JP2008208743A - 内燃機関のシリンダブロックのウォータジャケット用スペーサ、及び同ウォータジャケット用スペーサのシリンダブロックへの装着方法 - Google Patents

内燃機関のシリンダブロックのウォータジャケット用スペーサ、及び同ウォータジャケット用スペーサのシリンダブロックへの装着方法 Download PDF

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Takasuke Shikita
卓祐 敷田
Shuichi Hanai
修一 花井
Tatsu Hamaguchi
竜 濱口
Makoto Hatano
真 羽田野
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Abstract

【課題】シリンダブロックへ装着する際の作業性を向上させつつ、同シリンダブロックに装着した際にシリンダの冷却を好適に抑制することのできるウォータジャケット用スペーサ及び同スペーサのシリンダブロックの装着方法を提供する。
【解決手段】ウォータジャケット12内に配設されるスペーサ20では、分割体21,22を互いに近接させて配置したときにこれら分割体21,22の内周によって形成される領域の寸法がシリンダ外周面10aの寸法よりも小さくなる。そして、このスペーサ20では特に、離間部材30によって、シリンダ外周面10aの形状に対応させて配置された分割体21,22の内周によって形成される領域の寸法がシリンダ外周面10aの寸法よりも大きくなるよう分割体21,22同士が離間させられるとともに、同離間部材30がウォータジャケット12内を流れる機関冷却水に溶解する。
【選択図】図8

Description

本発明は、内燃機関のシリンダブロックに形成されたウォータジャケット内に配設されるウォータジャケット用スペーサ、及び同スペーサのシリンダブロックへの装着方法に関する。
周知のように、内燃機関のシリンダブロックには、シリンダの外周を囲むようにウォータジャケットが形成されており、このウォータジャケット内に冷却水を循環させることによって、それらシリンダの冷却を図るようにしている。また、シリンダブロックでは通常、シリンダの上部に位置する燃焼室近傍において高温となり、燃焼室から遠い下部において比較的低温となる温度勾配が生じる。そこで、従来から、上記ウォータジャケットの性状を適宜変更するなどにより、シリンダの各部位の温度勾配の是正を図ることが検討されている。例えば、ウォータジャケットの下部側に同ウォータジャケットの流路幅を狭くするためのスペーサを配設するようにしたシリンダブロックでは、同ウォータジャケットの下部側で冷却水の流量が制限されるようになる。すなわち、上記シリンダの上部と比較して低温となるシリンダの下部の冷却が抑制されるようになるため、シリンダ各部位の温度勾配についてもその是正が図られるようになる。
しかしながら、このようなスペーサが配設されたシリンダブロックでは、同スペーサとシリンダとの間に隙間が形成された場合に、同隙間に冷却水が流れ込み、ひいては上記スペーサによる冷却の抑制効果が低下するようになる。
そこで、特許文献1に記載のシリンダブロックのウォータジャケット用スペーサにあっては、シリンダ列の外周形状に対応した内周形状を有するとともに2分割された構造を採用している。そして、各分割体の両端部をばねによって連結するとともに、同ばねが収縮した際にそれら分割体の内周によって形成される領域の寸法がシリンダ列の外周の寸法よりも小さくなるような構造を採用している。スペーサとしてのこのような構造により、スペーサをその内周の寸法がシリンダ列の外周の寸法よりも大きくなるように一旦広げた後にシリンダブロックに装着すれば、上記ばねによりスペーサの分割体同士が引き寄せられた際に同スペーサの内周面と上記シリンダ列の外周面とが密着する。このため、上記隙間への冷却水の流れ込みが抑制されるため、上記シリンダ各部位の温度勾配についてもその是正が好適に図られるようになる。
特開2005−120949号公報
