JP2008196280A - 塔状構造物基礎の補強構造および塔状構造物基礎の補強方法 - Google Patents

塔状構造物基礎の補強構造および塔状構造物基礎の補強方法 Download PDF

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Abstract

【課題】支持アンカー部材を損傷させてしまう虞れがなく、しかも簡単に塔状構造物の基礎の補強を行うことができる塔状構造物基礎の補強構造および塔状構造物基礎の補強方法を提供すること。
【解決手段】塔状構造物1の基礎を補強するための構造であって、塔状構造物1の基礎を構成する台座部10において塔状構造物1の外周方向に沿って埋設された複数の長尺状の支持アンカー部材11の外方域に、塔状構造物1の中心軸を中心にして該塔状構造物1の外周方向に沿って配設された補強アンカー部材21と、補強アンカー部材21の上端部21bに取り付けられて台座部10の上面に固定配置された押圧部材22とを備え、押圧部材22は、支持アンカー部材11の下端部11aを頂部として支持アンカー部材11の長手方向に対して45°の角度をなす円錐面と台座部10の上面との交線で定義される破壊領域Aの少なくとも一部を覆う態様で配置してある。
【選択図】 図2

Description

本発明は、塔状構造物基礎の補強構造および塔状構造物基礎の補強方法に関する。
従来、例えば煙突等の塔状構造物においては、設計風速や地震力等の条件変更を受けて該塔状構造物の基礎を補強する必要が生じる場合がある。このような補強の一例を述べると、塔状構造物の下端部に高強度繊維シートを基礎の接合部まで貼付し、縦方向に延長する押えプレートとこのプレートの外面から横方向に延長するアンカー鉄筋とを有する定着具の該押えプレートを高強度繊維シートを貼付した塔状構造物の外面に取り付け、該定着具のアンカー鉄筋を補強用基礎の鉄筋に添接して、コンクリートを打設することにより行っている(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−171620号公報
ところが、上述したような補強例では、補強用基礎が元々の基礎を含んで非常に大きなものとなるために、かかる補強用基礎を形成するために新たに多量のコンクリートを打設しなければならず、しかもかかる多量のコンクリートを打設するためのスペースを形成しなければならないために煩雑なものになる虞れがある。
ところで、塔状構造物の基礎を構成する台座部において該塔状構造物の外周方向に沿って複数の支持アンカー部材が既に埋設されている場合がある。このような場合、支持アンカー部材の引き抜き抵抗力を高めることによって塔状構造物の基礎を補強できることが知られている。そのため、支持アンカー部材の上端部(頭部)を直接板部材等で押さえつけることにより引き抜き抵抗力を高めることが考えられるが、これでは支持アンカー部材を損傷してしまう虞れがある。
本発明は、上記実情に鑑みて、支持アンカー部材を損傷させてしまう虞れがなく、しかも簡単に塔状構造物の基礎の補強を行うことができる塔状構造物基礎の補強構造および塔状構造物基礎の補強方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る塔状構造物基礎の補強構造は、塔状構造物の基礎を補強するための構造であって、前記塔状構造物の基礎を構成する台座部において前記塔状構造物の外周方向に沿って埋設された複数の長尺状の支持アンカー部材の外方域に、前記塔状構造物の中心軸を中心にして該塔状構造物の外周方向に沿って配設された補強アンカー部材と、前記補強アンカー部材の上端部に取り付けられて前記台座部の上面に固定配置された押圧部材とを備え、前記押圧部材は、前記支持アンカー部材の下端部を頂部として該支持アンカー部材の長手方向に対して45°の角度をなす円錐面と前記台座部の上面との交線で定義される破壊領域の少なくとも一部を覆う態様で配置してあることを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係る塔状構造物の補強構造は、塔状構造物の基礎を補強するための構造であって、前記塔状構造物の基礎を構成する台座部において前記塔状構造物の下端部から径外方向に突出する態様で埋設された支持アンカー部材の外方域に、前記塔状構造物の中心軸を中心にして該塔状構造物の外周方向に沿って配設された補強アンカー部材と、前記補強アンカー部材の上端部に取り付けられて前記台座部の上面に固定配置された押圧部材とを備え、前記押圧部材は、前記支持アンカー部材の突出端部を基準として塔状構造物の延在方向に対して外方側に45°の角度をなす直線が塔状構造物の外周方向に沿って集合することにより形成される曲面と、前記台座部の上面との交線で定義される破壊領域の少なくとも一部を覆う態様で配置してあることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係る塔状構造物の補強構造は、上述した請求項1または請求項2において、前記台座部は、前記支持アンカー部材の外方域にコンクリートを打設して形成した増設部を有し、該増設部内に拘束部材を配設してあることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に係る塔状構造物の補強構造は、上述した請求項1〜3のいずれか一つにおいて、前記台座部の外側面を取り囲む態様で配設された台座拘束部材を備えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項5に係る塔状構造物の補強構造は、上述した請求項1〜4のいずれか一つにおいて、前記押圧部材は、環状の形態をなし、補強アンカー部材の上端部に取り付けられて前記台座部の上面に固定配置されてなることを特徴とする。
