JP2008196444A - 排気再循環装置の異常診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルタの再生時にあって排気再循環量を調量する流量制御弁及び吸気絞り弁の絞り制御が行われる内燃機関に設けられた排気再循環装置の異常を適切に判定することのできる排気再循環装置の異常診断装置を提供する。
【解決手段】エンジン1は、排気通路26と吸気通路3とを連通するEGR通路13と排気再循環量を調量するEGR弁15とからなる排気再循環装置を備える。また、排気通路26に設けられたフィルタ32の再生制御を行う際、機関運転状態が所定の状態にあるときには、吸気絞り弁16の開度及びEGR弁15の開度を減少させる絞り制御が行われる。制御装置25は、EGR弁15の強制駆動したときの吸入空気量の変化量に基づいて排気再循環装置の異常判定を行う。この異常判定の実行を、絞り制御が中止されてから予め設定された期間が経過するまでは禁止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関に設けられる排気環流装置の異常診断装置に関するものである。
内燃機関においては、排気通路と吸気通路とを連通する排気再循環通路を設け、この排気再循環通路を通じて排気通路を流れる排気の一部を吸気通路に戻すようにした、いわゆる排気再循環装置を備えるものが一般的である。この排気再循環装置では、混合気に排気を混入させることによりその熱容量を増大させ、燃焼温度の低下を促すことにより、排気中に含まれる窒素酸化物(NOx)の低減を図るようにしている。
また、こうした排気再循環装置では、排気再循環通路の途中に流量制御弁が設けられており、この流量制御弁の開度を機関運転状態に基づいて制御することにより、吸気通路に戻される排気の量、すなわち排気再循環量が機関運転状態に適合した量に調量される。
ところで、上記流量制御弁の動作不良や排気再循環通路の閉塞等、排気再循環装置に異常が発生すると、排気再循環量を機関運転状態に見合う適切な量に制御することが困難になる。こうした排気再循環装置の異常を判定するために、例えば特許文献1に記載されるものでは、流量制御弁の開度を強制的に変更し、その開度変更に伴って生じる吸気圧の変化量が所定の判定値に満たない場合に、当該排気再循環装置に異常が発生していると判定するようにしている。
他方、近年では、排気中のPM(Particulate Matter:粒子状物質)を排気通路に設けられたフィルタで捕集するようにした内燃機関も知られている。こうしたフィルタを備える場合には、捕集されたPMの量が増大するにつれてフィルタでの圧力損失が増大するようになる。そこで、フィルタの温度を上昇させてPMを燃焼処理することでフィルタを再生するといった制御が行われる。こうした再生制御としては、例えば排気通路に燃料添加弁を設け、排気中に燃料を直接添加することでフィルタの昇温を図るといった処理や、主燃料噴射時期から遅れた時期に再度燃料噴射を実行する、いわゆるポスト噴射を実行して排気中に燃料を供給することでフィルタの昇温を図るといった処理などが行われる。また、特許文献2に記載のものでは、吸気通路内の吸気絞り弁の開度及び上記排気再循環装置の流量制御弁の開度をともに減少させる絞り制御を行って排気温度を上昇させ、この排気温度の上昇を通じてフィルタの昇温を図るようにしている。
特開2000−291494号公報 特開平5−106518号公報
ところで、上記絞り制御が行われる内燃機関において上述したような排気再循環装置の異常診断を行うと、以下のような不都合の発生が懸念される。
すなわち、上記絞り制御の実行中は、吸気絞り弁の開度や流量制御弁の開度が機関運転状態に基づいて設定される開度よりも減少されるため、吸気通路内の吸入空気量や吸気圧は大きく低下する。そのため、絞り制御が中止されて、吸気絞り弁の開度や流量制御弁の開度が機関運転状態に基づいて設定される開度に戻されたとしても、その絞り制御の中止直後にあっては吸入空気量や吸気圧の上昇に遅れが発生する。従って、絞り制御が中止されてもその直後にあっては、吸入空気量や吸気圧がある程度低下した状態になっている。
このように吸入空気量や吸気圧が低下している状態で、排気再循環装置の異常診断を行うために流量制御弁の開度を強制的に変更しても、吸入空気量や吸気圧の変化量は比較的小さくなるため、当該排気再循環装置が正常であっても異常であると誤判定されるおそれがある。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、フィルタの再生時にあって排気再循環量を調量する流量制御弁及び吸気絞り弁の絞り制御が行われる内燃機関に設けられた排気再循環装置の異常を適切に判定することのできる排気再循環装置の異常診断装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、内燃機関の排気通路と吸気通路とを連通する排気再循環通路と前記排気再循環通路に設けられて前記吸気通路に戻される排気の量を調量する流量制御弁とからなる排気再循環装置、及び前記排気通路に設けられて排気中の粒子状物質を捕集するフィルタを備えるとともに、前記フィルタの再生制御の実行時にあって機関運転状態が所定の状態にあるときには、前記吸気通路に設けられた吸気絞り弁の開度及び前記流量制御弁の開度を機関運転状態に基づいて設定される開度よりも減少させる絞り制御が実行される内燃機関に適用されて、前記流量制御弁を強制駆動したときの吸入空気量の変化量及び吸気圧の変化量のうちのいずれか一方に基づいて前記排気再循環装置の異常判定を行う排気再循環装置の異常診断装置において、前記絞り制御が中止されてから予め設定された期間が経過するまでは前記異常判定を禁止することをその要旨とする。
