JP2008198536A - 電極及びそれを用いた二次電池又はキャパシタ - Google Patents

電極及びそれを用いた二次電池又はキャパシタ Download PDF

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Abstract

【課題】電極作製時に好適な高流動性を示し、高電気導電性・高容量などの特性を示す電極及びそれを用いた二次電池又はキャパシタを提供することを目的とする。
【解決手段】熱硬化性樹脂を熱処理して得られる真球状ガラス状炭素材を活物質として含むことを特徴とする電極であって、好ましくは、熱硬化性樹脂を500℃〜1600℃で熱処理することで得られる真球状ガラス状炭素材を活物質として含み、また好ましくは、金属化合物が添加および/または被覆された熱硬化性樹脂を熱処理することで得られる真球状ガラス状炭素材を活物質として含み、さらに好ましくは、活物質として真球状ガラス状炭素材を含む電極において、真球状ガラス状炭素材を導電性材料として用いることを特徴とする前記の電極。
【選択図】なし

Description

本発明は、電極に関し、特に電極用活物質として真球状ガラス状炭素材を用いることを特徴とする電極及びそれを用いた二次電池又はキャパシタに関するものである。
近年、ノート型コンピュータや携帯電話などの電子機器用途、または自動車用のバッテリー用途として、二次電池やキャパシタの研究開発が盛んである。たとえば二次電池としては、カドミウムを用いて得られるアルカリ二次電池(ニッケル−カドミウム電池)、水素吸蔵合金を用いて得られるアルカリ二次電池(Ni−MH電池)、リチウム化合物を用いた非水電解液二次電池(リチウムイオン電池)などが挙げられる。キャパシタとしては、レドックスキャパシタや電気二重層キャパシタ、リチウムイオンを伝送可能な電解質を用い負極にリチウムイオンをドープしたリチウムイオンキャパシタなどが挙げられる。
二次電池やキャパシタには、例えばノート型コンピュータや携帯電話などの電子機器では小型で軽量でありながら大容量・高出力化が求められており、また自動車用バッテリーなどでは、そのような高エネルギー密度化、高出力密度化のほか、充電時間の短縮すなわち充放電時間の高速化が求められている。さらに、二次電池においては電極劣化による発熱・熱暴走による発火が問題となっており、電極材料において高信頼性・高信頼性が求められている。
上記のような大容量・高出力の二次電池としてリチウムイオン二次電池が広く実用化されている。リチウムイオン二次電池の負極電極はアルミ箔などの集電体表面に、活物質と金属粉やカーボンからなる導電性助剤およびバインダーを添加し水等の存在下、混練・調製したペーストをドクターブレードにより塗布・乾燥することにより、活物質等を集電体に結着・密着させ、薄い負極材層を形成したものである。一方、キャパシタの電極は一般に、アルミニウム、ステンレスなどからなる集電体シートと、その表面に形成され、活性炭などの高い比表面積を有する活物質、導電性カーボンなどの導電性助剤およびバインダーの混合物よりなる電極層を含んでいる。この電極層は、活物質、導電助剤およびバインダーの混合物よりなる塗布液を、集電体シートの表面に塗布し、あるいは、活物質、導電助剤およびバインダーの混合物よりなるシートを成形し、集電体シートの表面に接着することによって形成される。
リチウムイオン二次電池の負極活物質としては、充放電特性に優れ、特に平坦性を示す黒鉛材料が主に用いられている(特許文献1)。負極材料として用いられる黒鉛(黒鉛質)材料は天然黒鉛、人造黒鉛などの黒鉛粒子、さらにはピッチ、タールを原料としたメソフェーズ黒鉛質粒子などがあげられる。
しかし、活物質として天然黒鉛を用いた場合には、天然黒鉛粒子が鱗片状であるため負極電極を作製する場合に配向しやすく、特に細粒化した際には放電容量が大きいが、初期充放電効率・サイクル特性や高速充放電特性が低いという問題点があった。
また高結晶性の炭素材料を細粒化して電極材料として用いる場合には、細粒化による初期充放電効率・サイクル特性や高速充放電特性が低下するほか、粒子の細粒化には粒子をミルなど機械的に粉砕する方法や粒子にせん断力や圧縮力を印加する方法などが用いられるが、細粒化後の粒子形状が不定形となるため、電極作製時の混練・調製工程において溶液の粘度上昇や凝集・発泡を起こしやすく、溶媒量を増加させたり、電池特性に必要のない添加剤をしようするなど、不必要な材料・工程を用いなければならないという問題点があった。
そのためメソフェーズピッチを熱処理して得られる、メソフェーズ黒鉛質粒子は球状または球状に近い形状であり負極作製時に配向することなく積層・結着することから、サイクル特性や高速充放電特性に良好な結果を示すが、負極を作製する結着剤の種類によっては、例えば有機溶媒系の分散媒を用いた場合には良好な充放電特性を示すものの、近年環境面・安全面への配慮から水系溶媒・水系結着剤の使用が求められるが、これらの結着剤として使用した場合には有機溶媒系の場合に比べ充放電特性が劣ってしまうという問題点があった(特許文献2)。
