JP2008207457A - ソフトカード - Google Patents

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Abstract

【課題】柔軟性を有し、その表面に容易に印刷を施すことができるソフトカードを提供する。
【解決手段】本発明のソフトカード1は、可撓性を有する軟質樹脂材料を用いて任意の輪郭形状の薄肉シート状に成形され、少なくとも一方の主面1aに微細梨地面を備え、この微細梨地面に油性インクを用いて文字、図柄、写真などが印刷される。小ロット、個別仕様のカードにも容易に対応することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ソフトな感触で柔軟性を有し、簡易に印刷することができるソフトカードに関するものである。
キャッシュカード、クレジットカード、プリペイドカード、ポイントカード、メンバーズカード、診察券、印鑑証明、カード錠など、現在の社会生活では様々なカードが氾濫している。一人の人間が所持しているカードは、その枚数が増加する一途である。また、カード状のものは、名札や値札、入門証などとしても使用されている。
これらのカード類は、硬質樹脂、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂を用いて、可撓性のない薄板状に形成されている。これらのカード類を硬質の樹脂カードとすることの必要性は、情報が磁気情報あるいはICチップとして記録されているものについては、ATMなどの情報読取装置にスムーズに挿入するため、記録情報に障害を発生させないため、あるいは、文字情報などをエンボス加工によって表示するため、などの理由に基づいている。可撓性を有するカードを得るには、カードの肉厚を薄くすることになるが、硬質の樹脂材料を用いることに変わりはなく、高い曲げ強度を有するカードを得るには、より硬質の樹脂材料を選択することになる。
また、カード類は、一般的に、所定厚さで定尺寸法の樹脂シート上に印刷機によって所定文字や模様を印刷し、表面を保護するために、透明保護フィルムの貼着や表面処理を行った後、角丸矩形の所定寸法形状にプレス打ち抜き加工、あるいはレーザ切り抜き加工を行い、製造されている。このようなカード類の表面は平滑面で形成されているため、油性筆記具でしかこの表面に文字を記入することができず、クレジットカード等においては、サイン確認のための氏名記入スペースは、ボールペンなどの通常筆記具で記入できるように梨地層を印刷により形成している。
上記のカード類は、前述のように樹脂シートを所定形状に打ち抜き加工または切り抜き加工して製造されるが、ICチップを内封したカードでは、ICチップなどの記憶機能や通信機能などの構成要素の収容部位を設けるために、樹脂成形時に凹部や開口部を形成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。これらの凹部や開口部は貼着シートによって塞がれるので、仕上り状態は通常のカードと同様になる。
特開平06−198690号公報
樹脂カードは、前述したように、一般的に硬質で可撓性がないため、不注意に取り扱うと、鋭利な縁辺で自身あるいは他人の皮膚を傷つけたり、目などに損傷を与えたりするようなことになりかねず、特に、幼児や児童が硬質なカードを使用するような場合には注意が必要である。また、硬質なカードは冷たい感触を与えるため、もっとソフトな感触で柔軟なカードがあればよいとの要望もある。
また、樹脂カードは、同一デザインで大量に印刷して製造され、カード表面が平滑であるために、製造された後の樹脂カードに簡易に印刷を施すことができず、少量印刷や個別印刷などを施したい用途には対応できない。
なお、カード類としては、上記のような樹脂カード以外にも、名刺や値札など紙製のものがあり、このような紙製カードの用途分野においても、樹脂カードの適用が検討されてはいるが、いずれも硬質の樹脂材料を用いたものが提案されている状態であり、上記したのと同様の課題を抱えている。
本発明は、上記の課題に鑑みて為されたものであり、柔軟性を有し、その表面に容易に印刷を施すことができるソフトカードを提供することを目的としている。本発明のソフトカードは、現在の紙製カードに代替して、これらの紙製カードの用途分野にも適用することができる。
