JP2020051405A - 内燃機関の診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】多様なモードの異常を検出する。【解決手段】排気ガス中の粒子状物質を捕集するフィルタ23を備えた内燃機関1の診断装置100が提供される。診断装置は、フィルタの前後差圧に基づいてフィルタの第1捕集量を検出し、内燃機関の運転状態に基づいてフィルタの第2捕集量を推定する。他方、診断装置は、第2捕集量に対する第1捕集量の関係を規定する特性値が入力されたマップを予め記憶し、検出および推定した実際の第1捕集量および第2捕集量に基づき、マップを使用して異常の有無を診断するように構成されている。【選択図】図1

Description

本開示は内燃機関の診断装置に係り、特に、排気ガス中の粒子状物質(以下PMともいう)に関する異常を診断可能な診断装置に関する。
例えば車両用ディーゼルエンジンにおいて、排気ガス中のPMを捕集するフィルタを備えたものがある。一方、エンジンの故障等によりエンジンの燃焼室からのPM排出量が過多となる異常が発生した場合に、その異常をオンボードで検出するため、診断装置が車両に搭載される。
特開2010−156241号公報 特開2011−202573号公報 特開2016−156357号公報 特開2017−20405号公報
しかし、PMに関する異常には、燃焼室からのPM排出量過多の他、様々なモードないし種類がある。従来はフィルタの前後差圧に基づいて異常を検出する手法が採用されているが、これだけでは多様なモードの異常を検出することができない。
そこで本開示は、上記事情に鑑みて創案され、その目的は、多様なモードの異常を検出することが可能な内燃機関の診断装置を提供することにある。
本開示の一の態様によれば、
排気ガス中の粒子状物質を捕集するフィルタを備えた内燃機関の診断装置であって、
前記フィルタの前後差圧に基づいて前記フィルタの第1捕集量を検出し、
前記内燃機関の運転状態に基づいて前記フィルタの第2捕集量を推定し、
前記第2捕集量に対する前記第1捕集量の関係を規定する特性値が入力されたマップを予め記憶し、
検出および推定した実際の前記第1捕集量および前記第2捕集量に基づき、前記マップを使用して異常の有無を診断するように構成されている
ことを特徴とする内燃機関の診断装置が提供される。
好ましくは、前記特性値は、前記第2捕集量が増大するほど増大する傾向にあり、前記特性値の変化率は、前記第2捕集量が増大するほど減少する傾向にある。
好ましくは、前記マップに、前記第2捕集量の大きさに応じて区分された複数の領域が設定され、前記領域毎に、前記特性値と、前記特性値を基準とした前記第1捕集量の正常範囲と、前記特性値の変化率を基準とした前記変化率の正常範囲とが設定され、
前記診断装置は、
前記第1捕集量の実際の変化率を算出し、
実際の前記第1捕集量が正常範囲内にあるか否か、および、実際の前記変化率が正常範囲内にあるか否かにより、異常の有無を診断する。
好ましくは、前記診断装置は、前記フィルタの再生終了時点で検出された実際の前記第1捕集量が前記正常範囲より大きい値であるとき、前記フィルタ内にアッシュが過剰蓄積している第1モードの異常と診断する。
好ましくは、前記診断装置は、実際の前記変化率が前記変化率の正常範囲より大きい値であるとき、前記内燃機関の燃焼室からの粒子状物質排出量が過多である第2モードの異常と診断する。
本開示によれば、多様なモードの異常を検出することが可能となる。
内燃機関の構成を示す概略図である。 捕集量マップを示す図である。 他のマップを示す図である。 多様な異常モードを示す図である。 診断処理ルーチンのフローチャートである。 変形例に係る異常モードを示す図である。
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。但し本開示は以下の実施形態に限定されない点に留意されたい。
図1は、本実施形態の診断装置が適用された内燃機関を示す。内燃機関(エンジンともいう)1は、車両(図示せず)に搭載された多気筒エンジンである。本実施形態において、車両はトラック等の大型車両であり、これに搭載される車両動力源としてのエンジン1は直列4気筒ディーゼルエンジンである。しかしながら、車両および内燃機関の種類、形式、用途等に特に限定はなく、例えば車両は乗用車等の小型車両であってもよいし、エンジン1はガソリンエンジンであってもよい。
エンジン1は、エンジン本体2と、エンジン本体2に接続された吸気通路3および排気通路4と、ターボチャージャ14と、燃料噴射装置5とを備える。エンジン本体2は、シリンダヘッド、シリンダブロック、クランクケース等の構造部品と、その内部に収容されたピストン、クランクシャフト、バルブ等の可動部品とを含む。
