JP2008203753A - 偏光膜及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コントラスト特性に優れた反射型偏光子を有する偏光膜を提供する。
【解決手段】反射型偏光子と、配向膜が積層された偏光膜であって、前記反射型偏光子の偏光方向と前記配向膜の偏光方向とが略一致しており、前記配向膜は、2色性色素会合体と、アセチレングリコール系化合物及びアセチレンアルコール系化合物らなる群から選ばれる少なくとも1種の濡れ性付与剤とを含有し、且つ前記反射型偏光子を基材とする塗布法により形成されてなる偏光膜。
【選択図】なし
【解決手段】反射型偏光子と、配向膜が積層された偏光膜であって、前記反射型偏光子の偏光方向と前記配向膜の偏光方向とが略一致しており、前記配向膜は、2色性色素会合体と、アセチレングリコール系化合物及びアセチレンアルコール系化合物らなる群から選ばれる少なくとも1種の濡れ性付与剤とを含有し、且つ前記反射型偏光子を基材とする塗布法により形成されてなる偏光膜。
【選択図】なし
Description
本発明は、液晶表示装置等に用いられる偏光膜に関する。
偏光子を有する光学フィルムである偏光膜は、サングラス、エリプソメータ、液晶表示装置等に用いられている。液晶表示装置等に利用されている偏光子としては、(1)有機分子あるいはヨウ素系化合物を配向させ、配向方向の吸光係数と配向方向と垂直方向の吸光係数とが異なる2色性偏光子、(2)方解石等の複屈折性を示す物質を三角柱状に切り出し、2つの三角柱を貼り合わせた複屈折偏光子、(3)透明基板等に微小な間隔で金、アルミ等の金属線が引かれたワイヤグリッド偏光子、(4)光が物質表面で反射する際、その入射面内に電界ベクトルがある偏光と垂直方向に電界ベクトルがある偏光とで反射率や透過率が異なることを利用した反射型偏光子等がある。
上記の中で、反射型偏光子は、バックライト等の光源から出射される光を偏光分離するとともに、分離によって不要とされた偏光をバックライト内に反射させて再利用することにより、光の利用効率を高めている(例えば、特許文献1)。
特開2006−145884号公報
ところで、液晶表示装置では画質向上のため、コントラストの向上が求められている。コントラストは、いわゆる「白」表示、「黒」表示の輝度の比で表され、特に「黒」表示時の光漏れをいかに低減するかが重要なキーポイントとなる。このような、「黒」表示時の光漏れ低減のため、位相差板、偏光膜等の改善がなされてきており、反射型偏光子を有する偏光膜においてもコントラストのさらなる向上が要望されている。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、コントラスト特性に優れた反射型偏光子を有する偏光膜を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、コントラスト特性に優れた反射型偏光子を有する偏光膜を提供することを目的とする。
本発明者等は、反射型偏光子を有する偏光膜において、反射型偏光子上に2色性色素会合体を含む配向膜を密接して設けることにより、偏光膜のコントラストを改善できることに気づき、本発明に至った。
すなわち、本発明は、反射型偏光子と、配向膜とが積層された偏光膜であって、前記反射型偏光子の偏光方向と前記配向膜の偏光方向とが略一致しており、前記配向膜が、2色性色素会合体と、アセチレングリコール系化合物及びアセチレンアルコール系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の濡れ性付与剤とを含有し、且つ前記反射型偏光子を基材とする塗布法により前記反射型偏光子上に形成されてなる偏光膜である。
上記構成によれば、反射型偏光子上に2色性色素会合体を含む配向膜が積層されており、反射型偏光子の偏光方向と配向膜の偏光方向とが略一致するように設けられているため、バックライト等の光源からの光が反射型偏光子に入射した場合、配向膜に吸収されるような偏光方向を有する光は配向膜に入射せずに反射型偏光子で一旦反射する。そして、反射型偏光子で反射した光は、更にバックライトの下面に設けられた反射層等を介して反転して反射型偏光子に再入射する。このため、反射型偏光子を通過し得るような偏光方向になった偏光のみが反射型偏光子を透過して配向膜に入射するので、バックライト等の光源からの光を効率的に液晶表示装置の画像の表示に使用でき、その結果、画面を明るくすることができる。そして、反射型偏光子を透過した偏光が2色性色素会合体を含有する配向膜に入射されるから、広い視野角でコントラストに優れた偏光膜が得られる。
