JP2008209313A - 歪計測方法等 - Google Patents
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Abstract
【課題】容易且つ安価に計測対象物の変位量を計測可能な歪検出方法等を提供する。
【解決手段】歪計測方法は、計測対象物2に対して予め規定される基準点A近傍に一端を配置し、他端を計測対象物2の一部に固定して取り付けられる測定尺5を設置する測定尺設置工程と、前記基準点Aの周辺における測定尺5の移動状態を検出する光学的計測装置10を設置する光学的計測装置設置工程と、光学的計測装置10によって検出された歪発生前後の前記測定尺5の移動状態に基づいて前記測定尺5の移動距離Sを算出するとともに、前記算出された測定尺5の移動距離Sと予め規定されている前記測定尺5の長さLに基づいて計測対象物2に生じる歪を算出する歪算出工程と、を具備する。
【選択図】図1
【解決手段】歪計測方法は、計測対象物2に対して予め規定される基準点A近傍に一端を配置し、他端を計測対象物2の一部に固定して取り付けられる測定尺5を設置する測定尺設置工程と、前記基準点Aの周辺における測定尺5の移動状態を検出する光学的計測装置10を設置する光学的計測装置設置工程と、光学的計測装置10によって検出された歪発生前後の前記測定尺5の移動状態に基づいて前記測定尺5の移動距離Sを算出するとともに、前記算出された測定尺5の移動距離Sと予め規定されている前記測定尺5の長さLに基づいて計測対象物2に生じる歪を算出する歪算出工程と、を具備する。
【選択図】図1
Description
本願は、コンクリート鋼構造物など計測対象物に発生する歪を計測する歪計測方法等であって、特に、デジタルカメラやレーザ式変位センサなどの光学的計測装置を用いて計測する光学的計測装置を用いた歪計測方法等に関する。
従来から建設や産業機械などの分野では、建設物や機械の部材など計測対象物の歪などの変位量を計測し、当該変位量に基づいて計測対象物に作用している応力状況を把握して、その計測対象物の健全性を評価することがある。
このような計測対象物に作用する応力を推定する方法として、計測対象物に歪ゲージを貼着して当該計測対象物に発生する歪を計測する方法や、計測対象物に測定箇所表面に光ファイバーを貼付し、当該光ファイバーの伸縮による歪に基づいて計測対象物の変形量を測定する装置が存在する(特許文献1)。
しかしながら、計測対象物に光ファイバーを取り付けて計測対象物の変形量を測定する場合には、当該光ファイバーの伸縮量を求めるための歪計測器などが必要となり、計測装置導入にかかるコストが高価にならざるを得ないばかりか、当該歪計測器などを設置するための手間などがかかる。
また、構造物の歪を検出し、当該構造物の健全性などを把握する社会的ニーズは高いにもかかわらず、従来の計測手法では、計測方法の困難さや計測装置導入にかかるコストが高価となるなど障害となっている。
また、歪計測は、一般的に50年〜100年という長期間で計測を行う必要があるため、センサーや計測装置の耐久性が問題となっている。
一方、デジタルカメラなどの画像撮像装置で計測対象物の変形量を撮像し、得られた画像から測定できれば、複雑なプログラムなどを導入する必要もなく、安価且つ容易に計測対象物の変化量を測定できるため便利である。
しかしながら、計測対象物の変化量をデジタルカメラなどの画像撮像装置で求めようとする場合、デジタルカメラでの撮影時の一画面の単方向の長さで分解できる最小距離を除算することで求めることが可能であるが、一般的に求めたい歪の単位は、10-6程度であり、例えば100万画素相当のデジタルカメラにより求まる最小単位は、10-3程度であるため、デジタルカメラによる撮影による歪測定方法では通常困難である。
