JP2008202654A - 流体制御弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧力作用室からの押圧力に対する反発力を圧縮コイルバネにより得ており、且つ圧縮コイルバネと一次側の流体室とをダイアフラムによって区画している流体制御弁において、一次圧力に変動があっても二次圧力が変動しないようにする。
【解決手段】圧力作用室R3からの押圧力に対する反発力を生じさせる圧縮コイルバネ36を、ダイアフラム34の下方に設けた。また、一次側にあるダイアフラム34の有効受圧径よりも弁座部25cの有効受圧径が大きくなるように形成した。ここで、一次圧力の変動に伴って弁開度が変化すると、圧縮コイルバネ36が伸縮してその荷重も変動する。このようなバネ過重の変動があっても、有効受圧径の差に起因して一次圧力の変化分が圧縮コイルバネ36の荷重変化分を打ち消すようになる。その結果、圧縮コイルバネ36の伸縮にかかわらず二次圧力を一定に保つことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体製品や化学製品などを製造する製造ラインに使用するのに好適な流体制御弁に関する。
流体制御弁は半導体製造装置などに用いられ、薬液等の流体の流通を許容又は阻止するとともに、流量又は圧力調整を行うことができるよう構成されている。
具体的には、流体制御弁の弁本体内に操作部としての圧力作用室と流体室(流路)とが区画形成され、圧力作用室内の圧力を可変操作することにより弁体を動作させて流体室の流路を開閉させるようにしている。一方で、弁体には圧力作用室からの押圧方向とは逆方向への押圧力が発生するように、圧縮バネが備えられている。圧縮バネは流体室を区画するダイアフラムよりも外側に配置されている。そして、圧力作用室の圧力、圧縮バネの反発力、流入側の圧力などの圧力バランスにより、弁体の動作が精度よく行われるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
この流体制御弁においては、ダイアフラムの有効受圧面積が弁座の有効面積と等しく構成されており、これにより弁部材に付与される開閉方向の力をバランスさせている。その結果、二次側の負圧変動に起因する影響を受けることなく、一次側の圧力制御の精度がより高められるとされている。
なお、特許文献1の流体制御弁は、一次側の圧力を一定に保つためのリリーフ弁として機能させるものであるが、弁部材と弁座との関係を逆にすれば二次側の圧力を一定に保つための流体制御弁となり、いずれの場合であっても基本的な構造に変わりはない。
特開2001−99344号公報
しかしながら、特許文献1のようにダイアフラムの有効受圧面積が弁座の有効面積と等しく構成されたものでは、弁座に弁体部が当接された閉鎖状態にある場合には圧力バランスがとられているかもしれないが、弁座から弁体部が離間した開放状態にある場合にはその圧力バランスが崩れることが判明した。
そして、本発明者は、その原因が圧縮コイルバネにあることを解明した。すなわち、二次側の流量ないし圧力を制御する流体制御弁にあっては、一次側の圧力が高くなると弁開度は小さくなり、一次側の圧力が低くなると弁開度は大きくなり、このような動作により二次側の圧力や流量を一定に保つのである。この場合において、圧力作用室の反発力を付与するための圧縮コイルバネを内蔵したものでは二次側の圧力が必ずしも一定にならない。この要因が圧縮コイルバネから付与される力が変動するためであることを突き止めたのである。
本発明は、上記原因の解明をしかつその原因の除去を行うことによりなされたものであって、圧力作用室等の操作部からの押圧力に対する反発力を圧縮バネにより得ており且つ圧縮バネと流路とをダイアフラムによって区画している流体制御弁において、一次側又は二次側の一方の圧力変動があった場合に、所定の圧力状態に制御しようとしている他方の圧力変動をなくし又は低減させることのできる流体制御弁を提供することを主たる目的とする。
上記目的を達成すべく、第1の発明は、被制御流体が流入される流入口、前記被制御流体が流出される流出口、前記流入口から前記流出口に至る流路、及びその流路途中に配置される弁座部が形成された弁本体と、
