JP2008194607A - 漏液検知機構およびそれを備えた液体材料塗布装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】テーブル上に載置されたワークと、ワークと対向する吐出ユニットを相対移動させて液体材料を塗布する塗布装置に取付可能な漏液検知機構であって、前記吐出ユニットの吐出口の対向位置に設けられた開口部を有する受け皿と、受け皿に溜まった漏液を検知する漏液検知装置とから構成され、吐出ユニットの直下に配設される漏液検知機構およびそれを備えた液体材料塗布装置。
【選択図】図2
Description
また、長期間の使用によらずとも、メンテナンスなどのために吐出ユニットを分解して再び組み立てる際に、作業者の技量の差により、組み付けた部品同士の接合が上手くいかずに隙間が開いてしまい、そこから液材が漏れることがある。
また、吐出ユニットに液材を供給する配管などを繋ぐ継手類は、適正な締め付けを行わないと、締結部分から液材が漏れることがある。
そして、吐出ユニットの動きに伴う通液配管の劣化により漏液が発生した場合に、その漏液を検知するため、通液配管を収めたケーブル支持案内装置を収納する収納部の底部に漏液センサが設置されている。
第2の発明は、第1の発明において、受け皿の外縁を囲う外縁立上部(9)および開口部を囲う開口部立上部(11)を有することを特徴とする。
第3の発明は、第1または2の発明において、前記受け皿は、漏液が流下する最深部を有することを特徴とする。
第4の発明は、第3の発明において、前記受け皿は、最深部につながる斜面を有することを特徴とする。
第5の発明は、第3または4の発明において、前記検知装置は、前記受け皿の最深部に配設されることを特徴とする。
第6の発明は、第3または4の発明において、前記検知装置は、前記受け皿の最深部に連通する流路に配設されることを特徴とする。
第7の発明は、第1ないし6のいずれかの発明において、前記受け皿は、水平面に対して傾斜した状態で取り付けられることを特徴とする。
第8の発明は、第1ないし7のいずれかの発明において、前記受け皿は、前記吐出ユニットの下端部に直接取り付けられることを特徴とする。
第9の発明は、第1ないし7のいずれかの発明において、前記受け皿は、前記吐出ユニットが取り付けられる接続部材(7)に設けられた取付具により、吐出ユニットの直下に着脱自在に配設されることを特徴とする。
第10の発明は、第1ないし9のいずれかの発明において、前記受け皿の漏液を受ける面(8)は、撥水性を有することを特徴とする。
第11の発明は、第1ないし10のいずれかの発明において、前記検知装置から発せられる検知信号を受信して警報を発する警報装置を備えることを特徴とする。
第12の発明は、第1ないし11のいずれかの発明に係る漏液検知機構と、液体材料を吐出する吐出口を有する吐出ユニットと、ワークを載置するテーブルと、ワークと吐出ユニットを相対移動させる駆動部とを備えることを特徴とする液体材料塗布装置である。
第13の発明は、第12の発明において、前記漏液検知機構、前記吐出ユニットが配設され、前記駆動部により移動自在に構成される接続部材(7)および接続部材(7)に設けられた前記漏液検知機構を着脱自在とする取付具を備えることを特徴とする。
また、漏液が微量であっても精度良く検知することでき、しかも吐出ユニットが移動する位置に関係なく、吐出ユニットからの漏液を検知することができる。
最良の形態の漏液検知機構は、外縁立上部9、吐出ユニットの吐出口の対向位置に設けられた開口部10、および開口部を囲う開口部立上部11を有する受け皿3と、受け皿3に配設された漏液検知装置4とから構成される。
受け皿3は、液材を受ける面8が水平面に対して傾斜するよう取り付けること、或いは、液材を受ける面8自体を斜面とすることに加えて、液材を受ける面8に撥水性を持たせることで、さらに液材が流下して流れ易くなるようにすることができる。
撥水性を持たせるためには、撥水性を有する材料で受け皿3自体を製作したり、撥水性を有する材料で液材を受ける面8を覆ったりすることで実現できる。撥水性を有する材料としては、フッ素系樹脂やシリコン系樹脂などがあるが、これら材料の種類は、塗布する液材に対する耐性などを考慮に入れて選択される設計事項であるので、上記材料の種類に限定するものではない。
