JP2008195913A - 光硬化型インク組成物セット、このインク組成物セットを用いた記録方法および記録物 - Google Patents
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Abstract
【課題】光硬化感度および保存安定性を向上し、さらに低黄変型光ラジカル重合開始剤を効率的に反応させることができる2液型の光硬化型インク組成物セットを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る2液型の光硬化型インク組成物セットは、少なくとも色材、重合性化合物(具体的にはアリルエーテル化合物)および光ラジカル重合開始剤を含有するインク組成物Aと、少なくともラジカル重合性化合物(具体的には樹枝状ポリマーであるハイパーブランチポリマーおよび/またはデンドリマー)を含有し、色材および光ラジカル重合開始剤を含有しないインク組成物Bとから成り、前記インク組成物A,Bのどちらか一方または両方に感度向上剤(具体的にはクマリン系化合物およびチオキサントン系化合物のいずれか1種類または複数の混合物)を含むものである。
【選択図】なし
【解決手段】本発明に係る2液型の光硬化型インク組成物セットは、少なくとも色材、重合性化合物(具体的にはアリルエーテル化合物)および光ラジカル重合開始剤を含有するインク組成物Aと、少なくともラジカル重合性化合物(具体的には樹枝状ポリマーであるハイパーブランチポリマーおよび/またはデンドリマー)を含有し、色材および光ラジカル重合開始剤を含有しないインク組成物Bとから成り、前記インク組成物A,Bのどちらか一方または両方に感度向上剤(具体的にはクマリン系化合物およびチオキサントン系化合物のいずれか1種類または複数の混合物)を含むものである。
【選択図】なし
Description
本発明は、混合後、光照射により光硬化する2液型の光硬化型インク組成物セット、このインク組成物セットを用いた記録方法および記録物に関する。
インクジェット記録方法は、インク組成物の小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法である。このインクジェット記録方法は、高解像度、高品位な画像を、高速で印刷することができるという特徴を有するものである。
インクジェット記録方法に使用されるインク組成物は、水性溶媒を主成分とし、これに色材及び目詰まりを防止する目的でグリセリン等の湿潤剤を含有するものが一般的である。
インクジェット記録方法に使用されるインク組成物は、水性溶媒を主成分とし、これに色材及び目詰まりを防止する目的でグリセリン等の湿潤剤を含有するものが一般的である。
一方、インク組成物が浸透し難い種類の紙、布類、または浸透しない金属、プラスチック等の素材、例えばフェノール、メラミン、塩化ビニル、アクリル、ポリカーボネートなどの樹脂から製造される板、フィルムなどの記録媒体に印字する場合、インク組成物には、色材が安定して記録媒体に固着できる成分を含有することが要求される。
ところで、従来技術として「少なくとも着色剤と、紫外線が付与されて高分子化する成分とを含有するインクジェットインク記録媒体。」が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このインクジェットインク記録媒体によれば、インクジェットが有する多くの長所を失うことなく、普通紙上での画像の乱れを解消し、高画質記録を実現することができるとされている。
また、「色材,光硬化剤(ラジカル重合性化合物)、(光ラジカル)重合開始剤等を含んでなる光硬化型インクジェットインク。」が提案されている(例えば、特許文献2参照)。このインクによれば、記録媒体へのインクの滲みを防止し、画質を向上させることができるとされている。
また、「色材,光硬化剤(ラジカル重合性化合物)、(光ラジカル)重合開始剤等を含んでなる光硬化型インクジェットインク。」が提案されている(例えば、特許文献2参照)。このインクによれば、記録媒体へのインクの滲みを防止し、画質を向上させることができるとされている。
一方、「紫外線を照射することにより硬化する特性を有するインクジェットプリンター用インクにおいて、少なくとも水、モノマー構造で官能基を2つ以上含む水溶性の光硬化型樹脂プレポリマー、水溶性もしくは非水溶性の光重合開始剤、及び水溶性染料を含むインクジェットプリンター用インク。」が提案されている(例えば、特許文献3参照)。このインクによれば、次の“1〜6”のインクを提供することができるとされている。
1.カラー印字において、水系で染料を色材として含むインクでありながら、印字後、再度水分(第2色目以降の印字によるインク)が付着しても、染料が滲まない効果を有するインクを提供することができる。
2.インクのベース溶液として、従来の水ではなく、紫外線硬化型樹脂のプレポリマーを用いることにより、乾燥防止剤を添加しなくても、ヘッドノズル内で乾燥し難いインクを提供することができる。
3.光硬化型樹脂を含むインクの使用において、インクの保存安定性を向上させるため、樹脂分と反応開始剤を別々に保存し、別々のヘッドノズルから噴射して印字ドットを形成する印字機構を提供することができる。
4.光硬化型樹脂を含むインクにおいて、樹脂分の硬化時に染料分と樹脂分が分離しないよう、染料分子が吸着しやすい樹脂を用いたインクを提供することができる。
5.光硬化型樹脂を含むインクにおいて、色材である染料が紫外線照射時に退色しないインクを提供することができる。
6.一般の水系インクジェットプリンター用インクにおいて、特に色材として有機顔料を用いた時に、ヘッドノズル内での乾燥による顔料凝集を防止できるインクを提供することができる。
1.カラー印字において、水系で染料を色材として含むインクでありながら、印字後、再度水分(第2色目以降の印字によるインク)が付着しても、染料が滲まない効果を有するインクを提供することができる。
2.インクのベース溶液として、従来の水ではなく、紫外線硬化型樹脂のプレポリマーを用いることにより、乾燥防止剤を添加しなくても、ヘッドノズル内で乾燥し難いインクを提供することができる。
3.光硬化型樹脂を含むインクの使用において、インクの保存安定性を向上させるため、樹脂分と反応開始剤を別々に保存し、別々のヘッドノズルから噴射して印字ドットを形成する印字機構を提供することができる。
4.光硬化型樹脂を含むインクにおいて、樹脂分の硬化時に染料分と樹脂分が分離しないよう、染料分子が吸着しやすい樹脂を用いたインクを提供することができる。
5.光硬化型樹脂を含むインクにおいて、色材である染料が紫外線照射時に退色しないインクを提供することができる。
6.一般の水系インクジェットプリンター用インクにおいて、特に色材として有機顔料を用いた時に、ヘッドノズル内での乾燥による顔料凝集を防止できるインクを提供することができる。
また、「エネルギーの付与により固化するモノマー及び該モノマーを溶解する溶剤を含有するインク(A)と、色材成分として少なくとも一種の顔料分散体及びこれを分散する溶剤を含有するインク(B)とからなる分離型インクジェット記録用インク。」が提案されている(例えば、特許文献4参照)。このインクによれば、被記録材を選ばず、耐光性、耐熱性あるいは印字品位の良好な記録を可能とし、かつインク自体の保存性も良好なインクジェット記録用インクを提供することができるとされている。
また、「光重合性モノマーと、着色剤と、UV増感剤と、揮発性有機溶剤を20〜40wt%とを含む紫外線硬化型インク組成物。」が提案されている(例えば、特許文献5参照)。この紫外線硬化型インク組成物は、揮発性有機溶剤を含み、かつ、UV増感剤は実質的に光重合開始剤として作用するものである。
さらに、「紫外線硬化性化合物、低沸点溶媒、光重合開始剤、及び増感剤を含む紫外線硬化型インクジェット記録用白色インク組成物。」が提案されている(例えば、特許文献6参照)。この白色インク組成物は、低沸点溶媒を必須成分としており、また、増感剤は実質的に重合促進剤として作用するものであり、ラジカル重合における酸素による重合阻害を軽減する目的で添加されるアミン類である。そして揮発性有機溶媒を含有するという事は、インク組成物の粘度を低減できるといった利点もあるものの、硬化反応を行う前に溶媒を除去しないと、有機溶剤の発泡による印刷不良の発生、記録媒体との密着性低下、長期間にわたる溶剤の揮発による不具合が発生する為、乾燥処理を行う必要があり、熱エネルギーや設備的な負荷が余分に必要となるので好ましくない。更に、有機溶剤を大気中に放出する事も環境面から見て好ましくない為、回収設備や排ガス燃焼設備を設置する必要もあるといったマイナス面も大きく、とても好ましいものとは考えられない。
従来提案されている前記インク組成物を用いる場合においては、前記した点以外に更に、感度及び光硬化速度が十分でなく、インク組成物に重合性化合物と重合開始剤が含まれており、保存中にインクの硬化反応が進行するという問題がある。
また、光硬化のための紫外線源に半導体素子、LED、LD等を用いる場合、これら素子は、紫外域の長波長側(350nm〜400nm)または紫・青の可視光を比較的低いエネルギー消費で効率的に放射するが、この波長域でラジカルを発生する光重合開始剤は、硬化膜を黄色に着色しやすいという問題がある。
また、光硬化のための紫外線源に半導体素子、LED、LD等を用いる場合、これら素子は、紫外域の長波長側(350nm〜400nm)または紫・青の可視光を比較的低いエネルギー消費で効率的に放射するが、この波長域でラジカルを発生する光重合開始剤は、硬化膜を黄色に着色しやすいという問題がある。
