JP2008208302A - フェノール樹脂組成物および熱硬化性樹脂成形材料 - Google Patents

フェノール樹脂組成物および熱硬化性樹脂成形材料 Download PDF

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Abstract

【課題】 成形時のバリの発生が少ない成形品を得ることができるフェノール樹脂組成物および熱硬化性樹脂成形材料を提供する。
【解決手段】 ノボラック型フェノール樹脂およびヒドロキシアルキルセルロースを含む、フェノール樹脂組成物により達成される。前記フェノール樹脂組成物と、充填材とを含んでなる、熱硬化性樹脂成形材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、フェノール樹脂組成物および熱硬化性樹脂成形材料に関するものである。
フェノール樹脂は、耐熱性、機械的強度および電気特性などの優れた特性を有しており、フェノール樹脂組成物として、成形材料、積層板および接着剤等の用途に使用されている。
一方、フェノール樹脂成形品は多くの場合、射出成形により成形されるが、成形の際、溶融した成形材料が、射出圧力により、厚み数μm〜50μm程度の金型合わせ面の隙間やエアベント等に入り込んで硬化し、バリとなって成形不良を起こしやすい。フェノール樹脂成形材料は、射出成形機のシリンダー内(90〜120℃)で可塑化された状態から、170〜190℃に加熱された金型内に射出される際の成形材料温度の上昇により、粘度が著しく低下するために、金型内の狭い隙間にも流れ込み、バリが発生しやすいと考えられる。
これまでに、バリを低減する様々な試みがなされている。バリの発生を抑制するためには、成形材料中の樹脂成分の硬化性を向上させて、金型内での溶融粘度を高くする方法が用いられることが多い(例えば、特許文献1及び2参照。)。しかし、硬化性を向上させただけでは、金型内での充填性が低下したり、射出成形法の場合にはシリンダー内での成形材料の熱安定性が低下したりするなど、問題も多い。また、金型温度を高く設定することで、硬化速度を速くする方法も考えられるが、充填不良を起こしやすくなるため、実施には限界がある。
バリの発生を抑制する他の方法としては、成形材料中の充填材の粒度を調整することにより、金型の隙間に連通する部分のキャビティ部に充填材で石垣のような構造を形成して、樹脂成分の流出を防ぐ方法がある(例えば、特許文献3参照。)。この方法の場合、充填材としては、有機充填材、無機充填材のいずれも用いることができるが、有機充填材として、従来から用いられてきた木粉、合板粉では、成形時に流動性が低下するという問題もある。一方、無機充填材を使用すると流動性は向上するが、成形品としての比重が増加し、実質的なコストアップにつながるという問題があった。
特公昭45−2975号公報 特開昭54−116049号公報 特開2002−265751号公報
本発明は、成形時のバリの発生が少ない成形品を得ることができるフェノール樹脂組成物および熱硬化性樹脂成形材料を提供することである。
本発明は、
(1)ノボラック型フェノール樹脂およびヒドロキシアルキルセルロースを含む、フェノール樹脂組成物、
(2)ヒドロキシアルキルセルロースが、ヒドロキシエチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロースである、(1)記載のフェノール樹脂組成物、
(3)ノボラック型フェノール樹脂とヒドロキシアルキルセルロースとの割合が、99重量部対1重量部ないし60重量部対40重量部である、(1)または(2)記載のフェノール樹脂組成物、
(4)(1)〜(3)のいずれか1項に記載されたフェノール樹脂組成物と、充填材とを含んでなる、熱硬化性樹脂成形材料、
である。
本発明よれば、成形時のバリの発生が少ない成形品を得ることができるフェノール樹脂組成物および熱硬化性樹脂成形材料が得られる。
本発明は、ノボラック型フェノール樹脂およびヒドロキシアルキルセルロースを含む、フェノール樹脂組成物である。また、本発明は、前記フェノール樹脂組成物に、さらに充填剤を含む、熱硬化性樹脂整形材料である。これにより、成形時のバリ発生の少ないフェノール樹脂組成物および熱硬化性樹脂成形材料が得られるものである。これは、ヒドロキシアルキルセルロースを含むことによる溶融時の増粘効果により、成形時に型内での前記樹脂組成物および成形材料の溶融粘度が向上し、射出圧力下においても、金型合わせ面の隙間やエアベント等に入り込む樹脂量が大幅に低減されるために、バリ発生の少ない成形品を得ることができるものである。
本発明に用いられるノボラック型フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを、無触媒または酸性触媒の存在下で、反応させて得られる樹脂であれば特に限定されないが、例えば、ランダムノボラック型やハイオルソノボラック型を用いることができる。
前記ノボラック型フェノール樹脂におけるフェノール類の具体例としては、フェノール、クレゾール、キシレノールおよびナフトールなどが挙げられ、アルデヒド類の具体例としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドおよびポリアセタールなどが挙げられるが、最も硬化速度を速くする上では、フェノールとホルムアルデヒドを用いて反応させて得られるノボラック型フェノール・ホルムアルデヒド樹脂が、より好ましい。
