JP2008195070A - プロピレン系樹脂積層体 - Google Patents
プロピレン系樹脂積層体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008195070A JP2008195070A JP2008008736A JP2008008736A JP2008195070A JP 2008195070 A JP2008195070 A JP 2008195070A JP 2008008736 A JP2008008736 A JP 2008008736A JP 2008008736 A JP2008008736 A JP 2008008736A JP 2008195070 A JP2008195070 A JP 2008195070A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- propylene
- polypropylene resin
- polypropylene
- group
- elastomer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
【解決手段】
結晶性ポリプロピレン系樹脂から成るベース層と、該ベース層上に少なくともポリプロピレン系樹脂組成物からなるスキン層が積層されてなり、且つ下記(1)及び(2)を満たすことを特徴とするポリプロピレン系樹脂積層体。
(1)該スキン層は、少なくともベース層との積層面と反対の面のX線光電子分光法(XPS)によるO/C(炭素原子に対する酸素原子存在比)が0.001以上であること
(2)該スキン層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物からなるシートの引張破壊伸びが250%以上であること
【選択図】 なし
Description
(1)該スキン層は、少なくともベース層との積層面と反対の面のX線光電子分光法(XPS)によるO/C(炭素原子に対する酸素原子存在比)が0.001以上であること
(2)該スキン層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物からなるシートの引張破壊伸びが250%以上であること。
(1)該スキン層は、少なくともベース層との積層面と反対の面のX線光電子分光法(XPS)によるO/C(炭素原子に対する酸素原子存在比)が0.001以上であること
(2)該スキン層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物からなるシートの引張破壊伸びが250%以上であること
ポリプロピレンは非極性であるため、ポリプロピレンからなる基材に塗装を施すと、当然のことながら塗料官能基とポリプロピレン基材間の反応が行われず、塗装密着性は低い。そこで、塗装密着性を克服すべく、極性基を含有する樹脂(極性樹脂)をポリプロピレン基材に導入し基材の表面官能基濃度を増大させることで塗装密着性を向上させているが、官能基濃度を高めるために多量の極性樹脂を導入するとポリプロピレンの成形性を低下させるので、成形性の低下を生ずることなくさらなる塗装密着性向上が求められている。
<XPSの測定法>
X線光電子分光法を使用して求められる表面に存在する原子種と濃度とから、酸素原子濃度/炭素原子濃度、窒素原子濃度/炭素原子濃度で与えられる。アルバックファイ「ESCA5800」を使用して14kV、400Wの条件で得られたMgのKα線を使用し、C(1S)、O(1S)、N(1S)由来のスペクトルを測定し、それらのピーク面積を次の原子感度係数を使用して補正し表面濃度を見積もった。次いで、C(1S)由来の濃度を使用して各原子濃度を規格化することにより、酸素原子存在比(O/C)、窒素原子存在比(N/C)を求めた。
原子感度係数は次の通りである。C(1S)=0.314、O(1S)=0.733、N(1S)=0.499
東洋精機製ラボプラストミルを用いて、スキン層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物と同組成比にて原料樹脂の混錬を行う。混錬条件は設定温度200℃、スクリュー回転数150rpm、混錬時間5分間に設定し、1バッチあたりの樹脂は40gとした。ラボプラストミルで得られたコンパウンド物を、200℃に加熱して熱プレス成形(厚み2mm)を行い、成形シートを打ち抜き刃でJIS2号試験片に打ち抜いた。試験片をJISK7113号に準拠して引張試験を行い、引張破壊伸びを求めた。
(A)メタロセン触媒を用いた重合法によるプロピレン系エラストマーに官能基含有モノマーがグラフト結合した官能基含有エラストマーを10〜60重量部、及び
(B)結晶性プロピレン系重合体を90〜40重量部
本発明の積層体では、スキン層がこのような構成のポリプロピレン系樹脂組成物から形成されることにより、該スキン層は、XPSによるO/Cが0.001以上であり、且つこの樹脂組成物からなるシートの引張破壊伸びが250%であるとの要件を満たすことが出来、その結果、該積層体はプライマーの下塗りを要することなく塗料による塗装が可能となるのである。
(A)成分:官能基含有プロピレン系エラストマー
官能基含有エラストマーとしては、その主鎖となるメタロセン触媒を用いた重合法によって得られるプロピレン系エラストマー、即ち(A1)アイソタクチックブロックと非晶性ブロックからなるステレオブロック構造を有するプロピレン系エラストマー、及び/又は(A2)プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィン1ないし2種以上との共重合体からなるプロピレン系エラストマーに、官能基含有モノマーがグラフト結合したものであることが好ましい。
(A1)ステレオブロック構造を有するプロピレン系エラストマー
本発明におけるプロピレン系エラストマーは、メタロセン触媒を用いた重合により得られ、その主鎖におけるプロピレン連鎖部分がステレオブロック構造、即ちアイソタクチックブロック(結晶性ブロック)と非晶性ブロックを交互に2以上有する構造を持つものである。ここで、プロピレン系エラストマーは、プロピレンを主要な構成単位とするものであり、エチレンや炭素数4〜20のα−オレフィンをコモノマーとして含んでいてもよい。プロピレン系エラストマーのステレオブロック構造は、後述する13C−NMRスペクトルの測定方法により、特定ペンタッドのピーク面積から決められる。
ステレオブロック構造を有するプロピレンの単独重合体からなるプロピレン系エラストマー((A1)−(i)成分)は、プロピレンをシングルサイト触媒である、メタロセン触媒を用いた重合方法により製造したものが好ましい。((A1)(i)成分)としてのエラストマーは、特開2004−300192号公報に記載されている重合触媒の調整法、重合の方法等を適宜採用して製造することが出来、主鎖の構造も13C−NMRスペクトルの測定方法により特定することができる。
ステレオブロック構造を有するプロピレンとエチレンや炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体からなるプロピレン系エラストマー((A1)−(ii)成分)は、プロピレンおよびエチレンや炭素数4〜20のα−オレフィンを共重合成分として含有し、プロピレンおよびエチレンや炭素数4〜20のα−オレフィンをシングルサイト触媒である、メタロセン触媒を用いた重合方法により製造したものが好ましい。((A1)−(ii)成分)としてのエラストマーは、特開2003−292700号公報に記載されている重合触媒の調整法、重合の方法等を適宜採用して製造することが出来、主鎖の構造も13C−NMRスペクトルの測定方法により特定することができる。