また、上記配向膜は、反射型偏光子を基材とする塗布法により反射型偏光子上に直接形成されているため、反射型偏光子と配向膜とが密接して積層されており、偏光膜は両層間に間隙を有していない。このため、両者の端面を粘着テープで接合して一体化させる方法や、粘着剤を使用して反射型偏光子と配向膜とを接合して一体化する方法に比べ、両層間に形成される空気層や粘着剤層等の影響もなくなる。また、反射型偏光子を基材として塗布法により直接、反射型偏光子上に配向膜が形成されれば、配向膜が、反射型偏光子と連続した層で形成されるため、別々で形成された配向膜と反射型偏光子とが積層される場合と比べ、両層の間でそれぞれの層の境界面が形成されない。このため、単一の境界面を有する偏光膜が形成される。この結果、境界面での光の散乱の発生も防止できる。
そして、2色性色素を配向膜に使用する場合、2色性色素を会合体の状態で配向させる必要があるため、配向膜形成時に水溶液のレベリングが不十分となりやすく、また、屈折率差を有する2種以上の材料が2層以上積層された多層薄膜積層体からなる反射型偏光子は、反射特性、偏光特性を付与するために表面に凹凸を有することから、塗布法により直接配向膜を形成すると、得られる配向膜にピンホール等の塗布欠陥が発生しやすい。さらに、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートやアクリル樹脂等が基板として使用された反射型偏光子は水溶液との濡れ性に劣るため、この点でも均一な配向膜が形成され難い。しかしながら、上記配向膜は、2色性色素会合体とともにアセチレングリコール系化合物及びアセチレンアルコール系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の濡れ性付与剤を有しており、これらの濡れ性付与剤は水溶液の反射型偏光子に対する濡れ性を改善できるため、レベリングに優れた水溶液が得られる。このため、反射型偏光子上に直接2色性色素を含有する水溶液が塗布された場合でも、均一な配向膜を形成することができ、ピンホール等の塗布欠陥も抑えられる。
また、本発明は、反射型偏光子と、配向膜とが積層された偏光膜の製造方法であって、2色性色素会合体と、アセチレングリコール系化合物及びアセチレンアルコール系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の濡れ性付与剤とを含有し、30〜50mN/mの表面張力を有する2色性色素含有水溶液を調製する水溶液調製工程と、前記2色性色素含有水溶液を反射型偏光子上に、前記反射型偏光子の偏光方向と前記配向膜の偏光方向とが略一致するように塗布する塗布工程とを有する偏光膜の製造方法である。
2色性色素会合体を含有する水溶液は、反射型偏光子への濡れ性に劣るが、アセチレングリコール系化合物及びアセチレンアルコール系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の濡れ性付与剤が添加され、30〜50mN/mの表面張力を有するように調製された水溶液であれば、反射型偏光子に対する濡れ性を改善でき、優れたレベリングを有する水溶液が得られるため、塗布欠陥のない均一な配向膜を反射型偏光子上に形成することができる。
本発明によれば、コントラスト特性に優れた反射型偏光子を有する偏光膜を提供することができる。
本発明は、反射型偏光子と、配向膜とが積層された偏光膜であって、反射型偏光子の偏光方向と配向膜の偏光方向とが略一致しており、配向膜が、2色性色素会合体と、アセチレングリコール系化合物及びアセチレンアルコール系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の濡れ性付与剤とを含有し、且つ反射型偏光子を基材とする塗布法により反射型偏光子上に形成されてなることを特徴とする。
反射型偏光子としては、従来公知の反射型偏光子を用いることができる。具体的には、例えば、屈折率差を有する2種以上の材料による2層以上の多層薄膜積層体、ビームスプリッタ等に用いられる屈折率の異なる蒸着多層薄膜、複屈折を有する2種以上の材料による2層以上の複屈折層多層薄膜積層体、複屈折を有する2種以上の樹脂を用いた2層以上の樹脂積層体が延伸された積層体、直線偏光を直交する軸方向で反射/透過することで分離する偏光子等が挙げられる。