同構成では、排気再循環量を調量する流量制御弁を強制駆動し、その強制駆動により生じる吸入空気量の変化量や吸気圧の変化量に基づいて排気再循環装置の異常判定を行うようにしているが、そうした異常判定を上記絞り制御が中止された後の所定期間にあっては禁止するようにしている。そのため、絞り制御が中止された直後であり、吸入空気量や吸気圧が低下している状態、すなわち流量制御弁の開度を強制的に変更しても吸入空気量や吸気圧の変化量が比較的小さく、異常診断を正確に行うことができない状態では、異常診断が禁止されるようになる。従って、フィルタの再生時にあって吸気絞り弁及び排気再循環量を調量する流量制御弁の絞り制御が行われる内燃機関に設けられた排気再循環装置の異常を適切に判定することができるようになる。なお、同構成において、予め設定された前記期間としては、前記絞り制御が中止された後の吸入空気量や吸気圧が、排気再循環装置の異常判定を正確に行うことができる程度にまで増大するのに要する時間を設定するとよい。換言すれば、強制駆動される前記流量制御弁の開度変更量に見合った吸入空気量や吸気圧の変化が得られる程度にまで、絞り制御中止後の吸入空気量や吸気圧が増大するのに要する時間を設定するとよい。
請求項2に記載の発明は、内燃機関の排気通路と吸気通路とを連通する排気再循環通路と前記排気再循環通路に設けられて前記吸気通路に戻される排気の量を調量する流量制御弁とからなる排気再循環装置、及び前記排気通路に設けられて排気中の粒子状物質を捕集するフィルタを備えるとともに、前記フィルタの再生制御の実行時にあって機関運転状態が所定の状態にあるときには、前記吸気通路に設けられた吸気絞り弁の開度及び前記流量制御弁の開度を機関運転状態に基づいて設定される開度よりも減少させる絞り制御が実行される内燃機関に適用されて、前記流量制御弁を強制駆動したときの吸入空気量の変化量及び吸気圧の変化量のうちのいずれか一方に基づいて前記排気再循環装置の異常判定を行う排気再循環装置の異常診断装置において、前記再生制御が中止されてから予め設定された期間が経過するまでは前記異常判定を禁止することをその要旨とする。
同構成でも、排気再循環量を調量する流量制御弁を強制駆動し、その強制駆動により生じる吸入空気量の変化量や吸気圧の変化量に基づいて排気再循環装置の異常判定を行うようにしているが、そうした異常判定を上記再生制御が中止された後の所定期間にあっては禁止するようにしている。そのため、絞り制御が行われていた可能性のある再生制御が中止された直後であり、吸入空気量や吸気圧が低下している可能性のある状態、すなわち流量制御弁の開度を強制的に変更しても吸入空気量や吸気圧の変化量が比較的小さく、異常診断を正確に行うことができない可能性のある状態では、異常診断が禁止されるようになる。従って、同構成によっても、フィルタの再生時にあって吸気絞り弁及び排気再循環量を調量する流量制御弁の絞り制御が行われる内燃機関に設けられた排気再循環装置の異常を適切に判定することができるようになる。なお、同構成において、予め設定された前記期間としては、再生制御の中止と同時に絞り制御が中止されたと仮定した場合に、その再生制御後の吸入空気量や吸気圧が、排気再循環装置の異常判定を正確に行うことができる程度にまで増大するのに要する時間を設定するとよい。換言すれば、強制駆動される前記流量制御弁の開度変更量に見合った吸入空気量や吸気圧の変化が得られる程度にまで、再生制御中止後の吸入空気量や吸気圧が増大するのに要する時間を設定するとよい。
以下、この発明にかかる排気再循環装置の異常診断装置を具体化した一実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。
図1に、本実施形態にかかる排気再循環装置の異常診断装置が適用されたディーゼルエンジン(以下、単に「エンジン」という)、並びにそれらの周辺構成を示す概略構成図を示す。
エンジン1には複数の気筒#1〜#4が設けられている。シリンダヘッド2には複数の燃料噴射弁4a〜4dが取り付けられている。これら燃料噴射弁4a〜4dは各気筒#1〜#4の燃焼室に燃料を噴射する。また、シリンダヘッド2には新気を気筒内に導入するための吸気ポートと、燃焼ガスを気筒外へ排出するための排気ポート6a〜6dとが各気筒#1〜#4に対応して設けられている。
燃料噴射弁4a〜4dは、高圧燃料を蓄圧するコモンレール9に接続されている。コモンレール9はサプライポンプ10に接続されている。サプライポンプ10は燃料タンク内の燃料を吸入するとともにコモンレール9に高圧燃料を供給する。コモンレール9に供給された高圧燃料は、各燃料噴射弁4a〜4dの開弁時に同燃料噴射弁4a〜4dから気筒内に噴射される。
吸気ポートにはインテークマニホールド7が接続されている。インテークマニホールド7は吸気通路3に接続されている。この吸気通路3内には吸入空気量を調整するための吸気絞り弁16が設けられている。
排気ポート6a〜6dにはエキゾーストマニホールド8が接続されている。エキゾーストマニホールド8は排気通路26に接続されている。
排気通路26の途中には、排気圧を利用して気筒に導入される吸入空気を過給するターボチャージャ11が設けられている。同ターボチャージャ11の吸気側コンプレッサと吸気絞り弁16との間の吸気通路3にはインタークーラ18が設けられている。このインタークーラ18によって、ターボチャージャ11の過給により温度上昇した吸入空気の冷却が図られる。
