JP2008203962A - アラーム診断装置および診断方法 - Google Patents

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整 大久保
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Abstract

【課題】熟練者でなくても簡単にアラーム是正処置が可能なアラーム診断装置を提供する。
【解決手段】アラームの発生を検知するアラーム検出部10と、アラーム発生時に保存されたアラームラッチデータを読出すアラームラッチデータ読出部11と、発生アラームの具体的な内容を調べるアラーム内容判断部20と、アラーム発生時の状況を確認するアラーム発生状況確認部21と、アラーム要因解析表を参照してアラームの原因を特定するアラーム原因推定部22と、特定されたアラーム原因に基づいて最適なアラーム是正処置を示すアラーム是正処置決定部23と、アラームの診断結果を表示装置に表示させるアラーム診断結果出力部24と、を備えたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、サーボシステムのアラーム診断機能に関し、詳しくは、ユーザーに対してアラーム診断結果としてアラームの原因と是正処置を表示させ、ユーザーが熟練者でなくてもアラームの原因を知りかつその是正処置をとることが可能となるアラーム診断装置、診断方法に関するものである。
従来よりサーボシステムのアラーム機能として各種の装置が稼働している。
例えば、特許文献1に示す「アラーム発生装置及びアラーム表示装置」にはアラーム発生状況に応じた表示を行う装置が開示されている。図8はアラーム発生装置及びアラーム表示装置のブロック図である。図8(a)はアラーム音発生の例であり、アラーム判断部101と、アラーム音制御部102と、設定部103とで構成されている。アラームが発生してアラーム信号S1〜Snがアラーム判断部101に入力すると、予め設定された(1〜n)までの種類のアラーム・パターンが判断され、アラームパターンが例えばパターン1に相当する場合は、アラーム音制御部102は、パターン1に該当するアラーム音を選択して発生させる。
一方、図8(b)はアラーム表示の例であって、記憶手段201、202と、制御手段203と、入力手段204と、表示手段205を有して、表示画面206にはアラーム発生時刻を、表示画面207には発生時刻206に対応したアラーム発生時間帯の波形を連動して表示するので、アラームの状況が正確に把握できる。これらに基づいてユーザー・マニュアル等から復旧手順を読出して事後の処理を行っている。
また、特許文献2に示す「ロボット教示操作盤」には、ロボット教示操作盤の表示装置に、アラームの詳細、復旧手順を表示させるアラーム表示装置が開示されている。図9はロボット教示操作盤の表示画面を示す図である。いま、バッテリ電圧低下のアラームが発生したとすると、図9(a)に示すアラーム詳細表示画面のように、表示画面300上のアラーム表示パネル302が赤く点滅すると共に、アラームコード番号035と題名「バッテリ デンアツテイカ」303が表示される。これはタッチパネル方式なので303の上をタッチ操作すると、図9(b)に示すアラーム復旧手順の表示画面のように、バッテリ電圧低下のアラーム復旧についての詳細説明が表示される。
また、特許文献3に示す「サーボコントローラの異常診断装置」は、従来のサーボコントローラの異常診断装置では、位置偏差、速度偏差及び電流偏差が大きくなっていることだけがアラームで出力されるだけであったので、アラームの発生の原因を特定するために相当の時間がかかるという欠点を解消するためのもので、アラーム原因診断手段は、前記位置偏差アラームが発生する前の電流フィードバック値が電流指令に対して明らかに小さく且つ電流フィードバック値が実質的にゼロとみなせるときには、励磁巻線または励磁巻線に接続された給電線に断線が発生していると診断するように構成されており、アラーム原因診断手段は、位置偏差アラームが発生する前の電流フィードバック値が電流指令に対して明らかに小さく且つ電流フィードバック値が実質的にゼロではないとみなせるときには、励磁巻線または励磁巻線に接続された給電線に流れる励磁電流の値が低下していると診断し、位置偏差アラームが発生する前の電流フィードバック値が電流指令に対してほぼ同じであり且つ速度フィードバック値が速度指令に対して明らかに小さく且つ速度フィードバック値が実質的にゼロとみなせるときには、励磁巻線または励磁巻線に接続された給電線に励磁電流が流れているにも関わらずサーボモータの可動子が停止していると診断し、位置偏差アラームが発生する前の電流フィードバック値が電流指令に対してほぼ同じであり且つ速度フィードバック値が速度指令に対して明らかに小さく且つ速度フィードバック値が実質的にゼロではないとみなせるときには、サーボモータへの負荷が大きくサーボモータの前記可動子の回転速度が遅いと診断するようにしている。