前記弁本体に内蔵されて前記弁座部に着座した状態から離間した状態まで予め規定した方向へ変位する弁体と、
前記弁体の変位方向の一端側に設けられて当該弁体を他端側に向けて押圧するとともに、その押圧力を調整することにより被制御流体を制御する操作部と、
前記弁体の変位方向の他端側に設けられて前記操作部からの押圧力に対抗する反発力を発生する圧縮バネと、
前記流路と圧縮バネの収容領域とを区画するとともに前記弁体と一体化されているダイアフラムと、
を備え、
前記圧縮バネの伸縮に基づく前記反発力の変動を打ち消す側に前記弁体に付与される力を発生させるように、前記弁座部の有効受圧面積を前記ダイアフラムの有効受圧面積と異ならせたことを特徴とする。
第1の発明によれば、弁本体において被制御流体が流入口から流出口に至る流路途中に弁座部が形成されており、弁体は弁座部に着座して流路を閉鎖したり弁座部から離間して流路を開放したりして被制御流体の流量や圧力を制御する。ここで、操作部からの押圧力に対抗する反発力を発生する圧縮バネは弁体の変位により伸縮する。圧縮バネが伸長した場合には圧縮バネが収縮した場合に比べて反発力が小さくなる。つまり、圧縮バネの反発力は弁体の変位により変動する。この変動により、一次側又は二次側の一方の圧力変動があった場合に、所定の圧力状態に制御しようとしている他方が圧力変動を起こしてしまい、流体制御弁の精度が低くなる。この点、本発明では、圧縮バネの伸縮に基づく反発力の変動を打ち消す側に弁体に付与される力を発生させるように、弁座部の有効面積をダイアフラムの有効受圧面積と異ならせている。これにより、一次側又は二次側の一方の圧力変動があった場合に、所定の圧力状態に制御しようとしている他方の圧力変動をなくし又は低減させることができる。その結果、高精度な流体制御弁となる。
第2の発明は、一次側の被制御流体を調圧して二次側の流体を所定圧力状態に制御する流体制御弁であって、
被制御流体が流入される流入口、前記被制御流体が流出される流出口、前記流入口から前記流出口に至る流路、及びその流路途中に配置される弁座部が形成された弁本体と、
前記弁本体に内蔵されて前記弁座部に着座した状態から離間した状態まで予め規定した方向へ変位する弁体と、
前記弁体の変位方向のうち二次側に設けられて当該弁体を一次側に向けて押圧するとともに、その押圧力を調整することにより被制御流体を制御する操作部と、
前記弁体の変位方向のうち一次側に設けられて前記操作部からの押圧力に対抗する反発力を発生する圧縮バネと、
前記流路と圧縮バネの収容領域とを区画するとともに前記弁体と一体化されている一次側のダイアフラムと、
を備え、
前記圧縮バネの伸縮に基づく前記反発力の変動を打ち消す側に前記弁体に付与される力を発生させるように、前記弁座部の有効面積を前記ダイアフラムの有効受圧面積よりも大きくしたことを特徴とする。
第2の発明によれば、一次側の被制御流体を調圧して二次側の流体を所定圧力状態に制御する流体制御弁において、上記第1の発明で説明した作用効果が得られる。
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、前記流路と前記操作部とが前記ダイアフラムとは別のダイアフラムにより区画されており、当該別のダイアフラムも前記弁体と一体化されていることを特徴とする。
第3の発明によれば、弁体の変位方向の両端側においていずれもダイアフラムが一体化されており、弁体の変位に起因して摺動する箇所をなくし又は低減させることができるため、パーティクルが発生するなどの被制御流体の純度を低下させる要因をなくし又は減らすことができる。その結果、第1又は第2の発明の効果も相俟って、高密度高集積化された半導体の製造に用いる薬液供給装置などの高精度でパーティクルを極端に嫌う分野に適用することができる。
以下、半導体装置等の製造ラインの薬液供給に用いられる流体制御弁について具体化した一実施の形態を説明する。なお、図1には本実施形態の流体制御弁10の縦断面図が示されている。流体制御弁10は任意の方向に設置可能であるためその上下方向に規定はないが、説明の便宜上、図1に示す状態を基準に上下方向を記述する。
