JP5013047B2 - 撮影画像による変位計測時の補正方法 - Google Patents
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Description
撮影領域内に変位が生じない基準領域を想定するとともに、この基準領域の或る点について、1回目の撮影位置での第1カメラ座標系(x−y−z)による第1撮影画像上での座標位置と、2回目の撮影位置での第2カメラ座標系(X−Y−Z)による第2撮影画像上での座標位置との関係を示す同次座標変換行列を有する下記(A)式にて示される第1座標変換式を求め、
この第1座標変換式を変形することにより、第1カメラ座標系における第1カメラ装置のレンズ位置(原点)から、撮影方向(z軸)にて所定距離(z′)だけ離れた被計測物体のカメラ装置の焦点距離(f)における第1撮影画像平面上での(fx/z′,fy/z′)座標位置と、同被計測物体の第2カメラ座標系における第2撮影画像平面上での(fX/Z,fY/Z)座標位置との関係を表わす未知係数を含む下記(B)式にて示される第2座標変換式を求め、
この第2座標変換式に、上記基準領域における上記未知係数の個数に等しい複数の点に対して第1および第2撮影画像平面上で求められた座標位置を代入して、当該第2座標変換式の未知係数を決定し、
この未知係数が決定された第2座標変換式に基づき、基準領域での或る点について両撮影画像平面上での座標位置の差をカメラ装置の移動による誤差分として求めるとともに、当該誤差分を2枚の撮影画像から求められた計測変位量から差し引く方法である。
以下、本発明の実施の形態に係る撮影画像による変位計測時の補正方法について説明する。
デジタル画像相関法においては、計算領域の変位量を輝度値分布の相関を用いて検出する。これは、物体表面の乱反射像は物体表面と共に移動し、変形の前後でその特徴が保存されるということに基づくもので、変形前後の画像における輝度値の相関は下記(1)式で求められる。
なお、以下の説明では、地球上に固定されたワールド座標系を(x−y−z)系で表わし、カメラに固定されたカメラ座標系を(X−Y−Z)系で表わすものとする。但し、1回目の撮影におけるカメラはワールド座標系に一致するものとし、x軸方向およびX軸方向はカメラの右方向、y軸方向およびY軸方向はカメラの上方向、z軸方向およびZ軸方向はカメラの撮影方向とする。また、2回目の撮影におけるワールド座標系に対するカメラ座標系の原点を(δx,δy,δz)とし、またワールド座標系におけるX軸、Y軸、Z軸の方向ベクトルをそれぞれ[(lx,ly,lz)(mx,my,mz)(nx,ny,nz)]とする。なお、図2に、1回目の撮影と2回目の撮影とにおけるカメラの位置関係を示しておく。
すなわち、構造物に適用してその変形量を計測する場合、構造物において、その撮影画像上、変形しない基準領域(変形しないと思われる領域または被計測物体の変形に対して無視できる程度しか変形しない領域も含まれる)に対して、少なくとも、2枚の撮影画像を得ることにより、上記各未知係数(A,B,・・・,I)を得ることができる(既知にすることができる)。
なお、上記の説明では、カメラの撮影画像平面のz(Z)軸上での位置を(−1)(つまり、カメラ装置のレンズの焦点距離fで除した位置)として説明したが、ここでは、請求項1に記載しているように、撮影画像平面をレンズの焦点位置(−f)にあるものとして説明する。
撮影領域内に変位が生じない基準領域を想定するとともに、この基準領域上における或る点について、1回目の撮影位置での第1カメラ座標系(x−y−z)による第1撮影画像上での座標位置と、第2撮影位置での第2カメラ座標系(X−Y−Z)による第2撮影画像上での座標位置との関係を示す同次座標変換行列を有する第1座標変換式を求め、
この第1座標変換式を変形することにより、第1カメラ座標系における第1カメラ装置のレンズ位置(原点)から、撮影方向(z軸)にて或る距離(z′)だけ離れた被計測物体のカメラ装置の焦点距離(f)における第1撮影画像平面上での(fx/z′,fy/z′)座標位置と、第2撮影画像平面上での(fX/Z,fY/Z)座標位置との関係を表わす未知係数を含む第2座標変換式を求め、
この第2座標変換式に、上記基準領域上の上記未知係数の個数に等しい複数の点に対して第1および第2撮影画像平面上で求められた座標位置を代入して、当該第2座標変換式の未知係数を決定し、
