JP2008201677A - 抗炎症剤及び抗酸化剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)シデロフォアを有効成分とする抗炎症剤。この抗炎症剤は、特に経口投与する場合の消化管の炎症の予防又は治療に有効である。シデロフォアとしては、代表的にはデフェリフェリクリシンが挙げられる。デフェリフェリクリシンは清酒成分として人類が古くから摂取してきた安全な物質である。(2) シデロフォアを有効成分とする抗酸化剤。シデロフォアの抗酸化作用には、キレート作用以外のメカニズムが関与していると考えられる。
【選択図】図2
Description
スーパーオキサイドやヒドロキシラジカルのような活性酸素の生成には、遷移金属イオンが関与していることが知られている。中でも、鉄イオンは環境中や生体内に比較的多く存在することから、活性酸素生成に与える影響が大きい。2価鉄イオンは、例えば、過酸化水素と反応して3価鉄イオンに酸化されるとともにヒドロキシラジカルを生じる。この3価鉄は生体内で還元されて2価鉄に戻る。このようにして、鉄イオンは連続的にラジカルを発生する。
BiochemicalPharmacology, Vol.55,1327-1332,1998
(i) 消化管に炎症を有するラットやマウスに、デフェリフェリクリシンを経口投与すると、消化管の炎症が抑制される。
(ii) デフェリフェリクリシンは、in vitroで活性酸素の消去作用を有する。また、フェリクリシンも活性酸素消去作用を有することから、デフェリフェリクリシンの抗酸化作用には、3価鉄イオンのキレート作用だけでなくその他の作用も寄与していると考えられる。
本発明は上記知見に基づき完成されたものであり、以下の抗炎症剤、抗酸化剤などを提供する。
項2. シデロフォアがフェリクローム類である項1に記載の抗炎症剤。
項3. フェリクローム類がデフェリフェリクリシンである項2に記載の抗炎症剤。
項4. 炎症が消化管の炎症である項1〜3のいずれかに記載の抗炎症剤。
項5. 消化管の炎症が大腸炎である項4に記載の抗炎症剤。
項6. 経口投与用である項1〜5のいずれかに記載の抗炎症剤。
項7. シデロフォア及び/又はその鉄錯体を含む抗酸化剤。
項8. シデロフォアがフェリクローム類である項7に記載の抗酸化剤。
項9. フェリクローム類がデフェリフェリクリシンである項8に記載の抗酸化剤。
項10. シデロフォア及び/又はその鉄錯体を飲食品、化粧品、医薬品、及び試薬からなる群より選ばれる物質に添加する工程を含む、酸化が抑制された物質の製造方法。
項11. シデロフォア及びその鉄錯体を飲食品、化粧品、医薬品、及び試薬からなる群より選ばれる物質に添加する工程を含む、物質の酸化抑制方法。
詳述すれば、シデロフォアの抗酸化活性は、鉄イオンをキレートした後も残る。この点で、シデロフォアは従来の抗酸化剤とは異なるメカニズムで酸化を抑制していると考えられる。
さらに、シデロフォアの中でもデフェリフェリクリシンは、清酒やもろみの成分として人類が古くから摂取してきたものであり、他の抗炎症剤や抗酸化剤にはない高い安全性を有する。
(I)抗炎症剤
本発明の抗炎症剤は、シデロフォア及び/又はその鉄錯体を含み、特にこれを有効成分として含む。中でも、シデロフォアを含むものであることが好ましい。炎症の部位及び種類は特に限定されない。本発明の抗炎症剤は、特に消化管の炎症の予防又は治療に有効である。消化管の炎症としては、虚血性腸炎、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)、薬剤性大腸炎、放射線大腸炎、劇症大腸炎のような腸の炎症;びらん性胃炎、出血性胃炎、ストレス胃炎、NSAID胃炎、アルコール性胃炎、ピロリ胃炎、悪性貧血胃炎、感染性胃炎、肉芽種性胃炎、好酸球性胃炎、リンパ球性胃炎のような胃炎;感染性食道炎、薬剤性食道炎、腐食性食道炎、びらん性食道炎のような食道炎などが挙げられる。中でも、腸炎の予防又は治療に有効であり、潰瘍性大腸炎、クローン病のような炎症性腸疾患の予防又は治療により有効である。摂取された本発明の抗炎症剤は、食道及び胃を通って腸管に入り、また長い腸管内を移動する。本発明の抗炎症剤は、消化管内に存在する鉄イオンをキレートした後にも抗炎症効果を維持することから、腸管の炎症を有効に抑制することができる。また、中性領域のpHを有する腸管内で本発明の抗炎症剤は分解され難い。
予防とは発症を回避または抑制することをいう。また治療には完治の他に改善も含まれる。