また、排気通路26の途中にあって、ターボチャージャ11の排気側タービンの下流側には、排気成分を浄化する排気浄化部材30が設けられている。この排気浄化部材30の内部には直列に2つの触媒が配設されている。
これら2つの触媒のうち、排気上流側に設けられた1つ目の触媒は、排気中のNOxを浄化するNOx吸蔵還元型触媒(以下、NSR(NOx storage-reduction)触媒という)31である。NSR触媒31の排気下流側に設けられた2つ目の触媒は、排気中のPM(粒子状物質)を捕集するフィルタ32である。このフィルタ32は多孔質のセラミック構造体であり、排気中のPMは多孔質の壁を通過する際に捕集される。
また、シリンダヘッド2には、NSR触媒31やフィルタ32に添加剤として燃料を供給するための燃料添加弁5が設けられている。この燃料添加弁5は、燃料供給管27を介して前記サプライポンプ10に接続されており、同燃料添加弁5からは第4気筒#4の排気ポート6d内に向けて燃料が噴射される。この噴射された燃料は、排気とともにNSR触媒31やフィルタ32に到達する。なお、燃料添加弁5は燃料噴射弁4a〜4dと同様な構造を有している。また、燃料添加弁5の配設位置は、排気系にあって排気浄化部材30の上流側であれば適宜変更するも可能である。
この他、エンジン1には排気再循環装置(以下、EGR装置という)が備えられている。このEGR装置は、排気の一部を吸入空気に導入することで気筒内の燃焼温度を低下させ、NOxの発生量を低減させる装置である。この排気再循環装置は、吸気通路3と排気通路(エキゾーストマニホールド8)とを連通する排気再循環通路としてのEGR通路13、同EGR通路13に設けられて流量制御弁として機能するEGR弁15、及びEGRクーラ14等により構成されている。EGR弁15の開度が調整されることにより排気通路26から吸気通路3に導入される排気再循環量、すなわちEGR量が調量される。また、EGRクーラ14によってEGR通路13内を流れる排気の温度が低下される。
エンジン1には、機関運転状態を検出するための各種センサが取り付けられている。例えば、エアフロメータ19は吸気通路3内の吸入空気量GAを検出する。スロットル開度センサ20は吸気絞り弁16の開度(スロットル開度TA)を検出する。NSR触媒31の排気下流側に設けられた第1排気温度センサ33は、同NSR触媒31を通過した直後の排気の温度である第1排気温度Taを測定する。フィルタ32の排気下流側に設けられた第2排気温度センサ34は、フィルタ32を通過した直後の排気の温度である第2排気温度Tbを検出する。機関回転速度センサ23はクランクシャフトの回転速度、すなわち機関回転速度NEを検出する。アクセルセンサ24はアクセルペダルの踏み込み量、すなわちアクセル操作量ACCPを検出する。空燃比センサ21は排気の空燃比λを検出する。
これら各種センサの出力は制御装置25に入力される。この制御装置25は、中央処理制御装置(CPU)、各種プログラムやマップ等を予め記憶した読出専用メモリ(ROM)、CPUの演算結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)、タイマカウンタ、入力インターフェース、出力インターフェース等を備えたマイクロコンピュータを中心に構成されている。そして、この制御装置25により、例えば、燃料噴射弁4a〜4dの燃料噴射制御、サプライポンプ10の吐出圧力制御、吸気絞り弁16を開閉するアクチュエータ17の駆動量制御、EGR弁15の開度制御等、エンジン1の各種制御が行われる。
そのEGR弁15の開度制御に際しては、アクセル操作量ACCP及び機関回転速度NE等に基づいて現在の機関運転状態に適した排気再循環率(全吸入空気量に対する再循環排気量の割合)を算出する。そして、この排気再循環率に基づいてEGR弁15の開度を調整する開度指令値を算出する。そして、この開度指令値に基づいてEGR弁15の開度が制御されることにより、機関運転状態に適した排気再循環が実行される。例えば、エンジン1がアイドル運転状態に移行すると、EGR弁15は比較的大きな開度に制御される。これにより、排気再循環率は例えば高負荷運転時と比較的して大きく設定され、多量の排気が再循環されるため、気筒内の燃焼温度の上昇が抑えられてNOx排出は抑制される。
また、制御装置25によって、上記フィルタ32に捕集されたPMを燃焼させるフィルタの再生制御等といった各種の排気浄化制御も行われる。このフィルタ32の再生制御は、以下のようにして行われる。
すなわち、機関運転状態やフィルタ32の上流側排気圧及び下流側排気圧の差等(圧力差検出手段は不図示)に基づいて推定されるPM堆積量が所定の限界値に達したときに、上記燃料添加弁5による燃料添加が実行される。この燃料添加弁5から噴射された燃料は、フィルタ32に到達すると燃焼され、これによりフィルタに堆積したPMは焼失される。なお、燃料添加弁5から噴射される燃料の量は、上記第1排気温度Taや第2排気温度Tb等に基づいて調整されることにより、フィルタ32の昇温不足や過昇温が抑えられる。
また、機関負荷や機関回転速度が低く、排気温度が比較的低温になりやすい機関運転状態において再生制御が行われるときには、排気温度を上昇させるために次の制御も併せて実行される。すなわち、そうした機関運転状態にあっては、吸気絞り弁16の開度及びEGR弁15の開度をともに減少させる絞り制御が行われる。これら吸気絞り弁16の開度及びEGR弁15の開度の減少により、機関のポンプ損失増加による機関負荷の増加とともに、EGRクーラ14からの放熱が抑制されるため、排気温度が上昇してフィルタ32の昇温が促される。
次に、上記排気再循環装置の異常判定について詳細に説明する。