また、前記ノボラック型フェノール樹脂における触媒の具体例としては、ノボラック型フェノール樹脂の製造に用いられるものであれば、特に限定されないが、例えば、蓚酸、酢酸およびトリフルオロ酢酸などの有機カルボン酸、塩酸および硫酸などの無機酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸およびトリフルオロメタンスルホン酸などの有機スルホン酸、有機ホスホン酸、あるいは、タングストケイ酸、タングストリン酸、モリブドケイ酸およびモリブドリン酸などのヘテロポリ酸などが挙げられる。
これらのノボラック型フェノール樹脂の分子量としては、特に限定されないが、数平均分子量が400〜1200のものが好ましく使用される。更に好ましくは500〜1000である。これにより、フェノール樹脂組成物及び成形材料製造時の作業性、成形時の成形性、成形品の機械的特性などを良好なものとすることができる。前記数平均分子量は前記範囲外でも使用できるが、上記下限値未満では成形材料製造時の作業性が低下することがある。また、上記上限値を超えると流動性が不十分となり成形性が低下する場合がある。
本発明に用いるヒドロキシアルキルセルロースとしては、アルキル置換のヒドロキシセルロースであれば、特に限定されないが、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシペンチルセルロース及びヒドロキシヘキシルセルロースなどを挙げることができる。顕著な増粘効果を得るためには、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。これらのヒドロキシアルキルセルロースは、1種又は2種以上を用いることができる。
本発明のフェノール樹脂組成物において、ノボラック型フェノール樹脂とヒドロキシアルキルセルロースとの割合としては、99重量部対1重量部ないし60重量部対40重量部が好ましい。前記ヒドロキシアルキルセルロースの割合が、前記範囲外でも使用できるが、1重量部より少ないと、十分な増粘効果が発揮できずに、バリの低減が不十分となる恐れがある。一方、40重量部を越えると、ヒドロキシアルキルセルロースの割合が多くなり、成形品の強度が不十分となる恐れがある。さらには、バリの低減効果と成形品強度のバランスを得る上では、ノボラック型フェノール樹脂とヒドロキシアルキルセルロースとの割合は90重量部対10重量部ないし70重量部対30重量部であることがより好ましい。
本発明のフェノール樹脂組成物には、さらに、前記ノボラック型フェノール樹脂に対する硬化剤を用いることができ、そのような硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、ヘキサメチレンテトラミン及びポリアセタール樹脂などを挙げることができる。前記ヘキサメチレンテトラミンとしては、通常のノボラック型フェノール樹脂の硬化剤として使用される粉末状のものが用いられ、その使用量としては、前記ノボラック型フェノール樹脂100重量部に対して、好ましい下限値が7重量部で、好ましい上限値が30重量部である。より好ましくは下限値が12重量部、上限値が20重量部である。前記下限値以上では、充分な硬化速度を得ることができ、前記上限値以下では、硬化時のガス発生量が少なく硬化物の外観がより良好なものとなるので好ましい。
硬化剤として前記ポリアセタール樹脂を用いるときには、硬化促進剤として、酸あるいは塩基性化合物を併用することが望ましい。
前記酸性化合物としては、有機酸及び無機酸が有効である。前記有機酸としては、カルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基及びリン酸基から選ばれる基を有する化合物が挙げられる。例えば、カルボン酸基を有する化合物としては、蟻酸、酢酸、乳酸、プロピオン酸、2−メチルプロピオン酸、シュウ酸、酒石酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、2−メチルオクタン酸、ドデカン酸、4−エチルテトラデカン酸、オクタデカン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロドデカンカルボン酸、安息香酸、サリチル酸、没食子酸、プロトカテク酸、アクリル酸、アジピン酸、フタル酸、コハク酸、クエン酸、マレイン酸、グルタミン酸、アミノプロピオン酸及びポリアクリル酸等が挙げられ、スルホン酸基を有する化合物としては、ナフタレン−α−スルホン酸、ナフタレン−β−スルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸及びベンゼンスルホン酸等が挙げられ、スルフィン酸基を有する化合物としては、ベンゼンスルフィン酸及びパラトルエンスルフィン酸等が挙げられ、リン酸基を有する化合物としては、グルコース−1−リン酸、グリセリン酸−1−リン酸、フルクトース−6−リン酸、ジヒドロキシアセトンリン酸、グリセリン酸−2−リン酸、アデノシン三リン酸(ATP)、アデノシン二リン酸(ADP)、グリセリンアルデヒド−3−リン酸、グリセリン酸−1,3−二リン酸、リボフラビンリン酸エステル、グリセリン酸−3−リン酸、グルコース−6−リン酸、フルクトース−1,6−二リン酸、エノールピルビン酸リン酸、グリセロリン酸、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)等が挙げられる。前記無機酸としては、例えば、塩酸、臭酸、ヨウ素酸及び弗酸等のハロゲン化水素酸;硫酸、亜硫酸;硝酸、亜硝酸;リン酸、ポリリン酸、亜リン酸;炭酸、ホウ酸及び珪酸等が挙げられる。これらの酸性化合物は、1種又は2種以上を用いることができる。
