JP2008192832A - 磁気検出素子及びその製造方法 - Google Patents

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Satoru Okamoto
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Abstract

【課題】再生ヘッドの形成工程において、非磁性中間層のエッチング・ダメージを抑制する。
【解決手段】本発明の一実施形態において、再生ヘッド11は、磁気抵抗センサ112のトラック幅方向の左右両側において、磁気抵抗センサ112の側端部とハードバイアス膜115との間に、2層のジャンクション絶縁膜16、17を有している。再生ヘッド11は、第2ジャンクション絶縁膜17の他に、第1ジャンクション絶縁膜16をさらに有している。第1ジャンクション絶縁膜16は、再生ヘッド11の形成工程において、非磁性中間層214のエッチング・ダメージを抑制する。
【選択図】図2

Description

本発明は、磁気検出素子及びその製造方法に関し、特に、磁気抵抗センサ多層膜の積層方向にセンス電流が流れる磁気検出素子及びその製造方法に関する。
ハードディスクドライブ(HDD)は、磁気記録媒体と磁気ヘッドを備え、磁気記録媒体上のデータは磁気ヘッドによって読み書きされる。HDD中にある磁気ヘッドは、磁気記録媒体(磁気ディスク)に磁化信号として情報を記録する記録ヘッドと、磁気記録媒体に磁化信号として記録された信号を読み取る再生ヘッドとから構成されている。再生ヘッドは複数の磁性薄膜及び非磁性薄膜からなる磁気抵抗効果積層体から構成されており、磁気抵抗効果を利用して信号を読み取るため、磁気抵抗効果ヘッドと呼ばれる。
磁気抵抗効果ヘッドの積層構造にはいくつかの種類があり、その用いる磁気抵抗の原理からAMRヘッド、GMRヘッド、CPP−GMRヘッド、TMRヘッドなどに分類される。それぞれ、AMR(磁気抵抗効果)、GMR(巨大磁気抵抗効果)、CPP−GMR効果(Current Perpendicular Plane GMR効果)、TMR(トンネル磁気抵抗効果)を用いて、磁気記録媒体から再生ヘッドに入ってくる入力磁界を電圧変化として取り出している。
現在、高感度化の進展により、より高感度な再生方式が必要とされている。70〜150(Gb/in)では、MR比が非常に高いTMRが感度向上の面から有利である。そして、150(Gb/in)を超える超高記録密度に対してはCPP−GMR等が主流になると考えられる。TMRについては、例えば、特許文献1に開示されている。また、CPP−GMRについては、例えば、特許文献2に開示されている。TMR及びCPP−GMRは、磁気抵抗効果積層体の膜面に対して平行にセンス電流が流れるCIP−GMR(Current In Plane GMR)と異なり、膜面に垂直な方向、つまり膜面の積層方向にセンス電流を流す方式である。本明細書において、このような方式をCPP方式と呼ぶ。また、そのような再生ヘッドをCPP型再生ヘッドと呼ぶ。
図12(a)は、CPP型再生ヘッド71の構成を模式的に示す断面図である。図12(b)は、図12(a)における磁気抵抗センサ712の右側端部付近の拡大図である。磁気抵抗センサ712は、下部シールド711と上部シールド713との間にある。下部シールド711と上部シールド713とは、磁気シールドとして機能すると共に、磁気抵抗センサ712にセンス電流を供給する下部電極と上部電極として兼用される。なお、上部シールド713の下には、導体からなる上部シールド下地膜714が形成されている。
磁気抵抗センサ712は、下層側から順次積層された、センサ下地層271、反強磁性膜272、固定層273、非磁性中間層274、自由層275、センサ保護膜276及びセンサ・キャップ膜277を有している。図12(a)の固定層273は積層固定層である。固定層273には、反強磁性膜272との交換相互作用が働き、その磁化方向が固定される。再生ヘッド71がTMRヘッドである場合、非磁性中間層274は酸化マグネシウム(MgO)などの絶縁体で形成され、CPP−GMRを使用する場合、非磁性中間層274はCuなどの非磁性導体を使用して形成される。自由層275のトラック幅は、Twfで示されている。
固定層273の磁化方向に対する自由層275の相対的な磁化方向が、磁気ディスクからの磁界によって変化すると、磁気抵抗センサ712の抵抗値(電流値)が変化する。再生ヘッド71は、これによって外部磁界を検出することができる。磁気抵抗センサ712の左右両側には、ハードバイアス膜715が存在する。ハードバイアス膜715からのバイアス磁界が自由層275を単磁区化するように働く。ハードバイアス膜715は、ハードバイアス下地膜716の上に形成されている。ハードバイアス下地膜716の下層として、ジャンクション絶縁膜717が形成されている。ジャンクション絶縁膜717は、ハードバイアス下地膜716と下部シールド膜711及び磁気抵抗センサ712の間に存在し、センス電流が磁気抵抗センサ712の外側を流れないようにする。
