JP2008206857A - 指輪型装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便なスイッチ操作で、モータによる自動的な寸法調整を可能にし、指輪型装置の良好なフィット感、確実な装着性、装置の小型化の実現及び測定精度の維持を図る。
【解決手段】指輪型装置1は、リング状の超音波モータ6によりカム溝を有するリング部材4を回動させることで環状空洞部11へ突出するスライダー8を設けて、自動的な寸法調整を可能にする。また、指輪型装置1のハウジング1aの一部を形成する第1側方カバー2では、環状空洞部11の周縁の二箇所に凹部を形成し、スライダー8の押圧により変形した指の肉部を凹部へ逃がして、指の圧迫感を軽減する。さらに、指輪型装置1は、スライダー8の対向箇所に弾力性のあるクッション部材9を配置して、スライダー8で押圧される指を柔らかいクッション部材9で受け止めて、指への負担を低減し、装着時の快適性を向上させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、内径寸法が調整可能な指輪型装置に関し、特に、内径調整部材の突出程度の調整についてリング状モータを用いて自動的に行うことで、手動操作なしで指輪型装置の指への装着を可能にし、さらには、指を囲むようにリング状モータを配置することで小型化を実現した指輪型装置に関する。
従来、人体の指に装着される指輪型装置が様々な用途に適用されている。例えば、各種電気機器本体又はゲーム機器本体に対するリモートコントローラとして指輪型装置が適用されることがある。この場合は、機器本体へ制御指示用の無線信号を発するための発信部(赤外線発光部等)及び所要の電気基板等が指輪型装置に内蔵される。また、ゲーム機器本体のリモートコントローラとして適用される場合には、ユーザの腕又は手などの動きを検知するための各種センサー(圧力センサー、加速度センサー等)が内蔵されることもある。
また、指輪型装置が適用されやすいものとして生体信号検出装置がある。生体信号検出装置とは、装着対象となる人体の脈拍又は血液中の酸素飽和濃度等を検出するものであり、通常、装置を填めた指へ向けて光を発する発光素子、その光を受光する受光素子、及び受光素子の受光具合に応じて脈拍又は酸素飽和濃度等に係る値を導き出す検出部等を具備する仕様になっている。
なお、下記の特許文献1で開示されている生体信号検出装置の中には、手動によるラックアンドピニオン方式で内径調整部材を移動させて内径寸法の調整を行う指輪型装置が記述されていた(特許文献1の図28)。また、下記特許文献1は、別のタイプの生体信号検出用の指輪型装置として、指を填める周囲の環状部分をバンドで構成するタイプで、モータとそのモータ軸に接続されたギアの駆動によりバンドを巻き上げて指へと締め付けることにより人体の一部に対する押圧力及び位置の調整を行うものを開示している。
特開2006−247133号公報
特許文献1における手動によるラックアンドピニオン方式を用いた機構で内径寸法の押し出し量の調整を行う指輪型装置では、使用の都度、ピニオンギアを回すという煩わしい手動操作を繰り返さなければならない点に問題があった。また、ラックアンドピニオン方式を用いた機構を採用した結果、長棒状のラックにより、指輪型装置が大型化する点にも問題があった。さらに、特許文献1に係る生体信号検出用の指輪型装置では、環状部分から突出するように一定の大きさのモータとモータ軸に接続されたギアを配置するので、それらを覆う大型のカバーが必要となり、指輪型装置全体が大きくなるという問題があった。
さらにまた、このような内径寸法調整タイプの指輪型装置は、様々な指の太さに幅広く対応可能になっているため、内径寸法の調整具合によっては、指の肉部が強く変形されて圧迫された状態となり、装着時にユーザに不快感をもたらすこともあった。くわえて、これらの指輪型装置の周囲表面を形成するハウジングは一般に硬い合成樹脂製であるため、内径寸法の調整に関連する箇所では、指へ硬い材質の表面が押し当てられた状態となり、このようなことも、ユーザの不快感を増す要因になっていた。
また、特許文献1に係る指輪型装置では、指に密着して生体信号を検出するセンサーが、指輪の環状部分の内縁に設けられていた。しかし、これでは指への密着が不十分となる場合があり、外乱ノイズなどにより精度のある測定ができない問題もあった。さらに、装着対象となる人体の指が帯電していると、検出に対してノイズ発生原因の1つとなる電界が生じ、良好な精度で生体信号を検出しにくくなるという問題もあった。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、指を囲む形で配置されたリング状モータを用いることで、内径寸法の自動調整を確保した上で、指輪型装置を全体的に小型化し、さらには生体信号の検出に適用された場合には、内径寸法の調整に伴って検出精度を向上するようにした指輪型装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る指輪型装置は、人体の指が装着される指輪状ハウジングの環状空洞部の内径寸法を調整するように突出可能な内径調整部材を備えた指輪型装置において、前記環状空洞部の周囲で回動可能に配置してあるリング部材と、前記環状空洞部の周囲に配置してあるリング状モータとを備え、前記リング状モータは、前記リング部材へ連結されたリング状回転子を備え、前記リング状モータの前記リング状回転子の回転駆動による前記リング部材の回動を前記内径調整部材の突出に係る移動へ変換する変換手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、リング状モータと、リング部材と、リング状モータの回動駆動による前記リング部材の回動を前記内径調整部材の突出に係る移動へ変換する変換手段とを備えることで、リング状モータによるリング部材の回動に連動して内径調整部材を環状空洞部内側に突出させて、指輪型装置の指への自動的な装着ができるようになる。また、指を通すように環状空洞部周囲にリング状モータを配置することで、指輪型装置の環状部分から突出するようにモータを配置する必要がなくなり、指輪型装置を小型化できるようになる。
