JP2011144973A - 熱交換器 - Google Patents

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智巳 奥山
Koji Tanaka
公司 田中
Hironobu Fujiyoshi
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Ryuji Shirakawa
竜二 白川
Mitsuharu Inagaki
充晴 稲垣
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Abstract

【課題】コアプレートにタンク本体部が固定されることによって構成されたヘッダタンクを有する熱交換器において、熱交換コア部の損傷を抑制する。
【解決手段】並設された複数のチューブ111が接合されたコアプレート121の外周縁部に設けられた溝部121aに、タンク本体部122のうちコアプレート121側のスカート部122aを挿入した状態で、コアプレート121とタンク本体部122とを固定してヘッダタンク120を構成する際に、溝部121aのうちチューブ111の並設方向両端部に位置する短手部の溝幅寸法Xを、並設方向に直交する方向の両端部に位置する長手部の溝幅寸法Yよりも長く形成して、ヘッダタンク120の並設方向両端部を、熱交換コア部110の並設方向両端部よりも外側に突出させる。これにより、熱交換コア部110の損傷を抑制する。
【選択図】図3

Description

本発明は、熱交換器に関するもので、内燃機関に吸入される燃料燃焼用の空気(吸気)を冷却するインタークーラに適用して有効である。
従来、特許文献1に、内燃機関に吸入される燃料燃焼用の空気(吸気)を冷却するインタークーラとして用いられる熱交換器が開示されている。この熱交換器は、吸気が流通するチューブ、冷却空気と吸気との熱交換を促進するフィン、および、各チューブに連通するヘッダタンク等から構成されている。
さらに、このインタークーラでは、複数のチューブおよびフィンが交互に並設されることによって熱交換コア部が構成されている。また、このインタークーラのヘッダタンクは、チューブがろう付け接合されたアルミニウム製のコアプレートと、コアプレートにカシメ固定されてタンク内空間を構成する樹脂製のタンク本体部とから構成されている。
より具体的には、このヘッダタンクでは、タンク本体部の先端部とコアプレートの外周縁部に形成された溝部との間に弾性部材から成るパッキンを挟み込んだ状態で、コアプレートに設けられたカシメ用爪部をタンク本体部の外形形状に沿って折り曲げることによって、タンク本体部とコアプレートがカシメ固定されている。
特開2002−286396号公報
ところで、インタークーラとして用いられる熱交換器では、車両側の搭載上の制約から、特に車両前後方向の小型化が望まれている。そこで、発明者等は、コアプレートの外周縁部に形成される溝部をコアプレートの中央部に配置されるチューブ挿入孔の周囲に形成することで、コアプレートの外周形状の小型化を検討した。
しかしながら、このようにコアプレートの外周形状を小型化させてしまうと、熱交換コア部のチューブおよびフィンの並設方向における並設方向寸法よりも、ヘッダタンクの並設方向寸法が短くなってしまうことがあった。その結果、熱交換コア部の並設方向両端部に配設されたフィン、および、フィンの外側に配置されて熱交換コア部を補強するインサートがヘッダタンクの並設方向端部よりも外側に飛び出してしまうことがあった。
さらに、このようにフィンおよびインサートがヘッダタンクよりも外側に飛び出していると、熱交換器の製造過程、搬送過程、さらに、車両への組み付け過程において、並設方向両端部に配設されたフィンが潰されてしまい熱交換コア部が損傷してしまう虞がある。
本発明は、上記点に鑑み、コアプレートとタンク本体部が固定されることによって構成されたヘッダタンクを有する熱交換器において、熱交換コア部の損傷を抑制することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。請求項1に係る発明は、第1流体が流通する複数のチューブ(111)、および、複数のチューブ(111)の外表面に接合されてチューブ(111)周りを流通する第2流体と第1流体との熱交換を促進する複数のフィン(112)が並設されて構成された熱交換コア部(110)と、チューブ(111)の長手方向端部に配置されるとともに、複数のチューブ(111)および複数のフィン(112)の並設方向に延びて複数のチューブ(111)に連通するヘッダタンク(120)とを備え、ヘッダタンク(120)は、複数のチューブ(111)が接合されたコアプレート(121)およびコアプレート(121)に固定されたタンク本体部(122)を有し、タンク本体部(122)のうちコアプレート(121)側の先端部(122a)がコアプレート(121)の外周縁部に設けられた溝部(121a)に挿入された状態で、タンク本体部(122)とコアプレート(121)が固定された熱交換器であって、
