JP2008208123A - 天蚕絹セリシンの取得方法と化粧水等への使用 - Google Patents

天蚕絹セリシンの取得方法と化粧水等への使用 Download PDF

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幸一 鈴木
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章二 瓜田
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Abstract

【課題】従来その取得が難しかった天蚕絹セリシンを簡便に取得し、これを化粧水等として実際に利用するための新しい技術手段を提供する。
【解決手段】天蚕繭層の精練処理後の水性液を水透析することによりセリシン溶液を取得する。次いで化粧水基材成分を添加混合することにより、天蚕からの絹セリシンを化粧水基材に対して好ましくは100〜2000ppmの範囲で配合し、pHが6.5〜7.5の範囲内である天蚕絹セリシン化粧水とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、天蚕由来の絹セリシンの取得方法と化粧水等への使用に関するものである。
従来より、絹糸昆虫が産生する家蚕繭の利用だけでなく、野蚕繭についても絹糸等の利用法等についての検討が行われてきている。たとえば、これらから抽出等の手段により得られる絹タンパク質を健康増進のための飲食品に利用することや、化粧料成分として利用することが試みられてきている。また、医療への応用についての検討も進められている。
ここで、絹タンパク質は、成分の分子形状により、球状タンパク質(アルブミン、カゼイン、グロブリン、ゼラチン、核・糖・色素・リンタンパク質)と硬タンパク質(フィブロイン、セリシン、ケラチン、コラーゲン、エラスチン)に分類される。
さらに、絹糸をはき出す絹糸虫(Bombycoidea、鱗翅目幼虫)は、カイコガ科(Bombycidae)とヤママユガ科(Saturniidae)に分類される。さらに、前者は家蚕(Bombyx mori)とクワコ(Bombyx mandarina)に分類される。後者は、天蚕(Antheraea yamamai)、柞蚕(Anteraea pernyi)、楓蚕(Eriogyna pyretorum)、蓖蚕(Pilosamia Cynthia ricini)、樗蚕(Samia cynthia)、栗虫(Caligura japonica)、チュッサー蚕(Antheraea mylitta)、ムガ蚕(Antheraea assama)に分類される。これらの絹糸虫は全て、フィブロインとセリシンを主成分とする硬タンパク質を吐糸する(出典:小松計一著、北條舒正編、続絹糸の構造、352−377頁、信州大学繊維学部発行、1980年3月)。
これらの区分に示唆されてもいるが、漢字表記では「蚕」を用いることで共通しているが、いわゆる「野蚕」と呼ばれるものには、カイコガ科(Bombycidae)に分類されて、家蚕(Bombyx mori)と同類の、蚕(カイコ)であって桑しか食べない絹糸虫の前記クワコ(Bombyx mandarina)とともに、これとは本質的に異種の前記ヤママユガ科(Saturniidae)に属する天蚕(Antheraea)等が含まれていることが留意される。たとえば天蚕は、蚕(カイコ)ではなく、天蚕と蚕(カイコ)を交配することはできない。天蚕は桑以外のクヌギ、ヤナギ、コナラ、カシワなどを食べて成長する。従って、産生される繭糸の主成分の硬タンパク質は、フィブロイン、セリシンとする大きな形状分類のカテゴリには括られるが、その高次構造からアミノ酸組成に至るまで全く異っている。つまり、「野蚕」の呼称はこれらの本質的な差異を含むものとして科学的に妥当でないことがわかる。
表1は、天蚕、家蚕の性状および繭糸、絹の諸形質の比較を行ったものである。
なお、表中の引用文献は以下の通りである。
1)小松計一著、北條舒正編、続絹糸の構造、352−377頁、信州大学繊維学部発行、1980年3月
2)山田都一著、被服繊維・材料学、333頁、コロナ社、1983年
3)田中義麿著、蚕学、750頁、興文社、1943年
4)菊池邦夫ほか著、北大農場研究報告、27、1−6、1991年
5)特願平9−241399
6)佐藤良泰著、伊藤武男監修、絹糸の構造、244−283頁、千曲会出版部、1957年
7)北村愛夫ほか著、日蚕雑、44、201−206頁、1975年
8)伊藤武男ほか著、伊藤武男監修、絹糸の構造、106−128頁、千曲会出版部、1957年
9)林勝成著、伊藤武男監修、絹糸の構造、340−376頁、千曲会出版部、1957年
10)特開2004−315682号公報
11)瓜田章二ほか著、糸絹研集録(43)、119−120頁、1995年
12)瓜田章二ほか著、東北蚕糸研報(22)、32頁、1997年
また、表2に示すように、天蚕と家蚕にそれぞれ含まれるフィブロインのほとんどのアミノ酸成分、ケラチン成分およびコラーゲン成分の成分比率が異なっている。
以上のことからも、絹タンパク質の取得とその利用についての関心の高まりと、具体的な検討の進展が見られるとしても、自然性への観点から注目される「天蚕」について、家蚕、つまり蚕(カイコ)と同列のものとして類推することは難しいことが理解される。
このような背景において、たとえばわが国在来の代表的な野蚕の一つである天蚕についてその絹糸フィブロイン溶液を用いた化粧水とその製造方法(特許文献1)が提案されている。
家蚕絹又は天蚕絹のフィブロインを含有した化粧水の短波長域である紫外線吸収能力は高く、中でも天蚕絹から抽出されたフィブロインを配合した化粧水の紫外線領域での吸収能力が非常に高いことが特許文献1に示されている。