これに対して、硬化膜を黄色に着色しない低黄変型光ラジカル重合開始剤は、吸収波長350nm以下の紫外線で効率的にラジカル発生する。
しかしながら、この波長域の光を得るには、低圧水銀灯,高圧水銀灯,超高圧水銀灯,ハロゲンランプ,キセノンランプ等が適しており、これらを用いる場合には、装置の大型化,高電力消費,付帯設備(冷却、排気、遮蔽)の必要性,記録媒体の熱ダメージといった種々の問題点を解決する必要がある。
しかしながら、この波長域の光を得るには、低圧水銀灯,高圧水銀灯,超高圧水銀灯,ハロゲンランプ,キセノンランプ等が適しており、これらを用いる場合には、装置の大型化,高電力消費,付帯設備(冷却、排気、遮蔽)の必要性,記録媒体の熱ダメージといった種々の問題点を解決する必要がある。
そこで、本発明は、上記課題を解決し、光硬化感度および保存安定性を向上し、さらに低黄変型光ラジカル重合開始剤を効率的に反応させることができる2液型の光硬化型インク組成物セットを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、以下の構成を採用することによって、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)少なくとも色材、重合性化合物および光ラジカル重合開始剤を含有するインク組成物Aと、少なくともラジカル重合性化合物を含有し、色材および光ラジカル重合開始剤を含有しないインク組成物Bとから成り、前記インク組成物A,Bのどちらか一方または両方に感度向上剤を含むことを特徴とする光硬化型インク組成物セット。
(2)前記インク組成物Bに含有するラジカル重合性化合物として、前記インク組成物Aと前記インク組成物Bが混合された時、ラジカルの存在下で、前記インク組成物Aに含有する重合性化合物と共重合するラジカル重合性化合物を少なくとも含有することを特徴とする上記(1)に記載の光硬化型インク組成物セット。
(3)前記感度向上剤が、チオキサントン系化合物およびクマリン系化合物のいずれか1種類又は複数の混合物であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の光硬化型インク組成物セット。
(1)少なくとも色材、重合性化合物および光ラジカル重合開始剤を含有するインク組成物Aと、少なくともラジカル重合性化合物を含有し、色材および光ラジカル重合開始剤を含有しないインク組成物Bとから成り、前記インク組成物A,Bのどちらか一方または両方に感度向上剤を含むことを特徴とする光硬化型インク組成物セット。
(2)前記インク組成物Bに含有するラジカル重合性化合物として、前記インク組成物Aと前記インク組成物Bが混合された時、ラジカルの存在下で、前記インク組成物Aに含有する重合性化合物と共重合するラジカル重合性化合物を少なくとも含有することを特徴とする上記(1)に記載の光硬化型インク組成物セット。
(3)前記感度向上剤が、チオキサントン系化合物およびクマリン系化合物のいずれか1種類又は複数の混合物であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の光硬化型インク組成物セット。
(4)前記インク組成物Aに含有する重合性化合物として、少なくともアリル化合物を含有することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の光硬化型インク組成物セット。
(5)前記アリル化合物がアリルエーテル化合物であることを特徴とする上記(4)に記載の光硬化型インク組成物セット。
(6)前記アリルエーテル化合物がアリルグリコールであることを特徴とする上記(5)に記載の光硬化型インク組成物セット。
(7)前記インク組成物Bに含有する、前記インク組成物Aと前記インク組成物Bが混合された時、ラジカルの存在下で、前記インク組成物Aに含有する重合性化合物と共重合するラジカル重合性化合物が樹枝状ポリマーであることを特徴とする上記(2)〜(6)のいずれか一項に記載の光硬化型インク組成物セット。
(5)前記アリル化合物がアリルエーテル化合物であることを特徴とする上記(4)に記載の光硬化型インク組成物セット。
(6)前記アリルエーテル化合物がアリルグリコールであることを特徴とする上記(5)に記載の光硬化型インク組成物セット。
(7)前記インク組成物Bに含有する、前記インク組成物Aと前記インク組成物Bが混合された時、ラジカルの存在下で、前記インク組成物Aに含有する重合性化合物と共重合するラジカル重合性化合物が樹枝状ポリマーであることを特徴とする上記(2)〜(6)のいずれか一項に記載の光硬化型インク組成物セット。
(8)前記樹枝状ポリマーがハイバーブランチポリマーおよび/またはデンドリマーであることを特徴とする上記(7)に記載の光硬化型インク組成物セット。
(9)上記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の光硬化型インク組成物セットを用いた記録方法。
(10)上記(9)に記載の記録方法で得られた記録物。
(9)上記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の光硬化型インク組成物セットを用いた記録方法。
(10)上記(9)に記載の記録方法で得られた記録物。
本発明によれば、光硬化感度および保存安定性を向上させることができ、さらに低黄変型光ラジカル重合開始剤を効率的に反応させることができる2液型の光硬化型インク組成物セットを提供することができ、また、このインク組成物セットを用いた記録方法および記録物を提供することができる。
次に、本発明の実施の形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな形態で実施することができる。
本発明の光硬化型インク組成物セットは、少なくとも重合性化合物および光ラジカル重合開始剤を含有するインク組成物Aと、少なくともラジカル重合性化合物を含有するインク組成物Bとから成り、前記インク組成物A,Bのどちらか一方または両方に感度向上剤を含むことを特徴とする。
このような2液型の光硬化型インク組成物セットを用いることにより、光硬化感度および保存安定性を向上させることができ、さらに低黄変型光ラジカル重合開始剤を効率的に反応させることができる。
このような2液型の光硬化型インク組成物セットを用いることにより、光硬化感度および保存安定性を向上させることができ、さらに低黄変型光ラジカル重合開始剤を効率的に反応させることができる。
前記インク組成物A及び前記インク組成物Bは、混合された後に光照射により光硬化する。本発明においては、インク組成物A及びBが記録媒体上の同位置に付着されることにより、記録媒体上で混合した後、光照射により光硬化してもよい。あるいは、インク組成物A及びBを混合した後、混合状態で記録媒体上に付着させ、次いで光照射により光硬化してもよい。
本発明においては、前記インク組成物A,Bのどちらか一方が感度向上剤を含む、又は前記インク組成物A,Bの両方が感度向上剤を含むものである。
本発明の光硬化型インク組成物セットは、少なくとも前記インク組成物A及びBを備えていればよく、その他のインク組成物をさらに備えていてもよい。
本発明の光硬化型インク組成物セットは、少なくとも前記インク組成物A及びBを備えていればよく、その他のインク組成物をさらに備えていてもよい。
前記インク組成物A及び/又は前記インク組成物Bは、前記したように、感度向上剤を含む。
感度向上剤は、光硬化を目的にインク組成物A及び/又はインク組成物Bへ照射された波長の光を吸収し、励起されることにより、水素引き抜きによりラジカル発生を行う化合物、エネルギー移動によりラジカル発生を行う化合物、電子移動によりラジカル発生を行う化合物のことである。
感度向上剤は、光硬化を目的にインク組成物A及び/又はインク組成物Bへ照射された波長の光を吸収し、励起されることにより、水素引き抜きによりラジカル発生を行う化合物、エネルギー移動によりラジカル発生を行う化合物、電子移動によりラジカル発生を行う化合物のことである。
本発明では、感度向上剤は、紫外線や光の吸収能力の面から色素として用いられる化合物が好ましい。エネルギー移動が容易であること、活性水素を引き抜く能力の観点から、感度向上剤として、アントラセン系化合物、チオキサントン系化合物およびクマリン系化合物のいずれか1種類または複数種の混合物であることがより好ましく、チオキサントン系化合物およびクマリン系化合物のいずれか1種類または複数種の混合物であることが特に好ましい。
チオキサントン系化合物の好ましい例としては、チオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、クロロチオキサントン等が挙げられる。
クマリン系化合物は、紫外光を吸収し、励起状態となった際に、他分子との間でエネルギー移動を起す事によって増感効果をもたらすだけでなく、基底状態に落ちる際に、蛍光を発光するという特性を有しており、光照射により発生した蛍光を重合開始剤が吸収することにより感度が向上すると考えられる。本発明の2液型光硬化インクセットは、とりわけ、膜厚がある印字物に効果的である。厚みのある印字物の場合、内部まで照射光が届きづらいが、クマリン系化合物が上述のように作用し、インクの内部から蛍光を発光するため、感度が向上し、さらに内部硬化性も優れた印字物を得ることができる。