本発明に係る指輪型装置は、人体の指が装着される指輪状ハウジングの環状空洞部の内径寸法を調整するように突出可能な内径調整部材を備えた指輪型装置において、前記環状空洞部の周囲で回動可能に配置してあるリング部材と、前記リング部材に並んで環状空洞部の周囲に配置してあるリング状モータとを備え、前記リング部材は、前記内径調整部材に対応してカム溝を形成しており、前記カム溝は、前記リング部材の周方向に延在し、且つ一端側が前記リング部材の内縁寄りに位置すると共に、他端側が前記リング部材の外縁寄りに位置するように形成してあり、前記内径調整部材は、前記カム溝へ収まるように突出した凸部を備え、前記リング状モータは、前記リング部材へ連結されたリング状回転子を備え、前記リング状モータの前記リング状回転子の回転駆動に伴う前記リング部材の回動で、前記カム溝に収まる前記凸部を案内して前記内径調整部材の突出程度を調整するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、従来のラックアンドピニオン方式の機構の代わりに、リング部材を回動させるリング状モータと、カム溝を有するリング部材と、前記カム溝に収まる凸部を備える内径調整部材とを備えており、前記カム溝を前記リング部材の周方向に延在させ、一端側を前記リング部材の内縁寄りに位置させると共に、他端側を前記リング部材の外縁寄りに位置するように形成することで、凸部をカム溝で案内するというカム機構を採用している。カム機構の採用により、リング状モータによるリング部材の回動を、カム溝に収まる凸部を案内して内径調整部材を環状空洞部内側に突出させる移動へ変換させて、指輪型装置の指への自動的な装着ができるようになる。また、カム機構の採用により、内径調整部材の押し出し量を調整する装置の大型化の原因となっていた長棒状のラックを採用しないで済むため、指輪型装置のさらなる小型化を実現できるようになる。さらにまた、指を通すように環状空洞部周囲にリング状モータを配置することで、指輪型装置の環状部分から突出するようにモータを配置する必要がなくなり、指輪型装置を小型化できるようになる。
本発明に係る指輪型装置は、前記内径調整部材を複数備えたことを特徴とする。複数の内径調整部材を備えることで、それら複数の内径調整部材の突出側の先端を基部として指輪型装置を指に装着させることができる。複数の基部で指輪型装置を指に装着する結果、様々な指の太さ、断面形状に対応して、指輪型装置の適切な内径寸法の細かな調整が実現できるようになる。また、複数の基部で指に装着した指輪型装置を支える結果、良好なフィット感と確実な装着性を実現できるようになる。さらにまた、複数の内径調整部材と、複数の内径調整部材に対応した複数のカム溝を設けたリング部材と組み合わせた場合は、同時的に複数の内径調整部材の作動を実現できるようになる。
本発明に係る指輪型装置は、複数の内径調整部材が、それぞれが環状空洞部を介して対向的に配置してあることを特徴とする。複数の内径調整部材を環状空洞部を介して対向的に配置することで、所定の長さを調整する場合、調整する長さ負担が各内径調整部材で分担されるようになり、それぞれの内径調整部材の可動ストロークを、1つのみの内径調整部材で調整する場合に比べて短縮できるようになる。可動ストロークを短縮すれば、指輪型装置のより一層の小型化を実現できるようになる。また、可動ストロークの短縮により、リング状モータでリング部材を回動させる量が減り、リング状モータの駆動量も少なくなり、リング状モータの負担減を実現できるようになる。
本発明に係る指輪型装置は、前記内径調整部材を備えた箇所を除いた前記環状空洞部の少なくとも一箇所に、凹部が形成してあることを特徴とする。凹部を設けたことにより、指輪型装置を指に装着した際に圧迫されて変形した指の肉を凹部へ逃すことが可能となり、指への圧迫感を解消して、より快適な指輪型装置の使用を実現できるようになる。
本発明に係る指輪型装置は、前記環状空洞部に配置したクッション部材を備えることを特徴とする。環状空洞部にクッション部材を設けることにより、リング状モータの駆動で内径調整部材が突出しても、指輪状ハウジングの硬質な面で指表面が押圧されることがなくなり、より快適な指輪型装置の使用を実現できるようになる。
本発明に係る指輪型装置は、前記クッション部材が、前記内径調整部材の突出側の先端に配置してあることを特徴とする。突出側の先端にクッション部材を備えることにより、内径調整部材の硬い先端で指の表面が直接的に押圧されなくなり、より快適な指輪型装置の使用を実現できるようになる。
本発明に係る指輪型装置は、前記環状空洞部に装着される指へ向けて発光可能に配置された発光素子と、前記発光素子から発せられた光を受光する受光素子と、前記受光素子の受光に応じた信号の処理を行う処理部とを備えることを特徴とする。発光素子と受光素子を環状空洞部に装着される指へ向けて配置することで、適切に指輪型装置を着用したままの状態での測定が可能となり、どこでも簡易に生体信号の検出ができるようになる。
本発明に係る指輪型装置は、前記発光素子及び/又は受光素子が、前記内径調整部材の突出側の先端に配置してあることを特徴とする。内径調整部材の突出側の先端に発光素子及び/又は受光素子を配置することで、内径調整部材の突出に伴い、先端に配置した素子が指表面へと押し付けられるようになる。先端に配置された素子が指表面に押しつけられることにより、素子と指表面との隙間がなくなり、外乱ノイズなどの進入を排除し、より精度のある測定ができるようになる。
本発明に係る指輪型装置は、前記内径調整部材の突出側の先端に配置してある発光素子及び/又は受光素子の素子表面を覆うように透光性のクッション部材を配置してあることを特徴とする。突出側の先端にクッション部材を備えることで、発光素子及び/又は受光素子を配置してある内径調整部材の突出側の先端を指へと押し付けても、クッション部材により硬質な面で指の表面が直接的に押圧されることがなくなり、より快適な指輪型装置の使用を実現できるようになる。また、クッション部材は、透光性なので、指へ向けての発光素子の発光及び/又は受光素子の受光を妨げることもないため、支障なく生体信号の検出を行うことができ、快適な使用とより精度の高い測定が両立できるようになる。