燃料噴射装置5は、コモンレール式燃料噴射装置からなり、各気筒に設けられた燃料噴射弁すなわちインジェクタ7と、インジェクタ7に接続されたコモンレール8とを備える。インジェクタ7は、シリンダ9内すなわち燃焼室内に燃料を直接噴射する筒内インジェクタである。コモンレール8は、インジェクタ7から噴射される燃料を高圧状態で貯留する。
吸気通路3は、エンジン本体2(特にシリンダヘッド)に接続された吸気マニホールド10と、吸気マニホールド10の上流端に接続された吸気管11とにより主に画成される。吸気マニホールド10は、吸気管11から送られてきた吸気を各気筒の吸気ポートに分配供給する。吸気管11には、上流側から順に、エアクリーナ12、エアフローメータ13、ターボチャージャ14のコンプレッサ14C、インタークーラ15、および電子制御式の吸気スロットルバルブ16が設けられる。エアフローメータ13は、エンジン1の単位時間当たりの吸入空気量すなわち吸気流量を検出するためのセンサであり、マスエアフロー(MAF)センサ等とも称される。
排気通路4は、エンジン本体2(特にシリンダヘッド)に接続された排気マニホールド20と、排気マニホールド20の下流側に接続された排気管21とにより主に画成される。排気マニホールド20は、各気筒の排気ポートから送られてきた排気ガスを集合させる。排気管21、もしくは排気マニホールド20と排気管21の間には、ターボチャージャ14のタービン14Tが設けられる。タービン14Tより下流側の排気通路4には、上流側から順に、酸化触媒22、フィルタ23、選択還元型NOx触媒(SCR)24およびアンモニア酸化触媒26が設けられる。これらは排気後処理を実行する後処理部材をなす。フィルタ23とNOx触媒24の間の排気通路4には、還元剤としての尿素水を排気通路4内に噴射する還元剤噴射弁としての尿素インジェクタ25が設けられる。
酸化触媒22は、排気中の未燃成分(炭化水素HCおよび一酸化炭素CO)を酸化して浄化すると共に、このときの反応熱で排気ガスを加熱昇温する。フィルタ23は、所謂連続再生式ディーゼルパティキュレートフィルタであり、排気中に含まれる粒子状物質(PMともいう)を捕集すると共に、その捕集したPMを貴金属と反応させて連続的に燃焼除去する。フィルタ23には、ハニカム構造の基材の両端開口を互い違いに市松状に閉塞した所謂ウォールフロータイプのものが用いられる。
NOx触媒24は、尿素インジェクタ25から噴射された尿素水を加水分解して得られるアンモニアを、排気中のNOxと反応させて、NOxを還元浄化する。NOx触媒24は、ゼオライト又はアルミナなどの基材表面にPtなどの貴金属を担持したものや、その基材表面にCu等の遷移金属をイオン交換して担持させたもの、その基材表面にチタニヤ/バナジウム触媒(V25/WO3/TiO2)を担持させたもの等が例示できる。アンモニア酸化触媒26は、NOx触媒24から排出された余剰アンモニアを酸化して浄化する。
エンジン1はEGR装置30をも備える。EGR装置30は、排気通路4内(特に排気マニホールド20内)の排気ガスの一部(EGRガスという)を吸気通路3内(特に吸気マニホールド10内)に還流させるためのEGR通路31と、EGR通路31を流れるEGRガスを冷却するEGRクーラ32と、EGRガスの流量を調節するためのEGR弁33とを備える。EGR装置30は外部EGRを実行するためのものである。
また、本実施形態は、それぞれ排気通路4に設けられた電子制御式の排気スロットルバルブ37と、排気インジェクタ38とを備える。本実施形態において、これらはタービン14Tと酸化触媒22の間の排気通路4に設けられ、排気スロットルバルブ37より下流側に排気インジェクタ38が配置される。但しこれらの設置位置は変更可能である。排気スロットルバルブ37は排気流量を調節するためのバルブである。排気インジェクタ38は、主にフィルタ23の再生時に排気通路4内に燃料を噴射するためのインジェクタである。
このエンジン1を制御するための制御装置が車両に搭載されている。制御装置は、制御ユニット、回路要素(circuitry)もしくはコントローラをなす電子制御ユニット(ECUと称す)100を有する。ECU100はCPU、ROM、RAM、入出力ポートおよび記憶装置等を含む。ECU100は、筒内インジェクタ7、吸気スロットルバルブ16、尿素インジェクタ25、EGR弁33、排気スロットルバルブ37および排気インジェクタ38を制御するように構成され、プログラムされている。なお特に断らない限り、吸気スロットルバルブ16および排気スロットルバルブ37は全開に制御されているものとする。制御装置は、特許請求の範囲にいう診断装置を構成する。
また制御装置は、以下のセンサ類、すなわち上述のエアフローメータ13と、エンジンの回転速度、具体的には毎分当たりの回転数(rpm)を検出するための回転速度センサ40と、アクセル開度を検出するためのアクセル開度センサ41とを有する。また制御装置は、フィルタ23の前後差圧、すなわちフィルタ23の入口および出口間の排気圧の差圧を検出するための差圧センサ45を有する。以上のセンサ類の出力信号はECU100に送られる。