特開2001−283352号広報(図1、図9) 特開平9−76182号公報(図4、図5) 特許第3698977号公報
しかしながら従来の技術では、特許文献1の場合はアラームを検出したらアラームのパターンに対応するアラーム音を発生させるもので、アラーム発生を音で警報するだけで復旧処理まで教示するものでは無く、用意するアラーム音も種類が多くなると、人間の聴覚は視覚ほど正確とは言えないので、少なくとも連続音と断続音の2種類程度であれば問題がないが、何種類もの音で表される多数のアラーム・パターンを瞬時に、正確に聞き分けなければならないとなると、個人差があるのでかなりの訓練が必要になる。また、アラーム音ではなくアラーム・データを視覚的に表示もしているが、こちらはアラーム発生時のデータとして発生時刻などを表示するテキスト・データと、連動してアラーム発生状況を示す波形などの画像データを表示する2つの画面を示しているが、アラーム音及びアラーム表示のいずれもアラーム発生の警報までで、しかも波形等のアラームデータは熟練していないと判断が難しいことと、アラームの後の是正処置に関する手続きが両方の場合共に示されないという問題がある。
更に、特許文献2の場合は、実施例には確かにバッテリ電圧低下というアラームが発生すると、アラーム表示パネルが赤く点滅して報知し、続いてアラーム表示パネルをタッチ操作すれば、アラームの詳細と復旧手順が表示されるものであるが、実施例のアラームが「バッテリー電圧低下」で、その復旧手順が「バッテリ交換」では、サーボシステムとしての技術的特徴がなく、簡単な装置の取扱説明書の記述と同程度で簡単なアラームを簡単に表示する事例に止まり、複雑なサーボシステムのアラーム処理を簡単化すると言う技術開示としては不満があるという問題がある。
更に、特許文献3の場合は、位置偏差アラームが発生する前の電流フィードバック値と電流指令、速度フィードバック値と速度指令の関係でアラームを発するものであり、アラームが発生すると安全のため速やかに電源を切ることが必要であるにもかかわらず、特許文献3では電源ONのまま診断することになり危険である。そこには本発明が用いようとしている「ラッチデータ」の記録装置について一切記載も示唆もない。
このような従来の多くのアラーム機能で、サーボアンプのアラームが発生した場合には、アラーム対策用のユーザース・マニュアル等で原因と是正処置を確認してアラーム原因を除去する必要があるが、アラームが発生した状況によってアラームの原因と是正処置が異なるものなので、発生時の状況として主回路投入時か、運転中かなどの状態を調べる必要がある。
しかし、発生の状況把握については、アラームの発生要因を特定するためにアラームが発生する状況をユーザが常に監視し続けることは難しく、また、外部測定器で監視するについても、アラーム発生タイミングが不明なので難しいと言う問題があった。
よって、本発明は、ユーザーが常に監視し続けたり、外部測定器を用いたりせずに、常にアラーム検出とアラーム時のラッチデータの取得ができて、何時でも複雑なアラームの監視が可能であり、ユーザーは示される内容からアラームラッチデータの検討などの専門知識が無くても、複雑なアラーム発生の原因推定と、是正処置が簡単にできるアラーム診断装置および診断方法を提供することを目的としている。
上記問題を解決するため、請求項1記載の発明はアラーム診断装置に係り、サーボモータを制御するサーボコントローラに接続されるアラーム診断装置であって、前記サーボコントローラが、アラーム直前のアラームラッチデータを記録するEEPROMと、アラームの発生を検知するアラーム検出部と、前記アラーム検出部がアラームを検出した時に前記EEPROMに保存されてたアラームラッチデータを読出すアラームラッチデータ読出部とを備えたアラーム診断装置において、