本願は上記各問題点の解決を課題の一例として為されたもので、容易且つ安価に計測対象物の変位量を計測可能な光学的計測装置を用いた歪検出方法等を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の歪計測方法は、計測対象物(2)に対して予め規定される基準点(A)近傍に一端を配置し、他端を前記計測対象物の一部に固定して取り付けられる測定尺(5)を設置する測定尺設置工程と、前記基準点の周辺における測定尺の移動状態を検出する光学的計測装置(10、20)を設置する光学的計測装置設置工程と、前記光学的計測装置によって検出された歪発生前後の前記測定尺の移動状態に基づいて前記測定尺の移動距離(S)を算出するとともに、前記算出された測定尺の移動距離と予め規定されている前記測定尺の長さ(L)に基づいて前記計測対象物に生じる歪を算出する歪算出工程と、を具備することを特徴とする。
また、請求項7に記載の光学的計測装置を用いた歪計測方法は、計測対象物に対して離間して予め規定される2点の基準点(A1、A2)の周辺を撮像する光学的計測装置を設置する光学的計測装置設置工程と、前記光学的計測装置により撮像された歪発生前後の画像に基づいてそれぞれの前記基準点の移動距離(S1、S2)を算出するとともに、前記算出されたそれぞれの前記基準点の移動距離と予め規定されている前記2点の基準点間の距離(L1)に基づいて前記計測対象物に生じる歪を算出する歪算出工程と、を具備することを特徴とする。
また、請求項10に記載の光学的計測装置を用いた歪計測装置は、計測対象物に対して予め規定される基準点近傍に一端を配置し、他端を前記計測対象物の一部に固定して取り付けられる測定尺と、前記基準点の周辺における測定尺の移動状態を検出する光学的計測装置と、前記光学的計測装置によって検出された歪発生前後の前記測定尺の移動状態に基づいて前記測定尺の移動距離を算出するとともに、前記算出された測定尺の移動距離と予め規定されている前記測定尺の長さに基づいて前記計測対象物に生じる歪を算出する歪算出手段と、を具備することを特徴とする。
また、請求項11に記載の光学的計測装置を用いた歪計測装置は、計測対象物に対して離間して予め規定される2点の基準点の周辺を撮像する光学的計測装置と、前記光学的計測装置により撮像された歪発生前後の画像に基づいてそれぞれの前記基準点の移動距離を算出するとともに、前記算出されたそれぞれの前記基準点の移動距離と予め規定されている前記2点の基準点間の距離に基づいて前記計測対象物に生じる歪を算出する歪算出手段と、を具備することを特徴とする。
以下、本願の最良の実施形態について、図1乃至図4を用いて詳細に説明する。図1は本願の光学的計測装置を用いた歪計測方法の第1実施例を示す概略図、図2は本願の光学的計測装置を用いた歪計測方法の第2実施例を示す概略図、図3は本願の光学的計測装置を用いた歪計測方法の第3実施例を示す概略図、図4は本願の光学的計測装置を用いた歪計測方法の第4実施例を示す概略図である。
−第1実施例−
本実施例は、計測対象物2における計測対象位置の歪を鋼製の測定尺5と本願の光学的計測装置として機能する画像撮像装置10を用いて計測するものである。ここで、本実施例の計測対象物2は、例えば、既設のコンクリート鋼構造物であり、画像撮像装置10とは、一例として、所定の画像分解能及び撮像視野を有するデジタルカメラなどである。
本実施例は、計測対象物2における計測対象位置の歪を鋼製の測定尺5と本願の光学的計測装置として機能する画像撮像装置10を用いて計測するものである。ここで、本実施例の計測対象物2は、例えば、既設のコンクリート鋼構造物であり、画像撮像装置10とは、一例として、所定の画像分解能及び撮像視野を有するデジタルカメラなどである。