また、液材が流下して集まる箇所17に設置するので、漏液が少ない場合であっても漏液があったことを検知することができる。
吐出ユニット2から漏出した液材を検知した場合、検知装置4から発せられる検知信号を受信し、警報を発して作業者へ知らせたり、吐出ユニット2の吐出動作を停止したりするよう構成してもよい。
検知装置4は、光学式センサに限定されず、液体材料を検知できるものであれば、他の検知装置を用いてもよい。例えば、ロードセルを利用して流下してきた液材の重さを検知してもよい。また、カメラを利用して流下してきた液材の画像を捕えて検知してもよい。
図1に開示される塗布装置には、三つの吐出ユニット2が駆動部5へ取り付けられており、そのそれぞれに受け皿3と検知装置4を設けている。それぞれの吐出ユニット2に各一つずつの受け皿3と検知装置4を設けることにより、何れの吐出ユニット2で液材の漏出が生じたのかを検出することが可能である。吐出ユニット2の取り付け数は、塗布対象物であるワーク6の大きさや塗布方法などにより決まる設計事項であり、三つに限らず二つ以下としてもよいし、逆に四つ以上としてもよい。なお、当然のことであるが、吐出ユニット2を複数設ける場合には、全ての吐出ユニット2に漏洩検知機構を設けることが好ましい。
図2に吐出ユニット2、受け皿3および検知装置4の要部を透過した拡大斜視図を、図3に受け皿3の拡大斜視図を示す。
受け皿3の形状は、図3に示すように、吐出ユニット2の底面の面積とほぼ同じ大きさの矩形の板で、外縁部に、液材を受ける面8に垂直に、周囲を囲むように外縁立上部9を設ける。この外縁立上部9により受け皿3外への液材の流出を防ぐ。吐出口であるノズルの真下にあたる部分は、開口部10を設けている。開口部10の縁にも開口部立上部11を設けて、液材吐出用の開口部10より受け皿3外への液材の流出を防いでいる。
また、受け皿3は吐出ユニット2と独立して、駆動部5の移動可能な接続部材7に取り付けられている。従って、受け皿3を設置した状態のまま、吐出ユニット2のみ取り付けおよび取外しができる。
検知装置4としては、本実施例では漏液検知用の光学式センサを用いている。この種の漏液検知センサは、透光性のケース内部に、検出面に向けて光を照射する投光部と、検出面からの反射光を受光する受光部を備えており、検出面が液材に浸ると、受光部へ入射する光の量が変化し、それにより漏液を検知する。漏液検知センサは、検出面が受け皿3の液材を受ける面8にほぼ接するように対向して設置され、センサ設置位置17まで液材が流下してくるかを監視する。
検知装置4にて漏液を検知した際の動作を以下に説明する。
吐出ユニット2の内部部品の磨耗、組み付けミス及び継手の不適正な締め付けなどにより、吐出ユニット2本体や、吐出ユニット2へ液材を供給する配管の繋がる継手部分からの液材の漏れが発生した場合を想定する。漏れ出た液材は、吐出ユニット2から直下に設置された受け皿3の上へと滴れる。滴れた液材は、受け皿3の傾斜により、最も低い位置である検知装置4が設置されている最深部17に流下していく。液材が検知装置4の位置に流下してくると、検知装置4が液材を検知し、検知したことを知らせる信号を発する。この信号を警報装置(図示せず)が受け取ると、警報を発して作業者へ知らせる。知らせる方法としては、音を鳴らしたり、表示灯(図示せず)を点灯または点滅したり、操作パネル(図示せず)などに文字を表示したりする。これら警報は単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。
また、警報を発報すると同時に、吐出ユニット2からの液材の吐出を自動的に停止するようにしてもよい。警報を解除するには、吐出ユニット2の漏液原因を取り除き、受け皿3に付着している液材を拭き取る。また、検知装置4に液材が付着している場合には併せて拭き取る。このとき、検知装置4を受け皿3より外すと、受け皿3および検知装置4ともに確実に拭き取りが可能である。
