JP2008209079A - 熱供給システム - Google Patents

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Akira Maekawa
旭 前川
Hideya Nagao
英也 長尾
Hiroaki Tanaka
宏明 田中
Naoki Kono
直樹 河野
Masaru Fukuzawa
優 福沢
Nobuyoshi Kamiya
信義 神谷
Tetsunori Kuriyama
哲典 栗山
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Abstract

【課題】試運転後の各部の点検作業などを早期かつ適切に行なうことが可能な熱供給システムを提供する。
【解決手段】操作手段40において所定の操作が行なわれたときに、熱源機1および循環ポンプPを運転状態とし、熱源機1により加熱された熱媒を熱媒循環配管系3A〜3Cの全域または略全域において循環流通させる加熱熱媒循環動作を実行させる制御手段4を備えている熱供給システムHSであって、制御手段4は、前記加熱熱媒循環動作を実行させた後には、熱源機1の運転を停止させた状態で循環ポンプPを運転させることにより、前記熱媒を非加熱で熱媒循環配管系3A〜3Cの全域または略全域において循環流通させる放熱用の熱媒循環動作を実行させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、たとえば温水暖房システムなどの熱供給システムに関し、さらに詳しくは、システムの施工や改修工事後の試運転を好適に行なうことが可能な熱供給システムに関する。
たとえば、温水暖房システムは、熱源機に暖房端末が配管接続され、熱源機により加熱された温水が、循環ポンプの運転によって前記熱源機と暖房端末との間で循環流通するように構成されているのが一般的である。このような温水暖房システムを施工した際には、熱源機と暖房端末との間で温水を循環させるための配管系に水張りを行ない、試運転を行なう必要がある。
そこで、従来においては、熱源機に設けられている所定の操作スイッチが操作されると、配管系に水張りがなされてから、循環ポンプ、熱源機、および暖房端末が運転を開始し、前記配管系に温水が循環流通するようにされたものがある(たとえば、特許文献1を参照)。このような構成によれば、システムの施工や改修工事後の試運転が容易となる。また、その試運転時には、熱源機によって加熱された温水が配管系内を循環するために、非加熱の比較的低温の暖房水を流通させる場合と比べて、配管系内からのエア抜き量を多くすることも可能である。
しかしながら、従来においては、次に述べるように、未だ解決すべき問題点があった。
すなわち、温水暖房システムの試運転は、システムの各部が正常に動作するか否かを確認することを目的として行なわれる。このため、従来においては、配管系に温水を循環流通させてシステムの各部が正常に動作することが確認できると、その段階で熱源機や循環ポンプなどの運転を停止させ、試運転を終了させている。ところが、このように試運転を終了させた後においても、配管系内の暖房水は、その後も比較的長時間にわたって高温状態にある。これに伴い、暖房端末の内部や配管系の付属機器も高温状態に維持される。したがって、試運転後において、たとえばメンテナンス業者が暖房端末の内部や付属機器などを点検しようとしても、これらの部分が高温であることに起因して手を触れることができず、苦慮する場合がある。また、試運転後には、自然冷却によって温水の温度が徐々に低下していき、高温で膨張状態にあった温水の体積も徐々に減少していく。このような現象が生じると、たとえば注水用のリザーブタンクから温水循環配管系内に注水が行なわれることとなるが、その注水は非常に遅いペースでなされ、リザーブタンクの水位が長時間をかけて降下することとなる。これでは、リザーブタンクの暖房水の水位が適正であるか否かの判断を早期に行なうことができず、システムが正常であるか否かの確認作業に長時間を要することとなる。
特許第2927312号公報
