JP2008202120A - 皮膜付き金属部材の製造方法及び皮膜付き金属部材 - Google Patents

皮膜付き金属部材の製造方法及び皮膜付き金属部材 Download PDF

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Shinji Matsuda
慎二 松田
Tomofumi Kabe
友文 加辺
Osamu Hidekawa
修 秀川
Masahiro Akimoto
政弘 秋本
Kazuhito Nishinaka
一仁 西中
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Abstract

【課題】生産性に優れる皮膜付き金属部材の製造方法、及びこれにより得られ、優れた耐食性を有する皮膜付き金属部材を提供すること。
【解決手段】皮膜付き金属部材の製造方法は、金属部材を研磨する工程(1)、工程(1)より後に実施され、陽極酸化処理をし、陽極酸化皮膜を形成する工程(2)、工程(2)より後に実施され、置換めっき及びストライクめっきの少なくとも一方をし、置換めっき皮膜及びストライクめっき皮膜の少なくとも一方を形成する工程(3)、及び工程(3)より後に実施され、電気めっきをし、電気めっき皮膜を形成する工程(4)を含む。
皮膜付き金属部材は、皮膜付き金属部材の製造方法により得られ、金属部材と、金属部材の表面に形成される皮膜とを有し、皮膜が、陽極酸化皮膜と、置換めっき皮膜及びストライクめっき皮膜の少なくとも一方と、電気めっき皮膜とを積層形成した構造を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、皮膜付き金属部材の製造方法及び皮膜付き金属部材に係り、更に詳細には、金属部材を研磨する工程と、陽極酸化処理をし、陽極酸化皮膜を形成する工程と、置換めっきやストライクめっきをし、置換めっき皮膜やストライクめっき皮膜を形成する工程と、電気めっきをし、電気めっき皮膜を形成する工程とを含み、生産性に優れる皮膜付き金属部材の製造方法、及びこれにより得られ、優れた耐食性を有する皮膜付き金属部材に関する。
従来より、めっき処理されるアルミニウム部材は、その光輝表面を得るために、表面の平滑化が図られており、表面の平滑化を実現し得る表面処理として、研磨方法やこれを実行する研磨装置が提案されている(特許文献1参照。)。
特開平6−335854号公報
しかしながら、従来の表面処理方法においては、例えば図3に示すように、研磨工程として、粗研磨工程を1回、ペーパー研磨工程を4回、バフ研磨工程を2回行っており、工程数が多く、また研磨工程自体の処理時間が長いため、生産性が低いという問題点があった。
また、鋳巣などの成形時の不可避欠陥が研磨工程の最終段階で発見されることもあり、歩留まりがあまり高くないという問題点もあった。
更に、従来の表面処理方法においては、アルミニウム部材の上に通電性を有するめっき皮膜が密着しているため、得られる皮膜付き金属部材の耐食性についても改善の余地があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、生産性に優れる皮膜付き金属部材の製造方法、及びこれにより得られ、優れた耐食性を有する皮膜付き金属部材を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねたところ、金属部材を研磨し、次いで、陽極酸化処理をして、陽極酸化皮膜を形成し、更に、置換めっき及び/又はストライクめっきをして、置換めっき皮膜及び/又はストライクめっき皮膜を形成し、しかる後、電気めっきをして、電気めっき皮膜を形成することなどにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の皮膜付き金属部材の製造方法は、下記の工程(1)〜(4)を含むことを特徴とする。
(1)金属部材を研磨する工程
(2)工程(1)より後に実施され、陽極酸化処理をし、陽極酸化皮膜を形成する工程
(3)工程(2)より後に実施され、置換めっき及び/又はストライクめっきをし、置換めっき皮膜及び/又はストライク皮膜を形成する工程
(4)工程(3)より後に実施され、電気めっきをし、電気めっき皮膜を形成する工程
また、本発明の皮膜付き金属部材は、上記本発明の皮膜付き金属部材の製造方法によって得られるものであり、金属部材と、該金属部材の表面に形成される皮膜とを有し、該皮膜が、陽極酸化皮膜と、置換めっき皮膜及び/又はストライクめっき皮膜と、電気めっき皮膜とを積層形成した構造を有することを特徴とする。
