JP2013525637A - 風力発電装置の基礎構造および風力発電プラント - Google Patents

Abstract

【解決手段】
複数の棒鋼およびラジアル方向棒鋼を有する補強鉄筋と、パイロンの壁に設けられて補強鉄筋の複数のラジアル方向棒鋼(200)を受ける複数の孔を有するパイロン下部と、を備える風力発電装置の基礎構造を提供する。また、補強鉄筋およびパイロン下部を覆うコンクリート躯体(300)が提供される。基礎構造は、棒鋼ないしラジアル方向棒鋼を受ける複数のホルダ(400)を有する。ホルダは、上部に、パイロン下部(100)の上部に固定される上部ブラケット(410)と、補強鉄筋の棒鋼ないしラジアル方向棒鋼を受ける下側足部(420)を有する。ブラケット(400)の長さは可変に調節される。
【選択図】図３

Description

本発明は、風力発電装置の基礎構造および風力発電装置の施工方法に関する。

風力発電装置の基礎構造は、実質的に、コンクリートおよび鋼製補強鉄筋から構成される。典型的には、（鋼製）パイロン（塔部）下部が据付けられ、棒鋼を含む補強鉄筋が、ラジアル方向および接線方向に設けられる。この場合、上部のラジアル方向棒鋼は、パイロン下部の孔に挿通させることができ、印加される横方向張力を受け止める。次いで、基礎構造は、それから、コンクリートで充填されることができる。さらに、補強鉄筋のラジアル方向棒鋼に加えて、補強鉄筋は、周方向に延在する棒鋼や鉛直方向に延在する棒鋼を有することができる。

DE 10 2008 010 660 B3 DE 102 26 996 A1

風力発電装置の稼動時、張力と圧縮応力の両方が、パイロン下部、補強鉄筋およびコンクリートに作用する。特に、張力の場合（例えば、パイロンの膨張によって生じる）、この状況は、負荷の不適当な印加を生じ、パイロン下部の孔の領域内のコンクリートに損傷を与える結果を招くおそれがある。

従来、この問題を防止するため、ラバーが、パイロン壁内における補強鉄筋の被覆として、使用されている。

従来の一般的な技術は、DE 10 2008 010 660 B3およびDE 102 26 996 A1に記載されている。

本発明の目的は、張力によって基礎構造が受ける損害を減少させる、風力発電装置の基礎構造を提供することである。

本発明の目的は、請求項１による風力発電装置の基礎構造、および、請求項５による風力発電装置によって達成される。

すなわち、本発明による風力発電装置の基礎構造は、複数のラジアル方向棒鋼を有する補強鉄筋と、棒鋼ないしラジアル方向棒鋼を受け、又は、ラジアル方向棒鋼を挿通させる、パイロン下部の壁に設けられた複数の孔を有するパイロン下部と、を備えている。加えて、補強鉄筋およびパイロン下部を覆うコンクリート躯体を備える。基礎構造は、補強鉄筋の棒鋼ないしラジアル方向棒鋼を保持する複数のホルダを含む。ホルダは、パイロン下部に取り付けられる上部ブラケットと、補強鉄筋の棒鋼ないしラジアル方向棒鋼を受ける下側足部と、を有している。ブラケット長さは調節可能である。

かくして、ホルダの長さは、下側足部が補強鉄筋の棒鋼を受けて、ラジアル方向棒鋼がパイロン下部の壁内の孔を貫通して延在するように、調節される。この際、ホルダの調節によって、ラジアル方向棒鋼は、パイロン下部の壁に接触しないようにすることができる。

補強鉄筋は、また、接線方向又は環状の棒鋼を有することができる。

本発明の一視点において、ホルダは、パイロン下部の上端でフランジに取り付けられることができる。上部ブラケットは、スロットを有する。下側足部は、上部ブラケットの第二端に取り付けられる。