クマリン系化合物の好ましい例としては、クマリン(Coumarin)、4−メチルクマリン、7−ヒドロキシクマリン、7−アミノ−4−メチルクマリン、7−ヒドロキシ−4−トリフルオロメチルクマリン、3−(2−ベンゾチアゾイル)−7−(ジエチルアミノ)クマリン、7−アセトキシ−3−(2−ベンゾオキサゾイル)クマリン、6,7−ジエトキシ−4−(トリフルオロメチル)クマリン、2,3,6,7−テトラヒドロ−9−メチル−1H,5H−キノリジノ(9,1−gh)クマリン等が挙げられる。
前記感度向上剤の濃度は、前記インク組成物A及び/又は前記インク組成物B中0.01重量%〜1.0重量%であることが好ましい。
すなわち、前記インク組成物Aが感度向上剤を含む場合、感度向上剤の濃度はインク組成物A中0.01重量%〜1.0重量%であることが好ましい。また、前記インク組成物Bが感度向上剤を含む場合、感度向上剤の濃度はインク組成物B中0.01重量%〜1.0重量%であることが好ましい。
すなわち、前記インク組成物Aが感度向上剤を含む場合、感度向上剤の濃度はインク組成物A中0.01重量%〜1.0重量%であることが好ましい。また、前記インク組成物Bが感度向上剤を含む場合、感度向上剤の濃度はインク組成物B中0.01重量%〜1.0重量%であることが好ましい。
前記インク組成物A及び前記インク組成物Bは、いずれも不揮発性成分から構成されることが好ましい。すなわち、前記インク組成物A及び前記インク組成物Bが含む全ての成分が不揮発性成分であることが好ましい。
本発明において揮発性成分とは、常温・常圧において、水と同等以上の蒸気圧を有する物質のことを指し、不揮発性成分とは、常温・常圧において水よりも低い蒸気圧を有する物質を指す。
このように構成することによって、上記効果を一層達成できるほか、重合反応に関与しない成分を含まないことで密着性を向上し、記録媒体から硬化物の剥離を防止することができる。
本発明において揮発性成分とは、常温・常圧において、水と同等以上の蒸気圧を有する物質のことを指し、不揮発性成分とは、常温・常圧において水よりも低い蒸気圧を有する物質を指す。
このように構成することによって、上記効果を一層達成できるほか、重合反応に関与しない成分を含まないことで密着性を向上し、記録媒体から硬化物の剥離を防止することができる。
本発明において、前記インク組成物Aは重合性化合物としてアリル化合物、更に好ましくはアリルエーテル化合物を含む。アリルエーテル化合物としてはアリルグリコールが好ましく、エチレングリコールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、グリセリンモノアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルが挙げられ、特に好ましくはエチレングリコールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテルである。これらは単独で使用しても良いし、N−ビニル化合物(例えばN−ビニルフォルムアミド)等の他のアリル化合物と併用してもよい。
エチレングリコールモノアリルエーテルやN−ビニル化合物は、単官能のラジカル重合性モノマーであり、保存中暗反応により、望まない重合が生じる傾向が低く、使用に当たって好適である。また、特にエチレングリコールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル等のアリルエーテル化合物は、光ラジカル重合開始剤の分解によって生じる炭素ラジカルが存在しても、単独では重合し得ない特性を有している。
インク組成物A中、アリル化合物は、添加量が20重量%未満ではインク組成物の粘度、分散安定性、保存安定性等の問題が生じ、80重量%を超えて多くなると2液型光硬化インク組成物としての硬化性、皮膜強度が不十分となる場合がある。より好ましくは20重量%〜70重量%程度の範囲である。
エチレングリコールモノアリルエーテルやN−ビニル化合物は、単官能のラジカル重合性モノマーであり、保存中暗反応により、望まない重合が生じる傾向が低く、使用に当たって好適である。また、特にエチレングリコールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル等のアリルエーテル化合物は、光ラジカル重合開始剤の分解によって生じる炭素ラジカルが存在しても、単独では重合し得ない特性を有している。
インク組成物A中、アリル化合物は、添加量が20重量%未満ではインク組成物の粘度、分散安定性、保存安定性等の問題が生じ、80重量%を超えて多くなると2液型光硬化インク組成物としての硬化性、皮膜強度が不十分となる場合がある。より好ましくは20重量%〜70重量%程度の範囲である。
また、本発明において、前記インク組成物Bはラジカル重合性化合物を含有する。前記インク組成物Bに含有するラジカル重合性化合物としては、樹枝状ポリマー(デンドリティックポリマー)を含有することが好ましい。
樹枝状ポリマーは、3次元的に枝分かれ構造を繰り返し、高度に分岐しているため、同一分子量の直線状高分子と比較して粘度を低く抑えることができる。
樹枝状ポリマーは、3次元的に枝分かれ構造を繰り返し、高度に分岐しているため、同一分子量の直線状高分子と比較して粘度を低く抑えることができる。
樹枝状ポリマーとしては、(I)デンドリマー、(II)リニア−デンドリティックポリマー、(III)デンドリグラフトポリマー、(IV)ハイパーブランチポリマー、(V)スターハイパーブランチポリマー、(VI)ハイパーグラフトポリマー等が挙げられる。この中でも(I)〜(III)は分岐度(DB:degree of branching)が1であり、欠陥の無い構造を有しているのに対し、(IV)〜(VI)は欠陥を含んでいても良いランダムな分岐構造を有している。
前記樹枝状ポリマーは、ハイパーブランチポリマー及び/又はデンドリマーであることが好ましい。このハイパーブランチポリマーおよびデンドリマーは、それぞれ1種のみを単独で用いてもよいし、他の種類のデンドリティックポリマーやデンドリマーと併用してもよい。
前記樹枝状ポリマーの合成法には、中心から外に向かって合成するDivergent法と外から中心に向かって行うConvergent法を挙げることが出来る。
前記ハイパーブランチポリマーとしては、例えば、ハイパーブランチポリエチレングリコール等が使用できる。ハイパーブランチポリマーは、1分子内に分岐部分に相当する2つ以上の一種の反応点と、つなぎ部分に相当する別種のただ1つの反応点とを持ち合わせたモノマーを用い、標的ポリマーを1段階で合成することにより得られるものである(Macromolecules、29巻(1996年、3831〜3838頁)。例えば、ハイパーブランチポリマー用モノマーの一例として、3,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体があげられる。
ハイパーブランチポリマーの製造例をあげると、1−ブロモ− 8−(t−ブチルジフェニルシロキシ)−3,6−ジオキサオクタンと3,5−ジヒドロキシ安息香酸メチルとから得られた3,5−ビス((8′−(t−ブチルジフェニルシロキシ)−3′,6′−ジオキサオクチル)オキシ)安息香酸メチルの加水分解物である3,5−ビス((8′−ヒドロキシ−3′,6′−ジオキサオクチル)オキシ)安息香酸メチルをジブチル錫ジアセテートと窒素雰囲気下で加熱して、ハイパーブランチポリマーであるポリ[ビス(トリエチレングリコール)ベンゾエート]を合成することができる。
3,5−ジヒドロキシ安息香酸を用いた場合、ハイパーブランチポリマー末端基は水酸基となるため、この水酸基に対して、適当な反応試薬を用いることにより、種々の末端基を有するハイパーブランチポリマーを合成することができる。
前記デンドリマーの例としては、アミドアミン系デンドリマーは、米国特許第4,507,466号、同4,558,120号、同4,568,737号、同4,587,329号、同4,631,337号、同4,694,064号明細書に、フェニルエーテル系デンドリマーは、米国特許第5,041,516号明細書、Journal of American Chemistry 112巻(1990年、7638〜7647頁)等に示されたものが挙げられる。アミドアミン系デンドリマーについては、末端アミノ基とカルボン酸メチルエステル基を持つデンドリマーが、Aldrich社より「StarburstTM(PAMAM)」として市販されている。また、そのアミドアミン系デンドリマーの末端アミノ基を、種々のアクリル酸誘導体およびメタクリル酸誘導体と反応させ、対応する末端をもったアミドアミン系デンドリマーを合成して、それらを使用することもできる。
利用できるアクリル酸誘導体およびメタクリル酸誘導体としては、メチル、エチル、n−ブチル、t−ブチル、シクロヘキシル、パルミチル、ステアリル等のアクリル酸或いはメタクリル酸アルキルエステル類、アクリル酸アミド、イソプロピルアミド等のアクリル酸或いはメタクリル酸アルキルアミド類があげられるが、これに限られるものではない。
また、フェニルエーテル系デンドリマーについては、Journal of American Chemistry 112巻(1990年、7638〜7647頁)に種々のものが記載され、例えば、3,5− ジヒドロキシベンジルアルコールを用い、3,5−ジフェノキシベンジルブロミドと反応させて第2世代のベンジルアルコールを合成し、そのOH基をCBr4およびトリフェニルホスフィンを用いてBrに変換した後、同様に3,5− ジヒドロキシベンジルアルコールと反応させて次世代のベンジルアルコールを合成し、以下上記の反応を繰り返して所望のデンドリマーを合成することが記載されている。フェニルエーテル系デンドリマーについても、末端ベンジルエーテル結合の代わりに、末端を種々の化学構造をもつもので置換することができる。例えば、Journal of American Chemistry 112巻(1990年、7638〜7647頁)に記載のデンドリマーの合成に際して、上記ベンジルブロミドの代わりに種々のアルキルハライドを用いれば、相当するアルキル基を有する末端構造を有するフェニルエーテル系デンドリマーが得られる。その他ポリアミン系デンドリマーは、Macromol.Symp.77、21(1994)に示されているポリアミン系デンドリマーおよびその末端基を変性した誘導体を使用することができる。