前記塩基性化合物としては、塩基性金属の、水酸化物、酸化物及び弱酸塩などが挙げられるが、前記塩基性金属水酸化物としては、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物が好ましく、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム及び水酸化バリウム等が挙げられる。前記塩基性金属酸化物としては、アルカリ金属酸化物及びアルカリ土類金属酸化物が好ましく、例えば、酸化マグネシウム及び酸化カルシウム等が挙げられる。
前記ポリアセタール樹脂としては、オキシメチレン基を主たる構成単位とする高分子化合物であり、ホモポリマー型ポリアセタール樹脂でも、オキシメチレン基以外に、オキシエチレンなどの他の構成単位を、50重量%未満含有するコポリマー型ポリアセタール樹脂でもよいが、前記ノボラック型フェノール樹脂とポリアセタール樹脂とを溶融混合する時の熱安定性の点では、コポリマー型ポリアセタール樹脂が好ましい。ポリアセタール樹脂は、離型剤、酸化防止剤などを含有しているものでもよく、前記ホモポリマー型ポリアセタール樹脂としては、デュポン社製デルリン500NC010や、旭化成製テナック4010などが使用できる。前記コポリマー型ポリアセタール樹脂としては、ポリプラスチックス製ジュラコンM90S、三菱エンジニアリングプラスチックス製F30−01、旭化成製テナックC7520などが使用できる。前記ポリアセタール樹脂の使用量としては、前記ノボラック型フェノール樹脂100重量部に対して、好ましい下限値が1重量部で、好ましい上限値が30重量部である。より好ましくは下限値が5重量部、上限値が25重量部である。前記下限値以上では、充分な硬化速度を得ることができ、前記上限値以下では、硬化時のガス発生量が少なく硬化物の外観がより良好なものとなるので好ましい。
本発明において、上記成分以外に、必要に応じて、他の樹脂類、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂、また、本発明に影響しない範囲で、ヘキサメチレンテトラミン、ポリアセタールなどの硬化剤、その他の硬化触媒や増粘剤などの流動固化特性を調整する添加剤、さらには、シランカップリング剤、充填材、着色剤、難燃剤及び離型剤などのフェノール樹脂に用いられる各種添加剤を配合することができる。
本発明の熱硬化性樹脂成形材料は、上記フェノール樹脂組成物と、充填材とを含んでなるものである。
本発明の熱硬化性樹脂成形材料に用いる充填材としては、有機充填材および無機充填材などの充填材を用いることができる。前記有機充填材としては、木粉、合板粉、熱硬化性樹脂硬化物粉末および粉砕布などが挙げられ、前記無機充填材としては、ガラスビーズ、ガラスパウダー、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、水酸化アルミニウム、クレーおよびマイカなどの粉末状充填材や、ガラス繊維およびカーボン繊維などの繊維状充填材などが挙げられる。これらの充填材は、1種または2種以上が使用できるが、これらに限定されるものではない。
本発明の熱硬化性樹脂成形材料における充填材の含有量としては、前記ノボラック型フェノール樹脂組成物100重量部に対して、好ましい下限値が30重量部で、好ましい上限値が400重量部である。前記下限値以上では、前記成形材料の硬化物である成形品の機械的強度が充分であり、前記上限値以下では、成形時の流動性が良好で、成形時に金型内の充填性がより良好なものとなる。
本発明の熱硬化性樹脂成形材料には、熱硬化性樹脂として、前記ノボラック型フェノール樹脂以外の樹脂を含んでいても良く、そのような樹脂としては、レゾール型フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化性樹脂を挙げることができる。これらの熱硬化性樹脂は、1種または2種以上が使用できるが、これらに限定されるものではない。
本発明の熱硬化性樹脂成形材料において、上記成分以外に、必要に応じて、他の樹脂類、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂、あるいはシランカップリング剤、着色剤、難燃剤および離型剤など、公知の熱硬化性樹脂成形材料に用いられる各種添加剤を配合することができる。
