JP2008201974A - ポリビニルアルコール水溶液の製造方法及び耐水性ポリビニルアルコール塗料 - Google Patents

ポリビニルアルコール水溶液の製造方法及び耐水性ポリビニルアルコール塗料 Download PDF

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Abstract

【課題】 極めて簡単な方法により、耐水性に優れたポリビニルアルコール系樹脂を提供する。
【解決手段】 平均粒径が0.01〜5mmの粉粒体であるポリビニルアルコールを溶媒中に保持して膨潤させた後に該溶媒を除去し、該膨潤させたポリビニルアルコールを、さらに水に溶解させるポリビニルアルコール水溶液の製造方法。溶媒が水である前記ポリビニルアルコール水溶液の製造方法。ポリビニルアルコールの溶媒中での保持温度が5〜60℃である前記ポリビニルアルコール水溶液の製造方法。ポリビニルアルコールの溶媒中での保持時間が3〜72時間である前記ポリビニルアルコール水溶液の製造方法。前記方法で得たポリビニルアルコール水溶液を含有する耐水性ポリビニルアルコール塗料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、紙コート剤、接着剤、包装用フィルム等の各種用途に使用可能なポリビニルアルコールの製造方法に関するものであって、耐水性を改良する製造方法に関する。
従来、ポリビニルアルコールを耐水化する方法として、ポリビニルアルコールに金属塩類、ホルムアルデヒド、尿素またはメラミンのジメチロール化物などの架橋剤を反応させて耐水化する方法が知られている。また、他の方法としては、ポリビニルアルコール系樹脂にアセト酢酸エステル基を導入、これを薬剤処理して耐水化する方法が特許文献1および特許文献2に開示されている。
しかし、耐水化剤を用いてポリビニルアルコールを耐水化すると、ポリビニルアルコール水溶液のポットライフが短くなったり、得られるポリビニルアルコールから塗料を作製し塗膜を形成すると、塗膜が熱や光で黄変しやすくなるといった問題がある。また、耐水化剤として代表的な尿素またはメラミンのジメチロール化物を使用すると、塗膜にホルマリンが残留するという問題がある。
また、ポリビニルアルコール系樹脂にアセト酢酸エステル基を導入して耐水化する方法は、アセト酢酸エステル基を導入のためにポリビニルアルコール系樹脂にジケテンを付加反応させたり、あるいはアセト酢酸エステルをエステル交換反応せねばならず、合成方法が複雑で、工業的に不利であるという問題があった。
特開昭57ー30751号公報 特開平6ー172727号公報
本発明は、このような従来技術の欠点を解消し、非常に簡単な方法で優れた耐水性を向上させることが可能であって、工業的に有利なポリビニルアルコールの製造方法を提供するものである。
本発明は上記課題を解決するために以下の方法をとる。
本発明の第1は、平均粒径が0.01〜5mmの粉粒体であるポリビニルアルコールを溶媒中に保持して膨潤させた後に該溶媒を除去し、該膨潤させたポリビニルアルコールを、さらに水に溶解させるポリビニルアルコール水溶液の製造方法である。
本発明の第2は、溶媒が水である本発明の第1記載のポリビニルアルコール水溶液の製造方法である。
本発明の第3は、ポリビニルアルコールの溶媒中での保持温度が5〜60℃である本発明第1〜2のいずれかに記載のポリビニルアルコール水溶液の製造方法である。
本発明の第4は、ポリビニルアルコールの溶媒中での保持時間が3〜72時間である本発明の第1〜3のいずれかに記載のポリビニルアルコール水溶液の製造方法である。
本発明の第5は、本発明の第1〜4に記載の方法で得たポリビニルアルコール水溶液を含有する耐水性ポリビニルアルコール塗料である。
本発明により、極めて簡単な方法により、耐水性に優れたポリビニルアルコール系樹脂を提供することが可能となった。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、ポリビニルアルコール(PVA)の塗工膜の耐水性を検討している際に、ポリビニルアルコール塗工膜表面に非常に耐水性の低い層が形成されていることを見出した。さらにその耐水性の低い層を水洗除去すると、PVA塗工膜の耐水性が向上することを見出した。
上記より、本発明者らは、ポリビニルアルコールの耐水性は、平均値としての物性ではなく、原料に含まれる少量の成分が大きく影響しているのではないかと推測した。