本発明に係る指輪型装置は、前記環状空洞部に装着される人体の指と接するように配置したアース部材を備えることを特徴とする。環状空洞部に装着される人体の指と接するようにアース部材を備えることで、指に帯電した電気がアース部材を通じて放電され、指の電気が除去される。指の電気が除去される結果、生体信号の検出を行う際に、指に帯電した電気による影響を受けなくなり、生体信号の検出精度の低下を防止できるようになる。
本発明に係る指輪型装置は、前記アース部材が、内径調整部材の突出側の先端に配置してあることを特徴とする。内径調整部材の突出側の先端にアース部材を配置することで、内径調整部材で内径寸法を調整する際に、内径調整部材で押圧される指がアース部材へ強く押し付けられるようになり、指とアース部材の接触度合いが高まる。指とアース部材の接触度合いが高まる結果、指に帯電した電気がスムーズにアース部材へ流れて、アース部材を通じて良好に指の電気が除去される。指に帯電した電気が除去されることで、生体信号の検出を行う際に、指に帯電した電気による影響を受けなくなり、生体信号の検出精度の低下を、より防止できるようになる。
以上に詳述したごとく、本発明にあっては、リング状モータとリング状モータの回動を内径調整部材の突出に係る移動へ変換する変換手段とを備えることで、簡便な装着性と指輪型装置の小型化を実現できる。
本発明にあっては、リング状モータとカム機構とを備えることで、指輪型装置のさらなる小型化を実現できる。
本発明にあっては、内径調整部材を複数備えたことにより、指輪型装置の適切な内径寸法の細かな調整が実現でき、指輪型装置を指へ装着する場合、より確実な装着性と快適性を実現でき、さらに、複数の内径調整部材とカム機構とを組み合わせた場合は、それら複数の内径調整部材の同時的な作動を実現できる。
本発明にあっては、内径調整部材のそれぞれを環状空洞部を介して対向的に配置することで、指輪型装置の小型化とリング状モータの負担減を実現できる。
本発明にあっては、環状空洞部の少なくとも一箇所に凹部を形成することにより、より快適に指輪型装置を使用できる。
本発明にあっては、環状空洞部にクッション部材を備えることにより、より快適な装着感をユーザに提供できる。
本発明にあっては、内径調整部材の突出側の先端にクッション部材を配置することにより、より快適な指輪型装置の使用を実現できる。
本発明にあっては、環状空洞部に発光素子と受光素子を備えることにより、指輪型装置を着用したままの状態での測定が可能となり、どこでも簡易に生体信号の検出ができる。
本発明にあっては、内径調整部材の突出側の先端に発光素子及び/又は受光素子を配置することで、より精度の高い測定ができる。
本発明にあっては、内径調整部材の突出側の先端に配置してある発光素子及び/又は受光素子の素子表面を覆うように透光性のクッション部材を配置することにより、より快適な指輪型装置の使用性と、より精度の高い測定を両立できる。
本発明にあっては、環状空洞部に装着される人体の指と接するようにアース部材を備えることで、精度の高い測定を実現できる。
本発明にあっては、内径調整部材の突出側の先端にアース部材を配置することで、より精度の高い測定を実現できる。
図1は、本発明の実施形態に係る指輪型装置1の分解斜視図である。本実施形態の指輪型装置1は、人体の脈拍又は血液中の酸素飽和濃度等に係る生体信号の検出に適用されたものであり、スイッチによる簡易な操作で超音波モータ6(リング状モータに該当)を駆動させ、それに連動してスライダー8(内径調整部材に該当)を突出させることで内径寸法を自動的に調整可能にすると共に、凹部やクッション部材を設けることにより装着時の快適性を従来に比べて向上したことを特徴としている。
図1に示すように、本実施形態の指輪型装置1は、第1側方カバー2、第2側方カバー3及び上部カバー5により装置の外観となる指輪状のハウジング1a(図2(a)参照)を形成している。また、ハウジング1aの下側部分には、ユーザの指を挿入する環状空洞部11が設けられている。さらに、ハウジング1aの下側部分は、機構及び構造的に関連する部材として、環状空洞部11の内径寸法を調整するためのスライダー8、スライダー8の摺動方向等を規制するアングル部材7、リング部材4、リング部材4を回動させる超音波モータ6、及びユーザの指が環状空洞部11の内周面に直接に接することを防ぐクッション部材9を含んでいる。さらにまた、ハウジング1aの下側部分は、電気的なものとして、検出用の光を発する発光センサー21(発光素子に該当)、発光センサー21で発せられた光を受光する受光センサー22(受光素子に該当)、及びユーザの指に帯電した電気を除去するアース部材23等を含んでいる。くわえて、上部カバー5で覆われるハウジング1aの上側内部は、超音波モータ6の駆動制御と生体信号の検出に係る制御処理を行う制御ユニット24(処理部に該当)を含んでいる。以下、指輪型装置1を構成する上述した各部材等について詳説する。
図1に示す第1側方カバー2は合成樹脂製であり、ハウジング1aの下側部分の一方側を形成し、ユーザの指が装着される側の面を形成する壁部2a(図2(a)等参照)、壁部2aと連なる第1側壁部2b(図2(a)等参照)、第1側壁部2bと対向する側で壁部2aと連なる第2側壁部2c(図2(b)等参照)を有する。また、図4(a)に示すように、第1側方カバー2は、壁部2aと底側で連なる底板部2dを有し、底板部2dの第2側方カバー3と組み合わされる縁部分には切り欠きが設けられ、リング部材4の外縁4bを外方へ突出させる孔13の一部を形成している。
さらに、図1に示すように、第1側方カバー2は、環状空洞部11の内周面を形成する筒部2eをハウジング1aの内方へ突設している。筒部2eは、発光センサー21を配置する箇所に対応して第1切欠部2fを、受光センサー22を配置する箇所に対応して第1孔部2iを、アース部材23の配置箇所に対応して第2孔部2lを(図2(a)、図3(b)参照)、スライダー8を環状空洞部11の内方へ突出可能に配置するための第2切欠部2jをそれぞれ形成している。なお、第2切欠部2jの縁には、スライダー8の突出方向における案内を行うための案内溝2k(図4(a)参照)が形成されている。さらに筒部2eは、クッション部材9を環状空洞部11の内周面に配置するための窪部2gも形成している。なお、筒部2eの深さ方向(軸方向)の長さは、組み合わされる第2側方カバー3に届く寸法に設定されている。