上述したように、排気再循環制御装置では、制御装置25を通じてEGR弁15の開度が制御されることにより、通常はそのときどきの機関運転状態に応じた適切な排気再循環量をもって排気の再循環が行われる。
しかし、例えば経時変化や可動部固着等によるEGR弁15の動作不良や、排気に含まれる微粒子等がEGR通路13の内壁に付着することにより生じる通路断面積の減少、さらにはEGR通路13の閉塞などといった排気再循環装置の異常が発生すると、排気再循環量を機関運転状態に見合う適切な量に制御することが困難になる。
そこで、本実施形態ではそうした排気再循環装置の異常を以下のような態様で判定するようにしている。
まず、EGR弁15の開度を小さくして排気再循環量を減量するほど、吸気通路3を通じてエンジン1の各気筒に導入される新気の量、すなわち上記吸入空気量GAは多くなる。このようにEGR弁15の開度を変更する場合にあって、排気再循環装置に異常が生じていなければ、その開度の変更量に見合った分の吸入空気量GAの変化が得られる。そこで、EGR弁15の開度を制御する開度指令値DEGRについてその値を所定量ずつ強制的に変化させ、そのときに生じる吸入空気量GAの変化量DGA(強制駆動が開始されてからの総変化量)を監視する。そして、その吸入空気量GAの変化量DGAが所定の異常判定値以下であるときには、排気再循環装置に異常が生じていると判定するようにしている。
ここで吸入空気量GAは、機関運転状態によっても種々変化するため、そうした影響を極力排除できる運転状態のときに排気再循環装置の異常診断を行うことが望ましい。そこで、本実施形態では、上述したような異常判定を実行するか否かについてこれを判断するための異常判定実行フラグXDIAGEXを次のような態様で設定するようにしている。
図2に、異常判定実行フラグXDIAGEXの設定処理についてその手順を示す。なお、本処理は、制御装置25により所定の時間周期をもって繰り返し実行される。また、異常判定実行フラグXDIAGEXは、機関始動時にあって「オフ」に設定されており、本処理の実行を通じて異常判定の実行条件が満たされていると判断されたときに「オン」に変更される。
この設定処理が開始されるとまず、第1の異常判定実行条件である「車両が減速中である」といった条件が満たされているか否かが判定される(S100)。ここでは、アクセル操作量ACCPが「0」であり且つ車速が所定速度以上であることをもって車両が減速中であると判定される。また、この第1の異常判定実行条件は、次の理由に基づいて設定されている。すなわち、車両が減速中であるときには、エンジン1の燃料噴射が停止される、いわゆる燃料カットが実行されている可能性が高い。そして、このように燃料カットが実行され、機関燃焼が実質的に停止しているときであれば、EGR弁15の開度変更を伴う排気再循環装置の異常判定処理を実行しても、その実行が機関運転に与える悪影響は極力抑えることができるためである。
そして、車両が減速中である場合には(S100:YES)、次に、第2の異常判定実行条件である「機関回転速度の変動量が一定値以下である」といった条件が満たされているか否かが判定される(S110)。この第2の異常判定実行条件は、次の理由に基づいて設定されている。すなわち、機関回転速度が変動している場合には、それに伴って吸入空気量が変動するため、こうした吸入空気量の変動とEGR弁15の強制駆動により生じる吸入空気量の変化とが判別し難くなる結果、誤判定を招くおそれがあるためである。
そして、機関回転速度の変動量が一定値以下である場合には(S110:YES)、次に第3の異常判定実行条件である「吸気絞り弁の開度が規定範囲内である」といった条件が満たされているか否かが判定される(S120)。この第3の異常判定実行条件は、次の理由に基づいて設定されている。すなわち、吸気絞り弁の開度が大きく、吸入空気量が多いときには、EGR弁15の強制駆動に伴う吸入空気量の変化量が少なくなる傾向にある。また、吸気絞り弁の開度が小さく、吸入空気量が少ないときにも、EGR弁15の強制駆動に伴う吸入空気量の変化量は少なくなる傾向にあり、そうした状態において異常判定を行っても誤判定を招くおそれがあるためである。なお、上記規定範囲としては、EGR弁15の強制駆動に伴う吸入空気量の変化が十分に得られる吸気状態となるような吸気絞り弁の開度の範囲が設定されている。
そして、吸気絞り弁の開度が規定範囲内である場合には、(S120:YES)、次に、第4の異常判定実行条件である「EGR弁15の絞り制御が中止されてからの経過時間が規定値以上である」といった条件が満たされているか否かが判定される(S130)。この第4の異常判定実行条件は、次の理由に基づいて設定されている。
すなわち、本実施形態では、上述したように排気温度が比較的低温になりやすい機関運転状態においてフィルタ32の再生制御が行われるときには、吸気絞り弁16の開度やEGR弁15の開度を減少させる絞り制御が行われ、吸気通路3内の吸入空気量や吸気圧は大きく低下する。そのため、機関運転状態が変化し、その絞り制御が中止されて、吸気絞り弁16の開度やEGR弁15の開度が機関運転状態に基づいて設定される開度に戻されたとしても、その絞り制御の中止直後にあっては吸入空気量や吸気圧の上昇に遅れが発生する。従って、絞り制御が中止されてもその直後にあっては、吸入空気量や吸気圧がある程度低下した状態になっている。このように吸入空気量や吸気圧が低下している状態では、EGR弁15の開度を強制的に変更しても、吸入空気量や吸気圧の変化量は比較的小さくなるため、排気再循環装置が正常であっても異常であると誤判定されるおそれがある。そこで、絞り制御が中止された直後であって吸入空気量や吸気圧が低下している状態、すなわち排気再循環装置の異常判定を正確に行うことができない状態ではその異常判定を禁止するために、この第4の異常判定実行条件が設定されている。