上記の目的を達成するために本発明に係るソフトカードは、可撓性を有する軟質樹脂材料を用いて任意の輪郭形状の薄肉シート状に成形され、少なくとも一方の主面に微細梨地面を備え、該微細梨地面に油性インクを用いて文字、図柄、写真などが印刷されることを特徴とするものである。
上記のソフトカードによれば、可撓性を有する軟質樹脂材料を用いた樹脂成形により、任意の輪郭形状を有する薄肉シート状に形成されるので、従来の硬質で冷たい感触を与えるカードでなく、弾性回復力を有し、柔軟でソフトな感触を与えるカードを形成することができる。また、その表面に微細梨地面を備え、この微細梨地面に油性インクジェットプリンタ等により油性インクで文字、図柄または写真を印刷することができるので、デジタルデータとしてコンピュータに入力した所望のデザインで簡易に印刷を施すことができ、小量作製のカードや個別仕様のカードの製作にも容易に対応することができる。また、微細梨地面に文字等が印刷していない領域を設けておけば、その部分に油性ボールペン等により個人的な情報を書き入れることができる。
上記のソフトカードは、それを樹脂成形によって製造するとき、フィルムゲートもしくはファインゲートをカードの縁面となる部位に設けた樹脂成形金型を用いて射出成形することにより、縁面の1箇所にゲート跡が僅かに残るだけで、表裏面にはゲート跡を残すことなく、少なくとも一方の主面を所望の微細梨地面に仕上ることができるので、印刷を美麗に施すことができる。縁面に残ったゲート跡は1箇所なので、仕上げ処理によって簡単に除去することができる。
上記のソフトカードは、押出成形により薄肉シート状に成形され、ホットロールプレスを用いたシボ加工により少なくとも一方の主面に微細梨地面が形成されてもよい。このような製造方法によれば、上記の特徴を有するソフトカードを比較的簡単に大量生産することができる。
また、軟質樹脂材料としては、可塑剤を使用することなく柔軟性および弾性回復性を発現する塩ビ代替グレードの軟質メタクリル樹脂を主体とするものを適用するのが好適であり、可塑剤を使用しないので、可塑剤が離脱することに伴う経年劣化がなく、ソフトな感触や柔軟性が損なわれず、変色などの経年変化が少ないソフトカードを提供することができる。
また、軟質樹脂材料は、軟質メタクリル樹脂と硬質樹脂を所定の配合比で混合したものであると、軟質メタクリル樹脂に対する硬質樹脂の配合量によって柔軟性を調整することができるので、所望の柔軟性を有するソフトカードを樹脂成形することができる。
軟質メタクリル樹脂と硬質樹脂の配合比を、軟質樹脂材料に占める軟質メタクリル樹脂の割合が50〜100重量%であると、柔軟性を調整しつつ、その用途に最適な可撓性を有するソフトカードを樹脂成形することができる。
また、軟質メタクリル樹脂が、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチルおよびスチレンの共重合体からなるものであると、硬質樹脂との相性が良く、硬質樹脂を配合して射出成形や押出生成するときの成形加工性に優れ、硬質樹脂を配合して樹脂成形したときに、メタクリル樹脂の特長である透明性、耐久性、環境安全性を保持させることができる。さらに、全体に均質な柔軟性を有する成形品を得ることができるとともに、油性インクにて印刷するときに、インクの載りが良く、美麗な印刷を施すことができる。また、レーザ切断を行っても、軟質塩化ビニール樹脂と異なり、有害成分を含むガスを発生することもない。
また、樹脂成形によりカードを形成するので、任意形状の凹部、凸部、開口部のうち任意のものを形成することができ、文字や模様などを凹または凸に形成したり、装飾物を嵌め込む開口部または凹部を形成したり、レンズ形状を形成したりすることができる。
本発明によれば、樹脂成形による成形品として所望の柔軟性や弾性回復力が得られ、経年変化が少ない軟質樹脂材料を用いて樹脂成形によりカードを製造することができるので、ソフトな感触のカードを得ることができる。また、油性インクジェットプリンタによって簡易に印刷を施すことができるので、小ロットのカードや1枚毎に印刷内容が異なるカードにも容易に対応することができるソフトカードを提供することができる。