図1において、流体制御弁10は、ボディ11と、そのボディ11の上下に各々設けられるカバー体12,13とを有しており、これら各部材をボルト等の締結部材によって一体に組み付けることにより略直方体状をなす制御弁本体が構成されている。なお、ボディ11はフッ素系合成樹脂により成形され、カバー体12,13はポリプロピレン樹脂等により成形されている。以下、必要に応じて、上側のカバー体12を「上カバー体12」、下側のカバー体13を「下カバー体13」と、互いに区別して称する。
ボディ11には、流体を吸入するための吸入ポート(一次側ポート)21と、流体を排出するための排出ポート(二次側ポート)22とが設けられるとともに、吸入ポート21に通じる吸入通路23と、排出ポート22に通じる排出通路24とが形成されている。各ポート21,22には、薬液等の流体を流通させるための配管等が接続されるようになっている。ボディ11の中央部には、当該ボディ11を上下に貫通する貫通孔25が形成されている。貫通孔25は大径孔部25aと小径孔部25bとを有し、それら各孔部25a,25bの間には弁座部25cが形成されている。そして、大径孔部25aが吸入通路23に連通されている。
ボディ11の上面には、前記貫通孔25と同軸であり、かつ内径側の径を小径孔部25bよりも大きくした環状溝26と、この環状溝26と小径孔部25bとを連通する連通溝27とが形成されている。また、環状溝26には前記排出通路24が連通されている。
貫通孔25には、上下方向に往復動可能な弁体30が収容されている。弁体30は、2つのダイアフラム部材31,32により構成されており、これら2つのダイアフラム部材31,32は圧入等により連結されて一体化されている。なお以下の記載では、下側のダイアフラム部材31を「第1ダイアフラム部材31」、上側のダイアフラム部材32を「第2ダイアフラム部材32」と称する。
第1ダイアフラム部材31は、ロッド部33とダイアフラム部34とからなる。ロッド部33はその軸方向の中央部が拡径された形状となっており、基本的にその拡径部33aを含む弁体下部が大径孔部25aに収容され、それよりも上方の弁体上部が小径孔部25bに収容されている。ここで、拡径部33aの径が前記小径孔部25bの径よりも大きく形成されていることから、拡径部33aの端面が前記弁座部25cに当接することができるようになっている。ロッド部33の拡径部33aの端面が弁座部25cに当接することにより、大径孔部25a内の空間部(以下、第1流体室R1と言う)と小径孔部25b内の空間部(以下、第2流体室R2と言う)との間が遮断される。他方、ロッド部33の拡径部33aの端面が弁座部25cから離れることにより、大径孔部25a内の空間部(第1流体室R1)と小径孔部25b内の空間部(第2流体室R2)との間が連通される。
ダイアフラム部34の周縁部34aは、ボディ11と下カバー体13とにより挟持されている。下カバー体13にはバネ収容室35が形成されており、そのバネ収容室35には圧縮コイルバネ36が収容されている。圧縮コイルバネ36の上端部は、第1ダイアフラム部材31の下端部に組み付けられたバネストッパ37に当接しており、圧縮コイルバネ36の付勢力(圧縮反発力)により第1ダイアフラム部材31が図の上方に付勢されるようになっている。つまり、圧縮コイルバネ36の付勢力により、ロッド部33の拡径部33aの端面が弁座部25cに当接する状態が保持されるようになっている。
下カバー体13には、バネ収容室35を大気圧に保持するために大気開放される開放ポート38が形成されている。開放ポート(呼吸ポート)38は配管が接続されて、半導体製造装置に悪影響のない場所で大気開放される。これにより、ダイアフラム部34の変形に伴うバネ収容室35内の容積変化が円滑に行われる。
第2ダイアフラム部材32は、その周縁部32aがボディ11と上カバー体12とにより挟持されている。なお、本実施形態の流体制御弁10では、第1流体室R1により一次側流体室が構成され、第2流体室R2により二次側流体室が構成されている。
第2ダイアフラム部材32の中央板部32bは、ボディ11の上端面(詳しくは、貫通孔25を囲む上端面)に対向しており、これら両部材の間の隙間寸法分だけ第2ダイアフラム部材32が図の上下方向に変位可能となっている。また、中央板部32bには、図の下方に延びるボス部32cが形成されており、そのボス部32cが小径孔部25b内に挿入されている。この場合、ボス部32cの外径は、小径孔部25bの孔径よりも僅かに小さいものとなっており、ボス部32cの外周面と小径孔部25bの内周面との間に形成される微小クリアランスを通じて流体が流通可能となっている。