<13C−NMRスペクトルの測定方法>
試料350〜500mgを、10mmφのNMR用サンプル管中で、約2.2mlのオルトジクロロベンゼンを用いて完全に溶解させる。次いで、ロック溶媒として約0.2mlの重水素化ベンゼンを加え、均一化させた後、130℃でプロトン完全デカップリング法により測定を行う。測定条件は、フリップアングル90°、パルス間隔5T1以上(T1は、メチル基から由来するスピン−格子緩和時間のうち最長の値)とする。プロピレン重合体において、メチレン基およびメチン基のスピン格子緩和時間はメチル基のそれよりも短いので、この測定条件では、炭素すべての磁化の回復は99%以上である。なお、定量精度を上げるため、13C核の共鳴周波数として125MHz以上のNMR装置を使用し、20時間以上の積算を行うのが好ましい。
装置: Waters社製「150CV型」
カラム温度: 135℃
溶媒: オルトジクロロベンゼン
流量: 1.0ml/min
カラム: 東ソー株式会社製TSKgel GMHXL−L
注入量: 500μl(濾過処理)
溶液濃度: 1.0mg/ml
試料調整: オルトジクロロベンゼンを用い、1.0mg/mlの溶液に調整し135℃で1〜3時間溶解させる。
分子量の算出:標準試料として市販の単分散のポリスチレンを使用し、該ポリスチレン標準試料およびポリプロピレンの粘度式から、保持時間と分子量に関する校正曲線を作成し、プロピレン重合体の分子量の算出を行う。なお、粘度式としては、[η]=KMαを使用し、ポリスチレンに対しては、K=1.38E−4、α=0.70、ポリプロピレンに対しては、K=1.03E−4、α=0.78を使用する。
本発明におけるプロピレン系エラストマーの一例は、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィン、例えば炭素数2、4〜20のα−オレフィン1乃至2以上とからなる共重合体である。α−オレフィンとしては、具体的にエチレン、ブチレン、ペンテン、ヘプテン、オクテン等が挙げられるが、これらの中でも、エチレン及びブチレンが好ましい。該共重合体におけるプロピレン含量は、40〜90重量%が好ましく、50〜85重量%が更に好ましい。このようなプロピレンとα−オレフィンとの共重合体は、通常行われているメタロセン触媒を用いた重合法により製造することができる。メタロセン触媒を用いたプロピレン系エラストマーによれば、チーグラー系のプロピレン系エラストマーより結晶組成分布が狭いため、コンパウンド後の最終物性に必要とされる柔軟性や融点の制御を行いやすい。そのような市販品としては、例えば三井化学(株)製の商品名「タフマーXM」、エクソンモービル(株)製の「VISTAMAXX」等が挙げられる。
本発明で使用する官能基含有プロピレン系エラストマーは、その主鎖となるプロピレン系エラストマーとして結晶性の低いプロピレン重合体を用いることにより、塗膜との結合機能を担う成分の塗膜追随性を向上させることができ、それによって塗装密着性を高めることができる。また、低結晶性のプロピレン系重合体は、後述する官能基含有モノマーによるグラフト反応の際、主鎖の切断等を生起せず分子量を高い状態に維持し得る。この低結晶性は、官能基含有プロピレン系エラストマーのDSCによる融解熱量が50J/g未満であるとき、特に顕著に現れる。
PERKIN−ELMER社製熱分析システムDSC7を使用し、以下の方法で測定を行った。試料(約5〜10mg)を、200℃で5分間融解後、10℃/minの速度で−20℃まで降温し、5分間同温度で保持した後に、10℃/minで200℃まで昇温することにより融解曲線を得て、最後の昇温段階における主吸熱ピークのピークトップ温度を融点として求めた。融解熱量は、この主吸熱ピークとベースラインとで囲まれる領域の面積から求めた。ところで、融解熱量が小さい場合、ベースラインの変動と真の吸熱ピークとの判別が困難な場合がある。この場合には、上述の降温過程において、結晶化による発熱ピークが存在し、それが、吸熱ピークと対応するかどうかを確認する。対応する発熱ピークが存在すれば、結晶融解にもとづく真の吸熱ピークが存在すると判別し、そうでない場合には、ベースラインの変動と判別する。
本発明における官能基含有プロピレン系エラストマーは、上述のようにその主鎖をなすプロピレン系エラストマーが低結晶性であると同時に、官能基を含有している。官能基としては、スキン層上に塗布される塗料成分と親和性を有する官能基であれば任意の官能基が使用できるが、極性基が好ましい。好適な官能基の具体例としては、カルボキシル基、エステル基、アミド基、イミド基、酸無水物基、水酸基が挙げられるが、特に好ましくは、酸無水物基、水酸基である。
プロピレン系エラストマーに官能基を導入する代表的な具体例としては、官能基を含有するモノマーをグラフト共重合させる方法が挙げられる。官能基含有モノマーとしてカルボキシル基を有する極性モノマーをグラフト共重合させる場合、極性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸およびその酸誘導体並びにモノオレフィンジカルボン酸、その無水物およびそのモノエステル類が挙げられる。
本発明の積層体の塗装密着性を向上させるためには、積層体を構成するスキン層の表面にできるだけ多くの官能基を存在させることが好ましく、そのためには、スキン層中の官能基含有プロピレン系エラストマーの配合量を増やすことが考えられる。一方、従来の結晶化度の高いアイソタクチックポリプロピレンをグラフト変性したものは、そのグラフト反応を高温状態で過酸化物を用いて行わなければならないため、変性中にポリプロピレンの主鎖が切断されて低分子量体となりやすい。その結果、このような変性ポリプロピレンを用いて積層体を成形すると、成形溶融時における樹脂の粘度制御が困難であるため成形不良が起こりやすい。また、低分子量の変性ポリプロピレンを含有する成形シートは膜切れが起きやすいため延伸性も悪く、延伸後の積層体の外観が悪化し実用性に欠ける。
本発明における結晶性プロピレン系重合体は、スキン層を形成するポリプロピレン系樹脂組成物の一成分(B成分)である。ここで、結晶性プロピレン系重合体とは、プロピレンを主要な構成単位とする重合体であり、プロピレン単独重合体や、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体、または、これらの混合物である。なお、主要な構成単位とは、プロピレン系重合体中、プロピレン単位が少なくとも90重量%以上、好ましくは95重量%以上であることを表す。結晶性プロピレン系重合体は、結晶性を有する限りその構造、たとえば、立体規則性、分子量、分子量分布、プロピレン含量等については特に制限はなく、目的に応じて必要な構造を有するものを使用することができる。
(i)プロピレン・エチレンブロック共重合体
プロピレン・エチレンブロック共重合体としては、アイソタクチックペンタッド分率が0.9以上のプロピレン単独重合体部分と、ガラス転移温度が−30℃以下であり、135℃デカリン中で測定される固有粘度[η]が3〜15(dl/g)のエチレン・プロピレン共重合体部分を有するものが好ましく用いられる。