さらにまた、第1側方カバー2は、図2(a)に示すように、環状空洞部11の周縁11aの対向的な2箇所11b、11cに凹部12a、12bを形成している。これらの凹部12a、12bが設けられた2箇所11b、11cは、クッション部材9及びスライダー8が配置される対角の箇所11d、11eと逆の対角の位置関係にして、クッション部材9の配置及びスライダー8の移動を妨げないようにしている。各凹部12a、12bの形状は、壁部2a側から見ると、頂点が丸くなった略三角状であり、筒部2eの深さ方向へリング部材4と干渉しない位置まで略三角状が続くようにして所定の凹部空間を形成している。
なお、第1側方カバー2は、底板部2dと対向する上部側に制御ユニット24を配置するための天板部2nを設けている。天板部2nは、上部カバー5の周縁を嵌め込めるように、上部カバー5の周縁形状に合わせた矩形状になっており、上面には制御ユニット24を固定するための突起を複数設けている。
くわえて、図1に示す第2側方カバー3は、第1側方カバー2と同様に合成樹脂製であり、概略的には第1側方カバー2から筒部2e及び天板部2nを省略すると共に、指を装着する方向の寸法を第1側方カバー2より短くした形状にしている。すなわち、第2側方カバー3は、第1側方カバー2と組み合わされてハウジング1aを構成した場合で、第1側方カバー2の壁部2aと対向的な位置関係になって、環状空洞部11の他方側の開口を形成する孔部を設けた壁部3a(図2(b)等参照)、第1側方カバー2の第1側壁部2bと平面的に連なる第1側壁部3b(図2(a)等参照)、第1側方カバー2の第2側壁部2cと平面的に連なる第2側壁部3c(図2(b)等参照)、及び第1側方カバー2の底板部2dと平面的に連なる底板部3d(図4(a)参照)を有している。
また、第2側方カバー3も、底板部3dの端部に切り欠きを設けて、リング部材4の外縁4bを外方へ突出させる孔13を、第1側方カバー2側の切り欠きと組み合わせて形成している。なお、第2側方カバー3は、第1側方カバー2の筒部2eに形成した第1切欠部2f及び第2切欠部2jに入り込んで、発光センサー21用の通過孔10aとスライダー8用の開口10bを形成するための突片部3e、3fを有する(図2(b)、図4(a)参照)。
図1に示すリング部材4は、第1側方カバー2の筒部2eの外側周囲に回動可能に配置される合成樹脂製の環状部材である。リング部材4は、内径を筒部2eの外径より少し大きくすると共に、外径をハウジング1aの横幅方向よりも小さくし、且つ、上部カバー5を除いたハウジング1aの縦方向よりも大きくしている。これにより、ハウジング1aの底板部2dと3dで形成される孔13から外縁4bを突出させ、底板部で外縁4bに接触できるようにしており、超音波モータ6が故障等により駆動しない場合に、リング部材4を手動で操作できるようにしている。なお、リング部材4の外縁4bの外周面には凹凸を形成して、ユーザがリング部材4を回動する操作を行う際、ユーザの指が外縁4bに引っかかりやすくしている。
リング部材4は、リング部材4の回動範囲において、スライダー8に対向する箇所の面4eにカム溝30(図7参照)を形成している。カム溝30は、円弧状で周方向に延在しているが、一端部30aをリング部材4の径方向において内縁4a側寄りに位置させると共に、他端部30bを外縁4b側寄りに位置させて、一端部30aから他端部30bへカム溝30の円弧状に対する曲率半径が徐々に大きくなるようにしている。
また、図5(a)、図6に示すように、超音波モータ6は、振動子本環6b、回転子本環6a(リング状回転子に該当)及びエンコーダ6eを含んでいる(図5(a)では、エンコーダ6eの図を省略)。超音波モータ6は、リング部材4を回動させるための駆動源であり、内径を筒部2eの外径より少し大きくすると共に、外径をハウジング1aの横幅方向よりも小さくし、横幅方向ではハウジング1aに収まる寸法にしている。図5(b)が示すように、振動子本環6bは、回転子本環6aと接する逆側の面に圧電素子6cを貼付しており、また、回転子本環6aと接する側の面には、変位拡大のための突起6dを多数設けている。超音波モータ6は、圧電素子6cを励振させることにより振動子本環6bの回転子本環6a側の表面に高次の曲振動を発生させて進行波を作り、対向して接触している回転子本環6aと振動子本環6bとの間に発生する摩擦力により回転子本環6aを回動させる。なお、エンコーダ6eは、回転子本環6aの回転状態を検出して出力する。
超音波モータ6は、組み上げられたハウジング1aの内部で、筒部2eの外側周囲にリング部材4と並んで配置されている。詳しくは、振動子本環6bが、第2側方カバー3のハウジング1aの内面側に固定されると共に、回転子本環6aがリング部材4のカム溝30が形成されていない面4fに連結されている。
アングル部材7は金属製の部材であり、上部カバー5の方から見ると、略コ字状に形成されて、第2側方カバー3の内方の上部付近に固定されて、スライダー8の突出方向(スライド方向)の案内を行う。
図7に示すスライダー8は、ブロック状の小片であり、第1側方カバー2の筒部2eに設けた第2切欠部2jと第2側方カバー3の突片部3fで形成される開口10b(図4(a)参照)に収まる大きさとなっている。また、図1に示すように、スライダー8は開口10bに収められた状態で、リング部材4と対向する側の一側面8aからカム用ピン8b(凸部に該当)を突設している。さらに、このカム用ピン8bは、指輪型装置1が組み立てられた状態では、リング部材4のカム溝30の内部に収まる。さらにまた、スライダー8は、反対側の他側面8cに、突出部8dを設けており、この突出部8dが第1側方カバー2の筒部2eの第2切欠部2jに形成した案内溝2kに入り込んで、スライダー8全体が黒矢印方向へ突出するように摺動(スライド)の方向を規制する。なお、スライダー8は環状空洞部11への突出側となる先端面8eを凹状に窪ませて、環状空洞部11へ装着された指の表面形状(凸の曲面)に合うようにしている。
