチルカメラである。
撮像装置100は、外装を構成する矩形板状のケース102を有し、ケース102は、前ケース102Aと後ケース102Bとが合わせられて構成されている。
前ケース102Aによりケース102の前面が構成され、後ケース102Bによりケース102の後面が構成されている。
なお、本明細書において、前方とは被写体側をいい、後方とはその反対側をいい、左右は撮像装置100を前方から見た状態でいうものとする。
ケース102の右側部には、図中二点鎖線で示すように、レンズ鏡筒10が組み込まれており、レンズ鏡筒10には、対物レンズ14と、撮像ユニット54(図6参照)と、対物レンズ14で捉えた被写体像を撮像ユニット54に導く光学系104などが設けられている。撮像ユニット54は後述する撮像素子128(図5参照)を含んで構成されている。
対物レンズ14は前ケース102Aに設けられたレンズ窓103を介してケース102前方に臨んで配置されている。
ケース102の前面右寄りの箇所には、撮影補助光を出射するフラッシュ108、セルフタイマーランプ110などが設けられている。
ケース102の前面にはカバー112が上下にスライド可能に設けられ、このカバー112は、図1に示すようにレンズ窓103、フラッシュ108、セルフタイマーランプ110を前方に露出させる下限位置と、これらレンズ窓103、フラッシュ108、セルフタイマーランプ110を覆う上限位置とにスライドされる。
ケース102の上面の左寄り箇所には、シャッタボタン114、電源ボタン116などが設けられている。
ケース102の後面には静止画および動画などの画像や文字や記号などが表示されるディスプレイ118(液晶表示器)、撮影光学系104のズーミング動作を行なわせるためのズームスイッチ120、各種操作を行なうための十字スイッチ122および複数の操作ボタン124が設けられている。
ケース102の左側面には、撮像装置100を静止画撮影モード、動画撮影モード、再生・編集モードなどに切り替えるためのモードスイッチ126が設けられている。
図3、図4に示すように、ケース102の下面には、静止画あるいは動画などの画像などを記録するためのメモリカード132を装脱可能に収容するメモリ収容室102Aと、撮像装置100の電源を構成するバッテリー138を装脱可能に収容するバッテリー収容室102Bとがケース102の前後方向(厚さ方向)に並べて設けられている。これらメモリ収容室102A、バッテリー収容室102Bはケース102の下面にヒンジを介して連結された開閉蓋102Cによって開閉される。
図5に示すように、撮像素子128は、光学系104によって結像された被写体像を撮像するCCDやCMOSセンサなどで構成されている。
撮像素子128で撮像された像は撮像信号として画像処理部130に出力され、画像処理部130ではこの撮像信号に基づいて静止画あるいは動画の画像データが生成され、メモリカード(記憶媒体)132に記録される。また、前記画像データは表示処理部134によりディスプレイ118に表示される。
さらに、撮像装置100は、シャッタボタン114、十字スイッチ122、操作ボタン124、モードスイッチ126の操作に応じて、画像処理部130、表示処理部134を制御するCPUなどを含む制御部136を備えている。
また、撮像装置100には、本発明の要旨である光量調整装置66(図8参照)の一部である後述するステッピングモータ66および駆動制御部68が設けられている。
図6はレンズ鏡筒10を斜め前方から見た斜視図、図7はレンズ鏡筒10を斜め後方から見た斜視図、図8はレンズ鏡筒10の一部の構成を示す分解斜視図、図9はレンズ鏡筒10の残りの構成を示す分解斜視図、図10は図6のXX線断面図、図11は図6のYY線断面図である。
図6乃至図9に示すように、レンズ鏡筒10は、鏡筒12と、対物レンズ14と、撮像ユニット54と、光学系104とを含んで構成されている。
本実施の形態では、光学系104は、プリズム16と、ズーム用可動レンズ群18と、フォーカス用可動レンズ群20と、第1の固定レンズ群22と、第2の固定レンズ群24と、第3の固定レンズ群26と、ズーム用可動レンズ群18用の案内機構28と、フォーカス用可動レンズ群20用の案内機構30とを備えている。