プロピレン単独重合体として好ましく用いられるのは、アイソタクチックペンタッド分率0.9以上、MFRが、通常0.1g/10min以上、好ましくは0.2g/10min以上、より好ましくは0.5g/10min以上であって、通常300g/10min以下、好ましくは250g/10min以下、より好ましくは200g/10min以下のプロピレン単独重合体である。MFRを0.1g/10min以上とすることで、該結晶性プロピレン系重合体を含むプロピレン系樹脂組成物の流動性が高まり、また300g/10min以下とすることで耐衝撃性の低下を防ぐことができるため、それぞれ好ましい。本重合体を得るための触媒としては、上記(i)プロピレン・エチレンブロック共重合体の項に記載した触媒を使用することができる。MFRの制御方法や製造プロセスについても同様である。
プロピレン・エチレンランダム共重合体として好ましく用いられるのは、エチレン含量が0.1〜10重量%、MFRが通常0.1g/10min以上、好ましくは0.2g/10min以上、より好ましくは0.5g/10min以上であって、300g/10min以下、好ましくは250g/10min以下、より好ましくは200g/10min以下のプロピレン・エチレンランダム共重合体である。MFRを0.1g/10min以上とすることで、該結晶性プロピレン系重合体を含むプロピレン系樹脂組成物の流動性が高まり、また300g/10min以下とすることで耐衝撃性の低下を防ぐことができるため、それぞれ好ましい。本重合体を得るための触媒としては、上記(1)プロピレン・エチレンブロック共重合体の項に記載した触媒を使用することができる。MFRの制御方法についても同様である。なお、プロピレンとエチレン以外に、他の少量のα−オレフィンを共重合しても良い。エチレン含量は、重合槽において、プロピレンとエチレンの比率を変えることによって制御できる。一般的には、エチレン含量は、0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、10重量%以下、好ましくは8重量%以下である。
本発明のポリプロピレン系樹脂積層体は、スキン層とベース層とを積層してなるものであり、各層を形成する前記各成分を、それぞれ必要に応じドライブレンドし、直接積層体製造装置(例えば、共押出成形装置)に供給し積層体を成形することができる。スキン層の厚さは、通常2〜100μm、好ましくは20〜70μm、ベース層は成形品の目的・用途に応じて特に制限的ではないが、通常100〜5000μmの範囲から選択される。
以下の諸例において、メタロセンの合成工程は全て精製窒素雰囲気下で行い、エ−テルおよびTHFはNa−ベンゾフェノンで乾燥したものを用いた。トルエン及びn−ヘキサンは関東化学社より市販されている脱水溶媒を用いた。重合工程は、全て精製窒素雰囲気下で行い、溶媒は、モレキュラーシーブ(MS−4A)で脱水した後に、精製窒素でバブリングして脱気して使用した。プロピレン系重合体の分子量、固有粘度ならびに融点の測定については、本明細書記載の方法で行った。
<ステレオブロック単独プロピレン系重合体>
(1) ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウムの合成
特開2003−201322号に記載の合成方法により配位子および金属錯体の合成を行った。得られた錯体の1H−NMRデータは以下の通りであった。
1000mL丸底フラスコに、脱塩水(72mL)、硫酸リチウム・1水和物(11g)および硫酸(17g)を採取し、攪拌下に溶解させた。この溶液に、市販の造粒モンモリロナイト(水澤化学社製ベンクレイSL)22gを分散させ、100℃まで昇温し、5時間攪拌を行った。その後、1時間かけて室温まで冷却し、得られたスラリーを濾過してウェットケーキを回収した。回収したケーキを1000mL丸底フラスコにて、脱塩水(500mL)にて再度スラリー化し、濾過を行った。この操作を3回繰り返した。最終的に得られたケーキを、窒素雰囲気下200℃で1時間減圧下に乾燥し、化学処理モンモリロナイト(15.6g)を得た。
(2)で得られた化学処理モンモリロナイト(3g)に、トリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(0.5mmol/ml)12.0mlを加え、室温で30分間攪拌した。この懸濁液にトルエン(75ml)を加え、攪拌後、上澄みを除いた。この操作を2回繰り返した後、トルエンを加えて、粘土スラリー(スラリー濃度=99mg粘土/ml)を得た。
別のフラスコに、トリイソブチルアルミニウム(0.18mmol、日本アルキルアルミ社製)を採取し、ここで得られた粘土スラリー全量及び[製造例1]の(1)で得られた錯体(46.7mg,90μmol)のトルエン希釈液を加え、室温で10分間撹拌し、触媒スラリーを得た。
内容積24リットルの誘導攪拌式オートクレーブ内に、トルエン(13リットル)、トリイソブチルアルミニウム(1.5mmol)及び液体プロピレン(3.2リットル)を導入した。室温で、上記触媒スラリーを全量導入し、50℃まで昇温し重合時の全圧を0.6MPaで一定に保持しながら、同温度で2時間攪拌を継続した。攪拌終了後、未反応プロピレンをパージして重合を停止した。オートクレーブを開放してポリマーのトルエン溶液を全量回収し、溶媒を除去したところ、2.76kgのプロピレン重合体が得られた。
得られた重合体を分析したところ、以下の結果が得られた。
GPCによる重量平均分子量 Mw:328,000(ポリスチレン換算)
13C−NMRによるアイソタクチックペンタッド分率:mmmm42.1%
DSCによる融点と結晶融解熱:融点、結晶融解熱、共に明確なピーク確認されず。
装置: Waters社製「150CV型」
カラム温度: 135℃
溶媒: オルトジクロロベンゼン
流量: 1.0ml/min
カラム: 東ソー株式会社製TSKgel GMHXL−L
注入量: 500μl(濾過処理)
溶液濃度: 1.0mg/ml
試料調整: オルトジクロロベンゼンを用い、1.0mg/mlの溶液に調整し135℃で1〜3時間溶解させる。
分子量の算出:標準試料として市販の単分散のポリスチレンを使用し、該ポリスチレン標準試料およびポリプロピレンの粘度式から、保持時間と分子量に関する校正曲線を作成し、プロピレン重合体の分子量の算出を行う。なお、粘度式としては、[η]=KMαを使用し、ポリスチレンに対しては、K=1.38E−4、α=0.70、ポリプロピレンに対しては、K=1.03E−4、α=0.78を使用する。
試料350〜500mgを、10mmφのNMR用サンプル管中で、約2.2mlのオルトジクロロベンゼンを用いて完全に溶解させる。次いで、ロック溶媒として約0.2mlの重水素化ベンゼンを加え、均一化させた後、130℃でプロトン完全デカップリング法により測定を行う。測定条件は、フリップアングル90°、パルス間隔5T1以上(T1は、メチル基から由来するスピン−格子緩和時間のうち最長の値)とする。プロピレン重合体において、メチレン基およびメチン基のスピン格子緩和時間はメチル基のそれよりも短いので、この測定条件では、炭素すべての磁化の回復は99%以上である。なお、定量精度を上げるため、13C核の共鳴周波数として125MHz以上のNMR装置を使用し、20時間以上の積算を行うのが好ましい。13C−NMRによる頭−尾(head to tail)結合からなるプロピレン単位連鎖部のメチル基の炭素原子に由来するピークを観測し、mmmmで表されるペンタッドに帰属されるピークトップのケミカルシフトを21.8ppmとした際に、19.8ppmから22.1ppmに現れるピークの総面積Sに対する、21.8ppmをピークトップとするピークの面積S1の比率(S1/S)を求める。