シデロフォアは、3価鉄イオンをキレート化できる化合物をいう。本発明においてシデロフォアの鉄錯体は3価鉄イオンをキレート化した錯体である。
シデロフォアの由来は特に限定されず、どのような生物に由来するものであってもよい。多くの微生物は、外界の鉄濃度が低いときに必須成分である鉄を効率的に取り込むためにシデロフォアを生産する。微生物は容易に増殖させることができるため、微生物を用いることによりシデロフォアを容易に大量生産することができる。この点で微生物に由来するシデロフォアが好ましい。さらに、シデロフォア合成酵素群をコードする遺伝子の組換えによりシデロフォアを多量に生産する宿主を容易に作製できる点でも、微生物に由来するシデロフォアが好ましい。
特に、鉄キレート力の点で、ヒドロキサメート類(ヒドロキサム酸を含むシデロフォア)が好ましい。その中でも安定性の点で、環状であるフェリクローム類がより好ましい。
一般式(1)の化合物の中では、フェリクローム、ジグリシルフェリクローム、デフェリフェリクリシン、フェリクロームC、フェリクロシン、アスペルクロームD1、アスペルクロームB1、フェリルビン、フェリロジン、フェリクロームA、デス(ジセリルグリシル)フェリロジン(フェリロジンにおいて=Ser−Ser−Gly−を除いた化合物)が好ましく、デフェリフェリクリシンが最も好ましい。
シデロフォアは、生物から回収することにより製造できる。生物を鉄制限下で生育させると、鉄を含まないデフェリ体(シデロフォア)が生成される。生物から回収されたシデロフォアは粗標品のままであってもよく、精製されたものであってもよい。
シデロフォアの精製は、公知の精製方法、例えばイオン交換、疎水、ゲル濾過、アフィニティのような各種クロマトグラフィー等により行えばよい。例えば、糸状菌からシデロフォアを回収する場合は、液体培養して上清中に生産されたものを回収してもよく、固体培養して固体培養物から水又は緩衝液を用いて抽出した抽出液から回収してもよい。いずれにしても本発明の抗炎症剤には、例えば生物由来の夾雑物が含まれる場合がある。
またシデロフォアは、市販品を購入することもできる。また、これらのシデロフォアの混合物であってもよい。
デフェリフェリクリシンは、麹造り(固体培養)においてアスペルギルス・オリゼが多量に生産することが知られているフェリクローム類の1種である。アスペルギルス・オリゼが生産するフェリクローム類の殆どがデフェリフェリクリシンである。デフェリフェリクリシンは3価鉄イオンをキレートしてフェリクリシンになる。
培養終了後、菌体を濾過後、培養液からデフェリフェリクリシンを回収する。さらに、この培養上清を、公知のタンパク質精製方法、例えばイオン交換、疎水、ゲル濾過、アフィニティなどの各種クロマトグラフィーに供することにより精製デフェリフェリクリシンが得られる。
<医薬組成物>
本発明の抗炎症剤は、シデロフォア及び/又はその鉄錯体と薬学的に許容される添加剤や溶剤とを混合して適当な製剤にすることにより医薬製剤(医薬組成物)として製造することができる。
製剤形態は、特に限定されず、例えば錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、シロップ剤等の経口投与剤(内服剤);注射剤、点滴剤、外用剤、座剤等の非経口投与剤などの各種製剤形態を挙げることができる。シデロフォアが分解され難い点で、経口投与剤が非経口投与剤に比べて好ましい。特に、消化管の炎症の予防又は治療に用いられるものである場合は、経口投与剤とすればよい。
また、製剤中のシデロフォア及び/又はその鉄錯体の含有量は、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤のような内服用固形製剤の場合は5〜30重量%程度であればよく、シロップ剤のような内服用液体製剤の場合は0.2〜1重量%程度であればよく、注射剤、点滴剤の場合は0.4〜2重量%程度であればよく、外用剤の場合は1〜10重量%程度であればよく、座剤の場合は2〜20重量%程度であればよい。上記の含有量の範囲であれば、炎症抑制効果が十分に得られるとともに、副作用が現れることがない。なお、点滴剤は、例えば肝臓のような、消化管以外の組織の炎症の抑制に有効である。
シデロフォア及びその鉄錯体は高温(例えば120℃程度)高圧(例えば200kPa程度)処理によっても変性しない又は変性し難いことから、医薬組成物の成分として用いる場合に、加熱加圧滅菌できるという利点を有する。
本発明の抗炎症剤は、飲食品に添加する添加剤とすることができる。
<飲食品組成物>