さらに、ズーム用可動レンズ群18を移動させる駆動手段32と、フォーカス用可動レンズ群20を移動させる駆動手段34とが設けられている。
図6、図7に示すように、鏡筒12は、全体として幅および長さ並びに厚さを有する平板形状を呈しており、対物レンズ14と撮像ユニット54と光学系104とは鏡筒12の幅方向の中央部で鏡筒12の長さ方向に沿って並べられて配置されている。
鏡筒12は、長さ方向において分割された第1鏡筒分割体1202および第2鏡筒分割体1204と、これら2つの鏡筒分割体1202、1204の間に挟まれる第3鏡筒分割体1206とで構成され、鏡筒12の長手方向の一方の半部に第1鏡筒分割体1202が位置し、鏡筒12の長手方向方の他方の半部に第2鏡筒分割体1204が位置し、これら第1鏡筒分割体1202および第2鏡筒分割体1204の間に第3鏡筒分割体1208が介在されている。
図8、図10、図11に示すように、第1鏡筒分割体1202の内部には、下面に開放状の部品収容空間1202Aが設けられており、対物レンズ14はその前面側にレンズ押え1402が位置し後面側に遮光枠1404が位置した状態で、第1鏡筒分割体1202の前面の上部でかつ幅方向の中央部に取着されている。
プリズム16は、対物レンズ14で捉えた像を下部に向けて(撮像ユニット54側に)反射させるもので本実施の形態ではプリズムが用いられている。プリズム16は、部品収容空間1202Aで対物レンズ14に臨む箇所に配置されている。
第1の固定レンズ群22とズーム用可動レンズ群18とは、部品収容空間1202A内でプリズム16の下方に配置されている。
第1の固定レンズ群22は、第1鏡筒分割体1202の取り付け部に組み込まれるレンズ2202と、このレンズ2202を前記取り付け部に固定させる押え部材2204(遮光枠を兼ねる)とで構成されている。
図8に示すように、ズーム用可動レンズ群18は、第1のズームレンズ1802と、互いに貼り合わされた第2、第3のズームレンズ1804、1805と、これら第1、第2、第3のズームレンズ1802、1804、1805の外周部をカシメにより支持したズーム用レンズ枠1806とを有している。
ズーム用レンズ枠1806は、第1、第2、第3のズームレンズ1802、1804、1805の周囲に位置しこれら第1、第2、第3のズームレンズ1802、1804、1805を保持する保持部1810と、この保持部1810から部品収容空間1202A内の幅方向に延在する延在部1812とを有している。
延在部1812には、ロッド挿通孔1814が設けられ、また、鏡筒12の長手方向において互いに対向するフランジ1816、1816が設けられ、これらフランジ1816、1816には、軸3602、3602を介して雌ねじ3604を有する雌ねじ部材36が鏡筒12の長手方向に移動不能に結合される。
また、延在部1812とは反対側に位置する保持部1810の箇所に係合溝1818が形成されている。
ロッド挿通孔1814には、第1鏡筒分割体1202の長さ方向に延在する金属製のメインガイド軸38が滑動可能に挿通されている。
このメインガイド軸38はその長さ方向の両端が第1鏡筒分割体1202の上面を構成する壁部と、第3鏡筒分割体1206の壁部とで支持されている。
メインガイド軸38は第1、第2、第3のズームレンズ1802、1804、1805の光軸と平行して延在している。したがって、メインガイド軸38はズーム用可動レンズ群18を該ズーム用可動レンズ群18の光軸方向に案内している。
係合溝1818には、メインガイド軸38と平行方向に延在するサブガイド軸40(図10参照)が滑動可能に挿通されている。したがって、前記サブガイド軸はズーム用レンズ18がメインガイド軸38の回りに回転することを阻止している。
ズーム用可動レンズ群18用の案内機構28は、これらメインガイド軸38とサブガイド軸40によって構成されている。
図8に示すように、ズーム用可動レンズ群18を移動させる駆動手段32は、鏡筒12の長さ方向に延在するホルダ3202と、ホルダ3202の上部に設けられたモータ3204と、ホルダ3202に沿って延在しモータ3204により回転駆動される雄ねじ部材3206とを有している。