<無水マレイン酸基含有ステレオブロック単独プロピレン系重合体1>
温度計、冷却管、及び攪拌機を備えたガラスフラスコ中に、[製造例1]で合成したポリプロピレン200g及びトルエン1800gを仕込み、窒素雰囲気下、系内温度を110℃に昇温し溶解した。続いて、無水マレイン酸を30分おきに20gずつ5回(合計100g)、及びパーオキサイド(日本油脂(株)製 商品名 パーブチルI)を30分おきに5gずつ7回(合計35g)、同温度で滴下した後(無水マレイン酸は2時間かけて滴下、パーブチルIは3時間かけて滴下)、2時間熟成反応を行った。反応終了後、室温付近まで冷却し、反応液を4.0kgのアセトン中に投入し、析出した無水マレイン酸変性ポリプロピレンを濾別した。得られた変性ポリプロピレンを、再度2.0kgのアセトン中に投入して精製した後、濾別し真空乾燥した。得られた白色粉末状の変性ポリプロピレンの量は182gであった。
Ixは化学シフト範囲xの積分値を意味する。また、PP(ポリプロピレン)については1ユニットあたり水素6個として計算するため、無水マレイン酸と反応した分の水素を割り戻して計算した。
計算式;
PP:{(Ia+Ib/3)/6}/[{(Ia+Ib/3)/6}+Ib/3]
無水マレイン酸:(Ib/3)/[{(Ia+Ib/3)/6}+Ib/3]
本式から求められる、変性ポリプロピレン中の無水マレイン酸基を含有するポリプロピレンユニットのmol比は2.1mol%であった。無水マレイン酸のみの重量%を、無水マレイン酸基を含有するポリプロピレンユニットのmol比から換算すると、4.7重量%であった。
<無水マレイン酸基含有ステレオブロック単独プロピレン系重合体2>
無水マレイン酸添加量を30分おきに8.0gずつ5回(合計40.0g)、及びパーブチルI添加量を30分おきに2.8gずつ7回(合計19.6g)とした以外は、[製造例2]と同様の方法によって無水マレイン基含有ステレオブロック単独プロピレン系重合体を得た。無水マレイン酸の含有量は1.8重量%であった。
<無水マレイン酸基含有ステレオブロック単独プロピレン系重合体3>
無水マレイン酸添加量を30分おきに2.0gずつ5回(合計10.0g)、及びパーブチルI添加量を30分おきに1.4gずつ7回(合計9.8g)とした以外は、[製造例2]と同様の方法によって無水マレイン基含有ステレオブロック単独プロピレン系重合体を得た。無水マレイン酸の含有量は0.6重量%であった。
<ステレオブロックプロピレン−エチレン共重合体>
(1)ジクロロ{(1,1’−ジメチルシリレン〔2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル〕〔2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4H−アズレニル〕}ハフニウムの合成
(i)Li〔2−メチルベンゾ〔e〕インデニル〕塩(A)の合成
2−メチルベンゾ〔e〕インデン(1.87g、10.4mmol)をn−ヘキサン(38mL)に溶解させた溶液に、n−ブチルリチウム(6.6mL、10.5mmol、1.59mol/L)を0℃でシリンジにて添加した。はじめ透明だった溶液は、しだいに濁り、沈殿を形成した。白色懸濁液を室温で24時間撹拌し、カニューレにて濾過した。得られた白色固体を乾燥n−ヘキサン(10mL×2回)で洗浄し、減圧下に乾燥してふわふわした白色固体のリチウム塩(A)(1.84g、収率95%)を得た。
4−t−ブチルフェニルブロミド(8.99g、42.2mmol)のヘキサン/ジイソプロピルエーテル(120mL/60mL)混合溶液を−40℃に冷却し、それにt−ブチルリチウム(59.4mL、84.4mmol、1.42mol/L)のペンタン溶液をゆっくり滴下した。その後、その内温を−5℃まで昇温し、その温度で1.5時間撹拌した。得られた4−t−ブチルフェニルリチウム塩の懸濁液に、2−メチルアズレン(5.6g、39.4mmol)を0℃で添加した。得られた濃青色懸濁液を0℃で3時間撹拌した後、0.5時間かけて室温まで昇温した。ベージュ色の懸濁液から固体成分をカニューレで濾別し、得られた固体を50mLのn−ヘキサンで2回洗浄した。減圧下に恒量まで乾燥し、11gのリチウム塩(B)を得た。
上記のリチウム塩(A)(1.504g、8.0mmol)をテトラヒドロフランとジエチルエーテル(1/1)との混合溶液(64mL)に溶解させた。一方、ジメチルジクロロシラン(4.16g、32.32mmol)をテトラヒドロフランとジエチルエーテル(1/1)との混合溶液(32mL)で希釈し、この溶液を、先に得られたリチウム塩(A)の溶液に、−5℃にて1時間かけて滴下した。滴下終了後、速やかに0℃に昇温して撹拌し、さらに室温で2時間撹拌した。淡黄色サスペンジョンから減圧下に溶媒を除去し、黄色ペーストを得た。このペーストからジエチルエーテル(16mL×3回)で抽出操作を行い、得られた溶液をカニューレにて濾過した。濾液を集め、減圧下に溶媒を除去した後、恒量になるまで減圧乾燥を行い、ジメチル(2−メチルベンゾ〔e〕インデニル)クロロシランの粘稠な黄色オイルを得た(2.16g、収率99%)
上記(iii)で得られた2−メチルベンゾ〔e〕インデニルジメチルクロロシラン(1.39g、4.9mmol)をジエチルエーテル(30mL)に希釈した溶液を、上記(ii)で得られたリチウム塩(B)(1.43g、5.1mmol)のN−メチルイミダゾール(10μmol)を含むテトラヒドロフランとジエチルエーテル(1/1)との混合溶媒(30mL)に溶解させた溶液に、温度0℃にて15分間で添加した。同温度で1時間撹拌し、さらに室温で2時間撹拌した。その後、30mLの氷水を反応混合物に加え、迅速に撹拌して反応をクエンチした。水層を分離し、ジエチルエーテル(30mL×2回)で抽出を行った。油層を集め、硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濾過し、溶媒並びに揮発分を除去した。更に揮発分を完全に除去し、黄色の固体生成物を得た(2.48g、収率95%)。
上記(iv)で得られた化合物(2.0g、3.9mmol)をジエチルエーテル(10mL)に溶解させ、この溶液に、−78℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(5.1mL、8.0mmol、1.58mol/L)を、シリンジを用いて5分間で添加した。
混合物を撹拌しながら、ゆっくりと室温まで昇温させた後、更に室温にて3時間撹拌を行った。そこにトルエン(70mL)添加し、−75℃まで冷却した後、四塩化ハフニウム(1.28g、4.0mmol)を添加した。懸濁液を徐々に室温まで昇温し、室温で15時間撹拌した。得られた懸濁液をセライト濾過し、減圧下に溶媒を除去し、黄色の粗錯体を得た(2.82g)。