また、本発明の抗炎症剤は、上記例示した薬学的に許容される添加剤や溶剤と混合して、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、シロップ剤などの形態にして、機能性の飲食品組成物にすることができる。
このような機能性飲食品組成物中のシデロフォア及び/又はその鉄錯体の含有量は、シデロフォアの種類や摂取対象の年齢、体重、状態等によって異なり一概に規定できないが、シデロフォアに換算した1日摂取量が通常100〜500mg程度になる量とすればよい。
本発明の抗酸化剤は、シデロフォア及び/又はその鉄錯体を含み、特にこれを有効成分として含む。中でも、シデロフォアを含むものであることが好ましい。本発明の抗酸化剤は、スーパーオキサイドやヒドロキシラジカルのような活性酸素種を消去する作用を有することから、老化、発ガン、生活習慣病などを予防したり、進行を抑制したりすることができる。本発明の抗酸化剤は、特に消化管内での活性酸素種の消去作用に優れる。
従って、本発明の抗酸化剤は、シデロフォア及び/又はその鉄錯体を含む医薬製剤として製造することもでき、シデロフォア及び/又はその鉄錯体を含む機能性飲食品組成物として製造することもでき、シデロフォア及び/又はその鉄錯体を含む通常の飲食品組成物として製造することもできる。このときのシデロフォア及び/又はその鉄錯体の使用量やその他の成分の種類などは抗炎症剤の項目で説明した通りである。
また、本発明の抗酸化剤は、飲食品、化粧品、医薬品、及び試薬などの物質又は組成物に添加されてそれらの成分の酸化を抑制する添加剤であってもよい。添加量は、添加される飲食品などの成分の種類によって異なるが、例えば、酸化を抑制しようとする物質又は組成物に対して、0.02〜0.2重量%程度、好ましくは0.04〜0.1重量%程度とすればよい。
即ち、本発明は、飲食品、化粧品、医薬品、及び試薬などの物質又は組成物にシデロフォアを添加することにより、これらの物質又は組成物の酸化を抑制する方法、及び飲食品、化粧品、医薬品、及び試薬などの物質又は組成物にシデロフォアを添加することにより、酸化が抑制された物質又は組成物を製造する方法を提供する。
シデロフォア及び/又はその鉄錯体を炎症(特に消化管の炎症)を起こしている人や、炎症の予兆のある人に投与することにより、炎症を予防、改善、又は治療することができる。投与経路及び投与量は、抗炎症剤の項目で説明した通りである。
以下、本発明を実施例及び試験例を示してより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
<デフェリフェリクリシンの調整>
米麹を水で抽出した抽出液(デフェリフェリクリシン含有)を、限外濾過膜を用いて分子量5000以上のタンパク質などの高分子を除去し、濾液を疎水カラムクロマトグラフィー(アンバーライト・オルガノ株式会社製)により濃縮した。フェリクリシンは430nmに極大吸収を示す性質が知られているため(Agr.Biol.Chem.,Vol.31,No.12,p1482)、上記の手法で調製された溶液と、その溶液に塩化第二鉄溶液を加えたものとをHPLC分析し、鉄を添加した場合にのみ430nmの吸収を示す物質の大半がフェリクリシンであったことから、上記操作でデフェリフェリクリシンが濃縮されていることを確認した。さらに、上記濃縮液を凍結乾燥処理することで60%(w/w)デフェリフェリクリシン含有粉末を得た。
米麹を水で抽出した抽出液(デフェリフェリクリシン含有)に、デフェリフェリクリシンと等モルの塩化第二鉄を加えてフェリクリシン溶液を作製した後、デフェリフェリクリシンの調整方法と同様の方法でフェリクリシン濃縮溶液を得た。調製された溶液をHPLC分析し、430nmの吸収を示す物質の大半がフェリクリシンであることを確認した。さらに、上記濃縮液を凍結乾燥処理することで60%(w/w)フェリクリシン含有粉末を得た。
活性酸素が関与するとされる、虚血再灌流により惹起されるラット小腸粘膜障害モデルに対するDfcyの抗炎症作用について検討した。
Wistar系雄性ラットを18時間絶食した後、ウレタン麻酔下に正中開腹し、腹腔動脈根部を結紮し、同時に血管クリップで上腸間膜動脈の血流を遮断し、30分後クリップを取り除き、再灌流を行った。これにより、腸管虚血再灌流障害が惹起された。
小腸腔内漏出ヘモグロビンおよび蛋白質量は定法により測定し、腸1cmあたりの漏出mgで評価した。
<粘膜内チオバルビツール酸反応物質量の測定方法>