また、図7に示すクッション部材9は、所定の弾力性を有する直方体的な物質であり、第1側方カバー2の筒部2eに設けた窪部2gに接着剤で貼り付けられて、環状空洞部11内でスライダー8と対向的な位置に配置している。なお、本実施形態ではクッション部材9の材料に、弾性体の一種である高密度ウレタンフォームを使用しているが、発泡体、ゲル状体などの他の弾性体をクッション部材9の材料に用いることも勿論可能である。
図6は、電源の図示を省略した制御ユニット24を中心とした電気的な構成を示すブロック図であり、制御ユニット24は、超音波モータ6の駆動に関する部分(ドライブ回路25等)と生体信号の検出に係る部分(生体信号検出回路26等)を備える。超音波モータ6の駆動に係るドライブ回路25は、ブレーキ回路部25cと検知回路部25dとを含んでいる。
ドライブ回路25は、超音波モータ6と動力線20aで電気的に接続されると共に、ユーザからの入力操作を受け付ける第1スイッチ25a及び第2スイッチ25bと接続線20c及び20dを介してそれぞれ電気的に接続されている。また、ドライブ回路25に含まれる検知回路部25dは、エンコーダ6eと検知線20bで電気的に接続されている。
ドライブ回路25は、基本的に超音波モータ6に関する全般的な制御を行っており、ブレーキ回路部25c及び検知回路部25dに対する指示等も行う。また、ブレーキ回路部25cは、ドライブ回路25からの指示に応じて、超音波モータ6に回転子本環6aを固定するブレーキ信号を、動力線20aを通じて超音波モータ6へ出力する処理及びブレーキ信号の出力を停止する処理を行う。さらに、検知回路部25dは、エンコーダ6eから出力される回転子本環6aの回転状態を受け付けて超音波モータ6の作動状況を検知し、検知結果をドライブ回路25へ伝える処理を行う。
ドライブ回路25は、第1スイッチ25aでユーザの押圧操作による入力を受け付けると、超音波モータ6を図7の白矢印方向(時計回転方向)へ回転させる駆動信号を、動力線20aを通じて超音波モータ6へ出力する制御を行う。超音波モータ6へ駆動信号が出力されると、超音波モータ6が作動するため、検知回路部25dは超音波モータ6の作動状況の検知を始める。また、超音波モータ6の作動によりスライダー8が移動(突出)を開始するが、移動が進むとスライダー8が指に当接する状況が起こりうる。
この状態では、ドライブ回路25からは駆動信号が出力中であるが、検知回路部25dでは超音波モータ6の作動状況を検知できないという条件が成立する。この条件が成立すると、ドライブ回路25は、駆動信号の出力を停止すると共に、ブレーキ回路部25cにブレーキ信号を出力する指示を出す制御を行う。これにより、超音波モータ6はブレーキがかかった状態になる。
また、超音波モータ6にブレーキがかかった状態で、第2スイッチ25bでユーザの押圧操作による入力を受け付けると、ドライブ回路25は、ブレーキ回路部25cにブレーキ信号の出力を停止する指示を出すと共に、図7の白矢印方向とは反対方向(反時計方向)へ超音波モータ6を回転させる駆動信号を、動力線20aを通じて超音波モータ6へ出力する制御を行う。さらに、ドライブ回路25は、反時計方向の駆動信号を出力してから、検知回路部25dで超音波モータ6の所定量の作動を検知すると、駆動信号の出力を停止する制御を行う。なお、超音波モータ6にブレーキがかかっていない状態で、第2スイッチ25bでユーザの押圧操作による入力を受け付けると、ドライブ回路25は単に反時計方向へ超音波モータ6を回転させる駆動信号を出力する制御を行い、それにより、各スイッチ25a、25bでユーザが任意に超音波モータ6を作動できるようにしている。
一方、生体信号の検出に係る指輪型装置1の電気的な構成は、図1、図6に示すように発光センサー21を第1フレキ基板20eで生体信号検出回路26に電気的に接続すると共に、受光センサー22も第2フレキ基板20f、アース部材23を含む中継基板20g及び第3フレキ基板20hを介して生体信号検出回路26に接続したものになっている。生体信号検出回路26は、第3スイッチ26aと接続線20iを介して電気的に接続されている。第3スイッチ26aがユーザにより押圧されることで、発光センサー21から所定の光を発する制御を行い、発せられた光を受光センサー22で受光する。さらに、生体信号検出回路26は、受光センサー22から受光に応じた信号を、第2フレキ基板20f、中継基板20g及び第3フレキ基板20hを通じて受け付けて、所定の制御処理を行うようになっている。
本実施形態の生体信号検出回路26は、受光センサー22からの信号に基づき生体信号の検出に係る処理を行い、検出結果を制御ユニット24の出力部から出力する処理を行う。なお、制御ユニット24に無線又は有線による通信機能を具備させて、受光センサー22の受光に基づく信号や、生体信号に係る検出処理の結果を、外部の装置へ出力する仕様にすることも勿論可能である。
また、上述した発光センサー21は、環状空洞部11の内周面に設けられた通過孔10a(図2(b)参照)を通じて、環状空洞部11に装着される指へ向けて発光できるように第1側方カバー2の筒部2eの外方周囲に配置されている。さらに、受光センサー22は、発光センサー21から発せられた光が指で反射し、その反射した光を筒部2eの第1孔部2i(図3(a)、図4(b)参照)を通じて受光できるように、筒部2eの外方周囲に配置されている。
さらにまた、環状空洞部11の内周面を形成する筒部2eに設けられた第2孔部2lを通じて環状空洞部11の内方へ突出するようにアース部材23(図2(a)参照)が配置されている。そのため、環状空洞部11に指が装着されると、その指にアース部材23は接するようになる。アース部材23は、導電性の繊維で編成された布材(ガスケット)であり、中継基板20gに設けられたアース回路と電気的に接続されており、アース部材23を通じて放電可能になっている。
上部カバー5は、図1に示す第1側方カバー2の天板部2n上に配置された制御ユニット24を覆う箱状部材であり、ドライブ回路25の第1スイッチ25a、第2スイッチ25b、及び生体信号検出回路26の第3スイッチ26aを表出させる孔部5b、5c、5dを上部カバー5の上面部5aに設けている(図1参照)。