本実施例の画像撮像装置による歪計測方法は、図1に示すように、まず、計測対象物2に対する計測対象位置(以下、「基準点A」と称する。)を規定し、当該基準点Aに印を付ける。次いで、当該基準点A付近に一端が配置されるように帯状の測定尺5を設置する。測定尺5は、他端が固定部材6を介して計測対象物2に固定され、計測対象物2に沿って所定の隙間を有して配置される。次いで、当該基準点Aを含む周辺が画面上の視野W内に配置されるように、当該基準点Aの上方に画像撮像装置10を設置し、歪計測を行う上での準備を終了する。
なお、測定尺5は、予め歪が生じる方向を予測できる場合には、当該歪の生じる方向(例えば、計測対象物2の軸線方向)に沿って配置される。
計測対象物は、所定の期間経過後、変位し、図1に示すように、基準点AがB点へと移動する。以下の説明において、計測対象物の変位によって移動した点(B点)を移動点Bと称する。
そして、本実施例の歪計測方法は、画像撮像装置10により、基準点A付近における計測対象物2の変位前後の画像を撮像し、その画像に基づいて計測対象物2に生じる歪を計測するようになっている。
次に、本実施例の歪計測方法における歪算出方法について説明する。
画像撮像装置により撮像された画像によって、計測対象物の変位が確認された際には、当該変位前後の画像から、基準点Aと移動点B間の画素数が計数されて、基準点Aと移動点B間の距離Sが算出され、当該距離Sを以下の式(1)に当てはめることでひずみが算出され当該計測対象物2に発生する歪を計測可能となっている。
ここで、歪みをε、基準点をA、移動点をB、基準点A及び移動点Bの距離をS、測定尺の長さをLとすれば、初期状態(歪が生じていない状態)から歪測定時までに計測対象物2に生じる歪は、
ε=S/L 式(1)
となり、計測対象物2に生じる歪を容易に求めることが可能である。
ε=S/L 式(1)
となり、計測対象物2に生じる歪を容易に求めることが可能である。
しかしながら、例えば、画像撮像装置10により撮像可能な視野の長さWを0.1mm、画像撮像装置10の画素数を100万画素相当とすれば、この時に得られる画像撮像装置10の距離の分解能は、10-4(mm)となる。一般に求めたい歪の単位は10-6程度なので、測定尺5の長さLが100mmと仮定すれば、同様の測定方法で計測することにより、基準点Aと移動点B間の歪分解能は、以下の式(2)に当てはめると、
Δε=基準点に対する移動点の距離変化量(歪分解能)/L
=10-4(mm)/100(mm)=10-6 式(2)
となり、求めたい歪分解能を得ることが可能となる。
Δε=基準点に対する移動点の距離変化量(歪分解能)/L
=10-4(mm)/100(mm)=10-6 式(2)
となり、求めたい歪分解能を得ることが可能となる。
よって、画像撮像装置10の性能(視野能力(視野の一方向の長さW)や分解能(画素数)などに対して、大きなLを設定することにより、より小さな歪分解能を得ることが可能となる。
また、式(1)は、基準点Aと測定尺5の一端とが重なった状態での計算式を示すものであり、実際の歪計測時においてそのように測定尺5を配置することは困難であるため、実際には、基準点Aの近傍に測定尺5の一端が配置される。その場合において、歪を算出する際には、基準点Aと測定尺5の一端との距離を算出する必要が生じるが、当該基準点Aと測定尺5の一端との距離は、画像撮像装置10により撮像された画像の画素数を計数することにより算出される。また、歪は、当該算出された値を測定尺5の長さLに加算して算出されることとなる。
なお、測定尺5の設置位置に関して、予め歪の発生方向が予測できる場合には、視野Wの歪の発生方向とは異なる方向の端部側に基準点Aが表示されるように画像撮像装置10を設置するのが好ましい。このようにすれば、歪が予想よりも大きく発生した場合でも、移動点Bが画像撮像装置10の視野Wに収まるため測定可能となるからである。なお、予め歪の発生方向が予測できない場合には、画面の中心に基準点Aが表示されるように画像撮像装置10を設置することが好ましい。