次に、図13を参照してCPP型再生ヘッド71の製造工程を説明する。まず、磁気抵抗センサ712を構成する多層膜をスパッタリングにより付着形成する(S31)。その後、レジスト塗布及びパターニングによってレジスト・トラック幅が形成され(S32)、さらに、イオンミリングを使用したエッチングによって多層膜磁気抵抗センサ712のトラック幅を形成する(S33)。その後、必要に応じてジャンクション端部(磁気センサ側端部)の酸化処理(S34)を行った後、絶縁膜717を形成する(S35)。さらに、ハードバイアス下地膜716及びハードバイアス膜715を形成する(S36)。その後、レジストをリフトオフし(S37)、上部シールド膜713を形成する(S38)。
特開平3−154217号公報 特表平11−509956号公報
上記従来のCPP再生ヘッド構造及び製造工程は、磁気抵抗センサ712の全層をエッチングした(S33)後、ジャンクション絶縁膜717を形成する。このエッチング工程(S33)において、磁気抵抗センサ712の側端部にダメージが加えられ、磁気抵抗センサ712の特性及び信頼性が低下することがわかった。特に、非磁性中間層274を絶縁体で形成する場合、ミリング・ダメージ部分のシャント電流によって絶縁破壊を起こす蓋然性があることがわかった。従って、磁気抵抗センサ712のエッチング工程における磁気抵抗センサ712の側端部へのダメージを抑制することが要求される。
本発明の一態様は、磁化方向が固定された固定層と、外部磁界によって磁化方向が変化する自由層と、前記固定層と自由層との間の非磁性中間層と、を有する磁気抵抗センサ多層膜を備え、前記磁気抵抗センサ多層膜の膜面と垂直方向に電流が流れる磁気検出素子である。この磁気検出素子は、前記磁気抵抗センサ多層膜を上下方向において挟むように形成された上部電極及び下部電極と、前記非磁性中間層の側端部を覆うように形成された第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜に対して前記磁気抵抗センサ多層膜の反対側に、前記上部電極と下部電極との間において検出電流が前記磁気抵抗センサ多層膜を通るように形成された第2の絶縁膜を有する。第1の絶縁膜が、エッチングによる非磁性中間層へのダメージを低減することができる。
前記磁気検出素子は、前記磁気抵抗センサ膜の側端部側に形成され、前記自由層の磁化状態を安定化させる磁区制御膜をさらに有する場合、前記第2の絶縁膜は前記磁区制御膜と前記上部電極との間に形成されていることが好ましい。磁区制御膜と自由層が近づくと共に、磁区制御膜と上部電極との間の距離を大きくすることで磁束の漏れを低減することができる。
下層から、前記固定層、非磁性中間、自由層の順に積層されており、前記自由層の上面幅と前記非磁性中間層の上面幅とは、前記前記固定層の上面幅よりも小さく、前記第1の絶縁膜は、前記固定層の上面よりも上に形成されている。これによって、非磁性中間層の下層である固定層形成工程において非磁性中間層を保護することができる。
好ましくは、前記磁区制御膜の前記磁気抵抗センサ膜側における端部の上面高さ位置は、前記自由層の上面高さ位置とその自由層の上面高さ位置から5nm上の位置との間にある。これによって磁区制御膜のバイアス効果を高めることができる。
好ましくは、前記磁区制御膜の隣接下層であるCrもしくはCr合金からなる磁区制御下地膜と、前記磁区制御下地膜の隣接下層であるアモルファス下地膜とを有する。これにより所定レベル以上の特性を有する磁区制御膜を形成することができる。
本発明の他の態様は、磁化方向が固定された固定層と、外部磁界によって磁化方向が変化する自由層と、前記固定層と自由層との間の非磁性中間層と、を有する磁気抵抗センサ多層膜を備え、前記磁気抵抗センサ多層膜の膜面と垂直方向に電流が流れる磁気検出素子の製造方法である。
この製造法は、前記固定層と前記非磁性中間層と前記自由層とを付着し、前記付着された非磁性中間層を含む複数層をエッチングしてそれぞれのトラック幅を形成し、エッチングされた前記非磁性中間層の側端部を覆うように第1のジャンクション絶縁膜を形成し、前記第1のジャンクション絶縁膜を形成した後に、前記非磁性中間層より下の層をエッチングしてトラック幅を形成し、前記下の層のエッチング後に、前記第1のジャンクション絶縁膜に対して前記磁気抵抗センサ膜の反対側に、第2のジャンクション絶縁膜を形成する。第1の絶縁膜の形成により、エッチングによる非磁性中間層へのダメージを低減することができる。
好ましい一方法において、下層側から前記固定層と前記非磁性中間層と前記自由層とが形成され、前記自由層と前記非磁性中間層とをエッチングしてそれぞれのトラック幅を形成し、パターニングされた前記自由層と前記非磁性中間層の側端部を覆うように前記第1のジャンクション絶縁膜を形成し、前記ジャンクション絶縁膜を形成した後に、前記固定層をエッチングしてそのトラック幅を形成し、前記固定層トラック幅を形成した後、前記第1のジャンクション絶縁膜に対して前記磁気抵抗センサ膜の反対側に、前記第2のジャンクション絶縁膜を形成する。
好ましくは、前記前記下の層のトラック幅を形成した後、前記第1のジャンクション絶縁膜に対して前記磁気抵抗センサ膜の反対側に、前記自由層の磁化状態を安定化させるための硬磁性膜からなるハードバイアス膜をさらに形成し、前記ハードバイアス膜を形成した後に、前記第2のジャンクション絶縁膜を形成する。これにより、磁区制御膜と自由層が近づくと共に、磁区制御膜と上部電極との間の距離を大きくすることで磁束の漏れを低減することができる。