次に、上述した各部材等で構成される指輪型装置1をユーザの指に装着する場合の操作の仕方、及びスライダー8の動きについて説明する。なお、この説明において適用するユーザの指Uの外径は、環状空洞部11の内周面を形成する筒部2eの内径寸法より小さいものとする。
まず、対象となる指を図2(a)のA方向から、環状空洞部11に挿入して、指輪型装置1をユーザの指の付け根部分に位置させる。この状態で第1スイッチ25aを押圧すると、超音波モータ6が図7の白矢印方向へリング部材4を駆動し、リング部材4が、白矢印方向へ回動する。それに伴い、スライダー8が突出しない状態で、リング部材4のカム溝30の他端部30bに位置していたカム用ピン8bが、図8(a)(b)に示すように、カム溝30の一端部30aの方へ近づくようになる。また、スライダー8は図7中の黒矢印方向のみに移動可能であるため、カム用ピン8bのカム溝30における位置が図8(a)(b)のように変化することで、カム用ピン8bがカム溝30に案内されて、スライダー8が環状空洞部11の内方へ徐々に突出する。
スライダー8の先端面8eがユーザの指Uに当接して、リング部材4がそれ以上回動できない状態になると、超音波モータ6が停止している状態をエンコーダ6eが検知し、超音波モータ6はブレーキがかかった状態で停止する。したがって、ユーザがスイッチ25bを押圧しない限り、スライダー8は動かない。スライダー8は調整された位置に留まり、指にフィットした状態が自然と解放されることもない。
また、このように指の太さに合うようにスライダー8を突出させると、スライダー8の押圧により、図7に示すように、指Uはスライダー8と対向する箇所の環状空洞部11の内周面に押し付けられる。しかし、スライダー8の対向的な箇所には、クッション部材9が配置されているので、スライダー8により押圧される指Uは弾力性のあるクッション部材9で受け止められ、指Uが硬い表面へ押し付けされることに伴う不快感を解消でき、快適な装着感をユーザに提供できる。
さらに、スライダー8で指Uが押圧されると、指Uにおいてスライダー8で押圧される箇所の両側部分付近の肉が変形して膨らみ、特に指の太さ寸法が大きくなる指の付け根側で、肉が変形して膨らむことが顕著になる。しかし、本発明の指輪型装置1は、第1側方カバー2の環状空洞部11の周囲に凹部12a、12bを形成しているので、指の変形した肉部が凹部12a、12bに入り込む。そのため、スライダー8で指Uにフィットするように調整を行っても、変形した指Uの肉部の逃げ場となる凹部12a、12bにより、指の窮屈感を解消でき、指輪型装置1の快適な装着感をユーザに提供できる。
さらにまた、スライダー8の押圧を受けて、クッション部材9へ押し当てられた指Uには、一定の押し付け力が加えられた状態になり、指先部分の血流が幾分せき止められた状態になって、生体信号の検出に好適となると共に、各センサー21、22と指表面との隙間も縮まる。従って、各センサー21、22と指表面との隙間に外方から光が入り込みにくくなり、外方の光に基づく外乱ノイズの影響を低減して、検出精度を良好に維持できる。くわえて、環状空洞部11に装着された指Uは、アース部材23に接するため、装着する指Uが帯電していたとしても、帯電による電気がアース部材23を通じて放電されるため、帯電により電界が生じることもなくなり、電界の影響により生体信号の検出精度の低下を防止できる。
また、ユーザが指輪型装置1を指Uから外すときは、第2スイッチ25bを押圧する。これにより、超音波モータ6が図7の白矢印方向とは反対方向へ回転し、同時にリング部材4も回動することになる。そして、リング部材4の回動により、スライダー8が徐々に開口10bに収容される。最終的に8eと2eの環状空洞部11側の内壁面が平面的に段差のない状態で繋がるようになるまで超音波モータ6が回転してから駆動を停止する。これにより、スライダー8から指Uをフリーな状態にして、ユーザは、指Uを環状空洞部11から抜くことになる。
なお、本発明に係る指輪型装置1は、上述した形態に限定されるものではなく、種々の変形例が存在する。上記実施形態の指輪型装置1は、リング部材4のカム溝30で、スライダー8のカム用ピン8bを案内するというカム機構(変換手段に該当)を採用するが、カム機構以外の他の機構を用いて、スライダー8を突出させることも勿論可能である。例えば、ギア伝達機構(変換手段に該当)を具備する変形例の指輪型装置1は、リング部材4の外縁4bの少なくとも一部にギア部を設けると共に、これらのギア部に噛合するピニオンギアをハウジング内に設け、さらに、このピニオンギアに噛合するラックギアをスライダー8の外面に設ける。このような機構を採用することで、変形例の指輪型装置1は、超音波モータ6の駆動によるリング部材4の回動を、各ギアの伝達を介して、スライダー8の直動(突出に係る移動)に変換でき、スライダー8の突出方向の移動を実現できる。
また、さらに別の変形例としては、超音波モータ6の駆動を、生体信号の検出に係る処理と連動させることも可能である。例えば、変形例に係る制御ユニット24は、生体信号検出回路26で生体信号の検出が完了した場合、完了した旨を生体信号検出回路26からドライブ回路25へ伝えるような内部回路を設け、ドライブ回路25は、生体信号の検出の完了を受け取ると、図7の白矢印方向と反対方向に超音波モータ6を回動する制御を行う。このような変形例の制御ユニット24を用いた指輪型装置1では、生体信号の検出が完了すると、自動的にスライダーが引っ込むので、スライダーを引っ込めるための第2スイッチ25bの操作が不要となり、ユーザの操作負担を低減できる。
さらに自動化を進める場合は、ドライブ回路25と生体信号検出回路26の連携を多くしてもよく、この場合の制御ユニット24は、ドライブ回路25が超音波モータ6を駆動させてスライダー8を突出させ、所定の突出程度でドライブ回路25内のブレーキ回路部25cが作動した場合、ドライブ回路25から生体信号検出回路26へ、ブレーキ回路部25cが作動した旨を伝達する。生体信号検出回路26は、ブレーキ回路部25cの作動の旨を受け取ると、生体信号の検出処理を開始(発光センサーからの発光を開始)するようにして、ユーザの第3スイッチによる操作を不要にし、ユーザの操作負担を一段と低減することも可能である。
