JP2003187960A - El表示装置 - Google Patents

El表示装置

Info

Publication number
JP2003187960A
JP2003187960A JP2001380225A JP2001380225A JP2003187960A JP 2003187960 A JP2003187960 A JP 2003187960A JP 2001380225 A JP2001380225 A JP 2001380225A JP 2001380225 A JP2001380225 A JP 2001380225A JP 2003187960 A JP2003187960 A JP 2003187960A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
sealing member
film
glass
light emitting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001380225A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3991672B2 (ja
Inventor
Harumi Suzuki
晴視 鈴木
Kenichi Sakai
賢一 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2001380225A priority Critical patent/JP3991672B2/ja
Publication of JP2003187960A publication Critical patent/JP2003187960A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3991672B2 publication Critical patent/JP3991672B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板の一面側に、EL材料からなる発光層を
含む発光部を形成し、この発光部を封止するための封止
部材やフィルタを、接着剤を介して基板に接着してなる
EL表示装置において、封止部材の接着部の剥がれを適
切に防止する。 【解決手段】 ガラス基板10の一面側に形成された発
光部50と、発光部50を封止するように基板10の一
面に接着剤110を介して接着されたガラスからなる封
止部材100とを備えるEL表示装置S1において、封
止部材100の接着面には、封止部材100を構成する
ガラス中のアルカリイオンの溶出を防止する厚さ1μm
以下のスズ等からなる膜130が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板の一面側に、
EL材料からなる発光層を含む発光部を形成してなるE
L(エレクトロルミネッセンス)表示装置に関し、特
に、この発光部を封止する封止部材を基板の一面に接着
剤を介して接着したり、あるいは、発光部の光が取り出
される基板の面に接着剤を介してフィルタ等を接着して
なるEL表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】EL表示装置は自己発光のため、視認性
に優れ、薄膜型ディスプレイ、照明、バックライトとし
ての活用が期待されている。EL表示装置としては、発
光層が有機EL材料からなる有機EL表示装置と、発光
層が無機EL材料からなる無機EL表示装置とに大別さ
れる。
【0003】従来、EL表示装置においては、作動時の
環境中の水分等によって発光部中に、ダークスポットと
呼ばれる非発光部が形成されるという問題がある。そこ
で、金属やガラス等からなる封止部材を用いて、基板上
の発光部を覆うように封止部材を基板上に接着剤を介し
て接着することにより、発光部を封止して上記ダークス
ポットを防止するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】例えば、有機EL表示
装置の場合、封止部材としてステンレス缶や彫り込みガ
ラス等の封止缶を用いて、基板上の発光部の外周を紫外
線硬化型の接着剤で封止するようにしている。この場