また、本発明の請求項6に係る塔状構造物の補強方法は、塔状構造物の基礎を補強するための方法であって、前記塔状構造物の基礎を構成する台座部において前記塔状構造物の外周方向に沿って埋設された複数の長尺状の支持アンカー部材の外方域に、前記塔状構造物の中心軸を中心にして該塔状構造物の外周方向に沿って補強アンカー部材を配設する補強アンカー配設工程と、前記支持アンカー部材の下端部を頂部として該支持アンカー部材の長手方向に対して45°の角度をなす円錐面と前記台座部の上面との交線で定義される破壊領域の少なくとも一部を覆う態様で、前記補強アンカー部材の上端部に貫通された状態で前記台座部の上面に押圧部材を固定配置する押圧部材配置工程とを含むことを特徴とする。
本発明の塔状構造物基礎の補強構造によれば、塔状構造物の基礎を構成する台座部において塔状構造物の外周方向に沿って埋設された複数の長尺状の支持アンカー部材の外方域に、補強アンカー部材が塔状構造物の中心軸を中心にして該塔状構造物の外周方向に沿って配設してあり、補強アンカー部材の上端部に取り付けられて台座部の上面に固定配置された押圧部材が支持アンカー部材の下端部を頂部として該支持アンカー部材の長手方向に対して45°の角度をなす円錐面と台座部の上面との交線で定義される破壊領域の少なくとも一部を覆う態様で配置してあるので、支持アンカー部材の引き抜き抵抗力を向上させて補強を行うことができ、しかも支持アンカー部材自体に何らかの加工を施すわけではないので、支持アンカー部材が破損してしまう虞れがない。また、支持アンカー部材の外方域に補強アンカー部材を配設して、該補強アンカー部材を通じて押圧部材を台座部の上面に固定配置するだけなので、従前のようにコンクリートを打設するための大きなスペース等を形成する必要もなく簡単な工程で行うことができる。従って、支持アンカー部材を損傷させてしまう虞れがなく、しかも簡単に塔状構造物の基礎の補強を行うことができるという効果を奏する。
また、本発明の塔状構造物基礎の補強構造によれば、塔状構造物の基礎を構成する台座部において塔状構造物の下端部から径外方向に突出する態様で埋設された支持アンカー部材の外方域に、補強アンカー部材が塔状構造物の中心軸を中心にして該塔状構造物の外周方向に沿って配設してあり、補強アンカー部材の上端部に取り付けられて台座部の上面に固定配置された押圧部材が支持アンカー部材の突出端部を基準として塔状構造物の延在方向に対して外方側に45°の角度をなす直線が塔状構造物の外周方向に沿って集合することにより形成される曲面と、台座部の上面との交線で定義される破壊領域の少なくとも一部を覆う態様で配置してあるので、塔状構造物の引き抜き抵抗力を向上させて補強を行うことができ、しかも支持アンカー部材自体に何らかの加工を施すわけではないので、支持アンカー部材が破損してしまう虞れがない。また、支持アンカー部材の外方域に補強アンカー部材を配設して、該補強アンカー部材を通じて押圧部材を台座部の上面に固定配置するだけなので、従前のようにコンクリートを打設するための大きなスペース等を形成する必要もなく簡単な工程で行うことができる。従って、支持アンカー部材を損傷させてしまう虞れがなく、しかも簡単に塔状構造物の基礎の補強を行うことができるという効果を奏する。
また、本発明の塔状構造物基礎の補強方法によれば、塔状構造物の基礎を構成する台座部において塔状構造物の外周方向に沿って埋設された複数の長尺状の支持アンカー部材の外方域に、塔状構造物の中心軸を中心にして該塔状構造物の外周方向に沿って補強アンカー部材を配設する補強アンカー配設工程と、支持アンカー部材の下端部を頂部として該支持アンカー部材の長手方向に対して45°の角度をなす円錐面と台座部の上面との交線で定義される破壊領域の少なくとも一部を覆う態様で、補強アンカー部材の上端部に貫通された状態で台座部の上面に押圧部材を固定配置する押圧部材配置工程とを含むので、支持アンカー部材の引き抜き抵抗力を向上させて補強を行うことができ、しかも支持アンカー部材自体に何らかの加工を施すわけではないので、支持アンカー部材が破損してしまう虞れがない。また、支持アンカー部材の外方域に補強アンカー部材を配設して、該補強アンカー部材を通じて押圧部材を台座部の上面に固定配置するだけなので、従前のようにコンクリートを打設するための大きなスペース等を形成する必要もなく簡単な工程で行うことができる。従って、支持アンカー部材を損傷させてしまう虞れがなく、しかも簡単に塔状構造物の基礎の補強を行うことができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照しながら、本発明に係る塔状構造物基礎の補強構造および塔状構造物基礎の補強方法の好適な実施の形態について詳細に説明する。尚、以下においては、説明の便宜上、塔状構造物基礎の補強構造について説明しながら、適宜塔状構造物基礎の補強方法についても説明する。
<実施の形態1>
図1および図2は、それぞれ本発明の実施の形態1における塔状構造物の構成を模式的に示すものであり、図1は平面図、図2は断面側面図である。ここに例示する塔状構造物1は、例えば煙突のようなものであって、上下方向に沿って延在し、かつ上方に向かうにつれて外径が漸次小さくなる形態を有するものである。