溝部(121a)のうち、並設方向両端部に位置する短手部の溝幅寸法(X)、および、並設方向に直交する方向の両端部に位置する長手部の溝幅寸法(Y)が異なる寸法に形成され、ヘッダタンク(120)の並設方向の寸法が、熱交換コア部(110)の並設方向の寸法以上になっていることを特徴とする。
これによれば、ヘッダタンク(120)の並設方向の寸法が、熱交換コア部(110)の並設方向の寸法以上になっているので、熱交換コア部(110)の両端部がヘッダタンク(120)の並設方向両端部よりも、並設方向外側に飛び出してしまうことを回避できる。従って、熱交換器の製造過程や搬送、車両への組み付け時における熱交換コア部(110)の損傷を防止することができる。
しかも、溝部(121a)のうち、並設方向両端部に位置する短手部の溝幅寸法(X)、および、並設方向に直行する方向の両端部に位置する長手部の溝幅寸法(Y)を異なる寸法に形成するという極めて簡素な手段で、ヘッダタンク(120)の並設方向の寸法を熱交換コア部(110)の並設方向の寸法以上とすることができるので、従来技術の熱交換器に対して、大幅な構造変更を必要とすることもない。
なお、本請求項における「並設され」とは、所定の方向に並べて配置されていることを意味しており、この所定の方向が「並設方向」に一致する。
また、請求項2に係る発明では、請求項1に記載の熱交換器において、短手部の溝幅寸法(X)が、長手部の溝幅寸法(Y)よりも長く形成されていることを特徴とする。
これによれば、容易に、ヘッダタンク(120)の並設方向両端部を熱交換コア部(110)の両端部よりも並設方向外側に突出させることができるだけでなく、ヘッダタンク(120)の並設方向に直交する短手方向の寸法を短縮化することができる。
すなわち、熱交換器全体として、空気流れ方向の厚み寸法を短縮化して、小型化を図ることができる。このような小型化は、ヘッダタンク(120)の短手方向に対応する車両前後方向の小型化が望まれるインタークーラに適用した際に極めて有効である。
また、請求項3に係る発明では、請求項2に記載の熱交換器において、先端部(122a)のうち、並設方向に沿って延びる先端部(122a)は、チューブ(111)の並設方向に直交する方向に向かって突出しており、先端部(122a)のうち、並設方向に直交する方向に延びる先端部(122a)は、チューブ(111)の並設方向に向かって突出しており、並設方向に直交する方向に延びる先端部(122a)の突出寸法は、並設方向に沿って延びる先端部(122a)の突出寸法よりも長く形成されていることを特徴とする。
これにより、並設方向に直交する方向に延びる先端部(122a)の突出寸法を、短手部の溝幅寸法(X)に対応させることができ、並設方向に沿って延びる先端部(122a)の突出寸法を、長手部の溝幅寸法(Y)に対応させることができる。その結果、タンク本体部(122)の先端部(122a)をコアプレート(121)の溝部(121a)に挿入した際に、タンク本体部(122)とコアプレート(121)との位置ずれを防止できる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
一実施形態のインタークーラの正面図である。 一実施形態のインタークーラのヘッダタンクの短手方向一部断面図である。 一実施形態のインタークーラのヘッダタンクの長手方向一部断面図である。 一実施形態のコアプレートおよびパッキンの外観斜視図である。 一実施形態のコアプレートおよびパッキンの上面図である。 一実施形態のカシメ固定前のヘッダタンクおよびパッキンの短手方向一部断面図である。 一実施形態のカシメ固定前のヘッダタンクおよびパッキンの長手方向一部断面図である。
図1〜6により、本発明の一実施形態を説明する。本実施形態では、本発明に係る熱交換器を車両用のインタークーラ100に適用している。インタークーラ100は、内燃機関に吸入される燃料燃焼用の空気(吸気)を室外空気(冷却空気)と熱交換させて冷却する冷却用熱交換器である。まず、本実施形態のインタークーラ100の構成を、図1〜4を用いて説明する。