ホルダ3202は第1鏡筒分割体1202の右側面の欠部に取着され、これにより雄ねじ部材3206が部品収容空間1202Aに位置し、モータ3204は第1鏡筒分割体1202の上面に位置する。
雄ねじ部材3206は雌ねじ部材36の雌ねじ3604に螺合され、したがってモータ3204の正逆転によりズーム用可動レンズ群18はメインガイド軸38およびサブガイド軸40に案内されつつそれらの光軸方向に沿って往復移動され、ズーム動作がなされる。
図8に示すように、第3鏡筒分割体1206は、部品収容空間1202A内に臨む内部分1206Aと、部品収容空間1202A外に位置する外部分1206Bとを有している。
第2の固定レンズ群24は、その光軸をズーム用可動レンズ群18の光軸と一致させて内部分1206Aに取着されている。
本実施の形態では、第3鏡筒分割体1206に、後述する本発明の要部である光量調整装置60が組み込まれている。
図9、図11に示すように、第2鏡筒分割体1204の内部には、本実施の形態では、上下に開放された部品収容空間1204Aが形成されており、第2鏡筒分割体1204の下部に撮像ユニット54が取着されることでこの部品収容空間1204Aの下端は閉塞されている。
フォーカス用可動レンズ群20と第3の固定レンズ群26は、部品収容空間1204A内で第2鏡筒分割体1204の幅方向中央に位置する箇所に配置されている。
図9に示すように、フォーカス用可動レンズ群20は、互いに貼り合わされた第1、第2のフォーカスレンズ2002、2004と、これら第1、第2のフォーカスレンズ2002、2004を支持するフォーカス用レンズ枠2006とを有している。
フォーカス用レンズ枠2006は、第1、第2のフォーカスレンズ2002、2004の周囲に位置しこれら第1、第2のフォーカスレンズ2002、2004を保持する保持部2010と、この保持部2010から部品収容空間1204A内の幅方向に延在する延在部2012とを有している。
延在部2012には、ロッド挿通孔2014が設けられ、また、鏡筒12の長手方向において互いに対向するフランジ2016、2016が設けられ、これらフランジ2016、2016には、軸4802、4802を介して雌ねじ4804を有する雌ねじ部材48が鏡筒12の長手方向に移動不能に結合される。
また、延在部2012とは反対側に位置する保持部2010の箇所に係合溝2018が形成されている。
ロッド挿通孔2014には、第2鏡筒分割体1204の長さ方向に延在する金属製のメインガイド軸50が滑動可能に挿通されている。このメインガイド軸50はその長さ方向の両端が第3鏡筒分割体1206の壁部と、第2鏡筒分割体1204の下部に設けられた壁部とで支持されている。
メインガイド軸50は第1、第2のフォーカスレンズ2002、2004の光軸と平行して延在している。したがって、メインガイド軸50はフォーカス用可動レンズ群20を該フォーカス用可動レンズ28の光軸方向に案内している。
係合溝2018には、メインガイド軸50と平行して延在するサブガイド軸52(図10参照)が滑動可能に挿通されている。したがって、サブガイド軸52はフォーカス用レンズ20がメインガイド軸50の回りに回転することを阻止している。
フォーカス用可動レンズ群20用の案内機構30は、これらメインガイド軸50とサブガイド軸52によって構成されている。
図9に示すように、フォーカス用可動レンズ群20を移動させる駆動手段34は、鏡筒12の長さ方向に延在するホルダ3402と、ホルダ3402の下部に設けられたモータ3404と、ホルダ3402に沿って延在しモータ3404により回転駆動される雄ねじ部材3406とを有している。
ホルダ3402は第2鏡筒分割体1204の右側面の欠部に取着され、これにより雄ねじ部材3406が部品収容空間1204Aに位置し、モータ3404は第2鏡筒分割体1204の下部に位置する。
雄ねじ部材3406は雌ねじ部材48の雌ねじ4804に螺合され、したがってモータ3404の正逆転によりフォーカス用可動レンズ群20はメインガイド軸50およびサブガイド軸52に案内されつつそれらの光軸方向に沿って往復移動され、フォーカス動作がなされる。
第3の固定レンズ群26は、フォーカス用可動レンズ群20の下方の部品収容空間1204A箇所に配置され、第2鏡筒分割体1204の取り付け部に組み込まれる第3の固定レンズ群2602と、この第3の固定レンズ群2602を前記取り付け部に固定させる押え部材2604とで構成されている。