なお、ステップS130では、EGR弁15の絞り制御が中止されてからの経過時間を示す経過時間カウンタPCが予め設定された判定値αに達している場合に、上記第4の異常判定条件が成立していると判断される。この経過時間カウンタPCは、本処理とは別の処理にて、制御装置25により算出される値である。また、判定値αは、予めの実験等を通じて求められている値である。そして同判定値αには、EGR弁15の絞り制御が中止された後の吸入空気量や吸気圧が、排気再循環装置の異常判定を正確に行うことができる程度にまで増大するのに要する時間に相当する値が設定されている。換言すれば、EGR弁15の開度変更量に見合った吸入空気量GAの変化が得られる程度にまで、絞り制御中止後の吸入空気量が増大するのに要する時間に相当する値が設定されている。
図3に、その経過時間カウンタPCを算出する経過時間計測処理の手順を示す。この処理も制御装置25により所定の時間周期をもって繰り返し実行される。
本処理では、まず、EGR弁15の絞り制御が実行されているか否かが判定される(S200)。そして、EGR弁15の絞り制御が実行されている場合には(S200:YES)、経過時間カウンタPCは「0」にリセットされて(S210)、本処理は一旦終了される。
一方、EGR弁15の絞り制御が実行されていない場合には(S200:NO)、現在の経過時間カウンタPCに「1」が加算され、当該経過時間カウンタPCは更新される(S210)。そして、本処理は一旦終了される。この経過時間計測処理が繰り返し実行されることにより、経過時間カウンタPCの値には、EGR弁15の絞り制御が中止されてからの経過時間が反映されることになる。
上記ステップS130にて、EGR弁15の絞り制御が中止されてからの経過時間が規定値以上であると判定される場合には、(S130:YES)、次に、上記第1〜第4の異常判定実行条件が成立している時間を示す判定条件成立カウンタDIAGCが更新される。より具体的には、現在の判定条件成立カウンタDIAGCに「1」が加算されることにより、当該判定条件成立カウンタDIAGCは更新される(S140)。
次に、第5の異常判定実行条件である「判定条件成立カウンタDIAGCが判定値E以上である」といった条件が満たされているか否かが判定される(S150)。上記判定値Eとしては、上記第1〜第4の異常判定実行条件が一時的に成立したものではなく継続して成立しており、これにより排気再循環装置の異常診断を行った場合の診断精度が十分に確保されると判断できる程度の成立時間に相当する値が設定されている。
そして、上記ステップS140で更新された判定条件成立カウンタDIAGCが判定値E未満である場合には(S150:NO)、上記第1〜第4の異常判定実行条件の成立時間が不足しており、排気再循環装置の異常診断を正確に行うことはできないおそれがあるとして、本処理は一旦終了される。
一方、上記ステップS140で更新された判定条件成立カウンタDIAGCが判定値E以上である場合には(S150:YES)、現在の機関運転状態が排気再循環装置の異常診断に適した状態であると判断することができるため、異常判定実行フラグXDIAGEXが「オフ」から「オン」に変更され(S160)、本処理は終了される。
なお、上記第1〜第4の異常判定実行条件のうちのいずれかが成立していない場合には(S100:NO、またはS110:NO、またはS120:NO、またはS130:NO)、上記判定条件成立カウンタDIAGCが「0」にリセットされて(S170)、本処理は一旦終了される。ちなみに、この判定条件成立カウンタDIAGCは、後述する異常判定完了フラグが「オン」にされた場合にも「0」にリセットされる。
図4に、上記異常判定実行フラグXDIAGEXの設定処理が実行された場合について、経過時間カウンタPC、判定条件成立カウンタDIAGC、異常判定実行フラグXDIAGEXの変化の一例を示す。
この図4に示すように、再生制御中において車両が減速状態になり、燃料カットが開始されると、機関運転領域が絞り制御を行う領域から外れることにより、EGR弁15及び吸気絞り弁16の絞り制御が中止される(タイミングt1)。この絞り制御の中止により、EGR弁15及び吸気絞り弁16の各開度は機関運転状態に基づいて設定される開度にそれぞれ増大され、その結果、吸入空気量GAや吸入空気量は徐々に増大されていく。そして絞り制御が中止されることにより経過時間カウンタPCの算出が開始され、タイミングt1以降、同経過時間カウンタPCの値は徐々に大きくなっていく。その後、経過時間カウンタPCが判定値αに達するなどして、上記第1から第4の異常判定実行条件が成立すると、判定条件成立カウンタDIAGCの算出が開始され、タイミングt2以降、同判定条件成立カウンタDIAGCの値は徐々に大きくなっていく。そしてその後、判定条件成立カウンタDIAGCが判定値Eに達すると、異常判定実行フラグXDIAGEXは「オフ」から「オン」に変更される(タイミングt3)。このように異常判定実行フラグXDIAGEXが「オン」に設定されるタイミングは、時点では、
このように、絞り制御が中止された後、少なくとも判定値αに相当する時間が経過するまでは異常判定実行フラグXDIAGEXが「オフ」に維持される。これにより、絞り制御が中止された後、吸入空気量GAや吸気圧が排気再循環装置の異常判定に適した状態にまで上昇するまでは、排気再循環装置の異常判定は禁止され、これにより誤判定の発生が抑えられるようになる。