本発明によれば、金属部材を研磨し、次いで、陽極酸化処理をして、陽極酸化皮膜を形成し、更に、置換めっき及び/又はストライクめっきをして、置換めっき皮膜及び/又はストライクめっき皮膜を形成し、しかる後、電気めっきをして、電気めっき皮膜を形成することなどとしたため、生産性に優れた皮膜付き金属部材の製造方法、及びこれにより得られた耐食性に優れた皮膜付き金属部材を提供することができる。
以下、本発明の皮膜付き金属部材の製造方法について詳細に説明する。なお、本明細書において濃度や含有量などについての「%」は、特記しない限り質量百分率を表わすものとする。
上述の如く、本発明の皮膜付き金属部材の製造方法は、(1)金属部材を研磨する工程、(2)工程(1)より後に実施され、陽極酸化処理を施し、陽極酸化皮膜を形成する工程、(3)工程(2)より後に実施され、置換めっき及びストライクめっきの少なくとも一方を施し、置換めっき皮膜及びストライクめっき皮膜の少なくとも一方を形成する工程、及び(4)工程(3)より後に実施され、電気めっきを施し、電気めっき皮膜を形成する工程を含む。
このように、上述した従来の研磨処理を主とする表面処理に対して、陽極酸化処理を施し、陽極酸化皮膜を形成する工程を追加することによって、従来の表面処理において多くの処理時間を費やした研磨工程の工程数などを大幅に削減することができ、全体としての生産性を向上させることができる。
また、陽極酸化処理を施して陽極酸化皮膜を形成することにより、鋳巣などの不可避欠陥が覆われ平滑化されるため、歩留まりを向上させることもできる。
そして、このような製造方法により得られる皮膜付き金属部材は、優れた耐食性を有するものとなる。
ここで、各工程につき更に詳細に説明する。
まず、金属部材を研磨する工程(1)について説明する。
用いる金属部材としては、アルミニウム部材やアルミニウム合金部材などを好適例として挙げることができるが、詳しくは後述する陽極酸化処理をして陽極酸化皮膜を形成し得るものであれば、特に限定されるものではない。即ち、マグネシウムやチタン、亜鉛、タンタルなどの金属ないし合金部材を用いることもできる。
なお、金属部材は、鋳造により得られたものでも鍛造により得られたものでも用いることができる。
また、金属部材を研磨する際に、従来の表面処理においては、例えば図3に示すように、研磨工程として、粗研磨工程を1回と、ペーパー研磨工程を4回と、バフ研磨工程を2回行っていたが、例えば図2に示すように、研磨工程の後に後述する陽極酸化処理をして、陽極酸化皮膜を形成するのであれば、研磨工程としては、粗研磨工程を1回と機械研磨工程を1回行えば、同等の又は優れた平滑性を有する表面を得ることができる。
ここで、機械研磨としては、例えば仕上げ研磨としてのバフ研磨や、セラミック製や金属製のメディアを用い、回転又は振動させる表面調整としてのバレル研磨などを挙げることができるが、これに限定されるものではなく、金属部材の材質や形状に応じて、従来公知の機械研磨を適用することができる。
次に、陽極酸化処理をし、陽極酸化皮膜を形成する工程(2)について説明する。
ここで、陽極酸化処理としては、例えば電解液としてリン酸や硫酸を含むものを用いる陽極酸化処理方法などを挙げることができるが、陽極酸化皮膜を形成し得れば、特に限定されるものではない。即ち、電解液としてシュウ酸やクロム酸を含むものなどを用いる各種陽極酸化処理方法を適用することもできる。
例えば、アルミニウム部材やアルミニウム合金部材に対して、陽極酸化処理を施すと、陽極酸化皮膜(アルマイト)が形成され、このとき、バリアー層とその上に形成される孔を有するポーラス層とから成る陽極酸化皮膜が形成されることがある。
次いで、このような陽極酸化皮膜に対して、詳しくは後述する置換めっき及びストライクめっきの少なくとも一方を施すと、孔の内部にまで置換めっき皮膜やストライクめっき皮膜が形成される。
このとき、陽極酸化皮膜とアルミニウム母材の界面からバリアー層表面(孔の底部近傍)までの距離は、ポーラス層表面(孔の開口部近傍)までの距離に対して短く、従って、孔の底部近傍では電気抵抗が低くなっている。
そのため、孔の下部から上部まで置換めっき皮膜及びストライクめっき皮膜の一方又は双方が形成されると、絶縁性の高い陽極酸化皮膜にも通電性が付与されることになり、後の電気めっき処理を容易に行うことができるようになる。
このような陽極酸化皮膜においては、バリヤー層の厚みやセルサイズ、孔の直径を適宜調整することができる。例えばバリヤー層の厚みは流す電流値や処理時間などで調整することができ、セルサイズや孔の直径は印加電圧などにより調整することができる。また、リン酸や硫酸を含むものなど電解液の種類、更には浴温度などによっても調整することができる。