exo−シン立体異性体:1H−NMR(CDCl3):δ8.06(d,J=7.36Hz,lH),7.77(d,J=7.84Hz,1H),7.58−7.63(m,2H),7.48−7.54(m,2H),7.17−7.31(m,5H),6.98(d,J=7.84Hz,1H),6.03(dd,J=11.6,5.8Hz,1H),5.78(ddd,J=10.6,5.8,2.0Hz,1H),5.69(dd,J=10.8,5.0Hz,1H),5.64(s,1H),4.63−4.68(m,1H),2.59(s,3H),2.37(s,3H),1.26(s,9H),1.23(s,3H),1.13(s,3H)。
300mL丸底フラスコに、脱塩水(94mL)、硫酸リチウム・1水和物(14.5g)及び硫酸(21.9g)を採取し、撹拌下に溶解させた。この溶液に、市販の造粒モンモリロナイト(水澤化学社製ベンクレイSL、30.5g)を分散させ、10分間かけて沸騰するまで昇温し、沸点(105℃)で120分間撹拌を行った。その後、脱塩水(200mL)を加えて冷却し、得られたスラリーを濾過してウェットケーキを回収した。
回収したケーキを1,000mLビーカーにて、脱塩水(500mL)を用いて再度スラリー化し、濾過を行った。この操作を2回繰り返した。最終的に得られたケーキを、空気下100℃で3時間乾燥し、化学処理モンモリロナイト(26.2g)を得た。
上記(2)で得られた化学処理モンモリロナイト(1.02g)を200℃で2時間減圧乾燥した。これに、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(0.50mmol/mL、4.0mL)を加え、室温で30分間撹拌した。この懸濁液にトルエン(25mL)を加え、撹拌後、上澄みを除いた。この操作を2回繰り返して粘土スラリーを得た。
別のフラスコに、東ソー・アクゾ社製トリイソブチルアルミニウム(0.06mmol)と、合成例(1)(v)で得た錯体(v)(exo−シン立体異性体/exo−アンチ立体異性体=57/43(モル比)、21.1mg、30.0μmol)を加えてあらかじめ反応させトルエン溶液とした。この錯体溶液全量を上記粘土スラリーに加え、室温で1時間撹拌し、触媒スラリーを得た。
精製窒素で置換された、いかり型撹拌翼を内蔵する2リッターの誘導撹拌式オートクレーブに、トリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(0.1mmol/mL、5.0mL)を装入した。上記(3)で得た予備重合触媒スラリーを、固体触媒成分として90.4mg装入し、液化プロピレン(500g)を装入した。62℃まで昇温し、重合開始とした。100分後に、モノマーをパージして重合を終わらせた。重合前後のオートクレーブ重量変化よりプロピレン重合体の収量を求めたところ、329gであった。
得られた重合体を分析した。13C−NMRから、mmmmは71.3であった。
精製窒素で置換された、いかり型撹拌翼を内蔵する2リッターの誘導撹拌式オートクレーブに、トリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(0.1mmol/mL、5.0mL)を装入した。上記(3)で得た予備重合触媒スラリーを、固体触媒成分として90.4mg装入し、液化プロピレン(500g)を装入した。さらにエチレンをエチレン分圧として0.70MPa装入後、62℃まで昇温し、重合開始とした。100分後に、モノマーをパージして重合を終わらせた。重合前後のオートクレーブ重量変化よりプロピレン・エチレン共重合体の収量を求めたところ、218gであった。なお、重合中、気相部のエチレン濃度をガスクロマトグラフにより求めたところ、平均34.2mol%であった。
プロピレン−αオレフィン共重合体のmmmmの定義については前述の通りである。本製造例で得られたプロピレン−エチレン共重合体のmmmmは、同様の触媒および重合条件で得られた(4)ステレオブロックプロピレン単独重合体のmmmmが71.3であったことから、71.3と同程度であると考えられる。
<無水マレイン酸基含有ステレオブロックプロピレン−エチレン共重合体>
予め、パーオキサイド(日本油脂(株)製 商品名 パーロイルTCP)20gをトルエン80gと混合し、滴下漏斗に仕込んでおく。温度計、冷却管、滴下漏斗、及び撹拌機を備えたガラスフラスコ中に、[製造例5]で合成した(5)ステレオブロックプロピレン−エチレン共重合体を200g及びトルエン910gを仕込み、窒素雰囲気下、系内温度を110℃に昇温し溶解した。続いて、40gの無水マレイン酸を一括で投入し10分間撹拌させた。次に、予め用意してあった滴下漏斗からパーオキサイドとトルエンからなる混合物の滴下を開始した。滴下には30分を要し、滴下終了後4時間熟成反応を行った。反応終了後、室温付近まで冷却し、反応液を2.4kgのアセトン中に投入し、析出した無水マレイン酸変性プロピレン−エチレン共重合体を濾別した。得られた変性プロピレン−エチレン共重合体を、再度0.5kgのアセトン中に投入して精製した後、濾別し真空乾燥した。得られた白色粉末状の変性プロピレン−エチレン共重合体の量は193gであった。無水マレイン酸含有量は4.5重量%であった。
<無水マレイン酸基含有軟質プロピレン系重合体1>
温度計、冷却管、及び撹拌機を備えたガラスフラスコ中に、三井化学(株)製タフマーXM7070(プロピレン−ブテン共重合体 融点77℃ 結晶融解熱40J/g)を3
00g及びトルエン600gを仕込み、窒素雰囲気下、系内温度を110℃に昇温し溶解した。続いて、無水マレイン酸を30分おきに6gずつ5回(合計30g)、及びパープチルIを30分おきに1.7gずつ7回(合計11.9g)、同温度で滴下した後(無水マレイン酸は2時間かけて滴下、パーブチルIは3時間かけて滴下)、2時間熟成反応を行った。反応終了後、室温付近まで冷却し、反応液を1.2kgのアセトン中に投入し、析出した無水マレイン酸変性軟質ポリプロピレンを濾別した。得られた変性軟質ポリプロピレンを、再度0.5kgのアセトン中に投入して精製した後、濾別し真空乾燥した。得られた白色粉末状の変性軟質ポリプロピレンの量は282gであった。無水マレイン酸含有量は4.2重量%であった。
<無水マレイン酸基含有軟質プロピレン系重合体2>
無水マレイン酸添加量を30分おきに8.0gずつ5回(合計40.0g)、及びパーブチルI添加量を30分おきに2.8gずつ7回(合計19.6g)とした以外は、[製造例7]と同様の方法によって無水マレイン酸基含有軟質プロピレン系重合体2を得た。無水マレイン酸の含有量は1.7重量%であった。
<水酸基変性無水マレイン酸基含有ステレオブロック単独プロピレン系重合体1>
温度計、冷却管、及び攪拌機を備えたガラスフラスコ中に、トルエンを900g、2−アミノエタノールを13g投入し、系内温度を90℃に昇温した。次いで[製造例2]で得られた無水マレイン酸基含有ステレオブロック単独プロピレン重合体1を、10分おきに17gずつ6回(計102g)ガラスフラスコ内に投入した。投入後系内温度を110℃に昇温させ、同温度で2時間熱熟成させた。反応終了後、室温付近まで冷却し、2―ブタノンを300g、アセトンを1500g投入し、水酸基変性の無水マレイン酸基含有ポリプロピレンを濾別した。得られた水酸基変性無水マレイン酸基含有ポリプロピレンを、再度1.0kgのアセトン中に投入して精製した後、濾別し真空乾燥した。