次に、図5に示すフローチャートを参照しつつ、排気再循環装置の異常を判定する異常判定処理についてその処理手順を説明する。なお、この異常判定処理は、後述する異常判定完了フラグXDIAGが「オン」にされるまで、制御装置25により所定の時間周期をもって繰り返し実行される。また、図6に、本処理にかかる異常判定処理が実行された場合について、開度指令値DEGR、吸入空気量GA、異常判定実行フラグXDIAGEX、異常判定完了フラグXDIAG、異常フラグXFAILの変化の一例を示している。尚、同図6の実線は排気再循環装置に異常が生じていない場合、また一点鎖線は排気再循環装置に異常が生じている場合におけるそれら各値の変化をそれぞれ示している。
図5に示すごとく、この異常判定処理が開始されるとまず、異常判定実行フラグXDIAGEXが「オン」に設定されているか否かが判定される(S300)。
そして、異常判定実行フラグXDIAGEXが「オン」に設定されており、異常判定実行条件が成立している場合には(S300:YES)、EGR弁15が強制的に駆動される(S310、図6のタイミングt3)。具体的には、機関運転状態に基づいて設定されている現在の開度指令値DEGRをその初期値とし、以下の演算式(1)に示されるように、この開度指令値DEGRに対して所定の徐変量ΔKが加算され、これが新たな開度指令値DEGRとして設定される。

開度指令値DEGR←現在の開度指令値DEGR+ΔK …(1)

ここで、上記徐変量ΔKは正及び負のいずれの値にも設定され得る。例えば、この徐変量ΔKが正の値である場合には、本処理が繰り返し実行されることにより、開度指令値DEGRは徐々に増大するようになり、それに伴ってEGR弁15の開度もまた徐々に増大するようになる。一方、この徐変量ΔKが負の値である場合には、開度指令値DEGRは徐々に減少するようになり、それに伴ってEGR弁15の開度もまた徐々に減少するようになる。従って、このように徐変量ΔKずつ開度指令値DEGRが変化することにより、EGR弁15の強制駆動は段階的に行われるようになる。
その徐変量ΔKを正の値にするか或いは負の値にするか、換言すればEGR弁15の開度を増大させるか或いは減少させるかは、強制駆動が開始されたときのEGR弁15の開度に基づいて設定される。EGR弁15が所定の開度γ(例えば50%)よりも大きく、例えば略全開状態にあるような場合には、徐変量ΔKは負の値に設定され、EGR弁15の開度は徐々に減少するようになる。そして、最終的にEGR弁15は全閉状態になる。これに対して、EGR弁15が所定の開度γ以下であり、例えば略全閉状態にあるような場合には、徐変量ΔKは正の値に設定され、EGR弁15の開度は徐々に増大するようになる。そして、最終的にEGR弁15は全開状態になる。
因みに、図6では、徐変量ΔKが負の値に設定されることにより、開度指令値DEGRが徐々に減少し、EGR弁15の開度が全閉側に向かって変化する場合の開度指令値DEGRの変化を例示している。
こうしてEGR弁15の強制駆動が行われることにより、吸入空気量GAはこの強制駆動の実行から応答遅れをもって徐々に変化し始める(図6のタイミングt4)。
そして、EGR弁15の強制駆動を実行した後、このEGR弁15が全開状態に達してから所定時間が経過したか否か、又は全閉状態に達してから所定時間が経過したか否かが判断される(S320)。そして、まだ所定時間経過していない場合には(S320:NO)、次に吸入空気量GAの変化量DGAが異常判定値KDGAを超えているか否かが判断される(S330)。
ここで、吸入空気量GAの変化量DGAが異常判定値KDGAを超えている場合には(図6のタイミングt5)、EGR弁15の開度が変化することにより排気再循環量が変化し、これに伴って吸入空気量GAが排気再循環量の変化に対応する所定量(換言すれば異常判定値KDGA以上の量)をもって変化していることになる。従って、この場合には、今回の異常判定処理において異常は検出されないと判断される。このように、異常判定処理によって異常なしと判断されると(S330:YES)、異常判定完了フラグXDIAGが「オフ」から「オン」に変更されるとともに(S350、図6のタイミングt5)、異常判定実行フラグXDIAGEXは「オン」から「オフ」に変更されて(S360、図6のタイミングt5)、本処理は終了される。
このようにEGR弁15が未だ全開状態或いは全閉状態に達していなくても、換言すれば同EGR弁15の強制駆動が完了しておらずその途中の段階であっても、排気再循環装置に異常なしと判定された場合には、EGR弁15の強制駆動は即座に中断され、次の機関始動までは異常判定処理が実行されなくなる。その結果、こうしたEGR弁15の強制駆動を伴う異常判定処理が極力短期間で且つ必要なときにのみ実行されるようになる。また、本実施形態では、EGR弁15の強制駆動に際しては、開度指令値DEGRを一気に全開或いは全閉に相当する値に変更するのではなく、徐々に変更するようにしている。そのため、上述したようにEGR弁15が全開状態或いは全閉状態に達する前に強制駆動が中断される場合には、開度指令値DEGRを一気に全開或いは全閉に相当する値に変更する場合と比較して、強制駆動が開始されてからの排気再循環量の変化量をより少ない量に抑えておくことができる。従って、強制駆動に伴う吸入空気量の変化量も少なくなり、例えばEGR弁15が全閉側に強制駆動される際の吸入空気量の増加も抑えられ、もって強制駆動に伴う排気温度の低下も適切に抑えることが可能になる。