本実施の形態に係るソフトカードは、図1に示すように、樹脂成形材料として軟質塩ビ代替グレードの軟質メタクリル樹脂を主体とする軟質樹脂材料を用いて、樹脂成形により形成したソフトカード1を、油性インクジェットプリンタ(以下、プリンタ)11の順送りフィーダ上にセットし、プリンタ11を接続したパーソナルコンピュータ(以下、パソコン)10から出力される印刷情報に基づき、プリンタ11によりソフトカード1に枚葉毎に用いて文字、図柄または写真、あるいはそれらの組み合わせからなるものを印刷することができるように対応させたものである。
ソフトカード1は、樹脂成形金型を用いることによって任意形状に樹脂成形することができるが、ここでは、図2に示すように、85mm×54mm、厚さ1.0mmの角丸矩形形状に形成している。この寸法形状は、クレジットカードなどに適用されている一般的なカードの寸法形状と同等である。
このソフトカード1を樹脂成形によって製造する軟質樹脂材料としては、軟質メタクリル樹脂を主体とするものであって、例えば、この軟質メタクリル樹脂に所定量の硬質樹脂を配合したものを使用する。軟質メタクリル樹脂の中でも、ゴム弾性を有するメタクリル酸メチル、アクリル酸ブチルおよびスチレンの共重合体からなるものが好適である。本実施の形態では、軟質塩ビ代替グレードの軟質メタクリル樹脂で、クラレ株式会社製パラペットSA(登録商標)を使用した。
軟質メタクリル樹脂は、柔軟性、弾性回復力に優れた樹脂成形品を得ることができ、従来から広く利用されてきた軟質塩化ビニール樹脂と同様、柔軟性を有するカードを製造することができる。しかし、この軟質メタクリル樹脂は、軟質塩化ビニール樹脂のように可塑剤によって軟質性状を得るものではなく、可塑剤を使用することなく柔軟性を発現させることができるので、軟質塩化ビニール樹脂のように、可塑剤が徐々に離脱して変質したり、軟質塩化ビニール樹脂に接触するカードケースなどの接触物を変質させたりすることがなく、廃棄されて焼却処分されたときに塩素ガスを発生させることもない。
なかでも、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチルおよびスチレンの共重合体は、硬質樹脂との相性が良く、硬質樹脂を配合して射出成形や押出生成するときの成形加工性に優れ、硬質樹脂を配合して樹脂成形したときに、メタクリル樹脂の特長である透明性、耐久性、環境安全性を保持させることができる。さらに、全体に均質な柔軟性を有する成形品を得ることができるとともに、油性インクにて印刷するときに、インクの載りが良く、美麗な印刷を施すことができる。
このような軟質メタクリル樹脂に配合する硬質樹脂は、特にその種類やグレードが限定されるものではなく、ソフトカード1の用途により適宜選択されればよいが、例えば、硬質アクリル(PMMA)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)樹脂、ポリアミド樹脂などが好適に使用できる。一般に、曲げ弾性率が700MPa以上の樹脂が硬質樹脂と呼ばれているが、ここでは、曲げ弾性率が70〜700MPaの半硬質樹脂を排除するものではない。本実施の形態では、硬質樹脂として、硬質アクリル樹脂を使用した。この硬質アクリル樹脂は、アクリル酸メチルを重合して得られたものであり、透明で、耐候性、耐薬品性に優れており、さらに着色剤や顔料および微細金属粉を添加することにより所望の色調や光沢を有するソフトカードを製作することができる。
本実施の形態における軟質樹脂材料は、いずれも粉状の軟質メタクリル樹脂95重量%に対して硬質アクリル樹脂5%重量の配合比で混合している。なお、後に詳述するが、軟質メタクリル樹脂に対する硬質アクリル樹脂の配合比を変えることによって、樹脂成形品としてのソフトカード1の柔軟性を調整することができる。すなわち、その用途に最適な柔軟性、弾性回復力を有するソフトカード1を樹脂成形することができる。
このような軟質メタクリル樹脂を主体とする軟質樹脂材料を用い、ソフトカード1を射出成形によって形成する樹脂成形金型3は、図3に示すように、射出成形用の2個取りの金型として製作した。