上カバー体12には圧力操作ポート41が形成されており、この圧力操作ポート41は連通路42を通じて、上カバー体12の下面と第2ダイアフラム部材32との間の空間部(以下、圧力作用室R3と言う)に連通している。圧力操作ポート41には、図示しない圧力供給源より加圧空気が供給され、その加圧空気の操作圧力に応じて第2ダイアフラム部材32が変位するようになっている。
以上のように構成された流体制御弁10において、圧力操作ポート41に操作圧力が作用していない初期状態(図1に示す状態)では、圧縮コイルバネ36の付勢によりロッド部33の拡径部33aの端面が弁座部25cに当接している。この状態では、第1流体室R1と第2流体室R2との間が遮断され、この両流体室R1,R2を通じての流体の流通が阻止されている。
これに対し、圧力供給源から圧力操作ポート41に加圧空気が供給されると、その時の操作圧力に応じて第2ダイアフラム部材32(弁体30)が図の下方に変位する。この変位により、ロッド部33の拡径部33aの端面が弁座部25cから離れ、第1流体室R1と第2流体室R2との連通により流体の流通が許容される。このとき、吸入ポート21より吸入された流体が第1流体室R1及び第2流体室R2を経由して流れ、排出ポート22から外部に排出される。
そして、第1流体室R1の圧力が高くなった場合には弁座部25cに対してロッド部33は閉鎖側へ移動し、逆に第1流体室R1の圧力が低くなった場合には弁座部25cに対してロッド部33は開放側へ移動して、第2流体室R2の圧力を一定に保つように動作することとなる。このような動作により、圧力作用室R3に供給される操作圧力を調整することで、第2流体室R2内の流体、すなわち排出ポート22から排出される流体の圧力を制御することができる。
ところで、本実施形態では、以上の構成の他、第2流体室R2側の圧力(二次圧力)をより高度なレベルで一定に保つことのできる構造を有している。そこで、この構造的特徴について、図2及び図3を参照しつつ以下に説明する。
なお、図2は図1と同様の流体制御弁10を図示したものであるが、各種記号を見やすくするために各部材や各部分の符号は省略してある。図3は、第1流体室R1側の圧力(一次圧力)が変動した場合における第2流体室R2側の圧力(二次圧力)がどのようになるのかを示す表及び圧力特性グラフである。
まず、図2に示されている流体制御弁10に付された各記号について説明する。吸入ポート21から入力される第1流体室R1内の一次圧力をP1、排出ポート22から排出される第2流体室R2内の二次圧力をP2、圧力操作ポート41から入力される圧力作用室R3内の操作圧力をP3として表している。また、弁体30のうち一次圧力P1により弁体30の閉鎖方向(図の上方)に作用する力をF1、弁体30のうち二次圧力P2により弁体30の閉鎖方向(図の上方)に作用する力をF2、弁体30のうち操作圧力P3により弁体30の開放方向(図の下方)に作用する力をF3、弁体30のうち圧縮コイルバネ36により弁体30の閉鎖方向(図の上方)に作用する力をF(x)として表している。また、排出ポート22から排出される一定時間当たりの流量をQとして表している。さらに、ダイアフラム部34の有効受圧径をDa、弁座部25cの有効受圧径をDb、弁体30の一次側小径軸部の軸径をDcとして表している。
さて、従来ではダイアフラム部の有効受圧径Daと弁座部の有効受圧径Dbとを等しくしたものが知られている(上記特許文献1等)。一方、本実施形態においては、ダイアフラム部34の有効受圧径Daよりも弁座部25cの有効受圧径Dbの方が大きくなるように設定されている点に特徴を有する。なお、本実施形態におけるダイアフラム部34の有効受圧径Daは概ねダイアフラム部34全体の径の半分程度である。ちなみに、ダイアフラムの有効受圧径はダイアフラムの材質や厚さや形状などに起因して個々に決まるものである。