なお、図1は、本実施形態のインタークーラ100の正面図である。また、図2は、本実施形態のインタークーラ100のヘッダタンク120の短手方向一部断面図である。つまり、図2は、ヘッダタンク120の長手方向(図1の左右方向)から見た一部拡大断面図である。
また、図3は、本実施形態のインタークーラ100のヘッダタンク120の長手方向一部断面図である。つまり、図3は、ヘッダタンク120の短手方向(図1の表裏方向)から見た一部拡大断面図である。また、図4は、本実施形態のインタークーラ100のコアプレートおよびパッキンのヘッダタンク120内側から見た外観斜視図である。
このインタークーラ100は、第1流体としての吸気が流通する断面扁平状に形成されたアルミニウム製のチューブ111と、チューブ111の扁平面に接合されたフィン112とを有している。フィン112は、チューブ111周りを流通する第2流体としての冷却空気と吸気との熱交換を促進するもので、アルミニウム製の板材を波状に湾曲させることによって形成されている。
そして、複数のチューブ111および複数のフィン112を交互に並設(所定の方向に並べて配置)することにより、吸気を冷却する略矩形状の熱交換コア部(以下、コアと称す。)110が構成されている。なお、図1において、冷却空気の流れ方向は、紙面表側から裏側方向となる。さらに、図1では、図示の明確化のため、チューブ111とフィン112の一部を示している。
チューブ111は、表裏両面にろう材(本実施形態では、A4045、A4343等のアルミニウム系合金)が被覆(クラッド)された板材を曲げて電気溶接したもの(電縫管)である。フィン112は、チューブ111の外表面に被覆されたろう材によりチューブ111に、ろう付け接合されている。
さらに、フィン112には、図3に示すように、空気の流れを乱して温度境界層が成長することを防止すべく、その一部を切り起こして鎧窓状としたルーバ113が設けられている。また、チューブ111の長手方向両端部には、図1に示すように、チューブ111の長手方向と直交する方向であり、かつ、チューブ111およびフィン112の並設方向に延びて複数のチューブ111に連通するヘッダタンク120が設けられている。
ヘッダタンク120は、複数のチューブ111がろう付け接合されたアルミニウム製のコアプレート121、および、コアプレート121に固定されてタンク内空間を構成する樹脂製のタンク本体部122を有している。チューブ111は、コアプレート121の表裏両面に被覆されたろう材によりコアプレート121に、ろう付け接合されている。
コアプレート121は、図2〜図4に示すように、外周縁部の全周に亘ってコア110側へ凹む溝部121aが形成された板状部材である。そして、コアプレート121における溝部121aに囲まれた中央部側に、チューブ111が挿入される複数のチューブ挿入孔121cが形成されている。
チューブ挿入孔121cは、コアプレート121の板状平面(基面)からチューブ111の長手方向外側へ向かって延び出すようにバーリング加工によって形成される貫通孔であり、挿入されるチューブ111の外周面に沿って延び出して、コアプレート121とチューブ111とのろう付け面積を増加させている。なお、本実施形態では、チューブ挿入孔121cのうち、チューブ111に沿って延出する部位を延出部121dと称す。
また、コアプレート121のうち溝部121aの外壁部には、タンク本体部122のコアプレート121側の先端部(以下、スカート部と称す。)122aにカシメ固定される固定部(以下、爪部と称す。)121bが設けられている。
ここで、ヘッダタンク120を構成するコアプレート121とタンク本体部122との具体的なカシメ固定構造について説明すると、本実施形態では、タンク本体部122のスカート部122aをコアプレート121の溝部121aに挿入した状態で、図2、図3に示すように、爪部121bの先端側をタンク本体部122の外形形状に沿って折り曲げることによって、タンク本体部122とコアプレート121とをカシメ固定している。
さらに、この溝部121aの内部には、スカート部122aの底面および溝部121aの底部に弾性変形しながら接触して、タンク本体部122とコアプレート121との結合部を封止(シール)するゴム等の弾性部材からなるパッキン123が嵌め込まれている。なお、パッキン123の具体的な構成については後述する。