図3は、樹脂成形金型3のキャビティ部分を平面図として示すもので、軟質樹脂材料を注入してソフトカード1を成形する2箇所の成形凹部4、4の底面は放電加工によって微細な凹凸を形成し、成形されたソフトカード1の少なくとも一方の主面、本実施の形態においては表面1aが微細な梨地面となるようにしている。成形凹部4、4の上を閉じるコア部分の表面は、研磨仕上げ面として、成形されたソフトカード1の裏面1bは平滑面になるようにしている。コア部分の表面を微細な凹凸を有する面にすると、両面1a、1bに梨地面を有するソフトカード1に仕上げることができる。ソフトカード1の両面を梨地面にすると、両面印刷に対する対応性を向上させ得ると同時に、柔軟性を併せもつソフトな感触を向上させることができる。
一対の成形凹部4,4の間には、射出成形機から圧送されてきた軟質樹脂材料を成形凹部4,4にそれぞれ注入するゲート5,5が設けられている。ゲート5,5は、ファンゲートもしくはフィルムゲートとして形成され、ソフトカード1の縁面1cとなる成形凹部4,4の深さ方向面に開口している。射出成形機から圧送されてきた軟質樹脂材料は、ランナー6からゲート5,5を通じて成形凹部5,5にそれぞれ注入される。
樹脂成形されて金型3から取り出されたソフトカード1の縁面1cにはゲート5の跡が僅かな凸状として残るが、グラインダー処理などの仕上げ処理によって簡単に除去することができる。ソフトカード1の表面1aおよび裏面1bとなる面にはゲート跡は生じないので、印刷面に凹凸を発生させず、美麗な印刷状態が得られる。
軟質樹脂材料には、着色剤、顔料、微細金属粉等を適宜添加することができるので、ソフトカード1は任意の色調や光沢性を有し、透明度を任意に設定して仕上げることができる。本実施の形態では、表面1aを印刷面とするために微細梨地面にして印刷インクの載りをよくしているので、透明性は多少低下するが、軟質樹脂材料を構成する軟質メタクリル樹脂、硬質アクリル樹脂の透明度が高いので、このような構成では表面だけの印刷処理としているものの着色剤を混合して透明度を低下させ、裏写りを防ぐことが好ましい。
逆に、軟質メタクリル樹脂の高い透明度を活かして、裏面に印刷した文字やマークが表面から透かし見る効果を得ることもできる。また、フレネルレンズ形状をソフトカード1の一部分に形成すると、軟質メタクリル樹脂の高い透明度を活かしたレンズ付きのソフトカード1を構成することもできる。ただし、透明性をよくすると、成形樹脂材料の流動跡が表面から見えやすい状態になりかねないので注意を要する。そのときには、印刷によって所望色を地色として付与することによって解決することができる。
軟質メタクリル樹脂を主体とする軟質樹脂材料を樹脂成形により製造されるソフトカード1の柔軟性は、配合する硬質樹脂の比率によって調整することができる。軟質樹脂材料の全量が軟質メタクリル樹脂である場合には、樹脂成形仕上り品はゴム弾性を有する性状を示すが、硬質樹脂を適量配合することにより、所望の柔軟性、弾性回復力を付与することができる。上記の実施の形態では、軟質塩ビ代替グレードの軟質メタクリル樹脂に硬質アクリル樹脂を配合し、厚さ1.0mmの柔軟なソフトカード1を形成しているので、軟質メタクリル樹脂95重量%に対して硬質樹脂5%重量の配合比としている。この軟質樹脂材料を用いて樹脂成形されたソフトカード1は、図4に示すように、指で軽く圧迫するだけで柔らかに撓む程度の柔軟性を得て、ソフトな感触をもつカードとしている。
軟質メタクリル樹脂と硬質樹脂との配合比は、軟質樹脂材料に占める軟質メタクリル樹脂の割合を50〜100重量%とするのが好適であり、用途に応じてこの配合比を所定の配合比として適宜設定することにより、その用途に最適な柔軟性、弾性回復力を有するソフトカード1を樹脂成形することができる。軟質メタクリル樹脂の割合が50重量%未満であると、用途に対応した適度な柔軟性が発現しない。特に、ソフトな感触を付与するためには、軟質メタクリル樹脂の割合を70重量%以上とするのが好適であり、さらに、カードの縁辺で皮膚を傷つけたり、目や肌に当たって損傷を与えたりすることのないようにするためには、軟質メタクリル樹脂の割合を80重量%以上とするのが好適である。
また、上記の実施の形態では、硬質樹脂として硬質アクリル樹脂を用いているが、この硬質樹脂の種類によっては、あるいは、添加する着色剤、顔料、微細金属粉等の種類や量によっては、この所定の配合比を変えることにより、その用途に最適な柔軟性、弾性回復力を有するソフトカード1を樹脂成形することができる。