ところで、特許文献1に記載のシリンダブロックのウォータジャケット用スペーサによれば、確かにシリンダの冷却が抑制されるようになるものの、スペーサをその内周の寸法が上記シリンダ列の外周の寸法よりも大きくなるように広げつつ装着する必要がある。このようにスペーサを広げる手段としては、例えば装着治具を用いて広げる方法や手作業により広げる等々の手段があるが、いずれの場合にも装着時における作業性が悪化するという問題があった。
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シリンダブロックへ装着する際の作業性を向上させつつ、同シリンダブロックに装着した際にシリンダの冷却を好適に抑制することのできるウォータジャケット用スペーサ及び同スペーサのシリンダブロックの装着方法を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、内燃機関のシリンダブロックに形成されたウォータジャケット内に配設されるウォータジャケット用スペーサにおいて、前記ウォータジャケットに面するシリンダの外周の形状に対応した内周の形状を有するとともに分割され、互いに近接させて配置したときに前記内周によって形成される領域の寸法が同シリンダの外周の寸法よりも小さくなる複数の分割体と、前記シリンダの外周の形状に対応させて配置された前記複数の分割体同士を引き寄せる寄せ手段と、前記シリンダの外周の形状に対応させて配置された前記複数の分割体の内周によって形成される領域の寸法が前記シリンダの外周の寸法よりも大きくなるように同分割体同士を離間させるとともに、前記機関の環境の変化にともなって溶解する離間部材とを備えることを要旨としている。
同構成によれば、離間部材により、シリンダの外周の形状に対応させて配置された複数の分割体の内周によって形成される領域の寸法がシリンダの外周の寸法よりも大きくなるように同分割体同士が離間させられるため、スペーサをウォータジャケット内に容易に配設することができるようになる。すなわち、スペーサをシリンダブロックへ装着する際の作業性が向上するようになる。また、スペーサをウォータジャケット内に配設した後、機関の環境が変化すれば、離間部材が溶解して、複数の分割体の内周の寸法がシリンダの外周の寸法よりも小さくなるように寄せ手段が引き寄せようとして同スペーサがシリンダに密着するため、シリンダブロックに装着した際にシリンダの冷却を好適に抑制することができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関のシリンダブロックのウォータジャケット用スペーサにおいて、前記離間部材は、ウォータジャケット内を流れる冷媒に溶解可能な部材からなることを要旨としている。
内燃機関では通常、ウォータジャケット内を流れる冷媒によって同機関を冷却するようにしている。この点、同構成によれば、スペーサをウォータジャケット内に配設した後、同ウォータジャケット内に冷媒を流すだけで、上記離間部材が自然に溶解して同スペーサが上記シリンダブロックに装着されるため、更に作業性が向上するようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関のシリンダブロックのウォータジャケット用スペーサにおいて、前記離間部材は、内燃機関に生じる熱によって溶解する部材からなることを要旨としている。
同構成によれば、スペーサをウォータジャケット内に配設した後、内燃機関に熱を生じさせるだけで、上記離間部材が自然に溶解して同スペーサが上記シリンダブロックに装着されるため、このような構成によっても、更に作業性が向上するようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関のシリンダブロックのウォータジャケット用スペーサにおいて、前記複数の分割体の隣接部において、一方の分割体には凹部が形成されるとともに該凹部の内部に前記離間部材が設けられ、他方の分割体には前記凹部に嵌合する凸部が形成されてなることを要旨としている。