充放電特性を向上させるために、負極材料にケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのアモルファスカーボンを付着させる方法が提案されているが(特許文献3)、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックは導電性が高々10−1Ω・cm程度であり、電極としての低抵抗化としての効果は小さく、またカーボンブラックは粒子サイズが一次粒子径で数十nmと小さいため凝集を起こしやすいため低抵抗化を図る際には使用量を多くする必要があるため結果的に活物質の割合が低下し、充放電特性を低下してさせてしまうほか、また電極作製時の混練・塗布工程では凝集により粘度上昇し、更なる添加剤の使用などが必須となってしまうという問題点があった。
また、天然黒鉛などの黒鉛質粒子に炭素質層を被覆させた活物質を用いた負極電極が提案されているが(特許文献4〜6)、細粒化された黒鉛質粒子全ての表面を被覆することは困難であり、またそのためには多くの被覆材料を使用することから、焼成・黒鉛化時の融着が生じ細粒化することができなくなる。また、表面の被覆層は薄く、黒鉛質粒子との界面が脆弱となることから、電極作製の工程中に被覆層の破壊が生じ、新たに生じた界面での活性のため、初期充放電特性が低下してしまうなどの問題点があった。
真球状のフェノール樹脂を焼成としたガラス状炭素材を活物質として用いることが提案されてはいるが(特許文献7)、この真球状ガラス状炭素の比表面積は10m2/g以下と非常に小さいため電池容量増加に寄与することはなく、さらに可逆性の改善の効果は小さいという問題点があった。
導電助剤として真球状ガラス状炭素材を用いることも提案されているが(特許文献8)、この真球状ガラス状炭素の比表面積は10m2/gと非常に小さく、電池容量増加に寄与することはない。さらに活物質がフィルム形状の炭素質材料を粉砕したものであるため、電極調製時には多量の水分が必要となる。
真球状ガラス状炭素材では流動性が高まることは提案されているが(特許文献9)、DNA固定用ビーズとして利用する場合と、電極活物質として利用する際では、ガラス状炭素材の比表面積や使用する炭素材比率が全く異なることから参考にはならない。
また、電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタの電極活物質には比表面積の大きい活性炭材料が広く用いられるが、比表面積が大きいこと、形状がアスペクト比の大きいもしくは不定形である形状であることから、電極作製時の混練・塗布工程では凝集により粘度上昇し、更なる添加剤の使用などが必須となってしまうという問題点がある。
炭素材料は一般に水蒸気賦活やアルカリ賦活という方法でより細孔径が2nm〜50nmメソ孔や50nm以上のマクロ孔を形成する方法が知られているが、活性炭のような比較的初期の段階でメソ孔が発達した比表面積の大きい材料では、賦活処理によりさらに細孔径を形成することが可能であるが、真球状の炭素材料の場合は、賦活処理時に処理ムラが発生し易く、安定して多くの炭素材を処理することが困難である。
フェノール類とアルデヒド類の縮合物を特定の温度領域で熱処理した有機高分子材料がポリアセン構造を有することで電子供与性ドーピング剤または電子受容性ドーピング剤をドーピングすることにより電気伝導性を増加させる方法や、芳香族ポリイミドフィルムを不活性雰囲気下で熱処理したグラファイトがドーピング剤をドーピングもしくは脱ドーピングでき、その炭素質材料を電極材として用いる例が開示されているが(特許文献10〜11)、これらの材料はもともとの電気伝導性が低く、さらにドーピングによる電気伝導性が向上しないため電気導電性材料として満足できるものではなかった。
特公昭62−23433号公報 特開2005−243447号公報 特開平11−265716号公報 特開平5−307959号公報 特開平10−334916号公報 特開平11−343108号公報 特開平9−169512号公報 特許第3297116号公報 特開2003−121436号公報 特公平1−44212号公報 特開昭61−277165号公報
本発明は、かかる状況を鑑み、電極作製時に好適な高流動性を示し、高電気導電性・高容量などの特性を示す電極及びそれを用いた二次電池又はキャパシタを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、電池及びキャパシタ電極に関し、特に電極用活物質として真球状ガラス状炭素材を用いることで上記課題を解決できることを見出し、本発明に達した。
すなわち本発明の第一は、熱硬化性樹脂を熱処理して得られる真球状ガラス状炭素材を活物質として含むことを特徴とする電極を要旨とするものであり、好ましくは、熱硬化性樹脂を500℃〜1600℃で熱処理することで得られる真球状ガラス状炭素材を活物質として含むことを特徴とする前記の電極であり、また好ましくは、金属化合物が添加および/または被覆された熱硬化性樹脂を熱処理することで得られる真球状ガラス状炭素材を活物質として含むことを特徴とする前記の電極であり、さらに好ましくは、活物質として真球状ガラス状炭素材を含む電極において、真球状ガラス状炭素材を導電性材料として用いることを特徴とする前記の電極である。本発明の第二は、前記したいずれかの電極を用いることを特徴とする二次電池又はキャパシタを要旨とするものである。