前記ハイパーブランチポリマーないしデンドリマーは、主鎖の化学構造とその末端基の化学構造によりその特性が支配されるが、特に末端基や化学構造中の置換基の相違によりその特性が大きく異なるものとなる。特に末端に重合性基を有するものは、その反応性ゆえに、光反応後のゲル化効果が大きく有用である。
前記ハイパーブランチポリマーないしデンドリマーとしては、室温で固体であって、数平均分子量が1000〜100000の範囲のものが好ましく、特に2000〜50000の範囲のものが好ましく使用される。分子量が上記の範囲より低い場合には定着画像がもろくなり、また、分子量が上記の範囲より高い場合には、添加量を下げてもインクの粘度が高くなりすぎて吐出特性の点で実用的ではなくなる。
また、ハイパーブランチポリマーないしデンドリマーは、最外面にラジカル重合可能な官能基を有することが好ましい。最外面にラジカル重合可能な構造とすることにより、重合反応が速やかに進行する。
インク組成物B中、樹脂状のポリマーの添加量は、3重量%〜30重量%程度の範囲が好ましく2液型光硬化インク組成物セットとしての適性を保持できる。より好ましくは5重量%〜25重量%程度の範囲である。樹脂状ポリマーの添加量が3重量%未満では2液型光硬化型インクセットとしての硬化性が不十分であり、30重量%を超えて高くなるとインクの粘度、分散安定性、保存安定性等の問題が生じる場合がある。
また、インク組成物Bには、前記インク組成物Aにおいて挙げたアリル化合物もラジカル重合性化合物として含んでもよい。
また、ハイパーブランチポリマーないしデンドリマーは、最外面にラジカル重合可能な官能基を有することが好ましい。最外面にラジカル重合可能な構造とすることにより、重合反応が速やかに進行する。
インク組成物B中、樹脂状のポリマーの添加量は、3重量%〜30重量%程度の範囲が好ましく2液型光硬化インク組成物セットとしての適性を保持できる。より好ましくは5重量%〜25重量%程度の範囲である。樹脂状ポリマーの添加量が3重量%未満では2液型光硬化型インクセットとしての硬化性が不十分であり、30重量%を超えて高くなるとインクの粘度、分散安定性、保存安定性等の問題が生じる場合がある。
また、インク組成物Bには、前記インク組成物Aにおいて挙げたアリル化合物もラジカル重合性化合物として含んでもよい。
前記インク組成物A及び/又は前記インク組成物Bは、さらにその他の重合性化合物を含有していてもよい。その他の重合性化合物としては、特に限定されないが、例えば単量体(モノマー)が挙げられる。
モノマーとは、高分子の基本構造の構成単位となり得る分子をいう。また本発明において用いられるモノマーは光重合性モノマーとも呼ばれ、単官能モノマー、二官能モノマー、多官能モノマーがあり、いずれも用いることができる。いずれのモノマーも、PII値(Primary Irritation Index、一次皮膚刺激性)が2以下であることが好ましい。
モノマーとは、高分子の基本構造の構成単位となり得る分子をいう。また本発明において用いられるモノマーは光重合性モノマーとも呼ばれ、単官能モノマー、二官能モノマー、多官能モノマーがあり、いずれも用いることができる。いずれのモノマーも、PII値(Primary Irritation Index、一次皮膚刺激性)が2以下であることが好ましい。
さらに、前記インク組成物A及び/又は前記インク組成物Bは、その他の重合性化合物として上記モノマーの他に、オリゴマーを含有していても良い。
本発明のインク組成物Aに含有する光ラジカル重合開始剤としては、特に限定されないが、α−アミノケトン、α−ヒドロキシケトン、アシルフォスフィンオキサイドが好ましく、例えば、α−ヒドロキシアルキルフェノン、α−アミノアルキルフェノン、モノアシルフォスフィンオキサイド、ビスアシルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
これら光ラジカル重合開始剤をインク組成物中に含むことによって、光硬化を目的にインク組成物へ照射された波長の光を吸収してラジカルが発生し、硬化反応を行う事が可能となる。
これら光ラジカル重合開始剤をインク組成物中に含むことによって、光硬化を目的にインク組成物へ照射された波長の光を吸収してラジカルが発生し、硬化反応を行う事が可能となる。
また、Irgacure 127、184、2959、369、379、907、1700、1800、1850、1870、819、4625、Darocur 1173、TPO(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)の商品名で入手可能な光ラジカル重合開始剤も使用することができる。
光ラジカル重合開始剤の添加量は、インク組成物A中、好ましくは0.1重量%から15重量%、更に好ましくは0.5重量%〜10重量%である。添加量が過少である場合には重合速度が低いため、酸素阻害の影響が大きくなり硬化不良となる。添加量が過剰である場合には、硬化物の分子量が低く、耐久性の低い硬化物しか得られない。
光ラジカル重合開始剤の添加量は、インク組成物A中、好ましくは0.1重量%から15重量%、更に好ましくは0.5重量%〜10重量%である。添加量が過少である場合には重合速度が低いため、酸素阻害の影響が大きくなり硬化不良となる。添加量が過剰である場合には、硬化物の分子量が低く、耐久性の低い硬化物しか得られない。
前記インク組成物A及び/又は前記インク組成物Bは、少なくとも一種類の界面活性剤を含んでいてもよい。
界面活性剤としては、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン等を用いることが好ましい。
具体例としては、BYK−347、BYK−348、BYK−UV3500、3510、3530、3570(ビックケミー・ジャパン株式会社製)を挙げることができる。
界面活性剤としては、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン等を用いることが好ましい。
具体例としては、BYK−347、BYK−348、BYK−UV3500、3510、3530、3570(ビックケミー・ジャパン株式会社製)を挙げることができる。
前記インク組成物A及び/又は前記インク組成物Bは、少なくとも一種類のアミン系重合促進剤を含んでいてもよい。
アミン系重合促進剤としては、例えば、アミノベンゾエートであるDarocur EHA、EDB(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)が挙げられる。
アミン系重合促進剤としては、例えば、アミノベンゾエートであるDarocur EHA、EDB(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)が挙げられる。
前記インク組成物A及び/又は前記インク組成物Bは、インク組成物の保存安定性を向上させるために、ヒンダード・フェノール化合物またはHALS系熱ラジカル重合禁止剤を含有していてもよい。
ヒンダード・フェノール化合物としては、例えば、Irgastab UV−22(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、HALS系熱ラジカル重合禁止剤としては、例えば、Irgastab UV−10(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)が挙げられる。
ヒンダード・フェノール化合物としては、例えば、Irgastab UV−22(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、HALS系熱ラジカル重合禁止剤としては、例えば、Irgastab UV−10(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)が挙げられる。
本発明で使用される色材としては、染料、顔料のいずれであってもよいが、印刷物の耐久性の点から顔料の方が有利である。
本発明で使用される染料としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料、など通常インクジェット記録に使用される各種染料を使用することができる。
本発明で使用される染料としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料、など通常インクジェット記録に使用される各種染料を使用することができる。
本発明で使用される顔料としては、特別な制限なしに無機顔料又は有機顔料を使用することができる。
無機顔料としては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用することができる。
無機顔料としては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用することができる。