ECU100は、各センサの出力信号に基づいて、PMに関するエンジン1の様々な異常を診断するように構成されている。以下、この診断の内容について詳述する。
ECU100は、差圧センサ45により検出されたフィルタ23の前後差圧ΔPに基づいて、フィルタ23の第1のPM捕集量である第1捕集量Mを検出する。またECU100は、エンジン1の運転状態に基づいて、フィルタ23の第2のPM捕集量である第2捕集量Tを推定する。
他方、ECU100は、図2に示すようなマップ(捕集量マップという)を予め記憶している。捕集量マップは、実機試験等を通じて予め作製されたものである。捕集量マップには、第2捕集量Tに対する第1捕集量Mの関係を規定する特性値Xが予め入力されている。ECU100は、検出および推定した実際の第1捕集量Mおよび第2捕集量Tに基づき、捕集量マップを使用して異常の有無を診断するように構成されている。
第1捕集量Mの検出に関し、ECU100は、差圧センサ45により検出された実際の差圧ΔPに対応した第1捕集量Mを、図3(A)に示すような第1捕集量マップから算出する。第1捕集量マップも予め実機試験等を通じて作製され、ECU100に記憶されたもので、この点は後述する各マップについても同様である。差圧ΔPが増大する程、第1捕集量Mは増大する傾向がある。
代替的に、第1捕集量Mは、所定のモデル式または関数を用いて算出してもよい。また差圧ΔPに加え、他のパラメータにも基づいて第1捕集量Mを算出してもよい。他のパラメータとしては、例えば、フィルタ23に流入する排気ガスの温度、これに基づいて推定されるフィルタ23の内部温度、フィルタ23の内部温度以外の状態量、排気ガスのNOx濃度等のうちの少なくとも一つを用いることができる。
他方、第2捕集量Tの推定に関し、ECU100は、エンジン1の運転状態を表すパラメータ、具体的にはエンジン回転数Neとアクセル開度Acに基づき、演算周期τ毎の第2捕集量Tの瞬時値Sを計算し、この瞬時値Sを演算周期τ毎に積算して第2捕集量Tを算出する。
より詳細には、ECU100は、回転速度センサ40およびアクセル開度センサ41によりそれぞれ検出されたエンジン回転数Neおよびアクセル開度Acに基づき、図3(B)に示すような燃料噴射量マップに従って、燃料噴射量、特にインジェクタ7への指示噴射量としての目標燃料噴射量Qを算出する。目標燃料噴射量Qは、エンジン負荷を表す負荷パラメータであり、この負荷パラメータについては目標燃料噴射量Q以外にもアクセル開度Ac等の他のパラメータを採用できる。
次にECU100は、エンジン回転数Neおよび目標燃料噴射量Qに基づき、図3(C)に示すような瞬時値マップに従って、第2捕集量Tの瞬時値Sを算出する。そしてこの瞬時値Sを、1演算周期前の第2捕集量Tの前回値に加算し、第2捕集量Tの今回値を算出する。今回値をn、前回値n−1で表すと、第2捕集量Tの今回値Tnは式:Tn=Sn+Tn-1=ΣSi(i=1,2,・・・n)で表される。こうして算出された第2捕集量Tの今回値Tnが第2捕集量Tの推定値である。
エンジン回転数Neが高い程、また目標燃料噴射量Qが多い程、瞬時値Sは増大する傾向があり、従って第2捕集量Tも増大する傾向がある。このように第2捕集量Tが、エンジンの回転数および負荷といった運転履歴を反映した値であるので、単にエンジンの運転時間等から推定する場合に比べ、フィルタのPM捕集量を精度良く推定できる利点がある。
なお、第2捕集量Tを他のパラメータに基づいて補正してもよい。この場合、他のパラメータとしては、例えば、フィルタ23に流入する排気ガスの温度、これに基づいて推定されるフィルタ23の内部温度、フィルタ23の内部温度以外の状態量、排気ガスのNOx濃度等のうちの少なくとも一つを用いることができる。
図2に示すように、捕集量マップでは、横軸を第2捕集量T、縦軸を第1捕集量Mとし、第2捕集量Tに対する第1捕集量Mの関係が特性値Xにより規定されている。特性値Xは概して、第2捕集量Tが増大するほど増大する傾向にある。但し、第2捕集量Tに対する特性値Xの変化率KH、すなわち傾きは、第2捕集量Tが増大するにつれ減少する傾向にある。なお変化率KHは、第2捕集量Tが所定の単位量だけ増加したときの特性値Xの増加量を意味する。
第2捕集量Tおよび特性値Xは最小値T0から最大値T4までの範囲を有し、第1捕集量Mは最小値M0から最大値M4までの範囲を有する。実際の第2捕集量Tが最大値T4に達するか、または実際の第1捕集量Mが最大値M4に達したとき、フィルタ23に許容限度までPMが堆積したとみなし、堆積PMを燃焼除去する周知のフィルタ再生がECU100により実行される。このとき、排気インジェクタ38から燃料が噴射されると共に、噴射燃料が酸化触媒22により酸化燃焼され、高温の排気ガスがフィルタ23に供給される。そしてフィルタ再生の終了と同時に、第2捕集量Tが最小値T0にリセットされる。本実施形態の場合、最小値T0はゼロであるが、ゼロ近傍の所定値としてもよい。第2捕集量Tが最小値T0のとき、特性値Xは初期値X0(>M0)となる。なおフィルタ再生時に排気インジェクタ38から燃料を噴射する代わりに、筒内インジェクタからポスト噴射を行ってもよい。