本発明によれば、真球状ガラス状炭素材を用いることで電極作製時に粘度調整剤を用いることなくもしくは少量で好適な高流動性を示し、金属化合物を添加・被覆し熱処理することで、メソ孔を形成したガラス状炭素材を得ることができるため、高容量などの特性を示すことが可能となる。また、導電助剤として真球状ガラス状炭素材をも用いることで高電気導電性で高集積な電極およびそれを用いてなる二次電池またはキャパシタを得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において用いられる真球状ガラス状炭素材は、熱硬化性樹脂粒子を不活性ガス雰囲気中で炭化焼成することで得られる。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂のほか、フルフリルアルコール樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、ポリイミド樹脂、などが用いられる。このなかでも高残炭率なフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などが好ましい。
本発明におけるガラス状炭素材の真球度は、0.7以上、1.0以下であることが好ましい。真球度は球状ガラス状炭素材を顕微鏡観察写真により解析し、撮影範囲から任意に選んだ50個の炭素材について炭素材最小外接円を描き、その中心から半径方向に、中心とガラス状炭素材外周上の一点を結ぶ直線において最も短いものを短径、最小外接円の半径を長径とし、各粒子の短径/長径を算出して求められる。真球度が0.7以上であるとガラス状炭素材を充填・流動させたときの粒子間のすべりがよい。この真球度が0.7より小さいと、電極作製時の混練・調製時おいて流動性が低くなり、粘度調整のため添加剤を使用したり、その使用量を増やす必要がある。
本発明における真球状ガラス状炭素材は熱硬化性樹脂を炭化焼成することで得られるが、その焼成温度は500℃〜1600℃が好ましく、さらには700℃〜1200℃の範囲が好ましい。500℃より焼成温度が低い場合には熱硬化性樹脂の炭素化が進んでいないため、揮発分発生により比表面積は比較的大きいものの電気導電性が低く、電極材料としたときの導電性に劣り、さらに炭素化進行程度が不安定で安定したガラス状炭素材を得ることができない。1600℃以上の焼成温度では電気導電性は優れているものの、炭素化による収縮のため比表面積は非常に小さくなる。
炭化焼成後の炭素材は一部融着していることがあるため解砕することが望ましい。解砕方法は公知の方法を採用することができ、ボールミルなどのミルにより一部粉砕によって粒子を解砕してもよい。このとき、全粒子に含まれる真球状ガラス状炭素材の割合は70%以上であることが好ましい。70%より小さい場合には混練時の流動性を保持することが困難となる。
本発明で用いられる真球状ガラス状炭素材の粒径は、メジアン径で0.5〜100ミクロンが好ましく、さらには0.5〜30ミクロンが好ましい。通常電極材料は単位面積あたりの活物質量を多くするため電極厚みが厚いほうが容量が大きくなるが、それにより電極抵抗が大きくなってしまうため、容量が低下しない程度に電極厚みを薄くする必要がある。電極厚みは200ミクロン以下、さらには100ミクロン以下であることが好ましいため、活物質となる真球状ガラス状炭素材のメジアン径は100ミクロン以下、高密度に集積する場合には、30ミクロン以下であることが好ましい。メジアン径で0.5ミクロンより小さくなると比表面積が増加することで後述する電極スラリーを作製する際粘度上昇を起こし、塗布工程にて均一な厚みにすることができず、良好な電極を作製することができない。
一方で、上記した真球状ガラス状炭素材は電極導電助剤として用いることもでき、その場合には、真球状である活物質の隙間を導電助剤が埋めるように配設されることが理想的であり、そのためメジアン径は活物質より小さいことが好ましく、具体的には0.5〜10ミクロンであることが好ましい。
本発明における真球状ガラス状炭素材は、球状の熱硬化性樹脂に金属化合物を添加および/または被覆した後熱処理されて得ることができる。このようにして得られた真球状ガラス状炭素材は細孔径が2nm〜50nm程度のいわゆるメソ孔を形成することができる。用いられる金属化合物としては、コバルト,ニッケル,鉄,クロム,マンガンなどの遷移金属化合物が用いられ、酸化物,水酸化物,塩化物,硫酸塩,炭酸塩,硝酸塩などの無機酸塩や、クエン酸塩,シュウ酸塩,酢酸塩などの有機酸塩,金属錯体などが用いられる。これら金属化合物の中でも、無機酸塩としては塩化物,硫酸塩,炭酸塩,硝酸塩、有機酸塩としてはステアリン酸塩,12-ヒドロキシステアリン酸,モンタン酸,ベヘン酸,ラウリン酸,オクチル酸,セバシン酸,ウンデシレン酸,リシノール酸,ミリスチン酸,パルミチン酸、金属錯体としてはフタロシアニン錯体,アセチルアセトネート錯体が好適に用いられる。