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであって、試運転後の各部の点検作業などを早期かつ適切に行なうことが可能な熱供給システムを提供することを、その課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明に係る熱供給システムは、熱源機に1または複数の放熱端末が配管接続され、かつ循環ポンプの運転によって前記熱源機と前記放熱端末との間で熱媒の循環流通が可能とされた1または複数の熱媒循環配管系と、操作手段において所定の操作が行なわれたときに、前記熱源機および前記循環ポンプを運転状態とし、前記熱源機により加熱された熱媒を前記熱媒循環配管系の全域または略全域において循環流通させる加熱熱媒循環動作を実行させる制御手段と、を備えている、熱供給システムであって、前記制御手段は、前記加熱熱媒循環動作を実行させた後には、前記熱源機の運転を停止させた状態で前記循環ポンプを運転させることにより、前記熱媒を非加熱で前記熱媒循環配管系の全域または略全域において循環流通させる放熱用の熱媒循環動作を実行させるように構成されていることを特徴としている。
なお、本発明でいう「熱源機の運転状態」とは、熱源機が熱媒を加熱している状態の意であり、たとえば熱源機が熱媒加熱手段としてバーナを備えている場合には、このバーナが燃焼駆動している状態を指す。熱源機に循環ポンプやその他の付属機器が設けられている場合において、これらの付属機器のみが駆動している状態は「熱源機の運転状態」には該当しない。
本発明の前記した構成によれば、システムの試運転を行なう場合に、加熱熱媒循環動作の後に、放熱用の熱媒循環動作を実行させることが可能となり、加熱熱媒循環動作時において高温状態にあった熱媒の温度を、放熱用の熱媒循環動作によって早期に低下させることができる。したがって、放熱端末や熱媒循環配管系の付属機器の温度についても早期に低下させることが可能となる。その結果、試運転後に、放熱端末や付属機器が高温であることに起因してこれらの再点検に苦慮するといった従来技術の問題点が適切に解消される。また、熱媒の冷却が早期に行なわれるために、たとえば熱媒の冷却に伴ってリザーブタンク内の熱媒が熱媒循環配管系に流入するシステム構成とされている場合に、熱媒循環配管系への熱媒の流入が早期に行なわれることとなって、リザーブタンク内に確保されている熱媒の量が適正であるか否かなどの判断も早期に行なうことができる。このようなことから、システムが正常であるか否かの確認作業も迅速に終えることができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記制御手段は、前記加熱熱媒循環動作の実行中に、前記操作手段において所定の操作が行なわれたときには、前記加熱熱媒循環動作を終了させ、かつこれに引き続いて前記放熱用の熱媒循環動作を開始させるように構成されている。
ここで、前記「所定の操作」は、加熱熱媒循環動作を実行させるための所定の操作と同一の操作、および相違する操作のいずれであってもよい。これは、本発明について後述する他の構成についても同様である。
前記した構成によれば、加熱熱媒循環動作の実行中に所定の操作を行なうと、その動作が放熱用の熱媒循環動作に切り替わることとなり、その切り替えが容易である。また、加熱熱媒循環動作から放熱用の熱媒循環動作への切り替えタイミングは、システム施工業者などが任意に決定することが可能であり、融通性に優れる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記制御手段は、計時手段を備えており、前記加熱熱媒循環動作が所定時間実行されたときには、その動作を終了させ、かつこれに引き続いて前記放熱用の熱媒循環動作を開始させるように構成されている。