例えば、工程(2)において、形成する陽極酸化皮膜の表面粗度の平均値Raを1.0μm以下とすることが好ましく、0.5μm以下とすることがより好ましい。
表面粗度の平均値Raが1.0μmを超えると、電気めっき皮膜を形成した際に、平滑性が劣り、従来光輝表面が得られないことがあるからである。
一方、電気めっき皮膜を形成した際の平滑性などの外観について差異が殆ど無くなることや、生産性をより向上させることなどの観点からは、現時点においては、Raが0.2μm以上であることが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
このような陽極酸化皮膜は、例えば4〜10%含有するリン酸水溶液を電解液とし、浴温度10〜50℃、電流密度0.5〜6.0A/dm、処理時間0.5〜30分間の条件で陽極酸化処理を行うことにより作製することができるが、浴温度約30℃、印加電圧約50V、処理時間15分間の条件で陽極酸化処理を行うことにより作製することがより好ましい。
また、工程(2)において、形成する陽極酸化皮膜の厚みを0.1〜100μmとすることが好ましく、1〜5μmとすることがより好ましい。
厚みが0.1μm未満の場合には、電気めっき皮膜を形成した際に、平滑性が劣り、従来光輝表面が得られないことがあるからである。
一方、厚みが100μmを超える陽極酸化皮膜は形成することが難しく、生産性が低下する可能性があるからである。
更に、工程(2)において、形成する陽極酸化皮膜の孔の直径を50nm以下とすることが好ましい。50nmを超えると、電気めっき皮膜を形成した際に、平滑性が劣り、従来光輝表面が得られないことがあるからである。
一方、置換めっきの容易性や、電気めっき皮膜を形成した際の平滑性などの外観について差異が殆ど無くなること、生産性をより向上させることなどの観点からは、現時点においては、10nm以上であることが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
次に、置換めっき及びストライクめっきの少なくとも一方をし、置換めっき皮膜及びストライクめっき皮膜の少なくとも一方を形成する工程(3)について説明する。
上述の如く、陽極酸化皮膜に置換めっきを施すことにより、陽極酸化皮膜に通電性を付与することができるようになる。
形成する置換めっき皮膜としては、特に限定されるものではないが、例えば金属部材としてアルミニウム部材又はアルミニウム合金部材を用いた場合には、密着性の観点から亜鉛、ニッケル、銅、黄銅、スズ、パラジウム又は銀、及びこれらを適宜組み合せたものを含有する置換めっき皮膜を形成することが望ましい。
このような置換めっき皮膜は、例えば水酸化ナトリウム100〜140g/L、酸化亜鉛10〜30g/L、酒石酸ナトリウムカリウム20〜40g/L、硫酸ニッケル0.5〜2g/L、浴温度20〜50℃、処理時間30〜300秒などの条件で1回又は2回置換めっきを行うことにより作製することができる。
また、置換めっきの代わりにストライクめっきを施すこともでき、置換めっきとストライクめっきの双方を施すことも可能である。
このようなストライクめっき法としては、硫酸銅150〜200g/L且つ硫酸30〜60g/Lの硫酸銅浴、浴温度20〜30℃、電流密度0.5〜2A/dm、処理時間2〜5分間のような公知の方法が用いられる。
次に、電気めっきをし、電気めっき皮膜を形成する工程(4)について説明する。
上述の如く、電気めっき皮膜を形成することによって、皮膜付き金属部材の耐食性をより優れるものとすることができる。
形成する電気めっき皮膜としては、特に限定されるものではないが、例えばニッケル及びクロムの少なくとも一方を含有する電気めっき皮膜、典型的には従来公知の電気ニッケルめっき皮膜や電気クロムめっき皮膜を挙げることができ、電気ニッケルめっき皮膜と電気クロムめっき皮膜とをこの順に積層形成することもできる。
次に、本発明の皮膜付き金属部材について詳細に説明する。
上述の如く、本発明の皮膜付き金属部材は、上述した本発明の皮膜付き金属部材の製造方法によって得られるものであって、金属部材と、金属部材の表面に形成される皮膜とを有し、皮膜が、陽極酸化皮膜と、置換めっき皮膜及びストライクめっき皮膜のいずれか一方又は双方と、電気めっき皮膜とを積層形成した構造を有し、優れた耐食性を有する。
