JP2008192426A - 発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】封止部材と基板との接着部分からの水分や酸素の侵入を効果的に防ぐことができる発光装置を提供する。
【解決手段】基板12と、該基板上の厚さ方向に積層された一対の電極14,24間に有機エレクトロルミネッセンス層18を有する発光素子20と、前記基板上に形成され、前記発光素子の一対の電極とそれぞれ接続する引出配線16,26と、前記発光素子を封止する封止部材34と、を備え、前記基板上の少なくとも前記発光素子の周囲に無機酸化物を含む絶縁層30が形成されており、前記封止部材が、前記発光素子の周囲に形成されている前記無機酸化物を含む絶縁層との間に設けられた接着剤32を介して接着していることを特徴とする発光装置10。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光装置、具体的には、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)を用いた発光装置に関する。
近年、有機EL素子を用いた薄型の発光装置が開発されている。図9は、有機EL素子1の構成を概略的に示している。ガラス等の基板2上に、陽極3、有機EL層8(正孔輸送層4、発光層5、及び電子輸送層6)、陰極7等が形成されている。引出配線(端子)9を介して外部の配線と接続し、両極3,7に電界を印加することにより、電極3,7間に挟まれた領域の発光層5が励起状態となって発光する。
有機EL層8は水分や酸素に弱いため、封止される。例えば、図10に示すようにガラス、金属、樹脂フィルム等の封止部材70を接着剤72を介して基板2に接着させる方法がある。封止部材70の内側の空間には不活性ガスを充填したり、乾燥剤を設けるなどして有機EL素子の劣化を抑制することができる。
基板2に関しては、ガラス基板のほか、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂フィルムを用いる場合がある。樹脂製の基板であれば大きく曲げてもガラス基板のように割れず、耐衝撃性が高い表示装置とすることができる。特に樹脂フィルムからなる樹脂基板であれば、光透過性が高く、軽量であるといった利点もある。
しかし、樹脂フィルムは一般的に水分や酸素を透過し易く、有機EL層の劣化が促進され易い。そこで、樹脂フィルムの表面にSiNやAlNxOy等の無機絶縁膜を設けて水分や酸素の侵入を防ぐ方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、封止部材70に関しては、水分や酸素の侵入を防止するため、金属板等のガス透過性の無い基材に樹脂からなる絶縁層を積層した封止部材が提案されている(特許文献2参照)。
特開2003−86356号公報 特開2002−93573号公報
ところが、上記のように水分や酸素の侵入を効果的に防ぐ構造とした基板や封止部材を用いても、封止部材と基板との接着部分から水分や酸素が侵入し易いという問題がある。
そこで、本発明は、封止部材と基板との接着部分からの水分や酸素の侵入を効果的に防ぐことができる発光装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では以下の発光装置が提供される。
<1> 基板と、該基板上の厚さ方向に積層された一対の電極間に有機エレクトロルミネッセンス層を有する発光素子と、前記基板上に形成され、前記発光素子の一対の電極とそれぞれ接続する引出配線と、前記発光素子を封止する封止部材と、を備え、前記基板上の少なくとも前記発光素子の周囲に無機酸化物を含む絶縁層が形成されており、前記封止部材が、前記発光素子の周囲を囲むように前記基板上および引出配線上に形成されている前記無機酸化物を含む絶縁層との間に設けられた接着剤を介して接着していることを特徴とする発光装置。
<2> 前記封止部材の少なくとも前記接着剤と接する部分に無機酸化物を含む絶縁層が形成されていることを特徴とする<1>に記載の発光装置。
<3> 前記封止部材が、プラスチック製の基材にバリア層を設けたものであることを特徴とする<1>又は<2>に記載の発光装置。
<4> <1>から<3>のいずれかに記載の発光装置であって、データラインと走査ラインの電気的交点に発光素子を配置したことを特徴とする単純マトリクス型発光装置。
本発明によれば、封止部材と基板との接着部分からの水分や酸素の侵入を効果的に防ぐことができる発光装置が提供される。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明に係る発光装置について説明する。
本発明者は、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)を用いた発光装置における発光素子の劣化原因等について研究を行った。
一般的に、封止部材を基板に接着する際には、基板又は封止部材の接着面に紫外線(UV)硬化性樹脂を塗布し、基板と封止部材とを貼り合せてUVを照射することにより接着するが、本発明者は、特に基板と接着剤との接着界面の接着力不足により大気中の水分や酸素が封止部材の内側に侵入して素子の劣化が促進されることを見出した。特に、図10に示されるように封止部材70を有機EL素子との間に空間を設けて接着する場合には、不活性ガスを充填したり、乾燥剤を設けるなどして素子の劣化を効果的に防止することができる反面、封止部材70と基板2との接着面が小さいために、接着力が不足して水分や酸素が侵入し易い。
このような接着力不足は接着剤を塗布する際の接着面の濡れ性に関わるものと推定され、接着面が親水性であれば高い接着力が得られることがわかった。