図6のように支持台15に吐出ユニット2を配設し、塗布装置1とは別の場所でセッティングを行う必要がある場合、また、同様の支持台15に設置して、机上などで吐出ユニット2を単独で用いる場合は、受け皿3を吐出ユニット2の底面に直接取り付ける態様が有用である。いずれの態様でも実施例1の場合と同様に、受け皿3と吐出ユニット2との間に所定の間隙を設けて配設してもよいし、受け皿3の液材を受ける面8の一部が吐出ユニット2の底面に接するように受け皿3を配設してもよい。
受け皿3の取付は、四つの固定具16により、吐出ユニット2の底面と外縁立上部9または液材を受ける面8を接続することにより行われる。固定具16は、公知の汎用固定具を用いることができる。
本実施例の漏液検知機構のように、吐出ユニット2の底面に受け皿3を直接取付可能に構成することで、塗布装置1に搭載する前の吐出ユニット2への単独作業が可能となる。これにより、事前の準備をすることで、塗布装置1に吐出ユニット2を取り付けてから作業を行わずに済み、試験や準備などに掛かる時間を節約することができる。
変形例1は、略中央部に最深部17を設けた受け皿の構成例である。図7に示すように、四つの面8を、斜面の形状とし、鉛直下向きにしたときに最深部17が錐体の頂点を構成するようにし、図中の矢印側に液材が集まるようにしている。中央の錐体の頂点にあたる部分17は、検知装置4の検出面とほぼ同じ面積の水平面とするのが好ましい。この中央平面部が最深部17となり、受け皿3上に滴れた液材は斜面8を流下して最深部17に集まる。よって、ここに検知装置4を設置することで、漏液の量が少ない場合でも、確実な検知を行うことが可能である。外縁部には、図3と同様に外縁立上部9が設けられており、受け皿3外への液材の流出を防いでいる。図7では外縁が矩形で四つの斜面8を持つ四角錐状をしているが、外縁が円形の円錐状に構成していてもよい。また、最深部17は中央部に位置していなくともよい。
変形例2は、最深部17を手前側に設けた受け皿の構成例である。図8に示すように、面8を四角形とその四角形の一辺を下底とする台形を組み合わせた五角形の形状とし、これを斜面の形状とすることで、矢印側に液材が集まるようにしている。この受け皿3上に滴れた液材は、台形部の幅が狭い方へ向かって流下していく。そして、流下していくに従い、幅が狭まっていくので、最深部17では液材の深さが増すこととなる。よって、ここに検知装置4を設置することで、漏液の量が少ない場合でも、確実な検知を行うことが可能である。液材の集まってくる部分の幅は、検知装置4の幅とほぼ同じ幅であることが好ましい。外縁部には、受け皿3外への液材の流出を防ぐため、図3と同様の外縁立上部9が設けられている。
図9は、本実施例の受け皿3を取り外した状態を示している。吐出ユニット2を取り付ける吐出ユニット取付板20に、受け皿3を着脱可能な取付具である保持具18を設け、その保持具18上に受け皿3を設置する。
保持具18は、受け皿3との固定を緩めた際、受け皿3が落下しないよう下から受け皿3を支えるような形状としている。保持具18は受け皿3を支える面がU字形をしており、U字形の保持具開口19に吐出用開口部10が位置するよう構成されている。吐出ユニット2は、XY方向に相対移動されながら液体材料の吐出を行うため、受け皿3がズレないよう保持具18により保持する必要がある。本実施例では、受け皿3と保持具18を、図示しないネジ部材により固定するよう構成した。なお、実施例2のように支持台15に取り付けられる構成においては、受け皿3の底部に保持具18の保持具開口19と嵌合する凸部を設け、嵌合のみで保持してもよい。
本実施例では、受け皿3のみを取り付けおよび取外し可能としたことで、吐出ユニット2に妨げられることなく容易に受け皿3の清掃やメンテナンス作業を行うことができる。
吐出ユニット取付板20は、実施例1における接続板7であってもよい。また、実施例2のように、支持台15に取り付けられる吐出ユニット取付板20であってもよい。
図10に示すように、受け皿3は、ネジ部材21により接続部材7に固設され、吐出ユニット2の直下に配設される。また、受け皿3は、接続部材7に配設された状態で、液材を受ける面8が水平面に対し傾斜を持つ。図10では、右奥が最も低い位置である最深部17となり、漏出した液材は右奥へ集まるように流下する(矢印12)。そして、受け皿3の最深部17である右奥部は、接続部材7に設けられた検知装置4へ繋がる流路23と略同じ幅の開口部を外縁立上部9の一部に設けている。