同構成によれば、スペーサが複数の分割体からなる構造であっても、分割体同士がこれらに設けられた凹部と凸部とが嵌合される態様にて連結されるため、同スペーサが十分な一体性を有するようになる。また、離間部材が上記凹部の内部に設けられているため、例えばスペーサをシリンダブロックに装着する際に、同離間部材が脱落する等の懸念を払拭することができるようになる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の内燃機関のシリンダブロックのウォータジャケット用スペーサにおいて、当該スペーサが前記シリンダブロックに装着された際に前記凹部の内部から前記シリンダの径方向の外側に貫通する貫通孔が設けられてなることを要旨としている。
同構成によれば、例えばウォータジャケット内を流れる冷媒に溶解可能な部材からなる離間部材を用いた場合には、貫通孔により、ウォータジャケット内の冷媒と、凹部の内部に設けられる離間部材とが接触するようになるため、同離間部材が溶解し易くなる。また、例えば内燃機関に生じる熱によって溶解する部材からなる離間部材を用いた場合には、溶解した離間部材を貫通孔から排出し易くなる。
請求項6に記載の発明は、内燃機関のシリンダブロックに形成されたウォータジャケット内に配設されるウォータジャケット用スペーサのシリンダブロックへの装着方法において、前記ウォータジャケットに面するシリンダの外周の形状に対応した内周の形状を有するとともに分割され、互いに近接させて配置したときに前記内周によって形成される領域の寸法が同シリンダの外周の寸法よりも小さくなる複数の分割体を、前記シリンダの外周の形状に対応させて配置する工程と、前記シリンダの外周の形状に対応させて配置された前記複数の分割体の内周によって形成される領域の寸法が前記シリンダの外周の寸法よりも大きくなるように同分割体同士を離間部材により離間させるとともに、前記複数の分割体同士を寄せ手段により引き寄せる工程と、前記ウォータジャケット内に前記スペーサを配設した後に前記機関の環境を変化させて前記離間部材を溶解させる工程とを備えることを要旨としている。
同スペーサのシリンダブロックへの装着方法によれば、シリンダの外周の形状に対応させて配置された複数の分割体の内周によって形成される領域の寸法がシリンダの外周の寸法よりも大きくなるように同分割体同士を離間部材により離間させることにより、同スペーサをウォータジャケット内に容易に配設することができるようになる。すなわち、スペーサをシリンダブロックへ装着する際の作業性が向上するようになる。また、同装着方法によれば、機関の環境を離間部材が溶解する環境に変化させることで、複数の分割体の内周の寸法がシリンダの外周の寸法よりも小さくなるように寄せ手段が引き寄せようとして同スペーサがシリンダに密着するようになる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の内燃機関のウォータジャケット用スペーサのシリンダブロックへの装着方法において、前記離間部材は、ウォータジャケット内を流れる冷媒に溶解可能な部材からなり、ウォータジャケット内に前記スペーサを配設した後、ウォータジャケット内に前記冷媒を流すことで前記離間部材を溶解させて前記スペーサをシリンダブロックに装着することを要旨としている。
同スペーサのシリンダブロックへの装着方法によれば、スペーサをウォータジャケット内に配設した後、同ウォータジャケット内に冷媒を流すことで、上記離間部材が自然に溶解して同スペーサが上記シリンダブロックに装着されるため、更に作業性が向上するようになる。
以下、本発明にかかる内燃機関のシリンダブロックのウォータジャケット用スペーサ、及び同ウォータジャケット用スペーサのシリンダブロックへの装着方法をV型6気筒エンジンのシリンダブロックに具体化した一実施形態について図1〜図9を参照して説明する。なお本実施形態において、内燃機関のシリンダブロックとしては、3つのシリンダが2つのバンクに分割配置されるとともに、ウォータジャケットのアッパデッキ部側が開放されたV型6気筒エンジン用のオープンデッキ型シリンダブロックを想定している。
まず、図1(a),(b)を参照して、本発明のウォータジャケット用スペーサが適用されるシリンダブロックの全体構造について説明する。