このような構成によれば、加熱熱媒循環動作から放熱用の熱媒循環動作への移行は、制御手段の制御により行なわれるために、システム施工業者などの作業負担を少なくできる。また、加熱熱媒循環動作が必要以上の長時間にわたって実行されることも好適に防止される。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記加熱熱媒循環動作および前記放熱用の熱媒循環動作の実行時にそれらの動作内容を区別して表示可能な表示手段を備えており、前記制御手段は、前記放熱用の熱媒循環動作時に前記操作手段において所定の操作が行なわれたときには、前記放熱用の熱媒循環動作を終了させる制御を実行するように構成されている。
このような構成によれば、システム施工業者などは表示手段による表示を参照し、放熱用の熱媒循環動作が実行されている旨を確認した上で、所定の操作を行なうことにより、放熱用の熱媒循環動作を所望の適切な時期に終了させることができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記制御手段は、前記放熱用の熱媒循環動作が所定時間実行されたとき、または前記熱媒の温度が所定温度まで低下したときには、前記放熱用の熱媒循環動作を終了させる制御を実行するように構成されている。
このような構成によれば、放熱用の熱媒循環動作が必要以上の長時間にわたって無駄に実行されることが好適に防止される。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記加熱熱媒循環動作および前記放熱用の熱媒循環動作は、複数回繰り返して実行可能な構成とされている。
このような構成によれば、熱媒循環配管系を循環する熱媒の加熱と放熱とを複数回にわたって繰り返すことにより、熱媒の膨張および収縮についても複数回にわたって繰り返させることが可能となる。したがって、熱供給システムが熱媒の膨張および収縮に伴って熱媒循環配管系内のエア排出および熱媒注入が行なわれるように構成されている場合、熱媒循環配管系からのエア抜き量を多くする効果が得られる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記放熱端末としては、熱媒の放熱を促進可能なファンを備えたものがあり、前記放熱用の熱媒循環動作の実行時に、前記ファンが駆動されるように構成されている。より好ましくは、前記放熱用の熱媒循環動作時には、前記ファンはその最大許容回転数で回転される。
このような構成によれば、放熱端末のファンの駆動により熱媒の冷却促進を図ることができ、放熱用の熱媒循環動作時において熱媒温度を迅速に低下させるのに好ましい。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明が適用された熱供給システムの一実施形態を示している。本実施形態の熱供給システムHSは、温水暖房システムとして構成されており、バーナ10を有する熱源機1、複数の暖房用の放熱端末2A〜2C、これら放熱端末2A〜2Cと熱源機1との間で温水の循環流通を可能とする複数の温水循環配管系3A〜3C、および熱源機1に付属して設けられた制御部4を備えている。温水循環配管系3A〜3Cは、本発明でいう熱媒循環配管系の一例に相当する。放熱端末2A〜2Cの具体例を挙げると、これらはそれぞれ、床暖房用マット、熱交換器29aおよびファン29bを有する浴室暖房・乾燥機、および放熱フィン(図示略)を有する温水パネルヒータである。
熱源機1は、暖房水タンク11、循環ポンプP、および熱交換器12を備え、かつこれらの間で暖房水を循環流通可能とされた内部配管部50を備えている。循環ポンプPが駆動して、暖房水が熱交換器12に供給されると、この暖房水をバーナ10により加熱可能である。循環ポンプPは、熱源機1の外部に設けることもできる。暖房水タンク11は、たとえは半密閉式であり、リザーブタンク11aに一対の管体11bを介して接続されており、暖房水タンク11内の暖房水水位が所定レベル以下になった場合や、暖房水タンク11内が減圧状態になると、リザーブタンク11aから暖房水タンク11内に暖房水が補給されるようになっている。また、暖房水タンク11からオーバフローした暖房水はリザーブタンク11aに流入する。温水循環配管系3A〜3Cからエア抜きが行なわれる場合、そのエア排出はこの暖房水タンク11から行なわれる。