発生アラームの内容を調べるアラーム内容判断部と、前記アラーム発生時の状況を装置の動作状態として表すアラーム発生状況確認部と、前記読出したアラームラッチデータと前記アラームの内容及びアラームの発生状況を含むアラーム要因解析表を基にアラームの原因を推定するアラーム原因推定部と、前記推定されたアラーム原因に基づいて前記アラーム要因解析表を基に最適なアラーム是正処置を示すアラーム是正処置決定部と、前記発生アラームの内容と前記アラーム発生状況と前記推定した原因と前記決定された是正処置とを出力して表示装置に表示させるアラーム診断結果出力部と、を備えたことを特徴としている。
また、請求項2記載の発明は請求項1記載のアラーム診断装置において、前記アラーム要因解析表が、ユーザーズマニュアルで説明しているアラーム是正処置に対して、アラームラッチデータの内容を割り付けてアラーム要因を特定しアラームの是正処置を実施するための参照表であって、アラーム・コード、アラーム内容、推定アラーム発生状況、アラームラッチデータ、原因および処置の各項目の1つ以上を含むことを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は請求項1記載のアラーム診断装置において、前記読出されるアラームラッチデータが、モータ回転/移動速度、速度指令、内部トルク/推力指令、入力指令/パルス速度、位置偏差カウンタおよび内部信号モニタの1つ以上を含むことを特徴としている。
また、請求項4記載の発明は請求項1記載のアラーム診断装置において、前記アラーム検出部が、各アラームの種類を区別するためにアラームの発生をアラームコードによって検知することを特徴としている。
また、請求項5記載の発明は請求項1記載のアラーム診断装置において、前記アラーム内容判断部が、アラーム内容として前記アラームコードに対応する過電圧などのアラームの程度を示す電圧値などの数値データと、主回路電源投入時などの具体的な装置の動作時点で表すアラーム検出時点と、を含むことを特徴としている。
また、請求項6記載の発明は請求項1記載のアラーム診断装置において、前記アラーム発生状況確認部が、アラーム発生状況を、主回路電源投入時などの前記アラームが発生した主要動作条件で表し確認することを特徴としている。
また、請求項7記載の発明は請求項1記載のアラーム診断装置において、前記アラーム検出部、前記アラームラッチデータ読出部、前記EEPROMを前記サーボモータに設けられたエンコーダ内部に備えていることを特徴としている。
また、請求項8記載の発明はアラーム診断方法に係り、サーボコントローラのトルク、速度、入力電圧等の内部データ、ダイナミックブレーキまたは急速停止などの内部スイッチおよび入出力信号状態などを一定サンプリング周期毎にラッチしてRAM上に上書き保存し、アラームを検出したら電源遮断される前にアラームが発生する1サンプリング前の前記RAM上のラッチデータをEEPROMに書込んでアラームラッチデータを作成して置き、電源再投入後に前記アラームラッチデータを読出し、アラーム内容を判断し、アラーム発生状況の確認として前記アラームの発生が制御電源投入時か、主回路電源投入時か、通常運転時か又は減速時のいずれであったかを判断する判断ステップと、アラーム発生が前記制御電源投入時の場合は、更に、主回路電源オフ、モータ通電オフかを判断して、共にオフの場合は前記アラームラッチデータと前記アラーム内容およびアラーム発生状況を含むアラーム要因解析表を参照してアラーム発生原因をサーボアンプ基板の故障と特定し、サーボドライバの修理・交換を促す指示をして、以上の診断結果を、発生アラーム、推定発生状況および原因と是正処置の項目で表示するステップと、アラーム発生が前記主回路電源投入時の場合は、主回路電源オン、モータ通電オフ状態で、更に、主回路母線電圧が所定電圧以上ならば、前記アラームラッチデータと前記アラーム要因解析表よりアラーム発生原因をAC電源電圧が所定電圧以上と特定し、是正処置としてAC電源電圧を正規の範囲にするように指示し、前記主回路母線電圧が前記所定電圧以下の場合は、アラーム発生原因を前記アラーム要因解析表を参照して原因をサーボアンプの故障と特定し、是正処置としてはサーボドライバの修理・交換を促す指示して、以上の診断結果を表示するステップと、アラーム発生が前記通常運転時の場合は、主回路電源オン、モータ通電オン状態ならば、前記アラーム要因解析表を参照してアラーム発生原因をAC電源電圧チェックとし、是正処置としてAC電源電圧を正規の範囲にするように指示し、更に、回生負荷率が100%以上であれは、発生原因を使用回転数が高く負荷慣性モーメントが過大であると特定し、是正処置としては負荷条件及び運転条件を再検討するように指示して、以上の診断結果を表示するステップと、アラーム発生が前記減速時の場合は、主回路電源オン、モータ通電オン、モータ回転速度>0およびトルク指令<0、の状態で、且つ、慣性モーメント>100%の場合は、アラーム要因解析表を参照して、アラーム原因を使用回転数が高く、負荷慣性モーメントが過大と特定し、是正処置として負荷条件、運転条件を再検討するように指示して、以上の診断結果を表示するステップとから成ることを特徴としている。