顔料の具体例としては、カーボンブラックとして、三菱化学社製のNo.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等が、コロンビア社製のRaven5750、同5250、同5000、同3500、同1255、同700等が、キャボット社製のRegal400R、同330R、同660R、Mogul L、同700、Monarch800、同880、同900、同1000、同1100、同1300、同1400等が、デグッサ社製のColor Black FW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、ColorBlack S150、同S160、同S170、Printex 35、同U、同V、同140U、Special Black 6、同5、同4A、同4等が挙げられる。
イエローインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、120、128、129、138、150、151、154、155、180、185、213等が挙げられる。
また、マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、168、184、202、209、C.I.ピグメントヴァイオレット 19等が挙げられる。
さらに、シアンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15:3、15:4、60、16、22が挙げられる。
本発明の好ましい態様によれば、有機顔料又は無機顔料はその平均粒径が10〜 200nmの範囲にあるものが好ましく、より好ましくは50〜150nm程度のものである。
また、金、銀、銅、アルミニウム、真鍮、チタニウム等の金属単体及び/又はそれらの合金による金属顔料や中空白色樹脂エマルジョン顔料を着色剤(色材)として用いる事も可能であり、この場合には、平均粒子径が100nm〜5μmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは300nm〜3μm程度である。
前記色材の添加量は、前記インク組成物A中、好ましくは0.1〜25重量%であり、より好ましくは0.5〜15重量%である。
また、金、銀、銅、アルミニウム、真鍮、チタニウム等の金属単体及び/又はそれらの合金による金属顔料や中空白色樹脂エマルジョン顔料を着色剤(色材)として用いる事も可能であり、この場合には、平均粒子径が100nm〜5μmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは300nm〜3μm程度である。
前記色材の添加量は、前記インク組成物A中、好ましくは0.1〜25重量%であり、より好ましくは0.5〜15重量%である。
前記顔料は、分散剤または界面活性剤で重合性化合物の媒体中に分散させて得られた顔料分散液としてインク組成物Aとすることができる。
好ましい分散剤としては、顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤、例えば高分子分散剤(ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミンなど)を使用することができる。
好ましい分散剤としては、顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤、例えば高分子分散剤(ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミンなど)を使用することができる。
また、インク組成物が色材を含有する場合、その色材を含有するインク組成物は、各色毎の複数有するものであっても良い。例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの基本4色に加えて、それぞれの色毎に同系列の濃色や淡色を加える場合、マゼンタに加えて淡色のライトマゼンタ、濃色のレッド、シアンに加えて淡色のライトシアン、濃色のブルー、ブラックに加えて淡色であるグレイ、ライトブラック、濃色であるマットブラックが挙げられる。
前記インク組成物A及び/又はインク組成物Bは、不溶性の蛍光色材、蛍光増白剤、蛍光色材を含有する微粒子を含んでいてもよい。これら微粒子を含むことにより、これら色材がある波長の光を吸収しより長波長側である青色の可視光を放出する特性を有しているため、補色である黄色をマスキングし、より白さを際立たせる効果がある。
また、前記インク組成物AないしBには、紫外線硬化型インクに使用し得る、公知公用のその他の成分として、湿潤剤、浸透溶剤、pH調整剤、防腐剤、防かび剤等を添加しても良い。
この他に、必要に応じてレベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することが出来る。
この他に、必要に応じてレベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することが出来る。
本発明の光硬化型インク組成物は光照射をすることにより光硬化反応を行う。
紫外線照射に用いるランプとしては、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ等のランプが挙げられる。例えばFusion System社製のHランプ、Dランプ、Vランプ等の市販されているものを用いて行うことができる。
また、紫外線発光ダイオード(紫外線LED)や紫外線発光半導体レーザ等の紫外線発光半導体素子により、紫外線照射を行うことができる。
紫外線照射に用いるランプとしては、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ等のランプが挙げられる。例えばFusion System社製のHランプ、Dランプ、Vランプ等の市販されているものを用いて行うことができる。
また、紫外線発光ダイオード(紫外線LED)や紫外線発光半導体レーザ等の紫外線発光半導体素子により、紫外線照射を行うことができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。当業者は、以下に示す実施例のみならず様々な変更を加えて実施することが可能であり、かかる変更も本特許請求の範囲に包含される。
後記実施例(比較例を含む)において、チオキサントン系感度向上剤として2,4−ジエチルチオキサントンを用いた。また、クマリン系感度向上剤として、3−(2−ベンゾチアゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン(以下、“BzTDAC”と省略する)を用いた。
また、重合性化合物(アリル化合物)として「アリルグリコール」を用い、ラジカル重合性化合物(ハイバーブランチポリマー)として、大阪有機化学工業製の「ビスコート#1000」「STAR−501」を用いた。この「ビスコート#1000」、「STAR−501」は、ジペンタエリスリトールをコアとして官能基を分岐させていったハイパーブランチポリマーであり、「ビスコート#1000」は希釈モノマーとして、エチレングリコールジアクリレートを含有し、粘度 273mPa・s、官能基数14(アクリル基)のものである。「STAR−501」は希釈モノマーとして、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを含有した、粘度 210mPa・s、官能基数20〜99(アクリル基)のものである。どちらも最外層にアクリロイル基を有しており、好適に使用可能である。
またデンドリマーは立体規則性が高いため、製造工程数が多くコストが高くなってしまうが、ハイパーブランチポリマーは立体規則性がそれほど高くなく、比較的容易に合成できるのでコスト面で有利である。
またデンドリマーは立体規則性が高いため、製造工程数が多くコストが高くなってしまうが、ハイパーブランチポリマーは立体規則性がそれほど高くなく、比較的容易に合成できるのでコスト面で有利である。
また、デンドリマー7は以下の通りに合成した。
容量1Lの反応容器にエチレンジアミン 31g、アクリル酸ジメチル 256g、メタノール 300gを入れ、窒素気流下、40℃にて攪拌しながら6時間反応を行った。反応終了後、得られた混合物はロータリーエバポレーターを用いてメタノールを留去した後、大過剰のジエチルエーテル中に加え再沈殿操作により精製した。得られた反応生成物1に500gのメタノールを加えて溶解し、次の反応を行った。
容量2Lの反応容器に反応生成物1を含むメタノール溶液を入れ、240gのエチレンジアミンを加えて、窒素気流下、27℃にて攪拌しながら6時間反応を行った。反応後、同様にメタノール留去、再沈殿操作による精製後、得られた反応生成物2に1000gのメタノールを加えて溶解し、次の反応を行った。
容量5Lの反応容器に反応生成物2を含むメタノール溶液を入れ、アクリル酸ジメチル667gを入れ、窒素気流下、40℃にて攪拌しながら6時間反応を行った。反応後、同様にメタノール留去、再沈殿操作による精製後、得られた反応生成物3に2000gのメタノールを加えて溶解し、次の反応を行った。
反応容器に反応生成物3を含むメタノール溶液を入れ、361gのエチレンジアミンを加えて、窒素気流下、27℃にて攪拌しながら6時間反応を行った。反応後、同様にメタノール留去、再沈殿操作による精製後、得られた反応生成物4に2000gのモレキュラシーブを用いて脱水処理したアセトンを加えて溶解し、次の反応を行った。