基板として無アルカリガラスを使用する場合、表面処理により親水性とすることが可能である。一方、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のフィルム素材の基板では、基板表面は疎水性となるが、例えば、基板表面にバリア層と称して無機絶縁膜を形成することで濡れ性を改善することができる。
しかし、図10に示されるように基板2上の接着部分には引出配線9が形成されている箇所があり、封止部材70は、基板2上の引出配線9とも接着剤72を介して接着される。例えば配線抵抗の面から金属膜で引出配線9を形成した場合、使用環境によっては大気中の水分等の影響で引出配線9が腐食し、さらに進行すると接着剤72との界面が剥離して外気から水分等の侵入の原因となり、有機EL素子の劣化が促進され易い。
そこで、本発明者は、発光素子、引出配線等を形成した後、封止部材との接着部分となる基板上の発光素子の周囲に無機酸化物を含む絶縁層を形成し、この無機酸化物を含む絶縁層と封止部材との間に接着剤を設けて接着することで接着力が高められ、接着部分からの大気中の水分や酸素の侵入を防ぐことができることを見出し、本発明の完成に至った。
[第1の態様]
図1は本発明に係る発光装置の一例を示す概略平面図である。また、図2は図1に示す発光装置のA−A´線概略断面図であり、図3はB−B´線概略断面図である。なお、図1に示されるように陽極14及び陰極24はそれぞれストライプ状に形成されているが、図2及び図3では各電極14,24は一体ものとして簡略的に示し、隔壁等は省略されている。
この発光装置10は、データラインと走査ラインの電気的交点に発光素子20を配置した単純マトリクス型であり、図1に示されるように、基板12上には陽極14と陰極24とからなる一対の電極14,24がマトリクス状に配置され(各電極の一部は省略)、各電極14,24とそれぞれ接続する引出配線16,26が形成されている。ここで、電極14,24はそれぞれデータライン、走査ライン、或いは走査ライン、データラインとして機能する。また、図2及び図3に示されるように、陽極14と陰極24は基板12の厚さ方向に積層されており、これらの一対の電極14,24間に有機エレクトロルミネッセンス層(有機EL層)18が形成されている。このような一対の電極14,24と、電極14,24の交差する部分に形成されている有機EL層18とが有機EL素子、すなわち発光素子20を構成して発光する。
また、基板12上の発光素子20の周囲において封止部材34を接着させる領域28には無機酸化物を含む絶縁層30が形成されており、この層30は、引出配線16,26上にも形成されている。そして、発光素子20を封止するための板状の封止部材34が、基板12上の無機酸化物を含む絶縁層30との間に設けられた接着剤32を介して接着している。このような構成により、基板12上の発光素子20の周囲に形成された無機酸化物を含む絶縁層30と接着剤との接着力が高まり、封止部材34と基板12との接着部分における酸素や水分の侵入が大幅に抑制される。
以下、本発明に係る発光装置の構成等について、その製造方法とともにより具体的に説明する。
<基板>
基板12は、有機EL素子等を支持することができる強度、光透過性等を有するものであれば特に限定されず、公知のものを使用することができる。例えば、基板12側から光を透過させる、いわゆるボトムエミッション型の発光装置とする場合は、発光層から発せられる光をできるだけ散乱又は減衰させない基板であることが好ましい。そのような基板の具体例としては、ジルコニア安定化イットリウム(YSZ)、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の有機材料が挙げられる。
例えば、基板12としてガラスを用いる場合、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。ソーダライムガラスを用いる場合には、シリカなどのバリアコートを施したものを使用することが好ましい。
また、有機材料からなる基板を用いる場合には、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、及び加工性に優れていることが好ましい。また、特にプラスチック製の基板を用いる場合には、水分や酸素の透過を抑制するため、基板の片面又は両面に透湿防止層又はガスバリア層を設けることが好ましい。透湿防止層又はガスバリア層の材料としては、窒化珪素、酸化珪素などの無機物を好適に用いることができる。透湿防止層又はガスバリア層は、例えば、高周波スパッタリング法などにより形成することができる。
熱可塑性基板を用いる場合には、更に必要に応じて、ハードコート層、アンダーコート層などを設けてもよい。
基板12の形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光装置の用途、目的等に応じて適宜選択することができる。一般的には、基板12の形状としては、取り扱い性、発光素子20の形成容易性等の観点から、板状であることが好ましい。基板12の構造は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。また、基板12は、単一部材で構成されていてもよいし、2つ以上の部材で構成されていてもよい。
基板12は、無色透明であっても有色透明であってもよいが、発光素子20から発せられる光の散乱、減衰等を防止することができる点で無色透明であることが好ましい。
<有機EL素子>