検知装置4は、接続部材7に設けられた流路23に、検知面が受け皿3側へ向くように嵌設される。流路23の受け皿3とは反対側の面は、図示しないシール部材により密封をして液材の流出を防いでいる。また、受け皿3の最深部17と接続部材7の流路23との接続部分も同様に、シール部材により密封をして液材の流出を防いでいる。
吐出ユニット2より漏出した液材は、受け皿3上に滴下し、右奥の最深部17へ集まる。最深部17には、接続部材7に設けられた流路23へ通じる開口部があり、当該開口部から液材は流路23を経て検知装置4まで達するようになっている。
本実施例では、接続部材7に検知装置4を設けたことにより、受け皿3の大きさを検知装置4が配設される分だけ小さくすることができ、省スペース化を図ることができる。また、吐出ユニット2への作業時に、検知装置4に誤って触れてしまうことも防ぐことが可能となる。
2 吐出ユニット
3 受け皿
4 検知装置(センサ)
5 駆動部
6 塗布対象物
7 接続部材
8 液材を受ける面(斜面)
9 外縁立上部(受け皿外縁部)
10 吐出用開口部
11 開口部立上部
12 液材の流下する向き
13 手前側への傾斜
14 左側への傾斜
15 支持台
16 固定具
17 最深部
18 保持具
19 保持具開口
20 吐出ユニット取付板
21 ネジ部材
22 ネジ孔
23 流路
Claims (13)
- テーブル上に載置されたワークと、ワークと対向する吐出ユニットを相対移動させて液体材料を塗布する塗布装置に取付可能な漏液検知機構であって、
前記吐出ユニットの吐出口の対向位置に設けられた開口部を有する受け皿と、受け皿に溜まった漏液を検知する漏液検知装置とから構成され、吐出ユニットの直下に配設される漏液検知機構。 - 受け皿の外縁を囲う外縁立上部(9)および開口部を囲う開口部立上部(11)を有することを特徴とする請求項1の漏液検知機構。
- 前記受け皿は、漏液が流下する最深部を有することを特徴とする請求項1または2の漏液検知機構。
- 前記受け皿は、最深部につながる斜面を有することを特徴とする請求項3の漏液検知機構。
- 前記検知装置は、前記受け皿の最深部に配設されることを特徴とする請求項3または4の漏液検知機構。
- 前記検知装置は、前記受け皿の最深部に連通する流路に配設されることを特徴とする請求項3または4の漏液検知機構。
- 前記受け皿は、水平面に対して傾斜した状態で取り付けられることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかの漏液検知機構。
- 前記受け皿は、前記吐出ユニットの下端部に直接取り付けられることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかの漏液検知機構。
- 前記受け皿は、前記吐出ユニットが取り付けられる接続部材(7)に設けられた取付具により、吐出ユニットの直下に着脱自在に配設されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかの漏液検知機構。
- 前記受け皿の漏液を受ける面(8)は、撥水性を有することを特徴とする請求項1ないし9のいずれかの漏液検知機構。
- 前記検知装置から発せられる検知信号を受信して警報を発する警報装置を備えることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかの漏液検知機構。
- 請求項1ないし11のいずれかの漏液検知機構と、液体材料を吐出する吐出口を有する吐出ユニットと、ワークを載置するテーブルと、ワークと吐出ユニットを相対移動させる駆動部とを備えることを特徴とする液体材料塗布装置。
- 前記漏液検知機構、前記吐出ユニットが配設され、前記駆動部により移動自在に構成される接続部材(7)および接続部材(7)に設けられた前記漏液検知機構を着脱自在とする取付具を備えることを特徴とする請求項12の液体材料塗布装置。
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