合、封止された封止缶の内部すなわち中空部分には乾燥
窒素ガスを封入し、かつ酸化バリウム等の吸湿剤を保持
することで外部から侵入してくる水分を吸着している。
【0005】しかし、ステンレス等の金属製の封止缶の
場合、絞り加工で形成された封止缶の平面度は例えば
0.3mm程度と悪いために、封止缶における封止部の
断面の厚さが厚くなりその断面積が増えることで、透過
する水分量が増加したり、封止缶の接着面に隙間ができ
やすくなる。
【0006】その結果として、外部から封止缶へ侵入す
る水分が多くなり、吸湿剤の能力が不足することによっ
て上記したダークスポットと呼ばれる非発光部が形成さ
れやすくなる。
【0007】これに対して、封止缶として平面度の高い
彫り込みガラスを用いれることとなるが、この場合に
は、低コスト化のためにアルカリ成分を含有するソーダ
ガラスが用いられることが多い。このような場合、高温
高湿環境において、封止缶と接着剤との界面で剥がれが
発生するといった問題が生じる。
【0008】一方、無機EL表示装置の場合において
は、機械的保護を目的として透明なガラス板を封止部材
として用い、そのガラス板の全面に接着剤を配して発光
部を含む基板の一面上に接着するようにしているが、こ
の場合も、封止部材と接着剤との界面で剥がれが発生す
るといった問題が生じる。
【0009】さらに、従来のEL表示装置においては、
例えば、ガラス基板における発光部が形成された側の面
とは反対側の面から光を取り出すような場合、このガラ
ス基板の光取り出し面に、光学的な反射防止用のフィル
タを接着することがある。しかし、このような場合にお
いても、フィルタの接着面が剥がれたり、接着部が白濁
するなどの問題が生じる。
【0010】本発明は上記問題に鑑みて、基板の一面側
に、EL材料からなる発光層を含む発光部が形成される
とともに、この発光部を封止するための封止部材や光取
り出し側に設けられるフィルタを備えるるEL表示装置
において、封止部材またはフィルタの接着部の剥がれを
適切に防止することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記目的を
達成するため、鋭意検討を行った。その結果、接着剤に
よる接着部の剥がれや白濁の原因が、基板や封止部材を
構成するガラス中に含まれるナトリウム等のアルカリイ
オンが溶出することにあることを見出した。
【0012】具体的に、剥がれのメカニズムとしては、
溶出してきたアルカリイオンにより接着剤とガラスとの
結合(一般には、水素結合や分子間力)が分断されるこ
とを見出した。また、白濁のメカニズムとしては、溶出
してきたアルカリイオンが水分と反応して例えば炭酸ナ
トリウム等が析出することを見出した。
【0013】そこで、本発明者等は、ガラスからなる
基板や封止部材における封止用接着剤との界面すなわち
接着面や、ガラスからなる基板における光取り出し面に
対してアルカリイオンの溶出を抑制する物質を形成する
こと、基板や封止部材自体をアルカリ成分が少ないガ
ラスから構成すること、以上の2点に着目し、以下の解
決手段を創出するに至った。
【0014】すなわち、請求項1に記載の発明では、基
板(10)と、基板の一面側に形成されEL材料からな
る発光層を含む発光部(50)と、発光部を封止するよ
うに基板の一面に接着剤(110)を介して接着された
ガラスからなる封止部材(100)とを備えるEL表示
装置において、封止部材の接着面には、封止部材を構成
するガラス中のアルカリイオンの溶出を防止する厚さ1
μm以下の膜(130)が形成されていることを特徴と
する。
【0015】本発明は、封止部材(100)がガラスか
らなる場合であり、この封止部材の接着面に、封止部材
を構成するガラス中のアルカリイオンの溶出を防止する
厚さ1μm以下の膜(130)が形成されているため、
封止部材の接着面からはアルカリイオンが溶出すること
がない。また、本発明者等の検討によれば、この膜は最
大でも1μm以下の厚さであれば、アルカリイオンの溶
出防止を十分に実現することができる。
【0016】このように、本発明によれば、封止部材を
構成するガラスと接着剤との結合が、上記アルカリイオ
ンによって分断されることがないため、封止部材の接着
部の剥がれを適切に防止することができる。
【0017】ここで、請求項2に記載の発明のように、