エンジンが正常もしくは健全である場合、基本的には、実際の第2捕集量Tが増大するにつれ、実際の第1捕集量Mは特性値X付近でこれに沿って増大する。従って捕集量マップでは、特性値Xを基準とした第1捕集量Mの正常範囲が設定され、実際の第1捕集量Mが正常範囲から外れたときに異常と診断するようにしている。本実施形態の場合、正常範囲は、特性値Xに対し+側と−側に所定値α(>0)ずつずれた上限値XHおよび下限値XLの間の範囲(XL≦M≦XH)である。なお本実施形態では、特性値Xに対し+側と−側に等しくずれた上限値XHおよび下限値XLを設定しているが、+側と−側のずれ量を異ならせてもよい。
ところで、特性値Xの変化率KXは、第2捕集量Tが増加して各値T1,T2,T3に到達する度に段階的に減少する。すなわち、第2捕集量Tの各値T1,T2,T3の位置には特性値Xの変曲点が存在する。そこでこの特性に合わせ、本実施形態では、第2捕集量Tの全範囲が、変曲点がある各値T1,T2,T3の位置を境界として、計4つの領域TA1,TA2,TA3,TA4に区分されている。そして領域毎に、特性値Xと、第1捕集量Mの正常範囲XL〜XHと、変化率Kの正常範囲とが設定されている。
ここで変化率Kの正常範囲とは、第1捕集量Mの正常範囲XL〜XHと同様の考え方で、特性値Xの変化率KXを基準に設定された正常とみなせる範囲である。本実施形態の場合、変化率Kの正常範囲は、特性値Xの変化率KXに対し+側と−側に所定値β(>0)ずつずれた上限値KXHおよび下限値KXLの間の範囲(KXL≦K≦KXH)である。なお本実施形態では、特性値変化率KXに対し+側と−側に等しくずれた上限値KXHおよび下限値KXLを設定しているが、+側と−側のずれ量を異ならせてもよい。
エンジンが正常もしくは健全である場合、基本的には、第1捕集量Mの実際の変化率Kは、特性値Xの変化率KXに近い値である。従って本実施形態では、実際の変化率Kが正常範囲から外れたときに異常と診断するようにしている。
領域TA1は、T0≦T<T1の範囲内の領域であり、この領域TA1内では第2捕集量Tが増大するにつれ、特性値XはX0からM1まで変化する。特性値Xの変化率はKX1で、全領域内で最も大きい。
領域TA2は、T1≦T<T2の範囲内の領域であり、この領域TA2内では第2捕集量Tが増大するにつれ、特性値XはM1からM2まで変化する。特性値Xの変化率はKX2で、変化率KX1より僅かに小さい値である。
領域TA3は、T2≦T<T3の範囲内の領域であり、この領域TA3内では第2捕集量Tが増大するにつれ、特性値XはM2からM3まで変化する。特性値Xの変化率はKX3で、変化率KX2より僅かに小さい値である。
領域TA4は、T3≦T<T4の範囲内の領域であり、この領域TA4内では第2捕集量Tが増大するにつれ、特性値XはM3からM4まで変化する。特性値Xの変化率はKX4で、変化率KX3より小さく、全領域内で最も小さい値である。
各領域内で、特性値Xは直線状に変化する。但しこれに限らず、特性値Xは曲線状に変化してもよい。
第1捕集量Mの正常範囲の上限値XHおよび下限値XLは、特性値Xに対し一定値αだけずれた値に設定されている。しかしながら、第2捕集量Tが増大するほど第1捕集量Mの値が増大することから、第1捕集量Mの正常範囲の上限値XHおよび下限値XLを、特性値Xに対しその一定割合α’(%)だけずれた値に設定してもよい。こうすると、第2捕集量Tが増大するほど、上限値XHおよび下限値XLは特性値Xから大きくずれることとなり、第1捕集量Mの増大特性を加味して第1捕集量Mの正常範囲を設定することが可能となる。
こうして図2に示すように、TA1,TA2,TA3,TA4の各領域毎に、縦軸に平行な2本の直線と上限値XHおよび下限値XLの線とで囲まれた菱形の正常範囲が形成される。
ここで、第2捕集量Tの増大につれ特性値Xの変化率KXが減少する傾向にある理由を説明する。フィルタ23の基材もしくは担体はコージェライト、SiC等の多孔質材料でできており、排気ガスを通すがPMを通さない無数の細孔を含んでいる。担体により形成されたセル間隔壁の細孔を排気ガスが通過する際に、PMが隔壁表面に捕獲され、排気ガスが濾過される。
仮にフィルタ23が新品であるとした場合、全ての細孔が隔壁表面上で露出している。この状態からPMの捕集が開始されると、細孔の入口が徐々にPMによって塞がれていき、フィルタの前後差圧は上昇していく。従って、PM捕集量が実質的にゼロとみなされるフィルタ再生終了時点(T=T0)から、PM捕集の初期段階では、隔壁表面上に露出する細孔の入口をPMで次々と塞いでいく段階であるため、第2捕集量Tに対する第1捕集量Mの感度は大きく、第2捕集量Tの増大に対して第1捕集量Mは増大し易い。これが、第2捕集量Tの少ない領域で変化率KXが比較的大きい理由である。