これら金属化合物を熱硬化性樹脂に添加・被覆する方法としては、例えば金属化合物の水溶液を用い樹脂材料に含浸する方法や、金属化合物粉末と混合し被覆する方法、スプレードライヤー法により樹脂粒子に被覆する方法などが用いられる。
用いる金属化合物は熱硬化性樹脂重量に対し、0.005質量%〜40質量%であることが好ましい。0.005質量%より添加量が少ない場合には、目的とする細孔を形成することが困難となる場合がある。一方で40質量%より添加量が多い場合には、金属化合物が凝集してしまうため細孔形成ができない場合がある。
このようにして金属化合物が添加・被覆された熱硬化性樹脂は、不活性雰囲気下にて炭化焼成される。炭化焼成時間や炭化焼成温度は必要なメソ孔が形成されるように調整することができるが、通常焼成温度は700℃以上1600℃以下であることが好ましい。700℃より低い場合には金属化合物の還元的な反応が生じににくく、目的のメソ孔形成が困難である。1600℃より高い場合にはメソ孔の制御が困難であること、これ以上焼成温度を高くしてもメソ孔形成に特段の効果はなく生産上無駄となることから好ましくない。
炭化焼成後の真球状ガラス状カーボン材には金属分を含有したままであることが多いため、必要に応じて酸性溶液に浸漬するなどの方法を用いて、金属分を除去することができる。
このように炭化焼成して得られた真球状ガラス状炭素材のBET法による比表面積は、500m/g以上、全細孔容積は0.3ml/g以上であることが好ましい。比表面積がこれより小さい場合にはLiイオンの吸蔵されるサイトが少なく電池容量が小さくなってしまう。
得られた真球状ガラス状炭素材の電気導電性は粉末状であるため粒子径や印加圧力によって変化する。例えばメジアン径10ミクロンの真球状ガラス状炭素材に圧力75kgf/cm2を印加した際の電気抵抗率は100mΩ・cm以下であることが好ましい。これより電気抵抗率が高い場合には、真球状ガラス状炭素材を活物質もしくは導電助剤として用いる場合、電池内部抵抗が高くなり電池性能が劣化してしまう。
得られた真球状ガラス状炭素材の表面は親水化処理されることが好ましい。親水化処理により電解質液との濡れ性が向上し、電池特性を向上させることができる。親水化の方法は、ガラス状炭素材をプラズマ処理,コロナ放電処理する方法や、酸素濃度20%以下の雰囲気下400〜1000℃の温度条件において熱処理する方法、過酸化水素濃度1%以上、鉄イオン0.1ppm以上を含有する酸溶液など、各種酸性水溶液を用いて酸処理する方法などが用いられる。
(電極作製)
このようにして得られた真球状ガラス状炭素材を活物質および/または導電助剤として用いて電極を作製し、二次電池もしくはキャパシタ用電極として使用する。
電極は通常、活物質、導電助剤及びバインダー樹脂を混合・分散しスラリーを形成し、アプリケータなどで集電体上に塗布した後、乾燥・プレスすることで作製される。混合・分散工程では必要に応じて溶媒や添加剤を用いることで粘度調整が行われ、流動性が良く、フィルム化が容易になることが望まれる。塗布工程ではフィルムアプリケータやコータを用いて一定の厚み・組成にスラリー膜を形成する。このスラリー膜を乾燥後・所定の圧力でプレスすることで電極が作製される。
他の電極作製方法としては活物質、導電助剤及びバインダー樹脂を混合したのち混合物にせん断力が印加されるような方法で混練し、さらに混練後シートを形成、成形後接着剤等で集電体と接合し乾燥して電極材を作製する方法もある。
いずれの場合も混合・混練時の粘度調整や活物質の分散度合いが電池性能に大きく影響するため、流動性が高く、フィルムやシートの作製が容易であることが望まれる。
電極は上記ガラス状炭素材とバインダー用の樹脂を混合あるいは混練して成形する。バインダー用の樹脂して、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の電池用電極に通常使用される樹脂や、ポリオレフィン樹脂の水性分散体が用いられる。中でもポリオレフィン樹脂の水性分散体を用いることが有機溶媒を使用することなく、結着性などに優れることから好適である。活物質と電極形成用バインダーとの配合比率は、活物質100質量%に対して電極形成用バインダー中の樹脂固形分が0.05〜25質量%となるように添加して用いるのが好ましい。さらに好ましくは、0.1〜20質量%である。バインダー中の樹脂固形分量が0.05質量%未満であると、活物質を集電体に結着させる力が不充分であり、脱落し電池の容量が低下するおそれがある。一方、電極形成用バインダーの固形分が25質量%を越えて多すぎると、電池の内部抵抗が増加し、電池特性が低下するため好ましくない。