腸粘膜内のチオバルビツール酸(TBARS)反応物質量、つまり脂質の過酸化指数はOhkawaらの方法(Ohkawa H, Ohnishi N, Yagi K. Assay for lipid peroxides for animal tissues by thiobarbituric acid reaction. Anal Biochem 1979; 95: 351-358)に従って測定した。すなわち、小腸を縦に切開し腸粘膜は二枚のスライドグラスを用いて掻き取った。粘膜組織は30mmolの塩化カリウムを含有する10mmol/Lのカリウム−リン酸緩衝液(pH 7.8)とともにホモジナイズした。粘膜ホモジネート中のTBARS量は1,1,3,3-テトラメトキシプロパンを標準物質として湿重量あたりのマロンジアルデヒドのnmol量で表した。
小腸粘膜内ミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性、つまり多形核白血球の蓄積指数はGrishamらの方法(Grisham MB, Hernandez LA, Granger DN. Xanthine oxidase and neutrophil infiltration in intestinal ischemia. Am J Phystol 1986; 251: G567-G574)を改変して測定した。すなわち2mlの粘膜ホモジネートを20,000g、15分、4℃で遠心分離し不溶性画分を回収した。沈殿は5g/Lのヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイドを含む、等量の0.05mol/Lカリウム−リン酸緩衝液(pH 5.4)で再ホモジネートした。MPO活性は3,3’,5,5’-テトラメチルベンザイジンの過酸化水素依存的な酸化を測定することによって評価した。1酵素単位は25℃において655nmの吸光度を1分間に1上昇させるMPOの量として定義した。
腸粘膜ホモジネート中の好中球活性化因子CINC-1量はELISAキット(株式会社 免疫生物研究所、群馬)を用い、説明書に従って測定した。各ウェルの490nmにおける吸光度はマイクロプレートリーダー(MPR-A4i;東ソー株式会社、東京)を用いて測定した。
また表3から分かるように、上腸間膜動脈の30分間虚血60分間再灌流により、粘膜内TBA反応物質、粘膜内MPO活性、及びCINC-1量は、対照群に比較し顕著な増加を示した。さらに、Dfcy投与によりTBA反応物質量、MPO活性、及びCINC-1の増加は抑制された。100mg/kg投与群及び300mg/kg投与群でコントロール群との間に増加の抑制について有意差が認められた。
表2及び表3より、Dfcyは、好中球浸潤、脂質過酸化の抑制、炎症性サイトカイン誘導抑制などの炎症作用により、小腸における虚血再灌流惹起性粘膜傷害を抑制することが分かる。
慢性炎症性腸疾患モデルの一つであるマウスDSS大腸炎モデルを用い、Dfcyの効果について検討した。
7週齢BALB/cマウス(雄)に対して分子量5000のDSSの8重量%水溶液を7日間自由摂取させることにより大腸炎を誘発させた。DfcyはDSS投与と同時に経口投与を始め、100mg/kg/dayの量を7日間連続して経口投与した。DSS投与しない正常マウスにはDSS水溶液に代えて蒸留水を自由摂取させた。また、DSS投与したがDfcyを投与しないコントロールマウスには8重量%DSS水溶液を自由摂取させたが、Dfcyは投与しなかった。各群10匹のマウスを用いた。
また、DSS惹起性大腸炎の診断の指標の一つである体重の測定結果を以下の表6に示す。体重は、DSS投与日の体重を1とした場合の相対値で示した。
以上より、Dfcyの100mg/kg/dayの経口投与により、DSS惹起性大腸炎を予防又は改善できることが分かる。
以下の各試験において、活性酸素発生量をESR(電子スピン共鳴)装置を用いて測定した。ESR測定条件(装置ESR-JES-TE200:日本電子製)は、以下の通りである。
共鳴周波数:9.43GHz
出力:4.0mW
磁場変調:100kHz
観測磁場:338.5±5mT
測定時間:1分間
変調幅:0.1mT
増幅率:100(ヒドロキシラジカル消去能測定時)
160(スーパーオキサイド消去能測定時)
応答時間:0.1秒間
(i)→(v)の順でエッペンチューブ(1.5ml容)に溶液を加えた。濃度は終濃度を示す。
(i) 200μM DATAPAC/PBS 100μL (終濃度 100μM)
(ii) 500μM 硫酸鉄/大塚蒸留水 20μL (終濃度 50μM)
(iii)100mM DMPO/大塚蒸留水 20μL (終濃度 10mM)
(iv)Dfcy溶液・Fcy溶液/大塚蒸留水 40μL