温水循環配管系3Aは、放熱端末2Aと熱源機1の内部配管部50とが往き管30aおよび戻り管31aを介して接続されることにより構成されており、往き管30aには開閉弁としての熱動弁32aが設けられている。本実施形態では、熱動弁32aが熱源機1の内部に組み込まれているが、熱動弁32aを熱源機1の外部に設けてもよい。温水循環配管系3Aにおいては、バーナ10を駆動し、かつ熱動弁32aを開いた状態で循環ポンプPを駆動させると、熱交換器12を通過して加熱された温水が暖房水タンク11に戻されるとともに、放熱端末2Aから戻り管31aを通過してきた放熱後の温水が暖房水タンク11に戻されてこれらが混合される。そして、この混合された温水が往き管30aを介して放熱端末2Aに送られる。
温水循環配管系3B,3Cは、放熱端末2B,2Cと熱源機1の内部配管部50とが往き管30b,30cおよび戻り管31b,31cを介して接続されて構成されている。図面においては、往き管30bおよび戻り管31bの一部が、往き管30cおよび戻り管31cの一部を兼ねており、また戻り管31aの一部が戻り管31b,31cの一部を兼ねているが、これとは異なり、これらの管の全てを独立させた構造とすることもできる。放熱端末2B,2Cには、開閉弁としての熱動弁32b,32cが設けられている。温水循環配管系3B,3Cにおいては、バーナ10を駆動し、かつ熱動弁32bまたは32cを開いた状態で循環ポンプPを駆動させると、熱交換器12を通過して加熱された温水が往き管30bまたは30cを介して放熱端末2Bまたは2Cに供給された後に、戻り管31bまたは31cを通過して暖房水タンク11に戻され、これが熱交換器12に再供給される。
制御部4は、たとえばマイクロコンピュータを用いて構成されており、操作部40を備えている。この制御部4は、台所などの所望箇所に設置されたリモコン6、および放熱端末2A〜2Cに付属して設けられた端末用コントーラ20a〜20cとの間で双方向通信可能であり、この通信により受信したデータ、メモリに予め記憶されたプログラム、および操作部40の操作などに基づいて、熱源機1内の各部の動作制御や放熱端末2A〜2Cへのデータ送信などの種々の処理を実行可能である。操作部40には、全端末運転スイッチやその他のスイッチ(図示略)が設けられている。制御部4は、前記全端末運転スイッチが操作されたときには、放熱端末2A〜2Cなどを一斉に運転させる所定の動作制御を実行するように構成されているが、その具体的な内容については後述する。
次に、熱供給システムHSの作用、および制御部4の動作処理手順の一例について、図2に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
まず、熱供給システムHSを施工し、温水循環配管系3A〜3Cに水張りを行なった後に、施工業者がこの熱供給システムHSの試運転を行なう場合には、操作部40の全端末運転スイッチを操作する。すると、制御部4は、加熱熱媒循環動作を実行させる(S1:YES,S2)。この加熱熱媒循環動作は、放熱端末2A〜2Cの全てに対して運転オンの指令信号を送出する制御、熱動弁32a〜32cの全てを開状態とする制御、および熱源機1のバーナ10および循環ポンプPを運転オンとする制御を行なうことにより実行される。この加熱熱媒循環動作においては、バーナ10により加熱された暖房水(温水)が温水循環配管系3A〜3Cの全域において循環流通する。暖房水は熱膨張するために、温水循環配管系3A〜3C内からのエア抜きを効果的に行なうことが可能である。
なお、図面には示されていないが、制御部4には、文字その他の表示が可能な表示画面、あるいは表示ランプなとの表示部が設けられており、加熱熱媒循環動作の実行中においては、その旨が前記表示部において表示される。もちろん、制御部4に代えて、または加えて、リモコン6の表示部や放熱端末2A〜2Cに前記の旨の表示を行なわせるようにしてもかまわない。