ただ、この提案においても、家蚕と天蚕との相違が極めて重要な点であることがわかる。たとえば、天蚕と家蚕の絹からフィブロインを抽出する方法も本質的に異なってくる。
一方、絹タンパク質であるセリシンは、絹糸になるフィブロインを取り囲むタンパク質であって、アミノ酸としてセリンを多く含むことが知られているものであるが、フィブロインの場合に比べて、その取得と利用は容易ではないことも知られている。たとえば、家蚕由来の絹からセリシンを抽出する従来の方法としては、絹繊維を短く切断し、膨潤工程として140℃以下の水で処理した後に水蒸気で処理し、酸性水溶液、アルカリ水溶液又は酵素を含む水で処理する工程によりセリシンを回収するものがある(たとえば、特許文献2参照)。
また、家蚕由来の絹織物をマイセルセッケンやアルカリ液で常圧又は高圧で煮沸し、通常の絹織物の精錬工程で生ずる精錬廃液からセリシンを回収する方法も行われている(たとえば、特許文献3参照)。しかし、これらの方法では分子量の低いセリシンしか得られなかったり、不純物除去に多大なコストが必要であり、かつセリシンの回収率は低い。
セリシンの利用については、家蚕(Bombyx mori)の突然変異種である「セリシン蚕」(通称、Nd、NdBという。)の繭から、アルカリ性無機塩水溶液、界面活性剤水溶液、尿素水溶液あるいはこれらの組合せの水溶液により抽出したセリシンを配合した皮膚化粧料が提案されている(たとえば、特許文献4)。そして家蚕繭から抽出して得られたセリシンの粉末やその加水分解物を皮膚ガン予防剤とすることやこれを含有させた健康食品、あるいは化粧水(特許文献5)も提案されている。
さらには、絹抽出物による紫外線吸収作用を目的とする化粧品用配合剤としては、野蚕に属する柞蚕(Anteraea pernyi)、エリ蚕(Antheraea pernyi)、アナフェ(Anaphe reticulata)、ムガ蚕(Antheraea assama)、クリキュラ(Criculatrifenstrata)の内の1種又は3種以上の野蚕が生産する絹の加水分解物を主成分とするものが提案されている(たとえば、特許文献6参照)。
しかしながら、これら各種の提案や検討にもかかわらず、天蚕(Antheraea yamamai)のセリシンの成分抽出方法やその抽出物の利用は現状においては実現されていない。
野蚕絹セリシンには無機塩類をはじめ色素などの活性物質を含みその精製は容易でないため、その利用は進んでいないことがその背景にあり、特に天蚕は繭層にCa(COO)2を多く含み、純セリシンを得ることが難しいという問題がある。このため、天蚕絹セリシンを取得するための手段や、得られたセリシンを化粧水等として利用するための手段については実際的にほとんど知られていない。
特許第3364710号明細書 特開2004−238312号公報 特開平4−202435号公報 特開昭58−26809号公報 特開2001−354584号公報 特開2000−53551号公報
そこで本発明は、以上のとおりの背景から、従来の問題点を解消して、従来その取得が難しかった天蚕絹セリシンを簡便に取得し、これを化粧水等として実際に利用するための新しい技術手段を提供することを課題としている。
本発明は、上記の課題を解決するものとして以下のことを特徴としている。
第1:天蚕繭層からのセリシンを化粧水基材に配合してなることを特徴とする化粧料。
第2:上記第1の化粧料からなることを特徴とする天蚕絹セリシン化粧水。
第3:天蚕繭層からのセリシンを化粧水基材に対して100〜2000ppmの範囲で含有し、pHが6.5〜7.5の範囲内であることを特徴とする上記第2の天蚕絹セリシン化粧水。
第4:化粧水基材は、その組成が全体量100重量部において、水:50〜90重量部、エタノール:5〜30重量部、グリセリン5〜20重量部の範囲にあることを特徴とする上記第2または第3の天蚕絹セリシン化粧水。
第5:天蚕繭層からのセリシンは、天蚕繭層の精練処理工程、放置工程、その後の水性液による水透析工程により得られたセリシンであることを特徴とする上記第2から第4のいずれかの天蚕絹セリシン化粧水。
第6:紫外線吸収効果を有することを特徴とする上記第2から第5のいずれかの天蚕絹セリシン化粧水。
第7:天蚕絹セリシン化粧水の製造方法であって、天蚕繭層の精練処理工程、放置工程、その後の水性液による水透析工程によりセリシン溶液を取得し、次いで化粧水基材成分を添加混合する工程からなることを特徴とする天蚕絹セリシン化粧水の製造方法。
第8:天蚕繭層の精練処理工程は、Na2CO3水溶液と接触させることにより行うことを特徴とする上記第7の天蚕絹セリシン化粧水の製造方法。
第9:セリシンを化粧水基材に対して100〜2000ppmの範囲で含有させ、pHを6.5〜7.5の範囲内とすることを特徴とする上記第7または第8の天蚕絹セリシン化粧水の製造方法。
第10:化粧水基材を、化粧水全体量100重量部において、水:50〜90重量部、エタノール:5〜30重量部、グリセリン:5〜20重量部の範囲内に配合することを特徴とする上記第7から第9のいずれかの天蚕絹セリシン化粧水の製造方法。
第11:天蚕絹セリシン溶液の取得方法であって、天蚕繭層の精練処理工程、放置工程、その後の水性液による水透析工程によりセリシン溶液を取得することを特徴とする天蚕絹セリシン溶液の取得方法。
第12:天蚕繭層の精練処理工程は、Na2CO3水溶液と接触させることにより行うことを特徴とする上記第11の天蚕絹セリシン溶液の取得方法。
第13:上記第11または第12の方法により得られたものであることを特徴とする天蚕絹セリシン溶液。
第14:紫外線吸収効果を有することを特徴とする上記第13の天蚕絹セリシン溶液。