その後、PMの捕集が続くと、隔壁表面および細孔入口に堆積したPMの層(これを深層という)の上に、さらにPMが堆積するようになる。この深層の上に堆積したPMの層を表層という。表層は隔壁表面および細孔入口に接触していない。こうなるともはや、細孔入口を新たにPMで塞ぐ段階は終了し、深層の上に単にPMが次々と堆積していき、表層が成長していく、つまり表層厚さが増大していく段階に移行する。表層の成長は、排気ガスがPMの層全体を通過して細孔に入るときの通過抵抗を増大させ、フィルタの前後差圧を増大させる。しかしその増大の程度は、細孔入口を新たに塞ぐときに比べれば小さいものである。
よってこの段階では、初期段階に比べ、第2捕集量Tに対する第1捕集量Mの感度は小さく、第2捕集量Tの増大に対して第1捕集量Mは増大し難い。しかもこの傾向は、PMの捕集が進むほど、すなわち第2捕集量Tが増大するほど強くなる。これが、第2捕集量Tの増大につれ特性値Xの変化率KHが減少する理由である。
次に、図4を参照しつつ、捕集量マップを使用して検出可能な多様な異常モードの代表例を説明する。
図中、破線は、第2捕集量Tおよび第1捕集量Mの実際値(座標(T,M)で表される)の推移を示し、○(マル)は正常の場合、×(バツ)は異常の場合を示す。
本実施形態では基本的に、実際の第1捕集量Mが正常範囲(XL≦M≦XH)から外れるか、または実際の第1捕集量Mの変化率Kが正常範囲(KXL≦K≦KXH)から外れたとき、異常と診断される。
まず図示するケースC1について説明する。このケースC1では、フィルタ再生終了時点(T=T0)における実際の第1捕集量の値M11が、既に上限値XHを超えている。この場合、ECU100は、フィルタ23内にアッシュが過剰蓄積しているモード1の異常と診断する。
アッシュとは、フィルタ23内のPMを燃焼してできる灰であり、それ以上燃焼除去できないものである。フィルタの新品時には、アッシュが存在しないので、T=T0のときの実際の第1捕集量Mの初期値は、特性値の初期値X0付近の値を示す。この状態からPM捕集とフィルタ再生が繰り返されると、徐々にフィルタ23内のアッシュ蓄積量が増えていく。アッシュ蓄積量が過剰だと、実際の第1捕集量Mの初期値が大きくなり、実際の第1捕集量Mが早期に最大値M4に達してしまって、フィルタ再生の頻度が増加してしまう。よって燃費が悪化する。
このため、アッシュ蓄積量が過剰となった場合、ECU100はこれを異常と診断して図示しない警告装置(警告灯等)を起動し、ユーザーに警告する。これにより、アッシュの清掃除去やフィルタ交換等の必要な措置をユーザーに促すことができ、フィルタ再生頻度増加による燃費悪化を抑制できる。
なお、異常を診断した場合に警告する点は後述する他のモードでも同じである。アッシュには、灰以外の燃焼除去不可能な異物も含まれるものとする。
ここでは実際の第1捕集量Mの初期値が上限値XHを超えた場合にモード1の異常と診断した。しかしながら、上限値XH以外の専用のしきい値を別途定め、このしきい値を実際の第1捕集量Mの初期値が超えた場合に異常と診断してもよい。この場合、しきい値以下の第1捕集量Mの値が正常範囲を規定する。
次に、図示するケースC2について説明する。このケースC2では、アッシュ蓄積量が比較的多いため、実際の第1捕集量Mの初期値が上限値XHに近づいているものの、上限値XHを超えるまでには至っていない。また実際の第1捕集量Mは、最初(T=T0)から最後(M=M4)まで、上限値XHに近いものの、上限値XHを超えてはいない。この場合、アッシュ蓄積量は多いもののエンジン自体は正常と考えられる。そのため、ECU100は正常と診断する。
次に、ケースC3では、実際の第1捕集量Mが捕集開始(T=T0)からT=T31の時点まで、概ね特性値X付近で増大しているものの、T=T31の時点から急激に変化率Kが増大し始め、直後のT=T32の時点で変化率Kが正常範囲の上限値KXHを超えている。この場合、ECU100は、エンジンの燃焼室からのPM排出量が過多であるモード2の異常と診断する。
この場合、T=T31の時点でエンジンの故障が発生し、燃焼室から正常時よりも多くのPMが排出していると考えられる。そこでこの場合には、モード2の異常と診断してユーザーに警告し、必要な措置をユーザーに促す。
他方、ケースC4のように、T=T31の時点で変化率Kが増大し始めるものの、変化率Kが上限値KXHを超えるまでには至らず、正常範囲内に収まっている場合もある。この場合、図示するように、やがては実際の第1捕集量Mが第1捕集量の正常範囲の上限値XHを超え、正常範囲から外れる場合が多い。よって、ECU100は、実際の第1捕集量Mが正常範囲から外れた場合、モード3の異常と診断する。