また、有効受圧面積でみれば、ダイアフラム部34の有効受圧径Daを直径として求められる円の面積から弁体30の上記軸径Dcを直径として求められる円の面積を減算したものがダイアフラム部34の有効受圧面積S1となる。他方、弁座部25cの有効受圧径Dbを直径として求められる円の面積から弁体30の上記軸径Dcを直径として求められる円の面積を減算したものが弁座部34の有効受圧面積S2となる。したがって、一次圧力P1に起因した力F1は、「P1×(S1−S2)」となるところ、ダイアフラム部の有効受圧径Daと弁座部の有効受圧径Dbとを等しくした従来例においては「F1=0」となり、本実施形態の場合には「F1>0」であり、かつ一次圧力P1が高くなると力F1も大きくなり、逆に一次圧力P1が低くなると力F1も小さくなる。
以下においては、比較結果がわかり易いように、圧力制御の定常状態である「P3=一定」かつ「Q=一定」である場合を例にして説明する。このような定常状態のとき、流量制御弁10は、以下の式(1)の関係をもってバランスすることとなる。
F3=F2+F1+F(x) … 式(1)
(従来比較例の場合)
従来比較例として、上記特許文献1に記載されているように、「Da=Db」として設計されているものを例示する。この場合には、弁体30に付与される力F1は弁閉鎖方向への力と弁開放方向への力とで打ち消しあう。そのため、「F1=0」となる。
したがって、従来比較例においては、上記式(1)は、
F3=F2+F(x) … 式(2)
と表されることになる。
この状態において、一次圧力P1が変動した場合について図3(a)に示した。同図に示されるように、一次圧力P1が高圧側へ変動した場合には、弁体30の弁開度は小さくなる。また、圧縮コイルバネ36により付与される力F(x)について着目すると、弁開度が小さくなった場合には圧縮コイルバネ36が伸長した状態となるため、力F(x)も小さくなる。すると、操作圧力P3に基づく力F3が一定である場合、式(2)により、弁体30のうち二次圧力P2により弁体30の閉鎖方向(図の上方)に作用する力F2が大きくなる。その結果、二次圧力P2は大きくなってしまう。
一方、一次圧力P1が低圧側へ変動した場合には、弁体30の弁開度は大きくなり、圧縮コイルバネ36は収縮することからこれにより付与される力F(x)も大きくなる。すると、操作圧力P3に基づく力F3が一定である場合、式(2)により、弁体30のうち二次圧力P2により弁体30の閉鎖方向(図の上方)に作用する力F2が小さくなる。その結果、二次圧力P2は小さくなってしまう。
このように、一次圧力P1が変動すると、圧縮コイルバネ36が伸縮されて力F(x)も変動することになり、この圧縮コイルバネ36による力F(x)の変動に起因して二次圧力P2が変動してしまう。この場合における一次圧力P1と二次圧力P2との関係は図3(c)の比較グラフにおいて示されているとおり、一次圧力P1が高くなるほど二次圧力P2が高くなる関係となる。
(本実施形態の場合)
本実施形態では、従来比較例とは異なり、「Da<Db」として設計されている。この場合には、この受圧面積差(S1−S2)に起因して、弁体30に付与される力F1は弁閉鎖方向への力と弁開放方向への力とで打ち消しあうことはなく、力F1は弁体30に対して閉鎖方向(図の上方)への力として作用する。そのため、従来比較例のような「F1=0」とはならず、少なくとも「F1>0」となる。なお、この力F1は受圧面積差(S1−S2)と一次圧力P1との乗算によって表されることから、一次圧力P1が大きくなるほど力F1も大きくなり、一次圧力P1が小さくなるほど力F1も小さくなるという正比例の関係となる。
この状態において、一次圧力P1が変動した場合について図3(b)に示した。同図に示されるように、一次圧力P1が高圧側へ変動した場合には、弁体30の弁開度は小さくなり、圧縮コイルバネ36により付与される力F(x)も小さくなる。一方、一次圧力P1が低圧側へ変動した場合には、弁体30の弁開度は大きくなり、圧縮コイルバネ36により付与される力F(x)も大きくなる。ここまでの関係は、従来比較例と同様である。
ここで、有効受圧径差(=Db−Da)を適切に設計すれば、上記従来比較例にみられる圧縮コイルバネ36からの力F(x)の変動分(ΔF(x))を、力F1の変動分(ΔF1)により打ち消すことができる。すなわち、「ΔF(x)=ΔF1」ないし「ΔF(x)≒ΔF1」とすることができれば、「F1+F(x)=A(一定値)」ないし「F1+F(x)≒A(一定値)」とすることができる。