このような塔状構造物1の基礎は、塔状構造物1の下方部に設けてあり、多角柱状の形態をなす台座部10を有している。ここで、台座部10の形態の一例として多角柱状を示しているが、本発明では台座部10の形態は特に限定されるものではなく、円柱状の形態を有するものであっても構わない。
台座部10は、塔状構造物1の下部よりも十分に大きい外幅を有しており、該塔状構造物1の周囲には、塔状構造物1の外周方向に沿って複数の支持アンカー部材11が既に埋設してある。
このような支持アンカー部材11は、上下方向が長手方向となる長尺状のものであり、下端部11aが鉤状の形態をなし、上端部11bが台座部10の上面を貫通するとともに該台座部10の上面に配設されたベースプレート12を貫通しナット部材13により締結されて、台座部10に埋設されている。図1中の符号14は、基礎内部に設けられた支持アンカー補強筋であり、符号15は、基礎の底版部である。尚、ここで例示する支持アンカー部材11は、下端部11aが鉤状の形態をなすものであったが、本発明では支持アンカー部材11の下端部11aの形態は特に限定されるものではなく、下端部11aに支持アンカー部材11の長手方向に直交する方向に延在するプレートを取り付けたものであっても構わない。
上述したような塔状構造物1では次のような基礎の補強構造20を有している。塔状構造物基礎の補強構造20は、複数の補強アンカー部材21と、押圧部材22と、台座拘束部材23とを備えている。
複数の補強アンカー部材21は、支持アンカー部材11よりも長い長尺状の鋼棒体である。これら補強アンカー部材21は、台座部10における支持アンカー部材11の外方域に、それぞれが塔状構造物1の中心軸を中心にして該塔状構造物1の外周方向に沿って埋設してある。より詳細には、これら補強アンカー部材21の下端部21aが底版部15に進入した態様で支持されるとともに、上端部21bが台座部10の上面より上方に突出した態様で台座部10に埋設してある。
押圧部材22は、鋼板よりなり、かつ円環状の形態をなす板状体である。この押圧部材22は、内径が塔状構造物1の下部の外径よりも十分に大きく、より詳細には、塔状構造物1の周囲に配設された支持アンカー部材11により形成される配設円よりも僅かに大きい。このような押圧部材22は、補強アンカー部材21の上端部21bが貫通するための貫通孔(図示せず)が周方向に沿って複数形成してあり、該貫通孔が補強アンカー部材21の上端部21bに貫通されて該上端部21bが図示しないナット部材により締結される結果、台座部10の上面に固定配置してある。つまり、押圧部材22は、補強アンカー部材21の上端部21bに取り付けられて台座部10の上面に固定配置してある。尚、押圧部材22は、分割形成されており、分割形成されたものが集合して円環状の形態をなすようにしても構わない。
ここで、押圧部材22の配置個所についてより詳細に説明する。図3に示すように、押圧部材22の一部分、つまり補強アンカー部材21に貫通された部分より内方側の部分が、支持アンカー部材11の破壊領域Aの一部を覆う態様で配置してある。この破壊領域Aとは、支持アンカー部材11の下端部11aを頂部として該支持アンカー部材11のロッド部11cの延在方向、すなわち支持アンカー部材11の長手方向に対して45°の角度をなす円錐面と台座部10の上面との交線で定義される領域のことをいう。このような破壊領域Aは、支持アンカー部材11が引き抜かれる際に同時に引き抜かれてしまう、つまり破壊される領域である。
台座拘束部材23は、例えば鋼板で台座部10の外側面を取り囲む態様で配設したもの、あるいはPC鋼線で台座部10の外側面を巻回して取り囲む態様で配設したものである。かかる台座拘束部材23は、台座部10の外側面を拘束することにより、該台座部10が外方に向けて拡大することを抑制するためのものである。図1に示すように、台座部10が多角柱状をなす場合には、台座拘束部材23による拘束力を高めるために、台座部10と台座拘束部材23との間に例えばモルタルやコンクリート等の充填材24を充填することが望ましい。
以上のような構成を有する塔状構造物基礎の補強構造20は次のようにして得られる。以下に、塔状構造物基礎の補強方法の一例について述べる。
まず台座部10の所定域、すなわち既設の支持アンカー部材11の外方域に、塔状構造物1の中心軸を中心にして該塔状構造物1の外周方向に沿って複数のアンカー用孔(図示せず)を削り加工等により形成する。アンカー用孔(図示せず)は、底版部15にも進出する態様で形成する。そして、それぞれのアンカー用孔(図示せず)に補強アンカー部材21を挿入させて、該補強アンカー部材21の下端部21aがアンカー用孔(図示せず)の最下端部、すなわち底版部15に進入した状態で樹脂等で定着させる(補強アンカー配置工程)。この時、補強アンカー部材21の上端部21bは、台座部10の上面より突出している。
次に、円環状の押圧部材22に形成してある貫通孔に補強アンカー部材21の上端部21bを貫通させ、該上端部21bをナット部材で締結することにより、該押圧部材22を台座部10の上面に固定配置する(押圧部材配置工程)。かかる場合に、押圧部材22の一部が破壊領域Aの少なくとも一部を覆う態様で固定する。