あるいは、前記第2のジャンクション絶縁膜を形成した後、前記第1のジャンクション絶縁膜に対して前記磁気抵抗センサ膜の反対側に、前記自由層の磁化状態を安定化させるための硬磁性膜からなる磁区制御膜をさらに形成するようにしてもよい。
本発明によれば、積層方向にセンス電流が流れる磁気抵抗センサ多層膜を有する磁気抵抗検出素子において、製造工程における磁気抵抗センサ側端部ダメージを抑制することができる。
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略する。なお、以下に説明する実施の形態は、磁気検出素子の一例であるハードディスク・ドライブ(HDD)の再生ヘッドに対して本発明を適用したものである。本形態の再生ヘッドは、磁気抵抗センサ多層膜の積層方向(膜面に垂直な方向)にセンス電流が流れるCPP(Current Perpendicular Plane)方式のヘッドである。特に、本形態は磁気抵抗センサ多層膜の側端部のジャンクション絶縁膜にその特徴を有する。
本形態の特徴点について説明する前に、まず、磁気ヘッドの全体構成について説明する。図1は、磁気ヘッド1の構造を模式的に示す断面図である。磁気ヘッド1は、磁気ディスク2との間で磁気データを読み書きする。図1において、磁気ディスク3は右方向に回転しており、磁気ヘッド1の進行方向は図1における左方向である。磁気ヘッド1は、その走行方向側(リーディング側)から、再生ヘッド11と記録ヘッド12とを有している。磁気ヘッド1は、スライダ2のトレーイング側(リーディング側の反対側)に形成されている。磁気ヘッド1とスライダ2とでヘッド・スライダを構成する。再生ヘッド11は、リーディング側から、下部シールド111、磁気抵抗センサ112、上部シールド113を有している。記録ヘッド12は、薄膜コイル121と記録磁極122とを有している。薄膜コイル121は、絶縁体123に囲まれている。
記録ヘッド12は、薄膜コイル121を流れる電流で記録磁極122間に磁界を発生し、磁気データを磁気ディスク11に記録するインダクティブ素子である。再生ヘッド11は磁気抵抗型の素子であって、磁気異方性を有する磁気抵抗センサ112を備え、磁気ディスク2からの磁界によって変化するその抵抗値によって磁気ディスク2に記録されている磁気データを読み出す。本形態の再生ヘッドはCPP型の再生ヘッドであり、下部シールド111及び上部シールド113が検出電流を磁気抵抗センサ112に供給する電極として使用される。
磁気ヘッド1はスライダ3を構成するアルチック(AlTiC)基板に、薄膜形成プロセスを用いて形成される。磁気ヘッド1とスライダ3とが、ヘッド・スライダを構成する。ヘッド・スライダは磁気ディスク3上を浮上しており、その磁気ディスク対抗面21をABS(Air Bearing Surface)と呼ぶ。磁気ヘッド1は記録ヘッド12と再生ヘッド11の周囲にアルミナなどの保護膜13を備え、磁気ヘッド1全体はその保護膜13で保護されている。
図2(a)は、磁気抵抗検出素子の一例である本実施形態の再生ヘッド11の構成を模式的に示す断面図である。図2(a)は、ヘッド・スライダのABS面21、つまり磁気ディスク2に対向する浮上面側から見た断面構造を模式的に示している。図2(b)は、図2(a)における磁気抵抗センサ112の右側端部付近の拡大図である。図2(a)における下側がリーディング側であり、上側がトレーリング側となる。本明細書においては、再生ヘッド11が形成されるアルチック基板側、つまりスライダ3側を下側とし、その反対側であるトレーリング側を上側とする。再生ヘッド11の各層は、下側から順次形成されていることになる。本形態の再生ヘッド11は、TMR(Tunneling Magneto Resistance)ヘッドやCPP−MR(Magneto Resistance)ヘッドなどのCPP方式の再生ヘッドであり、センス電流は、図2(a)における上下方向に流れる。
磁気抵抗センサ112は、下部シールド111と上部シールド113との間にある。下部シールド111と上部シールド113とは、導電性の磁性体によって構成されており、磁気シールドとして機能すると共に、磁気抵抗センサ112にセンス電流を供給する下部電極と上部電極として兼用される。下部シールド111と上部シールド113とは、例えば、Ni、Fe、Coなどを含む合金で形成される。なお、上部シールド113の下には、導体からなる上部シールド下地膜114が形成されている。
磁気抵抗センサ112は、複数の層からなる積層体である。磁気抵抗センサ112は、下層側から順次積層された、センサ下地層211、反強磁性膜212、固定層213、非磁性中間層214、自由層215、センサ保護膜216及びセンサ・キャップ膜217を有している。各層は、隣接する層と物理的に接触している。
センサ下地層211はTaや、NiFeCo合金などの非磁性材料で形成され、図のように単層で形成する、あるいは積層構造としてもよい。反強磁性膜212はPtMnなどの反強磁性材料で形成される。図2(a)の固定層213は積層固定層であり、CoFe合金などからなる二層の強磁性膜と、それらの間のRuなどからなる非磁性層とから構成されている。二層の強磁性膜は交換相互作用によって結合し、磁化の固定が安定化される。下層側の強磁性膜には、反強磁性膜212との交換相互作用が働き、その磁化方向が固定される。なお、固定層213を単層構造としてもよい。