基板12上には発光素子として有機EL素子20が形成されている。本発明に係る発光素子20は、基板12の厚さ方向に積層された陽極14と陰極24とからなる一対の電極14,24間に有機EL層18を有していれば層構成は特に限定されない。例えば以下のような層構成を採用することができるが、これらに限定されず、目的等に応じて適宜決めればよい。
・陽極/発光層/陰極
・陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極
<陽極及び引出配線>
図1及び図2に示されるように、基板12上には陽極14がストライプ状に形成されており、一端部には引出配線16が接続している。
陽極14は、有機EL層18に正孔を供給する電極としての機能を有するものであれば、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光装置の用途、目的等に応じて公知の電極材料から適宜選択することができる。ただし、発光素子の性質上、陽極14及び陰極24のうち少なくとも一方の電極は透明であることが好ましく、通常は、透明な陽極14が形成される。
陽極14を構成する材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、導電性化合物、又はこれらの混合物が好適に挙げられる。具体例として、アンチモンやフッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の導電性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、及びこれらとITOとの積層物などが挙げられる。この中で好ましいのは導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からはITOが好ましい。
陽極14を形成する方法としては、例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式が挙げられる。陽極14を構成する材料との適性等を考慮して適宜選択した方法に従って基板12上に陽極14を形成することができる。例えば、陽極材料としてITOを選択する場合には、直流又は高周波スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等に従って陽極14を形成することができる。
陽極14を形成する位置は特に制限はなく、発光装置の用途、目的等に応じて適宜選択することができ、基板12の一方の表面上の全体に形成されていてもよいし、一部に形成されていてもよい。
陽極14を形成する際のパターニングは、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよい。また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等を行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
陽極用の引出配線16も陽極14と同様の材料を用いて同様の方法により形成することができるが、陽極14を形成する際、陽極14に接続する引出配線を同時に形成してもよい。陽極14と陽極用の引出配線16を同時にパターニングすれば、工数を減らすことができるとともに、各陽極14に確実に接続した引出配線16を形成することができる。このとき、さらに陰極用の引出配線26を同時に形成することもできる。
陽極14及び引出配線16の厚みは、陽極14を構成する材料等に応じて適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常、10nm〜50μm程度であり、50nm〜20μmが好ましい。
また、陽極14及び引出配線16の抵抗値は、有機EL層18に確実に正孔を供給するために、10Ω/□以下が好ましく、10Ω/□以下がより好ましい。
透明な陽極14とする場合、無色透明であっても有色透明であってもよいが、透明陽極側から発光を取り出すためには、その光透過率は60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。透明陽極については、沢田豊監修「透明電極膜の新展開」シーエムシー刊(1999)に詳述があり、ここに記載されている事項を本発明でも適用することができる。例えば、耐熱性の低いプラスチック基板を用いる場合は、ITO又はIZOを使用し、150℃以下の低温で成膜した透明陽極が好ましい。
<有機EL層>
発光素子20は、陽極14と陰極24との間に少なくとも発光層を含む有機EL層18を有している。有機EL層18を構成する発光層以外の層としては、前述したように、正孔輸送層、電子輸送層、電荷ブロック層、正孔注入層、電子注入層等の各層が挙げられる。好ましい層構成として、陽極側から、正孔輸送層、発光層、電子輸送層の順に積層されている態様が挙げられ、さらに、例えば正孔輸送層と発光層との間、又は、発光層と電子輸送層との間に、電荷ブロック層等を有していてもよい。陽極と正孔輸送層との間に正孔注入層を有してもよく、陰極と電子輸送層との間には電子注入層を有してもよい。また、各層は複数の二次層に分かれていてもよい。
これらの有機EL層18を構成する各層は、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、転写法、印刷法等いずれによっても好適に形成することができる。
−発光層−
発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層、又は正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層、又は電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。