負極電極には電極抵抗を低下させるために導電助剤を用いることもできる。負極電極上の活物質と導電助剤の配合比率は、活物質100質量%に対して10質量%以下であることが好ましい。10質量%以上であると集電体、活物質および導電材の各材料間の十分な結着性が得られないことがある。
導電助剤としては、金属もしくはその化合物または炭素質材料を用いることができる。金属もしくはその化合物としては、ニッケル、コバルト、チタン、酸化コバルト、酸化チタン等を挙げることができる。炭素質材料としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラックなどのカーボンブラック、グラファイト、炭素繊維等を挙げることができるが、本発明によって得られる真球状ガラス状炭素材をすることが好ましい。本発明の真球状ガラス状炭素材はメソ孔を有する炭素材料であるため、カーボンブラックや炭素繊維等と異なり活物質と同等の役割を果たすことが可能となる。また黒鉛材料とことなり、真球形状であることから高密度で電極上に集積することが可能となり、また混練時の炭素材料の分散性に優れ、低粘度な電極スラリーを作製することができる。
混合・混練後のスラリーや混練物の粘度は100〜50,000mPa・s、好ましくは500〜10,000mPa・s、より好ましくは1,000〜8,000mPa・sである。粘度が100mPa・s未満だと、スラリーを作製したときの塗布性が悪く、必要な厚みに塗工できない可能性がある。50,000mPa・sより大きい場合には流動性が低いため、塗布工程でのフィルム作製やシート作製時に均一な厚みのものが作製困難となり、活物質分散度合いも悪くなり、電池性能としてばらつきが大きくなる。真球状ガラス状炭素材を活物質または/および導電助剤として用いた場合、粒子径が小さく、比表面積の大きい活物質や導電助剤を用いても、溶媒量も少なく、また粘度調整のために例えばカルボメキシメチルセルロースなどを使用することなく、もしくは少量用いるだけで所定の粘度に調整することが可能となる。
またこのようにメソ孔を形成した真球状ガラス状炭素のみからなる負極電極を、有機電解質キャパシタ、特にLi金属を負極にドーピングし負極電位を低下させることでセル電圧を大きくし高容量を得るいわゆるリチウムイオンキャパシタに用いれば、ドーピングされるLi金属量が通常の負極電極より相対的に多くなり、また電極が低抵抗であることからより高容量で高出力な有機電解質キャパシタを得ることができる。
金属集電体としては、ニッケルメッキされた樹脂薄膜、ニッケル箔、アルミ箔、銅箔、ステンレス箔やそれらの網状や板状のパンチングメタル、エキスパンドメタル、金網、発泡金属、網状金属繊維の非焼成式基板や焼成式基板などを挙げることができる。
対極材料としては、例えばリチウムイオン二次電池の場合、LiCoO2 、LiNiO2 、LiMnO2 、LiMn24、LiNinCon-12 、LiNinMnn-12、LiNiMnCoO2、LiFePO4などのリチウム含有酸化物が用いられる。キャパシタ用の場合では、リチウムイオンおよび/ 又は、例えばテトラフルオロボレートのようなアニオンを可逆的に担持できる正極活物質を含有する。上記正極活物質としては、リチウムイオンおよび/ 又はアニオンを可逆的に担持できるものであれば特には限定されず、例えばコークス、ピッチ、樹脂やヤシ殻、おがくずなどの植物などを出発原料とし、水蒸気、二酸化炭素や水酸化カリウムなどを用いて賦活した各種活性炭や導電性高分子、ポリアセン系物質、メソポアが顕著に発達したメソポアカーボン等を用いることができるほか、負極同様正極材として本発明の真球状ガラス状炭素材を活物質として含む電極を用いることもできる。
電池セパレータは、例えばリチウムイオン電池であれば、ポリエチレン不織布、ポリプロピレン不織布、ポリアミド不織布、ガラス繊維などを用い、電解液として、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネートなどの非水溶媒を1種類および2種類以上混合した混合溶媒に六フッ化リン酸リチウム、過塩素酸リチウムなどの支持電解塩が添加されたものを用いることができる。
キャパシタであれば、セパレータとして、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン製の微孔膜または不織布;一般に電解コンデンサ紙と呼ばれるパルプを主原料とする多孔質膜;無機セラミック粉末を含む多孔質の樹脂;など公知のものを用いることができる。また、セパレータに代えて固体電解質あるいはゲル電解質を用いてもよい。
電解質としては、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、トリエチルモノメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェート、イオン性液体、硫酸水溶液、水酸化カリウム水溶液などが挙げられる。電解質を溶解させる溶媒(電解液溶媒)も、一般的に電解液溶媒として用いられるものであれば特に限定されない。具体的には、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどのカーボネート類;γ−ブチロラクトンなどのラクトン類;スルホラン類;アセトニトリルなどのニトリル類;イオン性液体などが挙げられ、これらは単独または二種以上の混合溶媒として使用することができる。