再生ヘッド11がTMRヘッドである場合、非磁性中間層214は酸化マグネシウム(MgO)などの絶縁体で形成され、トンネル・バリアとして機能する。一方、再生ヘッド11がCPP−GMRを使用する場合、非磁性中間層214はCuなどの非磁性導体を使用して形成される。自由層215は、NiFe合金、CoFe合金などの金属磁性体で形成される。自由層215も単層もしくは積層構造とすることができる。自由層215のトラック幅は、Twfで示されている。なお、センサ保護膜216及びセンサ・キャップ膜217はTaなどの非磁性導電材料で形成される。
固定層213の磁化方向に対する自由層215の相対的な磁化方向が、磁気ディスク3からの磁界によって変化すると、磁気抵抗センサ112の抵抗値(電流値)が変化する。再生ヘッド11は、これによって外部磁界を検出することができる。自由層215の磁区不均一性に起因するバルクハウゼン・ノイズなどを抑制するため、磁気抵抗センサ112の左右両側には、磁区制御膜であるハードバイアス膜115が存在する。ハードバイアス膜115からのバイアス磁界が自由層215の磁区を制御し、自由層215を単磁区化するように働く。なお、ハードバイアス膜115は、ハードバイアス下地膜116の上に接触して形成されている。
図2(b)に示すように、本形態の再生ヘッド11は、磁気抵抗センサ112のトラック幅方向の左右両側において、磁気抵抗センサ112の側端部とハードバイアス膜115との間に、2層のジャンクション絶縁膜16、17を有している。第1ジャンクション絶縁膜16及び第2ジャンクション絶縁膜17とは、例えば、Alで形成することができる。図12(a)に示した従来の再生ヘッド構造と比較して、本形態の再生ヘッド11は、第2ジャンクション絶縁膜17の他に、第1ジャンクション絶縁膜16をさらに有している。第1ジャンクション絶縁膜16は、再生ヘッド11の形成工程において、非磁性中間層214のエッチング・ダメージを抑制する。この点については、後にさらに説明する。
図2(b)に示すように、第1ジャンクション絶縁膜16は、磁気抵抗センサ112の側端部に直接接触して形成されている。第1ジャンクション絶縁膜16は、磁気抵抗センサ112の非磁性中間膜214及びそれより上の各層を覆うように形成されている。具体的には、第1ジャンクション絶縁膜16は、非磁性中間層214、自由層215、センサ保護膜216及びセンサ・キャップ膜217の側端部を覆っている。
固定層213の上部幅(非磁性中間層214との界面幅)は、それより上の磁気抵抗センサ112の各層の上部幅よりも大きくなっており、磁気抵抗センサ112の側端部に段差が存在し、固定層213のより上にくぼみ(凹部)がする。第1ジャンクション絶縁膜16はそのくぼみに形成されており、固定層213よりも上の層として存在している。従って、第1ジャンクション絶縁膜16は、固定層213及びそれより下の各層の側端部を覆ってはいない。
第1ジャンクション絶縁膜16に対して磁気抵抗センサ112の反対側に、第2ジャンクション絶縁膜17が存在する。第2ジャンクション絶縁膜17は、第1ジャンクション絶縁膜16の側端部に接触していると共に、固定層213以下の層の側端部と接触している。第2ジャンクション絶縁膜17に対して磁気抵抗センサ112の反対側に、ハードバイアス膜115が存在している。第2ジャンクション絶縁膜17は、第1ジャンクション絶縁膜16とハードバイアス膜115との間のほか、固定層213以下の層とハードバイアス膜115との間及び下部シール膜111とハードバイアス膜115との間に存在する。
第2ジャンクション絶縁膜17は、磁気抵抗センサ112の外側において、上部シールド膜113と下部シール膜111との間を絶縁し、磁気抵抗センサ112の外側におけるセンス電流を遮断する。これによって、センス電流が磁気抵抗センサ112の外側でハードバイアス15膜を介して流れることなく、磁気抵抗センサ112内の非磁性中間層214を流れるようにする。
ハードバイアス膜115はCoCrPt合金やCoPt合金などからなり、導電性である。ハードバイアス下地膜116もCrなどからなる導体である。図2(b)の構造においては、ハードバイアス膜115が上部シールド113と電気的に接触している。従って、第2ジャンクション絶縁膜17によって、センス電流が非磁性中間層214を介さずに、ハードバイアス膜115を介して上部シールド膜113と下部シール膜111との間を流れることを防止し、必要な磁気抵抗センサ112の出力を達成する。
次に、図2(a)に示した再生ヘッド構造の製造工程について説明を行い、その製造工程における第1ジャンクション絶縁膜16の作用について説明する。図3のフローチャート及び図4の工程説明図を参照しながら説明する。まず、磁気抵抗センサ112を構成する多層膜をスパッタリングにより付着形成する(S11)。その後、図4A(I)に示すように、レジスト塗布及びパターニングによってレジスト層51が形成され(S12)、さらに、イオンミリングを使用したエッチングによって自由層トラック幅を形成する(S13)。このエッチングによって、センサ・キャップ膜217から非磁性中間層214までの各層のトラック幅が形成される。また、固定層213の一部がエッチングされている。