本発明によると、アラーム検出とアラームラッチデータの取得を常時実施し、何時でもアラームの監視が可能となる。その際にユーザーはアラームラッチデータの検討等に専門知識が無くても、複雑なアラーム発生の原因推定と、是正処置が簡明に示されるので簡単にアラーム解除処理ができるようになる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は本発明の実施例1に係るアラーム診断装置のブロック図である。
図2は図1に示すアラーム診断装置のアラーム要因解析表の1例を示す図である。
図1において、1は本発明のアラーム診断装置である。2はサーボコントローラでモータ3をインバータによりPWM制御等で駆動する。4はインバータからのモータ駆動電流を検出する電流検出器で、5は位置検出用エンコーダでフィードバック値により位置、速度、電流、トルク制御を行っている。6はサーボコントローラ2とアラーム診断装置1を接続する通信回線である。
10はアラーム検出部でA.400などとコード化されたアラーム発生を検知する。11はアラームラッチデータ読出部でアラームの発生と同時に、EEPROM12に書き込まれたアラームラッチデータを読出す。
7はアラーム要因解析表処理機能で、以下の各部20〜24の機能で構成されて、アラームラッチデータとアラーム要因解析表からアラームの原因を特定し、ユーザーがアラーム是正処置を直接実施できるように示す機能である。ここで図2に示すアラーム要因解析表25は、概略はユーザーによるアラーム是正処置を記述した従来のサービス用のユーザーズマニュアルに、アラームラツチデータの内容を割り付け作成された、新規のアラーム診断装置用のユーザーズマニュアルであって、アラーム(A.400等のコード名)、アラーム内容、アラーム発生状況、アラームラッチデータ、原因、処置、などで構成され、アラームラッチデータ以外はユーザーズマニュアルの記述に基づいている。
20はアラーム内容判断部で、例えば、A.400(過電圧)と言うアラームが発生したとすると、その詳細を主回路DC電圧が410V以上検出等と判断を行う。21はアラーム発生状況確認部で主回路電源投入時に発生などと発生時の状況を確認する。22はアラーム原因推定部でEEPROM12から読出したアラームラッチデータとアラーム内容、アラーム発生状況などを含む図2のようなアラーム要因解析表を参照してアラーム発生の原因を正確に推定する。23はアラーム是正処置決定部で発生アラームを解除させるための最適な手順を決定する。24はアラーム診断結果出力部で、原因、是正処置などのアラーム要因解析表処理部7の診断結果を表示装置25に簡明な形で表示する。
図3は図1に示すアラーム診断装置の処理のフローチャートである。
以下、図3を参照して動作について説明する。通常はサーボコントローラ(機名としてはサーボアンプとも呼ばれる)2のインバータ部では、サーボ動作のトルク、速度、入力電圧などの内部データや、DB(ダイナミックブレーキ)オンなどの内部スイッチ、入出力信号状態などを一定のサンプリング周期毎にラッチし、RAM上に上書き保存している。
図3はRAM上に保存されるデータ・リストの1例を示す図である。
図4(a)がUnIDCのアラーム信号出力状態などの内部出力信号モニタ、図4(b)、(c)はUnID6、UnID7の位置指令入力、モータ通電信号などの内部信号モニタ、図4(d)はUnID8のサーボオン指令入力状態、逆転禁止信号入力状態などの内部入力信号モニタ、の1例である。そしてアラームが発生したら電源が遮断される前に、RAM上のラッチデータがEEPROM12に書き込まれる。
図5はEEPROMに書き込まれるアラームラッチデータの1例を示す図である。データのリストは、モータ回転/移動速度、速度指令、内部トルク推力指令、入力指令パルス速度、偏差カウンタ、内部信号モニタなどである。