このような押圧部材配置工程を行った後に、台座部10の外側面を鋼板よりなる台座拘束部材23で巻回して、上述したような補強構造20を得る。尚、台座部10と台座拘束部材23との間に間隙が生じる場合には、該間隙にモルタルやコンクリート等の充填材24を充填する。
以上のような構成を有する塔状構造物基礎の補強構造20によれば、台座部10に埋設された複数の支持アンカー部材11の外方域に、補強アンカー部材21がそれぞれが塔状構造物1の中心軸を中心にして該塔状構造物1の外周方向に沿って配設してあり、補強アンカー部材21の上端部21bに貫通された態様で台座部10の上面に固定配置した押圧部材22が支持アンカー部材11の下端部11aを頂部として該支持アンカー部材11の長手方向に対して45°の角度をなす円錐面と台座部10の上面との交線で定義される破壊領域Aの少なくとも一部を覆う態様で配置してあるので、支持アンカー部材11の引き抜き抵抗力を向上させて補強を行うことができ、しかも支持アンカー部材11自体に何らかの加工を施すわけではないので、支持アンカー部材11が破損してしまう虞れがない。また、支持アンカー部材11の外方域に補強アンカー部材21を配設して、該補強アンカー部材21を通じて押圧部材22を台座部10の上面に固定配置するだけなので、従前のようにコンクリートを打設するための大きなスペース等を形成する必要もなく簡単な工程で行うことができる。従って、支持アンカー部材11を損傷させてしまう虞れがなく、しかも簡単に塔状構造物1の基礎の補強を行うことができる。
上記塔状構造物基礎の補強構造20によれば、台座拘束部材23を台座部10の外側面に巻回する態様で配設したので、台座部10が外方に拡大することを抑制して台座部10の拘束力を向上させることができる結果、台座部10の強度を向上させることができ、これによっても塔状構造物1の基礎の補強を行うことができる。
また、本発明の実施の形態における塔状構造物基礎の補強方法によれば、台座部10に埋設された複数の支持アンカー部材11の外方域に、塔状構造物1の中心軸を中心にして該塔状構造物1の外周方向に沿って複数の補強アンカー部材21を配設する補強アンカー配設工程と、破壊領域Aの少なくとも一部を覆う態様で補強アンカー部材21の上端部21bに貫通された状態で台座部10の上面に押圧部材22を固定配置する押圧部材配置工程とを含むので、支持アンカー部材11の引き抜き抵抗力を向上させて補強を行うことができ、しかも支持アンカー部材11自体に何らかの加工を施すわけではないので、支持アンカー部材11が破損してしまう虞れがない。また、支持アンカー部材11の外方域に補強アンカー部材21を配設して、該補強アンカー部材21を通じて押圧部材22を台座部10の上面に固定配置するだけなので、従前のようにコンクリートを打設するための大きなスペース等を形成する必要もなく簡単な工程で行うことができる。従って、支持アンカー部材11を損傷させてしまう虞れがなく、しかも簡単に塔状構造物1の基礎の補強を行うことができる。
以上、本発明の好適な実施の形態1について説明したが、本発明はかかる実施の形態1に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。すなわち、図4に示すように、押圧部材22aは、円環状の形態をなす板状体である必要はなく、補強アンカー部材21のそれぞれに対応して設けられた個別の板状体であっても構わない。この場合でも、押圧部材22aの一部が破壊領域Aの少なくとも一部を覆う態様で配置することは言うまでもない。このような構成によっても上述したような実施の形態1と同様の効果を奏することができる。また、補強アンカー部材21の配設位置も、台座部10に配設する余裕がない場合には、モルタルやコンクリート等の充填材24とともに台座部10と台座拘束部材23との隙間に配設するようにしても良い。
<実施の形態2>
図5および図6は、それぞれ本発明の実施の形態2における塔状構造物の構成を模式的に示すものであり、図5は平面図、図6は断面側面図である。尚、上述した実施の形態1における塔状構造物と同一の構成を有するものには同一の符号を付して説明する。ここに例示する塔状構造物1は、例えば煙突のようなものであって、上下方向に沿って延在し、かつ上方に向かうにつれて外径が漸次小さくなる形態を有するものである。
このような塔状構造物1の基礎は、塔状構造物1の下方部に設けてあり、円柱状の形態をなす台座部100を有している。台座部100は、基部101と、増設部102とを有して構成してある。
基部101は、塔状構造物1の下部よりも僅かに大きい外幅を有した多角形状をなしており、該塔状構造物1の周囲には、塔状構造物1の外周方向に沿って複数の支持アンカー部材11が既に埋設してある。ここで、基部101の形態の一例として多角柱状を示しているが、本発明では基部101の形態は特に限定されるものではなく、円柱状の形態を有するものであっても構わない。
このような支持アンカー部材11は、上下方向が長手方向となる長尺状のものであり、下端部11aが鉤状の形態をなし、上端部11bが基部101の上面を貫通するとともに該基部101の上面に配設されたベースプレート12を貫通しナット部材13により締結されて、基部101に埋設されている。図5中の符号14は、基礎内部に設けられた支持アンカー補強筋であり、符号15は、基礎の底版部である。尚、ここで例示する支持アンカー部材11は、下端部11aが鉤状の形態をなすものであったが、本発明では支持アンカー部材11の下端部11aの形態は特に限定されるものではなく、下端部11aに支持アンカー部材11の長手方向に直交する方向に延在するプレートを取り付けたものであっても構わない。