そこで、市販のポリビニルアルコール粉粒体から、耐水性の低い成分を除去する方法を検討したところ、ある特定の温度の水の中にポリビニルアルコールの粉末を加え、水で粉末を十分に膨潤させ、その後、水を遠心脱水やろ過などで取り除いた後、通常の方法で水に溶解させたポリビニルアルコールの水溶液から得られたポリビニルアルコール塗膜の耐水性が、飛躍的に向上することを見出した。
上記手段による耐水性向上のメカニズムとして考えられるのは、ポリビニルアルコールに含まれる、非常に分子量の低い成分(低分子量PVA)や、ポリビニルアルコール製造時に使用、あるいは発生する水溶性物質(水酸化ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム)が、あらかじめ膨潤させることによって取り除かれるためだと考えられる。
従来の耐水化方法は、ポリビニルアルコール皮膜全体を架橋して耐水化する考え方が基本であるが、そのような場合、成分が変化するためにポリビニルアルコールの特性が悪化したり、変色や凝集などの悪影響がある。
また、ポリビニルアルコールを塗膜とする場合には、塗膜表面の耐水性が重要である。しかし、いくら架橋しても、ポリビニルアルコール中の非常に分子量の低い成分(低分子量PVA)は耐水化されず、また、他の水溶性物質の耐水性への悪影響を抑えることはできない。従って、このような低分子量ポリビニルアルコールや水溶性物質が塗膜表面に析出(ブリードアウト)し、塗膜の耐水性を低下させることを防止することはできなかった。
しかし、上記の方法だと、ポリビニルアルコールの成分をなんら変えることなく耐水性を大幅に向上できるものである。
以下、本発明を詳述する。
本発明は、平均粒径が0.01〜5mmの粉粒体であるポリビニルアルコールを溶媒中に保持して膨潤させた後に該溶媒を除去(PVAの洗浄)し、該膨潤させたポリビニルアルコールを水に溶解させるポリビニルアルコールの製造方法である。
平均粒子径の測定は、レーザー回折式の粒子径測定機(例えば、日本レーザー販売、Sympatec製「HELOS&RODOS 」あるいは、日機装製、マイクロトラック粒度分布測定装置「MT3300」など)で気流式分散器(例えば、日本レーザー販売、Sympatec製「RODOS」)を用いて乾式で測定する。本発明における平均粒子径はメジアン径(メディアン径)であり、メジアン径は、累積分布における50%の粒子径である。
本発明において、ポリビニルアルコールの膨潤とは、ポリビニルアルコールの主要成分が溶解せず、固体として残っており、主要成分よりも溶解度の高い低分子量PVAや水溶性物質が溶媒中に溶け出すことが可能な状態を示す。なお、主要な成分とは、重合度が100〜10000の範囲のポリビニルアルコールである。通常、ポリビニルアルコールの重合度は平均重合度のことであり、市販されているポリビニルアルコールは重合度に分布がある。例えば平均重合度1700のポリビニルアルコールであっても、重合度は幅広く、数10〜数万までの分布を持つ。
本発明で使用するポリビニルアルコール粉粒体の平均粒径は、0.01mm〜5mmであることが望ましい。0.01mm未満の場合は、粒径が細かすぎるので、溶媒中においては、容易に溶解して水溶液となってしまうので、膨潤させることができず、低分子量PVAや水溶性物質を除去することができない。また、5mmを越えた場合においては、膨潤に時間がかかり、低分子量PVAや水溶性物質を効率的に除去することができない。
本発明において、ポリビニルアルコールの粉粒体を洗浄する溶媒としては、PVA中の水溶性物質、及び、低分子量のポリビニルアルコール(重合度が2〜100)を溶解させることができる溶媒なら特に制限はない。例えば、水、ジメチルスルホキシド(DMSO)、フェノール類、グリコール類、アルコール類(メタノール、 エタノール、イソプロピルアルコールなど)が挙げられる。
これらの中でも水が、取り扱いやすく、かつ、PVA粉粒体中の低分子量PVAや水溶性物質の溶解性に優れるため好適である。
また、洗浄効率を調整するため、水と、上記溶媒を任意に選択の上混合して溶媒として使用しても構わない。その場合、取り扱いやすさと溶解性の点から、水の含有率は50質量%以上が好ましい。
本発明において、ポリビニルアルコールを膨潤させる時の溶媒の温度は、ポリビニルアルコールの分子量、重合度、けん化度、変性の有無や種類、その他物性、及び、使用する溶媒の種類によって、適宜変える必要がある。
なお、溶媒の温度が90℃を超えると、ポリビニルアルコールの重合度やケン化度、変性の有無や変性の種類により多少の違いはあるが、ほとんどのポリビニルアルコールが溶媒に溶解してしまうので好ましくない。また、温度が60℃を超えると、最終的に得られるポリビニルアルコールの収率が低くなり好ましくない。特に、溶媒に水が50%以上含まれる場合は、60℃を超えると収率が低くなり好ましくない。従って、収率の面から望ましくは60℃以下、更に望ましくは、50℃以下、最も望ましくは45℃以下である。