第15:上記第13または第14の方法により得られた天蚕絹セリシン溶液を乾燥して粉末化することを特徴とする天蚕絹セリシン粉末の製造方法。
第16:上記第15の方法により得られたものであることを特徴とする天蚕絹セリシン粉末。
第17:天蚕繭層からのセリシンを含有することを特徴とする天蚕絹セリシン外用組成物。
第18:天蚕繭層からのセリシンは、天蚕繭層の精練処理工程、放置工程、その後の水性液による水透析工程により得られたセリシンであることを特徴とする上記第17の天蚕絹セリシン外用組成物。
第19:紫外線吸収効果を有することを特徴とする上記第17または第18の天蚕絹セリシン外用組成物。
第20:天蚕繭層からのセリシンからなることを特徴とする保湿剤。
第21:天蚕繭層からのセリシンは、天蚕繭層の精練処理工程、放置工程、その後の水性液による水透析工程により得られたセリシンであることを特徴とする上記第20の保湿剤。
上記のとおりの本発明によれば、従来の問題点を解消して、従来その取得が難しかった天蚕絹セリシンを簡便に取得し、これを化粧水等として実際に利用するための新しい技術手段を提供することができる。
より詳しくは、第1から第10の発明によれば、紫外線(UV)吸収特性を有し、しっとり感(保湿性)があり、抗酸化作用(美白効果)も有する天蚕絹セリシン化粧料が特有の組成と製造法によって実現されることになる。その製造法では、簡便に純度の良い天蚕絹セリシン含有の化粧料の提供を可能とする。
第11から第16の発明によれば、化粧水以外の様々な用途への展開が可能な天蚕絹セリシン溶液と天蚕絹セリシン粉末が簡便に安定して提供されることになる。
第17から第19の発明によれば、上記化粧水だけでなく、クリーム、軟膏、ジェル剤、パップ剤、パック剤、浴剤、毛髪化粧料等の様々な剤型として、紫外線(UV)効果、美白効果、創傷処置効果等を有する皮膚外用組成物が提供される。
第20および第21の発明によれば、天蚕絹セリシンによる高い保湿効果を有する新規な保湿剤が提供される。
本発明が化粧水等の製造のための出発原料物質としている天蚕繭層は、各種の天蚕の生繭を切開して得た繭層である。
天蚕は、わが国在来の代表的な野蚕で、クタギ、コナラ、カシワ、シラカシなどの葉を食物として全国の山野に生息しているが、一部の地方では飼育もなされており、なかでも長野県穂高町の有明地方は天明(1781〜1789)の昔から天蚕の飼育が連めんと続けられている地域として著名である。
天蚕は、昆虫綱、鱗翅目、カイゴガ上科、ヤマ繭ガ科、に属し、学名はAntheraea yamamai Guerin−Menevilleである。1化性で、卵−幼虫−蛹−成虫の完全変態をし、卵の状態で越冬する。松本地方の自然条件下で4月下旬〜5月上旬頃にふ化してきた幼虫は50〜60日間かかって盛んに食葉しながら、4回の脱皮と5つの齢期を経過して塾蚕となり繭をつくる。営繭を始めてから7〜8日で化蛹し、8月上旬頃より羽化するものが現れ、交尾して食樹の小枝に産卵する。屋内で環境条件を調節して飼育すると、屋外での場合より経過はかなり早まり、死ぬものが少なくなり、繭質も良好になる。繭1粒から長さで600〜700m程度、1,000粒から重さで250〜300g程度の糸が得られる。
本発明における天蚕は、これらの山野に生息しているもの、あるいは飼育されているもののいずれでもよい。
本発明におけるこのような天蚕絹セリシンの取得においては、一般的には次のような基本的な手順が採用される。
<A>天蚕生繭の切開による天然繭層の取得
<B>精練処理による繭層絹糸と廃液との分離
<C>廃液の水透析による天蚕絹セリシン溶液の取得。
すなわち、工程<B><C>は、本発明においては必須のものである。工程<B>精練処理では、繭層の絹糸が固形成分として分離され、廃液としての絹セリシン含有の水性液が取得される。
より好適には、この精練処理に際しては、あらかじめ、工程<A>で得られた天蚕繭層を、20〜200倍(重量比)程度の純水を用いて40〜80℃程度の温度範囲において温水洗浄しておき、さらには必要に応じて、メタノール水溶液により色素物質の抽出を行っておくことが考慮される。これによって、工程<B>以降での操作を不純物除去の点でより負担の少ない簡便なものとすることができる。
また、精練では、弱アルカリ、たとえばNa2CO3の0.1〜2%濃度水溶液により、70〜105℃程度の温度範囲で行うことが好適に考慮される。処理時間は20分〜3時間程度であってよい。この精練処理の後、たとえばフィルター等を用いた濾過により繭層絹糸と廃液とに分別される。
その後、工程<C>の水透析の前処理として、好ましくは、100℃未満の温度において濃縮を行い、数日間放置(静置)した後に濾過しておく。
水を用いての<C>透析の工程では、5〜25℃程度の温度範囲で、セルロースチューブ等を用いることができる。その後、濾過処理することも考慮される。
以上の工程により、本発明では天蚕絹セリシン溶液が得られる。このものは水だけが溶媒であって、pH調整のための成分を添加することなく化粧水を調合することが可能でもある。
本発明での天蚕絹セリシンは、上記の取得に際しての条件等にもよるが、通常は、35kDa〜45kDaの範囲の分子量を有している。
本発明においては、上記工程により得られた天然絹セリシン溶液を用いることで化粧水を製造する方法が提供される。この方法では、天蚕繭層の精練処理後の水性液を水透析してセリシン溶液を取得し、次いで化粧水基材成分を添加混合することを特徴としている。また、さらには、天蚕繭層の精練処理は、上記のようにNa2CO3水溶液と接触させることにより行うことを特徴としている。本発明が提供する天蚕絹セリシン化粧水は、天蚕からの絹セリシンを化粧水基材に配合した化粧水であって、その組成において、天蚕からの絹セリシンを化粧水基材に対して100〜2000ppmの範囲で含有し、pHが6.5〜7.5の範囲内である。