(v)10mM H2O2/大塚蒸留水 20μL (終濃度 1mM)
全量200μLをESR測定用扁平セルに移し、(v)の溶液添加後、5分間以内に測定した。
triamine penta acetic acid:ジエチレントリアミン5酢酸)は金属キレート剤であり、水溶液中の微量な遷移金属の影響を除去するために添加した。上記反応系では大塚蒸留水を使用しているが、pH調整のためにリン酸緩衝液を用いるため、微量な遷移金属が必ず混入する。混入した微量の遷移金属が活性酸素と直接反応したり、ヒドロキシラジカル系の過酸化水素やスーパーオキシド系の酵素と非特異的な反応を引き起こしたりする危険を回避するために100μM程度で存在させている。
また、DMPO(5,5-ジメチル-1-ピロリン-N-オキサイド)は発生したラジカルをトラップするために使用される。活性酸素は極めて短寿命であることから、スピントラップ剤であるDMPOで補足する。
また、硫酸鉄は酸化促進剤として添加した。Dfcyは2価鉄イオンをキレートできないため、添加した硫酸鉄によりDfcyがFcyに変化することはない。
ESRの測定値に基づき、以下の式(A)によりDfcy又はFcyによるヒドロキシラジカル消去率を算出した。式(A)においてコントロールは、Dfcy溶液もFcy溶液も添加しない場合を指す。
ラジカル消去率=
テストサンプルのラジカル発生量/コントロールのラジカル発生量
・・・・・式(A)
(i)→(v)の順でエッペンチューブ(1.5ml容)に溶液を加えた。濃度は終濃度を示す。
(i)ヒポキサンチン/Delbecco’s PBS 2mM 50μL (終濃度500μM)
(ii) DETAPAC /Delbecco’s PBS 1.33mM 15μL (終濃度100μM)
(iii) DMPO/大塚蒸留水 原液(8.9M) 15μL (終濃度 667.5mM)
(iv)Dfcy溶液・Fcy溶液/2%DMF水溶液 各濃度(終濃度x2) 100μL
(v)XOD/Delbecco’s PBS 200U/ml 20μL (終濃度 20U/ml)
ESRの測定値から、式(A)に従い、Dfcy又はFcyによるスーパーオキサイドアニオンラジカル消去率を算出した。
Fをラジカル消去率(%)とした時、横軸をDfcy又はFcy濃度とし、縦軸をF/(F-1)としたグラフを作成すると、一次曲線の関係が得られた(図示せず)。このことからDfcy及びFcyが濃度依存的にラジカル消去反応をしていることが分かった。この検量線から得られたIC50(ラジカルを50%消去する濃度(F=50%となる濃度))を以下の表8に示す。
(3-3) DATAPAC非存在下でのヒドロキシラジカル(・OH)消去能
(i)→(v)の順でエッペンチューブ(1.5ml容)に溶液を加えた。濃度は終濃度を示す。
(i) Dfcy溶液・Fcy溶液/PBS 100μL (終濃度0.5%又は1%で評価)
(ii)500μM 硫酸鉄/大塚蒸留水 20μL (終濃度 50μM)
(iii)100mM DMPO/大塚蒸留水 20μL (終濃度 10mM)
(iv)大塚蒸留水 40μL
(v)10mM H2O2/大塚蒸留水 20μL (終濃度 1mM)
測定されたシグナルの最大強度を表9に示す。DfcyもFcyも添加しなかったコントロールのシグナルの最大強度は約13であった。Dfcy及びFcyはESRのシグナルをコントロールに比べて減少させた。このことから、Dfcy及びFcyはヒドロキシラジカル消去能を有することが分かる。また、シグナル強度の減少の大きさより、Dfcyの方がFcyよりもヒドロキシラジカル消去能が高いことが分かった。
(i)→(vi)の順でエッペンチューブ(1.5ml容)に溶液を加えた。
(i)蒸留水 0.22ml
(ii) 0.5M リン酸バッファー(pH7.0)0.5ml
(iii) 7% リノール酸(V/V)メタノール溶液 0.01ml
(iv)テストサンプル メタノール溶液0.01ml
(v) 10mM 硫酸鉄水溶液 0.01ml
(vi) 70mM アスコルビン酸水溶液 0.01ml
よく混和し、60℃で24時間保温する。
これに以下の溶液を加えた。
(vii) 25%TCA 1ml
(viii) 0.67% チオバルビルツール酸 2 ml
沸騰水浴中で15分加熱
(ix)n-ブタノール2 ml
過酸化脂質の生成の抑制率は、下記の式(B)により算出した。式(B)において、ブランク1は(リノール酸を添加しないときの値)を指し、ブランク2は(硫酸鉄およびアスコルビン酸を添加しないときの値)を指す。