増設部102は、基部101の周囲に形成してあり、より詳細には、該基部101を囲繞する態様で形成してある。この増設部102は、基部101の周囲を取り囲む態様で、すなわち支持アンカー部材11の外方域に鉄筋103を配設してコンクリートを打設することにより形成したものである。かかる増設部102を形成したことにより、台座部100は、上述の通り円柱状の形態をなしている。ここで例示した増設部102は、鉄筋103を配設してコンクリートを打設することにより形成されたものであるが、本発明ではこれに限定されることなく、増設部102は、鉄筋103に替えてPC鋼線を配設してコンクリートを打設することにより形成されたものであっても構わない。これら鉄筋103やPC鋼線は、後述する台座拘束部材23と同様に、該台座部100が外方に向けて拡大することを抑制する機能を有する拘束部材を構成する。
上述したような塔状構造物1では次のような基礎の補強構造200を有している。塔状構造物基礎の補強構造200は、複数の補強アンカー部材21と、押圧部材22aと、台座拘束部材23とを備えている。
複数の補強アンカー部材21は、支持アンカー部材11よりも長い長尺状の鋼棒体である。これら補強アンカー部材21は、台座部100における支持アンカー部材11の外方域で、かつ鉄筋103の内方域に、すなわち台座部100を構成する増設部102にそれぞれが塔状構造物1の中心軸を中心にして該塔状構造物1の外周方向に沿って埋設してある。より詳細には、これら補強アンカー部材21の下端部21aが底版部15に進入した態様で支持されるとともに、上端部21bが台座部100(増設部102)の上面より上方に突出した態様で台座部100(増設部102)に埋設してある。
押圧部材22は、鋼板よりなり、かつ円環状の形態をなす板状体である。この押圧部材22は、内径が塔状構造物1の下部の外径よりも十分に大きく、より詳細には、塔状構造物1の周囲に配設された支持アンカー部材11により形成される配設円よりも僅かに大きい。このような押圧部材22は、補強アンカー部材21の上端部21bが貫通するための貫通孔(図示せず)が周方向に沿って複数形成してあり、該貫通孔が補強アンカー部材21の上端部21bに貫通されて該上端部21bが図示しないナット部材により締結される結果、台座部100(基部101および増設部102)の上面に固定配置してある。尚、押圧部材22は、分割形成されており、分割形成されたものが集合して円環状の形態をなすようにしても構わない。
ここで、押圧部材22の配置個所についてより詳細に説明する。図7に示すように、押圧部材22の一部分、つまり補強アンカー部材21に貫通された部分より内方側の部分が、支持アンカー部材11の破壊領域Aの一部を覆う態様で配置してある。この破壊領域Aとは、支持アンカー部材11の下端部11aを頂部として該支持アンカー部材11のロッド部11cの延在方向、すなわち支持アンカー部材11の長手方向に対して45°の角度をなす円錐面と台座部100の上面との交線で定義される領域のことをいう。このような破壊領域Aは、支持アンカー部材11が引き抜かれる際に同時に引き抜かれてしまう、つまり破壊される領域である。
台座拘束部材23は、例えば鋼板からなり、台座部100の外側面(外周面)を取り囲む態様で配設したもの、あるいはPC鋼線で台座部100の外側面を巻回して取り囲む態様で配設したものである。かかる台座拘束部材23は、台座部100の外周面を拘束することにより、該台座部100が外方に向けて拡大することを抑制するためのものである。
以上のような構成を有する塔状構造物基礎の補強構造200は次のようにして得られる。以下に、塔状構造物基礎の補強方法の一例について述べる。
まず底版部15の所定域、より詳細には、支持アンカー部材11が配設個所よりも外方側となる領域に、塔状構造物1の中心軸を中心にして該塔状構造物1の外周方向に沿って複数のアンカー用孔(図示せず)を削り加工等により形成する。そして、それぞれのアンカー用孔に補強アンカー部材21を挿入して樹脂等で定着させる。その後、補強アンカー部材21の外周域に鉄筋103を塔状構造物1の外周方向に沿って配設し、その後にかかる鉄筋103を巻き込んでコンクリートを打設して増設部102を形成する。これにより、補強アンカー部材21は、下端部21aが底版部15に進入した態様で支持されるとともに、上端部21bが台座部100(増設部102)の上面より上方に突出した態様で台座部100(増設部102)に埋設される。
次に、円環状の押圧部材22に形成してある貫通孔に補強アンカー部材21の上端部21bを貫通させ、該上端部21bをナット部材で締結することにより、該押圧部材22を台座部100の上面に固定配置する。かかる場合に、押圧部材22の一部が破壊領域Aの少なくとも一部を覆う態様で固定する。その後、台座部100の外周面を鋼板よりなる台座拘束部材23で巻回して、上述したような補強構造200を得る。