また、当該計測対象物2に生じる歪の算出は、図示しないが、一般的にコンピュータと称される装置によって行われる。当該コンピュータは、主として演算機能を有するCPU(Central Processing Unit)、作業用RAM、及び各種データやプログラムを記憶するROMを備えて構成されている。当該CPUが、例えばROMに記憶された各種プログラムを実行することにより、計測対象物2に生じる歪が算出される。なお、本実施例のコンピュータは、本願の歪算出手段として機能する。
−第2実施例−
第1実施例では計測対象物2に対して一方向の歪を計測するようにしたが、第2実施例では、計測対象物2に対して複数の異なる方向の歪を計測するようにしている。このようにすれば、計測対象位置における最大主歪、最大せん断歪、及びその発生方向などの歪発生状況を算出することで計測対象位置の平面歪状況が把握できる。また、任意の方向の歪も計算で求まることから、予め歪が発生する方向が不明な時などに有効である。
第1実施例では計測対象物2に対して一方向の歪を計測するようにしたが、第2実施例では、計測対象物2に対して複数の異なる方向の歪を計測するようにしている。このようにすれば、計測対象位置における最大主歪、最大せん断歪、及びその発生方向などの歪発生状況を算出することで計測対象位置の平面歪状況が把握できる。また、任意の方向の歪も計算で求まることから、予め歪が発生する方向が不明な時などに有効である。
本実施例の画像撮像装置による歪計測方法は、図2に示すように、まず、計測対象物2に対する計測対象位置(以下、「基準点A」と称する。)を規定し、当該計測対象位置に印を付ける。次いで、当該基準点A上に一端が配置されるように帯状の測定尺5を設置する。測定尺5は、他端が固定部材6を介して計測対象物2に固定され、計測対象物2に沿って所定の隙間を有して配置される。当該測定尺5は、図2中一点鎖線に示すように、基準点Aに対して水平方向、鉛直方向、及び基準点Aから右上45度に延びる線の方向に沿って配置される。
次いで、当該基準点Aを含む周辺が画面上の視野W内に配置されるように、当該基準点Aの上方に画像撮像装置10を設置し、歪計測を行う上での準備を終了する。
なお、測定尺5は、図2中一点鎖線に示すように、基準点Aに対して水平方向、鉛直方向、及び基準点Aから左下45度に延びる線の方向に沿って配置するなど、少なくとも前記基準点A近傍に一端が配置され、且つ計測対象物の表面上の異なる3方向に配置されていれば良い。
このようにして、第1実施例と同様に、計測対象物2の変位前後の画像が撮像されるとともに、前記画像から歪が算出され、当該計測対象物2に発生する歪を計測可能になっている。
また、本実施例によれば、測定尺5が、少なくとも基準点Aを通過する計測対象物2の表面上の異なる3方向(例えば、縦、横、斜め方向)に配置されているので、複数の方向に発生する歪量を一ヶ所(基準点A付近)で計測することが可能となる。また、移動点における最大主歪、最大せん断歪、及びそれらの歪方向など歪の発生状態を求めることが可能となる。
−第3実施例−
第3実施形態は、円筒又は円柱状の計測対象物における周方向の歪量を計測するものである。
第3実施形態は、円筒又は円柱状の計測対象物における周方向の歪量を計測するものである。
本実施例の画像撮像装置による歪計測方法は、図3に示すように、まず、計測対象物2aの周方向表面において計測対象位置(以下、「基準点A」と称する。)を規定し、当該計測対象位置に印を付ける。次いで、当該基準点A上に一端が配置されるように帯状の測定尺5を計測対象物2の径方向周囲に巻き付けほぼ一周させて設置する。測定尺5は、他端が固定部材6を介して計測対象物2に固定され、計測対象物2に沿って所定の隙間を有して配置される。次いで、当該基準点Aを含む周辺が画面上の視野W内に配置されるように、当該基準点Aの上方に画像撮像装置10を設置し、歪計測を行う上での準備を終了する。