過酸化脂質生成抑制率=(100-A532テストサンプル)/
(A532コントロール−A532ブランク1−A532ブランク2)
・・・・・式(B)
結果を図1に示す。Dfcyは非常に強い過酸化脂質生成抑制作用を示し、その作用は濃度依存的であった。
Dfcyの過酸化脂質生成抑制作用を抗酸化作用を有する既知の物質と比較した。具体的には、実施例4において、(i)〜(vi)に加えて被験物質の各15mg/mlのメタノール溶液を添加した他は、実施例4と同様の操作を行った。被験物質としては、ラクトフェリン、α-トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン、及びDfcyを用いた。過酸化脂質の生成の抑制率は、実施例4と同様にして算出した。結果を図2に示す。Dfcyの過酸化脂質生成抑制作用は、食品用抗酸化剤として汎用されているαトコフェロールやブチルヒドロキシトルエンと同程度であり、同じ鉄キレートタンパク質であるラクトフェリンより強かった。
以下に、本発明の抗炎症剤、抗酸化剤の処方例を示す。
食品組成物
<処方例1 クッキー>
小麦粉(薄力粉)100g、ベーキングパウダー2.5g、食塩1.5g、デフェリフェリクリシン200mgを混合し、これにバター40gとミルク50gを加え、これをオーブンで180℃、10分間焼き上げ、シデロフォア強化クッキーを得た。得られたクッキーには、デフェリフェリクリシンが1.5mg/g含まれていた。これは抗炎症剤、抗酸化剤として用いることができる。
ゼラチン5g、ショ糖20g、水50gから膨潤ゼラチンを作る。プレーンヨーグルト140gにデフェリフェリクリシン160mgを加え、上記膨潤ゼラチンを加えて冷やす。これを固めてシデロフォア強化ゼリーを得た。得られたゼリーには、デフェリフェリクリシンが0.75mg/g含まれていた。これは抗炎症剤、抗酸化剤として用いることができる。
上白糖500g、水飴440gを少量の水に溶解し、さらにデフェリフェリクリシン4gを添加して減圧下130℃で煮詰めた。その後、クエン酸3.5g、酒石酸1.5g、脱脂卵黄蛋白分解物1gを添加した。これを冷却してシデロフォア強化飴を得た。得られた飴には、デフェリフェリクリシンが5mg/g含まれていた。これは抗炎症剤、抗酸化剤として用いることができる。
牛乳1200g、生クリーム310g、上白糖300g、脱脂粉乳60g、脱脂卵黄蛋白分解物1g、増粘安定剤6g、デフェリフェリクリシン800mgに水を加えて全量2000mlにして溶解した。これを80℃まで加熱した後、ホモミキサーで予備乳化し、引き続きホモゲナイズした。冷却し熟成させた後バニラエッセンス2gを加えフリージングを行った。その後−40℃まで急冷してシデロフォア強化アイスクリームを得た。得られたアイスクリームには、デフェリフェリクリシンが0.4mg/g含まれていた。これは抗炎症剤、抗酸化剤として用いることができる。
糸寒天7.5gを溶かし、これに小豆漉し餡660g、グラニュー糖300g、水550ml、デフェリフェリクリシン2gを混ぜて溶かして煮詰め、冷やしてシデロフォア強化羊羹を得た。得られた羊羹には、デフェリフェリクリシンが2mg/g含まれていた。これは抗炎症剤、抗酸化剤として用いることができる。
20%脱脂乳を120℃で、3秒間殺菌した後、ストレプトコッカス・サーモフィルス及びラクトバチルス・カゼイの種菌を培養してヨーグルトベース400gを得た。さらに、砂糖70g、ペクチン3g、デフェリフェリクリシン800mgを水に溶解させ、水を加え全量を600gとした。この溶液を120℃で、3秒間殺菌してシロップを得た。上記のヨーグルトベースとシロップを混合し、香料を1g添加した後、均質化して、シデロフォア強化ヨーグルトを得た。得られたヨーグルトには、デフェリフェリクリシンが0.8mg/g含まれていた。これは抗炎症剤、抗酸化剤として用いることができる。
牛乳100mlにデフェリフェリクリシン40mgを入れてよく撹拌し、シデロフォア強化牛乳を得た。得られた牛乳には、デフェリフェリクリシンが0.4mg/ml含まれていた。これは抗炎症剤、抗酸化剤として用いることができる。
カカオマス25g、カカオバター15g、全脂粉乳15g、粉砂糖30g、粉ミルク15gとデフェリフェリクリシン250mgを混和し、45℃で暖めた後に冷却し、シデロフォア強化チョコレートを得た。得られたチョコレートには、デフェリフェリクリシンが2.5mg/g含まれていた。これは抗炎症剤、抗酸化剤として用いることができる。