計算式;
PP:{(Ia+Ib/3)/6}/[{(Ia+Ib/3)/6}+ Ib/3]
無水マレイン酸:(Ib/3−Ic/4)/[{(Ia+Ib/3)/6}+Ib/3]
水酸基変性無水マレイン酸:(Ic/4)/[{(Ia+Ib/3)/6}+Ib/3]
無水マレイン基含有ポリプロピレンユニットと水酸基変性無水マレイン酸基含有ポリプロピレンユニットとのモル比はそれぞれ0.9mol%と1.2mol%であった。無水マレイン酸、及び水酸基変性無水マレイン酸の重量%を、無水マレイン酸基を含有するポリプロピレンユニットのmol比と水酸基変性無水マレイン酸基を含有するポリプロピレンユニットのmol比から換算すると、無水マレイン酸の含有量は2.0重量%、水酸基変性無水マレイン酸の含有量は3.8重量%であった。
<水酸基変性無水マレイン酸基含有ステレオブロック単独プロピレン系重合体2>
2−アミノエタノール量を5.0gとすることと、無水マレイン酸基含有ステレオブロックプロピレン系重合体として[製造例3]で得られた生成物を用いること以外は、[製造例9]と同様な方法によって水酸基変性無水マレイン酸基含有ステレオブロック単独プロピレン系重合体2を得た。無水マレイン酸の含有量は0.5重量%、水酸基変性無水マレイン酸の含有量は1.9重量%であった。
<水酸基変性無水マレイン酸基含有ステレオブロック単独プロピレン系重合体3>
2−アミノエタノール量を1.3gとすることと、無水マレイン酸基含有ステレオブロックプロピレン系重合体として[製造例4]で得られた生成物を用いること以外は、[製造例9]と同様な方法によって水酸基変性無水マレイン酸基含有ステレオブロック単独プロピレン系重合体を得た。無水マレイン酸の含有量は0.1重量%、水酸基変性無水マレイン酸の含有量は0.6重量%であった。
<水酸基変性無水マレイン酸基含有ステレオブロックプロピレン−エチレン共重合体>
温度計、冷却管、及び撹拌機を備えたガラスフラスコ中に、トルエンを900g、2−アミノエタノールを13g投入し、系内温度を90℃に昇温した。次いで[製造例6]で得られた無水マレイン酸基含有ステレオブロックプロピレン−エチレン共重合体を、10分おきに17gずつ6回(計102g)ガラスフラスコ内に投入した。投入後系内温度を110℃に昇温させ、同温度で2時間熱熟成させた。反応終了後、室温付近まで冷却し、2−ブタノンを300g、アセトンを1500g投入し、水酸基変性の無水マレイン酸基含有ポリプロピレンを濾別した。得られた水酸基変性無水マレイン酸基含有ポリプロピレンを、再度1.0kgのアセトン中に投入して精製した後、濾別し真空乾燥した。無水マレイン酸成分含有量は1.8重量%、水酸基変性無水マレイン酸成分含有量は3.1重量%であった。
<水酸基変性無水マレイン酸基含有軟質プロピレン系重合体1>
温度計、冷却管、及び攪拌機を備えたガラスフラスコ中に、トルエンを900g、2−アミノエタノールを13g投入し、系内温度を90℃に昇温した。次いで[製造例7]で得られた無水マレイン酸基含有軟質プロピレン系重合体を、10分おきに17gずつ6回(計102g)ガラスフラスコ内に投入した。投入後系内温度を110℃に昇温させ、同温度で2時間熱熟成させた。反応終了後、室温付近まで冷却し、2−ブタノンを300g、アセトンを1500g投入し、水酸基変性の無水マレイン酸基含有軟質ポリプロピレンを濾別した。得られた水酸基変性無水マレイン酸基含有軟質ポリプロピレンを、再度1.0kgのアセトン中に投入して精製した後、濾別し真空乾燥した。無水マレイン酸成分含有量は1.9重量%、水酸基変性無水マレイン酸成分含有量は3.2重量%であった。
<水酸基変性無水マレイン酸基含有軟質プロピレン系重合体2>
2−アミノエタノール量を5.0gとすることと、無水マレイン酸基含有軟質プロピレン系重合体として[製造例8]で得られた生成物を用いること以外は、[製造例13]と同様な方法によって水酸基変性無水マレイン酸基含有軟質プロピレン系重合体を得た。無水マレイン酸の含有量は0.4重量%、水酸基変性無水マレイン酸の含有量は1.8重量%であった。
<水酸基変性無水マレイン酸基含有アイソタクチックプロピレン系重合体>
数平均分子量7000、密度0.89g/cm3、融点132.2℃、結晶融解熱96J/gの高結晶性ポリプロピレン300g、無水マレイン酸20gを、還流管を付けた反応器の中に仕込み、キシレン700gを加えた後に窒素置換した。攪拌下、窒素を少量導入しながら150℃に昇温し、均一に溶解した後、パーオキサイド(日本油脂(株)製 商品名 パークミルD)16.5重量部を3時間かけて添加し、更に4時間反応を続けた。その後、最初常圧で、次いで180℃、3mmHgの減圧下、2時間かけてキシレン及び未反応のマレイン酸を除去した。続いて、トルエン1250gを添加し、トルエン溶液中に無水マレイン酸変性ポリプロピレンを溶解させた後、モノエタノールアミン12gを加え、50℃で60分間反応させた。得られた変性ポリプロピレンの水酸基変性無水マレイン酸の含有量は11.6重量%であった。
<共押出成形シートの成形>
上記製造例の項で得られた各重合体粉末を、テクノベル社製2軸混練機「KZW15」を使用し、ペレットに造粒した。シート成形はプラコー製3層シートTダイ成形機を用いた。層A(スキン層)の原料となる樹脂を表1に記載の配合比でドライブレンドにより混合した混合物、層B及び層Cの原料となる各樹脂をそれぞれシート成形機の押出機に供給し、溶融混練しながら共押出成形し、3層構造の積層体シートを製造した。表1に層A/層B/層Cの各層の樹脂及び配合比(重量比)をまとめて示した。層Bには,日本ポリプロ(株)製のポリプロピレン(商品名 ノバテック PP FG4)、層Cには、同社のポリプロピレン(商品名 ノバテック PP FY4)をそれぞれ使用した。
350μm厚みのポリプロピレン基材を、中央に直径160mmの穴を有する2枚の鉄枠(200mm×200mm×6mm)の間に挟み、断熱箱の中に水平にセットする。次に鉄枠にサンドイッチされたポリプロピレン基材をその上下面より均一に加熱出来るように、その基材の上下に490℃に加熱されたヒーターをスライドさせる(上下ヒーターは、設置されたポリプロピレン基材から15cm離れたところからポリプロピレン基材を加熱)。鉄枠に挟まれたポリプロピレン基材は、加熱によって一旦、下面ヒーター方向に垂れ下がり、その後、シートの厚み方向に均一に昇温が進むと、基材シートは再び水平となる。ポリプロピレン基材の上下にある490℃に加熱された上下ヒーターを、スライドさせることで取り除き、前記共押出成形シートの層C側をポリプロピレン基材に貼り合わせ積層シートを作成する。積層シートを鉄枠上にて上下反転させ、ポリプロピレン基材面を上にして再度挟み、断熱箱の中に水平にセットする。
(1)塗料;本実施例で用いた塗料は一般的に自動車メーカー等で用いられている塗料であるウレタン系塗料である。塗料は日本ビーケミカル社製のウレタン系塗料(ベース塗料:R333(1C0) クリア塗料 主剤:R298−1 硬化剤:H298)を使用した。
(2)塗装方法:試験片の表面をイソプロピルアルコールで脱脂し、剥離強度の測定のためセロハンテープを試験片上半分に貼り付け、エアスプレーガンを用いて、ベース塗料の塗膜厚さが約15μmになるようにスプレー塗装を行い、約5分間自然乾燥させた後、塗膜厚さが全体で約40μmになるようクリア塗料による塗装を行った。その後、約5分間自然乾燥させ、次に90℃のオーブンで60分間焼き付け乾燥を行った。