なお、図11に示すように、部品収容空間1204Aに臨む第2鏡筒分割体1204の後面箇所で第2鏡筒分割体1204Aの上端と第2の固定レンズ群24との間の箇所に設けられたは凹凸部1204Cが設けられている。
また、部品収容空間1204Aに臨む第2鏡筒分割体1204の後面箇所で第3の固定レンズ群26と撮像ユニット54との間の箇所には凹凸部1204Dが設けられている。
これらの凹凸部1204C、1204Dは、対物レンズ14、プリズム16、第1の固定レンズ群22、ズーム用可動レンズ群18、第2固定レンズ群24、フォーカス用可動レンズ群20を介して進入してきた光のうち、部品収容空間1204Aに臨む第2鏡筒分割体1204の後面箇所に到達した光が該後面箇所で反射されることで、いわゆるフレアあるいはゴーストと呼ばれる反射光が発生し、この反射光が撮像ユニット54の撮像素子128の撮像面に到達して撮像素子128の撮像信号に対して悪影響を及ぼすことを防止するために設けられている。
図9に示すように、鏡筒12の下部(第2鏡筒分割体124の下部)には撮像ユニット54を配設するための鏡筒側取り付け部1205が設けられている。
鏡筒側取り付け部1205は撮像素子128を部品収容空間1204Aに臨ませる開口1204B(図11参照)と、この開口1204Bの周囲に設けられた取り付け座1204Eとを備えている。
図9に示すように、撮像素子ユニット54は、撮像素子128が封入されたパッケージ54A(図10参照)と、パッケージ54Aを保持するホルダ54Bと、図示しない筒状のシールゴムと、光学フィルタ54Cと、押さえ部材54Dなどを含んで構成されている。
撮像素子ユニット54は、パッケージ54Aに撮像装置128との間で信号の授受を行うための配線部材であるフレキシブル基板55を実装したのちパッケージ54Aをホルダ54Bに組み付け、パッケージ54の上面に前記シールゴムを載置し、このシールゴムの上に光学フィルタ54Cを載置し、押さえ部材54Dで光学フィルタ54Cをホルダ54Bに固定することで組み立てられている。
撮像ユニット54は、ホルダ54Bの取り付け部が鏡筒12の取り付け座1204Aに当て付けられて光軸方向および光軸と直交する方向の位置決めがなされ、その位置決めがなされた状態でねじなどによって取り付けられている。
次に本発明の要旨である光量調整装置60について詳細に説明する。
図12は光量調整装置60の斜視図、図13は光量調整装置60の上下を反転させた斜視図、図14は図12のA矢視図、図15は図12のB矢視図、図16は図12のC矢視図、図17は図12のD矢視図、図18は光量調整装置60の分解斜視図、図19は光量調整装置60の上下を反転させた分解斜視図、図20は絞り羽根62の全開状態を示す説明図、図21は絞り羽根62の中間の開放状態を示す説明図、図22は絞り羽根62の全閉状態を示す説明図、図23はステッピングモータ66のステータスの説明図、図24はステッピングモータ66の励磁状態の原理を示す説明図である。
光量調整装置60は、複数の絞り羽根62と、移動機構64と、ステッピングモータ66と、駆動制御部68(図5参照)とを備えている。
移動機構64は、カム溝70と、アーム72と、複数のカムピン74とを含んで構成されている。
光量調整装置60は、図18および図19に示すように、第3鏡筒分割体1206に押さえ板76を介して配設されている。
第3鏡筒分割体1206は細長形状を呈し、第3鏡筒分割体1206の底壁78の長手方向の中央には、光路用孔7802が形成され、この光路用孔7802に前記第2の固定レンズ群24(図8参照)が取着されている。
図19に示すように、絞り羽根62は2枚設けられ、撮像素子側に位置する底壁78の面に配置されている。
図20に示すように、絞り羽根62は細長形状を呈し、カム溝70は絞り羽根62の長手方向の一端に形成され、絞り羽根62の長手方向の他端に湾曲状の縁部6202が形成され、また、直線状に延在するガイド溝6204が形成されている。
2枚の絞り羽根62の縁部6202により、撮像用光路を構成する開口63が形成され、絞り羽根62の移動により開口63の大きさが変化する。