また、タンク本体部122のうち、爪部121bによってカシメ固定されない部分には、タンク本体部122の剛性を高めるための補強用のリブ122bが形成されている。さらに、コア110の並設方向両端部には、図1、3に示すように、チューブ111に対して略平行に延びて、コア110の並設方向両端側を補強するアルミニウム製のインサート130が設けられている。
このインサート130のうち、コア110側の面には、ろう材が被覆されており、このろう材によりコア110の並設方向両端部に配置されたフィン112に、ろう付け接合されている。また、インサート130の長手方向両端部は、コアプレート121に被覆されたろう材により、ヘッダタンク120のコアプレート121にろう付け接合されている。
次に、本実施形態のインタークーラ100の概略製造方法について説明する。まず、定盤等の作業台上にてチューブ111、フィン112、コアプレート121およびインサート130を、図1に示すように積層組み付けしてコア110を組み立てる(コア組工程)。次に、コア組工程にて組み立てられたコア110を、ワイヤー等の治具にて組付状態を保持したまま、炉内に置いて加熱ろう付けする(ろう付け工程)。
そして、ろう付け工程の終了後、再びろう材が凝固するまで冷却されたコア110のコアプレート121の溝部121aにパッキン123を嵌め込んだ状態で、上述の如く、コアプレート121にタンク本体部122をカシメ固定する(カシメ工程)。その後、ろう付け不良、カシメ不良等による漏れの発生の有無の検査および寸法検査等の所定の検査を行い、インタークーラ100の製造を完了する。
ここで、本実施形態のコアプレート121の外周縁部に形成される溝部121aは、コアプレート121の中央部に形成されるチューブ挿入孔121cに近接した状態で設けられている。具体的には、図2に示すように、溝部121aの内壁部がチューブ挿入孔121cにおける延出部121dの一部を兼ねるように形成されている。
従って、溝部121aの内壁部とチューブ挿入孔121cとの間に平坦な面が形成されるようなコアプレート121に対して、コアプレート121の長手方向(並設方向)の寸法および短手方向(並設方向に直行する方向)の寸法を短縮化することができる。特に、車両前後方向の小型化が望まれるインタークーラにおいて、車両前後方向に対応するコアプレート121の短手方向の寸法が短くなることは有効である。
しかしながら、長手方向寸法に関しては、単に寸法を短くして、コア110の長手方向の寸法よりもヘッダタンク120の長手方向寸法が短くなってしまうと、コア110の長手方向両端部に配設されたフィン112およびインサート130がコアプレート121の長手方向端部よりも外側に飛び出してしまうことがある。
このように、フィン112およびインサート130がコアプレート121よりも飛び出していると、インタークーラ100の製造過程、搬送過程、さらに、車両への組み付け過程において、長手方向両端部に配設されたフィン112が潰されてコア110が損傷してしまう虞がある。
これに対して、本実施形態に係るコアプレート121では、図2、図3、図5に示すように、溝部121aのうち、コアプレート121の長手方向両端部に位置する短手部の溝幅寸法Xを、コアプレート121の長手方向に直行する方向両端部に位置する長手部の溝幅寸法Yよりも長く形成している。なお、図5は、本実施形態に係るコアプレート121およびパッキン123の上面図である。
より詳細には、溝幅寸法Xは、コアプレート121の短手部に形成された溝部121aにおけるチューブ111の並設方向の寸法であり、溝幅寸法Yは、コアプレート121の長手部に形成された溝部121aにおけるチューブ111の並設方向に直交するとともに冷却空気流れに平行な方向の寸法である。
さらに、本実施形態では、短手部に形成された溝部121aの溝幅寸法Xを、長手部に形成された溝部121aの溝幅寸法Yよりも長くすることによって、コアプレート121(すなわち、ヘッダタンク120)の並設方向両端部を、コア110の並設方向両端部よりも外側に突出させるように位置付けている。
また、タンク本体部122のスカート部122aについても、溝部121aの溝幅寸法Xおよび溝幅寸法Yに対応している。具体的には、並設方向に直交する方向に延びる短手部に対応するスカート部122aを、チューブ111の並設方向外側に向かって突出させることによって、溝部121aの溝幅寸法Xに対応させている。一方、並設方向に延びて長手部に対応するスカート部122aを、並設方向と直交する方向の外側に向かって突出させることによって、溝部121aの溝幅寸法Yに対応させている。