また、温度が0℃未満になると、低分子量PVAや水溶性物質の除去効率が低下するため好ましくない。除去効率から考えると、好ましい洗浄温度は5℃以上である。より好ましくは15℃以上、最も好ましくは30℃以上である。
本発明において、ポリビニルアルコールを溶媒中で保持して膨潤させる時間は、ポリビニルアルコールの分子量、重合度、けん化度、変性の有無や種類、その他物性、及び、使用する溶媒の種類によって、適宜変更し、最適条件を設定することが好ましい。ポリビニルアルコール粉粒体の粒径が大きい場合は、内部まで溶媒が浸透するのに時間を要するために膨潤時間を長くする必要がある。また、粒径が小さい場合は、短い膨潤時間でよい。膨潤時間は3時間〜72時間が好ましく、より好ましくは6時間〜48時間、さらに好ましくは12時間〜24時間である。膨潤時間が3時間未満の場合は低分子成分の除去が不十分となるおそれがある。膨潤時間が72時間を越えると、除去効率が頭打ちになるうえ、不経済である。
本発明におけるポリビニルアルコールと溶媒の量的関係には特に制限はないが、ポリビニルアルコール粉末の見かけ体積に対して、溶媒の体積が、等倍以上であることが好ましい。また、50倍以下が好ましく、30倍以下がさらに好ましい。等倍未満の場合は洗浄効率が低下し好ましくない。また、50倍を超えると洗浄効率が頭打ちとなり不経済である。なお、ここで言う溶媒の体積は、洗浄する温度での体積である。
本発明において使用するポリビニルアルコール系樹脂は、ビニルエステル重合体あるいはビニルエステルと他の単量体との共重合体の部分または完全鹸化物である。
上記の重合体あるいは共重合に使用するビニルエステルとして、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどが挙げられ、中でも酢酸ビニルが工業的に好ましい。
本発明におけるポリビニルアルコール系樹脂としては、本発明の効果を阻害しない範囲で、ビニルエステルおよび/またはジアセトン基をもつ単 量体と共重合可能な単量体(たとえば、クロトン酸、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和モノカルボン酸およびエステル・塩・無水物・アミド・ニトリル 類、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸およびエステル・塩・無水物・アミド・ニトリル類、不飽和スルホン酸およびその塩、炭素数2〜30のα−オレフィン類、アルキルビニルエーテル類、ビニルピロリドン類など)とともに共重合したものであってもよい。共重合による変性の中でも、αオレフィン類で共重合されたものが好ましい。αオレフィン類の中でもエチレンで共重合されたエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)は耐水性に優れるため特に好ましい。
ポリビニルアルコールをアセタール化、ウレタン化、エーテル化、グラフト化、リン酸エステル化、シリル化などの反応によって後変性したものを使用することも可能である。これらの変性により水酸基はシラノール基(−Si(OH)3)、アミノ基、カルボン酸などの官能基で変性される。
ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、特に限定されないが、300〜5000が好ましい。平均重合度が300未満のものは、本発明の方法による耐水化の効果が十分に発揮されない可能性がある。また、平均重合度が5000を超えると、水への溶解性が劣るため、塗料用としては、水溶液濃度が低くなるなど、使用上制限がある。
ポリビニルアルコール系樹脂の鹸化度は特に制限はないが、鹸化度は、モル百分率で70〜99.9%が好ましく、80〜99%が更に好ましい。70%未満は、ポリビニルアルコールとしての特徴である、塗膜強度や耐油性、ガスバリア性などが低下して好ましくない。モル百分率が99.9%を超えるものは、水への溶解性が極端に悪くなり、また、塗膜自体が脆くなるため好ましくない。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、下記の実施例は本発明を限定するものではない。また、特に断らない限り実施例中の「部」は質量部を示す。
<実施例1>