このようにして、第1及び第2実施例と同様に、計測対象物2の変位前後の画像が撮像されるとともに、前記画像から歪が算出され、当該計測対象物2に発生する歪を計測可能になっている。
なお、第1乃至第3実施例で説明したように、計測対象物2、2aに測定尺5、5aを固定して歪を計測する場合、計測対象物2、2aの温度膨張係数と同じ温度膨張係数の材料を用いた測定尺5、5aを用いることによって、温度環境が変化した際に生じる温度歪は両者とも同様に応答することとなり、計測した値から温度歪分を除外し、応力によって発生する歪のみを計測することが可能となる。
以上に説明したように、第1乃至第3実施例の歪計測方法によれば、計測対象物2に生じる歪を容易に求めることが可能となる。また、100万画素程度のデジタルカメラを用いて計測対象物2に生じる歪を求めることが可能となるので、歪を求める計測システムを容易に且つ安価に構築することが可能となる。
−第4実施例−
第1乃至第3実施例では、測定尺5、5aを用いたが、本実施例は、画像撮像装置10のみで計測対象物2の歪を計測するものである。
第1乃至第3実施例では、測定尺5、5aを用いたが、本実施例は、画像撮像装置10のみで計測対象物2の歪を計測するものである。
本実施例の画像撮像装置による歪計測方法は、図4に示すように、まず、計測対象物2に対する計測対象位置(以下、「基準点A1、A2」と称する。)を離間させて予め2点規定し、当該基準点A1、A2に印を付ける。次いで、それぞれの基準点A1、A2を含む周辺が画面上に配置されるようにデジタルカメラなどの画像撮像装置10を設置し、歪計測を行う上での準備を終了する。なお、画像撮像装置10は、好適には、画面の中心に当該基準点A1、A2がそれぞれ表示されるように設置される。また、基準点A1−A2間の距離L1は予め規定されているものとするが、画像撮像装置10によってA1及びA2を含むように撮像した後、当該撮像された画像の画素数を計数することによって当該距離L1を計測するようにしても構わない。
計測対象物は、所定の期間経過後、変位し、図4に示すように、基準点AがB点へと移動する。以下の説明において、計測対象物の変位によって移動した点(B1、B2)を移動点B1、B2と称する。
そして、本実施例の歪計測方法は、画像撮像装置10により、基準点A1、A2付近における計測対象物2の変位前後の画像を撮像し、その画像に基づいて計測対象物2に生じる歪を計測するようになっている。
次に、本実施例の歪計測方法における歪算出方法について説明する。
画像撮像装置10により撮像された画像によって、計測対象物の変位が確認された際には、当該変位前後の画像から、基準点A1、A2と移動点B1、B2間の画素数が計数されて、基準点A1と移動点B1間、及び基準点A2と移動点B2間の距離S1、S2が算出され、当該距離S1、S2を以下の式(3)に当てはめることで歪が算出され当該計測対象物2に発生する歪を計測可能となっている。
ここで、歪みをε、基準点A1と移動点B1の距離をS1、基準点A2と移動点B2の距離をS2、基準点間A1−A2の距離をL1とすれば、初期状態(歪が生じていない状態)から歪測定時までに計測対象物2に生じる歪は、
ε=(S1+S2)/L1 式(3)
となり、計測対象物2に生じる歪を容易に求めることが可能である。
ε=(S1+S2)/L1 式(3)
となり、計測対象物2に生じる歪を容易に求めることが可能である。
また、画像撮像装置の性能によっては、式(3)によって求めたい歪分解能が得られないため、第1実施例で示したように、求めたい歪分解能を得られるように基準点間A1−A2の距離L1を規定することにより、計測対象物に生じる歪を容易に求めることが可能となる。