さらに、短手部に対応するスカート部122aの突出寸法は、長手部に対応するスカート部122aの突出寸法よりも長く形成されている。換言すると、長手部に対応するスカート部122aは、短手部に対応するスカート部122aよりも薄肉となるように形成されている。
また、パッキン123についても、図5〜図7に示すように、溝部121aの溝幅寸法XおよびYに対応している。なお、図6は、爪部121bをカシメ固定する前の状態におけるヘッダタンク120およびパッキン123の短手方向一部断面図である。より詳細には、図2では、コアプレート121のチューブ挿入孔121cおよびタンク本体部122のリブ122bを含む断面であったが、図6は、これらを含まない断面である。
図7は、爪部121bをカシメ固定する前の状態におけるヘッダタンク120およびパッキン123の長手方向一部断面図である。すなわち、爪部121bをカシメ固定する前の状態における図3に対応する図面である。パッキン123は、爪部121bがカシメ固定される前の状態では断面略円形状で、溝部121aの形状に沿った矩形の環状に形成されている。
さらに、長手部に対応するパッキン123の内側には、図5、図6に示すように、パッキン123をコアプレート121に対して位置決めする長手側位置決め部123aが一体的に設けられている。
この長手側位置決め部123aは、溝部121aの底面に略平行な方向であって、隣接するチューブ挿入孔121cの間に向かって複数突出している。そして、カシメ工程前に、隣接するチューブ挿入孔121cの延出部121dの双方に接触して、パッキン123がずれることを防止している。本実施形態の長手側位置決め部123aは、その隣接するチューブ挿入孔121cに沿った略三角形状となっている。
一方、短手部に対応するパッキン123の内側には、図5、図7に示すように、パッキン123をコアプレート121に対して位置決めする短手側位置決め部123bが一体的に設けられている。
この短手側位置決め部123bは、溝部121aの底面に略平行な方向であって、チューブ111の並設方向最外側に位置するチューブ挿入孔121c側に向かって突出している。さらに、短手側位置決め部123bは、カシメ工程前の状態では、延出部121dには接触していない。本実施形態の短手側位置決め部123bは、チューブ111の並設方向に直交する方向に延びる細長形状となっている。
さらに、本実施形態では、短手部の溝幅寸法Xおよび長手部の溝幅寸法Yの寸法の相違に合わせて、長手側位置決め部123aの突出方向の突出寸法を、短手側位置決め部123bの突出方向の突出寸法よりも長くしている。
ここで、カシメ工程後の各位置決め部123a、123bの弾性変形による反力について説明する。まず、図6、図7に示すように、各位置決め部123a、123bは、カシメ工程前に、タンク本体部122のスカート部122aの底面およびコアプレート121の溝部121aの底部に接触しない形状に形成されている。
つまり、カシメ工程前には、各位置決め部123a、123bの加圧方向(チューブ長手方向)両側には、各位置決め部123a、123bを薄くする段差が形成されており、各位置決め部123a、123bとスカート部122aの底面との間、および、各位置決め部123a、123bと溝部121aの底部との間に隙間が形成されている。
次に、カシメ工程時には、長手側位置決め部123aは、長手部に対応するパッキン123の断面円形状の部位の弾性変形に伴い、隣接するチューブ挿入孔121cの間に向かって変位する。つまり、長手側位置決め部123aは、隣接するチューブ挿入孔121cの間に向かって逃げるように変位する。
この際、長手側位置決め部123aは、チューブ挿入孔121cの延出部121dに押し付けられて若干弾性変形するものの、この弾性変形による反力は、コアプレート121とタンク本体部122とを離す方向に殆ど作用しない。その理由は、長手側位置決め部123aが、若干弾性変形したとしても、この弾性変形を短手側位置決め部123bとスカート部122aの底面との間、および、短手側位置決め部123bと溝部121aの底面と間に隙間に逃がすことができるからである。
また、短手側位置決め部123bは、短手部に対応するパッキン123の断面円形状の部位の弾性変形に伴い、延出方向両端側のチューブ挿入孔121cの延出部121dに向かって変位する。