本発明の化粧水においては、天蚕絹フィブロイン配合の化粧水に比べて紫外線(UV)吸収領域は広く、波長235nm以下の短波長域、265〜280nm波長域、そして310nm〜400nm波長域での吸収量が大きいという特徴を有し、ワイドバンドでの吸収効果と減衰率(吸収率)の顕著な高さとから、その紫外線吸収効果を発現させる各種の形態での使用が考慮される。しかもしっとり感が強く、化粧水として優れた特徴を有している。
天蚕絹セリシンの含有量が100ppm未満では上記の特徴は十分に得られない。また2000ppmを超える場合にはべたつき感が増す傾向にある。このため、その含有量は100〜2000ppmの範囲とすることが好ましい。
化粧水基材としては水性、水溶液の成分が用いられる。主としては水分である。水分以外には、通常の化粧水にも配合されているエタノール(敏感肌用には、無水エタノールでも可)、ブタンジオールグリセリン等が使用できる。これ以外には、たとえばアスコルビン酸やその誘導体、その他UV吸収剤や安定化剤等が適宜に考慮される。
より具体的な例示としては、化粧水基材は、その組成として、全体量100重量部において、
水:50〜90重量部
エタノール:5〜30重量部
グリセリン:5〜20重量部
が好適な目安として示される。水が50重量部未満においてはしっとり感が得られにくく、グリセリンが5重量部未満でも同様である。水は好ましくは90重量部以下とする。90重量部を超えると化粧水としてのさっぱり感、さわやか感を得ることが難しくなる。グリセリンが20重量部を超える場合も同様である。
なお、グリセリンは保水機能を有していることから5〜20重量部の範囲において用いることが望ましい。一方、エタノールが5重量部未満では、化粧水としてのさっぱり感が失われやすい。エタノールが30重量部を超えるとしっとり感が失われやすい。
また、本発明における化粧水のpHは6.5〜7.5の範囲である。本発明においては、前記のとおりのセリシン溶液を用いることで、特段のpH調整剤を使用しなくても、この範囲とすることができる。
さらに本発明においては、前記のとおりに得られた天蚕絹セリシン溶液を用いて、水性化粧品、あるいは尿素や油性の成分の添加によるエマルジョン型の化粧品や毛髪化粧料としてもよい。あるいは、この溶液を噴霧、あるいは凍結等により乾燥して粉末とし、このものを化粧品成分や食品添加成分等として用いることもできる。
上記の化粧水をはじめとして、本発明の天蚕絹セリシンは、その溶液から、あるいは粉末から、各種の皮膚外用組成物の有効成分として用いることができる。この外用組成物においては、本発明の天蚕絹セシリンは、上記化粧水の場合に好適な基材に対して100〜2000ppmの濃度に限定されることなく、100ppm未満、あるいは2000ppm超であってもよい。この外用組成物は、紫外線吸収や、美白、創傷治療、抗酸化、抗炎症等の効果を有するものとして、化粧品や、スポーツ用品、健康用品、医療用品、医薬品等として有用である。
外用組成物の形態の例としては、特に限定されず、例えば、水溶剤、軟膏、乳液、クリーム、ジェル剤、パック、浴剤、洗浄剤、パップ剤、分散液等のあらゆる外用剤の形態を取ることができ、その剤型についても特に制限はなく、固形状、ペースト状、ムース状、ジェル状、粉末状、溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、多層状とすることができる。
外用組成物の皮膚への塗布方法は、液剤の場合、スプレー、貼布、湿布、ディッピング、マスク等物理的に可能な全ての方法を用いることができる。
本発明の外用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内において、通常外用剤等の製剤に使用される成分、たとえば水(精製水、温泉水、深層水等)、油剤、界面活性剤、金属セッケン、保湿剤、ゲル化剤、アルコール類、水溶性高分子、粉体、pH調整剤、皮膜形成剤、樹脂、紫外線防御剤、包接化合物、抗菌剤、香料、消臭剤、塩類、清涼剤、動物・微生物由来抽出物、植物抽出物、血行促進剤、収歛剤、抗脂漏剤、活性酸素消去剤、細胞賦活剤、角質溶解剤、酵素、ホルモン類、ビタミン類などを配合することができる。
油剤として、炭化水素類、ロウ類、脂肪酸類、高級アルコール類、エステル油、シリコーン油類、フッ素系油類などを配合することができる。油剤の具体例としては、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等の炭化水素系類:ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ等のロウ類:牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、硬化油、タートル油、豚油、馬脂、ミンク油、肝油、卵黄油等の動物油:ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリンラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等のラノリン誘導体:ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類などが挙げられる。