次いで、全端末運転スイッチが再度操作されると、制御部4は、加熱熱媒循環動作を終了させるとともに、これに引き続いて、放熱用の熱媒循環動作を実行させる(S3:YES,S4)。この放熱用の熱媒循環動作は、バーナ10の運転をオフとすることにより実行される。放熱端末2A〜2Cや循環ポンプPが運転オン状態にある点や、熱動弁32a〜32cの全てが開状態にある点は、先の加熱熱媒循環動作時と同様である。この放熱用の熱媒循環動作時には、温水が非加熱状態で温水循環配管系3A〜3Cの全域を循環する。この循環により前記温水からの放熱が効率良く行なわれ、前記温水の温度低下を促進することができる。この放熱用の熱媒循環動作時には、制御部4の前記した表示部に、その旨が表示される。また、好ましくは、この放熱用の熱媒循環動作時においては、たとえば放熱端末2Bのファン29bの回転数をその最大許容回転数またはこれに近い回転数とされる。このことにより、温水が放熱端末2Bを通過する際の放熱量を多くし、温水の温度低下がより迅速化される。さらに好ましくは、熱動弁32a〜32cが所定周期における開時間と閉時間のデューティ比を制御するものにあっては、放熱用の熱媒循環動作時において、その開時間を最大とするか、あるいは常時開状態とされる。このようにすると、温水循環配管系3A〜3Cの温水循環量を多くすることができる。
前記した放熱用の熱媒循環動作が実行されている状態において、全端末運転スイッチが操作されると、制御部4は、その時点で前記放熱用の熱媒循環動作を終了させる制御を実行する(S5:YES,S6)。この制御は、具体的には、放熱端末2A〜2Cの全てに対して運転オフの指令信号を送出する制御、熱動弁32a〜32cの全てを閉状態とする制御、および熱源機1の循環ポンプPを運転オフとする制御である。
前記した一連の動作手順によれば、放熱用の熱媒循環動作を終えた段階では、暖房水の温度、ひいては放熱端末2A〜2Cの内部や温水循環配管系3A〜3Cに付属するリザーブタンク11aなどの機器の温度も低いものとなっている。したがって、前記したようなシステムの試運転後において、施工業者がたとえば放熱端末2A〜2Cの内部やリザーブタンク11aなどの機器(たとえばラジエータキャップ)に手を触れてそれらの再点検などを行なう場合に、それらが高温であることを理由としてその作業に苦慮するといった不具合は適切に回避される。また、放熱用の熱媒循環動作を終えた段階では、熱膨張状態にあった暖房水が十分に収縮し、リザーブタンク11aから暖房水タンク11への暖房水の注入が殆ど完了した状態となる。したがって、リザーブタンク11a内の暖房水量が適量以上に確保されているか否かの確認作業も即座に行なえることとなる。
なお、暖房水タンク11が半密閉式ではなく、開放式とされている場合には(リザーブタンク11aや配管11bに相当する部分が存在せず、暖房水タンクが大気開放状態にある場合)、暖房水タンク1に水位確認窓が設けられているのが通例であるが、この場合においても、前記同様に、水位確認を早期に行なうことができる。暖房水タンクが密閉式とされている場合には、水位確認は行なわれないものの、温水循環配管系に圧力計が取り付けられて、暖房水が冷却した後の圧力を確認するようにされるが、前記したようなシステム構成によれば、このような圧力の確認作業も早期に行なえることとなる。本発明においては、温水循環配管系(熱媒循環配管系)あるいは暖房水タンクが密閉式、半密閉式、および開放式のいずれであってもよい。
この熱供給システムHSにおいては、図2には記載されていないが、放熱用の熱媒循環動作が終了した後に、全端末運転スイッチをさらに操作することによって、加熱熱媒循環動作および放熱用の熱媒循環動作を再度繰り返して実行させることが可能である。このように、前記した一連の運転を複数回にわたって繰り返して実行させると、暖房水の熱膨張に基づく温水循環配管系3A〜3Cからのエア排出と、暖房水の熱収縮に基づくリザーブタンク11aから温水循環配管系3A〜3Cへの暖房水の流入とを複数回行なわせることができ、温水循環配管系3A〜3Cからのエア抜き量を多くするのにより好適となる。
図3および図4は、制御部4の動作手順の他の例を示している。