塗膜剥離強度(ピール強度)試験
試験片の上半分に塗料が付着しないよう、セロハンテープを貼り付けた。その上から塗装を行い、試験片に20mm巾で縦方向に素地にまで切傷をつけた。その上から、切傷に沿うように幅を20mmに裁断した市販両面粘着テ―プ(日東電工(株)製「両面接着テープNo.500」)の片面に紙を貼り付けた粘着テープを貼り付けた。両面粘着テープの端を引張試験機のロードセルに装着し、試験片をクロスヘッドに取り付けて、引張速度300mm/分で180°方向に引き剥がした時の平均負荷(gf)を記録した。試験片から塗膜が剥離せずに粘着テープが塗膜から剥離する場合は、最大負荷は数値で表現できないので「ND」としたが、ピール強度は「1300gf/cm以上」となる。
また、成形シートの成形性及び延伸性の評価は目視により確認した。
○:安定したシート成形が可能。
×:成形中にサージングやアバタのような表面あれが起きる。
延伸性
○:延伸時に破断しない
×:延伸時に破断する
試験結果を纏めて表2に示した。
Claims (10)
- 結晶性ポリプロピレン系樹脂から成るベース層と、該ベース層上に少なくともポリプロピレン系樹脂組成物からなるスキン層が積層されてなり、且つ下記(1)及び(2)を満たすことを特徴とするポリプロピレン系樹脂積層体。
(1)該スキン層は、少なくともベース層との積層面と反対の面のX線光電子分光法(XPS)によるO/C(炭素原子に対する酸素原子存在比)が0.001以上であること
(2)該スキン層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物からなるシートの引張破壊伸びが250%以上であること - 結晶性ポリプロピレン系樹脂から成るベース層と、該ベース層上にポリプロピレン系樹脂組成物からなるスキン層が直接積層されてなる積層体であって、該ポリプロピレン系樹脂組成物は、(A)メタロセン触媒を用いた重合法によるプロピレン系エラストマーに官能基含有モノマーがグラフト結合した官能基含有エラストマーを10〜60重量部、及び(B)結晶性プロピレン系重合体を90〜40重量部含有することを特徴とするポリプロピレン系樹脂積層体。
- 請求項2に記載の積層体は、ベース層を構成する結晶性ポリプロピレン系樹脂とスキン層を構成する該ポリプロピレン系樹脂組成物とを共押出成形することにより形成されることを特徴とする請求項2に記載のポリプロピレン系樹脂積層体。
- 前記(A)官能基含有エラストマーにおけるメタロセン触媒を用いた重合法によるプロピレン系エラストマーが、(A1)アイソタクチックブロックと非晶性ブロックからなるステレオブロック構造を有するプロピレン系エラストマー、及び/又は(A2)プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィン1種以上との共重合体であるプロピレン系エラストマーであることを特徴とする請求項2に記載のポリプロピレン系樹脂積層体。
- 前記プロピレン系エラストマーの示差走査熱量測定(DSC)による結晶融解熱が、50J/g未満であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のポリプロピレン系樹脂積層体。
- 前記官能基含有エラストマーの官能基が、水酸基、酸無水物基、カルボキシル基、エステル基、アミド基及びイミド基からなる群より選ばれる1以上の基であることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載のポリプロピレン系樹脂積層体。
- 前記官能基含有エラストマーの官能基の量が、前記プロピレン系エラストマーに対して0.8〜15重量%であることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載のポリプロピレン系樹脂積層体。
- 前記結晶性ポリプロピレン系樹脂が、プロピレン単独重合体及び/又はプロピレンとプロピレン以外のα−オレフィン1種以上との共重合体であることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載のポリプロピレン系樹脂積層体。
- 前記スキン層上に接して、ウレタン系塗料を含む層を有することを特徴とする請求項2乃至8のいずれか1項に記載のポリプロピレン系樹脂積層体。
- 請求項2乃至9のいずれか1項に記載の積層体であって、下記(1)及び(2)を満たすことを特徴とするポリプロピレン系樹脂積層体。
(1)該スキン層は、少なくともベース層との積層面と反対の面のX線光電子分光法(XPS)によるO/C(炭素原子に対する酸素原子比)が0.001以上であること
(2)該スキン層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物からなるシートの引張破壊伸びが250%以上であること
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008008736A JP2008195070A (ja) | 2007-01-19 | 2008-01-18 | プロピレン系樹脂積層体 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007010048 | 2007-01-19 | ||
JP2008008736A JP2008195070A (ja) | 2007-01-19 | 2008-01-18 | プロピレン系樹脂積層体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008195070A true JP2008195070A (ja) | 2008-08-28 |
Family
ID=39754449
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008008736A Pending JP2008195070A (ja) | 2007-01-19 | 2008-01-18 | プロピレン系樹脂積層体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008195070A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020203064A1 (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 住友化学株式会社 | 圧延成形用積層体、圧延成形体及び圧延成形体の製造方法 |
JP2021088068A (ja) * | 2019-12-02 | 2021-06-10 | 凸版印刷株式会社 | 化粧シート及び化粧シートの製造方法 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05320469A (ja) * | 1992-05-19 | 1993-12-03 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 樹脂組成物 |
JPH08319324A (ja) * | 1995-05-29 | 1996-12-03 | Mitsui Petrochem Ind Ltd | 変性プロピレン系エラストマー |