図19に示すように、絞り羽根62は、底壁78から突設されたガイドピン7804がガイド溝6204に挿通された状態で、撮像素子側から押さえ板76が底壁78に取着されことで第3鏡筒分割体1206に組み込まれている。
本実施の形態では、絞り羽根62を構成する材料としてポリエチレンテレフタレートにカーボンを混合したものが用いられており、帯電防止が図られている。
図12乃至図16、図18に示すように、ステッピングモータ66は第3鏡筒分割体1206の長手方向の端部にねじNにより取着されている。
図19、図20に示すように、ステッピングモータ66の出力軸は、本実施の形態では、移動機構64の駆動軸6402を構成しており、アーム72は駆動軸6402の先端に取着されている。
アーム72はV字状を呈し、カムピン74はそれらの先端にそれぞれ突設されている。
したがって、本実施の形態では、カムピン74は2本設けられ、図19に示すように、各カムピン74は第3鏡筒分割体1206の底壁78の逃げ溝7806を通り各絞り羽根62のカム溝70に係合されている。
なお、押さえ板76には、図17、図19に示すように、カムピン74の逃げ溝7602が形成され、また、底壁78の光路用孔7802に対向する箇所に光路用孔7604が形成されている。
したがって、駆動軸6402の回転により、カムピン74、カム溝70を介して2枚の絞り羽根62が互いに逆向きに往復直線移動し、図20に示す開口63の全開状態と、図21に示す1/2開放状態と、不図示の1/4開放状態と、不図示の1/8開放状態と、図22に示す全閉状態がそれぞれ形成可能であり、これらの状態は駆動制御部68がステッピングモータ66を駆動制御することで形成される。
なお、移動機構64は駆動軸6402の回転により複数の絞り羽根62を移動させるものであればよく、このような移動機構64としては従来公知のさまざまな構造が採用可能である。
図5に示すように、駆動制御部68は制御部136の制御に基づいて動作するものである。
駆動制御部68は、駆動信号をステッピングモータ66に供給することにより、ステッピングモータ66を駆動して駆動軸6402を回転させるものである。
次に光量調整装置60の動作について説明する。
まず、ステッピングモータ66の動作について説明する。
図23はステッピングモータ66の原理図、図24は駆動信号のステータス(状態)を示す説明図である。
図23に示すように、ステッピングモータ66は、固定されたステータ6602と、駆動軸6402に取り付けられたロータ6604とを備えている。
そして、本例では、ステータ6602は8極の磁極を有し各磁極にはコイルが巻回されている。
各磁極のコイルは、それぞれ駆動軸6402を挟んで対向する位置の磁極のコイルと同じ相の駆動信号が供給される。
本例では、駆動信号が、A相、/A相、B相、/B相の4つあるものとして説明する。
ロータ6604はステータ6602と同様に8極の磁極を有している。
図24に示すように、A相、/A相、B相、/B相の4つの駆動信号は、それぞれ「H」、「L」の何れかに設定され、「H」の駆動信号が前記コイルに供給されることで、そのコイルが巻回されたステータ6602の磁極が励磁され、したがって、それら励磁されたステータ6602の磁極にロータ6604の磁極が吸引されるようになっている。
ここで、1相励磁とは、A相、/A相、B相、/B相の4つの駆動信号のうち、何れか1相の駆動信号のみが「H」となり、残りの3相の駆動信号が「L」となった場合の励磁状態をいう。
また、2相励磁とは、A相、/A相、B相、/B相の4つの駆動信号のうち、隣り合う2相の駆動信号が「H」となり、残りの2相の駆動信号が「L」となった場合の励磁状態をいう。
具体的には、次の4種類の状態がある。すなわち、A相とB相の駆動信号が「H」となり、残りの/A相と/B相の駆動信号が「L」となる。B相と/A相の駆動信号が「H」となり、残りのA相と/B相の駆動信号が「L」となる。/A相と/B相の2相の駆動信号が「H」となり、残りの/A相と/B相の駆動信号が「L」となる。/B相とA相の駆動信号が「H」となり、残りのB相と/A相の駆動信号が「L」となる。
また、1−2相励磁とは、上述した1相励磁と2相励磁とが交互になされるものをいう。