一般的に使用されている硬質のカードにより小ロットのカードを製作するとき、硬質カード、または硬質カードを製作するときの素材となる硬質シートを所定の印字位置に送り込んで、表面に印刷する専用の印刷機を必要とするが、本発明のソフトカード1は柔軟性を有しているので、薄紙と同様に、印刷機の紙送りローラで印字位置に送り込むことができ、特殊な印刷機を用いることなく、図1に示したように、パソコン10により制御されるプリンタ11によってソフトカード1の表面に印刷を施すことができる。
パソコン10からの出力に連動するプリンタ11であれば、パソコン10からプリンタ11に出力する印刷データは、1枚のソフトカード1毎に異なるものであってもよく、1枚毎に異なる個人名を印刷するようなカードに対応させることもできる。
例えば、幼児・児童が通園・通学する幼稚園や小学校の敷地内に入る保護者や関係者と不審者とを識別するために、幼児・児童の氏名を印刷した保護者証明書とするカード発行の要求に応えるとき、それに対応するカードは印刷物としては小ロットであり、しかも、1枚毎に印刷内容が異なるものとなる。
本実施の形態に示す印刷対応システムであれば、パソコン1で印刷データを作成するだけで容易に対応することができる。氏名だけでなく画像データがあれば、1枚毎に異なる顔写真を印刷することもできる。
このような幼児・児童が関わるカードの場合、そのカードを幼児・児童が手にすることになり得る。カードが硬質のものであるとき、カードの縁辺が鋭角になっているため皮膚を傷つけたり、目や肌に当たったときに損傷を与えたりすることになりかねないが、カードがソフトカード1であれば、そのような憂いは解消される。
上記の実施の形態では、厚さ1.0mmに成形したソフトカード1を例示したが、上記したのと同様の成形方法を用いて、0.2mm以上の所望の厚さのものを成形することができる。また、原料となる軟質樹脂材料に占める軟質メタクリル樹脂の割合を50〜100重量%の範囲で調整することにより、ソフトカード1の用途や厚さに応じて、所望の柔軟性を付与することができる。すなわち、通常の硬質アクリル樹脂成形品の曲げ弾性率がおよそ3000MPa前後であるのに対して、曲げ弾性率700MPa以下の所望の柔軟性を有するソフトカード1を、軟質メタクリル樹脂への硬質樹脂の配合量を調整することにより製作することができる。例えば、厚さ0.2mm程度の薄いソフトカード1では、硬質樹脂の配合量を増やし、厚さ1.0mm程度の厚いソフトカード1では、硬質樹脂の配合量を減らして、所望の柔軟性を付与することができる。
このようなソフトカード1は、カードとしての、例えば、キャッシュカードやクレジットカード、名刺などの用途だけでなく、名札や棚札、値札などの用途にも使用できる。また、形状をカード状ではなく、他の所望の形状とすれば、意匠性を付与することができ、吊り下げアクセサリーなど、携帯物に取り付けるアクセサリーや名札としても有用である。また、ソフトカード1の表面に意匠を施し、裏面に着脱自在な粘着層を設ければ、衣服等に貼り付けるワッペンとしても有用である。
棚札は、商品陳列棚に装着して商品毎の品番、価格、仕様、注意書き等を記載するものであるが、頻繁に交換、書き換えが実施されている。商品陳列棚に設けられたホルダに嵌め込む形式のものでは、硬質のカードをホルダの保持溝に着脱する作業が煩雑なものとなるが、ソフトカード1を棚札に適用すると、柔軟性があるため着脱作業を容易に行うことができる。従事者が最も面倒に思う棚札交換に対して、その製作も含めて、ソフトカード1は有効に対応することができる。
前述したように、文字情報でなく電子情報を記録するカードで、硬質であることが要求されるカード(例えば、ICカード)には、本発明による柔軟性を有するソフトカード1を適用し難いが、バーコードのような印刷による情報を記録するカードであれば、本構成になるソフトカード1を適用することができ、弾性回復力があるため、その使用に支障を来たすことはない。また、磁気記録層に電子情報を記録するカードであっても、本発明によるソフトカード1に磁気記録層を形成することができるため、このソフトカード1からなる基材の上に磁気記録層や保護層を積層して形成することにより、このような分野のカードにも適用することができる。