JP2000345098A (ja) * | 1999-06-02 | 2000-12-12 | Mitsui Chemicals Inc | コーティング剤 |
JP2001246710A (ja) * | 2000-03-08 | 2001-09-11 | Japan Polychem Corp | 熱可塑性樹脂積層体 |
JP2003020352A (ja) * | 2001-07-09 | 2003-01-24 | Japan Polychem Corp | 塗装部品 |
JP2004300192A (ja) * | 2003-03-28 | 2004-10-28 | Mitsubishi Chemicals Corp | プロピレン系樹脂組成物およびその成形体 |
-
2008
- 2008-01-18 JP JP2008008736A patent/JP2008195070A/ja active Pending
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05320469A (ja) * | 1992-05-19 | 1993-12-03 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 樹脂組成物 |
JPH08319324A (ja) * | 1995-05-29 | 1996-12-03 | Mitsui Petrochem Ind Ltd | 変性プロピレン系エラストマー |
JP2000345098A (ja) * | 1999-06-02 | 2000-12-12 | Mitsui Chemicals Inc | コーティング剤 |
JP2001246710A (ja) * | 2000-03-08 | 2001-09-11 | Japan Polychem Corp | 熱可塑性樹脂積層体 |
JP2003020352A (ja) * | 2001-07-09 | 2003-01-24 | Japan Polychem Corp | 塗装部品 |
JP2004300192A (ja) * | 2003-03-28 | 2004-10-28 | Mitsubishi Chemicals Corp | プロピレン系樹脂組成物およびその成形体 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020203064A1 (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 住友化学株式会社 | 圧延成形用積層体、圧延成形体及び圧延成形体の製造方法 |
JP7421477B2 (ja) | 2019-03-29 | 2024-01-24 | 住友化学株式会社 | 圧延成形用積層体、圧延成形体及び圧延成形体の製造方法 |
JP2021088068A (ja) * | 2019-12-02 | 2021-06-10 | 凸版印刷株式会社 | 化粧シート及び化粧シートの製造方法 |
JP7439481B2 (ja) | 2019-12-02 | 2024-02-28 | Toppanホールディングス株式会社 | 化粧シート及び化粧シートの製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1308470B1 (en) | Modified propylene polymer, adhesive composition obtainable therefrom and adhesive comprising the same | |
TWI635100B (zh) | 改質丙烯.α-烯烴共聚合體與其製造方法、含有其之塗佈材、成形用樹脂組成物及熱熔性組成物 | |
JP3270056B2 (ja) | 樹脂成形体 | |
JP5068038B2 (ja) | プロピレン系重合体組成物の製造方法 | |
JP5020524B2 (ja) | プロピレン系重合体組成物、該組成物からなる成形体、プロピレン系重合体組成物からなるペレット、熱可塑性重合体用改質剤、熱可塑性重合体組成物の製造方法 | |
WO2006123759A1 (ja) | オレフィン重合用触媒、オレフィン重合体の製造方法、プロピレン系共重合体の製造方法、プロピレン重合体、プロピレン系重合体組成物およびこれらの用途 | |
WO2007139116A1 (ja) | クロス共重合体の製造方法、得られるクロス共重合体、及びその用途 | |
JP5330637B2 (ja) | プロピレン系重合体組成物、該組成物からなる成形体、プロピレン系重合体組成物の製造方法 | |
CN106795348B (zh) | 含有无定形乙烯弹性体的热塑性聚烯烃 | |
JP2007262338A (ja) | 極性基を有すプロピレン系共重合体又はその組成物を用いた塗装用成形品 | |
JP2008195933A (ja) | 軟質プロピレン系樹脂組成物 | |
JP2007254575A (ja) | 水酸基含有プロピレン共重合体及びその製造方法 | |
JP7308011B2 (ja) | プロピレン系樹脂組成物およびその製造方法、ならびに該プロピレン系樹脂組成物を用いた成形体 | |
JP5374606B2 (ja) | プロピレン系重合体組成物およびその用途 | |
JP2008195070A (ja) | プロピレン系樹脂積層体 | |
CN110520168B (zh) | 具有改善性能的软质聚丙烯组合物 | |
JP5176658B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる発泡成形体 | |
JP5506985B2 (ja) | プロピレン系重合体組成物、該組成物からなる成形体、プロピレン系重合体組成物の製造方法 | |
JPWO2008059938A1 (ja) | シンジオタクチックプロピレン系重合体の製造方法 | |
JP5550615B2 (ja) | プロピレン系重合体組成物の製造方法 | |
JP4116379B2 (ja) | ポリプロピレン系塗装成形体 | |
JP2008195932A (ja) | プロピレン系重合体成形体、その塗装物及び積層体 | |
JP2004300192A (ja) | プロピレン系樹脂組成物およびその成形体 | |
JP4076396B2 (ja) | ポリプロピレン系塗装成形体 | |
JP6958033B2 (ja) | 多層シートおよびその成形体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110112 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20120104 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20120110 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120326 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121204 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20130402 |