また、当該計測対象物2に生じる歪の算出は、図示しないが、一般的にコンピュータと称される装置によって行われる。当該コンピュータは、主として演算機能を有するCPU(Central Processing Unit)、作業用RAM、及び各種データやプログラムを記憶するROMを備えて構成されている。当該CPUが、例えばROMに記憶された各種プログラムを実行することにより、計測対象物2に生じる歪が算出される。なお、本実施例のコンピュータは、本願の歪算出手段として機能する。
また、画像撮像装置を左右方向に駆動可能な駆動手段を備えている場合には(図示なし)、まず、予め規定される計測対象物2における第1の基準点A1を画面P1の中心に配置するように駆動手段を駆動することによって画像撮像装置を回転駆動させ、次いで、第二の基準点A2を画面P2の中心に配置するように駆動手段を駆動することによって画像撮像装置を回転駆動させることで容易に計測対象物2に生じる歪を求めることが可能となる。
この場合、画像装置によって、基準点間A1−A2の距離L1を測定することが可能であるが、駆動手段による駆動誤差が基本的に生じる可能性があることから、歪測定時には、基準点間A1−A2において、連続的に画像を撮影し、移動点間の画像を合成し、画像上の不連続個所を消去することによって、駆動誤差を減少させる。
このようにすれば、駆動誤差を生じ、基準点間A1−A2の距離L1が誤差を有する場合であっても、当該基準点間A1−A2の距離L1の誤差が適切に補正されるので、当該画像に基づいて適切な距離L1を求めることが可能であり、且つ、当該距離L1及び画像撮像装置10によって得られた画像によって算出される基準点A1と移動点B1間の距離S1及び基準点A2と移動点B2間の距離S2に基づいて、計測対象物2に生じる歪を容易に求めることが可能となる。
また、本実施例に第2実施例を適用して、計測対象物2における複数の異なる方向に対する歪を計測することにより、有限要素法などの応力(歪)解析手法を用いて、計測対象物における平面応力状態を解析することが可能となる。
以上に説明したように、第4実施例の歪計測方法によれば、計測対象物2に生じる歪を一般に利用されているデジタルカメラなどを用いて容易に求めることが可能となる。また、100万画素程度のデジタルカメラを用いて計測対象物2に生じる歪をデジタルカメラの画像のみから求める歪に比べてより高い分解能で歪を求めることが可能となるので、歪を求める計測システムを容易に且つ安価に構築することが可能となる。
なお、本実施例は一形態であって、この形態に限定されるものではない。例えば、計測対象物は、測定尺及び移動点の設置が可能なすべての対象物に適用することが可能である。また、画像撮像装置10としては、たとえば、所定の画像分解能及び撮像視野を有するマイクロスコープなどであっても構わない。さらに、測定尺5は、長さと温度膨張係数が既知で基準点を設定できる物であればどのようなものでも構わない。
−第5実施例−
次に、本願の歪計測方法及び装置の他の実施形態について図5及び図6を用いて説明する。図5は本願の歪計測方法等の第5実施例を示す概略図、図6は本願の歪計測方法等に用いられる変位センサの動作の一例を示す図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付するものとしその説明は省略する。
次に、本願の歪計測方法及び装置の他の実施形態について図5及び図6を用いて説明する。図5は本願の歪計測方法等の第5実施例を示す概略図、図6は本願の歪計測方法等に用いられる変位センサの動作の一例を示す図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付するものとしその説明は省略する。
第1乃至第4実施例は、画像撮像装置10により撮像された映像に基づいて歪を計測するのに対して、第5実施例は、本願の光学的計測装置として機能するレーザ式の変位センサ20を用いて歪を計測する点で異なるものである。