図23に示すように、1相励磁では、ロータ6604の1つの磁極が、ステータ6602の1つの磁極に吸引され、2相励磁では、ロータ6604の1つの磁極が、ステータ6602の2つの磁極に吸引される。
したがって、2相励磁では1相励磁に比較してロータ6604に作用する吸引力が大きくなることから、2相励磁の方がロータ6604の回転位置、すなわち、駆動軸6402の回転位置がより正確で安定した状態で得られることになる。
なお、ステッピングモータ66のステータ6602およびロータ6604の極数は8極に限定されるものではなく、例えば、10極でも、20極でもよく、極数は任意である。
また、ステッピングモータ66に供給される駆動信号はA相、/A相、B相、/B相の4相に限定されるものではなく、ステッピングモータの構造や形式に応じて決定されるものである。
また、図23では、ステッピングモータ66のステータおよびロータの磁極がそれぞれ駆動軸6402の軸方向と直交する単一の平面上で駆動軸6402の円周方向に並べて配列されている場合について説明した。
しかしながら、ステッピングモータの構造はこれに限定されるものではなく、ステータおよびロータの磁極が駆動軸の周方向に並べられると共に、各磁極が駆動軸の軸方向において2つに分離して設けられ、かつ、軸方向に分離された磁極同士で周方向の位置を1/2ピッチずつずらして配置されるような構造であってもよい。
すなわち、従来公知のさまざまなステッピングモータにおいて、励磁状態を1相励磁とした場合に比較して励磁状態を2相励磁とした方が、駆動軸の回転位置がより正確で安定した状態で得られるのである。
そこで、本実施の形態では、駆動制御部68は、ステッピングモータ66の励磁状態が常に2相励磁となるようにステッピングモータ66に駆動信号を供給するとともに、ステッピングモータ66の励磁状態が、開口63の全開状態、1/2開放状態、1/4開放状態、1/8開放状態、全閉状態でそれぞれ形成されるようにした。
図24で説明すると、4つの駆動信号の「H」と「L」の組み合わせ(ステータス)をPOS1〜POS13の13段階で示すと、ステッピングモータ66の励磁状態は、開口63の全開状態(POS2)、1/2開放状態(POS4)、1/4開放状態(POS6)、1/8開放状態(POS8)、全閉状態(POS10)でそれぞれ形成されるようにした。
そのため、図20に示す開口63の全開状態と、図21に示す1/2開放状態と、不図示の1/4開放状態と、不図示の1/8開放状態と、図22に示す全閉状態との何れの状態においても、ステッピングモータ66が2相励磁となっているため、駆動軸6402の回転位置がより正確で安定した状態で得られ、したがって、絞り羽根62の位置がより正確で安定した状態となり、開口63の開口面積を正確にかつ安定して得る上で有利となる。
なお、本実施の形態では、図24における制御信号の各ステータスのうち、POS3、POS5、POS7、POS9、POS11、POS12、POS13は未使用となっている。
一方、従来の光量調整装置では、ステッピングモータを1−2相励磁で使用していたため、開口の全開状態、1/2開放状態、1/4開放状態、1/8開放状態、全閉状態のうちの一部が1相励磁の状態で形成されている。
前述したように、1相励磁の状態では、絞り羽根62の位置を正確で安定した状態とする上で不利があり、開口63の開口面積を正確にかつ安定して得る上で不利があった。
これに対して本実施の形態の光量調整装置60では、絞り羽根62の位置がどの位置にあっても絞り羽根62の位置をより正確で安定した状態にできるため、従来に比較して格段に有利となっている。
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、光量調整装置60を絞りとして使用するとともに、シャッター装置として使用する場合に生じる不具合を解消したものである。
光量調整装置60をシャッター装置として使用する場合には、撮像素子128による撮像動作を行う際に、絞り羽根62を、全開状態、1/2開放状態、1/4開放状態、1/8開放状態の何れかの状態から全閉状態に高速に移動させる必要がある。
ところで、駆動軸6402の単位回転量に対する絞り羽根62の移動量は、全開状態から1/2開放状態に移行する場合が、開口63の面積を半分に変化させることから、最も長いものとなる。