二次電池、たとえばリチウムイオン電池の有機電解液に用いられるリチウム塩としては、LiClO4 、LiPF6 、LiBF4 、LiSbF6、LiAsF6 、LiCF3SO3 、LiN(CF3SO22 、LiC(CF3SO23 、LiAlCl4、LiCl、LiBr、等を挙げることができる。電解液を構成する非プロトン性有機溶媒としては、特に限定はされないが、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、イソ吉草酸メチル、イソ吉草酸エチル、アセトニトリル、ベンゾニトリル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、ジオキソラン、トリエチルフォスファイト、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド、ジオキサン、ジメトキシエタン、ポリエチレングリコール、スルフォラン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、及びトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等の有機溶媒の1種又は2種以上の混合液を使用できる。
以上のような構成部材により電池・キャパシタの形態は特に限定されるものではないが、コイン型、シート型、筒型、角型等の各種電池・キャパシタに実装することができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。ただし、本発明は下記実施例によって何ら制限されるものではない。なお、後述する各種の特性は、以下の方法によって測定または評価した。
1.「真球度の測定」
真球度は球状ガラス状炭素材を顕微鏡観察写真により解析し、撮影範囲から任意に選んだ50個の炭素材について炭素材最小外接円を描き、その中心から半径芳香に、中心とガラス状炭素材外周上の一点を結ぶ直線において最も短いものを短径、最小外接円の半径を長径とし、各粒子の短径/長径を算出して求められる。
2.「粒子径の測定」
粒子径の測定には、マイクロトラック粒度分析計(日機装株式会社製)を用いた。分散媒にはヘキサメタリン酸ナトリウム0.2%を用い、この測定によって得られたメジアン径を平均粒子径とした。
3.「比表面積の測定」
真球状ガラス状炭素材の比表面積の測定には、BELSORP28(日本ベル社製)を用いて測定した。
4.「スラリー粘度の測定」
ブルックフィールド社製B型回転粘度計LVDV−I+を用い25℃での電極スラリーの粘度を測定した。
5.「結着性」
スラリーを膜厚が10μmになるように、ニッケル箔、銅箔またはアルミ箔にコータを用いて塗布し、110℃で10分乾燥した後、塗膜面に粘着テープ(ニチバン社製TF−12)を貼り付けた後、勢いよくテープを剥離した。塗膜面の状態を目視で観察して、以下のように評価した。
◎:全く剥がれがなかった。
○:一部に剥がれが生じた。
△:数箇所剥がれが生じた。
×:全て剥がれた。
6.「体積抵抗率」
スラリーをガラス板に塗布した以外は上述の「結着性」と同様にして模擬電極を得た。この模擬電極の4探針法による体積抵抗率をロレスタ−GP(ダイヤインスツルメンツ社製)で測定した。模擬電極の体積抵抗率が低いほど、内部抵抗が低いことを示し、活物質や導電助剤の分散が良好で、電気容量が大きく、電池・キャパシタとしての性能が良好であることを示す。
7.「サイクル特性」
充放電電流5.0mA/cm、充電終止電圧を4.15V及び放電終止電圧2.8Vで充放電を繰り返した。この充放電を500回繰返した後、500回時点で80%以上を維持できた電池のサイクル特性は◎、70%以上80%未満維持できた電池のサイクル特性は○、70%未満しか維持できなかった電池のサイクル特性は△、500回迄達しなかったものは×と判定した。
8.「高速充放電特性」
充放電電流を5.0mA/cm、から15.0mA/cm、の範囲で変化させ高速充放電特性を比較した。
「評価用電池セルの作製」
(正極材の作製)
正極活物質としてLiCoOを88重量%、導電助剤としてアセチレンブラック、バインダとして10質量%のポリフッ化ビニリデン(PVDF)を乾式混合した後、これに溶媒としてNMPを加えて十分に撹拌してスラリーを調製し、その後、正極集電体である厚さ20μmのアルミ箔上にコーターで塗布した。そして、塗布したものを真空乾燥機にて90℃で2時間以上加熱乾燥して正極を作製した。作製した正極は、残留溶媒を除くため使用前に真空容器に入れて90℃にて12時間高真空下で加熱乾燥した。
(電解質液)
エチレンカーボネート33mol%、メチルエチルカーボネート67mol%の割合で混合してなる混合溶媒に、LiPF6 を1mol/dm3 となる濃度で溶解させ、非水電解液を調製した。