以上のような構成を有する塔状構造物基礎の補強構造200によれば、複数の支持アンカー部材11の外方域にコンクリートを打設して台座部100を構成し、補強アンカー部材21がコンクリートを打設した部位にそれぞれが塔状構造物1の中心軸を中心にして該塔状構造物1の外周方向に沿って配設してあり、押圧部材22が補強アンカー部材21の上端部21bに貫通された態様で台座部100の上面に固定配置して支持アンカー部材11の下端部11aを頂部として該支持アンカー部材11の長手方向に対して45°の角度をなす円錐面と台座部100の上面との交線で定義される破壊領域Aの少なくとも一部を覆うので、支持アンカー部材11の引き抜き抵抗力を向上させて補強を行うことができ、しかも支持アンカー部材11自体に何らかの加工を施すわけではないので、支持アンカー部材11が破損してしまう虞れがない。また、支持アンカー部材11の外方域に補強アンカー部材21を配設して、該補強アンカー部材21を通じて押圧部材22を台座部100の上面に固定配置するだけなので、従前のようにコンクリートを打設するための大きなスペース等を形成する必要もなく簡単な工程で行うことができる。従って、支持アンカー部材11を損傷させてしまう虞れがなく、しかも簡単に塔状構造物1の基礎の補強を行うことができる。特に、本実施の形態2では、埋設された支持アンカー部材11の外方域にコンクリートを打設するだけで台座部100を構成できるので、支持アンカー部材11の埋設個所が十分な大きさを有していない場合に有用である。
上記塔状構造物基礎の補強構造200によれば、台座拘束部材23を台座部100における増設部102の外周面を取り囲む態様で配設したので、台座部100が外方に拡大することを抑制して台座部100の拘束力を向上させることができる結果、台座部100の強度を向上させることができ、これによっても塔状構造物1の基礎の補強を行うことができる。
以上、本発明の好適な実施の形態2について説明したが、本発明はかかる実施の形態2に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。すなわち、図8に示すように、押圧部材22aは、円環状の形態をなす板状体である必要はなく、補強アンカー部材21のそれぞれに対応して設けられた個別の板状体であっても構わない。この場合でも、押圧部材22の一部が破壊領域Aの少なくとも一部を覆う態様で配置することは言うまでもない。このような構成によっても上述したような実施の形態2と同様の効果を奏することができる。
また、上述した実施の形態2では、補強アンカー部材21を樹脂等で固定した後に、コンクリートを打設して増設部102を形成することにより台座部100を構成したが、本発明では、基部の周囲に鉄筋、あるいはPC鋼線を塔状構造物の外周方向に沿って配設した後にコンクリートを打設して増設部を形成し、その後にアンカー用孔を形成して補強アンカー部材を配設しても構わない。またこれとは別に、基部の周囲に鉄筋、あるいはPC鋼線を塔状構造物の外周方向に沿って配設するとともに、その外方域に鋼板よりなる台座拘束部材を無端状に配設し、かかる台座拘束部材を枠体としてコンクリートを打設することにより増設部を形成し、その後にアンカー用孔を形成して補強アンカー部材を配設しても構わない。
更に、本発明では、増設部102に配設された鉄筋103(やPC鋼線)は、台座部100が外方域に向けて拡大することを抑制する拘束部材を構成しているので、台座拘束部材23を省略しても構わない。また、補強アンカー部材21は、基部101に配設しても構わない。
<実施の形態3>
図9および図10は、それぞれ本発明の実施の形態3における塔状構造物の構成を模式的に示すものであり、図9は平面図、図10は断面側面図である。尚、上述した実施の形態1における塔状構造物と同一の構成を有するものには同一の符号を付して説明する。ここに例示する塔状構造物1′は、例えば鋼管のような形態をなし、上下方向に沿って延在する円柱状のものである。
このような塔状構造物1′の基礎は、塔状構造物1′の下方部に設けてあり、多角柱状の形態をなす台座部10を有している。ここで、台座部10の形態の一例として多角柱状を示しているが、本発明では台座部10の形態は特に限定されるものではなく、円柱状の形態を有するものであっても構わない。
台座部10は、塔状構造物1′の下部よりも十分に大きい外幅を有しており、該塔状構造物1′の下端部が埋設されている。そして、塔状構造物1′の下端部には、その周面に径外方向に突出する態様で鍔状の支持アンカー部材110が設けてある。ここで、図1中の符号14は、基礎内部に設けられた支持アンカー補強筋であり、符号15は、基礎の底版部である。
上述したような塔状構造物1′では次のような基礎の補強構造201を有している。塔状構造物基礎の補強構造201は、複数の補強アンカー部材21と、押圧部材22と、台座拘束部材23とを備えている。
複数の補強アンカー部材21は、長尺状の鋼棒体である。これら補強アンカー部材21は、台座部10における支持アンカー部材110の外方域に、それぞれが塔状構造物1′の中心軸を中心にして該塔状構造物1′の外周方向に沿って埋設してある。より詳細には、これら補強アンカー部材21の下端部21aが底版部15に進入した態様で支持されるとともに、上端部21bが台座部10の上面より上方に突出した態様で台座部10に埋設してある。
押圧部材22は、鋼板よりなり、かつ円環状の形態をなす板状体である。この押圧部材22は、内径が塔状構造物1′の下部の外径よりも十分に大きく、より詳細には、塔状構造物1′の周囲に配設された支持アンカー部材110により形成される配設円よりも僅かに大きい。このような押圧部材22は、補強アンカー部材21の上端部21bが貫通するための貫通孔(図示せず)が周方向に沿って複数形成してあり、該貫通孔が補強アンカー部材21の上端部21bに貫通されて該上端部21bが図示しないナット部材により締結される結果、台座部10の上面に固定配置してある。