反応容器に反応生成物4を含むアセトン溶液 1000gを分取し、カレンズBEI(1,1−Bis(acryloyloxymetyl)ethyl isocyanate、昭和電工社製)2153gを添加し、窒素気流下にて撹拌混合した後、DABCO(1,4−Diazabicyclo〔2,2,2〕octane、東京化成工業社製)1gを更に添加し、撹拌混合し、反応温度を50℃まで昇温してから6時間反応を行った。反応終了後、ロータリーエバポレーターを用いてアセトンを留去した後、6838gのエチレングリコールモノアリルエーテルを添加して、30重量%濃度のデンドリマー7のエチレングリコールモノアリルエーテル溶液8を調製した。
この場合、デンドリマー7の1分子の当たりの最外面に配置されたアクリロイル基数は72個となる。
容量1Lの反応容器にエチレンジアミン 31g、アクリル酸ジメチル 256g、メタノール 300gを入れ、窒素気流下、40℃にて攪拌しながら6時間反応を行った。反応終了後、得られた混合物はロータリーエバポレーターを用いてメタノールを留去した後、大過剰のジエチルエーテル中に加え再沈殿操作により精製した。得られた反応生成物1に500gのメタノールを加えて溶解し、次の反応を行った。
容量2Lの反応容器に反応生成物1を含むメタノール溶液を入れ、240gのエチレンジアミンを加えて、窒素気流下、27℃にて攪拌しながら6時間反応を行った。反応後、同様にメタノール留去、再沈殿操作による精製後、得られた反応生成物2に1000gのメタノールを加えて溶解し、次の反応を行った。
容量5Lの反応容器に反応生成物2を含むメタノール溶液を入れ、アクリル酸ジメチル667gを入れ、窒素気流下、40℃にて攪拌しながら6時間反応を行った。反応後、同様にメタノール留去、再沈殿操作による精製後、得られた反応生成物3に2000gのメタノールを加えて溶解し、次の反応を行った。
反応容器に反応生成物3を含むメタノール溶液を入れ、361gのエチレンジアミンを加えて、窒素気流下、27℃にて攪拌しながら6時間反応を行った。反応後、同様にメタノール留去、再沈殿操作による精製後、得られた反応生成物4に2000gのモレキュラシーブを用いて脱水処理したアセトンを加えて溶解し、次の反応を行った。
反応容器に反応生成物4を含むアセトン溶液 1000gを分取し、カレンズBEI(1,1−Bis(acryloyloxymetyl)ethyl isocyanate、昭和電工社製)2153gを添加し、窒素気流下にて撹拌混合した後、DABCO(1,4−Diazabicyclo〔2,2,2〕octane、東京化成工業社製)1gを更に添加し、撹拌混合し、反応温度を50℃まで昇温してから6時間反応を行った。反応終了後、ロータリーエバポレーターを用いてアセトンを留去した後、6838gのエチレングリコールモノアリルエーテルを添加して、30重量%濃度のデンドリマー7のエチレングリコールモノアリルエーテル溶液8を調製した。
この場合、デンドリマー7の1分子の当たりの最外面に配置されたアクリロイル基数は72個となる。
また、光ラジカル重合開始剤として「Irgacure 819,127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)」を用いた。なお、分散剤として「ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン」を用いた。
〔顔料分散液の調製〕
着色剤としてのC.I.ピグメントブラック7(カーボンブラック)15重量部、分散剤としてのディスコールN−509(大日精化工業社製)6.0重量部に、モノマーとしてのエチレングリコールモノアリルエーテルを加えて全体を100重量部とし、混合攪拌して混合物とした。
この混合物を、サンドミル(安川製作所社製)を用いて、ジルコニアビーズ(直径1.5mm)と共に6時間分散処理を行った。その後ジルコニアビーズをセパレータで分離しブラック顔料分散液(後記表1〜9の“ピグメントブラック−7”)を得た。
着色剤としてのC.I.ピグメントブラック7(カーボンブラック)15重量部、分散剤としてのディスコールN−509(大日精化工業社製)6.0重量部に、モノマーとしてのエチレングリコールモノアリルエーテルを加えて全体を100重量部とし、混合攪拌して混合物とした。
この混合物を、サンドミル(安川製作所社製)を用いて、ジルコニアビーズ(直径1.5mm)と共に6時間分散処理を行った。その後ジルコニアビーズをセパレータで分離しブラック顔料分散液(後記表1〜9の“ピグメントブラック−7”)を得た。
上記と同様にして、それぞれの色に対応する顔料分散液、即ち、シアン顔料分散液(後記表1〜8の“ピグメントブルー −15:3”)、マゼンタ顔料分散液(後記表1〜8の“ピグメントヴァイオレット−19”)、イエロー顔料分散液(後記表1〜8の“ピグメントイエロー−155”)を調製した。
〔インク組成物A1−1〜1−4、インク組成物A2−1〜2−4、の調製:後記表1、表4参照〕
アリルグリコール、光ラジカル重合開始剤(Irgacure 819,127)、分散剤(ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン)、感度向上剤を、後記表1、表4に示す組成(重量%)で混合し完全に溶解させた後、これに前記顔料分散液(ピグメントブラック−7,ピグメントブルー−15:3,ピグメントヴァイオレット−19,ピグメントイエロー −155)を攪拌しながら滴下した(滴下量は後記表1、表4参照)。滴下終了後、常温で1時間混合攪拌し、さらに5μmのメンブランフィルターでろ過して、インク組成物A1−1〜1−4、インク組成物A2−1〜2−4を得た。
アリルグリコール、光ラジカル重合開始剤(Irgacure 819,127)、分散剤(ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン)、感度向上剤を、後記表1、表4に示す組成(重量%)で混合し完全に溶解させた後、これに前記顔料分散液(ピグメントブラック−7,ピグメントブルー−15:3,ピグメントヴァイオレット−19,ピグメントイエロー −155)を攪拌しながら滴下した(滴下量は後記表1、表4参照)。滴下終了後、常温で1時間混合攪拌し、さらに5μmのメンブランフィルターでろ過して、インク組成物A1−1〜1−4、インク組成物A2−1〜2−4を得た。
〔インク組成物A1−5〜1−8、インク組成物A2−5〜2−8の調製:後記表2、表5参照〕
アリルグリコール、ハイパーブランチポリマー(STAR−501)、光ラジカル重合開始剤(Irgacure 819,127)、感度向上剤を、後記表2、表5に示す組成(重量%)で混合し完全に溶解させた後、5μmのメンブランフィルターでろ過し、インク組成物A1−5〜1−8、インク組成物A2−5〜2−8を得た。
アリルグリコール、ハイパーブランチポリマー(STAR−501)、光ラジカル重合開始剤(Irgacure 819,127)、感度向上剤を、後記表2、表5に示す組成(重量%)で混合し完全に溶解させた後、5μmのメンブランフィルターでろ過し、インク組成物A1−5〜1−8、インク組成物A2−5〜2−8を得た。
〔インク組成物A1−9〜1−12、インク組成物A2−9〜2−12の調製:後記表3、表6参照〕
アリルグリコール、光ラジカル重合開始剤(Irgacure 819,127)、分散剤(ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン)を、後記表3、表6に示す組成(重量%)で混合し完全に溶解させた後、これに前記顔料分散液(ピグメントブラック−7,ピグメントブルー−15:3,ピグメントヴァイオレット−19,ピグメントイエロー −155)を攪拌しながら滴下した(滴下量は後記表3、表6参照)。滴下終了後、常温で1時間混合攪拌し、さらに5μmのメンブランフィルターでろ過して、インク組成物A1−9〜1−12、インク組成物A2−9〜2−12を得た。
アリルグリコール、光ラジカル重合開始剤(Irgacure 819,127)、分散剤(ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン)を、後記表3、表6に示す組成(重量%)で混合し完全に溶解させた後、これに前記顔料分散液(ピグメントブラック−7,ピグメントブルー−15:3,ピグメントヴァイオレット−19,ピグメントイエロー −155)を攪拌しながら滴下した(滴下量は後記表3、表6参照)。滴下終了後、常温で1時間混合攪拌し、さらに5μmのメンブランフィルターでろ過して、インク組成物A1−9〜1−12、インク組成物A2−9〜2−12を得た。
〔インク組成物B1−1〜1−4、インク組成物B2−1〜2−4の調製:後記表1、表4参照〕
アリルグリコール、ハイパーブランチポリマー(STAR−501)、感度向上剤を、表1、表4に示す組成(重量%)で混合し完全に溶解させた後、5μmのメンブランフィルターでろ過し、インク組成物B1−1〜1−4、インク組成物B2−1〜2−4を得た。
アリルグリコール、ハイパーブランチポリマー(STAR−501)、感度向上剤を、表1、表4に示す組成(重量%)で混合し完全に溶解させた後、5μmのメンブランフィルターでろ過し、インク組成物B1−1〜1−4、インク組成物B2−1〜2−4を得た。
〔インク組成物B1−5〜1−8、インク組成物B2−5〜2−8の調製:後記表2、表5参照〕