反射型偏光子は、配向膜形成前に2色性色素を含有する水溶液への濡れ性を改善するため、UVオゾン処理、大気圧プラズマ処理、コロナ処理等の表面親水化処理を行ってもよい。表面親水化処理は、反射型偏光子が40〜65mN/mの表面張力を有するように処理することが好ましく、さらに50〜65mN/mの表面張力を有するように処理することがより好ましい。
2色性色素会合体を有する配向膜は、上記の反射型偏光子を基材として、塗布法により反射型偏光子上に直接積層形成される。配向膜を、反射型偏光子を基材とする塗布法により反射型偏光子上に形成することにより、反射型偏光子と配向膜とが密接して積層されるため、両者間に間隙のない偏光膜を形成することができる。このため、両者の端面を粘着テープで接合して一体化する方法や、粘着剤を使用して配向膜と反射型偏光子とを接合して一体化する方法に比べ、両者間の間に形成される空気層や粘着剤層等の影響もなくなる。また、反射型偏光子を基材とする塗布法によれば、配向膜が、反射型偏光子と連続した層で形成されるため、別々で形成された配向膜と反射型偏光子とを積層する方法と比べ、両者の間でそれぞれの層の境界面が形成されない。従って、単一の境界面を有する偏光膜を形成することができ、この結果、境界面での光の散乱の発生を防止でき、コントラストに優れた偏光膜が得られる。
配向膜に用いられる2色性色素としては、従来公知の2色性色素を使用できるが、これらの中でも、水溶液中でリオトロピック液晶状態を形成する2色性色素が好ましい。このような色素としては、具体的には、例えば、C.I.Direct Blue67、C.I.Direct Red81、C.I.Acid Red266、ベンゾパープリン4B等のアゾ系色素;ペリレンを硫酸と反応させて得られるスルホン化ペリレン、アントラキノンを硫酸と反応させて得られるスルホン化アントラキノン等のスルホン酸あるいはそのアルカリ金属塩を官能基として含む多核芳香族化合物;ジオキサジン系色素等が挙げられる。これらは、単独もしくは混合して用いてもよい。これらの中でも、水に10質量%以上可溶であり、水溶液とした時に粘度20mPa・s以上を示す2色性色素が好ましい。また、小角X線散乱で水溶液中の周期長を測定した場合、10nm以下、より好ましくは7nm以下の周期長を有する2色性色素が好ましい。
反射型偏光子上に2色性色素会合体を含む配向膜を塗布法により形成する場合、上記のような2色性色素と水等の溶剤とを混合して、リオトロピック液晶状態の2色性色素会合体を形成させた2色性色素含有水溶液を調製し、該水溶液を反射型偏光子上に供給して、水溶液に剪断力を掛けながら塗布配向する。これにより、2色性色素会合体を有する配向膜を反射型偏光素子上に形成することができる。
また、上記2色性色素含有水溶液には、濡れ性を改善するためにアセチレングリコール系化合物及びアセチレンアルコール系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の濡れ性付与剤が添加される。2色性色素は会合体を形成するため、水溶液の反射型偏光子に対する濡れ性が劣り、反射型偏光子上でのレベリングが不十分となりやすく、また多層薄膜積層体等の反射型偏光子は表面に凹凸を有するため、2色性色素会合体のみを含有する水溶液を塗布した場合、配向膜にピンホール等の塗布欠陥が発生し、それによってコントラストが低下しやすい。さらに、樹脂基板を有する反射型偏光子上では水溶液が広がり難く、水溶液のレベリングがさらに劣る。このため、上記のような濡れ性付与剤を併用することにより、水溶液の表面張力を低下させることができ、反射型偏光子上に均一な配向膜を形成することができる。
上記のアセチレングリコール系化合物としては、具体的には、例えば、日信化学工業社製のサーフィノール104E、サーフィノール104H、サーフィノール104A等の104シリーズ、サーフィノール420、サーフィノール440、サーフィノール465等の400シリーズ、サーフィノールSE、サーフィノールSE−F、サーフィノール504、サーフィノールDF37、サーフィノールDF58、サーフィノールCT111、サーフィノールCT121、サーフィノールCT131、サーフィノールCT136、サーフィノールCT151、サーフィノールTG、サーフィノールGA、オルフィンE1004、オルフィンE1010、オルフィンAK−02等が挙げられる。また、アセチレンアルコール系化合物としては、具体的には、例えば、日信化学工業社製のサーフィノール61、オルフィン61、オルフィンB、オルフィンP等が挙げられる。上記濡れ性付与剤は、アセチレン基を含み、非イオン性の低分子量化合物である点で共通している。上記の濡れ性付与剤を添加する場合、水溶液が30〜50mN/mの表面張力を有するように濡れ性付与剤を水溶液中に添加することが好ましく、30〜45mN/mの表面張力を有するように添加することがより好ましい。上記表面張力の範囲外の水溶液の場合、反射型偏光子の種類によっては、配向膜にピンホールが生じる傾向がある。上記表面張力は、使用する2色性色素や溶剤の種類等に応じて濡れ性付与剤の添加量を適宜選択することにより調整することができる。なお、表面張力は、例えば、ウイルヘルミープレート法による表面張力計を用いて測定することができる。