その他の油剤の具体例としては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトスチロール、シトステロール、ラノステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(パチルアルコール)等の高級アルコール:アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸−ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸−N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油:アセトグリセライド、トリイソオクタン酸グリセライド、トリイソステアリン酸グリセライド、トリイソパルミチン酸グリセライド、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセライド、モノステアリン酸グリセライド、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、トリミリスチン酸グリセライド等のグリセライド油:ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタンシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、ステアロキシシリコーン等の高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、シリコーン油等のシリコーン系油剤:パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤などが挙げられる。
乳化剤の具体例としては、HLBが10以上のポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エステル等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル若しくはポリグリセリン脂肪酸エステルのようなノニオン系界面活性剤、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤などが挙げられる。
界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の界面活性剤を配合することができる。アニオン性界面活性剤の具体例としては、ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸セッケン、アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、アミノ酸と脂肪酸の縮合物等のカルボン酸塩、アルキルスルホン酸、アルケンスルホン酸塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩とそのホルマリン縮合物のスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキル及びアリールエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸エステル塩類、アルキルリン酸塩、エーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩、アミドリン酸塩、N−アシルアミノ酸系活性剤などが挙げられる。カチオン性界面活性剤の具体例としては、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアミノアルコール脂肪酸誘導体等のアミン塩、アルキル酸四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリウム塩などが挙げられる。非イオン性界面活性剤の具体例としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミドなどが挙げられる。両性界面活性剤の具体例としては、ベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等などが挙げられる。
金属セッケンの具体例としては、12−ヒドロキシステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛などが挙げられる。
保湿剤の具体例としては、アルカリ単純温泉水、深層水、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン及びケラタン硫酸などのムコ多糖類またはそれらの塩、コラーゲン、エラスチン、ケラチンなどのタンパク質またはそれらの誘導体並びにそれらの塩、大豆及び卵由来のリン脂質、糖脂質、セラミド、ムチン、ハチミツ、エリスリトール、マルトース、マルチトール、キシリトール、キシロース、ペンタエリスリトール、フルクトース、デキストリン及びその誘導体、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、トレハロース、ブドウ糖等の糖類、尿素、アスパラギン、アスパラギン酸、アラニン、アルギン、イソロイシン、オルチニン、グルタミン、グリシン、グルタミン酸及びその誘導体並びにそれらの塩、システイン、シスチン、シトルリン、スレオニン、セリン、チロシン、トリプトファン、テアニン、パリン、ヒスジン、ヒドロキシリジン、ヒドロキシプロリン、ピロリドンカルボン酸及びその塩、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、リジンなどのアミノ酸及びそれらの誘導体又はそれらの塩などが挙げられる。
ゲル化剤の具体例としては、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、α,γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー等の有機変性粘土鉱物などが挙げられる。