一方、先のステップS320において、EGR弁15が全開状態又は全閉状態に達してから所定時間が経過した旨判断された場合には(S320:YES)には、強制駆動を通じてEGR弁15が全開状態又は全閉状態に達し、更にその後所定時間(図6のタイミングt6〜t7)が経過したことになる。そして、こうした状況にあるにも関わらず、吸入空気量GAが変化しておらず、或いは変化していてもその変化量DGAが上記異常判定値KDGAに達していないため、排気再循環装置に異常ありと判定されて、異常フラグXFAILが「オン」に設定される(S340、図6のタイミングt7)。そして、このように異常フラグXFAILの操作が行われると、異常判定完了フラグXDIAGが「オフ」から「オン」に変更されるとともに(ステップS350、図6のタイミングt7)、異常判定実行フラグXDIAGEXは「オン」から「オフ」に変更されて(S360、図6のタイミングt7)、本処理は終了される。
以上説明した本実施形態によれば、以下の作用効果を得ることができる。
(1)排気再循環装置のEGR弁15を強制駆動し、その強制駆動に伴って生じる吸入空気量GAの変化量DGAに基づいて排気再循環装置の異常を診断するようにしている。より詳細には、変化量DGAが異常判定値KDGA以下の場合には、排気再循環装置に異常が生じていると判定するようにしている。
ここで、エンジン1では、フィルタ32の再生制御を行う際に、機関負荷や機関回転速度が低く、排気温度が比較的低温になりやすい機関運転状態のときには、吸気絞り弁16の開度及びEGR弁15の開度をともに減少させる絞り制御も併せて行われる。この絞り制御の中止直後は、吸入空気量GAの増大に遅れが生じ、EGR弁15の開度を強制的に変更しても吸入空気量GAの変化量DGAは比較的小さく、排気再循環装置の異常診断を正確に行うことができない。この点、本実施形態では、絞り制御が中止されてから予め設定された期間、より詳細には、絞り制御が中止された後、EGR弁15の開度変更量に見合った吸入空気量GAの変化が得られる程度にまで吸入空気量が増大するのに要する時間が経過するまで、排気再循環装置の異常判定が禁止される。そのため、フィルタ32の再生時にあって吸気絞り弁16及び排気再循環量を調量するEGR弁15の絞り制御が行われるエンジン1に設けられた排気再循環装置の異常を適切に判定することができるようになる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・絞り制御が中止されてから上記判定値αに相当する時間が経過するまでは、排気再循環装置の異常診断を中止するようにしたが、再生制御が中止されてから予め設定された期間が経過するまでは排気再循環装置の異常診断を中止するようにしてもよい。この変形例は、先の図2に示した異常判定実行フラグXDIAGEXの設定処理にあって、そのステップS130での処理を、「再生制御が中止されてからの経過時間が規定値以上である」といった条件が満たされているか否かを判定する処理に変更することで具体化される。すなわち上記第4の異常判定実行条件を「再生制御が中止されてからの経過時間が規定値以上である」といった条件に変更することで具体化される。
この変形例にあっては、先の図3に示した経過時間計測処理におけるステップS200の処理を、図7に示すステップS400の処理に変更する。すなわち、再生制御が実行されているか否かを判定し(S400)、再生制御が実行されている場合には(S400:YES)、経過時間カウンタPCを「0」にリセットする。一方、再生制御が実行されていない場合には(S400:NO)、現在の経過時間カウンタPCに「1」を加算して、当該経過時間カウンタPCを更新する(S210)。この変形例にかかる経過時間計測処理が繰り返し実行されることにより、経過時間カウンタPCの値には、再生制御が中止されてからの経過時間が反映される。そして、同経過時間カウンタPCが予め設定された判定値βに達している場合に、「再生制御が中止されてからの経過時間が規定値以上である」といった条件が成立していると判断する。この判定値βとしては、再生制御の中止と同時に上記絞り制御が中止されたと仮定した場合に、その再生制御後の吸入空気量GAや吸気圧が、排気再循環装置の異常判定を正確に行うことができる程度にまで増大するのに要する時間に相当する値を設定するとよい。換言すれば、強制駆動されるEGR弁15の開度変更量に見合った吸入空気量GAや吸気圧の変化が得られる程度にまで、再生制御中止後の吸入空気量GAや吸気圧が増大するのに要する時間に相当する値を設定するとよい。なお、判定値βと上記判定値αとを同一の値にすることも可能である。
この変形例によれば、絞り制御が行われていた可能性のある再生制御が中止された直後であり、吸入空気量や吸気圧が低下している可能性のある状態、すなわちEGR弁15の開度を強制的に変更しても吸入空気量や吸気圧の変化量が比較的小さく、異常診断を正確に行うことができない可能性のある状態では、異常診断が禁止されるようになる。従って、この変形例によっても、フィルタ32の再生時にあって吸気絞り弁16及びEGR弁15の絞り制御が行われるエンジン1に設けられた排気再循環装置の異常を適切に判定することができるようになる。なお、上記再生制御の中止とは、再生制御の完了や一時的な実行中止を含むものである。
・EGR弁15を強制駆動したときの吸入空気量GAの変化量DGAに基づいて排気再循環装置の異常を判断するようにしたが、こうした判断を吸気圧に基づいて行うようにしてもよい。