本発明の別の視点において、下側足部は、ホルダ長さの調整を可能とするスロットを有する。

本発明の別の視点において、パイロン下部の壁の穴は、楕円形状又はスロット形状である。

本発明は、また、パイロン（塔部）とパイロン用の基礎構造を有する風力発電装置に関し、この基礎構造は、上述した風力発電装置の基礎構造とすることができる。

本発明は、さらに、風力発電装置の施工方法に関し、特に、風力発電装置の基礎構造の施工方法に関する。この際、パイロン下部が設けられ、そして、半径方向の棒鋼および接線方向の棒鋼を有する補強鉄筋が設けられる。半径方向棒鋼の一部は、パイロン下部（セグメント）の壁の孔（複数）に挿通されて延在される。さらに、上部ブラケットと下側足部を有する複数のホルダが設けられる。ホルダは、棒鋼又は半径方向棒鋼を受けるための下側足部を有する。ホルダの長さは、半径方向の棒鋼がパイロンの壁に設けた孔（複数）を夫々貫通して挿通延在できるよう、かつその際、パイロン下部（セグメント）の壁に接触することのないよう挿通できるよう、調節される。

本発明のさらなる構成は従属クレームの対象である。

本発明の利点および実施の形態は、以下図面を参照して詳述する。

図１は、本発明による風力発電装置の基礎構造を説明する模式図である。 図２は、本発明の第１の実施形態に係るホルダを説明する模式図である。 図３は、本発明の第２の実施形態に係る風力発電装置の基礎構造を説明する模式図である。

図１は、本発明による風力発電装置の基礎構造を説明する模式図である。パイロン下部１００が据付けられ、補強鉄筋は、鋼ロッドないし鋼バー（棒鋼）、および、ラジアル方向ロッドないしバー（棒鋼）２００を有している。風力発電装置の基礎は、コンクリート３００で充填されている。パイロン下部１００は、補強鉄筋のラジアル方向棒鋼が通過できる孔（複数）１１０（例えば楕円状の穴）を有している。それによって、基礎の静置状態を改善することができる。ラジアル方向棒鋼に加えて、補強鉄筋として、周方向棒鋼や鉛直方向棒鋼を設けることができる。パイロン下部（セグメント）は、好ましくは、棒鋼から形成され、上部フランジ１２０および下部フランジ１３０を有し、上部フランジは基礎から突出し、下部フランジはコンクリート内に埋設される。

図２は、本発明の第１の実施形態に係るホルダを説明する模式図である。ホルダ４００は、互いに接続される、上部ブラケット４１０および下側足部４２０を有している。好ましくは、上部ブラケット４１０および下側足部４２０は、互いに変位可能に設けられ、ホルダ４００の長さが可変にされている。

上部ブラケット４１０は、第一端および第二端４１１，４１２を有し、上部ブラケット４１０の第一端４１１は、例えば、パイロン下部１００の上部フランジ１２０に取り付けられるよう設けられる。下側足部４２０は、上部ブラケット４１０の第二端４１２に取り付けられることができる。上部ブラケット４１０の第一端４１１は、アングル形状を有するよう形成され、少なくとも、一つのスロット４３０を有することができ、アングル端４１１は、パイロン下部１００の上部フランジ１２０に、例えば、ねじとナットによって、取り付けられることができる。下側足部４２０は、第一および第二端４２１，４２２を有し、下側足部４２０の第一端４２１は、上部ブラケット４１０の第二端４１２に取り付けられることができる。この場合、スロットは、下側足部４２０の第一端４２１又は上部ブラケット４１０の第二端のいずれかに設けることができ、これによって、上部ブラケット４１０および下側足部４２０を、一体化することができ、ホルダ長さを可変にすることができる。下側足部４２０の第二端４２２は、アングル形状を有し、上方に曲げられた端部４２３を適宜有することができる。この配置によって、下側足部４２０の第二端は、補強鉄筋の棒鋼ないしラジアル方向棒鋼を受ける機能を有する。この視点において、特に、少なくとも一つの棒鋼から成るインナリングが、パイロン下部の周りを囲むように受け止められることができる。強化材のラジアル方向棒鋼は、インナリング上又はインナリングに設けることができる。これらのラジアル方向棒鋼は、パイロン下部１００の壁に設けられた孔（複数）１１０を貫通して延在する。この場合、ホルダ４００の長さは、好ましくは、調節されて、ラジアル方向棒鋼が、パイロン下部（セグメント）の壁には接触しないようにされる。

図３は、第２の実施形態に係る風力発電装置の基礎構造を説明する模式図である。この図は、特に、パイロン下部１００と、孔１１０を図示している。補強鉄筋のラジアル方向棒鋼２１０は、孔１１０を貫通するよう設けられる。パイロン下部の周りには、棒鋼から構成される少なくとも一つのインナリング２２０が設けられる。インナリング２２０は、複数のラジアル方向棒鋼２１０の下に設けることができる。また、複数のホルダ４００（例えば、第１の実施形態のホルダ）は、パイロン下部の第一端に取り付けられる。ホルダ４００の第二端は、インナリング２２０を受けることができる。好ましくは、ホルダの長さが調節されて、インナリング２２０上のラジアル方向棒鋼２１０は、パイロン下部の壁に接触せずに、孔１１０を貫通する。