ECU100は、実際の第1捕集量Mが正常範囲の上限値XHを超えた場合にも、下限値XLを下回った場合(図示せず)にも、モード3の異常と診断する。このモード3の異常は、実際の第1捕集量Mが比較的緩慢に特性値Xからずれていく、比較的軽度の異常に該当する場合が多い。増大側にずれていく異常の原因としては、エンジンの軽度の故障によるPM排出量増大や、何等かの異物によるフィルタの詰まり等が考えられる。減少側にずれていく異常の原因としては、フィルタのひび割れ等の軽度の損傷が考えられる。
次に、やや特殊なケースではあるが、ケースC5では、それまで正常範囲内で推移していた実際の第1捕集量MがT=T51の時点から急激に減少しており、このときの変化率Kは下限値KXLを下回る。そして実際の第1捕集量MはやがてT=T52の時点で下限値XLを下回る。しかし、実際の第1捕集量Mは、その後短時間内に上昇復帰し、T=T53の時点で下限値XL以上となり、やがて減少前の値付近まで復帰する。
こうした、極短時間だけ正常範囲を下回る実際の第1捕集量Mの挙動は、排気通路内に溜まった凝縮水等の水がフィルタに降り掛かり、あるいは付着した場合に起こり得る。すなわち、水がフィルタに付着すると、その付着部分に堆積するPMが水で洗い流されたり、ガス透過し易い組成に変性したりすることがある。こうなると、その部分だけ排気ガスの通過抵抗が減少し、その部分に排気ガスが集中的に流れる結果、フィルタ全体としての差圧が急減する。
しかしながら、その部分はやがてPMの堆積や乾燥によって元の状態に戻り、フィルタ全体としての差圧も上昇復帰する。
このケースC5の場合、一時的にフィルタに水が付着しただけで、エンジン自体は正常である。よってこの場合、ECU100は正常と診断する。
具体的にはECU100は、変化率Kが下限値KXLを下回ったとき、直ちに異常とは判定せず、実際の第1捕集量Mが正常範囲内にある限り、正常と判定する。そして変化率Kが下限値KXLを下回った状態で、実際の第1捕集量Mが下限値XLを下回った場合、M<XLが継続する時間Δt(図中のT52〜T53)を計測する。この計測された継続時間Δtが所定のしきい値Δts未満の場合、ECU100は正常と診断する。
他方、継続時間Δtがしきい値Δts以上の場合には、実際の第1捕集量Mが上昇復帰しておらず、フィルタへの水付着以外のケースと考えられるため、ECU100はモード4の異常と診断する。このモード4の異常の原因としては、フィルタの割れ、穴開き等の重度の損傷が考えられる。
次に、図5を参照して、本実施形態の診断処理のルーチンを説明する。当該ルーチンは図示するフローチャートに従って、ECU100により所定の演算周期τ(例えば10msec)毎に繰り返し実行される。
まずステップS101において、ECU100は、回転速度センサ40、アクセル開度センサ41および差圧センサ45によりそれぞれ検出されたエンジン回転数Ne、アクセル開度Acおよび差圧ΔPを取得する。
次にステップS102において、ECU100は、取得したエンジン回転数Neおよびアクセル開度Acに対応した目標燃料噴射量Qを、図3(B)に示した燃料噴射量マップから算出する。またECU100は、取得した差圧ΔPに対応したフィルタ23の第1捕集量Mを、図3(A)に示した第1捕集量マップから算出する。
次にステップS103において、ECU100は、取得したエンジン回転数Neおよび目標燃料噴射量Qに対応した第2捕集量Tの瞬時値Sを、図3(C)に示した瞬時値マップから算出する。そしてステップS104において、ECU100は、算出した瞬時値Sを積算し、第2捕集量Tを算出する。
次にステップS105において、ECU100は、ステップS104で算出された実際の第2捕集量Tが、所定のしきい値T01以下か否か判断する。しきい値T01は、第2捕集量Tの最小値T0(図2参照)より僅かに大きい値に設定されている。従ってこのステップS105は、実質的に、現時点がフィルタ再生終了時点か否かを判断していることとなる。
実際の第2捕集量Tがしきい値T01以下の場合、現時点は実質的にフィルタ再生終了時点とみなされ、ECU100はステップS106に進み、実際の第1捕集量Mが、第1捕集量Mの正常範囲の上限値XHを超えているか否かを判断する。なお、ここでの上限値XHは実際の第2捕集量Tに対応した値である。
実際の第1捕集量Mが上限値XHを超えている場合、ECU100はステップS107に進み、モード1の異常と診断し、ルーチンを終了する。他方、実際の第1捕集量Mが上限値XHを超えていない場合、ECU100はルーチンを終了する。これによりECU100は実質的に正常もしくは異常無しと診断することとなる。
他方、ステップS105において実際の第2捕集量Tがしきい値T01を超えている場合、現時点は実質的にフィルタ再生終了時点より後の時期とみなされ、ECU100はステップS108に進む。