すなわち、EGR弁15の開度を小さくして排気再循環量を減量するほど、吸気通路3内の吸気圧は低くなる。このようにEGR弁15の開度を変更する場合にあって、排気再循環装置に異常が生じていなければ、その開度の変更量に見合った分の吸気圧の変化が得られる。そこで、吸気通路3内の吸気圧PIMを検出する吸気圧センサを設ける。そして、先の図5に示した異常判定処理のステップS330では、吸入空気量GAの変化量DGAが異常判定値KDGAを超えているか否かを判定したが、この変形例にかかる異常判定処理では、ステップS330の処理に代えて、図8に示すステップS500の処理を実行する。すなわち、EGR弁15の開度を制御する開度指令値DEGRについてその値を所定量ずつ強制的に変化させたときに生じる吸気圧PIMの変化量DPIM(強制駆動が開始されてからの総変化量)が異常判定値KDPIMを超えているか否かを判定する。そして、吸気圧PIMの変化量DPIMが異常判定値KDPIMを超えている場合には(S500:YES)、先の図5に示した異常判定処理と同様に、排気再循環装置には異常なしと判断する。
一方、EGR弁15が全開状態又は全閉状態に達してから所定時間が経過している(S320:YES)にもかかわらず、前回の実行周期にて、吸気圧PIMの変化量DPIMが異常判定値KDPIM以下となっていた場合には(S500:NO)、先の図5に示した異常判定処理と同様に、排気再循環装置に異常ありと判断する。こうした変形例によっても排気再循環装置の異常を診断することができる。
・強制駆動が開始されたときのEGR弁15の開度に基づき、同EGR弁15の開度変更方向(開弁方向または閉弁方向)を設定するようにした。この他、EGR弁15が所定の開度γ(例えば50%)よりも大きく、例えば略全開状態にあるような場合にのみ、EGR弁15の開度が減少するようにこれを強制駆動するようにしてもよい。また、EGR弁15が所定の開度γ以下であり、例えば略全閉状態にあるような場合にのみ、EGR弁15の開度が増大するようにこれを強制駆動するようにしてもよい。
・上記実施形態や各変形例で説明した排気再循環装置の異常判定態様は一例であり、要は、上記絞り制御が行われる内燃機関において、EGR弁15を強制駆動したときの吸入空気量の変化量及び吸気圧の変化量のうちのいずれか一方に基づいて排気再循環装置の異常判定を行う異常診断装置であれば、本発明は同様に適用することができる。
本発明にかかる排気再循環装置の異常診断装置についてその一実施形態が適用される内燃機関及びその周辺構成を示す概略図。 同実施形態における異常判定実行フラグの設定処理についてその手順を示すフローチャート。 同実施形態における経過時間計測処理についてその手順を示すフローチャート。 異常判定実行フラグの設定処理についてその一実行態様を説明するためのタイミングチャート。 同実施形態における異常判定処理についてその手順を示すフローチャート。 異常判定処理の一実行態様を説明するためのタイミングチャート。 同実施形態の変形例における経過時間計測処理についてその手順を示すフローチャート。 同実施形態の変形例における異常判定処理についてその手順を示すフローチャート。
符号の説明
1…エンジン、2…シリンダヘッド、3…吸気通路、4a〜4d…燃料噴射弁、5…燃料添加弁、6a〜6d…排気ポート、7…インテークマニホールド、8…エキゾーストマニホールド、9…コモンレール、10…サプライポンプ、11…ターボチャージャ、13…EGR通路、14…EGRクーラ、15…EGR弁、16…吸気絞り弁、17…アクチュエータ、18…インタークーラ、19…エアフロメータ、20…スロットル開度センサ、21…空燃比センサ、23…機関回転速度センサ、24…アクセルセンサ、25…制御装置、26…排気通路、27…燃料供給管、30…排気浄化部材、31…NOx吸蔵還元型触媒(NSR触媒)、32…フィルタ、33…第1排気温度センサ、34…第2排気温度センサ。

Claims (2)

  1. 内燃機関の排気通路と吸気通路とを連通する排気再循環通路と前記排気再循環通路に設けられて前記吸気通路に戻される排気の量を調量する流量制御弁とからなる排気再循環装置、及び前記排気通路に設けられて排気中の粒子状物質を捕集するフィルタを備えるとともに、前記フィルタの再生制御の実行時にあって機関運転状態が所定の状態にあるときには、前記吸気通路に設けられた吸気絞り弁の開度及び前記流量制御弁の開度を機関運転状態に基づいて設定される開度よりも減少させる絞り制御が実行される内燃機関に適用されて、前記流量制御弁を強制駆動したときの吸入空気量の変化量及び吸気圧の変化量のうちのいずれか一方に基づいて前記排気再循環装置の異常判定を行う排気再循環装置の異常診断装置において、
    前記絞り制御が中止されてから予め設定された期間が経過するまでは前記異常判定を禁止する
    ことを特徴とする排気再循環装置の異常診断装置。
  2. 内燃機関の排気通路と吸気通路とを連通する排気再循環通路と前記排気再循環通路に設けられて前記吸気通路に戻される排気の量を調量する流量制御弁とからなる排気再循環装置、及び前記排気通路に設けられて排気中の粒子状物質を捕集するフィルタを備えるとともに、前記フィルタの再生制御の実行時にあって機関運転状態が所定の状態にあるときには、前記吸気通路に設けられた吸気絞り弁の開度及び前記流量制御弁の開度を機関運転状態に基づいて設定される開度よりも減少させる絞り制御が実行される内燃機関に適用されて、前記流量制御弁を強制駆動したときの吸入空気量の変化量及び吸気圧の変化量のうちのいずれか一方に基づいて前記排気再循環装置の異常判定を行う排気再循環装置の異常診断装置において、
    前記再生制御が中止されてから予め設定された期間が経過するまでは前記異常判定を禁止する
    ことを特徴とする排気再循環装置の異常診断装置。
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