(負極用バインダーの作製)
プロピレン−ブテン−エチレン三元共重合体(ヒュルスジャパン社製、ベストプラスト708、プロピレン/ブテン/エチレン=64.8/23.9/11.3質量%)280gを、4つ口フラスコ中において、窒素雰囲気下で加熱溶融させた。その後、系内温度を170℃に保って、撹拌下、不飽和カルボン酸としての無水マレイン酸32.0gとラジカル発生剤としてのジクミルパーオキサイド6.0gとをそれぞれ1時間かけて加え、その後1時間反応させた。反応終了後、得られた反応物を多量のアセトン中に投入し、樹脂を析出させた。この樹脂をさらにアセトンで数回洗浄し、未反応の無水マレイン酸を除去した後、減圧乾燥機中で減圧乾燥して、ポリオレフィン樹脂を得た。ヒーター付きの密閉できる耐圧1L容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gの前記ポリオレフィン樹脂、90.0gのn−プロパノール(和光純薬社製、特級、沸点97℃)、6.2gのトリエチルアミン(和光純薬社製、特級、沸点89℃)及び143.8gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を140℃に保ってさらに60分間撹拌した。その後、空冷にて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白黄色の均一なバインダーを得た。さらにこのバインダー200g、蒸留水150gを0.5Lの2口丸底フラスコに仕込み、メカニカルスターラーとリービッヒ型冷却器を設置し、フラスコをオイルバスで加熱していき、水性媒体を留去した。約150gの水性媒体を留去したところで、加熱を終了し、室温まで冷却し、冷却後、フラスコ内の液状成分を300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)することで、水性分散体中の有機溶剤の含有率は0.8質量%のバインダーを得た。
(真球状ガラス状炭素材の作製)
(実施例1)
球状フェノール樹脂(ユニベックスC−10、ユニチカ(株)社製、メジアン径10μm)を真空パージ式焼成炉(光洋サーモシステム社製 KLL−974514)を用いて、窒素ガス雰囲気中1000℃で炭化焼成し、表1に示す真球状ガラス状炭素材を得た。
(実施例2)
球状フェノール樹脂(ユニベックスC−10、ユニチカ(株)社製、メジアン径10μm)100質量%に対し、ステアリン酸コバルト5.0質量%混合した後、真空パージ式焼成炉(光洋サーモシステム社製 KLL−974514)を用いて、窒素ガス雰囲気中1200℃で炭化焼成し、表1に示す真球状ガラス状炭素材を得た。
(実施例3)
球状フェノール樹脂(ユニベックスC−10、ユニチカ(株)社製、メジアン径10μm)を室温でFe(NO水溶液に浸漬し、乾燥した後、真空パージ式焼成炉(光洋サーモシステム社製 KLL−974514)を用いて、窒素ガス雰囲気中900℃で炭化焼成し、表1に示す真球状ガラス状炭素材を得た。
(負極電極スラリーの作製)
実施例1〜3で得られた真球状ガラス状炭素材をボールミルで12hr解砕したのち、実施例1〜2で得られた真球状ガラス状炭素材を、溶液温度60℃、過酸化水素濃度5%,鉄イオン0.5ppmを含有するpH=4の酸溶液で酸処理、実施例3の真球状ガラス状炭素材をしたのち溶液温度60℃、過酸化水素濃度5%を含有するpH=4の酸溶液で酸処理し、ガラス状炭素材100質量%に対し、導電助剤としてアセチレンブラックを5質量%を、遊星ミキサーT.K.ハイビスミックス(2P-03型,Primix社製)を用いて乾式混合したのち、前記負極用バインダーを固形分濃度が活物質100質量%に対し10質量%となるように混合、水を加えてさらに攪拌・混合することで、負極電極スラリーを得た。
(実施例4〜6)
実施例1〜3で得られた真球状ガラス状炭素材をそれぞれボールミルで48hr粉砕した後、表1に示す真球状ガラス状炭素を得た。実施例1〜3活物質とし、導電助剤として実施例1〜3を粉砕した真球状ガラス状炭素材を用いた以外は前記負極電極スラリー作製方法と同様にして、負極電極スラリーを得た。
(比較例1)
球状フェノール樹脂(ユニベックスC−10、ユニチカ(株)社製、メジアン径10μm)を真空パージ式焼成炉(光洋サーモシステム社製 KLL−974514)を用いて、窒素ガス雰囲気中4800℃で炭化焼成し、表1に示す真球状ガラス状炭素材を得た。
(比較例2)
液体状フェノール樹脂(群栄化学レジトップ PL-4804)100質量%に対し、ステアリン酸コバルト10.0質量%混合した後、コータを用いて200μmの厚みでガラス上に塗布した。塗布後の樹脂液を、熱風乾燥機にて160℃で2時間乾燥及び硬化させた後、真空パージ式焼成炉(光洋サーモシステム社製 KLL−974514)を用いて、窒素ガス雰囲気中1200℃で炭化焼成してガラス上炭素材を得た。このガラス状炭素材をボールミルにより乾式粉砕することでメジアン径10μmの不定形ガラス状炭素材を得た。
(比較例3)