その後、必要に応じてジャンクション端部(磁気センサ側端部)の酸化処理(S14)を行った後、図4A(II)に示すように、第1ジャンクション絶縁膜16を付着する(S15)。そして、図4A(III)に示すように、イオンミリングを使用したエッチングによって固定層215以下の磁気抵抗センサ112の各層のトラック幅を形成する(S16)。さらに、図4B(IV)に示すように、第2ジャンクション絶縁膜17、ハードバイアス下地膜116及びハードバイアス膜115を形成する(S17、S18)。その後、図4B(V)に示すように、レジストをリフトオフし(S19)、さらに、図4B(VI)に示すように、上部シールド膜113を形成する(S20)。
以上の工程において、非磁性中間層214がイオンミリングによってエッチングされた後、その側端部(及びそれより上の各層の側端部)が第1ジャンクション絶縁膜16によって覆われる。これにより、その後の固定層215を含む下層のイオンミリング工程(S16)において非磁性中間層214側端部が露出しておらず、イオンミリング工程(S16)によるダメージを抑制することができる。これにより、CPP型の磁気抵抗センサの信頼性及びその特性の低下を抑制することができる。特に、非磁性中間層214が絶縁膜である場合、イオンミリング・ダメージに起因する中間絶縁膜シャント破壊を防止し、信頼性を向上することができる。
次に、本発明の他の態様に係る再生ヘッド構造及びその製造方法について説明する。図5(a)は、他の態様に係る再生ヘッド11の構成を模式的に示す断面図である。図5(a)は、ヘッド・スライダのABS面側から見た断面構造を模式的に示している。図5(b)は、図5(a)における磁気抵抗センサ112の右側端部付近の拡大図である。図5(a)、(b)に示した再生ヘッド11の構造と、図2(a)、(b)に示した再生ヘッド11の構造との間における最も大きな違いは、第2ジャンクション絶縁膜17の位置にある。
図2(a)、(b)に示した構造は、トラック幅方向におけるハードバイアス膜115と自由層215との間に、第1ジャンクション絶縁膜16に加えて、第2ジャンクション絶縁膜17が存在している。このため、トラック幅方向における自由層215とハードバイアス膜115との間の距離GLHB/FEが増加する。これに対して、図5(a)、(b)に示す再生ヘッド構造においては、第2ジャンクション絶縁膜17が自由層215よりも上の層として形成されており、ハードバイアス膜115と自由層215との間に第2ジャンクション絶縁膜17が存在しない。
このため、ハードバイアス膜115の自由層215側の側端部を自由層215の側端部により近づけることができ、バイアス磁界を自由層215に対してより適切に与えることができる。効率よく磁界を与えることができることから、ハードバイアス膜115を薄膜化することができると共に、磁気抵抗センサ112と重なる位置の上部シールド膜113をより平坦化することができる。これによって、上部シールド膜113のシールド特性が向上し、リード特性を向上することができる。
第2ジャンクション絶縁膜17の形成位置について、さらに次の点が重要である。図2(a)、(b)に示した構造は、下部シールド膜111とハードバイアス膜115との間に第2ジャンクション絶縁膜17を有していた。これに対して、図5(a)、(b)に示す再生ヘッド11においては、第2ジャンクション絶縁膜17はハードバイアス膜115と上部シールド膜113との間に存在する。
このように、第2ジャンクション絶縁膜17をハードバイアス膜115よりも上層に形成することで、上部シールド膜113とハードバイアス膜115との間の距離をより大きくすることができる。これによって、ハードバイアス膜115からの上部シールド膜113に漏れる磁束を低減し、ハードバイアス膜115からのバイアス磁界を自由層215に対して適切に与えることができる。
図6は、磁気抵抗センサ多層膜の積層方向におけるハードバイアス膜115の位置(高さ位置)によるバイアス磁界の変化の様子を模式的に示している。図6(a)は第2ジャンクション絶縁膜17がハードバイアス膜115のよりも上層として形成されている構造に相当し、図6(b)は第2ジャンクション絶縁膜17がハードバイアス膜115のよりも下層として形成されている構造に相当する。
図6(b)に示すように、第2ジャンクション絶縁膜17がハードバイアス膜115の下に形成されている場合、ハードバイアス膜115からの磁束の一部が上部シールド膜113に流れ込み、自由層215へのバイアス磁界が低下する。このため、ハードバイアス膜115の膜厚を大きくすることになり、上部シールド膜113の形状は凹凸化する。
これに対して、図6(a)に示すように、第2ジャンクション絶縁膜17がハードバイアス膜115の上に形成されている場合、ハードバイアス膜115の位置が下がり、上部シールド膜113への磁束の漏れを抑制することができる。このため、ハードバイアス膜115を薄膜化すると共に上部シールド膜113を平坦化することができ、リード特性を向上することができる。
ここで、ハードバイアス膜115の自由層側端部の上面高さ位置(図5(b)におけるHthb)は、自由層上面の高さ位置(自由層トップ高さ位置)(図5(b)におけるHtf)と略同じ、もしくは自由層トップ高さ位置から上の5nm以下の高さ位置にあることが好ましい。これによって、ハードバイアス膜115の薄膜化を図ると主に、有効なバイアス磁界を自由層215に与えることができる。