この際、短手側位置決め部123bは、チューブ挿入孔121cの延出部121dに接触する程度に変位する。従って、短手側位置決め部123bは殆ど弾性変形せず、弾性変形による反力がコアプレート121とタンク本体部122とを離す方向に作用することはない。
さらに、カシメ工程後においても、各位置決め部123a、123bは、タンク本体部122のスカート部122aの底面およびコアプレート121の溝部121aの底部には接触しない。換言すると、カシメ工程前において、各位置決め部123a、123bの加圧方向の寸法は、カシメ固定後においても上述の隙間を維持可能な寸法となっている。
従って、長手側位置決め部123aおよび短手側位置決め部123bの弾性変形による反力がコアプレート121とタンク本体部122とを離す方向に作用することは殆どない。その結果、コアプレート121とタンク本体部122とを離す方向に作用する弾性力は、パッキン123の全周に亘って、パッキン123の断面円形状の部位の弾性変形による弾性力となる。
なお、この実施形態では、短手側位置決め部123bの突出寸法を、カシメ工程前の状態で延出部121dに接触しない寸法としているが、カシメ工程前の状態で短手側位置決め部123bの先端部が延出部121dに接触する寸法としてもよい。この場合は、カシメ工程時に、短手部に対応するパッキン123の断面円形状の部位の弾性変形に伴い、短手側位置決め部123bが延出部121dに押し付けられて弾性変形する。
しかしながら、この弾性変形を短手側位置決め部123bとスカート部122aの底面との間、および、短手側位置決め部123bと溝部121aの底面と間に隙間に逃がすことができる。従って、カシメ工程時に、短手側位置決め部123bがチューブ挿入孔121cの延出部121dに押し付けられて弾性変形しても、この弾性変形による反力は、コアプレート121とタンク本体部122とを離す方向に殆ど作用しない。
次に、上記構成における本実施形態のインタークーラ100の作用効果について説明する。本実施形態によれば、溝部121aのうち、チューブ111およびフィン112の並設方向両端部に位置する短手部の溝幅寸法Xを、並設方向に直行する方向の両端部に位置する長手部の溝幅寸法Yよりも長く形成することによって、ヘッダタンク120の並設方向両端部を、熱交換コア部110の両端部よりも並設方向外側に突出させている。
換言すると、ヘッダタンク120の並設方向の寸法を、コア110の並設方向の寸法以上としているので、コア110の両端部がヘッダタンク120の並設方向両端部よりも、並設方向外側に飛び出してしまうことを回避できる。従って、コア110が並設方向においてヘッダタンク120から飛び出すことによる熱交換器の製造過程や搬送、車両への組み付け時における損傷を防止することができる。
さらに、スカート部122aのうち、並設方向両端部に位置するスカート部122a(短手部に対応するスカート部122a)の突出寸法を溝幅寸法Xに対応させ、並設方向に直行する方向両端部に位置するスカート部122a(長手部に対応するスカート部122a)の突出寸法を溝幅寸法Yに対応させているので、上述のカシメ工程時に、コアプレート121とタンク本体部122との位置ずれを防止できる。
さらに、短手部の溝幅寸法Xおよび短手部に対応するスカート部122aの突出寸法が、それぞれ長手部の溝幅寸法Yおよび長手部に対応するスカート部122aの突出寸法よりも長く形成されているので、ヘッダタンク120の並設方向に直交する短手方向の寸法を短縮化することができる。
すなわち、インタークーラ100全体として、空気流れ方向の厚み寸法を短縮化して、小型化を図ることができる。このような小型化は、ヘッダタンク120の短手方向に対応する車両前後方向の小型化が望まれるインタークーラ100においては、極めて有効である。
さらに、パッキン123に対して、長手側位置決め部123aおよび短手側位置決め部123bを一体的に構成しているので、パッキン123をコアプレート121に対して容易に位置決めできる。
さらに、爪部121bがカシメ固定された後も、各位置決め部123a、123bとスカート部122aの底面との間、および、各位置決め部123a、123bと溝部121aの底部との間に隙間を形成しているので、各位置決め部123a、123bの弾性変形を、これらの隙間に逃がすことができる。
その結果、パッキン123が弾性変形した際の反力のうち、コアプレート121とタンク本体部122とを離す方向に作用する力を、パッキン123の全周に亘ってパッキン123の断面円形状の部位の弾性変形による弾性力に均一化させることができる。