発光層は、発光材料のみで構成されていても良く、ホスト材料と発光材料の混合層とした構成でも良い。さらに、発光層中に電荷輸送性を有さず、発光しない材料を含んでいても良い。また、発光層は1層であっても2層以上であってもよく、それぞれの層が異なる発光色で発光してもよい。
発光材料は蛍光発光材料でも燐光発光材料であっても良く、ドーパントは1種であっても2種以上であっても良い。
蛍光発光材料の例としては、例えば、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、縮合芳香族化合物、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサジン誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、スチリルアミン誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、芳香族ジメチリディン化合物、8−キノリノール誘導体の金属錯体やピロメテン誘導体の金属錯体に代表される各種金属錯体等、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン誘導体などの化合物等が挙げられる。
燐光発光材料は、例えば、遷移金属原子又はランタノイド原子を含む錯体が挙げられる。
遷移金属原子としては特に限定されないが、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、及び白金が挙げられ、より好ましくは、レニウム、イリジウム、及び白金である。
ランタノイド原子としては、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテシウムが挙げられる。これらのランタノイド原子の中でも、ネオジム、ユーロピウム、及びガドリニウムが好ましい。
錯体の配位子としては、例えば、G.Wilkinson等著,Comprehensive Coordination Chemistry, Pergamon Press社1987年発行、H.Yersin著,「Photochemistry and Photophysicsof Coordination Compounds」 Springer-Verlag社1987年発行、山本明夫著「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社1982年発行等に記載の配位子などが挙げられる。
具体的な配位子としては、好ましくは、ハロゲン配位子(好ましくは塩素配位子)、含窒素ヘテロ環配位子(例えば、フェニルピリジン、ベンゾキノリン、キノリノール、ビピリジル、フェナントロリンなど)、ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトンなど)、カルボン酸配位子(例えば、酢酸配位子など)、一酸化炭素配位子、イソニトリル配位子、シアノ配位子であり、より好ましくは、含窒素ヘテロ環配位子である。上記錯体は、化合物中に遷移金属原子を一つ有してもよいし、また、2つ以上有するいわゆる複核錯体であってもよい。異種の金属原子を同時に含有していてもよい。
燐光発光材料は、発光層中に0.1〜40質量%含有されることが好ましく、0.5〜20質量%含有されることがより好ましい。
また、発光層に含有されるホスト材料は電荷輸送材料であることが好ましい。ホスト材料は1種であっても2種以上であっても良く、例えば、電子輸送性のホスト材料とホール輸送性のホスト材料を混合した構成が挙げられる。
ホスト材料の具体例としては、例えば、カルバゾール骨格を有するもの、ジアリールアミン骨格を有するもの、ピリジン骨格を有するもの、ピラジン骨格を有するもの、トリアジン骨格を有するもの及びアリールシラン骨格を有するものや、後述の正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層の項で例示されている材料が挙げられる。
発光層の厚さは、特に限定されるものではないが、通常、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
−正孔注入層、正孔輸送層−
正孔注入層及び正孔輸送層は、陽極14又は陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。正孔注入層及び正孔輸送層は、具体的には、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、有機シラン誘導体、カーボン、フェニルアゾールやフェニルアジンを配位子に有するIr錯体に代表される各種金属錯体等を含有する層であることが好ましい。
正孔注入層及び正孔輸送層の厚さは、駆動電圧を下げるという観点から、各々500nm以下であることが好ましい。
正孔輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜200nmであるのが更に好ましい。また、正孔注入層の厚さとしては、0.1nm〜200nmであるのが好ましく、0.5nm〜200nmであるのがより好ましく、1nm〜200nmであるのが更に好ましい。
正孔注入層及び正孔輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
−電子注入層、電子輸送層−
電子注入層及び電子輸送層は、陰極24又は陰極側から電子を受け取り、陽極側に輸送する機能を有する層である。電子注入層及び電子輸送層は、具体的には、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体、等を含有する層であることが好ましい。