ここで、押圧部材22の配置個所についてより詳細に説明する。図11に示すように、押圧部材22の一部分、つまり補強アンカー部材21に貫通された部分より内方側の部分が、支持アンカー部材110の破壊領域Bの一部を覆う態様で配置してある。この破壊領域Bとは、支持アンカー部材110の突出端部110aを基準として塔状構造物1′の延在方向(二点鎖線で例示)に対して外方側に45°の角度をなす直線が塔状構造物1′の外周方向に沿って集合することにより形成される曲面と、台座部の上面との交線で定義される領域のことをいう。このような破壊領域Bは、塔状構造物1′が引き抜かれる際に同時に引き抜かれてしまうこととなる、つまり破壊される領域である。
台座拘束部材23は、例えば鋼板からなり、台座部10の外側面を取り囲む態様で配設してある。かかる台座拘束部材23は、台座部10の外側面を拘束することにより、該台座部10が外方に向けて拡大することを抑制するためのものである。図9に示すように、台座部10が多角柱状をなす場合には、台座拘束部材23による拘束力を高めるために、台座部10と台座拘束部材23との間に例えばモルタルやコンクリート等の充填材24を充填することが望ましい。
以上のような構成を有する塔状構造物基礎の補強構造201は次のようにして得られる。以下に、塔状構造物基礎の補強方法の一例ついて述べる。
まず台座部10の所定域、すなわち既設の支持アンカー部材110の外方域に、塔状構造物1′の中心軸を中心にして該塔状構造物1′の外周方向に沿って複数のアンカー用孔(図示せず)を削り加工等により形成する。アンカー用孔(図示せず)は、底版部15にも進出する態様で形成する。そして、それぞれのアンカー用孔(図示せず)に補強アンカー部材21を挿入させて、該補強アンカー部材21の下端部21aがアンカー用孔(図示せず)の最下端部、すなわち底版部15に進入した状態で樹脂等で定着させる。この時、補強アンカー部材21の上端部21bは、台座部10の上面より突出している。
次に、円環状の押圧部材22に形成してある貫通孔に補強アンカー部材21の上端部21bを貫通させ、該上端部21bをナット部材で締結することにより、該押圧部材22を台座部10の上面に固定配置する。かかる場合に、押圧部材22の一部が破壊領域Bの少なくとも一部を覆う態様で固定する。
このような工程を行った後に、台座部10の外側面を鋼板よりなる台座拘束部材23で巻回して、上述したような補強構造201を得る。尚、台座部10と台座拘束部材23との間に間隙が生じる場合には、該間隙にモルタルやコンクリート等の充填材24を充填する。
以上のような構成を有する塔状構造物基礎の補強構造201によれば、台座部10に埋設された複数の支持アンカー部材110の外方域に、補強アンカー部材21がそれぞれが塔状構造物1′の中心軸を中心にして該塔状構造物1′の外周方向に沿って配設してあり、補強アンカー部材21の上端部21bに貫通された態様で台座部10の上面に固定配置した押圧部材22が、支持アンカー部材110の突出端部110aを基準として塔状構造物1′の延在方向に対して外方側に45°の角度をなす直線が塔状構造物1′の外周方向に沿って集合することにより形成される曲面と台座部10の上面との交線で定義される破壊領域Bの少なくとも一部を覆う態様で配置してあるので、塔状構造物1′の引き抜き抵抗力を向上させて補強を行うことができ、しかも支持アンカー部材110自体に何らかの加工を施すわけではないので、支持アンカー部材110が破損してしまう虞れがない。また、支持アンカー部材110の外方域に補強アンカー部材21を配設して、該補強アンカー部材21を通じて押圧部材22を台座部10の上面に固定配置するだけなので、従前のようにコンクリートを打設するための大きなスペース等を形成する必要もなく簡単な工程で行うことができる。従って、支持アンカー部材110を損傷させてしまう虞れがなく、しかも簡単に塔状構造物1′の基礎の補強を行うことができる。
上記塔状構造物基礎の補強構造201によれば、台座拘束部材23を台座部10の外側面に巻回する態様で配設したので、台座部10が外方に拡大することを抑制して台座部10の拘束力を向上させることができる結果、台座部10の強度を向上させることができ、これによっても塔状構造物1′の基礎の補強を行うことができる。また本実施の形態3において、台座部10を基部101と増設部102とから構成されるものとしても構わない。
以上、本発明の好適な実施の形態1〜3およびその変形例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく種々の変更を行うことができる。例えば、上述した実施の形態1〜3では、台座拘束部材23を用いていたが、本発明では、台座拘束部材23は必須のものではなく、必要に応じて設けるものであっても構わない。
また、上述した実施の形態3では、鍔状の支持アンカー部材110を設けた場合について説明したが、本発明では、塔状構造物の下端部の周面の任意の個所から径外方向に向けて突出する態様で配設された支持アンカー部材であっても構わない。