図1(a)に同シリンダブロックの片側のバンクの平面構造を、また図1(b)に図1(a)のA−A線に沿った部分断面構造を示すように、それぞれ隣り合うシリンダ10はその一部が連結されており、各シリンダ10の内部には耐摩耗性にすぐれたシリンダライナ11が設けられている。また、このシリンダ10の外側にはこれらを冷却するための冷媒、すなわち機関冷却水の水路となるウォータジャケット12が形成されている。このウォータジャケット12は、シリンダ10の外周面、すなわちシリンダ外周面10aと、同シリンダ外周面10aと所定の間隔を有して対向する外壁13と、シリンダ10及び外壁13を連結してウォータジャケット12の底面を形成する底壁14とにより囲まれる領域として形成されている。
また、このシリンダブロックにおいては、シリンダ10の頂面と外壁13の頂面とによりアッパデッキ部10bが形成されている。そして、このシリンダブロックは前述のように、上記ウォータジャケット12がそのアッパデッキ部10b側に開放されたオープンデッキ型となっている。
さらに、このシリンダブロックにおいて、上記ウォータジャケット12の底部側には、上記シリンダ外周面10aの形状に対応した内周面の形状を有するとともに、同ウォータジャケット12の流路幅を狭くするためのスペーサ20が配設されている。このスペーサ20の斜視構造を図2に示すように、スペーサ20は、上記シリンダ10の配列方向に沿って第1の分割体21と第2の分割体22とに2分割された構造を有している。そして、これら分割体21,22が隣接する隣接部24において第1の分割体21に形成された凹部21bに第2の分割体22に形成された凸部22bが嵌合されるとともに、これら分割体21,22同士がクリップ形状の弾性部材23によって引き寄せられる態様にて分割体21,22同士が連結されている。なお、この弾性部材23が分割体21,22同士を引き寄せる寄せ手段となっている。このように、分割体21,22同士をこれらに設けられた凹部21bと凸部22bとが嵌合される態様にて連結することにより、同スペーサ20が十分な一体性を有するようになる。また、スペーサ20は、この弾性部材23によって分割体21,22同士を互いに近接させたときにスペーサ20の内周によって形成される領域の寸法が上記シリンダ外周面10aの寸法よりも小さくなる構造を有しており、これによりスペーサ20がシリンダ外周面10aに密着するようになる。
ところで、このスペーサ20は、ウォータジャケット12内に配設される前後で、より詳細にはウォータジャケット12内に機関冷却水が流される前後で、スペーサ20の内周によって形成される領域の寸法が変化する。以下、図3〜図6を参照してこのスペーサ20の分割体21,22の構造について説明した後、図7を参照し、同スペーサ20の組み立て方法に併せて、ウォータジャケット12内に配設される前のスペーサ20の構造について説明する。
図3に第1の分割体21の斜視構造を、図4(a),(b)に同第1の分割体21の端部の正面構造と側面構造とを示すように、第1の分割体21においてシリンダ10の配列方向の両端部には、外側に向けて突出する突出部21aがそれぞれ形成されるとともに、同突出部21aには、上記第2の分割体22の凸部22bが嵌合する凹部21bが形成されている。この凹部21bは、シリンダ10の配列方向に略垂直な平面上に延設されており、その断面形状が矩形状に形成されている。また、図4(a)に示すように、突出部21aには、上端部から中間部にかけて傾斜する傾斜面21cが形成されている。さらに、これら突出部21aには、スペーサ20が図1に示す態様にてシリンダブロックに装着された際に、凹部21bの内部からシリンダ10の径方向の外側に貫通する貫通孔21dがそれぞれ形成されている。
また、図5に第2の分割体22の斜視構造を、図6(a),(b)に同第2の分割体22の端部の側面構造と正面構造とを示すように、第2の分割体22においてシリンダ10の配列方向の両端部には、外側に向けて突出する突出部22aがそれぞれ形成されるとともに、同突出部22aには、上記第1の分割体21の凹部21bに嵌合する凸部22bが形成されている。この凸部22bは、シリンダ10の配列方向に垂直な平面上に延設されており、その断面形状が矩形状に形成されている。また、図6(b)に示すように、突出部22aには、上端部から中間部にかけて傾斜する傾斜面22cが形成されている。そして、これら第1の分割体21と第2の分割体22とから構成されるスペーサ20が図7(a)〜(d)に示される工程を経て組み立てられることとなる。
