JP2008195275A - 自動車の緊急制動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動車の高速運転時に、緊急制動する場合、自動車の車輪と路面との間の摩擦力が非常に小さくなっていようとも、瞬間的に空気抵抗を受けて自動車の制動距離を短縮し、その自動車の衝突を緊急に回避するのに好適な緊急制動装置を提供する。
【解決手段】高速運転時における急ブレーキ作動時、その急ブレーキ作動の異常な踏込み力と連動する機構を用いて空気抵抗体を車体1より瞬間的に突出させるようにしている。
【選択図】 図2
【解決手段】高速運転時における急ブレーキ作動時、その急ブレーキ作動の異常な踏込み力と連動する機構を用いて空気抵抗体を車体1より瞬間的に突出させるようにしている。
【選択図】 図2
Description
この発明は、自動車の衝突を緊急に回避するための制動装置、特に自動車を高速で運転している場合に、その自動車の衝突を緊急に回避するための制動装置に関するものである。
自動車が凍結路、積雪路、降雨路などの滑りやすい路面を走行するときは、車輪のグリップ力が低下し、車輪がスリップし易くなる。このような場合、従来から自動車に搭載されている制動装置だけでは、その制動装置を急ブレーキ作動しても制動距離が長くなり、他の自動車や障害物などとの衝突を回避できない場合がある。
そのため従来から、例えば、自動車の急ブレーキ作動時、その急ブレーキ作動と連動する機構を用いて摩擦体を車底より突出させて路面との間に摩擦を発生させ、その摩擦抵抗によって自動車を停止させるようにした緊急制動装置が存在する(特許文献1)。
一方、近年、自動車の制動力を制御するために、各車輪のスリップ度合いを検出して、車輪の制動力を制御する装置(ABS:Antilock Brake System)や、ステアリング傾向を検出して車輪の制動力を制御する装置(VSC:Vehicle Stability Control)等が開発されている。
特開昭58−89444号公報(第1頁、第1図)
しかしながら、上記従来の自動車の緊急制動装置は、路面が凍結している時、路面に積雪している時、降雨時などにおける自動車の緊急制動装置に関するものであって、自動車を高速で運転している場合に、その自動車の制動距離を短縮させるためのものではない。また、このような緊急制動装置を、凍結路、積雪路など以外で使用すると、路面に傷を付けてしまうようなこともあり、道路整備上の問題が生じる。さらに、このような緊急制動装置を、自動車を高速で運転している場合に使用すると、車体のバランスを崩し、安定した制動を行えないなどの問題もある。
また、上記ABSやVSCなどの制動力制御装置は、自動車の車輪と路面との間にある程度の摩擦力が作用していることが前提であるが、高速運転時には自動車の車輪と路面との間の摩擦力が非常に小さくなっているため、高速運転時おける制動には有効に作動しないという問題がある。
そこで、この発明は、上記従来の問題点を解決するものであり、自動車の高速運転時に、緊急制動する場合、自動車の車輪と路面との間の摩擦力が非常に小さくなっていようとも、瞬間的に空気抵抗を受けて自動車の制動距離を短縮し、その自動車の衝突を緊急に回避するのに好適な緊急制動装置を提供することを目的としてなされたものである。
そのため、この発明の自動車の緊急制動装置は、高速運転時における急ブレーキ作動時、その急ブレーキ作動の異常な踏込み力と連動する機構を用いて空気抵抗体を車体1より瞬間的に突出させるようにしている。
さらに、この発明の自動車の緊急制動装置は、高速運転時における急ブレーキ作動時、その急ブレーキ作動の異常な踏込み力および車輪の制動力制御装置(ABS)の作動と連動する機構を用いて空気抵抗体を車体1より瞬間的に突出させるようにしている。
そして、この発明の自動車の緊急制動装置では、空気抵抗体を車体1の後方に位置するトランクルーム2の蓋体3としている。
さらに、この発明の自動車の緊急制動装置では、油圧式突出機構によって前記空気抵抗体を車体1より瞬間的に突出させるようにしている。
また、この発明の自動車の緊急制動装置では、バネ弾性式突出機構によって前記空気抵抗体を車体1より瞬間的に突出させるようにしている。
この発明の自動車の緊急制動装置は、以上に述べたように構成されているので、自動車の高速運転時に、緊急制動する場合、自動車の車輪と路面との間の摩擦力が非常に小さくなっていようとも、瞬間的に空気抵抗を受けて自動車の制動距離を短縮し、その自動車の衝突を緊急に回避することができるものとなった。
以下、この発明の自動車の緊急制動装置の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
この発明の自動車の緊急制動装置は、高速運転時における急ブレーキ作動時、その急ブレーキ作動の異常な踏込み力と連動する機構を用いて空気抵抗体を車体1より瞬間的に突出させるようにしている。
さらに、この発明の自動車の緊急制動装置は、高速運転時における急ブレーキ作動時、その急ブレーキ作動の異常な踏込み力および車輪の制動力制御装置(ABS:Antilock Brake System)の作動と連動する機構を用いて空気抵抗体を車体1より瞬間的に突出させるようにしている。
この発明において高速運転時とは、例えば我が国の高速道路の制限速度以上での運転時であったり、外国での制限速度なしの高速道路での時速200km以上の運転時であったり、自動車を運転する者が通常、高速と感じる速度での運転時をも含む幅広い概念をいう。前記高速運転時を感知するには、スピードメーターの数値によったり、スピードメーターとは別に設けた他のスピードセンサーによることができる。スピードメーターやスピードセンサーによって高速が感知された場合には、緊急制動装置が作動する準備体制に入るようにする。
この発明において異常な踏込み力とは、緊急制動時に運転する者がブレーキペダルを踏込む時の、通常以上の踏込み力のことであり、緊急制動時には運転する者が通常より何倍もの強さで踏込むことを想定しており、例えば通常の踏込み力の二倍以上の踏込み力とすることができる。この異常な踏込み力は、圧力センサ−などによって感知できるようにしている。