図3に示す動作手順においては、全端末運転スイッチが操作されて、制御部4が加熱熱媒循環動作を実行させた場合に、全端末運転スイッチが再操作されることなく、所定時間が経過すると、その後に放熱用の熱媒循環動作が実行される(S11:YES,S12,S13:YES,S14)。次いで、この放熱用の熱媒循環動作が実行された場合において、全端末運転スイッチが再操作されることなく、所定時間が経過すると、制御部4は、加熱熱媒循環動作を再度再実行させて、前記した一連の動作手順を繰り返す(S14,S15:YES,S12)。したがって、システムの試運転に際して、最初に全端末運転スイッチを1回操作するだけで、加熱熱媒循環動作と放熱用の熱媒循環動作とを複数回にわたって繰り返し実行させて、温水循環配管系3A〜3Cからのエア抜き量を多くすることが可能となり、便利となる。なお、ステップS13,S15の両ステップにおける所定時間の長さは、同一、非同一のいずれでもよい。
一方、前記とは異なり、加熱熱媒循環動作の実行中において、所定時間が経過する前に全端末運転スイッチが操作された場合には、その時点で放熱用の熱媒循環動作に切り替えられる(S13:NO,S16,YES,S14)。したがって、試運転の実際の情況を考慮して、加熱熱媒循環動作の実行時間を前記所定時間よりも短い時間で終了させることができ、融通性に優れる。
また、放熱用の熱媒循環動作の実行中において、所定時間が経過する前に全端末運転スイッチが操作された場合には、その時点で放熱用の熱媒循環動作を停止する制御が実行される(S15:NO,S17,YES,S18)。したがって、加熱熱媒循環動作および放熱用の熱媒循環動作を所望回数だけ繰り返させてから、所望のタイミングで試運転を終了させることができる。また、システムの試運転が加熱熱媒循環動作で終了することはなく、常に放熱用の熱媒循環動作で終了させることもできる。さらに、放熱用の熱媒循環動作についても、試運転の実際の情況を考慮して、前記所定時間よりも短い時間で早期に終了させることが可能である。
図4に示す動作手順においては、ステップS15において所定時間が経過した後には、放熱用の熱媒循環動作が停止されるように制御されており(S15:YES,S18)、この点が図3に示す動作手順とは相違している。これ以外の各ステップは同様であり、図3と同一のステップには、同一の符号を付している。
図4に示す動作手順では、放熱用の熱媒循環動作の実行中に全端末運転スイッチを操作しなくても、所定時間が経過した時点でその動作を終了させることができる。したがって、施工業者のミスなどに起因して、放熱用の熱媒循環動作が不必要に長時間実行されることが防止される。
なお、フローチャートには示されていないが、本発明において、放熱用の熱媒循環動作を終了させるための条件としては、全端末運転スイッチなどの所定のスイッチの操作がなされることや、所定時間が経過したことに代えて、または加えて、暖房水温度が所定温度まで低下したことを条件としてもよい。暖房水温度は、たとえば図1に示すように、温度センサTSを熱交換器12の出口部近傍、あるいは温水循環配管系3A〜3Cの他の適当な箇所に1または複数箇所設けることにより、制御部4によって検出可能とすることができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されない。本発明に係る熱供給システムの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
たとえば、熱源機に配管接続される放熱端末は1つでもよく、このようなシステム構成の場合にも、本発明を適用することができる。放熱端末としては、暖房用に限らず、それ以外の用途、たとえば融雪などに利用されるものとすることもできる。温水暖房システムにおいては、熱媒として、水道水または不凍液が好適に用いられるが、本発明においては熱媒としてそれら以外の液体を用いることも可能である。本発明でいう熱源機は、要は、熱媒を加熱可能であればよく、その加熱方式は問わない。もちろん、一般給湯機能、風呂落とし込み機能、追い焚き機能などを兼備したものとして構成することもできる。