電子注入層及び電子輸送層の厚さは、駆動電圧を下げるという観点から、各々500nm以下であることが好ましい。
電子輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。また、電子注入層の厚さとしては、0.1nm〜200nmであるのが好ましく、0.2nm〜100nmであるのがより好ましく、0.5nm〜50nmであるのが更に好ましい。
電子注入層及び電子輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
−正孔ブロック層−
正孔ブロック層は、陽極側から発光層に輸送された正孔が、陰極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。発光層と陰極側で隣接する正孔ブロック層を設けることができる。
正孔ブロック層を構成する有機化合物の例としては、BAlq等のアルミニウム錯体、トリアゾール誘導体、BCP等のフェナントロリン誘導体、等が挙げられる。
正孔ブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
正孔ブロック層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
<陰極及び引出配線>
有機EL層18上には、陽極14と直交するように陰極24がストライプ状に形成されている。
陰極24は、通常、有機EL層18に電子を注入する電極としての機能を有し、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光装置の用途、目的等に応じて公知の電極材料の中から適宜選択することができる。陰極24を構成する材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物などが挙げられる。具体例としてアルカリ金属(たとえば、Li、Na、K、Cs等)、アルカリ土類金属(たとえばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点から、2種以上を好適に併用することができる。
これらの中でも、陰極24を構成する材料としては、電子注入性の点で、アルカリ金属やアルカリ土類金属が好ましく、保存安定性に優れる点でアルミニウムを主体とする材料が好ましい。アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、アルミニウムと0.01〜10質量%のアルカリ金属又はアルカリ土類金属との合金若しくはこれらの混合物(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)をいう。
なお、陰極24の材料については、例えば、特開平2−15595号公報及び特開平5−121172号公報に詳述されており、これらの公報に記載の材料は本発明においても適用することができる。
陰極24の形成方法については特に制限はなく、公知の方法に従って形成することができる。例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD法、プラズマCVD法等の化学的方式などの中から、陰極を構成する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って形成することができる。例えば、陰極の材料として金属等を選択する場合には、その1種又は2種以上を同時又は順次にスパッタ法等に従って陰極を形成することができる。
陰極24を形成するに際してのパターニングは、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよく、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等によって行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
陰極用の引出配線26も陰極24と同様の材料を用いて同様の方法により形成することができるが、陰極24を形成する際に同時に形成することもできる。陰極24と陰極用の引出配線26を同時にパターニングすれば、工数を減らすことができるとともに、各陰極24に確実に接続した引出配線26を形成することができる。
陰極24の形成位置は特に制限はなく、有機EL層18上の全体に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。
また、陰極24と有機EL層18との間に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物、酸化物等による誘電体層を0.1〜5nmの厚みで形成してもよい。この誘電体層は、一種の電子注入層と解することもできる。誘電体層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により形成することができる。
陰極24の厚みは、陰極24を構成する材料により適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常10nm〜5μm程度であり、50nm〜1μmが好ましい。
また、陰極24は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。なお、透明な陰極24とする場合は、陰極24の材料を1〜10nmの厚さに薄く成膜し、特にITOやIZO等の透明な導電性材料を積層することにより形成することができる。
<保護層>