ステップS108では、ECU100は、実際の第2捕集量Tが位置する領域TAj(但しjは1,2,3,4の何れか)を特定する。そしてステップS109において、ECU100は、特定された領域TAjに対応する特性値Xの変化率KXjを特定する。
次いでステップS110において、ECU100は、第1捕集量Mの実際の変化率Kを算出する。そしてステップS111において、ECU100は、算出した変化率Kが正常範囲内にあるか否か、すなわちKXL≦K≦KXHが成立しているか否かを判断する。ここでKXH,KXLは、ステップS109で特定された変化率KXjにβを加減した値である。
変化率Kが正常範囲内にない場合、ECU100はステップS112に進み、変化率Kが上限値KXHより大きいか否かを判断する。イエスの場合、ECU100はステップS113に進み、モード2の異常と診断し、ルーチンを終了する。他方、ノーの場合、すなわちK<KXLの場合にはステップS114に進む。
ステップS111において変化率Kが正常範囲内にある場合にもステップS114に進む。
ステップS114において、ECU100は、実際の第1捕集量Mが正常範囲内にあるか否か、すなわちXL≦M≦XHが成立しているか否かを判断する。
ノーの場合、ECU100はステップS115に進み、実際の第1捕集量Mが下限値XLより小さいか否かを判断する。イエスの場合、ECU100はステップS116で、M<XLとなった時点からの継続時間Δtが所定のしきい値Δts以上に達したか否かを判断する。達してなければルーチンを終了し、達していればステップS117に進んで、モード4の異常と診断し、ルーチンを終了する。
他方、ステップS115でノーの場合、すなわちM>XHの場合、ECU100はステップS118に進んで、モード3の異常と診断し、ルーチンを終了する。
他方、ステップS114でイエスの場合、ECU100は直ちにルーチンを終了する。これにより実質的に正常もしくは異常無しとの診断がなされる。
以上述べたように本実施形態によれば、捕集量マップを使用して診断を行うことにより、多様なモードの異常を的確に検出することが可能となる。
なお、モード1の異常が特許請求の範囲にいう第1モードの異常に相当し、モード2の異常が特許請求の範囲にいう第2モードの異常に相当する。
次に、本実施形態の変形例を説明する。この変形例では、前述の診断に加え、次のような診断が可能となっている。
図6に示すように、ケースC61,C62では、実際の第2捕集量Tが点P1で示すように正常に最大値T4まで達し、フィルタ再生が開始されている。しかし、フィルタ再生が正常に終了する前に、ユーザーまたは車両側の都合で、フィルタ再生が途中で中断されている(T=T61)。例えば、ユーザーが再生途中で再生を強制的に終了させてしまったり、寒冷地走行や渋滞路走行等で排気温度が低下し、フィルタ再生条件が満たされなくなったりすると、こうした中断が起こり得る。
この中断の時点T61において、実際の第1捕集量Mは、点P2で示すように、ケースC61,C62ともに、正常範囲(XL≦M≦XH)から外れ、それより大きい値となっている。しかし、こうした正常範囲からのずれは、差圧センサ45の検出値の一時的なずれないし誤差等といった、一時的異常要因による可能性もある。例えば、差圧センサ45の配管が水やPMで一時的に詰まってしまうと、こうしたずれが生じ得る。
そこで、フィルタ再生が途中で中断された場合には、その中断時点T61から所定の待ち時間Δtwだけ待機し、その待ち時間Δtwの経過後(T=T62)に実際の第1捕集量Mを用いて診断を行う。言い換えれば、待ち時間Δtw中は診断を一時停止する。これにより、差圧センサ45の検出値の一時的なずれ等といった一時的異常要因により、恒久的異常と誤って診断することを回避することができる。
ケースC61の場合では、待ち時間Δtw経過後の時点T62において、実際の第1捕集量Mが正常範囲内に入っている。このためECU100は正常と診断する。この場合、待ち時間Δtwの最中に一時的異常要因が解消したと考えられる。
他方、ケースC62の場合では、待ち時間Δtw経過後の時点T62においても、実際の第1捕集量Mが依然として正常範囲より高い値となっている。この場合、ECU100は、モード5の異常と診断する。このモード5の異常原因は、モード3の異常原因と類似していると考えられる。例えば、エンジンの故障によるPM排出量増大があると、再生中に捕集PMを燃焼除去しようとしているにも拘わらず、フィルタにPMが供給されてしまい、フィルタ再生が狙い通りに進まなくなる。また、PM以外の異物によるフィルタの詰まり等があってもフィルタ再生が狙い通りに進まなくなる。よってこうした場合には、モード5の異常が起こる可能性がある。