先ず、アラーム診断装置1ではアラーム検出部10が、アラーム信号をチェックしてA.400(過電圧)等のアラームコードを検出したら(S100)、アラームラッチデータ読出部11がEEPROM12から図5に示す様なアラームラッチデータを読出し(S101)、アラーム内容判断部20で、アラームA.400の内容として「電圧異常(サーボアンプ内部の主回路直流電圧が約DC410V以上)で、主回路電源投入時に検出された」と言うような内容が詳細に判断される(S102)。次に、アラームの発生状況をアラーム発生状況確認部21で確認作業が行われる(S103)。
この、確認作業の具体的手順は、制御電源投入時に発生か?の判断を行い、Yesならば(S104)、続いて、主回路電源off、モータ通電offの状態か?を判断する(S105)、Yesならばアラーム原因解析部22で、アラームラッチデータとアラーム内容、アラーム発生状況などのアラーム要因解析表25を参照して解析して「サーボアンプ基盤の故障」などと、発生原因を特定する(S106)。
更に、アラーム是正処置決定部23では、特定したアラームの原因を解除するための最適な手順として、サーボアンプの修理・交換を促すよう指示する(S107)。アラーム診断出力部24からは表示装置24の画面に診断結果を表示させる(S130)。
図6は実際の診断結果の表示画面を示す図である。
図6(a)はアラーム診断装置の表示画面で現在駆動中のモータが表示されている状態、この表示画面のアラーム診断ボタンを押すと、本発明に係る診断装置の診断結果が図6(b)のように表示される。画面には、発生アラーム:A.400 過電圧、のアラームの種類・内容と、推定発生状況:サーボモータ減速中に発生、とアラーム発生状況が示され、原因と是正処理は:使用回転数が高く、負荷慣性モーメントが過大につき、負荷条件・運転条件を再検討すること、と指示される。
従来はA.400 過電圧、とのみ表示されていたので、ユーザーはユーザーマニュアルを調べて対策を入手しなければならなかったが、本発明では原因と是正措置を表示することで、熟練者以外でも容易に理解できるように、分かり易く明快に表示される。
続いて、S104の「制御電源投入時に発生か?」、の判断でNoの場合は、アラーム発生状況確認部21の処理範囲として、主回路電源投入時に発生か?を判断する(S108)。Yesならば、続いて、主回路電源On・モータ通電Offの状態で発生か?を判断する(S109)。Yesならば、主回路母線電圧>290か?、を判断する(S110)。Yesならば、アラーム原因解析部23でアラームラッチデータ、アラーム要因解析表を基に解析を行い、原因としてAC電源電圧が290V以上と高い、と特定する(S111)。続いて、是正処置としてAC電源電圧を正規の範囲に調整するようにと、指示する(S112)。同様に、ユーザーが診断ボタンを押すと、診断結果が画面に表示される(S130)。ここで、S110の判断でNoの場合は、更に、主回路母線電圧<=290か?を判断して(S113)、原因はサーボアンプの故障と特定する(S114)。是正処置としてはサーボアンプの修理・交換を促すよう指示するのが好ましい(S115)。以上の診断結果を診断ボタンを押して表示装置24に表示させる(S130)。
もしもS108の判断でNoの場合は、通常運転時に発生か?を判断する(116)。Yesならば、主回路電源On、モータ通電Onか?を判断する(S117)。Yesならば、原因究明を行い、過大な電圧変化が無いか、AC電源チェックを指示する(S118)。この場合の是正処置としては、AC電源電圧を正規の範囲に調整するように警告する(S119)。
また、主回路電源On、モータ通電Onの状態で、回生負荷率>100%か?を判断する(S120)。Yesならば、原因究明を行い、使用回転数が高く、負荷慣性モーメントが過大(回生能力不足)とと特定する(S121)。この場合の是正処置としては、負荷条件、運転条件を再検討する(負荷慣性モーメント、マイナス負荷の仕様をチェックする)ことを指示する(S122)。
また、S120の判断でNoの場合は、原因としてサーボアンプの故障と特定する(S123)。是正処置としてはサーボアンプの修理・交換を促す指示をする(S124)。以上の診断結果を診断ボタンを押して表示する(S130)。