発光素子20は、保護層によって保護されていてもよい。保護層を構成する材料としては、水分や酸素等、素子劣化を促進する要素が素子内部に侵入することを抑制する機能を有しているものを使用することができる。具体例として、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO2、Al23、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe23、Y23、TiO2等の金属酸化物、SiN、SiNxOy等の金属窒化物、MgF2、LiF、AlF3、CaF2等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
保護層の形成方法は特に限定されず、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コーティング法、印刷法、転写法を適用できる。
<無機酸化物を含む絶縁層>
基板12上に発光素子20、引出配線16,26等を形成した後、発光素子20の周囲に無機酸化物を含む絶縁層30を形成する。図4(A)〜(C)は、発光素子20の周囲に形成した無機酸化物を含む絶縁層30の例を概略的に示している。基板12上に1つの発光素子20が形成されている場合には、無機酸化物を含む絶縁層30は、その発光素子20を囲むように形成する(図4(A))。一方、基板12上に複数の発光素子20が形成されている場合には、通常は発光素子20が形成されている領域全体を囲むように形成するが(図4(B))、発光素子20を個々に囲むように形成してもよい(図4(C))。いずれにせよ、発光素子20の周囲において接着剤を介して封止部材34を接着させる領域に無機酸化物を含む絶縁層30を形成する。
この層30に含まれる無機酸化物としては、例えば、SiO、SiO、SiNxOy等が挙げられる。
このような無機酸化物を含む絶縁層30を形成する方法としては、例えば、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法等が挙げられる。なお、無機酸化物を含む絶縁層30は、通常、発光素子20の周囲において接着剤を塗布する位置に形成するが、特にプラスチック製の基板や封止部材を用いると伸びが生じる場合もあるので、この場合、基板や封止部材の伸びを考慮して形成することが好ましい。
無機酸化物を含む層30の厚みは、そこに接着させる封止部材34の形状等にもよるが、封止部材34との間で強い接着力を確保すること、封止部材34と発光素子20との間に適度な空間を確保すること等を考慮し、好ましくは1nm〜10μmであり、より好ましくは100nm〜5μmである。
このように発光素子20の周囲に無機酸化物を含む絶縁層30を形成することで、図2および図3に示されるように、発光素子20の周囲において引出配線16,26が形成されていない部分では基板12の表面上に、引出配線16,26が形成されている部分では引出配線16,26上にそれぞれ無機酸化物を含む絶縁層30が形成される。
<封止>
発光素子20の周囲に無機酸化物を含む層30を形成した後、無機酸化物を含む層30と封止部材34との間に接着剤32を付与して接着を行う。
封止部材34の材質は特に限定されず、ガラス、金属、樹脂フィルム等の公知の材料からなる封止部材34を用いることができる。
一方、接着剤32としては、封止部材34を接着するために使用されている公知の材料を使用することができ、例えば、UV硬化性樹脂ではナガセケムテックス製XNR−5516等を用いることができる。
例えば、発光素子20の周囲に形成した無機酸化物を含む絶縁層30にUV硬化性樹脂を塗布し、封止部材34を貼り合せてUVを照射することにより接着させる。あるいは、封止部材34の接着させる部分にUV硬化性樹脂を塗布し、基板12上の無機酸化物を含む絶縁層30に貼り合せて接着させてもよい。いずれにせよ、封止部材34と、基板12上の発光素子20の周囲に形成した無機酸化物を含む絶縁層30との間に接着剤32を設け、この接着剤32を介して封止部材34を接着させる。これにより基板12上の封止部材34と接着する部分には引出配線16,26上にも無機酸化物を含む絶縁層30が形成されているため、接着剤32の接着性が高まり、封止部材34は基板12上の無機酸化物を含む絶縁層30と接着剤32を介して強く接着する。なお、基板12上の発光素子20の周囲に形成する無機酸化物を含む絶縁層30や接着剤32の厚みを調整し、封止部材34と発光素子20との間に空間を設けて、乾燥剤、不活性気体、不活性液体等を封入することもできる。
引出配線16,26にそれぞれ外部の配線(不図示)を接続し、陽極14と陰極24との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜15ボルト)、又は直流電流を印加することにより、発光素子(有機EL素子)20を発光させることができる。なお、発光素子20の駆動方法については、特開平2−148687号、同6−301355号、同5−29080号、同7−134558号、同8−234685号、同8−241047号の各公報、特許第2784615号、米国特許5828429号、同6023308号の各明細書、等に記載の駆動方法を適用することができる。
以上のような工程を経て、封止部材34が、発光素子20の周囲に形成されている無機酸化物を含む絶縁層30との間に設けられた接着剤32を介して接着した発光装置10を製造することができる。このように製造された発光装置10であれば、封止部材34と基板12との接着部分から大気中の酸素や水分が侵入することが効果的に防止され、これにより発光画素の縮退や、電極、有機EL層等の劣化が大幅に抑制されて長寿命化を図ることができる。
[第2の態様]