こうすることにより、上記式(1)は、
F3=F2+A … 式(3)
と表されることになる。
すると、操作圧力P3に基づく力F3が一定である場合、式(3)により、力F(x
)の変動分が力F1の変動分によって打ち消された結果、一定値Aとなる。そのため、一次圧力P1が変動しても、二次圧力P2は変動しないか殆ど変動しないものとなる。
この場合における一次圧力P1と二次圧力P2との関係は図3(c)の比較グラフにおいて本実施形態の場合として実線にて示されているとおり、一次圧力P1が変化しても二次圧力P2が全く又は殆ど変化することがない関係となる。
ここで、本実施形態における流体制御弁10は、半導体装置等の製造ラインの薬液供給に用いられるものであり、その仕様としては一次圧力P1の上限値は0.5MPaに設定されている。したがって、受圧面積差(S1−S2)とこの上限値である圧力とを乗算したものが一次圧力P1に基づく力F1の上限値と考えて差し支えない。
このような一次圧力P1として上限値の圧力が供給されている状況において図3(c)の許容範囲Eに収まるように受圧面積差(S1−S2)が設定されていればよいこととなる。なお、図3(c)の許容範囲Eは、受圧面積差が0である場合の従来比較例の線と、これを理想的な二次圧力P2の一定値ラインを基準とする線対象に反転させた線とに挟まれた範囲のことである。この許容範囲E(勿論、P2=一定となる関係に近いほど好ましい)に入る受圧面積差(S1−S2)、すなわちダイアフラム部34と弁座部25cとの有効受圧径差(Db−Da)を決定すればよい。
以上詳述した本実施の形態によれば、上記特許文献1に記載されている基本的な構成に基づく効果を得つつ、さらに以下のような優れた効果が得られる。
一次側にあるダイアフラム部34の有効受圧径Daよりも弁座部25cの有効受圧径Dbを大きく形成し、圧縮コイルバネ36の伸縮による荷重変動分(ΔF(x))を一次圧力P1に基づく力F1の変動分ΔF1により打ち消すようにした。その結果、一次圧力P1が変動しても二次圧力P2が変動することがないか或いは殆ど変動することがなくなり、一次圧力P1の変動にかかわらず二次圧力P2を一定にすることができる。したがって、二次圧力P2側の圧力特性の安定度を高めることができる。
上記流体制御弁10は、そもそもダイアフラム部材31,32で流路(第1流体室R1及び第2流体室R2)を圧力作用室R3及びバネ収容室35と区画しており、ダイアフラム部材31,32の変形に伴い流体の流通を許容したり禁止したりするものであるから、流路内に摺動部の無い構成となっている。そのため、パーティクルの発生が抑制され、半導体製造などの薬液供給ラインに入れ込むのに適したものとなっている。そればかりか、上記したとおり圧力特性の安定度が極端に高められ、ますます高密度高集積化される半導体の製造など、一層高精度な圧力制御や流量制御が要求される分野においてその要求を満たすことのできる流体制御弁10を得ることができる。
なお、本発明は上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施しても良い。
・上記実施形態では、一次圧力P1にかかわらず二次圧力P2を操作圧力P3に基づいて一定に制御する流体制御弁10として説明したが、これとは逆に一次圧力を一定にするために一次圧力に変動があった場合に二次側へリリーフするリリーフ弁(上記特許文献1に記載されている構造を参照)に適用することもできる。この場合には、弁座部の有効受圧径を二次側のダイアフラムの有効受圧径よりも小さくすることにより、上記実施形態と同様、圧縮コイルバネの変動を二次圧力に基づく力により打ち消すことができる。
・上記実施形態の流体制御弁10では、上下2つのダイアフラム部材31,32を設けたが、本発明を具体化する上で2つのダイアフラム部材31,32は必須要件ではなく、1つのダイアフラム部材のみを用いる構成であっても良い。具体的には、第1ダイアフラム部材31のみを用い、第2ダイアフラム部材30を、ダイアフラム部を持たないピストン構造など他の構造に変更する。本構成であっても、上記実施の形態の場合と同様、所望とする効果が得られる。