封止部材(100)がソーダガラスからなる場合、封止
部材の接着面に形成される膜(130)は、当該ソーダ
ガラスの製造工程にて付着するスズからなる膜を用いる
ことができる。
【0018】ソーダガラスの製造は、フロート法によっ
て行われる。すなわち、液状のガラス素材すなわち液化
ガラスを、スズが浮いている液体の上に浮かせて板状の
ガラスを製造するものである。そのため、できあがった
ソーダガラスの一面には、この製造工程において付着す
るスズの膜が形成される。
【0019】本発明者等の検討によれば、このスズの膜
が上記したアルカリイオンの溶出防止を行う膜として機
能することを見出した。このことについて、具体的な検
討結果を図2に示す。
【0020】図2は、上記ソーダガラスの製造方法によ
って製造されたソーダガラス板におけるスズの膜が形成
された面すなわちSn面と、このソーダガラス板におけ
るSn面とは反対側の面すなわちスズの膜が形成されて
いない面(これをTOP面という)とについて、表面か
らの距離すなわち表面から厚さ方向への深さに対するナ
トリウム(Na)の比率を元素分析により測定したもの
である。
【0021】図2中、一点鎖線にて示すグラフ線がSn
面に対するNa比率の測定結果、破線にて示すグラフ線
がTOP面に対するNa比率の測定結果を示す。また、
図2中、実線にて示すグラフ線はSn面に対するSnの
比率を示すもので、図2の縦軸は、これらNa比率およ
びSn比率の共通の目盛りとして用いられている。
【0022】図2に示されるように、ソーダガラス板の
Sn面の表面部分は、TOP面に比べてNaすなわちア
ルカリイオンが少なく、代わりにスズの比率が高い。そ
こで、ソーダガラスからなる封止部材を構成した場合、
このSn面を接着面とすれば、当該接着面からアルカリ
イオンの溶出を極力抑制することができる。
【0023】また、本発明者等の検討によれば、請求項
3に記載の発明のように、封止部材(100)の接着面
に形成される膜(130)としては、厚さが1nmから
1μmの絶縁性無機材料からなる膜を用いても良い。そ
れによっても、請求項1の発明の効果を実現することが
できる。
【0024】ちなみに、特開2000−3782号公報
には、基板と封止用部材との間にSiO2をスペーサと
して機能するほど厚く形成するという技術が提案されて
いる。上記膜は、この公報程度に厚く形成しても効果を
発揮するものではあるが、あまり厚いとコストアップに
つながるため、可能な限り薄い方が好ましい。
【0025】本発明者等の検討では、上記絶縁性無機材
料からなる膜(130)の厚さが、スペーサとして機能
するほど厚くなくとも良く、厚さが1nmから1μmで
あればアルカリイオンの溶出防止効果を十分に発揮でき
ることがわかった。
【0026】また、請求項4に記載の発明では、基板
(10)と、基板の一面側に形成され、EL材料からな
る発光層を含む発光部(50)と、発光部を封止するよ
うに基板の一面に接着剤(110)を介して接着された
封止部材(100)とを備えるEL表示装置において、
封止部材は、アルカリ成分を含まないノンアルカリのガ
ラスからなるものであることを特徴とする。
【0027】本発明は、封止部材(100)自体をアル
カリ成分が少ないガラスから構成することに着目してな
されたもので、封止部材を、アルカリ成分を含まないノ
ンアルカリのガラスから構成しているため、封止部材の
接着面からアルカリイオンが溶出することがない。
【0028】そのため、本発明によっても、封止部材を
構成するガラスと接着剤との結合が、上記アルカリイオ
ンによって分断されることがないため、封止部材の接着
部の剥がれを適切に防止することができる。
【0029】また、請求項5に記載の発明では、ガラス
からなる基板(10)と、基板の一面側に形成されEL
材料からなる発光層を含む発光部(50)と、発光部を
封止するように基板の一面に接着剤(110)を介して
接着された封止部材(100)とを備えるEL表示装置
において、基板における封止部材との接着面には、基板
を構成するガラス中のアルカリイオンの溶出を防止する
厚さ1μm以下の膜が形成されていることを特徴とす
る。
【0030】本発明は、発光部(50)が形成されてい
る基板(10)がガラスからなる場合であり、この基板
の接着面に、基板を構成するガラス中のアルカリイオン