すなわち、図7(a)に示すようにまず、第1の分割体21の両端の凹部21b内に、上記ウォータジャケット12内を流れる機関冷却水に溶解する離間部材30をそれぞれ配設する。ちなみに、この離間部材30は、機関冷却水を構成する成分、例えば水、エチレングリコール、及び防錆剤等のいずれかの成分に対して溶解可能な物性を有している。このように、離間部材30を凹部21bの内部に設けることによって、例えばスペーサ20をシリンダブロックに装着する際に、同離間部材30が脱落する等の懸念を払拭することができるようになる。その後、図7(b)に示すように、第1の分割体21と第2の分割体22とを、二点鎖線で図示した上記シリンダ外周面10aの形状に対応させて配置した後、第1の分割体21の凹部21bに第2の分割体22の凸部22bを嵌合することによって第1の分割体21と第2の分割体22とが連結される。このとき、凹部21b内には離間部材30が配設されているため、凹部21bに凸部22bが完全に嵌合することはない。すなわち、分割体21,22同士が離間して組み立てられるようになるため、分割体21,22の内周により形成される領域の寸法が、二点鎖線で図示した上記シリンダ外周面10aの寸法よりも大きくなる。また、突出部21a,22aには、上述したように、上端部から中間部にかけて傾斜面21c,22cがそれぞれ形成されている。そして、図7(c)に示すように、第1の分割体21と第2の分割体22との隣接部24において、クリップ形状の弾性部材23をこれら傾斜面21c,22cに沿わせて装着することによって、第1の分割体21と第2の分割体22とが引き寄せられることとなる。これら工程を経て、図7(d)に示すような構造を有するスペーサ20が組み立てられることとなる。そしてその後、このようなスペーサ20を、図8(a)〜(c)に示す態様にてシリンダブロックに配設する。
すなわち、図8(a)にシリンダブロックの平面構造を、図8(b)に図8(a)のB−B線に沿った断面構造を示すように、同スペーサ20の内周により形成される領域の寸法がシリンダ外周面10aの寸法よりも大きい状態が維持されたままスペーサ20をウォータジャケット12内に配設する。ちなみに、このスペーサ20では、図8(a)の隣接部24の拡大構造を図8(c)の平面図に示すように、分割体21,22同士が弾性部材23によって引き寄せられているが、第1の分割体21の凹部21bの内部にいまだ離間部材30が存在しているため、分割体21,22同士が離間した状態が維持されたままとなる。換言すれば、スペーサ20の内周により形成される領域の寸法がシリンダ外周面10aの寸法よりも大きい状態が維持されたままとなる。このように、離間部材30により、分割体21,22の内周によって形成される領域の寸法がシリンダ外周面10aの寸法よりも大きくなるように分割体21,22同士が離間させられるため、スペーサ20をウォータジャケット12内に容易に配設することができるようになる。なお、スペーサ20は、V型に形成されたシリンダブロックの両バンクにそれぞれ配設される。そしてその後、ウォータジャケット12内に機関冷却水が流されたときに、スペーサ20が、図9(a)〜(c)に示される態様にてシリンダブロックに装着される。