卵黄20gに食塩2.5g、蔗糖1.5g、マスタード1.5g、胡椒0.1g、レモン汁5g、デフェリフェリクリシン3.2gを加え、これに酢10gとサラダ油160gとを加えてよく攪拌してシデロフォア強化マヨネーズを得た。得られたマヨネーズには、デフェリフェリクリシンが16mg/g含まれていた。これは抗炎症剤、抗酸化剤として用いることができる。
トマト1kgを皮をむいてミキサーにかけ、加熱して煮詰めた後、すりおろしたタマネギ10g、ニンニク3gを加え、さらに砂糖10g、塩2g、デフェリフェリクリシン4.8gを加える。弱火にして香辛料(シナモンスティック、クローブ、胡椒、唐辛子)1g、酢を30g加え、一度加熱した後、冷ましてシデロフォア強化ケチャップを得た。得られたケチャップには、デフェリフェリクリシンが16mg/g含まれていた。これは抗炎症剤、抗酸化剤として用いることができる。
小麦粉(薄力粉)125g、バター100g、カレー粉20gとデフェリフェリクリシン1.0gに、少量の水を加えて混和し、固めてシデロフォア強化カレールウを得た。得られたカレールウには、デフェリフェリクリシンが4mg/g含まれていた。これは抗炎症剤、抗酸化剤として用いることができる。
魚のすり身100g、粉末マッシュポテト10g、小麦粉5g、卵白50g、塩2g、砂糖0.2g、みりん10g、デフェリフェリクリシン1.3gを加え、これらを混ぜてペースト状にし、蒸し器で蒸してシデロフォア強化蒲鉾を得た。得られた蒲鉾には、デフェリフェリクリシンが7mg/g含まれていた。これは抗炎症剤、抗酸化剤として用いることができる。
戻した昆布25g、かつおだし150ml、砂糖15g、醤油15g、酢10g、デフェリフェリクリシン400mgを混合し、沸騰させてから中火で煮詰めてシデロフォア強化佃煮を得た。得られた佃煮には、デフェリフェリクリシンが5mg/g含まれていた。これは抗炎症剤、抗酸化剤として用いることができる。
いりごま15g、味付けごま20g、味付け削り節10g、味付けかつお塩顆粒10g、味付けのり顆粒10g、デフェリフェリクリシン1.6gをよく混合して、シデロフォア強化ふりかけを得た。得られたふりかけには、デフェリフェリクリシンが25mg/g含まれていた。これは抗炎症剤、抗酸化剤として用いることができる。
白米150g、水220gとデフェリフェリクリシン160mgを混合し、炊飯器で炊き上げ、シデロフォア強化米飯を得た。得られた米飯には、デフェリフェリクリシンが0.5mg/g含まれていた。これは抗炎症剤、抗酸化剤として用いることができる。
水400g、塩50gを混合して塩を溶かし、これに小麦粉(中力粉)1000g、デフェリフェリクリシン1.6gを混ぜ、よくこねる。固まったらこれをよく伸ばし、5mm幅に切る。これを10分茹でて、その後冷やしてシデロフォア強化うどん麺を得た。得られたうどん麺には、デフェリフェリクリシンが3mg/g含まれていた。これは抗炎症剤、抗酸化剤として用いることができる。
清酒100mlにデフェリフェリクリシン20mgを加え、よく撹拌してシデロフォア強化清酒を得た。得られた清酒には、デフェリフェリクリシンが0.2mg/ml含まれていた。これは抗炎症剤、抗酸化剤として用いることができる。
焼酎100mlにデフェリフェリクリシン40mgを加え、よく撹拌してシデロフォア強化焼酎を得た。得られた焼酎には、デフェリフェリクリシンが0.4mg/ml含まれていた。これは抗炎症剤、抗酸化剤として用いることができる。
ワイン100mlにデフェリフェリクリシン20mgを加え、よく撹拌してシデロフォア強化ワインを得た。得られたワインには、デフェリフェリクリシンが0.2mg/ml含まれていた。これは抗炎症剤、抗酸化剤として用いることができる。
ビール100mlにデフェリフェリクリシン12mgを加え、撹拌してシデロフォア強化ビールを得た。得られたビールには、デフェリフェリクリシンが0.12mg/ml含まれていた。これは抗炎症剤、抗酸化剤として用いることができる。
ウィスキー100mlにデフェリフェリクリシン100mgを加え、よく撹拌してシデロフォア強化ウィスキーを得た。得られたウィスキーには、デフェリフェリクリシンが1mg/ml含まれていた。これは抗炎症剤、抗酸化剤として用いることができる。
ブランデー100mlにデフェリフェリクリシン100mgを加え、よく撹拌してシデロフォア強化ブランデーを得た。得られたブランデーには、デフェリフェリクリシンが1mg/ml含まれていた。これは抗炎症剤、抗酸化剤として用いることができる。
スピリッツ100mlにデフェリフェリクリシン100mgを加え、よく撹拌してシデロフォア強化スピリッツを得た。得られたスピリッツには、デフェリフェリクリシンが1mg/ml含まれていた。これは抗炎症剤、抗酸化剤として用いることができる。