の溶出を防止する厚さ1μm以下の膜が形成されている
ため、基板の接着面からのアルカリイオンの溶出防止を
十分に実現することができる。
【0031】よって、本発明によれば、基板を構成する
ガラスと接着剤との結合が、上記アルカリイオンによっ
て分断されることがないため、封止部材の接着部の剥が
れを適切に防止することができる。
【0032】また、請求項5の発明においては、上記請
求項3の発明と同様の理由から、請求項6に記載の発明
のように、基板(10)における封止部材(100)と
の接着面に形成される膜としては、厚さが1nmから1
μmの絶縁性無機材料からなる膜を用いることができ
る。
【0033】また、請求項7に記載の発明では、基板
(10)と、基板の一面側に形成されEL材料からなる
発光層を含む発光部(50)と、発光部を封止するよう
に基板の一面に接着剤(110)を介して接着された封
止部材(100)とを備えるEL表示装置において、基
板は、アルカリ成分を含まないノンアルカリのガラスか
らなるものであることを特徴とする。
【0034】本発明によれば、発光部が形成される基板
(10)自体をアルカリ成分が少ないガラスから構成す
ることに着目してなされたもので、基板を、アルカリ成
分を含まないノンアルカリのガラスから構成しているた
め、基板の接着面からアルカリイオンが溶出することが
ない。
【0035】そのため、本発明によっても、基板を構成
するガラスと接着剤との結合が、上記アルカリイオンに
よって分断されることがないため、封止部材の接着部の
剥がれを適切に防止することができる。
【0036】また、請求項8に記載の発明では、透明な
ガラスからなる基板(10)と、基板の一面側に形成さ
れEL材料からなる発光層を含む発光部(50)とを備
えるEL表示装置において、基板における発光部の光を
取り出す光取り出し面には、基板を構成するガラス中の
アルカリイオンの溶出を防止する厚さ1μm以下の膜
(220)が形成されていることを特徴とする。
【0037】本発明のようなEL表示装置の場合、ガラ
スからなる基板(10)において発光部(50)の光を
取り出す光取り出し面には、上記した反射防止用のフィ
ルタや偏光フィルタやカラーフィルタといったフィルタ
(200)を接着剤を介して接着することが多い。
【0038】そして、本発明では、この基板の光取り出
し面に、基板を構成するガラス中のアルカリイオンの溶
出を防止する厚さ1μm以下の膜(220)が形成され
ているため、基板の光取り出し面にフィルタを接着する
場合、当該光取り出し面すなわち基板におけるフィルタ
との接着面からのアルカリイオンの溶出防止を十分に実
現することができる。
【0039】よって、本発明によれば、基板を構成する
ガラスと接着剤との結合が、上記アルカリイオンによっ
て分断されることがないため、フィルタの接着部の剥が
れを適切に防止することができる。また、フィルタの接
着部の白濁も適切に防止することができる。
【0040】また、請求項8の発明においても、上記請
求項2や請求項3の発明と同様の理由から、請求項9に
記載の発明のように、基板(10)がソーダガラスから
なる場合、基板の光取り出し面に形成される膜(22
0)としては、ソーダガラスの製造工程にて付着するス
ズからなる膜を用いることができる。
【0041】また、請求項10に記載の発明のように、
基板(10)の光取り出し面に形成される膜(220)
としては、厚さが1nmから1μmの絶縁性無機材料か
らなる膜を用いることができる。
【0042】また、請求項11に記載の発明では、基板
(10)と、基板の一面側に形成され、EL材料からな
る発光層を含む発光部(50)と、発光部を封止するよ
うに基板の一面に接着剤(110)を介して接着された
透明なガラスからなる封止部材(100)とを備え、発
光部の光を封止部材を通過して取り出すようにしたEL
表示装置において、封止部材の光取り出し面(101)
には、封止部材を構成するガラス中のアルカリイオンの
溶出を防止する厚さ1μm以下の膜(131)が形成さ
れていることを特徴とする。
【0043】本発明は、EL発光部が形成された基板
(10)側でなく、透明ガラスからなる封止部材(10
0)を通過させて発光部の光を取り出すものである。そ
のため、封止部材の光取り出し面(101)には、上記