上記の実施の形態においては、軟質樹脂材料を射出成形することによりソフトカード1を製作したが、他の成形方法によって製作してもよい。例えば、押出成形により薄肉シート状に成形し、ホットロールプレスを用いたシボ加工により少なくとも一方の主面に微細梨地面が形成してもよい。このような製造方法においては、薄肉シートからソフトカード1を切り抜くに際して、レーザ切断法やウォータージェット切断法を適用することができる。本発明のソフトカード1は、軟質アクリル樹脂を主体とする軟質樹脂材料を用いているので、レーザ切断時の熱により有害成分を含むガスを発生させる恐れがない。また、ソフトカード1の製作にカレンダー加工などの他の薄肉シート成形法を適用することもできる。このような製造方法によれば、上記の特徴を有するソフトカード1を比較的簡単に大量生産することができる。
また、軟質樹脂材料を射出成形することによりソフトカード1を製作する際に、キャビティ側および/またはコア側に任意形状の凹凸部を形成すると、凹部分または凸部分が形成されたソフトカード1を製造することができる。また、成形凹部4,4の底面からコアに当接する高さに凸部を形成すると、凸部の形状に対応する開口部を設けたソフトカード1を成形することができる。例えば、凹部分または開口部に対応する厚さ、形状の写真や徽章などの別体を凹部分に嵌め込み貼着すると、従来カードにはない特徴的なカードを製作することができる。
以上に説明したように、本発明によれば、可撓性を有する軟質樹脂材料を用いた樹脂成形により、任意の輪郭形状を有する薄肉シート状に形成されるので、従来の硬質で冷たい感触を与えるカードでなく、弾性回復力を有し、柔軟でソフトな感触を与えるカードを形成することができる。また、その表面に微細梨地面を備え、この微細梨地面に油性インクジェットプリンタ等により油性インクで文字、図柄または写真を印刷することができるので、デジタルデータとしてコンピュータに入力した所望のデザインで簡易に印刷を施すことができ、小量作製のカードや個別仕様のカードの製作にも容易に対応することができる。
実施の形態に係るソフトカードの製作工程を示すブロック図である。 実施の形態に係るソフトカードを示す斜視図である。 ソフトカードを樹脂成形する金型の構成例を示す平面図である。 ソフトカードの柔軟性を示す斜視図である。
符号の説明
1…ソフトカード
1a…表面(微細梨地面)
1b…裏面
1c…縁面
3…樹脂成形金型
11…油性インクジェットプリンタ

Claims (8)

  1. 可撓性を有する軟質樹脂材料を用いて任意の輪郭形状の薄肉シート状に成形され、少なくとも一方の主面に微細梨地面を備え、該微細梨地面に油性インクを用いて文字、図柄、写真などが印刷されることを特徴とするソフトカード。
  2. 前記ソフトカードは、フィルムゲートもしくはファインゲートをカードの縁面となる部位に設けた樹脂成形金型を用いて射出成形されるものである請求項1に記載のソフトカード。
  3. 前記ソフトカードは、押出成形により薄肉シート状に成形され、ホットロールプレスを用いたシボ加工により少なくとも一方の主面に微細梨地面が形成される請求項1に記載のソフトカード。
  4. 前記軟質樹脂材料は、可塑剤を使用することなく、柔軟性および弾性回復性を発現することのできる軟質メタクリル樹脂を主体とする樹脂材料である請求項1〜3のいずれか一項に記載のソフトカード。
  5. 前記軟質樹脂材料は、軟質メタクリル樹脂と硬質樹脂を所定の配合比で混合したものである請求項1〜4のいずれか一項に記載のソフトカード。
  6. 前記所定の配合比は、前記軟質樹脂材料に占める前記軟質メタクリル樹脂の割合が50〜100重量%である請求項5に記載のソフトカード。
  7. 前記軟質メタクリル樹脂が、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチルおよびスチレンの共重合体からなる請求項4〜6のいずれか一項に記載のソフトカード。
  8. 任意形状の凹部、凸部、開口部のうち任意のものが形成されてなる請求項1〜7のいずれか一項に記載のソフトカード。
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