コンクリートを基礎構造に打設するとき、コンクリートは、補強鉄筋が埋まるまで、充填される。したがって、ホルダの下側足部も、コンクリート内に埋設される。しかしながら、ホルダの上部ブラケットは、さらに、別に用いることができる。この目的のため、下側足部を分離する（例えば、切断により）だけでよい。このようにして、上部ブラケットを再利用することができる。

上述したパイロン下部は、好ましくは、鋼製である。

１００ パイロン下部
１１０ 孔
１２０ 上部フランジ
１３０ 下部フランジ
２００ ラジアル方向棒鋼
２２０ リング、インナリング
３００ コンクリート、コンクリート躯体
４００ ホルダ
４１０ 上部ブラケット
４１１ 第一端
４１１ アングル端
４１２ 第二端
４２０ 下側足部
４２１ 第一端
４２２ 第二端
４２３ 上方に曲げられた端部
４３０ スロット

【０００２】
風力発電装置の基礎構造は、実質的に、コンクリートおよび鋼製補強鉄筋から構成される。典型的には、（鋼製）パイロン（塔部）下部が据付けられ、棒鋼を含む補強鉄筋が、ラジアル方向および接線方向に設けられる。この場合、上部のラジアル方向棒鋼は、パイロン下部の孔に挿通させることができ、印加される横方向張力を受け止める。次いで、基礎構造は、それから、コンクリートで充填されることができる。さらに、補強鉄筋のラジアル方向棒鋼に加えて、補強鉄筋は、周方向に延在する棒鋼や鉛直方向に延在する棒鋼を有することができる。
なお、特許文献３は、後述する特許文献１に対応する文献であり、特許文献４は、後述する特許文献２に対応する文献である。
【先行技術文献】

【０００３】
【特許文献】
【特許文献１】DE 10 2008 010 660 B3
【特許文献２】DE 102 26 996 A1
【特許文献３】 US2011/0041438A1
【特許文献４】 特表2005-515321号公報

本発明の目的は、第１の視点による風力発電装置の基礎構造、および、第２の視点による風力発電装置によって達成される。
なお、特許請求の範囲に付記した図面参照符号は、専ら理解を助けるためのものであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。

すなわち、第１の視点による風力発電装置の基礎構造は、複数のラジアル方向棒鋼を有する補強鉄筋と、棒鋼ないしラジアル方向棒鋼を受け、又は、ラジアル方向棒鋼を挿通させる、パイロン下部の壁に設けられた複数の孔を有するパイロン下部と、を備えている。加えて、補強鉄筋およびパイロン下部を覆うコンクリート躯体を備える。基礎構造は、補強鉄筋の棒鋼ないしラジアル方向棒鋼を保持する複数のホルダを含む。ホルダは、パイロン下部に取り付けられる上部ブラケットと、補強鉄筋の棒鋼ないしラジアル方向棒鋼を受ける下側足部と、を有している。ブラケット長さは調節可能である。

第２の視点は、さらに、風力発電装置の施工方法に関し、特に、風力発電装置の基礎構造の施工方法に関する。この際、パイロン下部が設けられ、そして、半径方向の棒鋼および接線方向の棒鋼を有する補強鉄筋が設けられる。半径方向棒鋼の一部は、パイロン下部（セグメント）の壁の孔（複数）に挿通されて延在される。さらに、上部ブラケットと下側足部を有する複数のホルダが設けられる。ホルダは、棒鋼又は半径方向棒鋼を受けるための下側足部を有する。ホルダの長さは、半径方向の棒鋼がパイロンの壁に設けた孔（複数）を夫々貫通して挿通延在できるよう、かつその際、パイロン下部（セグメント）の壁に接触することのないよう挿通できるよう、調節される。