本実施形態では、リング状モータに超音波モータ6を使用しているが、DCモータなど他の形式のリング状モータを用いることも可能である。また、装着時に用いる第1スイッチ25aと脱着時に用いる第2スイッチ25bを1つのスイッチに兼用化することも考えられる。この場合、ドライブ回路25は、兼用化したスイッチの押圧された回数に応じて超音波モータ6の駆動を制御する。例えば、ユーザが兼用化したスイッチを押圧すると、ドライブ回路25は、超音波モータ6に図7の白矢印方向へと回転するよう指示を出し、指輪型装置1がユーザの指Uに装着される。そして、ユーザがもう一度兼用化したスイッチを押圧すると、ドライブ回路25は、超音波モータ6に図7の白矢印方向とは反対方向へと回転するよう指示を出し、ユーザの指Uは解放されることになる。
さらにまた、スイッチを設けずに、環状空洞部への指の挿入を検知するセンサーを指輪型装置1に設けることにより、制御ユニット24が、装着時の超音波モータ6の駆動、生体信号の検出、及び生体信号検出後の脱着時の超音波モータ6の駆動を制御する変形例も考えられる。この場合、ユーザが指に指輪型装置1を填めると、このセンサーが環状空洞部への指の挿入を検知して制御ユニット24に指の挿入を検知した旨を伝え、それを受けた制御ユニット24が、装着、検出処理、脱着の一連の処理を制御することになる。この場合、ユーザは指の付け根に指輪型装置1を位置させる以外に何らの操作をする必要がなくなり、ユーザの操作負担の大幅減を実現できる。
指輪型装置1を指に装着したときの快適性をよりよくするために、スライダー8の先端部8eにクッション部材9を配置する実施形態も考えられる。なお、クッション部材には、高密度ウレタンフォーム、発泡体、ゲル状体等の弾性体を用いることが考えられる。
アース部材23の指Uへの接触度合いを強くする別の変形例としては、図9(a)に示すように、スライダー8の先端面8eにアース部材23を配置することが考えられる。この場合は、スライダー8の内部にアース回路を配置して、先端面8eに配置したアース部材23と電気的に接続することになる。
また、発光センサー21と受光センサー22との位置関係は、上述した実施形態では受光センサー22が反射光を良好に受光できるようにするため、発光センサー21の光軸と、直交的な角度になるように受光センサー22を配置しているが、各センサーの位置は、このような位置関係に限定されるものではなく、各センサーの仕様等に応じて適宜配置箇所を変更することが可能である。さらに、生体信号の検出に用いる発光センサー21及び受光センサー22は、発光センサーと受光センサーがワンユニット化されたタイプのものを用いることも可能である。
さらにまた、指Uとセンサーとの隙間を無くす別の変形例としては、発光センサー又は受光センサーのいずれか一方のセンサーをスライダー8の先端面8eに配置することが考えられる。この場合は、スライダー8の内部に、先端面8eに配置するセンサーとの接続を行う導線を収める必要がある。なお、スライダー8の先端面8eにセンサーを配置する場合においても、発光センサーと受光センサーがワンユニット化されたタイプのもの適用することが可能である。
図9(b)は、発光センサー31b及び受光センサー31cをワンユニット化したセンサー31をスライダー8の先端面8eに配置すると共に、センサー31のセンサー表面31a(素子表面に該当)を覆うように透光性のクッション部材33を配置した変形例を示している。この変形例では、指を押圧するスライダー8の先端面8eにセンサー31が位置するので、指Uとセンサー31との間から外乱光が入り込みにくい状況を確保できると共に、センサー31を覆うクッション部材33により、硬いスライダー8の先端面8eが指表面へ直接的に押し当てられる状態を回避して装着時の快適性を高められる。しかも、クッション部材33は透光性を有するので、センサー31から発せられる光、及び受光するための光がクッション部材33を通過するため、所定の検出性能も維持できる。なお、透光性のクッション部材33としては、透明なゲル状部材を用いることが好適である。
また、図9(b)に示す変形例では、ワンユニット化されたセンサー31を用いた場合を示したが、発光センサーまたは受光センサーのいずれか一方のみを先端面8eに配置して、透光性のクッション部材33で覆う構成も適用可能である。さらに、スライダー8の押圧により変形した指の肉部の逃げ場となる凹部12a、12bの個数は2個に限定されるものではなく、スライダー8の大きさ、クッション部材9の位置等に応じて適宜増減してもよく、凹部を設ける位置も、環状空洞部11のスライダー8を配置した箇所11d(突出箇所)以外であれば、適宜変更してもよい。スライダー8を配置した箇所11dを除くのは、スライダー8は突出して指Uを押圧するので、スライダー8の配置した箇所11dの方向へ指の肉部が変形しにくいためである。
さらに、例えば、様々な指の太さ、断面形状に対応して、指輪型装置1の適切な内径寸法の細かな調節と、良好なフィット感及び確実な装着性の実現のために、スライダーを複数備えてもよい。また、複数のスライダーを環状空洞部11を介して対向的に配置することで、所定の長さを調整する場合、調整する長さ負担を各スライダーで分担することにより、それぞれのスライダーの可動ストロークを1つのみスライダーを備える場合よりも短縮できる。そのため、指輪型装置1のさらなる小型化を実現するために、複数のスライダーを環状空洞部を介して対向的に配置してもよい。例えば、図10のように、スライダー14a、14bを環状空洞部を介して対向的に備えることが考えられる。この場合、リング部材16の上にスライダー14a、14bの突出ピンに対応する円弧状のカム溝15a、15bを設けることで、リング部材16の回動により同時的に複数のスライダーを動かすようにしてもよい。なお、このカム機構を用いた変形例は、複数のスライダーを対向的に配置しない場合、及び、3個以上のスライダーを設ける構成にも適用可能である。また、これらスライダーを複数備える変形例は、上述した各種変形例に適宜組み合わせることも、勿論可能である。