図5(b)に示すように、第2ジャンクション絶縁膜17がハードバイアス膜115と固定層213との間に存在しないため、ハードバイアス膜115は、導体膜であるハードバイアス下地膜116とアモルファス下地膜117とを介して、固定層213に電気的に接触している。ここで、図5(b)に示した構造は、ハードバイアス下地膜116の他に、アモルファス下地膜117をさらに有している。ハードバイアス下地膜116はハードバイアス膜115の結晶状態を制御するが、アモルファス下地膜117はハードバイアス下地膜116の結晶状態を制御する。
ハードバイアス膜115は、高い保持力と、高い磁束密度が要求されることから、CoCrPtなどのCoを主成分とするCo合金で形成することが好ましい。このとき、Co合金の組成を調整することで、飽和磁束密度などを調整することが好ましい。また、バラツキの少なく均一で強いバイアス磁界を生成するためには、Co合金磁性膜の多結晶配向状態を制御調整することが重要である。ここで、CrもしくはCr合金によりハードバイアス下地膜116を形成し、その配向状態を調整制御することによって、ハードバイアス膜115であるCo合金磁性膜の多結晶配向性を制御することができる。
CrもしくはCr合金からなるハードバイアス下地膜116の配向性は、その下地膜であるアモルファス下地膜117で調整制御することができる。磁気抵抗センサ多層膜112のほとんど面心立方構造系の多結晶膜である層上では、CrとCoの特定の配向状態しか実現することができない。アモルファス下地膜117の材料を選択することで、Co合金ハードバイアス膜115の配向状態を所望の状態に調整制御することができる。
アモルファス下地膜117の材料としては、例えば、NiもしくはCoを母層として添加元素を含有させる。添加する元素としては、P、Cr、Zr、Nb、Hfなどを挙げることができる。NiもしくはCoに1もしくは2種以上の元素を添加してアモルファス構造として組成する。また、アモルファス下地膜117表面は酸化処理によって酸化状態を調整し、その表面エネルギーを調整することが重要である。なお、図2(a)、(b)に示した構造のように、第2ジャンクション絶縁膜17上にハードバイアス下地膜116及びハードバイアス膜115を形成する場合においても、アモルファス下地膜117を使用した配向制御を行うことができる。
上述のように、アモルファス下地膜117及びハードバイアス下地膜116は導体であるため、それらが上部シールド膜113及び下部シールド膜111に電気的に接触していると、センス電流がそこを流れてしまう。図5(b)の示すヘッド構造において、第1ジャンクション絶縁膜16の側端部において、第2ジャンクション絶縁膜17が、アモルファス下地膜117及びハードバイアス下地膜116と上部シールド膜113との間に存在する。これにより、上部シールド膜113からアモルファス下地膜117及びハードバイアス下地膜116に流れる電流を遮断する。
具体的には、第1ジャンクション絶縁膜16の側端部において、アモルファス下地膜117及びハードバイアス下地膜116の上端部は除去されており、その上面の高さ位置は、ハードバイアス膜15の端部高さ位置と一致している。第1ジャンクション絶縁膜16は、アモルファス下地膜117及びハードバイアス下地膜116の上端部除去において形成されたくぼみ(段差)を有しており、そのくぼみ部分を埋めるように第2ジャンクション絶縁膜17の一部が形成され、第1ジャンクション絶縁膜16と直接接触している。
続いて、図5(a)に示した構造を有する再生ヘッド11の製造工程について、図7のフローチャート及び図8の工程説明図を参照して説明する。磁気抵抗センサ112を構成する多層膜をスパッタリングにより付着形成する(S21)。その後、図8A(I)に示すように、レジスト塗布及びパターニングによってレジスト層51を形成する(S22)。さらに、図8A(II)に示すように、イオンミリングを使用したエッチングによって自由層トラック幅(トラック幅方向における寸法)を形成する(S23)。このエッチングによって、センサ・キャップ膜217から非磁性中間層214までの各層のトラック幅が形成される。
その後、必要に応じてジャンクション端部(磁気センサ側端部)の酸化処理(S24)を行った後、図8A(III)に示すように、第1ジャンクション絶縁膜16を付着する(S25)。そして、図8B(IV)に示すように、イオンミリングを使用したエッチングによって固定層215以下の磁気抵抗センサ112の各層のトラック幅を形成する(S26)。さらに、図8B(V)に示すように、スパッタリングによりアモルファス下地膜117、ハードバイアス下地膜116及びハードバイアス膜115を付着する(S27)。
その後、図8B(VI)に示すように、アモルファス下地膜117、ハードバイアス下地膜116及びハードバイアス膜115の各層の一部を、イオンミリングによって除去する(S28)。この工程において、ハードバイアス膜115の磁気抵抗センサ側における端部高さ位置が決定される。さらに、第1ジャンクション絶縁膜16の側端部におけるアモルファス下地膜117とハードバイアス下地膜116の上端部が除去される。