図5は、本発明に係る発光装置の第2の態様の断面を概略的に示している。この発光装置40では、プラスチック製の基材46の片面に大気中の酸素や水分の侵入を防ぐためのバリア層42を形成した封止部材48が用いられている。このようなバリア層42を有することで、水分等が封止部材48を透過することを極めて抑制することができる。
封止部材48のバリア層42側にはさらに無機酸化絶縁膜44が形成されており、基板12に形成された無機酸化絶縁膜30と、封止部材48に形成された無機酸化絶縁膜44との間に接着剤32が設けられて封止部材48と基板12とが接着している。このように封止部材側にも少なくとも接着剤32と接する部分に無機酸化絶縁膜44を設けて接着すれば、基板側だけでなく、封止部材側でも接着剤32との接着力が高められ、大気中の酸素や水分の侵入をより確実に防止することができ、発光素子20の劣化を一層抑制することができる。
[第3の態様]
図6は、本発明に係る発光装置の第3の態様の断面を概略的に示している。この発光装置50では、キャップ状の封止部材(封止キャップ)52が設けられており、封止キャップ52の縁が、基板12上の発光素子20の周囲に形成された無機酸化物を含む絶縁層30上の接着剤32を介して接着している。このような封止キャップ52を接着すれば、基板12上の無機酸化物を含む絶縁層30との間に設けられた接着剤32を介して強く接着するとともに、封止部材52と発光素子20との間に確実に空間を設けることができ、不活性ガス又は不活性液体を充填して酸素や水分による発光素子20の劣化をより効果的に防止することができる。なお、不活性ガスとしては、例えばアルゴン、窒素等が挙げられ、不活性液体としては、例えば、パラフィン類、流動パラフィン類、パーフルオロアルカンやパーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、シリコーンオイル類が挙げられる。
また、図7に示すように封止キャップ52と発光素子20との間の空間に水分吸収剤(乾燥剤)54を封入してもよい。
水分吸収剤54としては、特に限定されることはないが、例えば、酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化燐、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、酸化マグネシウム等を挙げることができる。
封止部材52と発光素子20との間の空間に上記のような水分吸収剤54を設けた発光装置であれば、封止部材52が、基板12上の無機酸化物を含む絶縁層30との間に設けた接着剤30を介して強く接着されているため水分が侵入し難い上、時間の経過とともに多少の水分が侵入しても水分吸収剤54によって吸収されるため、発光素子20の劣化を極めて効果的に抑制することができる。
以上本発明について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、図8に示すように発光素子全体とその周囲を覆うように無機酸化物を含む絶縁層30を形成し、封止部材34と、発光素子の周囲に形成されている無機酸化物を含む層30との間に接着剤32を設けて接着してもよい。
また、本発明に係る発光装置の用途は特に限定されるものではなく、例えば、照明装置のほか、テレビ、パーソナルコンピュータ、携帯電話、電子ペーパ等の表示装置とすることができる。
本発明に係る発光装置の一例(第1の態様)を示す概略平面図である。 図1におけるA−A´線概略断面図である。 図1におけるB−B´線概略断面図である。 発光素子の周囲に形成された無機酸化物を含む層の例を示す概略平面図である。 本発明に係る発光装置の他の例(第2の態様)を示す概略断面図である。 本発明に係る発光装置の他の例(第3の態様)を示す概略断面図である。 封止部材と発光素子との間の空間に水分吸収剤を設けた例を示す概略断面図である。 本発明に係る発光装置のさらに他の例を示す概略断面図である。 有機EL素子の構成の一例を示す概略図である。 従来の発光装置の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
10・・・発光装置
12・・・基板
14・・・陽極
16・・・陽極用引出配線
18・・・有機EL層
20・・・発光素子
24・・・陰極
26・・・陰極用引出配線
30・・・無機酸化物を含む絶縁層
32・・・接着剤
34・・・封止部材

Claims (4)

  1. 基板と、該基板上の厚さ方向に積層された一対の電極間に有機エレクトロルミネッセンス層を有する発光素子と、前記基板上に形成され、前記発光素子の一対の電極とそれぞれ接続する引出配線と、前記発光素子を封止する封止部材と、を備え、前記基板上の少なくとも前記発光素子の周囲に無機酸化物を含む絶縁層が形成されており、前記封止部材が、前記発光素子の周囲を囲むように前記基板上および引出配線上に形成されている前記無機酸化物を含む絶縁層との間に設けられた接着剤を介して接着していることを特徴とする発光装置。
  2. 前記封止部材の少なくとも前記接着剤と接する部分に無機酸化物を含む絶縁層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記封止部材が、プラスチック製の基材にバリア層を設けたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発光装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の発光装置であって、データラインと走査ラインの電気的交点に発光素子を配置したことを特徴とする単純マトリクス型発光装置。
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