図1(a)は、本発明の皮膜付き金属部材の一実施形態(実施例1)の断面における構成を示す説明図であり、同図(b)は、従来の皮膜付き金属部材の一実施形態(比較例1)の断面における構成を示す説明図である。
同図(a)に示すように、皮膜付き金属部材1は、金属部材の一例であるアルミニウム部材2と、陽極酸化皮膜4と、置換めっき皮膜6と、電気めっき皮膜8とを備え、陽極酸化皮膜4と、置換めっき皮膜6と、電気めっき皮膜8とはこの順でアルミニウム部材2に積層形成されている。また、電気めっき皮膜8は、電気ニッケルめっき皮膜8aと電気クロムめっき皮膜8bとから成る。
一方、同図(b)に示すように、皮膜付き金属部材10は、金属部材の一例であるアルミニウム部材12に、置換めっき皮膜16と、電気めっき皮膜18とを備え、置換めっき皮膜16と、電気めっき皮膜18とはこの順でアルミニウム部材12に積層形成されている。また、電気めっき皮膜18は、電気ニッケルめっき皮膜18aと電気クロムめっき皮膜18bとから成る。
このように、本実施形態の皮膜付き金属部材は、陽極酸化皮膜を有するため、耐食性に優れた皮膜付き金属部材となる。また、これを作製する際に、陽極酸化皮膜が形成されるため、平滑性を向上させることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
具体的には、以下の各例に記載したような操作を行い、図1(a)又は(b)に示したような皮膜付き金属部材を作製し、その性能を評価した。
(実施例1)
図2は、実施例1の皮膜付き金属部材の製造方法のフロー図である。
同図に示すように、STEP1(以下、「S1」のように略記する。)において、金属部材を成形した。本例においては、試験片として、アルミニウム合金鋳物のブロック(50cm×50cm×50cm)を用いた。
次に、S2において、金属部材に粗研磨を施した。本例においては、試験片に紙やすり(#180)を用いて粗研磨を施した。
次に、S3において、金属部材に機械研磨を施した。本例においては、試験片に球状(φ3mm)のセラミック製メディアを用いて振動バレル研磨を施した。
次に、S4において、金属部材に陽極酸化処理をして、陽極酸化皮膜を形成した。本例においては、試験片にリン酸が7%含まれる電解液を用いてアルマイト処理を施した。このとき、浴温度は30℃、処理時間は10分間、印加電圧は40Vであった。
次に、S5において、金属部材に置換めっきをして、置換めっき皮膜を形成した。本例においては、陽極酸化皮膜を形成した試験片に亜鉛置換めっきを施した。このとき、めっき液として、水酸化ナトリウム120g/L、酸化亜鉛20g/L、酒石酸ナトリウムカリウム30g/L、硫酸ニッケル1g/Lであるものを用い、浴温度は20℃、処理時間は90秒間であった。
次に、S6において、金属部材に電気ニッケルめっきをして、電気ニッケルめっき皮膜を形成した。本例においては、亜鉛置換めっき皮膜を形成した試験片に電気ニッケルめっきを施した。このとき、めっき液として、硫酸ニッケル300g/L、塩化ニッケル70g/L、ホウ酸46g/Lであるものを用い、浴温度は60℃、処理時間は30分間であった。
次に、S7において、金属部材に電気クロムめっきをして、電気クロムめっき皮膜を形成した。本例においては、電気ニッケルめっき皮膜を形成した試験片に電気クロムめっきを施した。このとき、めっき液として、クロム酸250g/L、硫酸3g/L、硝酸クロム5g/Lであるものを用い、浴温度は50℃、処理時間は3分間であった。
このようにして、図1(a)に示すような本例の皮膜付き金属部材を得た。
(実施例2)
図2中のS4において、試験片に実施例1において行ったリン酸アルマイト処理(浴温度:30℃、処理時間:10分間、印加電圧:40V)を施す陽極酸化処理に代えて、試験片に硫酸濃度13%の硫酸アルマイト処理(浴温度:21℃、処理時間:15分間、印加電圧:15V)を施す陽極酸化処理をし、陽極酸化皮膜を形成した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、図1(a)に示すような本例の皮膜付き金属部材を得た。
(実施例3)
図2中のS4において、試験片に実施例1において行ったリン酸アルマイト処理(浴温度:30℃、処理時間:10分間、印加電圧:40V)を施す陽極酸化処理に代えて、試験片に硫酸濃度13%の硫酸アルマイト処理(浴温度:0℃、処理時間:60分間、印加電圧:50V)を施す陽極酸化処理をし、陽極酸化皮膜を形成した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、図1(a)に示すような本例の皮膜付き金属部材を得た。
(比較例1)