S116の判断でNoの場合は、減速時に発生か?を判断する(S125)。Yesならば、主回路電源On、モータ通電On、モータ回転速度>0、トルク指令<0、か?を判断する(S126)。Yesなら続いて、慣性モーメント>1000%か?判断する(S127)。Yesなら、原因として、使用回転数が高く、負荷慣性モーメントが過大、と特定する(S128)。是正条件は、負荷条件、運転条件を再検討するように指示する(S129)。以上の診断結果を診断ボタンを押して表示させる(S130)。
また、以上のアラーム診断はアラームラッチデータを用いてアラーム特定、是正処置を示していたが、波形を用いた熟練者向けのアラーム波形診断機能も可能である。
図7は本発明の実施例2に係るアラーム診断装置のブロック図である。
図7において、1は本発明のアラーム診断装置、2はサーボコントローラ、3はモータ、4はインバータ、5は位置検出用エンコーダでフィードバック値により位置、速度、電流、トルク制御を行っている。6はサーボコントローラ2とアラーム診断装置1を接続する通信回線である。
10はアラーム検出部でA.400などとコード化されたアラーム発生を検知する。11はアラームラッチデータ読出部でアラームの発生と同時に、EEPROM12に書き込まれたアラームラッチデータを読出す。
アラーム要因解析表処理機能7の各部20〜24の機能は実施例1と同じであるので、重複説明を省略する。
実施例2は、実施例1でサーボコントローラ2内で行なわれていたアラーム検出、アラームラッチデータ読出、EEPROMからのアラームラッチデータを読出しをエンコーダ5で行なわせている点が特徴である。
エンコーダ5とサーボコントローラ2はデータ通信しているので、実施例1で行なっているサーボコントローラ2内でアラーム検出をするシステムでは、サーボコントローラ2がエンコーダ5から受け取ったデータに異常があった場合、エンコーダ5の内部で発生したエラー(位置検出異常、温度異常、位置データ異常など)とデータ通信線路上で発生したエラー(通信データ異常、通信タイマ異常など)とを区別できなかったが、実施例2のようにすることで、エンコーダ内部で発生したエラーを発生現場でアラームと検出してしまうため、データ通信線路上で発生したエラーとを区別できるようになる。
そして、現場で本発明によりアラームラッチエータの診断をすることで原因と対策が判ることとなる。
本発明の実施例1に係るアラーム診断装置のブロック図である。 図1に示すアラーム診断装置のアラーム原因解析表の1例を示す図である。 図1に示すアラーム診断装置の処理のフローチャートである。 図1に示すアラーム診断装置のRAMに保存するラッチデータの1例を示す図である。 図1に示すEEPROMに保存するアラームラッチデータの1例を示す図である。 図1に示す表示装置の表示画面を示す図である。 本発明の実施例2に係るアラーム診断装置のブロック図である。 従来のアラーム発生装置の構成図である。 従来のロボット教示装置の表示画面を示す図である。
符号の説明
1 アラーム診断装置
2 サーボコントローラ
3 電動機
4 電流検出器
5 エンコーダ
6 通信回線
7 アラーム要因解析表処理機能
10 アラーム検出部
11 アラームラッチデータ読出部
12 EEPROM
20 アラーム内容判断部
21 アラーム発生状況確認部
22 アラーム原因推定部
23 アラーム是正処置決定部
24 アラーム診断結果出力部
25 アラーム要因解析表

Claims (8)

  1. サーボモータを制御するサーボコントローラに接続されるアラーム診断装置であって、前記サーボコントローラが、アラーム直前のアラームラッチデータを記録するEEPROMと、アラームの発生を検知するアラーム検出部と、前記アラーム検出部がアラームを検出した時に前記EEPROMに保存されてたアラームラッチデータを読出すアラームラッチデータ読出部とを備えたアラーム診断装置において、
    発生アラームの内容を調べるアラーム内容判断部と、
    前記アラーム発生時の状況を装置の動作状態として表すアラーム発生状況確認部と、
    前記読出したアラームラッチデータと前記アラームの内容及びアラームの発生状況を含むアラーム要因解析表を基にアラームの原因を推定するアラーム原因推定部と、
    前記推定されたアラーム原因に基づいて前記アラーム要因解析表を基に最適なアラーム是正処置を示すアラーム是正処置決定部と、
    前記発生アラームの内容と前記アラーム発生状況と前記推定した原因と前記決定された是正処置とを出力して表示装置に表示させるアラーム診断結果出力部と、を備えたことを特徴とするアラーム診断装置。