加熱熱媒循環動作を開始させるための操作手段は、必ずしも制御部4に付属したものでなくてもよい。たとえば、リモコン6に設けられた操作スイッチ、あるいは制御部4やリモコン6とは別に準備され、かつこれらとの間で通信可能とされる通信端末(パソコンも含む)に設けられた操作スイッチなどであってもよい。
加熱熱媒循環動作は、所定の操作が行なわれることを契機として、その操作後に開始されればよい。たとえば、所定の操作が行なわれた後に、熱媒循環配管系への熱媒充填作業(注水作業など)が実行され、その後に加熱熱媒循環動作が実行されるようにしてもよい。
本発明に係る熱供給システムの一例を模式的に示す説明図である。 図1に示す熱供給システムの制御部の制御動作手順の一例を示すフローチャートである。 図1に示す熱供給システムの制御部の制御動作手順の他の例を示すフローチャートである。 図1に示す熱供給システムの制御部の制御動作手順の他の例を示すフローチャートである。
符号の説明
HS 熱供給システム
P 循環ポンプ
1 熱源機
2A〜2C 放熱端末
3A〜3C 温水循環配管系(熱媒循環配管系)
4 制御部(制御手段)
10 バーナ
40 操作部

Claims (7)

  1. 熱源機に1または複数の放熱端末が配管接続され、かつ循環ポンプの運転によって前記熱源機と前記放熱端末との間で熱媒の循環流通が可能とされた1または複数の熱媒循環配管系と、
    操作手段において所定の操作が行なわれたときに、前記熱源機および前記循環ポンプを運転状態とし、前記熱源機により加熱された熱媒を前記熱媒循環配管系の全域または略全域において循環流通させる加熱熱媒循環動作を実行させる制御手段と、
    を備えている、熱供給システムであって、
    前記制御手段は、前記加熱熱媒循環動作を実行させた後には、前記熱源機の運転を停止させた状態で前記循環ポンプを運転させることにより、前記熱媒を非加熱で前記熱媒循環配管系の全域または略全域において循環流通させる放熱用の熱媒循環動作を実行させるように構成されていることを特徴とする、熱供給システム。
  2. 前記制御手段は、前記加熱熱媒循環動作の実行中に、前記操作手段において所定の操作が行なわれたときには、前記加熱熱媒循環動作を終了させ、かつこれに引き続いて前記放熱用の熱媒循環動作を開始させるように構成されている、請求項1に記載の熱供給システム。
  3. 前記制御手段は、計時手段を備えており、前記加熱熱媒循環動作が所定時間実行されたときには、その動作を終了させ、かつこれに引き続いて前記放熱用の熱媒循環動作を開始させるように構成されている、請求項1に記載の熱供給システム。
  4. 前記加熱熱媒循環動作および前記放熱用の熱媒循環動作の実行時にそれらの動作内容を区別して表示可能な表示手段を備えており、
    前記制御手段は、前記放熱用の熱媒循環動作時に前記操作手段において所定の操作が行なわれたときには、前記放熱用の熱媒循環動作を終了させる制御を実行するように構成されている、請求項1ないし3のいずれかに記載の熱供給システム。
  5. 前記制御手段は、前記放熱用の熱媒循環動作が所定時間実行されたとき、または前記熱媒の温度が所定温度まで低下したときには、前記放熱用の熱媒循環動作を終了させる制御を実行するように構成されている、請求項1ないし4のいずれかに記載の熱供給システム。
  6. 前記加熱熱媒循環動作および前記放熱用の熱媒循環動作は、複数回繰り返して実行可能な構成とされている、請求項1ないし5のいずれかに記載の熱供給システム。
  7. 前記放熱端末としては、熱媒の放熱を促進可能なファンを備えたものがあり、
    前記放熱用の熱媒循環動作の実行時に、前記ファンが駆動されるように構成されている、請求項1ないし6のいずれかに記載の熱供給システム。
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JPH1137480A (ja) * 1997-07-18 1999-02-12 Rinnai Corp 温水式暖房装置の試運転方法及び試運転装置
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