すなわち、図9(a)にシリンダブロックの平面構造を、図9(b)に図9(a)のC−C線に沿った断面構造を示すように、スペーサ20をウォータジャケット12の底部側に配置した状態で、同ジャケット12に機関冷却水を流入させる。そうすると、図9(a)の隣接部24の拡大構造を図9(c)の平面図に示すように、第1の分割体21の突出部21aに形成された貫通孔21dを介して凹部21bの内部に機関冷却水が流入するようになる。このため、この凹部21bの内部に配設された上記離間部材30にも機関冷却水が接触するようになり、離間部材30が機関冷却水に溶解する。このとき、第1の分割体21と第2の分割体22とは上記弾性部材23によって寄せられているため、このような離間部材30の溶解にともなって分割体21,22同士がしだいに近づくようになる。そして、離間部材30が機関冷却水に完全に溶解すると、同凹部21bに第2の分割体22の凸部22bが完全に嵌合し、分割体21,22同士が互いに近接する。すなわち、スペーサ20の内周によって形成される領域の寸法がシリンダ外周面10aの寸法よりも小さくなろうとするため、スペーサ20がシリンダに密着し、ひいてはシリンダブロックに装着した際にシリンダ10の冷却を好適に抑制することができるようになる。
以上説明したように、本実施形態かかるV型6気筒エンジンのシリンダブロックのウォータジャケット用スペーサ、及び同ウォータジャケット用スペーサのシリンダブロックへの装着方法によれば、以下のような効果が得られるようになる。
(1)離間部材30により、シリンダ外周面10aの形状に対応させて配置された分割体21,22の内周によって形成される領域の寸法がシリンダ10の外周の寸法よりも大きくなるように分割体21,22同士を離間させるようにした。これにより、スペーサ20をウォータジャケット12内に容易に配設することができるようになり、ひいてはスペーサ20をシリンダブロックに装着する際の作業性が向上するようになる。また、スペーサ20をウォータジャケット12内に配設した後、ウォータジャケット12内に機関冷却水を流すことによって上記離間部材30が溶解し、分割体21,22の内周の寸法がシリンダ外周面10aの寸法よりも小さくなるように弾性部材23が引き寄せようとしてスペーサ20がシリンダ10に密着するようにした。これにより、スペーサ20をシリンダブロックに装着した際にシリンダ10の冷却を好適に抑制することができるようになる。
(2)スペーサ20をウォータジャケット12内に配設した後、ウォータジャケット12内に機関冷却水を流すだけで、離間部材30が自然に溶解してスペーサ20がシリンダブロックに装着されるようにした。これにより、スペーサ20をシリンダブロックに装着する上での作業性が向上するようになる。
(3)スペーサ20が2つの分割体21,22からなる構造であっても、分割体21,22同士がこれらに設けられた凹部21bと凸部22bとが嵌合される態様にて連結されるようにした。これにより、同スペーサ20が十分な一体性を有するようになる。また、離間部材30を凹部21bの内部に設けるようにした。このため、スペーサ20をシリンダブロックに装着する際に、同離間部材30が脱落する等の懸念を払拭することができるようになる。
(4)スペーサ20に、同スペーサ20がシリンダブロックに装着された状態で凹部21bの内部からシリンダ10の径方向の外側に貫通する貫通孔21dを設けるようにした。このため、ウォータジャケット12内の機関冷却水と、凹部21bの内部に設けられる離間部材30とが接触するようになるため、同離間部材30が溶解し易くなる。
(5)スペーサ20のシリンダブロックへの装着方法として、シリンダ外周面10aの形状に対応させて配置された2つの分割体21,22の内周によって形成される領域の寸法がシリンダ10の外周の寸法よりも大きくなるように分割体21,22同士を離間部材30により離間させるようにした。これにより、スペーサ20をウォータジャケット12内に容易に配設することができるようになり、ひいてはスペーサ20をシリンダブロックへ装着する際の作業性が向上するようになる。
(6)スペーサ20のシリンダブロックへの装着方法として、スペーサ20をウォータジャケット12内に配設した後、同ウォータジャケット12内に機関冷却水を流すことで、離間部材30が自然に溶解してスペーサ20がシリンダブロックに装着されるようにした。これにより、スペーサ20をシリンダブロックに装着する上での作業性が向上するようになる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記実施形態では、離間部材30を、機関冷却水に溶解可能な部材で構成したが、その他、例えばエンジンを駆動したときに生じる熱によって溶解する部材で構成してもよい。