した反射防止用のフィルタや偏光フィルタやカラーフィ
ルタといったフィルタ(200)を接着剤を介して接着
することが多い。
【0044】そして、本発明では、この封止部材の光取
り出し面に、封止部材を構成するガラス中のアルカリイ
オンの溶出を防止する厚さ1μm以下の膜(131)が
形成されているため、封止部材の光取り出し面にフィル
タを接着する場合、当該光取り出し面すなわち封止部材
におけるフィルタとの接着面からのアルカリイオンの溶
出防止を十分に実現することができる。
【0045】よって、本発明によれば、封止部材を構成
するガラスと接着剤との結合が、上記アルカリイオンに
よって分断されることがないため、フィルタの接着部の
剥がれを適切に防止することができる。また、フィルタ
の接着部の白濁も適切に防止することができる。
【0046】また、請求項11の発明においても、上記
請求項2や請求項3の発明と同様の理由から、請求項1
2に記載の発明のように、封止部材(100)がソーダ
ガラスからなる場合、封止部材の光取り出し面(10
1)に形成される膜(131)は、ソーダガラスの製造
工程にて付着するスズからなる膜を用いることができ
る。
【0047】また、請求項13に記載の発明のように、
封止部材(100)の光取り出し面(101)に形成さ
れる膜(131)は、厚さが1nmから1μmの絶縁性
無機材料からなる膜を用いることができる。
【0048】ここにおいて、上記各手段における膜(1
30、131、220)は、上記した各接着面や各光取
り出し面に、均一に形成された膜でも良いし、部分的に
島状に形成された膜であっても良い。
【0049】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一
例である。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。なお、以下の各実施形態相互におい
て、同一部分には図中、同一符号を付して説明を簡略化
することとする。
【0051】(第1実施形態)図1は、本発明の第1実
施形態に係る有機EL表示装置S1の概略断面構成を示
す図である。
【0052】図1において、ガラス基板10は本発明で
いう基板であり、この基板10の一面上には、図示しな
いが、スパッタ法やコーティング法等により成膜された
厚さ10nm程度のSiO2膜が形成されている。以
下、このSiO2膜を基板側SiO2膜ということとす
る。
【0053】基板側SiO2膜の上には、透明電極材料
からなる陽極としての下部電極20が形成されている。
本例では、図中の左右方向に延びる複数本の下部電極2
0がストライプ状に形成されており、下部電極20の間
は上記基板側SiO2膜にて覆われている。また、本例
では、この下部電極20は、スパッタ法等により成膜さ
れた厚さ150nm程度のITO(インジウムとスズの
酸化物)からなる透明電極としている。
【0054】この下部電極20の上には、有機EL材料
を含む有機層30および陰極としての上部電極40が形
成されている。これら有機層30および上部電極40
は、本例では、下部電極20のストライプ方向と直交す
る方向すなわち図中の紙面垂直方向へ延びるストライプ
形状をなしている。
【0055】本例では、有機層30は、下部電極20側
から、α−ナフチルフェニルベンゼンからなる正孔輸送
層、1%のクマリンがドープされたAlq(8−ヒドロ
キシキノリンのアルミニウム錯体)からなる発光層、A
lqからなる電子輸送層が、蒸着法等によって順次成膜
され積層されたものである。また、上部電極40は、有
機層30側からLiF、Alが、蒸着法等によって順次
成膜され積層された2層構造のものである。
【0056】こうして、下部電極20と有機層30およ
び上部電極40とが交差して重なり合う部分が発光部5
0として構成されている。つまり、基板10の平面にて
みた場合、複数個の発光部50が画素として格子状に配
列された形となっている。そして、発光部50において
は、下部電極20と上部電極40との間に電界を印加す
ることによって、有機層30中の上記発光層が発光する
ようになっている。
【0057】本例においては、このEL表示装置S1は
ガラス基板10の他面側から取り出され、その発光特性
としては、10Vの印加電圧にて5000cd/m2