本発明のさらなる構成は従属クレームの対象である。
第１の視点において、好ましくは、前記ホルダの前記上部ブラケットは、前記パイロン下部の上部フランジに取り付け可能であり、前記上部ブラケットは、その上側の第一端にスロットを有し、その第二端が前記下側足部に接続される。
第１の視点において、好ましくは、前記下側足部ないし前記上部ブラケットの前記第二端は、前記ホルダの長さ調節用の孔を有する。
第１の視点において、好ましくは、前記パイロン下部の壁の孔は、円形、楕円形又はスロット形状である。
好ましい風力発電装置は、第１の視点による風力発電装置の基礎構造と、前記基礎構造上のパイロンを備える。

本発明の一実施形態の概要について、図面を参照して説明する。なお、特許請求の範囲およびこの概要等に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。
図１は、本発明による風力発電装置の基礎構造を説明する模式図である。パイロン下部１００が据付けられ、補強鉄筋は、鋼ロッドないし鋼バー（棒鋼）、および、ラジアル方向ロッドないしバー（棒鋼）２００を有している。風力発電装置の基礎は、コンクリートで充填されている。パイロン下部１００は、補強鉄筋のラジアル方向棒鋼が通過できる孔（複数）１１０（例えば楕円状の穴）を有している。それによって、基礎の静置状態を改善することができる。ラジアル方向棒鋼に加えて、補強鉄筋として、周方向棒鋼や鉛直方向棒鋼を設けることができる。パイロン下部（セグメント）は、好ましくは、棒鋼から形成され、上部フランジ１２０および下部フランジ１３０を有し、上部フランジは基礎から突出し、下部フランジはコンクリート内に埋設される。

上述したパイロン下部は、好ましくは、鋼製である。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は、上記した一実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術的思想を逸脱しない範囲で、更なる変形・置換・調整を加えることができる。
なお、上記の特許文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示（請求の範囲を含む）の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素（各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む）の多様な組み合わせ、ないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。

Claims (6)

1. 複数の棒鋼およびラジアル方向棒鋼(200)を有する補強鉄筋と、
   パイロンの壁に設けられて前記補強鉄筋の前記複数のラジアル方向棒鋼(200)を受ける複数の孔(110)を有するパイロン下部(100)と、
   前記補強鉄筋および前記パイロン下部(100)を覆うコンクリート躯体(300)と、
   前記棒鋼ないし前記ラジアル方向棒鋼(200)を受ける複数のホルダ(400)と、
   を備え、
   前記複数のホルダ(400)はそれぞれ、上部に、前記パイロン下部(100)の上部に固定される上部ブラケット(410)を有し、下部に、前記補強鉄筋の前記棒鋼ないし前記ラジアル方向棒鋼(200)を受ける下側足部を有し、
   前記複数のブラケット(400)の長さは可変である、
   風力発電装置の基礎構造。
2. 前記ホルダ(400)の前記上部ブラケット(410)は、前記パイロン下部(100)の上部フランジ(120)に取り付け可能であり、
   前記上部ブラケット(410)は、その上側の第一端にスロットを有し、その第二端が前記下側足部に接続されることを特徴とする請求項１記載の風力発電装置の基礎構造。
3. 前記下側足部ないし前記上部ブラケットの前記第二端は、前記ホルダの長さ調節用の孔を有することを特徴とする請求項１又は２記載の風力発電装置の基礎構造。
4. 前記パイロン下部の壁の孔は、円形、楕円形又はスロット形状であることを特徴とする請求項１〜３のいずれか一に記載の風力発電装置の基礎構造。
5. 請求項１〜４のいずれか一に記載の風力発電装置の基礎構造と、前記基礎構造上のパイロンを備えることを特徴とする風力発電装置。
6. 風力発電装置の基礎構造の施工方法であって、
   パイロン下部(100)を設ける工程と、
   複数の棒鋼およびラジアル方向棒鋼(200)を含む補強鉄筋を用い、前記ラジアル方向棒鋼を、前記パイロン下部(100)の孔に貫通させて延在させる工程と、
   上部ブラケット（410）と下側足部（420）を有する複数のホルダ（400）を用い、前記上部ブラケット（410）を前記パイロン下部（100）の一端に取り付け、前記下側足部（420）が、前記補強鉄筋の棒鋼ないし前記ラジアル方向棒鋼を受ける工程と、
   前記ラジアル方向棒鋼(200)が、前記パイロン下部(100)の壁に接触しないように前記パイロン下部（100）の壁内の前記孔を貫通するよう、前記ホルダ(400)の長さを調節する工程と、
   を含む、風力発電装置の基礎構造の施工方法。

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