その後、図8C(VII)に示すように第2ジャンククション絶縁膜17を付着して(S29)、さらに、レジスト51をリフトオフし(S30)、さらに、図8C(VIII)に示すように、上部シールド膜113を付着する(S31)。以上の工程において、第1ジャンクション絶縁膜16によって、非磁性中間層214のイオンミリングによるダメージを抑制することができると共に、ハードバイアス膜115より上に第2ジャンクション絶縁膜117を適切に形成することができる。
以下に、本発明に従って作成した実施例の実験結果について説明する。図2(a)に示した構造を有するTMRヘッドと従来の構造を有するTMRヘッドを作成し、シャント不良率を測定した。その結果を図9に示す。本発明に従うTMRヘッドと従来構造のTMRヘッドのそれぞれにおいて異なるミリング深さのヘッドを作成し、各ミリング深さにおけるシャント不良率の測定結果を図9に示している。ミリング深さは、磁気抵抗センサをイオンミリングする工程におけるミリング深さであり、非磁性中間層214の下面の高さ位置を基準としている。16nm深さが、センサ下地膜211の下面の高さ位置に相当する。
図9において、菱形の点が本発明に従う構造のTMRヘッドの測定結果を示し、四角形の点が従来構造のTMRヘッドの測定結果を示している。この結果から理解されるように、5nm以上のミリング深さにおいて、従来のヘッド構造のシャント不良率が悪化する。これに対して、本発明に従うヘッド構造は、ミリング深さが大きくなってもシャント不良率が悪化することがなかった。なお、図5(a)に示した構造においても、どうようの結果を得られると考えられる。
図10は、ミリング深さとハードバイアス膜115のバイアス磁界との間の関係を示している。四角形が図2(a)に示した構造を有するTMRヘッド(TOP HB)、菱形が図5(a)に示した構造を有するTMRヘッド(BOTTOM HB)、そして三角形が従来のヘッド構造を有するTMRヘッドの実験結果を示している(STANDARD HB)。ミリング深さについては、図9と同様である。図10の実験結果から理解されるように、図5(a)に示したようにハードバイアス膜115が第2ジャンクション絶縁膜17よりも下にある場合、従来構造やハードバイアス膜115が上にある場合に比較して、浅いミリング深さで強いバイアス磁界を得ることができ、安定性が高いことを示している。例えば、ハードバイアス膜115が下にある構造は、10nmで80Oeのバイアス磁界を達成するが、他の構造は15nm以上の深さを必要とした。
図11は、ハードバイアス膜115の残留磁化とバイアス磁界との間の関係を示している。四角形が図2(a)に示した構造を有するTMRヘッド(TOP HB)、菱形が図5(a)に示した構造を有するTMRヘッド(BOTTOM HB)、そして三角形が従来のヘッド構造を有するTMRヘッドの実験結果を示している(STANDARD HB)。図11の実験結果から理解されるように、図5(a)に示したようにハードバイアス膜115が第2ジャンクション絶縁膜17よりも下にある場合、従来構造やハードバイアス膜115が上にある場合に比較して、より小さい残留磁化のハードバイアス膜によって強いバイアス磁界を得ることができた。
以上実験結果から、第1及び第2ジャンクション絶縁膜を形成することによって、非磁性中間層のミリング・ダメージを効果的に抑えることができることが示された。また、ハードバイアス膜115を第2ジャンクション絶縁膜17の下に形成することによって、ハードバイアス膜115の特性を大きく改善することができることが示された。
以上、本発明を好ましい実施形態を例として説明したが、本発明が上記の実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、上記の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能である。例えば、磁気抵抗センサの各層の積層順序を逆とすることができる。本発明は磁気ディスク装置の再生ヘッドに特に有用であるが、他の磁気検出素子に本発明を適用することもできる。
本実施形態において、磁気ヘッドの構成を模式的に示す断面図である。 本実施形態において、再生ヘッドの構成を模式的に示す断面図である。 本実施形態において、再生ヘッドの製造工程を示すフローチャートである。 本実施形態において、再生ヘッドの製造工程を示す説明図である。 本実施形態において、再生ヘッドの製造工程を示す説明図である。 本実施形態において、他の態様の再生ヘッドの構成を模式的に示す断面図である。 本実施形態において、他の態様の再生ヘッドのバイアス磁界の様子を模式的に示す図である。 本実施形態において、他の態様の再生ヘッドの製造工程を示すフローチャートである。 本実施形態において、他の態様の再生ヘッドの製造工程を示す説明図である。 本実施形態において、他の態様の再生ヘッドの製造工程を示す説明図である。 本実施形態において、他の態様の再生ヘッドの製造工程を示す説明図である。 本発明に従うヘッド構造と従来のヘッド構造とについて、ミリング深さとシャント不良率との関係の実験結果を示すグラフである。 本発明に従うヘッド構造と従来のヘッド構造とについて、ミリング深さとハードバイアス磁界との関係の実験結果を示すグラフである。 本発明に従うヘッド構造と従来のヘッド構造とについて、ハードバイアス膜の残留磁化とバイアス磁界との間の関係の実験結果を示すグラフである。 従来技術に係るCPP型再生ヘッドの構成を模式的に示す断面図である。 従来技術に係るCPP型再生ヘッドの製造工程を示すフローチャートである。