本実施例は、図5に示すように、計測対象物2における計測対象位置の歪を、鋼製の測定尺5と、レーザ式の変位センサ20と、を用いて計測するものである。ここで、本実施例の計測対象物2は、例えば、既設のコンクリート鋼構造物である。また、本実施例では変位センサとしてレーザ式のものを適用しているが、一般に変位センサとして知られている渦電流式、超音波式などの変位センサを用いても構わない。
また、レーザ式の変位センサ20は、例えば、図6に示すように、半導体レーザなどの発光素子21と、光位置検出素子22と、所定のレンズ群23と、制御部と、を含んで構成され、制御部の指示によって発光素子から21の光が所定のレンズ群23を介して集光され、対象物に照射されるとともに、当該対象物から反射された光線が所定のレンズ群23からなる受光レンズを通して光位置検出素子22に入射することで対象物までの距離を検出することができる。
本実施例の画像撮像装置による歪計測方法は、図5に示すように、まず、計測対象物2に対する計測対象位置(以下、「基準点A」と称する。)を規定し、当該基準点A上に一端が配置されるように帯状の測定尺5を設置する。測定尺5は、他端が固定部材6を介して計測対象物2に固定され、計測対象物2に沿って所定の隙間を有して配置される。次いで、当該基準点A上に所定の貫通孔25aを有する基体25を立設し、好ましくは前記貫通孔25aの内側に測定尺5の一端が臨むように配置される。次いで、当該測定尺5の他端側と対向してレーザの照射側が配置され、前記基体25の面(図上、左側面)に沿って自由に移動可能なレーザ式の変位センサ20を設置し、歪計測を行う上での準備を終了する。
計測対象物は、所定の期間経過後、変位し、図5に示すように、基準点AがB点へと移動する。以下の説明において、計測対象物の変位によって移動した点(B点)を移動点Bと称する。
そして、本実施例の歪計測方法は、当該レーザ式の変位センサ20を基体25の面に沿って測定尺5の端部周辺をスキャンすることで、測定尺5の端部周辺の移動状態を検出し、歪発生前後において検出された測定尺5の端部周辺の状態から測定尺の移動量(移動距離)を算出し、当該算出した移動量に基づいて計測対象物2に生じる歪を計測するようになっている。
次に、本実施例の歪計測方法における歪算出方法について説明する。
レーザ式の変位センサ20により検出された測定尺5の一端側周辺の歪発生前後の結果に基づいて、測定尺5の移動量を算出し、当該移動量を距離Sとして上記式(1)に当てはめることで歪が算出され当該計測対象物に発生する歪を計測可能となっている。
また、当該計測対象物2に生じる歪の算出は、図示しないが、一般的に上述したコンピュータと称される装置によって行われる。
なお、当該レーザ式の変位センサ20を第2及び第3の実施例に適用することによって、歪の発生方向が特定しにくい計測対象物の面における歪や、円柱状の計測対象物の膨張や伸縮に関する歪を計測することも可能となる。
また、レーザ式の変位センサ20は対象物(測定尺5など)との距離によって分解能は低くなるため、なるべく対象物に近づけて設置することが好ましい。これにより、測定尺の長さLを短くすることも可能となる。
また、本実施例では、変位センサを測定尺5の端面に対して歪が発生する方向に設けて、測定尺5の端面が前後方向に動く状態を検出するようにしたが、当該変位センサを最適な位置に設置できないような場合には、変位センサを、例えば、測定尺5の上方に設けて、測定尺5の端面が横方向に動く状態を検出するようにしても構わない。
これにより、変位センサが有する分解能が落ちるものの、計測対象物に発生する歪を計測することは可能である。
A、A1、A2 基準点
B、B1、B2 移動点
S、S1、S2 移動距離
L 測定尺の長さ
L1 基準点間の距離
2 計測対象物
5 測定尺
10 画像撮像装置
20 変位センサ
B、B1、B2 移動点
S、S1、S2 移動距離
L 測定尺の長さ
L1 基準点間の距離
2 計測対象物
5 測定尺