アリルグリコール、ハイパーブランチポリマー(STAR−501)、感度向上剤、分散剤(ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン)を、後記表2、表5に示す組成(重量%)で混合し完全に溶解させた後、これに前記顔料分散液(ピグメントブラック−7,ピグメントブルー−15:3,ピグメントヴァイオレット−19,ピグメントイエロー −155)を攪拌しながら滴下した(滴下量は後記表2、表5参照)。滴下終了後、常温で1時間混合攪拌し、さらに5μmのメンブランフィルターでろ過して、インク組成物B1−5〜1−8、インク組成物B2−5〜2−8を得た。
アリルグリコール、ハイパーブランチポリマー(STAR−501)、感度向上剤、分散剤(ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン)を、後記表2、表5に示す組成(重量%)で混合し完全に溶解させた後、これに前記顔料分散液(ピグメントブラック−7,ピグメントブルー−15:3,ピグメントヴァイオレット−19,ピグメントイエロー −155)を攪拌しながら滴下した(滴下量は後記表2、表5参照)。滴下終了後、常温で1時間混合攪拌し、さらに5μmのメンブランフィルターでろ過して、インク組成物B1−5〜1−8、インク組成物B2−5〜2−8を得た。
〔インク組成物B1−9〜1−12、インク組成物B2−9〜2−12の調製:後記表3、表6参照〕
アリルグリコール、ハイパーブランチポリマー(STAR−501)を、後記表3、表6に示す組成(重量%)で混合し完全に溶解させた後、5μmのメンブランフィルターでろ過し、インク組成物B1−9〜1−12、インク組成物B2−9〜2−12を得た。
アリルグリコール、ハイパーブランチポリマー(STAR−501)を、後記表3、表6に示す組成(重量%)で混合し完全に溶解させた後、5μmのメンブランフィルターでろ過し、インク組成物B1−9〜1−12、インク組成物B2−9〜2−12を得た。
(実施例1−1〜1−4、比較例1−1〜1−8、実施例2−1〜2−4、比較例2−1〜2−8)
実施例1−1〜1−4、比較例1−1〜1−8、実施例2−1〜2−4、比較例2−1〜2−8の光硬化型インク組成物セットを以下の表1〜6に示す。
また、各実施例,比較例の光硬化型インク組成物セットについて、以下に記載する「保存安定性試験」「流路内の保存安定性試験」「硬化性試験」を行い、これらの試験結果(評価)を同じく表1〜6に示す。
実施例1−1〜1−4、比較例1−1〜1−8、実施例2−1〜2−4、比較例2−1〜2−8の光硬化型インク組成物セットを以下の表1〜6に示す。
また、各実施例,比較例の光硬化型インク組成物セットについて、以下に記載する「保存安定性試験」「流路内の保存安定性試験」「硬化性試験」を行い、これらの試験結果(評価)を同じく表1〜6に示す。
「保存安定性試験」
実施例および比較例のインク組成物A,Bを60℃×7日の環境下に放置して、初期粘度(mPa・s)と放置後の粘度をレオメーター(Physica社製、MCR−300)にて粘度の変化率を下記の指標で評価した。
AA:初期粘度と放置後の粘度の変化率が±5%未満である。
A+:初期粘度と放置後の粘度の変化率が±5%以上±9%未満である。
A−:初期粘度と放置後の粘度の変化率が±9%以上12.5%未満である。
B:初期粘度と放置後の粘度の変化率が±12.5%以上である。
実施例および比較例のインク組成物A,Bを60℃×7日の環境下に放置して、初期粘度(mPa・s)と放置後の粘度をレオメーター(Physica社製、MCR−300)にて粘度の変化率を下記の指標で評価した。
AA:初期粘度と放置後の粘度の変化率が±5%未満である。
A+:初期粘度と放置後の粘度の変化率が±5%以上±9%未満である。
A−:初期粘度と放置後の粘度の変化率が±9%以上12.5%未満である。
B:初期粘度と放置後の粘度の変化率が±12.5%以上である。
「流路内の保存安定性試験」
実施例および比較例のインク組成物A,Bについて、硬化プロセスで使用される紫外線が反射等でわずかに漏れてインクがヘッドへ充填されるまでの供給チューブを照らしている時、供給チューブ内のインクの様子を3時間の印字後に観察し、下記の指標で評価した。
A:供給チューブ内で硬化することなくインクが存在する。
B:供給チューブ内でインクのゲル化物が観察される。
実施例および比較例のインク組成物A,Bについて、硬化プロセスで使用される紫外線が反射等でわずかに漏れてインクがヘッドへ充填されるまでの供給チューブを照らしている時、供給チューブ内のインクの様子を3時間の印字後に観察し、下記の指標で評価した。
A:供給チューブ内で硬化することなくインクが存在する。
B:供給チューブ内でインクのゲル化物が観察される。
「硬化性試験」
前記したように調製したインク組成物A及びインク組成物Bを混合した場合について、Anton Paar社製レオメーター Physica MCR−301(UV硬化測定オプション付き)を用いて、硬化性の評価を行った。
具体的には、予め紫外線光源の紫外線量(mW/cm2)を測定しておき、紫外線照射により光重合が開始され硬化反応の進行と共に上昇する弾性率が一定になるまでの時間(sec.)を計測し、紫外線量(mW/cm2)×時間(sec.)より硬化に必要なエネルギー(mJ/cm2)を求めて、硬化性を評価した。
前記したように調製したインク組成物A及びインク組成物Bを混合した場合について、Anton Paar社製レオメーター Physica MCR−301(UV硬化測定オプション付き)を用いて、硬化性の評価を行った。
具体的には、予め紫外線光源の紫外線量(mW/cm2)を測定しておき、紫外線照射により光重合が開始され硬化反応の進行と共に上昇する弾性率が一定になるまでの時間(sec.)を計測し、紫外線量(mW/cm2)×時間(sec.)より硬化に必要なエネルギー(mJ/cm2)を求めて、硬化性を評価した。
硬化に必要なエネルギーは、着色材の色によって大きく異なる。例えばブラックは、他の着色材に比較して紫外線を吸収しやすいので、これを含むインクはより多くのエネルギーを必要とする。よって、感度向上剤の添加による必要なエネルギーの低減効果は、同じ色のインクにおいて比較する必要がある。
表1と表3とを同じ色で比較すると(実施例1−1と比較例1−5、実施例1−2と比較例1−6、実施例1−3と比較例1−7、実施例1−4と比較例1−8)、必要エネルギーが大きく低減していることがわかる。
また、表4と表6とを同じ色で比較すると(実施例2−1と比較例2−5、実施例2−2と比較例2−6、実施例2−3と比較例2−7、実施例2−4と比較例2−8)、必要エネルギーが大きく低減していることがわかる。
さらに、実施例のインク組成物は、保存安定性が優れていることがわかる。
表1と表3とを同じ色で比較すると(実施例1−1と比較例1−5、実施例1−2と比較例1−6、実施例1−3と比較例1−7、実施例1−4と比較例1−8)、必要エネルギーが大きく低減していることがわかる。
また、表4と表6とを同じ色で比較すると(実施例2−1と比較例2−5、実施例2−2と比較例2−6、実施例2−3と比較例2−7、実施例2−4と比較例2−8)、必要エネルギーが大きく低減していることがわかる。
さらに、実施例のインク組成物は、保存安定性が優れていることがわかる。
〔インク組成物A3−1〜3−5、インク組成物A4−1〜4−5、の調製:後記表7、表8参照〕
アリルグリコール、光ラジカル重合開始剤(Irgacure 819,127)、分散剤(ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン)、感度向上剤(表7:チオキサントン系化合物、表8:クマリン系化合物)を、後記表7、表8に示す組成(重量%)で混合し完全に溶解させた後、これに前記顔料分散液(ピグメントブラック−7,ピグメントブルー−15:3,ピグメントヴァイオレット−19,ピグメントイエロー−213、ピグメントホワイト−6)を攪拌しながら滴下した(滴下量は後記表7、表8参照)。滴下終了後、常温で1時間混合攪拌し、さらに5μmのメンブランフィルターでろ過して、インク組成物A3−1〜3−5、インク組成物A4−1〜4−5を得た。
アリルグリコール、光ラジカル重合開始剤(Irgacure 819,127)、分散剤(ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン)、感度向上剤(表7:チオキサントン系化合物、表8:クマリン系化合物)を、後記表7、表8に示す組成(重量%)で混合し完全に溶解させた後、これに前記顔料分散液(ピグメントブラック−7,ピグメントブルー−15:3,ピグメントヴァイオレット−19,ピグメントイエロー−213、ピグメントホワイト−6)を攪拌しながら滴下した(滴下量は後記表7、表8参照)。滴下終了後、常温で1時間混合攪拌し、さらに5μmのメンブランフィルターでろ過して、インク組成物A3−1〜3−5、インク組成物A4−1〜4−5を得た。
〔インク組成物B3−1、インク組成物B4−1の調製:後記表7、表8参照〕
アリルグリコール、ハイパーブランチポリマー(ビスコート#1000)、感度向上剤(表7:チオキサントン系化合物、表8:クマリン系化合物)を、表7、表8に示す組成(重量%)で混合し完全に溶解させた後、5μmのメンブランフィルターでろ過し、インク組成物B3−1、インク組成物B4−1を得た。
アリルグリコール、ハイパーブランチポリマー(ビスコート#1000)、感度向上剤(表7:チオキサントン系化合物、表8:クマリン系化合物)を、表7、表8に示す組成(重量%)で混合し完全に溶解させた後、5μmのメンブランフィルターでろ過し、インク組成物B3−1、インク組成物B4−1を得た。
「保存安定性試験」「流路内の保存安定性試験」