アルコール類の具体例としては、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコールなどが挙げられる。
水溶性高分子の具体例としては、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガムなどが挙げられる。
粉体としては、無機粉体、有機粉体、顔料などを配合することができる。無機粉体の具体例としては、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、合成雲母、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、含硫黄ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、パーミキュライト、ハイジライト、モンモリロナイト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロンなどが挙げられる。
有機粉体の具体例としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、ポリエチレンメタクリレートパウダー、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン、スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、微結晶繊維粉体、ラウロイルリジンなどが挙げられる。
pH調整剤の具体例としては、有機酸またはその塩などが挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
天蚕絹セリシン溶液を図1に示した抽出プロセスにより取得した。
(1)天蚕絹セリシン溶液抽出
すなわち、天蚕の生繭を切開して得た繭層をまず100倍の65℃の純水で3分間洗浄し、速やかに水を切るために17Gガラスフィルターで固液分離し、メタノール70%溶液により色素の抽出を10日間行った後の繭層を、50倍の0.5%Na2CO3溶液により98℃、2時間処理の精練を行った。家蚕絹に比較して天蚕絹の場合、Ca(COO)2が多く含まれているため、この精錬工程では、Na2CO3溶液の外に、クエン酸や酒石酸等の弱酸で比較的低分子の有機酸を用いてもよい。これは後の透析工程を効果的に行うためのものであり、従来、家蚕絹からセリシンを抽出する際に用いられている石けんや酵素では透析膜が固化し透析膜が目詰まりを起こして透析ができないためである。再び17Gガラスフィルターを用いて沈殿物が混入しないように濾過し、この濾液を2日間以上常温(25℃)で放置、これを濾紙による濾過をして、セルロースチューブに充填、20℃で流水透析3日、純水透析を1日行って目的の天蚕絹セリシン溶液を得た。この時点でのセリシンの含有濃度は5000〜6000ppmであった。
図1において、最終的な天蚕セリシン溶液抽出量と、同図中「放置」の工程での放置日数の関係を図2に示す。図2は、天蚕繭層精練後の精練溶液の放置日数と透析率(溶液放置10日間経過後透析して得られたセリシン量を1として、各放置日数経過後透析して得られたセリシン量の逆数として表す)を示している。精練直後の溶液では、透析膜の内側に沈殿物が付着し、その結果、透析が不十分となる。これは、Ca(COO)2の影響によるものと考えられる。放置日数が2日間で透析率は0.9となっており、概ね目的とするセリシンが抽出できていることを示しており、それ以降の透析率は鈍化している。
図3は、得られた天蚕セリシン溶液と一般に入手可能な家蚕セリシン溶液の還元粘度に関する濃度依存性の比較を行ったものである。どの溶液濃度C(g/100ml)においても、天蚕セリシン溶液の還元濃度η(sp/C)が家蚕セリシン溶液を下回っている。溶液濃度Cがゼロのときの還元濃度を極限粘度といい、この数値が小さいほど分子量が小さく、さらさら感があることを表す。
次に、得られた溶液を供試し組成エッセンスとしてこの他に、水、エタノール、グリセリンを用い、化粧水のpH調整の成分は添加しなかった。化粧水調合温度は25℃で行い、1ヶ月間熟成させた。
(2)天蚕絹セリシンの成分分析
得られた化粧水の組成(重量部)は次のとおりであった。水:70、エタノール:20、グリセリン:10、天蚕絹セリシン:400ppm。pHは、6.8〜7.0であった。
なお、上記透析後に得られた天蚕絹セリシン溶液を用いたアミノ酸分析によって、セリン含有量32(モル%)、グリシン13(モル%)、アスパラギン酸14(モル%)のセリシンが含有されていることが確認された。
従来、家蚕(カイコ)と共に、天蚕を含めた野生の絹糸昆虫における絹セリシンタンパク質のアミノ酸組成に関してはいくつかの報告がある。その公知データとして、家蚕(B. mori)の場合では、セリンアミノ酸(略称:Ser)一種が31.97%が含まれている例があり、一方、天蚕(A. yamamai)の場合は、約22.63%占めていると報告されている(表3参照;小松計一・山田政枝、日本蚕糸学雑誌、44、105−110頁、1975年)。
そこで、発明者らは、本発明による天蚕絹セリシン溶液抽出工程に従って得たセリシンタンパク質の溶液が、一般に絹タンパク質としての特性を有するかどうかを明らかにするために、このタンパク質を加水分解することでアミノ酸組成を分析した。
方法としては、本発明による天蚕絹セリシン溶液抽出工程に従って得た絹セリシンタンパク質の溶液を凍結乾燥して、この試料を6N(規定)塩酸により110℃で24時間加水分解し、それを自動アミノ酸アナライザー(日本電子JCL500)で分析した。