したがって、開口63が全開状態から1/2開放状態に移行する範囲において、カムピン74の移動方向に対するカム溝70の延在方向がなす傾斜角度が最も大きくなる。
そのため、絞り羽根62の動き出しの負荷が高いため、ステッピングモータ66に掛かる負荷が最も重くなり、絞り羽根62を高速に移動させる上で不利が生じる。
そのため、絞り羽根62を、全開状態から全閉状態に高速に移動させるためには、大きなトルクを有する高価で消費電力が大きなステッピングモータ66を用いる必要が生じ、部品コストや消費電力の低減を図る上で不利が生じることが懸念される。
そこで、本実施の形態では次のような動作を行っている。
図26のフローチャートを参照して説明すると、駆動制御部68は、制御部136からシャッター動作を行う旨の指示を受け付けたか否かを監視している(ステップS10)。
シャッター動作の指示が有れば、開口63が(絞りが)全開状態であるか否かを判定する(ステップS12)。図24に示すように、開口63の状態は、その時点で駆動制御部68からステッピングモータ66に供給している4つの駆動信号のステータスによって判別することができる。
ステップS12で「N」、すなわち、1/2開放状態、1/4開放状態、1/8開放状態の何れかであれば、図24に示すように、全閉状態を形成するPOS10のステータスの駆動信号をステッピングモータ66に供給することで、シャッター動作を実行する(ステップS16)。
ステップS12で「Y」、すなわち、全開状態であれば、図24に示すように、POS1に示すステータスの駆動信号をステッピングモータ66に供給することで、絞り羽根62が、全開状態よりもさらに開いた拡開状態を形成するように、ステッピングモータ66の励磁状態を制御する(ステップS14)。
この拡開状態では、図25に示すように、2枚の絞り羽根62が第3鏡筒分割体1206の壁部80に当接してたわみ、2枚の絞り羽根62が開口63を閉じる方向に付勢されている。
前記拡開状態が形成されたならば、図24に示すように、全閉状態を形成するPOS10のステータスの駆動信号をステッピングモータ66に供給することで、シャッター動作を実行する(ステップS16)。
したがって、全開状態からシャッター動作を実行する場合には、絞り羽根62が開口63を閉じる方向に付勢されるので、付勢された絞り羽根62からカム溝70、カムピン74を介して駆動軸6402に該駆動軸6402が回転駆動される方向と同じ方向の力が付与される。
そのため、絞り羽根62の動き出しの負荷を低減することができ、駆動軸6402がより高速に回転され、絞り羽根62のシャッター動作の高速化を図る上で有利となる。
なお、第2の実施の形態では、駆動制御部136が全開状態よりもさらに開いた拡開状態を形成する励磁状態を形成することで、開口63の拡開状態で、2枚の絞り羽根62が鏡筒側に当接してたわみ、開口63を閉じる方向に付勢させるようにしたが、開口63の全開状態で、2枚の絞り羽根62が、鏡筒側に当接してたわみ、開口63を閉じる方向に付勢されるように構成しても、上述と同様の効果が奏されることは無論である。
また、本実施の形態では、絞り羽根62が2枚設けられ、それら2枚の絞り羽根62が往復直線移動する場合について説明したが、絞り羽根の枚数は3枚以上でもよく、複数の絞り羽根が揺動してもよく、絞り羽根の構成としては従来公知のさまざまな構造が採用可能である。
また、本実施の形態においては、撮像装置としてデジタルスチルカメラを例示したが、本発明はビデオカメラやテレビカメラなどさまざまな撮像装置に無論適用可能である。