ポリビニルアルコールとして完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:ポバールPVA117、平均重合度1700、鹸化度98%)粉末(粉末の大きさ:直径0.1mm〜1mmの概略球状の粉末)1000g(見掛けの体積1500cmに相当、以下も同様の意とする)を、イオン交換水9000g(9000cm)に分散しスラリーとした。
該スラリーを恒温槽にて30℃(スラリー保持温度)で24時間(スラリー保持時間)保持し十分に膨潤させた後、該スラリーをナイロンメッシュ袋(100メッシュ、目開き0.15mm)へ移し、遠心脱水機にて脱水した。
脱水後のナイロンメッシュ袋内のスラリーに、保持温度と同温度に調整したイオン交換水を9000g加え、袋ごと手で良く揉んで洗浄し、再び遠心脱水機にて脱水した。これを2回繰り返した。
上記で脱水したスラリーを固形分濃度が5%になるようにイオン交換水で希釈後、攪拌しながら温度95℃に昇温し、2時間保持した後、自然冷却してポリビニルアルコール水溶液を得た。
<実施例2>
ポリビニルアルコールとしてシリル変性ポリビニルアルコール(商品名:ポバールR1130、平均重合度1700、鹸化度98%、シリル変性)粉末を用い、保持温度を40℃としたこと以外は実施例1と同様にしてポリビニルアルコール水溶液を得た。
<実施例3>
ポリビニルアルコールとして完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:ポバールPVA105、平均重合度500、鹸化度98%)粉末を用い、保持温度を5℃としたこと以外は実施例1と同様にしてポリビニルアルコール水溶液を得た。
<実施例4>
ポリビニルアルコールとして完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:ポバールPVA140H、平均重合度4000、鹸化度99%)粉末を用い、保持温度を55℃としたこと以外は実施例1と同様にしてポリビニルアルコール水溶液を得た。
<実施例5>
ポリビニルアルコールとして部分鹸化ポリビニルアルコール(商品名:ポバール220、平均重合度2200、鹸化度88%、クラレ製)粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にしてポリビニルアルコール水溶液を得た。
<実施例6>
スラリーの保持温度を5℃としたこと以外は実施例1と同様にしてポリビニルアルコール水溶液を得た。
<実施例7>
スラリーの保持温度を15℃としたこと以外は実施例1と同様にしてポリビニルアルコール水溶液を得た。
<実施例8>
スラリーの保持温度を45℃としたこと以外は実施例1と同様にしてポリビニルアルコール水溶液を得た。
<実施例9>
スラリーの保持温度を50℃としたこと以外は実施例1と同様にしてポリビニルアルコール水溶液を得た。
<実施例10>
スラリーの保持温度を60℃としたこと以外は実施例1と同様にしてポリビニルアルコール水溶液を得た。
<実施例11>
スラリーの保持時間を3時間としたこと以外は実施例1と同様にしてポリビニルアルコール水溶液を得た。
<実施例12>
スラリーの保持時間を6時間としたこと以外は実施例1と同様にしてポリビニルアルコール水溶液を得た。
<実施例13>
スラリーの保持時間を12時間としたこと以外は実施例1と同様にしてポリビニルアル
コール水溶液を得た。
<実施例14>
スラリーの保持時間を48時間としたこと以外は実施例1と同様にしてポリビニルアルコール水溶液を得た。
<実施例15>
スラリーの保持時間を72時間としたこと以外は実施例1と同様にしてポリビニルアルコール水溶液を得た。
<実施例16>
ポリビニルアルコールとして完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:ポバールPVA117、平均重合度1700、鹸化度98%)粉末(粉末の大きさ:直径0.1mm〜1mmの概略球状の粉末)1000g(1500cm)を、イオン交換水7000g(7000cm)とイソプロピルアルコール(和光純薬製、特級)2500g(2000cm)との混合液に分散しスラリーとした。
該スラリーを恒温槽にて30℃で24時間保持し十分に膨潤させた後、該スラリーをナイロンメッシュ袋(100メッシュ、目開き0.15mm)へ移し、遠心脱水機にて脱水した。
脱水後のナイロンメッシュ袋内のスラリーに保持温度と同温度に調整したイオン交換水7000g(7000cm)とイソプロピルアルコール(和光純薬製 特級)2500g(2000cm)との混合液を加え、袋ごと手で良く揉んで洗浄し、再び遠心脱水機にて脱水した。これを2回繰り返した。