  2. 前記アラーム要因解析表は、ユーザーズマニュアルで説明しているアラーム是正処置に対して、アラームラッチデータの内容を割り付けてアラーム要因を特定しアラームの是正処置を実施するための参照表であって、アラーム・コード、アラーム内容、推定アラーム発生状況、アラームラッチデータ、原因および処置の各項目の1つ以上を含むことを特徴とする請求項1記載のアラーム診断装置。
  3. 前記読出されるアラームラッチデータは、モータ回転/移動速度、速度指令、内部トルク/推力指令、入力指令/パルス速度、位置偏差カウンタおよび内部信号モニタの1つ以上を含むことを特徴とする請求項1記載のアラーム診断装置。
  4. 前記アラーム検出部は、各アラームの種類を区別するためにアラームの発生をアラームコードによって検知することを特徴とする請求項1記載のアラーム診断装置。
  5. 前記アラーム内容判断部は、アラーム内容として前記アラームコードに対応する過電圧などのアラームの程度を示す電圧値などの数値データと、主回路電源投入時などの具体的な装置の動作時点で表すアラーム検出時点と、を含むことを特徴とする請求項1記載のアラーム診断装置。
  6. 前記アラーム発生状況確認部は、アラーム発生状況を、主回路電源投入時などの前記アラームが発生した主要動作条件で表し確認することを特徴とする請求項1記載のアラーム診断装置。
  7. 前記アラーム検出部、前記アラームラッチデータ読出部、前記EEPROMを前記サーボモータに設けられたエンコーダ内部に備えていることを特徴とする請求項1記載のアラーム診断装置。
  8. サーボコントローラのトルク、速度、入力電圧等の内部データ、ダイナミックブレーキまたは急速停止などの内部スイッチおよび入出力信号状態などを一定サンプリング周期毎にラッチしてRAM上に上書き保存し、アラームを検出したら電源遮断される前にアラームが発生する1サンプリング前の前記RAM上のラッチデータをEEPROMに書込んでアラームラッチデータを作成して置き、電源再投入後に前記アラームラッチデータを読出し、アラーム内容を判断し、アラーム発生状況の確認として前記アラームの発生が制御電源投入時か、主回路電源投入時か、通常運転時か又は減速時のいずれであったかを判断する判断ステップと、
    アラーム発生が前記制御電源投入時の場合は、更に、主回路電源オフ、モータ通電オフかを判断して、共にオフの場合は前記アラームラッチデータと前記アラーム内容およびアラーム発生状況を含むアラーム要因解析表を参照してアラーム発生原因をサーボアンプ基板の故障と特定し、サーボドライバの修理・交換を促す指示をして、以上の診断結果を、発生アラーム、推定発生状況および原因と是正処置の項目で表示するステップと、
    アラーム発生が前記主回路電源投入時の場合は、主回路電源オン、モータ通電オフ状態で、更に、主回路母線電圧が所定電圧以上ならば、前記アラームラッチデータと前記アラーム要因解析表よりアラーム発生原因をAC電源電圧が所定電圧以上と特定し、是正処置としてAC電源電圧を正規の範囲にするように指示し、前記主回路母線電圧が前記所定電圧以下の場合は、アラーム発生原因を前記アラーム要因解析表を参照して原因をサーボアンプの故障と特定し、是正処置としてはサーボドライバの修理・交換を促す指示して、以上の診断結果を表示するステップと、
    アラーム発生が前記通常運転時の場合は、主回路電源オン、モータ通電オン状態ならば、前記アラーム要因解析表を参照してアラーム発生原因をAC電源電圧チェックとし、是正処置としてAC電源電圧を正規の範囲にするように指示し、更に、回生負荷率が100%以上であれは、発生原因を使用回転数が高く負荷慣性モーメントが過大であると特定し、是正処置としては負荷条件及び運転条件を再検討するように指示して、以上の診断結果を表示するステップと、
    アラーム発生が前記減速時の場合は、主回路電源オン、モータ通電オン、モータ回転速度>0およびトルク指令<0、の状態で、且つ、慣性モーメント>100%の場合は、アラーム要因解析表を参照して、アラーム原因を使用回転数が高く、負荷慣性モーメントが過大と特定し、是正処置として負荷条件、運転条件を再検討するように指示して、以上の診断結果を表示するステップとから成ることを特徴とするアラーム診断方法。
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