符号の説明
1 磁気ヘッド、2 スライダ、3 磁気ディスク、11 再生ヘッド
12 記録ヘッド、16 第1ジャンクション絶縁膜、17 第2ジャンクション絶縁膜
111 下部シールド、112 磁気抵抗センサ、113 上部シールド
115 ハードバイアス膜、117 アモルファス下地膜
116 ハードバイアス下地膜、121 薄膜コイル、122 記録磁極
123絶縁体、211 センサ下地層、212 反強磁性膜、213 固定層
214 非磁性中間層、215自由層、216 センサ保護膜
217 センサ・キャップ膜

Claims (10)

  1. 磁化方向が固定された固定層と、外部磁界によって磁化方向が変化する自由層と、前記固定層と自由層との間の非磁性中間層と、を有する磁気抵抗センサ多層膜を備え、前記磁気抵抗センサ多層膜の膜面と垂直方向に電流が流れる磁気検出素子であって、
    前記磁気抵抗センサ多層膜を上下方向において挟むように形成された上部電極及び下部電極と、
    前記非磁性中間層の側端部を覆うように形成された第1の絶縁膜と、
    前記第1の絶縁膜に対して前記磁気抵抗センサ多層膜の反対側に、前記上部電極と下部電極との間において検出電流が前記磁気抵抗センサ多層膜を通るように形成された第2の絶縁膜と、
    を有する磁気検出素子。
  2. 前記磁気抵抗センサ膜の側端部側に形成され、前記自由層の磁化状態を安定化させる磁区制御膜を、さらに有し、
    前記第2の絶縁膜は、前記磁区制御膜と前記上部電極との間に形成されている、
    請求項1に記載の磁気検出素子。
  3. 下層から、前記固定層、非磁性中間、自由層の順に積層されており、
    前記自由層の上面幅と前記非磁性中間層の上面幅とは、前記前記固定層の上面幅よりも小さく、
    前記第1の絶縁膜は、前記固定層の上面よりも上に形成されている、
    請求項1に記載の磁気検出素子。
  4. 前記磁区制御膜の前記磁気抵抗センサ膜側における端部の上面高さ位置は、前記自由層の上面高さ位置とその自由層の上面高さ位置から5nm上の位置との間にある、
    請求項2に記載の磁気検出素子。
  5. 前記磁区制御膜の隣接下層であるCrもしくはCr合金からなる磁区制御膜下地膜と、
    前記磁区制御膜下地膜の隣接下層であるアモルファス下地膜と、
    をさらに有する、
    請求項2に記載の磁気検出素子。
  6. 磁化方向が固定された固定層と、外部磁界によって磁化方向が変化する自由層と、前記固定層と自由層との間の非磁性中間層と、を有する磁気抵抗センサ多層膜を備え、前記磁気抵抗センサ多層膜の膜面と垂直方向に電流が流れる磁気検出素子の製造方法であって、
    前記固定層と前記非磁性中間層と前記自由層とを付着し、
    前記付着された非磁性中間層を含む複数層をエッチングしてそれぞれのトラック幅を形成し、
    エッチングされた前記非磁性中間層の側端部を覆うように第1のジャンクション絶縁膜を形成し、
    前記第1のジャンクション絶縁膜を形成した後に、前記非磁性中間層より下の層をエッチングしてトラック幅を形成し、
    前記下の層のエッチング後に、前記第1のジャンクション絶縁膜に対して前記磁気抵抗センサ膜の反対側に、第2のジャンクション絶縁膜を形成する、方法。
  7. 下層側から前記固定層と前記非磁性中間層と前記自由層とが形成され、
    前記自由層と前記非磁性中間層とをエッチングしてそれぞれのトラック幅を形成し、
    パターニングされた前記自由層と前記非磁性中間層の側端部を覆うように前記第1のジャンクション絶縁膜を形成し、
    前記ジャンクション絶縁膜を形成した後に、前記固定層をエッチングしてそのトラック幅を形成し、
    前記固定層トラック幅を形成した後、前記第1のジャンクション絶縁膜に対して前記磁気抵抗センサ膜の反対側に、前記第2のジャンクション絶縁膜を形成する、
    請求項6に記載の方法。
  8. 前記前記下の層のトラック幅を形成した後、前記第1のジャンクション絶縁膜に対して前記磁気抵抗センサ膜の反対側に、前記自由層の磁化状態を安定化させるための硬磁性膜からなるハードバイアス膜をさらに形成し、
    前記ハードバイアス膜を形成した後に、前記第2のジャンクション絶縁膜を形成する、
    請求項6に記載の方法。
  9. 前記磁気抵抗センサ膜の側端部側において前記自由層の磁化状態を安定化させる磁区制御膜と、前記ハードバイアス膜の隣接下層であるCrもしくはCr合金からなるハードバイアス下地膜と、前記ハードバイアス下地膜の隣接下層であるアモルファス下地膜と、さらに形成する、
    請求項6に記載の方法。
  10. 前記第2のジャンクション絶縁膜を形成した後、前記第1のジャンクション絶縁膜に対して前記磁気抵抗センサ膜の反対側に、前記自由層の磁化状態を安定化させるための硬磁性膜からなる磁区制御膜をさらに形成する、
    請求項6に記載の方法。
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