さらにまた、上述した実施形態及び各変形例では、指輪型装置1を生体信号の検出を行うものに適用した場合で説明したが、本発明を各種電気機器本体またはゲーム機器本体に対するリモートコントローラ用の指輪型装置に適用することも可能である。この場合は、環状空洞部11の内径寸法調整に係る構成、クッション部材9を配置する構成、または凹部12a、12bを設ける構成の少なくとも一つを適用でき、センサー配置等に関する生体信号検出に係る構成は無関係となる。このように本発明に係る内径寸法調整、クッション部材9、または凹部12a、12bに係る構成をリモートコントローラ用の指輪型装置に適用すれば、様々な指の太さに簡単な操作でマッチすると共に快適な装着性の指輪型装置をユーザに提供でき、リモートコントローラの使い勝手を大きく向上できる。特にユーザが腕及び指を大きく動かすような動作が想定されるゲーム機器本体のリモートコントローラに本発明に係る指輪型装置が適用された場合では、環状空洞部の内径寸法をユーザの指に合わせた状態にできるため、指からの脱落等を防止しやすくできると共に、良好な装着性をユーザに提供できる。
本発明の実施形態に係る指輪型装置の分解斜視図である。 指輪型装置の外観を表す図であり、(a)は第1側方カバー側からの斜視図、(b)は第2側方カバー側からの斜視図である。 指輪型装置の外観を表す図であり、(a)は第1側方カバー側からの図1(a)とは異なる方向からの斜視図、(b)は第2側方カバー側からの図1(b)とは異なる方向からの斜視図である。 指輪型装置の外観を表す図であり、(a)は底板部からの斜視図、(b)は上部カバー側からの斜視図である。 (a)はリング状の超音波モータの分解斜視図、(b)はリング状の超音波モータの振動子本環の部分を拡大した斜視図である。 指輪型装置の制御ユニットに関する電気的な構成を示すブロック図である。 第1側方カバーを外した状態の指輪型装置の正面図である。 (a)はスライダーの突出状態を示す概略図、(b)は(a)よりさらに突出した状態のスライダーを示す概略図である。 (a)はクッション部材の配置に関する変形例を示す概略図、(b)は別の変形例を示す概略図である。 複数のスライダーを環状空洞部を介して対向的に配置した変形例の要部を示す概略図である。
符号の説明
1 指輪型装置
1a ハウジング
2 第1側方カバー
2e 筒部
3 第2側方カバー
4 リング部材
5 上部カバー
6 超音波モータ
6a 回転子本環
6b 振動子本環
8 スライダー
8b カム用ピン
11 環状空洞部
12a、12b 凹部
21 発光センサー
22 受光センサー
23 アース部材
24 制御ユニット
25 ドライブ回路
26 生体信号検出回路
30 カム溝

Claims (12)

  1. 人体の指が装着される指輪状ハウジングの環状空洞部の内径寸法を調整するように突出可能な内径調整部材を備えた指輪型装置において、
    前記環状空洞部の周囲で回動可能に配置してあるリング部材と、
    前記環状空洞部の周囲に配置してあるリング状モータとを備え、
    前記リング状モータは、前記リング部材へ連結されたリング状回転子を備え、
    前記リング状モータの前記リング状回転子の回転駆動による前記リング部材の回動を前記内径調整部材の突出に係る移動へ変換する変換手段とを備えることを特徴とする指輪型装置。
  2. 人体の指が装着される指輪状ハウジングの環状空洞部の内径寸法を調整するように突出可能な内径調整部材を備えた指輪型装置において、
    前記環状空洞部の周囲で回動可能に配置してあるリング部材と、
    前記リング部材に並んで環状空洞部の周囲に配置してあるリング状モータとを備え、
    前記リング部材は、前記内径調整部材に対応してカム溝を形成しており、
    前記カム溝は、前記リング部材の周方向に延在し、且つ一端側が前記リング部材の内縁寄りに位置すると共に、他端側が前記リング部材の外縁寄りに位置するように形成してあり、
    前記内径調整部材は、前記カム溝へ収まるように突出した凸部を備え、
    前記リング状モータは、前記リング部材へ連結されたリング状回転子を備え、
    前記リング状モータの前記リング状回転子の回転駆動に伴う前記リング部材の回動で、前記カム溝に収まる前記凸部を案内して前記内径調整部材の突出程度を調整するようにしてあることを特徴とする指輪型装置。
  3. 前記内径調整部材を複数備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の指輪型装置。
  4. 複数の内径調整部材は、それぞれが環状空洞部を介して対向的に配置してある請求項3に記載の指輪型装置。
  5. 前記内径調整部材を備えた箇所を除いた前記環状空洞部の少なくとも一箇所に、凹部が形成してある請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の指輪型装置。
  6. 前記環状空洞部に配置したクッション部材を備える請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の指輪型装置。
  7. 前記クッション部材は、前記内径調整部材の突出側の先端に配置してある請求項6に記載の指輪型装置。
  8. 前記環状空洞部に装着される指へ向けて発光可能に配置された発光素子と、
    前記発光素子から発せられた光を受光する受光素子と、
    前記受光素子の受光に応じた信号の処理を行う処理部とを備える請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載の指輪型装置。
  9. 前記発光素子及び/又は受光素子は、前記内径調整部材の突出側の先端に配置してある請求項8に記載の指輪型装置。
  10. 前記内径調整部材の突出側の先端に配置してある発光素子及び/又は受光素子の素子表面を覆うように透光性のクッション部材を配置してある請求項9に記載の指輪型装置。
  11. 前記環状空洞部に装着される人体の指と接するように配置したアース部材を備える請求項8乃至請求項10のいずれか1つに記載の指輪型装置。
  12. 前記アース部材は、内径調整部材の突出側の先端に配置してある請求項11に記載の指輪型装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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