さらに、カシメ工程時に、長手側位置決め部123aが隣接するチューブ挿入孔121cの間に向かって逃げるように変位するので、長手側位置決め部123aの弾性変形を抑制できる。その結果、パッキン123が弾性変形した際の反力のうち、コアプレート121とタンク本体部122とを離す方向に作用する力を、パッキン123の全周に亘って、より一層、均等に作用させることができる。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、本発明の熱交換器をインタークーラに適用したが、本発明の適用はこれに限定されない。例えば、冷凍サイクル用の放熱器(コンデンサ)や、車両用の放熱器(ラジエータ)、オイルクーラ等に適用してもよい。
また、上述の実施形態では、爪部121bをコアプレート121の長手方向に対して離散的に複数個設けたが、爪部121bの数および形状はこれに限定されない。例えば、爪部121bをコアプレート121の長手方向に連続的に繋がった帯状としてもよい。また、リブ122bを省略してもよい。
また、上述の実施形態では、溝幅寸法Xを溝幅寸法Yよりも長く形成したが、もちろん、溝幅寸法Xを溝幅寸法Yよりも短く形成してもよい。また、上述の実施形態では、コア110のチューブ111の並設方向両端には、インサート130が設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、インサート130は省略されてもよい。
また、上述の実施形態では、パッキン123に対して、長手側位置決め部123aと短手側位置決め部123bとを一体に形成した例を説明したが、長手側位置決め部123aと短手側位置決め部123bとを廃止して、パッキンを全周に亘って同一断面形状の環状の弾性部材で構成してもよい。
110 熱交換コア部(コア)
111 チューブ
112 フィン
120 ヘッダタンク
121 コアプレート
121a 溝部
121b 固定部(爪部)
121c チューブ挿入孔
122 タンク本体部
122a 先端部(スカート部)
123 弾性部材(パッキン)
123a 長手側位置決め部
123b 短手側位置決め部
130 インサート

Claims (3)

  1. 第1流体が流通する複数のチューブ(111)、および、前記複数のチューブ(111)の外表面に接合されて前記チューブ(111)周りを流通する第2流体と前記第1流体との熱交換を促進する複数のフィン(112)が並設されて構成された熱交換コア部(110)と、
    前記チューブ(111)の長手方向端部に配置されるとともに、前記複数のチューブ(111)および前記複数のフィン(112)の並設方向に延びて前記複数のチューブ(111)に連通するヘッダタンク(120)とを備え、
    前記ヘッダタンク(120)は、前記複数のチューブ(111)が接合されたコアプレート(121)および前記コアプレート(121)に固定されたタンク本体部(122)を有し、
    前記タンク本体部(122)のうち前記コアプレート(121)側の先端部(122a)が前記コアプレート(121)の外周縁部に設けられた溝部(121a)に挿入された状態で、前記タンク本体部(122)と前記コアプレート(121)が固定された熱交換器であって、
    前記溝部(121a)のうち、前記並設方向両端部に位置する短手部の溝幅寸法(X)、および、前記並設方向に直交する方向の両端部に位置する長手部の溝幅寸法(Y)が異なる寸法に形成され、
    前記ヘッダタンク(120)の前記並設方向の寸法が、前記熱交換コア部(110)の前記並設方向の寸法以上になっていることを特徴とする熱交換器。
  2. 前記短手部の溝幅寸法(X)が、前記長手部の溝幅寸法(Y)よりも長く形成されていることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記先端部(122a)のうち、前記並設方向に沿って延びる先端部(122a)は、前記チューブ(111)の並設方向に直交する方向に向かって突出しており、
    前記先端部(122a)のうち、前記並設方向に直交する方向に延びる先端部(122a)は、前記チューブ(111)の並設方向に向かって突出しており、
    前記並設方向に直交する方向に延びる先端部(122a)の突出寸法は、前記並設方向に沿って延びる先端部(122a)の突出寸法よりも長く形成されていることを特徴とする請求項2に記載の熱交換器。
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