上記で脱水したスラリーを固形分濃度が5%になるようにイオン交換水で希釈後、攪拌しながら温度95℃に昇温し、2時間保持した後、自然冷却してポリビニルアルコール水溶液を得た。
<実施例17>
ポリビニルアルコールとして完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:ポバールPVA117、平均重合度1700、鹸化度98%)粉末(粉末の大きさ:直径0.1mm〜1mmの概略球状の粉末)1000g(1500cm)を、イオン交換水4500g(4500cm)とイソプロピルアルコール(和光純薬製 特級)5700g(4500cm)との混合液に分散しスラリーとした。
該スラリーを恒温槽にて30℃で24時間保持し十分に膨潤させた後、該スラリーをナイロンメッシュ袋(100メッシュ、目開き0.15mm)へ移し、遠心脱水機にて脱水した。
脱水後のナイロンメッシュ袋内のスラリーに保持温度と同温度に調整したイオン交換水4500g(4500cm)とイソプロピルアルコール(和光純薬製 特級)5700g(4500cm)との混合液を加え、袋ごと手で良く揉んで洗浄し、再び遠心脱水機にて脱水した。これを2回繰り返した。
上記で脱水したスラリーを固形分濃度が5%になるようにイオン交換水で希釈後、攪拌しながら温度95℃に昇温し、2時間保持した後、自然冷却してポリビニルアルコール水溶液を得た。
<実施例18>
ポリビニルアルコールとして完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:ポバールPVA117、平均重合度1700、鹸化度98%)粉末(粉末の大きさ:直径0.1〜1mmの概略球状の粉末)1000g(1500cm)を、イオン交換水2000g(2000cm)とイソプロピルアルコール(和光純薬製 特級)8800g(7000cm)との混合液に分散しスラリーとした。
該スラリーを恒温槽にて30℃で24時間保持し十分に膨潤させた後、該スラリーをナイロンメッシュ袋(100メッシュ、目開き0.15mm)へ移し、遠心脱水機にて脱水した。
脱水後のナイロンメッシュ袋内のスラリーに保持温度と同温度に調整したイオン交換水2000g(2000cm)とイソプロピルアルコール(和光純薬製 特級)8800g(7000cm)との混合液を加え、袋ごと手で良く揉んで洗浄し、再び遠心脱水機にて脱水した。これを2回繰り返した。
上記で脱水したスラリーを固形分濃度が5%になるようにイオン交換水で希釈後、攪拌しながら温度95℃に昇温し、2時間保持した後、自然冷却してポリビニルアルコール水溶液を得た。
<実施例19>
ポリビニルアルコールとして完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:ポバールPVA117、平均重合度1700、鹸化度98%)粉末(粉末の大きさ:直径0.1mm〜1mmの概略球状の粉末)1000g(1500cm)を、イオン交換水3000g(3000cm)に分散しスラリーとした。
該スラリーを恒温槽にて30℃で24時間保持し十分に膨潤させた後、該スラリーをナイロンメッシュ袋(100メッシュ、目開き0.15mm)へ移し、遠心脱水機にて脱水した。
脱水後のナイロンメッシュ袋内のスラリーに保持温度と同温度に調整したイオン交換水を3000g加え、袋ごと手で良く揉んで洗浄し、再び遠心脱水機にて脱水した。これを2回繰り返した。
上記で脱水したスラリーの固形分濃度が5%になるようにイオン交換水で希釈後、攪拌しながら温度95℃に昇温し、2時間保持した後、自然冷却してポリビニルアルコール水溶液を得た。
<実施例20>
ポリビニルアルコールとして完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:ポバールPVA117、平均重合度1700、鹸化度98%)粉末(粉末の大きさ:直径0.1mm〜1mmの概略球状の粉末)1000g(1500cm)を、イオン交換水45000g(45000cm)に分散しスラリーとした。
該スラリーを恒温槽にて30℃で24時間保持し十分に膨潤させた後、該スラリーをナイロンメッシュ袋(100メッシュ、目開き0.15mm)へ移し、遠心脱水機にて脱水した。
脱水後のナイロンメッシュ袋内のスラリーに保持温度と同温度に調整したイオン交換水を45000g加え、袋ごと手で良く揉んで洗浄し、再び遠心脱水機にて脱水した。これを2回繰り返した。
上記で脱水したスラリーの固形分濃度が5%になるようにイオン交換水で希釈後、攪拌しながら温度95℃に昇温し、2時間保持した後、自然冷却してポリビニルアルコール水溶液を得た。
<比較例1>