その結果、図4(A)と表3(右側のA. yamamaiのデータ)に示すように、最も多く含まれるアミノ酸はグリシン(Gly)で約21.95%であり、次にアスパラギン酸(Asp)の19.91%で、絹セリシンタンパク質の特徴と言われているセリン(Ser)含量は18.96%であった。表3で従来の公知データと本発明のデータとを比較すると、減少傾向を示したのがセリンであり、増加傾向のアミノ酸はアスパラギン酸とグリシンであった。
この測定値の違いは、絹セリシンタンパク質の抽出法の違いと、30年に亘るアミノ酸アナライザーの分析精度の違いを反映したものと推定できる。また、絹タンパク質のもうひとつのフィブロインタンパク質アミノ酸組成のセリン含量の公知データとしては、家蚕では14.7%、そして天蚕では11.3%とするものもある(シルクサイエンス研究会:シルクの科学、211頁、朝倉書店、東京シルクサイエンス研究会、1994年)。
そこで、本発明による天蚕絹セリシン溶液抽出工程によって得られたタンパク質は、19.0%の高含量のセリンアミノ酸を有することを特徴とする絹セリシンタンパク質であると結論できる。
(3)天蚕絹セリシンタンパク質の分子量測定
家蚕(カイコ)の絹セリシンタンパク質の分子量に関しては、16,000〜309,000にわたる広範囲の測定値が報告されている。これは、絹セリシンタンパク質の複雑な特性を物語っている(続絹糸の構造、信州大学繊維学部発行、1980年)。しかし、天蚕を含めた野生の絹糸昆虫における絹セリシンタンパク質の分子量に関しては正確な報告は見当たらない。そこで発明者らは、天蚕絹セリシン溶液抽出工程に従って得られたセリシンタンパク質の分子量を測定した。
方法としては、天蚕絹セリシン溶液抽出工程に従って得られたセリシンタンパク質の溶液を凍結乾燥して、この試料をTricine SDS-PAGE(10%T、3%C)電気泳動法で分析した。
本発明の抽出方法により、図4(B)に示すように明確な1本の41kDaタンパク質のバンドが確認された。
<実施例2>
次に、実施例1で抽出された溶液について、UV吸光度を測定したところ、表4(A)の結果が得られた。表4(B)の天蚕絹フィブロイン(濃度200ppm)配合化粧水の場合と図6において比較すると、吸収波長領域はより広く、波長235nm以下の短波長域、265〜280nm、そして310〜400nmの波長域においてより大きな吸収特性を有していることが確認された。
公知の天蚕フィブロインの場合の紫外線吸収効果に比べてワイドバンドに吸収効果を有し、かつ、日焼けの原因とされるUV-Bの長波長帯域とUV-Aの波長帯域での減衰率(吸収率)の高さが顕著に表われているという大きな特徴を有していることがわかる。
<実施例3>
実施例1で抽出された溶液について、精製水等を添加し、セリシン濃度800ppmとなるようにし化粧水を調製した。pHは7とした。その組成は次のとおりである。
セリシン 800ppm
水 80重量部
エタノール 10重量部
グリセリン 10重量部
(基材の全体量100重量部)
しっとり感のある化粧水が得られた。
<実施例4>
(1)実施例1で抽出された溶液について、セリシン濃度3000ppmの日焼け止め乳液を調製した。pH7.5とした。組成としては次のものを配合した(重合部)。
ステアリン酸 : 2
2−エチルヘキサン酸セチル: 12
1,3−ブチレングリコール:200
エタノール : 6
水 : 60
(2)実施例1で抽出された溶液について、セリシン濃度2000ppmのゲル軟膏を調製した。pH7.0とした。組成としては次のものを配合した(重合部)。
ステアリン酸 :18
セタノール :30
トリエタノールアミン: 2
グリセリン : 5
水 :62
<実施例5>
天蚕セリシンについて抗酸化作用の評価を行った(参考:監修芋川玄爾 「機能性化粧品素材開発のための実験法」 シーエムシー出版発行、2007年5月31日、第14章等)。0.1M Tris-HCl緩衝液80μl(pH 7.4)に500μM α,α-diphenyl-β-picrylhydrazyl(DPPH・)エタノール溶液100μlを添加し、その後、天蚕セリシンの終濃度が0.1%、0.5%、1%(W/V)になるように調製した各試料を20μl添加したものを用意した。
同様に、0.1M Tris-HCl緩衝液80μl(pH 7.4)に500μM DPPH・エタノール溶液100μlを添加し、その後、ポジティブコントロールとして、市販されている家蚕由来のピュアセリシン(細胞培養用ピュアセリシン:Pure Sericin(登録商標)、167-22681、和光純薬工業(株))を添加したものと、対照区として同量のTris-HCl緩衝液を添加したものを用意した。
これらの各試料溶液について、調製から30分後に波長517nmの吸光度を測定した。その結果を図5に示す。天蚕セリシン溶液濃度1%において80%のフリーラジカルが除去され、50%フリーラジカル除去に要する天蚕セリシンの濃度は0.71%であった。
以上より、既存の家蚕セリシンに比べて天蚕セリシンにはより高い抗酸化作用があり、メラニン発生抑制等による美白効果への有効性が確認された。
<実施例6>
天蚕セリシン化粧水の保湿性評価を行った。滅菌した20%グリセリン溶液に天蚕セリシンパウダーを濃度0.2%(0.2g/100ml)(2000ppm)になるように添加し溶解したものを化粧水として調製し、これをサンプルBとした。一方、対照区として、市販のカイコセリシンを同様の方法で0.2%濃度になるように添加し溶解したものを化粧水として調製し、これをAサンプルとした。
10人の20〜60歳の女性パネルにAサンプル(市販のカイコセリシン化粧水)とBサンプル(本発明による天蚕セリシン化粧水)を渡し、これらの化粧水を顔に適用したときの「しっとり感」(保湿性)及び「すべすべ感」(滑らかさ)について、AサンプルとBサンプルのいずれが優れているかを選択する方式でアンケート調査を行った。