2色性色素含有水溶液は、例えば、2色性色素及び濡れ性付与剤を60〜95℃の水等の溶剤と混合し、撹拌して、2色性色素を溶解した後、室温に戻すことにより調製される。濡れ性付与剤の水溶液への添加は、2色性色素の溶解前あるいは溶解後であってもよい。水溶液には、水の他、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、アルコール等の水に可溶な有機溶剤を添加してもよい。2色性色素含有水溶液を反射型偏光子上に塗布する塗布装置としては、従来公知の塗布装置を使用することができる。このような塗布装置としては、具体的には、例えば、バーコータ、スロットダイコータ、グラビアコータ、リバースロールコータ、マイクログラビアコータ等を挙げられる。また、塗布後の乾燥は60℃以下で行うことが好ましい。乾燥温度が60℃より高い場合、2色性色素の会合体が分離し、コントラストが低下する傾向がある。
上記のようにして調製された2色性色素含有水溶液は、水溶液に剪断力を付与して会合体を配向させる塗布方向が、反射型偏光子の偏光の透過方向と略一致する方向となるように塗布される。これにより、得られる偏光膜の反射型偏光子と配向膜の偏光方向とを略一致させることができ、反射型偏光子を透過した偏光を配向膜から出射させることができる。なお、偏光方向とは、楕円偏光の場合には、長軸方向を意味するものであり、略一致とは、両偏光方向の軸が可及的に0度に近いことを意味し、製造時のずれを考慮した場合にも、5度以内が好ましい。
配向膜は、さらに樹脂を含有しても良い。塗布法により形成される2色性色素会合体を含む配向膜は会合体間に隙間を有するため、他部材、例えば液晶板等との接触により傷がはいりやすい。このため、配向膜に樹脂を添加することにより耐擦傷性を向上することができる。樹脂を添加する場合、2色性色素含有水溶液に添加し、2色性色素及び濡れ性付与剤とともに塗布してもよいし、配向膜形成後に樹脂を配向膜に含浸させてもよい。水溶液に添加する樹脂としては、水溶性の樹脂が好ましく、具体的には、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂;ヒドロキシアルキルセルロース系樹脂;ポリビニルピロリドン系樹脂、またはそれらの共重合体等が挙げられる。また、水溶性アクリルモノマー等の放射線硬化樹脂、必要によりUV開始剤を水溶液に添加し、配向膜形成後、放射線照射を行い、配向膜を硬化処理してもよい。例えば、エチレングリコール鎖を含むUVモノマーとUV開始剤を水溶液に添加し、配向膜形成後、UV照射を行い硬化してもよい。これらの水溶性樹脂は単独でも混合して用いてもよい。配向膜形成後に含浸させる樹脂としては、有機溶剤に溶解する樹脂が好ましく、具体的には、例えば、ポリカーボネート系樹脂;アクリル系樹脂;ポリスチレン系樹脂;アセチルセルロース、プロピルセルロース、ブチルセルロース等のセルロース系樹脂;ポリビニルアセタール等のアセタール系樹脂;ポリビニルブチラール等のブチラール系樹脂等が挙げられる。また、樹脂溶液とする場合には、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤等が使用されてもよい。また、樹脂溶液にはアクリル系モノマー、オリゴマー等の放射線硬化樹脂、さらに必要に応じてUV開始剤を含めてもよい。放射線硬化樹脂を用いた場合、塗布、乾燥後、放射線による硬化処理を行ってもよい。また、これらの樹脂は単独でも混合して用いてもよい。
配向膜の厚さは50〜1000nmが好ましく、100〜500nmがより好ましい。50nmより薄いとコントラスト向上効果が乏しくなり、1000nmより厚いと光の透過率が乏しくなる。
上記のようにして作製される偏光膜は、さらに液晶表示装置に用いられる位相差フィルム等の光学層をさらに形成してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでない。なお、以下で「部」とあるのは、「質量部」を意味する。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでない。なお、以下で「部」とあるのは、「質量部」を意味する。