フェノール樹脂(C2000S,鐘紡社製,メジアン径10μm)100質量%に対し、ステアリン酸コバルト5.0質量%混合した後、真空パージ式焼成炉(光洋サーモシステム社製 KLL−974514)を用いて、窒素ガス雰囲気中1200℃で炭化焼成し、表1に示すガラス状炭素材を得た。
(比較例4)
メジアン径10μmの天然黒鉛粒子を活物質として用いた。
(比較例1〜4の負極スラリー作製)
比較例1〜4で得られた炭素材を、溶液温度60℃、過酸化水素濃度5%,鉄イオン0.5ppmを含有するpH=4の酸溶液で酸処理し、炭素材100質量%に対し、導電助剤としてアセチレンブラックを5質量%を、遊星ミキサーT.K.ハイビスミックス(2P-03型,Primix社製)を用いて乾式混合したのち、前記負極用バインダーを固形分濃度が活物質100質量%に対し10質量%となるように混合、水を加えてさらに攪拌・混合したが、比較例2〜4においては溶液に対して炭素材が分散することなく、塗布工程へ進むことができなかった。その為粘度調整剤としてカルボメキシメチルセルロース(CMC)溶液を100質量%添加し、負極電極スラリーを得ることができた。
(負極電極の作製)
得られた負極電極スラリーを銅箔(厚さ20μm)上にコータを用いて塗布し、さらに真空中90℃で乾燥させた。次に、ローラープレスによって加圧し、さらに円形状に打ち抜くことで、アルミ箔に密着した負極電極(厚さ60μm)を得た。
(評価用電池セルの作製)
露点温度が−80度、Arガス雰囲気下において、上記のように得られた負極電極をアルミ製の評価用電池セル容器に挿入し、順次セパレータとしてポリプロピレン多孔質膜、電解質液、正極電極をそれぞれ挿入した後、圧力印加しながら封入することで評価用電池セルを得た。得られた電池セルを用いて評価した結果を表1にまとめた。
(評価用キャパシタセルの作製)
(実施例7〜10)
実施例2,3及び5,6を用いて作製した電極スラリーと同じものを負極電極として用い、評価用キャパシタを作製した。対極には活物質として市販の活性炭を用い、活物質88重量%、導電助剤としてアセチレンブラック、バインダとして10質量%のポリフッ化ビニリデン(PVDF)を乾式混合した後、これに溶媒としてNMPを加えて十分に撹拌してスラリーを調製し、その後、正極集電体である厚さ20μmのアルミ箔上にコーターで塗布した。そして、塗布したものを真空乾燥機にて90℃で2時間以上加熱乾燥して正極を作製した。作製した正極は、残留溶媒を除くため使用前に真空容器に入れて90℃にて12時間高真空下で加熱乾燥したものを使用した。これら電極の電極層面を対向させ、円形セルロース製セパレータを挟み、これをポリプロピレン製パッキンを設置したアルミ製の電池セル容器中に収納した。この容器中に電解液を空気が残らないように注入し、ポリプロピレン製パッキンを介して外装容器にアルミ製のキャップをかぶせて固定し、容器を封止してコイン型電気二重層キャパシタを製造した。なお、電解液としては、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートをプロピレンカーボネートに1モル/リットルの濃度で溶解させた溶液を用いた。
(比較例5)
実施例7〜10の対極として用いた活物質が活性炭である電極を負極として用いた以外は実施例7〜12と同様の評価用キャパシタセルを得た。
(キャパシタの評価方法)
室温で0Vから2Vまでの充放電を1000サイクル、0Vから2.5Vまでの充放電を500サイクル、0Vから3Vまでの充放電を500サイクル行った後、70℃の温度下で0Vから3Vまでの充放電を500サイクル行ったときの、70℃初期の重量比容量と70℃実験終了後の重量比容量の比を算出し、比較を行った。(容量比)=(70℃実験終了後の重量比容量)/(70℃初期の重量比容量)×100。なお、容量比が大きければ大きいほど熱条件下の充放電に伴う劣化が少なく、耐熱劣化性が優れていることを意味する。実施例7〜10、比較例5についての結果を表2にまとめた。

Claims (5)

  1. 熱硬化性樹脂を熱処理して得られる真球状ガラス状炭素材を活物質として含むことを特徴とする電極。
  2. 熱硬化性樹脂を500℃〜1600℃で熱処理することで得られる真球状ガラス状炭素材を活物質として含むことを特徴とする請求項1記載の電極。
  3. 金属化合物が添加および/または被覆された熱硬化性樹脂を熱処理することで得られる真球状ガラス状炭素材を活物質として含むことを特徴とする請求項1又は2記載の電極。
  4. 活物質として真球状ガラス状炭素材を含む電極において、真球状ガラス状炭素材を導電性材料として用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電極。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の電極を用いることを特徴とする二次電池又はキャパシタ。
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