更に、本発明では、図12に示すように、例えば鋼板等よりなる補強アンカー部材210を台座部10の外側面を取り囲む態様で配設し、該補強アンカー部材210の上端部に取り付けられた押圧部材22が台座部10の上面に固定配置しても構わない。この際、押圧部材22は、支持アンカー部材11の破壊領域A(図3参照)の少なくとも一部を覆う態様で配置してあることはいうまでもない。このような構成によっても上述したような実施の形態1における補強構造20が奏する作用効果を発揮することが可能になり、しかも補強アンカー部材210が台座拘束部材23と同様に台座部10が外方に拡大することを抑制する機能を発揮することができる。これにより、部品点数の削減を図ることもできる。
その他、本実施の形態1〜3では、補強アンカー部材や押圧部材を必須としたが、場合によっては補強アンカー部材や押圧部材を省略して、上記各実施の形態での台座拘束部材だけでも構わない。
以上のように、本発明に係る塔状構造物基礎の補強構造および塔状構造物基礎の補強方法は、ともに例えば煙突等の塔状構造物の基礎を補強するのに有用である。
本発明の実施の形態1における塔状構造物の構成を模式的に示す平面図である。 本発明の実施の形態1における塔状構造物の構成を模式的に示す断面側面図である。 図1に示した塔状構造物の要部を示した説明図である。 図1に示した本発明の実施の形態1における塔状構造物の変形例を模式的に示した平面図である。 本発明の実施の形態2における塔状構造物の構成を模式的に示す平面図である。 本発明の実施の形態2における塔状構造物の構成を模式的に示す断面側面図である。 図5に示した塔状構造物の要部を示した説明図である。 図5に示した本発明の実施の形態2における塔状構造物の変形例を模式的に示した平面図である。 本発明の実施の形態3における塔状構造物の構成を模式的に示す平面図である。 本発明の実施の形態3における塔状構造物の構成を模式的に示す断面側面図である。 図9に示した塔状構造物の要部を示した説明図である。 本発明の塔状構造物の変形例を模式的に示す断面側面図である。
符号の説明
1,1′ 塔状構造物
10,100 台座部
11,110 支持アンカー部材
11a 下端部
11b 上端部
11c ロッド部
20,200,201 補強構造
21,210 補強アンカー部材
21a 下端部
21b 上端部
22,22a 押圧部材
23 台座拘束部材
101 基部
102 増設部
103 鉄筋
A,B 破壊領域

Claims (6)

  1. 塔状構造物の基礎を補強するための構造であって、
    前記塔状構造物の基礎を構成する台座部において前記塔状構造物の外周方向に沿って埋設された複数の長尺状の支持アンカー部材の外方域に、前記塔状構造物の中心軸を中心にして該塔状構造物の外周方向に沿って配設された補強アンカー部材と、
    前記補強アンカー部材の上端部に取り付けられて前記台座部の上面に固定配置された押圧部材と
    を備え、
    前記押圧部材は、前記支持アンカー部材の下端部を頂部として該支持アンカー部材の長手方向に対して45°の角度をなす円錐面と前記台座部の上面との交線で定義される破壊領域の少なくとも一部を覆う態様で配置してあることを特徴とする塔状構造物基礎の補強構造。
  2. 塔状構造物の基礎を補強するための構造であって、
    前記塔状構造物の基礎を構成する台座部において前記塔状構造物の下端部から径外方向に突出する態様で埋設された支持アンカー部材の外方域に、前記塔状構造物の中心軸を中心にして該塔状構造物の外周方向に沿って配設された補強アンカー部材と、
    前記補強アンカー部材の上端部に取り付けられて前記台座部の上面に固定配置された押圧部材と
    を備え、
    前記押圧部材は、前記支持アンカー部材の突出端部を基準として塔状構造物の延在方向に対して外方側に45°の角度をなす直線が塔状構造物の外周方向に沿って集合することにより形成される曲面と、前記台座部の上面との交線で定義される破壊領域の少なくとも一部を覆う態様で配置してあることを特徴とする塔状構造物基礎の補強構造。
  3. 前記台座部は、前記支持アンカー部材の外方域にコンクリートを打設して形成した増設部を有し、該増設部内に拘束部材を配設してあることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の塔状構造物の補強構造。
  4. 前記台座部の外側面を取り囲む態様で配設された台座拘束部材を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の塔状構造物基礎の補強構造。
  5. 前記押圧部材は、環状の形態をなし、補強アンカー部材の上端部に取り付けられて前記台座部の上面に固定配置されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の塔状構造物基礎の補強構造。
  6. 塔状構造物の基礎を補強するための方法であって、
    前記塔状構造物の基礎を構成する台座部において前記塔状構造物の外周方向に沿って埋設された複数の長尺状の支持アンカー部材の外方域に、前記塔状構造物の中心軸を中心にして該塔状構造物の外周方向に沿って補強アンカー部材を配設する補強アンカー配設工程と、
    前記支持アンカー部材の下端部を頂部として該支持アンカー部材の長手方向に対して45°の角度をなす円錐面と前記台座部の上面との交線で定義される破壊領域の少なくとも一部を覆う態様で、前記補強アンカー部材の上端部に貫通された状態で前記台座部の上面に押圧部材を固定配置する押圧部材配置工程と
    を含むことを特徴とする塔状構造物基礎の補強方法。
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