実施例
[実施例1]
(2色性色素含有水溶液の調製)
2色性色素(C.I.Direct Blue67)15部を、80℃の水(抵抗率16MΩ・cm以上)85部に添加し、撹拌混合して、2色性色素を溶解させた。次に、溶液を室温まで冷却した後、エタノール50部を溶液に添加し、沈殿を生じさせ、沈殿を回収することにより2色性色素の精製を行った。
上記のようにして精製した2色性色素15部と、濡れ性付与剤として、オルフィンE1010(日信化学工業社製,アセチレングリコール系化合物)0.05部とを、80℃の水85部に添加し、撹拌混合した。2色性色素を溶解させた後、室温まで自然冷却して2色性色素含有水溶液を調製した。このようにして調製した水溶液は、表面張力が36mN/m、粘度が44mPa・s、pHが7.3、小角散乱での周期長が5.2nmであった。
[実施例1]
(2色性色素含有水溶液の調製)
2色性色素(C.I.Direct Blue67)15部を、80℃の水(抵抗率16MΩ・cm以上)85部に添加し、撹拌混合して、2色性色素を溶解させた。次に、溶液を室温まで冷却した後、エタノール50部を溶液に添加し、沈殿を生じさせ、沈殿を回収することにより2色性色素の精製を行った。
上記のようにして精製した2色性色素15部と、濡れ性付与剤として、オルフィンE1010(日信化学工業社製,アセチレングリコール系化合物)0.05部とを、80℃の水85部に添加し、撹拌混合した。2色性色素を溶解させた後、室温まで自然冷却して2色性色素含有水溶液を調製した。このようにして調製した水溶液は、表面張力が36mN/m、粘度が44mPa・s、pHが7.3、小角散乱での周期長が5.2nmであった。
(偏光膜の作製)
反射型偏光子として、3M社製の多層薄膜積層体からなるDBEF(商品名)を用いた。この反射型偏光子を基材として、上記のようにして調製した水溶液を、室温下で、#3バーを用いて、送り速度1.33m/分で反射型偏光子上にバーコートした。なお、塗布方向は、反射型偏光子の偏光方向と配向膜の偏光方向とを一致させるため、反射型偏光子の偏光の透過方向とした。塗布後、ドライヤから冷風を配向膜に吹き付けて室温下で乾燥させ、実施例1の偏光膜を作製した。
反射型偏光子として、3M社製の多層薄膜積層体からなるDBEF(商品名)を用いた。この反射型偏光子を基材として、上記のようにして調製した水溶液を、室温下で、#3バーを用いて、送り速度1.33m/分で反射型偏光子上にバーコートした。なお、塗布方向は、反射型偏光子の偏光方向と配向膜の偏光方向とを一致させるため、反射型偏光子の偏光の透過方向とした。塗布後、ドライヤから冷風を配向膜に吹き付けて室温下で乾燥させ、実施例1の偏光膜を作製した。
[実施例2]
実施例1の2色性色素含有水溶液の調製において、濡れ性付与剤として、オルフィンE1004(日信化学工業社製,アセチレングリコール系化合物)0.05部を添加した以外は、実施例1と同様にして2色性色素含有水溶液を調製した。このようにして調製した水溶液は、表面張力が30mN/m、粘度が44mPa・s、pHが7.3、小角散乱での周期長が5.2nmであった。
上記の2色性色素含有水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例2の偏光膜を作製した。
実施例1の2色性色素含有水溶液の調製において、濡れ性付与剤として、オルフィンE1004(日信化学工業社製,アセチレングリコール系化合物)0.05部を添加した以外は、実施例1と同様にして2色性色素含有水溶液を調製した。このようにして調製した水溶液は、表面張力が30mN/m、粘度が44mPa・s、pHが7.3、小角散乱での周期長が5.2nmであった。
上記の2色性色素含有水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例2の偏光膜を作製した。
[実施例3]
実施例1の2色性色素含有水溶液の調製において、濡れ性付与剤として、オルフィンB(日信化学工業社製,アセチレンアルコール系化合物)0.0005部を用いた以外は、実施例1と同様にして、2色性色素含有水溶液を調製した。このようにして調製した水溶液は、表面張力が50mN/m、粘度が44mPa・s、pHが7.3、小角散乱での周期長が5.2nmであった。
上記の2色性色素含有水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例3の偏光膜を作製した。