実施例1で使用した完全鹸化ポリビニルアルコール(ポバールPVA117)粉末に、固形分濃度が5%になるようにイオン交換水を加え、攪拌しながら温度95℃に昇温し、2時間保持した後、自然冷却してポリビニルアルコール水溶液を得た。
<比較例2>
実施例2で使用したシリル変性ポリビニルアルコール(ポバールR1130)粉末に、固形分濃度が5%になるようにイオン交換水を加え、攪拌しながら温度95℃に昇温し、2時間保持した後、自然冷却してポリビニルアルコール水溶液を得た。
<比較例3>
実施例3で使用した完全鹸化ポリビニルアルコール(ポバールPVA105)粉末に、固形分濃度が5%になるようにイオン交換水を加え、攪拌しながら温度95℃に昇温し、2時間保持した後、自然冷却してポリビニルアルコール水溶液を得た。
<比較例4>
実施例4で使用した完全鹸化ポリビニルアルコール(ポバールPVA140H)粉末に、固形分濃度が5%になるようにイオン交換水を加え、攪拌しながら温度95℃に昇温し、2時間保持した後、自然冷却してポリビニルアルコール水溶液を得た。
<比較例5>
実施例5で使用した部分鹸化ポリビニルアルコール(ポバール220)粉末に、固形分濃度が5%になるようにイオン交換水を加え、攪拌しながら温度95℃に昇温し、2時間保持した後、自然冷却してポリビニルアルコール水溶液を得た。
これらの実施例、及び比較例で得たPVA水溶液を、次に述べる方法で評価した。
[ブロッキング性評価]
コート紙(王子製紙製、品名:OKトップコート、坪量84.9g/m)の顔料塗工面に、ポリビニルアルコール水溶液を、固形分塗工量で2g/mになるようメイヤーバーで塗工し、熱風乾燥機を用いて120℃2分間乾燥した。
上記で得た塗工紙2枚のPVA塗工面どうしを重ね合わせ、その上に底面10cm×10cmである1kgのステンレス板を載せて10g/cmの加圧状態とし、40℃90%で24時間静置した。
その後、塗工面同士を剥がし、そのときの状態を観察してブロッキング性を評価した。
評価基準は以下のとおりとする。
○:塗工面が抵抗なく剥がれる。
△:塗工面を剥がすのに抵抗があり力を要する。
×:塗工面どうしが接着しており、剥がすと塗工面が破壊される。
[耐水性評価]
二軸延伸ポリプロピレンフィルム(王子特殊紙製、品名:アルファンPY101)の片面にコロナ処理を施し、ポリエチレンイミンをアンカー剤として0.005g/m塗工、乾燥し、その上にポリビニルアルコール水溶液を1g/mになるように塗工して、ポリビニルアルコール塗膜を得た。
塗膜表面にスポイトでイオン交換水を一滴落として、10秒後に拭き取り評価した。
○:塗膜に変化なし。
△:塗膜が一部溶解した。
×:塗膜が溶解した。
[歩留り]
本発明による製造方法のポリビニルアルコールの歩留りは下記式で求めた。
歩留り(%)=〔(PVA水溶液の固形質量)/(最初のPVAの絶乾質量(1000g))〕×100
ポリビニルアルコール水溶液の固形質量およびポリビニルアルコールの絶乾質量は105℃で3時間乾燥した質量である。
歩留りとしては50%以上が好ましく、より好ましくは65%以上、さらに好ましくは80%以上である。
以上の実施例および比較例の評価結果を、表1〜3に示す。
Figure 2008201974
Figure 2008201974
Figure 2008201974
表1〜3より本発明の方法により、ブロッキング性や耐水性が飛躍的に向上していることが判る。
本発明のポリビニルアルコール系樹脂は塗料用バインダー、接着剤、紙用改質剤、インクジェット用バインダーなどとして利用できる。

Claims (5)

  1. 平均粒径が0.01〜5mmの粉粒体であるポリビニルアルコールを溶媒中に保持して膨潤させた後に該溶媒を除去し、該膨潤させたポリビニルアルコールを、さらに水に溶解させることを特徴とするポリビニルアルコール水溶液の製造方法。
  2. 溶媒が水であることを特徴とする請求項1記載のポリビニルアルコール水溶液の製造方法。
  3. ポリビニルアルコールの溶媒中での保持温度が5〜60℃であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のポリビニルアルコール水溶液の製造方法。
  4. ポリビニルアルコールの溶媒中での保持時間が3〜72時間であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリビニルアルコール水溶液の製造方法。
  5. 請求項1〜4に記載の方法で得たポリビニルアルコール水溶液を含有することを特徴とする耐水性ポリビニルアルコール塗料。
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