高輝度な緑色発光が得られた。
【0058】また、本第1実施形態では、図1に示すよ
うに、ガラス基板10の一面上には、発光部50を覆う
ようにガラスからなる封止部材100が、紫外線硬化型
のエポキシ系樹脂等からなる接着剤110を介して接着
されている。それによって、封止部材100の内部の発
光部50は封止され、外部から保護されている。
【0059】ここで、本例では、封止部材100は、ソ
ーダガラスからなる彫り込みガラスからなり、彫り込み
部が中空部を形成している。この中空部内には、乾燥窒
素ガスが封入され、かつ酸化バリウム等の吸湿剤120
が保持されており、それにより、外部から侵入してくる
水分を吸着するようにしている。
【0060】そして、封止部材100においては、その
接着面に、封止部材100を構成するガラス中のアルカ
リイオンの溶出を防止する厚さ1μm以下の膜130が
形成されている。以下、この厚さ1μm以下の膜130
をイオン溶出防止膜130ということとする。
【0061】本例のソーダガラスからなる封止部材10
0は、「手段」の欄にも述べたように、フロート法にて
製造することができる。すなわち、液状のガラス素材す
なわち液化ガラスを、スズが浮いている液体の上に浮か
せて板状のガラスを製造する。そして、できあがったソ
ーダガラス板においてスズの膜が付着している側の面す
なわちSn面を彫り込んで封止部材100を形成する。
【0062】そのため、本例の封止部材100において
は、その接着面はSn面であり、上記スズの膜からなる
イオン溶出防止膜130が形成されたものとなる。この
イオン溶出防止膜130は、上記フロート法によるソー
ダガラスの製造工程において1μm以下の厚さにて形成
される。
【0063】「手段」の欄にて上述したが、上記図2に
示すように、ソーダガラス板のSn面の表面部分は、T
OP面に比べて表面部分にNaすなわちアルカリイオン
が少なく、代わりにスズの比率が高い。
【0064】そこで、本例のようにソーダガラスからな
る封止部材100を構成した場合、このSn面を接着面
とすれば、当該接着面は、スズの膜としてのイオン溶出
防止膜130によって被覆された形となり、当該接着面
からのアルカリイオンの溶出を極力抑制することができ
る。
【0065】したがって、この最大でも1μm以下の厚
さ程度のイオン溶出防止膜130を設けることにより、
封止部材100の接着面からはNa等のアルカリイオン
が溶出することがない。そのため、封止部材100を構
成するガラスと接着剤110との結合が、上記アルカリ
イオンによって分断されることがないため、封止部材1
00の接着部の剥がれを適切に防止することができる。
【0066】実際に、スズの膜からなるイオン溶出防止
膜130が接着面に形成された本例の封止部材100を
用いたEL表示装置S1について、65℃、95%RH
の高温高湿環境にて作動試験を行ったところ、1000
時間以上経過しても封止部材100の接着部の剥がれは
無く、また、ダークスポットの進行も防止することがで
きた。
【0067】比較例として、ソーダガラスからなる封止
部材100において、上記製造工程にて形成されたSn
面とは反対側のTOP面側に対して彫り込みを行い、こ
のTOP面にてガラス基板10と接着したEL表示装置
S1について、上記した高温高湿環境にて作動試験を行
ったところ、250時間程度で封止部材100の接着部
の剥がれが生じた。
【0068】図3は、上記した本例のEL表示装置S1
(図中、第1実施形態として示す)と上記した比較例に
ついて、上記した高温高湿環境下に放置した時間と封止
部材100の接着強度との関係を示す図である。
【0069】比較例では、接着強度が200時間程度で
著しく低下したのに対し、スズの膜からなるイオン溶出
防止膜130が接着面に形成された本例の封止部材10
0を用いたEL表示装置S1では、1000時間以上経
過しても接着強度の低下は見られなかった。
【0070】なお、上記した高温高湿環境における作動
試験および上記図3に示した接着強度の測定において
は、封止部材100とガラス基板10とを接着する接着
剤110として、紫外線硬化型のエポキシ系樹脂からな
る接着剤を用いた。しかし、同様の違いが、熱硬化型の
エポキシ系接着剤やアクリル系接着剤など、使用可能な
すべての接着剤でも確認できている。