実施例1の2色性色素含有水溶液の調製において、濡れ性付与剤として、オルフィンB(日信化学工業社製,アセチレンアルコール系化合物)0.0005部を用いた以外は、実施例1と同様にして、2色性色素含有水溶液を調製した。このようにして調製した水溶液は、表面張力が50mN/m、粘度が44mPa・s、pHが7.3、小角散乱での周期長が5.2nmであった。
上記の2色性色素含有水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例3の偏光膜を作製した。
[比較例1]
実施例1の偏光膜の作製において、反射型偏光子の代わりに、コロナ処理を行ったトリアセチルセルロースフィルムを基材として用いた以外は、実施例1と同様にして配向膜を形成した。
次に、実施例1で用いた反射型偏光子と、上記のようにして作製した配向膜とを、両偏光方向を一致させた状態で、両端面を粘着テープで貼り合わせて、比較例1の偏光膜を作製した。
実施例1の偏光膜の作製において、反射型偏光子の代わりに、コロナ処理を行ったトリアセチルセルロースフィルムを基材として用いた以外は、実施例1と同様にして配向膜を形成した。
次に、実施例1で用いた反射型偏光子と、上記のようにして作製した配向膜とを、両偏光方向を一致させた状態で、両端面を粘着テープで貼り合わせて、比較例1の偏光膜を作製した。
[比較例2]
実施例1の2色性色素含有水溶液の調製において、濡れ性付与剤を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、2色性色素含有水溶液を調製した。このようにして調製した水溶液は、表面張力が54mN/m、粘度が44mPa・s、pHが7.3、小角散乱での周期長が5.2nmであった。
上記の2色性色素含有水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例2の偏光膜を作製した。
実施例1の2色性色素含有水溶液の調製において、濡れ性付与剤を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、2色性色素含有水溶液を調製した。このようにして調製した水溶液は、表面張力が54mN/m、粘度が44mPa・s、pHが7.3、小角散乱での周期長が5.2nmであった。
上記の2色性色素含有水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例2の偏光膜を作製した。
[比較例3]
実施例1の2色性色素含有水溶液の調製において、濡れ性付与剤として、オルフィンE1010を0.0001部使用した以外は、実施例1と同様にして、2色性色素含有水溶液を調製した。このようにして調製した水溶液は、表面張力が52mN/m、粘度が44mPa・s、pHが7.3、小角散乱での周期長が5.2nmであった。
上記の2色性色素含有水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例3の偏光膜を作製した。
実施例1の2色性色素含有水溶液の調製において、濡れ性付与剤として、オルフィンE1010を0.0001部使用した以外は、実施例1と同様にして、2色性色素含有水溶液を調製した。このようにして調製した水溶液は、表面張力が52mN/m、粘度が44mPa・s、pHが7.3、小角散乱での周期長が5.2nmであった。
上記の2色性色素含有水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例3の偏光膜を作製した。
[比較例4]
実施例1の2色性色素含有水溶液の調製において、濡れ性付与剤として、オルフィンE1010を0.5部使用した以外は、実施例1と同様にして、2色性色素含有水溶液を調製した。このようにして調製した水溶液は、表面張力が27mN/m、粘度が44mPa・s、pHが7.3、小角散乱での周期長が5.2nmであった。
上記の2色性色素含有水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例4の偏光膜を作製した。
実施例1の2色性色素含有水溶液の調製において、濡れ性付与剤として、オルフィンE1010を0.5部使用した以外は、実施例1と同様にして、2色性色素含有水溶液を調製した。このようにして調製した水溶液は、表面張力が27mN/m、粘度が44mPa・s、pHが7.3、小角散乱での周期長が5.2nmであった。
上記の2色性色素含有水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例4の偏光膜を作製した。