リキュ−ル100mlにデフェリフェリクリシン100mgを加え、よく撹拌してシデロフォア強化リキュールを得た。得られたリキュールには、デフェリフェリクリシンが1mg/ml含まれていた。これは抗炎症剤、抗酸化剤として用いることができる。
みりん100mlにデフェリフェリクリシン400mgを加え、よく撹拌してシデロフォア強化みりんを得た。得られたみりんには、デフェリフェリクリシンが4mg/ml含まれていた。これは抗炎症剤、抗酸化剤として用いることができる。
お茶100mlにデフェリフェリクリシン40mgを加え、よく撹拌してシデロフォア強化茶を得た。得られた茶には、デフェリフェリクリシンが0.4mg/ml含まれていた。これは抗炎症剤、抗酸化剤として用いることができる。
コーヒー100mlにデフェリフェリクリシン40mgを加え、よく撹拌してシデロフォア強化コーヒーを得た。得られたコーヒーには、デフェリフェリクリシンが0.4mg/ml含まれていた。これは抗炎症剤、抗酸化剤として用いることができる。
水100ml、果糖5g、ショ糖2g、クエン酸0.3g、ナトリウム20mg、カルシウム2mg、カリウム20mg、アルギニン20mg、イソロイシン10mg、バリン10mg、ロイシン10mg、ビタミンC100mg、β-カロチン1mgにデフェリフェリクリシン15mgを加え、よく撹拌してシデロフォア強化スポーツドリンクを得た。得られたスポーツドリンクには、デフェリフェリクリシンが0.15mg/ml含まれていた。これは抗炎症剤、抗酸化剤として用いることができる。
バレンシアオレンジ果汁30ml、レモン果汁3ml、果糖1.5g、クエン酸0.5g、ビタミンC0.1g、デフェリフェリクリシン15mgを加え、これに水を加えて100mlとし、よく撹拌した後に炭酸ガスを封入し、シデロフォア強化清涼飲料水を得た。得られた清涼飲料水には、デフェリフェリクリシンが0.15mg/ml含まれていた。これは抗炎症剤、抗酸化剤として用いることができる。
ポタージュスープ100mlにデフェリフェリクリシン40mgを加え、よく撹拌してシデロフォア強化スープを得た。得られたスープには、デフェリフェリクリシンが0.4mg/ml含まれていた。これは抗炎症剤、抗酸化剤として用いることができる。
<処方例31 錠剤>
デフェリフェリクリシン20gとバレイショデンプン50g、アルギン酸ナトリウム10g、カルボキシメチルセルロース10gを混合し、100錠を造粒し、10gのステアリン酸マグネシウムを加えて混合し、打錠して、抗炎症剤、抗酸化剤の錠剤を得た。
デフェリフェリクリシン20gとバレイショデンプン100gを混合して、これにアルギン酸ナトリウム10gを加え、造粒してほぼ均一な大きさの小粒とした後にこれを乾燥させ、抗炎症剤、抗酸化剤の散剤を得た。
安息香酸ナトリウム0.7gに精製水1000mlを加えて安息香酸ナトリウムを溶解させ、白糖700gを加えて溶解させた。これにデフェリフェリクリシン20gを加えて混合し、さらに酒石酸20gを加えて混合して抗炎症剤、抗酸化剤のシロップ剤を得た。
デフェリフェリクリシン1000mgとプロピレングリコール0.1ml、ポリエチレングリコール0.1ml、ベンジルアルコール0.1mlを日本薬局方に規定された注射用水50mlに溶解させ、濾過後、アンプルに充填して密封し、滅菌して抗炎症剤、抗酸化剤の注射剤を得た。
Claims (11)
- シデロフォア及び/又はその鉄錯体を含む抗炎症剤。
- シデロフォアがフェリクローム類である請求項1に記載の抗炎症剤。
- フェリクローム類がデフェリフェリクリシンである請求項2に記載の抗炎症剤。
- 炎症が消化管の炎症である請求項1〜3のいずれかに記載の抗炎症剤。
- 消化管の炎症が大腸炎である請求項4に記載の抗炎症剤。
- 経口投与用である請求項1〜5のいずれかに記載の抗炎症剤。
- シデロフォア及び/又はその鉄錯体を含む抗酸化剤。
- シデロフォアがフェリクローム類である請求項7に記載の抗酸化剤。
- フェリクローム類がデフェリフェリクリシンである請求項8に記載の抗酸化剤。
- シデロフォア及び/又はその鉄錯体を飲食品、化粧品、医薬品、及び試薬からなる群より選ばれる物質に添加する工程を含む、酸化が抑制された物質の製造方法。
- シデロフォア及びその鉄錯体を飲食品、化粧品、医薬品、及び試薬からなる群より選ばれる物質に添加する工程を含む、物質の酸化抑制方法。
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