なお、ECU100は、フィルタ再生中におけるフィルタ再生開始時点(T=T4)からの第2捕集量Tの減少量を常時リアルタイムで計算している。そのため、T4から減少量を減算することにより、フィルタ再生中断時点における第2捕集量の値T61を算出可能である。
このケースC61,C62と類似するケースとして、ケースC63,C64もある。このケースC63,C64では、前記同様、実際の第2捕集量Tが点P1の如く最大値T4に達し、フィルタ再生が開始された後、フィルタ再生が途中で中断されている(T=T61)。但し、この中断時点T61において実際の第1捕集量Mは、点P3で示すように、ケースC63,C64ともに、正常範囲より小さい値となっている。
このときにも、中断時点T61から所定の待ち時間Δtwだけ待機し、その待ち時間Δtwの経過後(T=T62)に診断を行う。これにより、一時的異常要因により恒久的異常と誤って診断することを回避できる。
ケースC63の場合では、待ち時間Δtw経過後の時点T62において、実際の第1捕集量Mが正常範囲内に入っている。このためECU100は正常と診断する。
他方、ケースC64の場合では、待ち時間Δtw経過後の時点T62においても、実際の第1捕集量Mが依然として正常範囲より低い値となっている。この場合、ECU100は、モード6の異常と診断する。このモード6の異常原因は、モード4の異常原因と類似していると考えられる。例えば、フィルタに割れ、穴開き等の損傷が生じると、モード6の異常が起こる可能性がある。
以上、本開示の実施形態を詳細に述べたが、本開示は他にも様々な実施形態が可能である。
(1)例えば、捕集量マップにおいて、第2捕集量Tに関する領域の数は、4に限らず、4以外の複数としてもよい。また領域の境界は、必ずしも特性値Xの変曲点の位置に設定しなくてもよく、任意の位置に設定可能である。
(2)第1捕集量Mの正常範囲の上限値XHおよび下限値XLの設定方法は、上記以外にも、試験結果等に応じて任意の方法が可能である。同様に、変化率KXの正常範囲の上限値KXHおよび下限値KXLの設定方法も、上記以外の任意の方法が可能である。
(3)上記実施形態では、モード1からモード6までの6つの異常モードを検出できるようにしたが、これらの一部のみ検出可能となるよう変形することも可能である。また、より多くの異常モードを検出できるよう変形することも可能である。
本開示の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本開示の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本開示に含まれる。従って本開示は、限定的に解釈されるべきではなく、本開示の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 内燃機関(エンジン)
4 排気通路
23 フィルタ
45 差圧センサ
100 電子制御ユニット(ECU)

Claims (5)

  1. 排気ガス中の粒子状物質を捕集するフィルタを備えた内燃機関の診断装置であって、
    前記フィルタの前後差圧に基づいて前記フィルタの第1捕集量を検出し、
    前記内燃機関の運転状態に基づいて前記フィルタの第2捕集量を推定し、
    前記第2捕集量に対する前記第1捕集量の関係を規定する特性値が入力されたマップを予め記憶し、
    検出および推定した実際の前記第1捕集量および前記第2捕集量に基づき、前記マップを使用して異常の有無を診断するように構成されている
    ことを特徴とする内燃機関の診断装置。
  2. 前記特性値は、前記第2捕集量が増大するほど増大する傾向にあり、前記特性値の変化率は、前記第2捕集量が増大するほど減少する傾向にある
    請求項1に記載の内燃機関の診断装置。
  3. 前記マップに、前記第2捕集量の大きさに応じて区分された複数の領域が設定され、前記領域毎に、前記特性値と、前記特性値を基準とした前記第1捕集量の正常範囲と、前記特性値の変化率を基準とした前記変化率の正常範囲とが設定され、
    前記診断装置は、
    前記第1捕集量の実際の変化率を算出し、
    実際の前記第1捕集量が正常範囲内にあるか否か、および、実際の前記変化率が正常範囲内にあるか否かにより、異常の有無を診断する
    請求項1または2に記載の内燃機関の診断装置。
  4. 前記フィルタの再生終了時点で検出された実際の前記第1捕集量が前記正常範囲より大きい値であるとき、前記フィルタ内にアッシュが過剰蓄積している第1モードの異常と診断する
    請求項3に記載の内燃機関の診断装置。
  5. 実際の前記変化率が前記変化率の正常範囲より大きい値であるとき、前記内燃機関の燃焼室からの粒子状物質排出量が過多である第2モードの異常と診断する
    請求項3または4に記載の内燃機関の診断装置。
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