その結果、保湿性については、Bサンプルが優れていると回答した者が6名、Aサンプルが優れていると回答した者が4名であった。一方、滑らかさについては、Aサンプルが優れていると回答した者が6名、Bサンプルが優れていると回答した者が4名であった。
以上より、天蚕セリシンを化粧水とした場合のほうが従来市販されているカイコセリシンの化粧水に比較して保湿性に優れていることが示された。なお、滑らかさに関しては、市販のカイコセリシン化粧水のほうが優れているが、この滑らかさ(すべすべ感)は化粧水の「ヌメリ感」とも関係し、市販のカイコセリシンのほうのヌメリ感が高く粘度が高いともいえる。このことは、図3の天蚕とカイコの各セリシン濃度と還元粘度の関係にも示されている。還元粘度が高いことは分子量が大きいことを示し、天蚕セリシンの還元粘度が低いことが裏付けられており、逆説的には天蚕セリシン化粧水のほうが「サラット感」が高いといえる。
以上のことより、天蚕セリシン化粧水は、従来のカイコセリシン化粧水に比べて、保湿性を高めつつ、ベトツキの少ないサラット感を両立する性能を有する化粧水であることが示された。
実施例での抽出プロセスの概要を示した図である。 実施例での天蚕繭層精練後の精練溶液の放置日数と透析率の推移を示した図である。 天蚕セリシンと家蚕セリシンの還元粘度に関する濃度依存性の比較結果を示した図である。 実施例で抽出された天蚕絹セリシンタンパク質の分子量を示した図である。 実施例5の各試料溶液について、波長517nmの吸光度を測定した結果を示すグラフである。 表4に示す天蚕絹セリシン配合化粧水および天蚕絹フィブロイン配合化粧水の紫外線吸光度を図式化して比較したものである。

Claims (21)

  1. 天蚕繭層からのセリシンを化粧水基材に配合してなることを特徴とする化粧料。
  2. 請求項1に記載の化粧料からなることを特徴とする天蚕絹セリシン化粧水。
  3. 天蚕繭層からのセリシンを化粧水基材に対して100〜2000ppmの範囲で含有し、pHが6.5〜7.5の範囲内であることを特徴とする請求項2に記載の天蚕絹セリシン化粧水。
  4. 化粧水基材は、その組成が全体量100重量部において、水:50〜90重量部、エタノール:5〜30重量部、グリセリン5〜20重量部の範囲にあることを特徴とする請求項2または3に記載の天蚕絹セリシン化粧水。
  5. 天蚕繭層からのセリシンは、天蚕繭層の精練処理工程、放置工程、その後の水性液による水透析工程により得られたセリシンであることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の天蚕絹セリシン化粧水。
  6. 紫外線吸収効果を有することを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の天蚕絹セリシン化粧水。
  7. 天蚕絹セリシン化粧水の製造方法であって、天蚕繭層の精練処理工程、放置工程、その後の水性液による水透析工程によりセリシン溶液を取得し、次いで化粧水基材成分を添加混合する工程からなることを特徴とする天蚕絹セリシン化粧水の製造方法。
  8. 天蚕繭層の精練処理工程は、Na2CO3水溶液と接触させることにより行うことを特徴とする請求項7に記載の天蚕絹セリシン化粧水の製造方法。
  9. セリシンを化粧水基材に対して100〜2000ppmの範囲で含有させ、pHを6.5〜7.5の範囲内とすることを特徴とする請求項7または8に記載の天蚕絹セリシン化粧水の製造方法。
  10. 化粧水基材を、化粧水全体量100重量部において、水:50〜90重量部、エタノール:5〜30重量部、グリセリン:5〜20重量部の範囲内に配合することを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の天蚕絹セリシン化粧水の製造方法。
  11. 天蚕絹セリシン溶液の取得方法であって、天蚕繭層の精練処理工程、放置工程、その後の水性液による水透析工程によりセリシン溶液を取得することを特徴とする天蚕絹セリシン溶液の取得方法。
  12. 天蚕繭層の精練処理工程は、Na2CO3水溶液と接触させることにより行うことを特徴とする請求項11に記載の天蚕絹セリシン溶液の取得方法。
  13. 請求項11または12に記載の方法により得られたものであることを特徴とする天蚕絹セリシン溶液。
  14. 紫外線吸収効果を有することを特徴とする請求項13に記載の天蚕絹セリシン溶液。
  15. 請求項13または14に記載の方法により得られた天蚕絹セリシン溶液を乾燥して粉末化することを特徴とする天蚕絹セリシン粉末の製造方法。
  16. 請求項15に記載の方法により得られたものであることを特徴とする天蚕絹セリシン粉末。
  17. 天蚕繭層からのセリシンを含有することを特徴とする天蚕絹セリシン外用組成物。
  18. 天蚕繭層からのセリシンは、天蚕繭層の精練処理工程、放置工程、その後の水性液による水透析工程により得られたセリシンであることを特徴とする請求項17に記載の天蚕絹セリシン外用組成物。
  19. 紫外線吸収効果を有することを特徴とする請求項17または18に記載の天蚕絹セリシン外用組成物。
  20. 天蚕繭層からのセリシンからなることを特徴とする保湿剤。
  21. 天蚕繭層からのセリシンは、天蚕繭層の精練処理工程、放置工程、その後の水性液による水透析工程により得られたセリシンであることを特徴とする請求項20に記載の保湿剤。
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