以上のようにして作製した実施例及び比較例の各偏光膜を用いて以下のコントラスト特性を評価した。なお、参考のため、実施例1で用いた反射型偏光子及び比較例1で作製したトリアセチルセルロースフィルム上に形成した配向膜をそれぞれ参考例1及び2の試料として用いた。表1は、この評価結果を示す。
<コントラスト特性>
コントラストは、日本分光社製V-570分光光度計にGPH−506型偏光子及びRSH−680型回転試料ホルダを取り付けて評価した。測定条件は、レスポンスがFast、バンド幅が2.0nm、近赤外が8.0nm、走査速度が400nm/min、あおり角が0度とした。偏光子と偏光膜との互いの偏光軸が直交する位置(暗状態)と、偏光膜を90度回転させた位置(明状態)とで、300〜800nmのスペクトルを測定し、550nmの透過率の比(「明」透過率/「暗」透過率)をコントラストとした。
コントラストは、日本分光社製V-570分光光度計にGPH−506型偏光子及びRSH−680型回転試料ホルダを取り付けて評価した。測定条件は、レスポンスがFast、バンド幅が2.0nm、近赤外が8.0nm、走査速度が400nm/min、あおり角が0度とした。偏光子と偏光膜との互いの偏光軸が直交する位置(暗状態)と、偏光膜を90度回転させた位置(明状態)とで、300〜800nmのスペクトルを測定し、550nmの透過率の比(「明」透過率/「暗」透過率)をコントラストとした。
上記表1から明らかなように、反射型偏光子上に塗布法により配向膜を密着積層させた実施例1〜3の偏光膜は、比較例1で別々に形成された反射型偏光子と配向膜とを貼り合わせて一体化させた偏光膜よりもコントラスト特性に優れていることが分かる。これは、配向膜が反射型偏光子上に直接積層形成されているため、両層の間に間隙が形成されず、そのため光の散乱等の影響が抑えられているためである。また、実施例1〜3の偏光膜は、2色性色素含有水溶液の調製時に濡れ性付与剤が添加されているため、比較例2〜4の濡れ性付与剤を含有しない水溶液や、濡れ性付与剤を含有していても表面張力が低すぎるあるいは高すぎる水溶液を用いて作製された偏光膜よりもコントラスト特性に優れていることが分かる。
Claims (2)
- 反射型偏光子と、配向膜とが積層された偏光膜であって、
前記反射型偏光子の偏光方向と前記配向膜の偏光方向とが略一致しており、
前記配向膜は、2色性色素会合体と、アセチレングリコール系化合物及びアセチレンアルコール系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の濡れ性付与剤とを含有し、且つ前記反射型偏光子を基材とする塗布法により前記反射型偏光子上に形成されてなる偏光膜。 - 反射型偏光子と、配向膜とが積層された偏光膜の製造方法であって、
2色性色素会合体と、アセチレングリコール系化合物及びアセチレンアルコール系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の濡れ性付与剤とを含有し、30〜50mN/mの表面張力を有する2色性色素含有水溶液を調製する水溶液調製工程と、
前記2色性色素含有水溶液を反射型偏光子上に、前記反射型偏光子の偏光方向と前記配向膜の偏光方向とが略一致するように塗布する塗布工程とを有する偏光膜の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2007042405A JP2008203753A (ja) | 2007-02-22 | 2007-02-22 | 偏光膜及びその製造方法 |
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JP2015072396A (ja) * | 2013-10-04 | 2015-04-16 | 旭化成イーマテリアルズ株式会社 | 偏光部材、眼鏡レンズ、模様入りサングラス、ならびに光反射性偏光板 |
KR101794050B1 (ko) | 2012-03-19 | 2017-11-06 | 동우 화인켐 주식회사 | 편광판 및 이를 구비한 화상표시장치 |
JP2018124467A (ja) * | 2017-02-02 | 2018-08-09 | 住友化学株式会社 | 複合偏光板および液晶表示装置 |
-
2007
- 2007-02-22 JP JP2007042405A patent/JP2008203753A/ja not_active Withdrawn
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