この発明において空気抵抗体とは、板状体であるのが好ましいが、車体1から突出するものであれば何であってもよい。図示したものは、車体1の後方に位置するトランクルーム2の蓋体3としたが、このように自動車に最初から装備されているものであっても、特別に装備したもの、例えばトランクルーム2の蓋体3の上や、ボンネット4、ルーフ5の上に別に設置した起伏板(図示せず)のようなものであってもよい。しかし、特別に装備したものは、車体1から食み出したりして車のデザインに影響を与えたり、車体重量の増加に繋がったり、トランクルーム2やエンジンルーム、乗車スペースが狭くなったりするので、図示したような自動車に最初から装備されているトランクルーム2の蓋体3とするのが好ましい。
この発明において空気抵抗体を車体1より瞬間的に突出させるには、高速運転時において前記急ブレーキ作動と連動する油圧式突出機構としたり、バネ弾性式突出機構としている。この油圧式突出機構は、図1、2に示したように、トランクルーム2と蓋体3の間に介在させた油圧シリンダ装置6としており、前記緊急制動時には油圧力によってピストンロッド7をシリンダ8から突出させて蓋体3を押し上げ、この蓋体3を瞬時に開いて車体1より瞬間的に突出させるようにしている。また、バネ弾性式突出機構は、図3、4に示したように、トランクルーム2と蓋体3の間に介在させたコイルバネ9などとしており、前記緊急制動時には蓋体3を押し上げる方向に付勢して、この蓋体3を瞬時に開いて車体1より瞬間的に突出させるようにしている。なお、前記蓋体3の通常の開閉は、既存の開閉機構によって行われるようにしている。
以上のように構成したこの発明の自動車の緊急制動装置は、前記蓋体3を車体1より瞬間的に突出させると、空気抵抗が瞬時に増大し、この空気抵抗によって自動車の制動距離が短縮される。さらに、前記蓋体3を瞬時に開いて車体1より瞬間的に突出させたときの空気抵抗は、車体1が沈む方向にかかるので、車輪と路面との間の摩擦力が増し、自動車本来の制動装置による制動距離も短縮されることになる。
したがって、この発明の自動車の緊急制動装置は、高速運転時に緊急制動する場合、自動車の車輪と路面との間の摩擦力が非常に小さくなっていようとも、瞬間的に空気抵抗を受けて自動車の制動距離を短縮し、その自動車の衝突を緊急に回避することができるものとなる。
1 車体
2 トランクルーム
3 蓋体
6 油圧シリンダ装置
7 ピストンロッド
8 シリンダ
9 コイルバネ
2 トランクルーム
3 蓋体
6 油圧シリンダ装置
7 ピストンロッド
8 シリンダ
9 コイルバネ
Claims (5)
- 高速運転時における急ブレーキ作動時、その急ブレーキ作動の異常な踏込み力と連動する機構を用いて空気抵抗体を車体より瞬間的に突出させるようにしたことを特徴とする自動車の緊急制動装置。
- 高速運転時における急ブレーキ作動時、その急ブレーキ作動の異常な踏込み力および車輪の制動力制御装置(ABS)の作動と連動する機構を用いて空気抵抗体を車体より瞬間的に突出させるようにしたことを特徴とする自動車の緊急制動装置。
- 空気抵抗体を車体の後方に位置するトランクルームの蓋体としたことを特徴とする請求項1または2記載の自動車の緊急制動装置。
- 油圧式突出機構によって前記空気抵抗体を車体より瞬間的に突出させるようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自動車の緊急制動装置。
- バネ弾性式突出機構によって前記空気抵抗体を車体より瞬間的に突出させるようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自動車の緊急制動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007033636A JP2008195275A (ja) | 2007-02-14 | 2007-02-14 | 自動車の緊急制動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007033636A JP2008195275A (ja) | 2007-02-14 | 2007-02-14 | 自動車の緊急制動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008195275A true JP2008195275A (ja) | 2008-08-28 |
Family
ID=39754621
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007033636A Pending JP2008195275A (ja) | 2007-02-14 | 2007-02-14 | 自動車の緊急制動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008195275A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101879889A (zh) * | 2010-08-04 | 2010-11-10 | 尹梦晨 | 一种汽车风能辅助制动系统 |
CN105172765A (zh) * | 2015-09-24 | 2015-12-23 | 东北大学 | 一种带有自适应特性的汽车变角度尾翼控制系统及其方法 |
CN113246932A (zh) * | 2021-06-18 | 2021-08-13 | 东风柳州汽车有限公司 | 紧急制动辅助控制方法、装置、设备及存储介质 |
-
2007
- 2007-02-14 JP JP2007033636A patent/JP2008195275A/ja active Pending
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