・上記実施形態の流量制御弁10の適用対象として、半導体装置等の製造ラインの薬液供給に用いられるものを一例として説明したが、これ以外の薬液供給に用いてもよいし、薬液以外の流体の圧力ないし流量の制御に用いてもよい。
・上記実施形態の流量制御弁10において、各部の構造は適宜変更してもよい。例えば、制御弁本体を、ボディ11及び上下両カバー体12,13によって構成しているが、これらの各部品の形状はこれに限定されないし、2の部品又は4以上の部品によって制御弁本体の概略構成が形成されるものであってもよい。
一実施の形態における流体制御弁の構成を示す断面図。 流体制御弁の各部に作用する圧力や力等を示す、図1対応の説明図。 流体制御弁の特性を説明する表及びグラフ。
符号の説明
10…流体制御弁、11…ボディ、12…上カバー体、13…下カバー体、21…吸入ポート、22…排出ポート、23…吸入通路、24…排出通路、25…貫通孔、25a…大径孔部、25b…小径孔部、25c…弁座部、30…弁体、31…第1ダイアフラム部材、32…第2ダイアフラム部材、33…ロッド部、33a…拡径部、34…ダイアフラム部、35…バネ収容室、36…圧縮コイルバネ、37…バネストッパ、38…開放ポート、41…圧力操作ポート、42…連通路、Da…ダイアフラム有効受圧径、Db…弁座有効受圧径、Dc…弁体の軸径、F1…一次圧力による力、F2…二次圧力による力、F3…操作圧力による力、F(x)…圧縮コイルバネによる力、P1…一次圧力、P2…二次圧力、P3…操作圧力、Q…流量、R1…第1流体室、R2…第2流体室、R3…圧力作用室。

Claims (3)

  1. 被制御流体が流入される流入口、前記被制御流体が流出される流出口、前記流入口から前記流出口に至る流路、及びその流路途中に配置される弁座部が形成された弁本体と、
    前記弁本体に内蔵されて前記弁座部に着座した状態から離間した状態まで予め規定した方向へ変位する弁体と、
    前記弁体の変位方向の一端側に設けられて当該弁体を他端側に向けて押圧するとともに、その押圧力を調整することにより被制御流体を制御する操作部と、
    前記弁体の変位方向の他端側に設けられて前記操作部からの押圧力に対抗する反発力を発生する圧縮バネと、
    前記流路と圧縮バネの収容領域とを区画するとともに前記弁体と一体化されているダイアフラムと、
    を備え、
    前記圧縮バネの伸縮に基づく前記反発力の変動を打ち消す側に前記弁体に付与される力を発生させるように、前記弁座部の有効受圧面積を前記ダイアフラムの有効受圧面積と異ならせたことを特徴とする流体制御弁。
  2. 一次側の被制御流体を調圧して二次側の流体を所定圧力状態に制御する流体制御弁であって、
    被制御流体が流入される流入口、前記被制御流体が流出される流出口、前記流入口から前記流出口に至る流路、及びその流路途中に配置される弁座部が形成された弁本体と、
    前記弁本体に内蔵されて前記弁座部に着座した状態から離間した状態まで予め規定した方向へ変位する弁体と、
    前記弁体の変位方向のうち二次側に設けられて当該弁体を一次側に向けて押圧するとともに、その押圧力を調整することにより被制御流体を制御する操作部と、
    前記弁体の変位方向のうち一次側に設けられて前記操作部からの押圧力に対抗する反発力を発生する圧縮バネと、
    前記流路と圧縮バネの収容領域とを区画するとともに前記弁体と一体化されている一次側のダイアフラムと、
    を備え、
    前記圧縮バネの伸縮に基づく前記反発力の変動を打ち消す側に前記弁体に付与される力を発生させるように、前記弁座部の有効面積を前記ダイアフラムの有効受圧面積よりも大きくしたことを特徴とする流体制御弁。
  3. 前記流路と前記操作部とが前記ダイアフラムとは別のダイアフラムにより区画されており、当該別のダイアフラムも前記弁体と一体化されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の流体制御弁。
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