離間部材30としてこのような構成を採用すれば、スペーサ20をウォータジャケット12内に配設した後、例えばエンジンを駆動させることによって同エンジンに熱を生じさせるだけで離間部材30が自然に溶解して同スペーサ20がシリンダブロックに装着されるようになる。すなわち、スペーサ20をシリンダブロックに装着する上での作業性が更に向上するようになる。なお、その場合に上記貫通孔21dを形成すると、溶解した離間部材30を貫通孔21dから排出し易くなる。要は、離間部材30が、エンジンの環境の変化にともなって溶解するような部材で構成されていればよい。
・上記実施形態では、スペーサ20に、凹部21bの内部から上記シリンダ10の径方向の外側に貫通する貫通孔21dが設けたが、例えば上記凹部21bの大きさを凸部22bの大きさよりも大きくするなどして、これらの間に形成される隙間から上記凹部21bの内部に機関冷却水が流入されるような構成を採用すれば、貫通孔21dを省略してもよい。
・上記実施形態では、凹部21bの内部に離間部材30を設けたが、例えば第1の分割体21の端面と第2の分割体22の端面とにより離間部材を狭持するようにしてもよい。ただしこの場合、スペーサをシリンダブロックに装着する際に離間部材が脱落する等のおそれがあるため、望ましくは凹部21bの内部に離間部材を設けたほうがよい。
・上記実施形態では、第1の分割体21と第2の分割体22とを連結する構造として、第1の分割体21の凹部21bに第2の分割体22の凸部22bを嵌合する構造を採用したが、例えばこれら分割体21,22同士を弾性部材23のみによって連結可能であれば、これら凹部21b及び凸部22bを省略してもよい。なおこの場合、離間部材をスペーサに配設するための構造として、例えば上述のように、第1の分割体21の端面と第2の分割体22の端面とにより離間部材を狭持するような構造を採用する必要がある。
・上記実施形態では、分割体21,22同士を引き寄せる寄せ手段として、クリップ形状の弾性部材23を用いたが、コイル形状の弾性部材等を用いてもよい。
・上記実施形態では、スペーサ20を2つの分割体21,22に分割したが、スペーサを3つ以上の分割体に分割してもよい。その場合、複数の分割体の隣接部に互いに嵌合する凸部と凹部とを設けるとともに、凹部の内部にそれぞれ離間部材を設けてもよい。
・上記実施形態では、本発明にかかる内燃機関のシリンダブロックのウォータジャケット用スペーサ、及び同ウォータジャケット用スペーサのシリンダブロックへの装着方法を、V型6気筒エンジンのシリンダブロックに適用したが、その他、例えばV型8気筒エンジンや直列4気筒エンジン等についても本発明は同様に適用することができる。
(a)本実施形態にかかるウォータジャケット用スペーサが適用されるシリンダブロックについてその片側のバンクの平面構造を示す平面図。(b)同平面図のA−A線に沿った部分断面図。 同実施形態のウォータジャケット用スペーサの斜視構造を示す斜視図。 同実施形態のウォータジャケット用スペーサについてその第1の分割体の斜視構造を示す斜視図。 (a)同実施形態のウォータジャケット用スペーサについてその第1の分割体の端部付近の部分拡大正面構造を示す正面図。(b)同実施形態のウォータジャケット用スペーサについてその第1の分割体の端部付近の部分拡大側面構造を示す側面図。 同実施形態のウォータジャケット用スペーサについてその第2の分割体の斜視構造を示す斜視図。 (a)同実施形態のウォータジャケット用スペーサについてその第2の分割体の端部付近の部分拡大側面構造を示す側面図。(b)同実施形態のウォータジャケット用スペーサについてその第2の分割体の端部付近の部分拡大正面構造を示す正面図。 (a)〜(d)は、同実施形態のウォータジャケット用スペーサの組み立て方法についてその手順を示す斜視図。 (a)同実施形態のウォータジャケット用スペーサが適用されるシリンダブロックについてその片側のバンクの部分平面構造を示す平面図。(b)同平面図のB−B線に沿った部分断面図。(c)同平面図の第1の分割体と第2の分割体との隣接部付近の部分拡大平面構造を示す平面図。 (a)同実施形態のウォータジャケット用スペーサが適用されるシリンダブロックについてその片側のバンクの平面構造を示す平面図。(b)同平面図のC−C線に沿った部分断面図。(c)同平面図の第1の分割体と第2の分割体との隣接部付近の部分拡大平面構造を示す平面図。