本実施の形態の撮像装置100を前方から見た斜視図である。 本実施の形態の撮像装置100を後方から見た斜視図である。 本実施の形態の撮像装置100を下方から見た斜視図である。 メモリカード132およびバッテリー138の収容状態を説明する説明図である。 撮像装置100の制御系を示すブロック図である。 レンズ鏡筒10を斜め前方から見た斜視図である。 レンズ鏡筒10を斜め後方から見た斜視図である。 レンズ鏡筒10の一部の構成を示す分解斜視図である。 レンズ鏡筒10の残りの構成を示す分解斜視図である。 図6のXX線断面図である。 図6のYY線断面図である。 光量調整装置60の斜視図である。 光量調整装置60の上下を反転させた斜視図である。 図12のA矢視図である。 図12のB矢視図である。 図12のC矢視図である。 図12のD矢視図である。 光量調整装置60の分解斜視図である。 光量調整装置60の上下を反転させた分解斜視図である。 絞り羽根62の全開状態を示す説明図である。 絞り羽根62の中間の開放状態を示す説明図である。 絞り羽根62の全閉状態を示す説明図である。 ステッピングモータ66のステータスの説明図である。 ステッピングモータ66の励磁状態の原理を示す説明図である。 絞り羽根62の拡開状態を示す説明図である。 シャッター動作のフローチャートである。
符号の説明
10……レンズ鏡筒、60……光量調整装置、62……絞り羽根、63……開口、64……移動機構、6402……駆動軸、66……ステッピングモータ、68……駆動制御部、100……撮像装置。

Claims (6)

  1. 開口の大きさを調整する光量調整装置を備えたレンズ鏡筒であって、
    前記光量調整装置は、
    移動することで前記開口の大きさを変化させる複数の絞り羽根と、
    駆動軸の回転により前記複数の絞り羽根を移動させる移動機構と、
    前記駆動軸を回転させるステッピングモータと、
    前記ステッピングモータの励磁状態が常に2相励磁となるように前記ステッピングモータに駆動信号を供給する駆動制御部と、
    を備えることを特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 前記励磁状態は、前記開口の全開状態、1/2開放状態、1/4開放状態、1/8開放状態、全閉状態でそれぞれ形成される、
    ことを特徴とする請求項1記載のレンズ鏡筒。
  3. 前記移動機構は、
    前記複数の絞り羽根に形成されたカム溝と、
    前記駆動軸の回転により揺動するアームと、
    前記アームに突設され前記各絞り羽根の前記カム溝にそれぞれ係合する複数のカムピンとを含んで構成されている、
    ことを特徴とする請求項1記載のレンズ鏡筒。
  4. 前記レンズ鏡筒は、鏡筒を有し、
    前記移動機構は、
    前記複数の絞り羽根に形成されたカム溝と、
    前記駆動軸の回転により揺動するアームと、
    前記アームに突設され前記各絞り羽根の前記カム溝にそれぞれ係合する複数のカムピンとを含んで構成され、
    前記励磁状態は、前記開口の全開状態、1/2開放状態、1/4開放状態、1/8開放状態、全閉状態でそれぞれ形成され、
    前記開口の全開状態で、前記複数の絞り羽根は、前記鏡筒側に当接してたわみ前記開口を閉じる方向に付勢されている、
    ことを特徴とする請求項1記載のレンズ鏡筒。
  5. 前記レンズ鏡筒は、鏡筒を有し、
    前記移動機構は、
    前記複数の絞り羽根に形成されたカム溝と、
    前記駆動軸の回転により揺動するアームと、
    前記アームに突設され前記各絞り羽根の前記カム溝にそれぞれ係合する複数のカムピンとを含んで構成され、
    前記励磁状態は、前記開口の全開状態、1/2開放状態、1/4開放状態、1/8開放状態、全閉状態でそれぞれ形成され、
    前記駆動制御部は、前記開口を前記全開状態よりもさらに開いた拡開状態とする励磁状態を形成し、
    前記開口の拡開状態で、前記複数の絞り羽根は、前記鏡筒側に当接してたわみ前記開口を閉じる方向に付勢されている、
    ことを特徴とする請求項1記載のレンズ鏡筒。
  6. 開口の大きさを調整する光量調整装置を備えた撮像装置であって、
    前記光量調整装置は、
    移動することで前記開口の大きさを変化させる複数の絞り羽根と、
    駆動軸の回転により前記複数の絞り羽根を移動させる移動機構と、
    前記駆動軸を回転させるステッピングモータと、
    前記ステッピングモータの励磁状態が常に2相励磁となるように前記ステッピングモータに駆動信号を供給する駆動制御部と、
    を備えることを特徴とする撮像装置。
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