本発明のフェノール樹脂組成物において、製造方法は特に限定されることはないが、前記ノボラック型フェノール樹脂および前記ヒドロキシアルキルセルロースと、必要に応じて、前記フェノール樹脂組成物に用いるその他の各種成分を、公知のミキサーで混合することにより得ることができ。また、これらの混合物を、加圧ニーダー、ロール、コニーダーおよび二軸押出し機等の混練機を用いて、溶融混合してもよい。
本発明の熱硬化性樹脂成形材料において、製造方法は特に制限されることはないが、前記フェノール樹脂組成物または前記フェノール樹脂組成物に用いる成分と、前記充填材と、必要に応じて、前記熱硬化性成形材料に用いるその他の添加剤を、公知のミキサーで均一に混合した後、加圧ニーダー、ロール、コニーダーおよび二軸押出し機等の混錬機単独又はロールと他の混合機との組合せで加熱混練し、粉砕することにより得ることができる。
このようにして得られる本発明のフェノール樹脂組成物は、例えば、成形材料として、圧縮成形、移送成形または射出成形などの方法により、上記硬化物における加熱温度により加熱成形して成形品とすることができ、また、溶媒に溶解してワニスとして、基材上に塗布して塗膜を形成し、上記硬化物における加熱温度により硬化させて樹脂層やフィルムとすることができる。
このようにして得られる本発明の熱硬化性樹脂成形材料は、射出成形など公知の方法により成形して、成形品とすることができる。
また、本発明の熱硬化性樹脂成形材料は、厨房、漆器製品から、特性面で高い信頼性を要求される自動車および産業用機構部品などの用途に使用できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制約されるものではない。
(実施例1)
[成形材料の製造]
ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト社製「PR−HF−6」)を40重量%、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを7重量%、ヒドロキシエチルセルロース(三晶社製「サンヘック」)を10重量部、充填材としてガラス繊維を(日本板硝子社製「RES03」、平均繊維長3mm)40重量%、その他の添加剤として滑剤(ステアリン酸)を1重量%、着色剤(オリエント化学工業社製・スピリットブラック「SBK」)1重量%を配合して混合した後、100℃の加熱ロールで10分間混練し、冷却後粉砕して成形材料を得た。
[成形材料の評価]
(1)バリ長さ及び充填性評価
上記で得られた成形材料を用いて、シリンダー温度100℃、金型温度175℃、成形時樹脂内圧30MPa、成形時間40秒間の成形条件で射出成形し、縦100mm、横70mm、厚さ4mmの試験片を得た。なお、バリ長さの測定においては、前記試験片の金型において、20μm厚のエアベント(いずれも幅5mm)部を設けており、前記エアベント部分に発生するバリの長さを評価した。充填性は、上記試験片の充填の度合いを目視検査により評価した。
(2)曲げ強度評価
上記で得た試験片について、曲げ強度(JIS6911準拠)の評価を行った。
(3)溶融粘度特性評価
上記で得た成形材料を用いて、ラボプラストミル(東洋精機製作所製)により、測定条件を、温度170℃、回転数30rpmとした時の最低溶融トルク値を測定した。
(実施例2〜7)
表1に示す原料とその割合により混合して、実施例1と同様の操作により成形材料を得た。また、これを実施例1と同様にして評価を行い、得られた結果を表1に示す。
(比較例1〜3)
表1に示す原料とその割合により混合して、実施例1と同様の操作により成形材料を得た。また、これを実施例1と同様にして評価を行い、得られた結果を表1に示す。
Figure 2008208302
*1) デュポン製、デルリン500NC010
*2) 三晶製、サンヘック
*3) 三晶製、クルーセル
*4) 充填性:上記条件による射出成形で100%充填した場合を○、充填しなかった場合を×とした
*5) 溶融粘度特性:上記成形材料の温度170℃、回転数30rpmにおけるラボプラストミル(東洋精機製作所製)最低溶融トルク値
上記の表1の結果からも明らかなように、本発明の成形材料は、バリが少なく材料特性(曲げ強度)に優れている結果が得られた。
本発明よれば、成形時のバリ発生が少なく、材料物性の良好な成形品を与えるノボラック型フェノール樹脂組成物および熱硬化性樹脂成形材料を提供することができる。従って、本発明は、コスト削減や生産性向上が求められる工業用フェノール樹脂成形材料として有用である。

Claims (4)

  1. ノボラック型フェノール樹脂およびヒドロキシアルキルセルロースを含む、フェノール樹脂組成物。
  2. ヒドロキシアルキルセルロースが、ヒドロキシエチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロースである、請求項1記載のフェノール樹脂組成物。
  3. ノボラック型フェノール樹脂とヒドロキシアルキルセルロースとの割合が、99重量部対1重量部ないし60重量部対40重量部である、請求項1または2記載のフェノール樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載されたフェノール樹脂組成物と、充填材とを含んでなる、熱硬化性樹脂成形材料。
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