この未知係数が決定された第2座標変換式に基づき、基準領域での或る点について両撮影画像平面上での座標位置の差をカメラ装置の移動による誤差分とするとともに、当該誤差分を2枚の撮影画像から求められた計測値から差し引くようにした方法である。
勿論、本発明の要旨は、2枚の撮影画像から得られた構造物の変形量を求める際に、1回目と2回目の撮影時におけるカメラの移動による誤差分を補正する方法に着目して説明する。
通常、橋桁1の両端部は、川の土手に形成された例えばコンクリート製の基礎2(2A,2B)側に支持されており、カメラの移動による誤差分を補正する上で、撮影画像中の移動しない基礎部分(つまり、基準領域である)S(Sl,Sr)を用いることにする。
次に、求められた変形量に対して、カメラの移動による誤差分を差し引く。
この変位計測装置は、被計測物体をカメラ装置にて少なくとも2回撮影して得られる2枚の撮影画像に基づき、被計測物体における変位量を計測する際に、1回目のカメラ装置の撮影位置に対する2回目の撮影位置の移動に起因して、2枚目の撮影画像上に現れる誤差分を補正する機能を有するものである。
撮影領域内に変位が生じない基準領域における或る点について、1回目の撮影位置での第1カメラ座標系(x−y−z)による第1撮影画像上での座標位置と、第2撮影位置での第2カメラ座標系(X−Y−Z)による第2撮影画像上での座標位置との関係を示す同次座標変換行列を有する第1座標変換式の変形により得られるとともに、第1カメラ座標系における第1カメラ装置のレンズ位置(原点)から撮影方向(z軸)にて或る距離(z′)だけ離れた被計測物体のカメラ装置の焦点距離(f)における第1撮影画像平面上での(fx/z′,fy/z′)座標位置と第2撮影画像平面上での(fX/Z,fY/Z)座標位置との関係を表わす未知係数を含む第2座標変換式を具備し、且つ当該第2座標変換式に、上記基準領域上の上記未知係数の個数に等しい複数の点に対して第1および第2撮影画像平面上で求められた座標位置データを代入して当該第2座標変換式の未知係数を決定する座標変換式決定部と、
この座標変換式決定部で未知係数が決定された第2座標変換式に基づき、基準領域での或る点について両撮影画像平面上での座標位置の差をカメラ装置の移動による誤差分として求める誤差分演算部と、
この誤差分演算部にて求められた誤差分を入力するとともに当該誤差分を2枚の撮影画像から求められた計測値(計測変位値)から差し引く計測値補正部とを具備したものである。
また、被計測物体が橋梁の橋桁などである場合には、その変形量を計測することになるため、上述した変位計測装置は、その意味で変形計測装置ともいえる。
1 橋桁
2 基礎
Claims (1)
- 被計測物体をカメラ装置にて少なくとも2回撮影して得られる2枚の撮影画像に基づき、被計測物体における変位量を計測する際に、1回目のカメラ装置の撮影位置に対する2回目の撮影位置の移動に起因して、2枚目の撮影画像上に現れる誤差分を補正する方法であって、
撮影領域内に変位が生じない基準領域を想定するとともに、この基準領域の或る点について、1回目の撮影位置での第1カメラ座標系(x−y−z)による第1撮影画像上での座標位置と、2回目の撮影位置での第2カメラ座標系(X−Y−Z)による第2撮影画像上での座標位置との関係を示す同次座標変換行列を有する下記(A)式にて示される第1座標変換式を求め、
この第1座標変換式を変形することにより、第1カメラ座標系における第1カメラ装置のレンズ位置(原点)から、撮影方向(z軸)にて所定距離(z′)だけ離れた被計測物体のカメラ装置の焦点距離(f)における第1撮影画像平面上での(fx/z′,fy/z′)座標位置と、同被計測物体の第2カメラ座標系における第2撮影画像平面上での(fX/Z,fY/Z)座標位置との関係を表わす未知係数を含む下記(B)式にて示される第2座標変換式を求め、
この第2座標変換式に、上記基準領域における上記未知係数の個数に等しい複数の点に対して第1および第2撮影画像平面上で求められた座標位置を代入して、当該第2座標変換式の未知係数を決定し、
この未知係数が決定された第2座標変換式に基づき、基準領域での或る点について両撮影画像平面上での座標位置の差をカメラ装置の移動による誤差分として求めるとともに、当該誤差分を2枚の撮影画像から求められた計測変位量から差し引くことを特徴とする撮影画像による変位計測時の補正方法。
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