また、各実施例の光硬化型インク組成物セットについて、実施例1−1と同様に「保存安定性試験」「流路内の保存安定性試験」を行った。これらの試験結果(評価)を表7,8に示す。
また、各実施例の光硬化型インク組成物セットについて、実施例1−1と同様に「保存安定性試験」「流路内の保存安定性試験」を行った。これらの試験結果(評価)を表7,8に示す。
「印字評価方法」
各インクセットを使用し、セイコーエプソン株式会社製インクジェットプリンタ PM−G920を利用し、インク組成物A3−1をフォトブラック列に、インク組成物B3−1をグロスオプティマイザ列に、各カラーインクは対応するインク列、即ちインク組成物A3−2はイエロー列、インク組成物A3−3はマゼンタ列、インク組成物A3−4はシアン列、白色のインク組成物A3−5は、レッド、ブルー列に充填し、常温・常圧下にて、それぞれブラック、ホワイト、カラーインクの対応する位置に、インク組成物B3−1が着弾し、混合される印字条件にてフルカラー画像印刷を実施した。記録媒体にはA4サイズのOHPフィルム(富士ゼロックス(株)製、XEROX FILM <枠なし>)を用いた。そして合計120mW/cm2の照射量を有する紫外線照射光源により、積算光量が12000mW/cm2になるような硬化条件で印字及び硬化処理を行い、硬化処理されたフルカラー画像が得られることを確認した(実施例3−1〜3−5)。
各インクセットを使用し、セイコーエプソン株式会社製インクジェットプリンタ PM−G920を利用し、インク組成物A3−1をフォトブラック列に、インク組成物B3−1をグロスオプティマイザ列に、各カラーインクは対応するインク列、即ちインク組成物A3−2はイエロー列、インク組成物A3−3はマゼンタ列、インク組成物A3−4はシアン列、白色のインク組成物A3−5は、レッド、ブルー列に充填し、常温・常圧下にて、それぞれブラック、ホワイト、カラーインクの対応する位置に、インク組成物B3−1が着弾し、混合される印字条件にてフルカラー画像印刷を実施した。記録媒体にはA4サイズのOHPフィルム(富士ゼロックス(株)製、XEROX FILM <枠なし>)を用いた。そして合計120mW/cm2の照射量を有する紫外線照射光源により、積算光量が12000mW/cm2になるような硬化条件で印字及び硬化処理を行い、硬化処理されたフルカラー画像が得られることを確認した(実施例3−1〜3−5)。
また、同時にインク組成物A4−1をフォトブラック列に、インク組成物B4−1をグロスオプティマイザ列に、各カラーインクは対応するインク列、即ちインク組成物A4−2はイエロー列、インク組成物A4−3はマゼンタ列、インク組成物A4−4はシアン列、白色のインク組成物A4−5はレッド、ブルー列に充填し、常温・常圧下にて、それぞれブラック、ホワイト、カラーインクの対応する位置に、インク組成物B4−1が着弾し、混合される印字条件にてフルカラー画像印刷を実施した場合、積算光量が12000mW/cm2になるような硬化条件で印字及び硬化処理を行い、硬化処理されたフルカラー画像が得られることを確認した(実施例4−1〜4−5)。
(実施例5−1〜5−2、比較例5−1〜5−2)
実施例5−1〜5−2、比較例5−1〜5−2の光硬化型インク組成物セットを以下の表9に示す。
実施例5−1〜5−2、比較例5−1〜5−2の光硬化型インク組成物セットを以下の表9に示す。
〔インク組成物A5−1〜5−2の調製:後記表9参照〕
NVF(N−ビニルフォルムアミド)、アリルグリコール、光ラジカル重合開始剤(Irgacure 819,127)、分散剤(ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン)、感度向上剤を、後記表9に示す組成(重量%)で混合し完全に溶解させた後、これに前記顔料分散液(ピグメントブラック−7)を攪拌しながら滴下した(滴下量は後記表9参照)。滴下終了後、常温で1時間混合攪拌し、さらに5μmのメンブランフィルターでろ過して、インク組成物A5−1〜5−2を得た。
NVF(N−ビニルフォルムアミド)、アリルグリコール、光ラジカル重合開始剤(Irgacure 819,127)、分散剤(ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン)、感度向上剤を、後記表9に示す組成(重量%)で混合し完全に溶解させた後、これに前記顔料分散液(ピグメントブラック−7)を攪拌しながら滴下した(滴下量は後記表9参照)。滴下終了後、常温で1時間混合攪拌し、さらに5μmのメンブランフィルターでろ過して、インク組成物A5−1〜5−2を得た。
〔インク組成物B5−1〜5−2の調製:後記表9参照〕
アリルグリコール、上記で作成したデンドリマー7、感度向上剤を、後記表9に示す組成(重量%)で混合し完全に溶解させた後、5μmのメンブランフィルターでろ過して、インク組成物B5−1〜5−2を得た。
アリルグリコール、上記で作成したデンドリマー7、感度向上剤を、後記表9に示す組成(重量%)で混合し完全に溶解させた後、5μmのメンブランフィルターでろ過して、インク組成物B5−1〜5−2を得た。
〔インク組成物A5−3〜5−4の調製:後記表9参照〕
NVF(N−ビニルフォルムアミド)、アリルグリコール、光ラジカル重合開始剤(Irgacure 819,127)、感度向上剤を、後記表9に示す組成(重量%)で混合し完全に溶解させた後、5μmのメンブランフィルターでろ過して、インク組成物A5−3〜5−4を得た。
NVF(N−ビニルフォルムアミド)、アリルグリコール、光ラジカル重合開始剤(Irgacure 819,127)、感度向上剤を、後記表9に示す組成(重量%)で混合し完全に溶解させた後、5μmのメンブランフィルターでろ過して、インク組成物A5−3〜5−4を得た。
〔インク組成物B5−3〜5−4の調製:後記表9参照〕
アリルグリコール、上記で作成したデンドリマー7、分散剤(ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン)、感度向上剤を、後記表9に示す組成(重量%)で混合し完全に溶解させた後、これに前記顔料分散液(ピグメントブラック−7)を攪拌しながら滴下した(滴下量は後記表9参照)。滴下終了後、常温で1時間混合攪拌し、さらに5μmのメンブランフィルターでろ過して、インク組成物B5−3〜5−4を得た。
アリルグリコール、上記で作成したデンドリマー7、分散剤(ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン)、感度向上剤を、後記表9に示す組成(重量%)で混合し完全に溶解させた後、これに前記顔料分散液(ピグメントブラック−7)を攪拌しながら滴下した(滴下量は後記表9参照)。滴下終了後、常温で1時間混合攪拌し、さらに5μmのメンブランフィルターでろ過して、インク組成物B5−3〜5−4を得た。
「保存安定性試験」「流路内の保存安定性試験」「硬化性試験」
また、各実施例の光硬化型インク組成物セットについて、実施例1−1と同様に「保存安定性試験」「流路内の保存安定性試験」「硬化性試験」を行った。これらの試験結果(評価)を表9に示す。
また、各実施例の光硬化型インク組成物セットについて、実施例1−1と同様に「保存安定性試験」「流路内の保存安定性試験」「硬化性試験」を行った。これらの試験結果(評価)を表9に示す。
Claims (10)
- 少なくとも色材、重合性化合物および光ラジカル重合開始剤を含有するインク組成物Aと、少なくともラジカル重合性化合物を含有し、色材および光ラジカル重合開始剤を含有しないインク組成物Bとから成り、前記インク組成物A,Bのどちらか一方または両方に感度向上剤を含むことを特徴とする光硬化型インク組成物セット。
- 前記インク組成物Bに含有するラジカル重合性化合物として、前記インク組成物Aと前記インク組成物Bが混合された時、ラジカルの存在下で、前記インク組成物Aに含有する重合性化合物と共重合するラジカル重合性化合物を少なくとも含有することを特徴とする請求項1に記載の光硬化型インク組成物セット。
- 前記感度向上剤が、チオキサントン系化合物およびクマリン系化合物のいずれか1種類又は複数の混合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の光硬化型インク組成物セット。
- 前記インク組成物Aに含有する重合性化合物として、少なくともアリル化合物を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光硬化型インク組成物セット。
- 前記アリル化合物がアリルエーテル化合物であることを特徴とする請求項4に記載の光硬化型インク組成物セット。
- 前記アリルエーテル化合物がアリルグリコールであることを特徴とする請求項5に記載の光硬化型インク組成物セット。
- 前記インク組成物Bに含有する、前記インク組成物Aと前記インク組成物Bが混合された時、ラジカルの存在下で、前記インク組成物Aに含有する重合性化合物と共重合するラジカル重合性化合物が樹枝状ポリマーであることを特徴とする請求項2〜6のいずれか一項に記載の光硬化型インク組成物セット。
- 前記樹枝状ポリマーがハイバーブランチポリマーおよび/またはデンドリマーであることを特徴とする請求項7に記載の光硬化型インク組成物セット。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の光硬化型インク組成物セットを用いた記録方法。
- 請求項9に記載の記録方法で得られた記録物。
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