符号の説明
10…シリンダ、10a…シリンダ外周面、10b…アッパデッキ部、11…シリンダライナ、12…ウォータジャケット、13…外壁、14…底壁、20…スペーサ、21…第1の分割体、21a,22a…突出部、21b…凹部、21c,22c…傾斜面、21d…貫通孔、22…第2の分割体、22b…凸部、23…弾性部材、24…隣接部、30…離間部材。

Claims (7)

  1. 内燃機関のシリンダブロックに形成されたウォータジャケット内に配設されるウォータジャケット用スペーサにおいて、
    前記ウォータジャケットに面するシリンダの外周の形状に対応した内周の形状を有するとともに分割され、互いに近接させて配置したときに前記内周によって形成される領域の寸法が同シリンダの外周の寸法よりも小さくなる複数の分割体と、
    前記シリンダの外周の形状に対応させて配置された前記複数の分割体同士を引き寄せる寄せ手段と、
    前記シリンダの外周の形状に対応させて配置された前記複数の分割体の内周によって形成される領域の寸法が前記シリンダの外周の寸法よりも大きくなるように同分割体同士を離間させるとともに、前記機関の環境の変化にともなって溶解する離間部材とを備える
    ことを特徴とする内燃機関のシリンダブロックのウォータジャケット用スペーサ。
  2. 前記離間部材は、ウォータジャケット内を流れる冷媒に溶解可能な部材からなる
    請求項1に記載の内燃機関のシリンダブロックのウォータジャケット用スペーサ。
  3. 前記離間部材は、内燃機関に生じる熱によって溶解する部材からなる
    請求項1に記載の内燃機関のシリンダブロックのウォータジャケット用スペーサ。
  4. 前記複数の分割体の隣接部において、一方の分割体には凹部が形成されるとともに該凹部の内部に前記離間部材が設けられ、他方の分割体には前記凹部に嵌合する凸部が形成されてなる
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関のシリンダブロックのウォータジャケット用スペーサ。
  5. 当該スペーサが前記シリンダブロックに装着された際に前記凹部の内部から前記シリンダの径方向の外側に貫通する貫通孔が設けられてなる
    請求項4に記載の内燃機関のシリンダブロックのウォータジャケット用スペーサ。
  6. 内燃機関のシリンダブロックに形成されたウォータジャケット内に配設されるウォータジャケット用スペーサのシリンダブロックへの装着方法において、
    前記ウォータジャケットに面するシリンダの外周の形状に対応した内周の形状を有するとともに分割され、互いに近接させて配置したときに前記内周によって形成される領域の寸法が同シリンダの外周の寸法よりも小さくなる複数の分割体を、前記シリンダの外周の形状に対応させて配置する工程と、
    前記シリンダの外周の形状に対応させて配置された前記複数の分割体の内周によって形成される領域の寸法が前記シリンダの外周の寸法よりも大きくなるように同分割体同士を離間部材により離間させるとともに、前記複数の分割体同士を寄せ手段により引き寄せる工程と、
    前記ウォータジャケット内に前記スペーサを配設した後に前記機関の環境を変化させて前記離間部材を溶解させる工程とを備える
    ことを特徴とするウォータジャケット用スペーサのシリンダブロックへの装着方法。
  7. 前記離間部材は、ウォータジャケット内を流れる冷媒に溶解可能な部材からなり、
    ウォータジャケット内に前記スペーサを配設した後、ウォータジャケット内に前記冷媒を流すことで前記離間部材を溶解させて前記スペーサをシリンダブロックに装着する
    請求項6に記載の内燃機関のウォータジャケット用スペーサのシリンダブロックへの装着方法。
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