10 画像撮像装置
20 変位センサ
Claims (11)
- 計測対象物に対して予め規定される基準点近傍に一端を配置し、他端を前記計測対象物の一部に固定して取り付けられる測定尺を設置する測定尺設置工程と、
前記基準点の周辺における測定尺の移動状態を検出する光学的計測装置を設置する光学的計測装置設置工程と、
前記光学的計測装置によって検出された歪発生前後の前記測定尺の移動状態に基づいて前記測定尺の移動距離を算出するとともに、前記算出された測定尺の移動距離と予め規定されている前記測定尺の長さに基づいて前記計測対象物に生じる歪を算出する歪算出工程と、
を具備することを特徴とする歪計測方法。 - 前記光学的計測装置は、レーザ式の変位センサであることを特徴とする請求項1に記載の歪計測方法。
- 計測対象物に対して予め規定される基準点近傍に一端を配置し、他端を前記計測対象物の一部に固定して取り付けられる測定尺を設置する測定尺設置工程と、
前記基準点の周辺を撮像する光学的計測装置を設置する光学的計測装置設置工程と、
前記光学的計測装置によって撮像された歪発生前後の画像に基づいて前記基準点の移動距離を算出するとともに、前記算出された前記基準点の移動距離と予め規定されている前記測定尺の長さに基づいて前記計測対象物に生じる歪を算出する歪算出工程と、
を具備することを特徴とする歪計測方法。 - 前記測定尺の長さは、前記光学的計測装置が有する画像分解能及び撮像視野に従って規定されることを特徴とする請求項3に記載の歪計測方法。
- 前記計測対象物は、断面が円形状であり、
前記測定尺は、前記計測対象物の径方向周囲に配置されていることを特徴とする請求項1、又は3に記載の歪計測方法。 - 前記測定尺は、少なくとも前記基準点を通過する前記計測対象物の表面上の異なる3方向に配置されていることを特徴とする請求項1、又は3に記載の歪計測方法。
- 計測対象物に対して離間して予め規定される2点の基準点の周辺を撮像する光学的計測装置を設置する光学的計測装置設置工程と、
前記光学的計測装置により撮像された歪発生前後の画像に基づいてそれぞれの前記基準点の移動距離を算出するとともに、前記算出されたそれぞれの前記基準点の移動距離と予め規定されている前記2点の基準点間の距離に基づいて前記計測対象物に生じる歪を算出する歪算出工程と、
を具備することを特徴とする歪計測方法。 - 前記基準点間の距離は、前記光学的計測装置が有する画像分解能及び撮像視野に従って規定されることを特徴とする請求項7に記載の歪計測方法。
- 前記基準点間の距離は、前記光学的計測装置によって前記基準点間において連続して撮像された画像を合成し、当該画像上の不連続個所を消去することによって得られた画像から算出されることを特徴とする請求項7に記載の歪計測方法。
- 計測対象物に対して予め規定される基準点近傍に一端を配置し、他端を前記計測対象物の一部に固定して取り付けられる測定尺と、
前記基準点の周辺における測定尺の移動状態を検出する光学的計測装置と、
前記光学的計測装置によって検出された歪発生前後の前記測定尺の移動状態に基づいて前記測定尺の移動距離を算出するとともに、前記算出された測定尺の移動距離と予め規定されている前記測定尺の長さに基づいて前記計測対象物に生じる歪を算出する歪算出手段と、
を具備することを特徴とする歪計測装置。 - 計測対象物に対して離間して予め規定される2点の基準点の周辺を撮像する光学的計測装置と、
前記光学的計測装置により撮像された歪発生前後の画像に基づいてそれぞれの前記基準点の移動距離を算出するとともに、前記算出されたそれぞれの前記基準点の移動距離と予め規定されている前記2点の基準点間の距離に基づいて前記計測対象物に生じる歪を算出する歪算出手段と、
を具備することを特徴とする歪計測装置。
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