図3は、比較例1の皮膜付き金属部材の製造方法のフロー図である。
同図に示すように、S11において、実施例1と同様に金属部材を成形した。
次に、S12において、実施例1と同様に金属部材に粗研磨を施した。
次に、S13〜S16において、金属部材にペーパ研磨を4回施した。本例においては、試験片に紙やすり(#600)を用いてペーパー研磨を施した。
次に、S17及びS18において、金属部材にバフ研磨を2回施した。本例においては、試験片にエメリーバフで粗仕上げ・仕上げを順に施した。
次に、S19において、実施例1と同様に金属部材に置換めっきを施した。
次に、S20において、実施例1と同様に金属部材に電気ニッケルめっきを施した。
次に、S21において、実施例1と同様に金属部材に電気クロムめっきを施した。
このようにして、図1(b)に示すような本例の皮膜付き金属部材を得た。
上記各例の仕様を表1に示す。なお、表1中の比較例1において、カッコ内の値は、バフ研磨後の金属部材の表面粗度Ra(μm)である。
Figure 2008202120
[性能評価]
(表面粗度評価)
上記各例の皮膜付き金属部材について、表面粗度の平均値Raを、表面粗さ計(小坂研究所製、万能表面形状測定器、SE−3E)を用いて測定した。得られた結果を表2に示す。
(耐食性評価)
上記各例の皮膜付き金属部材について、JIS Z 2371で規定される塩水噴霧試験法によって、アルミ素地の錆発生時間を測定した。得られた結果を表2に併記する。なお、表2中において、「○」は塩水噴霧後1500時間で素地からの錆発生がないこと、「△」は塩水噴霧後1200時間で素地からの錆発生がないこと、を示す。
Figure 2008202120
表2の表面粗度の平均値Raの結果などから、本発明の範囲に属する実施例1〜3の皮膜付き金属部材の製造方法は、本発明外の比較例1の皮膜付き金属部材の製造方法と比較して、生産性に優れていることが分かる。
また、表2の耐食性評価から、本発明の範囲に属する実施例1〜3の皮膜付き金属部材は、本発明外の比較例1の皮膜付き金属部材と比較して、耐食性が優れていることが分かる。
なお、歩留まりについても向上していることが確認された。
実施例1及び比較例1の皮膜付き金属部材の断面における構成を示す説明図(a)及び(b)である。 実施例1の皮膜付き金属部材の製造方法のフロー図である。 比較例1の皮膜付き金属部材の製造方法のフロー図である。
符号の説明
1,10 皮膜付き金属部材
2,12 アルミニウム部材
4 陽極酸化皮膜
6,16 置換めっき皮膜
8,18 電気めっき皮膜
8a,18a 電気ニッケルめっき皮膜
8b,18b 電気クロムめっき皮膜

Claims (4)

  1. (1)金属部材を研磨する工程と、
    (2)工程(1)より後に実施され、陽極酸化処理をし、陽極酸化皮膜を形成する工程と、
    (3)工程(2)より後に実施され、置換めっき及び/又はストライクめっきをし、置換めっき皮膜及び/又はストライク皮膜を形成する工程と、
    (4)工程(3)より後に実施され、電気めっきをし、電気めっき皮膜を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする皮膜付き金属部材の製造方法。
  2. 上記工程(1)において、上記金属部材を研磨するに際し、粗研磨をし、次いで、仕上げ研磨としてのバフ研磨及び/又は表面調整としてのバレル研磨をすることを特徴とする請求項1に記載の皮膜付き金属部材の製造方法。
  3. 上記工程(2)において、上記陽極酸化皮膜の表面粗度の平均値Raを1.0μm以下とすることを特徴とする請求項1に記載の皮膜付き金属部材の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の皮膜付き金属部材の製造方法により得られる皮膜付き金属部材であって、
    金属部材と、該金属部材の表面に形成される皮膜と、を有し、
    上記皮膜が、陽極酸化皮膜と、置換めっき皮膜及び/又はストライクめっき皮膜と、電気めっき皮膜とを積層形成した構造を有することを特徴とする皮膜付き金属部材。
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JP2012143798A (ja) * 2011-01-13 2012-08-02 Hikari Keikinzoku Kogyo Kk めっきが施されたアルミニウム合金鋳物及びその製造方法

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