【0071】なお、本実施形態の第1の変形例として、
ソーダガラスからなる封止部材100において、上記製
造工程にて形成されたSn面とは反対側のTOP面側に
対して彫り込みを行い、このTOP面を接着面とした場
合には、当該接着面に、スパッタ法やコーティング法等
により、厚さが1nmから1μmのSiO2膜等からな
る絶縁性無機材料の膜を形成し、これをイオン溶出防止
膜130とすれば良い。
【0072】ここで、コーティング法とは、溶融したS
iO2等に、封止部材100の接着面を浸漬して付着さ
せる方法である。この絶縁性無機材料からなるイオン溶
出防止膜130の場合、好ましくは厚さ10nm程度と
することができる。そして、この変形例においても、上
記したスズの膜からなるイオン溶出防止膜130の場合
と同様の効果が得られる。
【0073】このように、本第1実施形態では、ガラス
からなる封止部材100において、その接着面に、スズ
の膜やSiO2膜等の絶縁性無機材料の膜からなるイオ
ン溶出防止膜130を形成することにより、封止部材1
00の接着部の剥がれを適切に防止し、信頼性の高いE
L表示装置S1を実現することができる。
【0074】また、上述したように本第1実施形態で
は、ガラス基板10の一面には、スパッタ法やコーティ
ング法等により成膜された基板側SiO2膜が形成され
ている。そのため、ガラス基板10における下部電極2
0の間の面すなわちガラス基板10における封止部材1
00との接着面においては、この基板側SiO2膜によ
って接着剤110を介して封止部材100と接着されて
いる。
【0075】この基板側SiO2膜は、厚さを1μm以
下とすることにより、上述した封止部材100の接着面
に形成されたイオン溶出防止膜130としてのSiO2
膜と同様の効果を持つ。
【0076】つまり、ガラス基板10における封止部材
100との接着面に、ガラス基板10を構成するガラス
中のアルカリイオンの溶出を防止する厚さ1μm以下の
膜としての基板側SiO2膜が形成されているため、ガ
ラス基板10の接着面からのアルカリイオンの溶出防止
を十分に実現することができる。
【0077】よって、本第1実施形態においては、上記
した封止部材100におけるイオン溶出防止膜130の
効果に加えて、ガラス基板10の側からのアルカリイオ
ン溶出防止もなされる。なお、ITOからなる下部電極
20と接着剤110との界面では、ITO自体がガラス
基板10のアルカリイオンの溶出を防止する膜として作
用する。
【0078】そのため、封止部材100を構成するガラ
スと接着剤110との結合がアルカリイオンによって分
断されることがないのに加えて、ガラス基板10を構成
するガラスと接着剤110との結合もアルカリイオンに
よって分断されることがないため、封止部材の接着部の
剥がれを適切に防止する効果を、いっそう高レベルなも
のにできる。
【0079】ここで、ガラス基板10の一面に、上記基
板側SiO2膜を形成した後に、下部電極20を形成す
るが、下部電極20の上に有機層30を形成する前に、
平坦性を確保するため下部電極20の表面を研磨するこ
とが通常行われる。ここにおいて、下部電極20のパタ
ーニング後に表面を研磨すると上記基板側SiO2膜が
削れて無くなり、基板10からのアルカリイオンの溶出
を招く。
【0080】そこで、ガラス基板10における下部電極
20の間の面すなわちガラス基板10における封止部材
100との接着面に、適切に上記基板側SiO2膜を形
成するには、下部電極20のパターニング前に研磨を行
ったり、上記基板側SiO2膜を十分に厚く形成してお
くなどの必要がある。
【0081】なお、本第1実施形態の第2の変形例とし
て、封止部材100の接着面にイオン溶出防止膜130
を形成せず、ガラス基板10の一面すなわち接着面に上
記基板側SiO2膜を形成しただけの場合でも良い。
【0082】この場合でも、封止部材100およびガラ
ス基板10のいずれの接着面にも、アルカリイオンの溶
出を防止する膜を施さない構成とした従来の構成に比べ
れば、封止部材の接着部の剥がれを適切に防止する効果
が大きいことは明らかである。
【0083】つまり、この第2の変形例によれば、ガラ
スからなる基板10と、基板10の一面側に形成された
発光部50と、発光部50を封止するように基板10の
一面に接着剤110を介して接着された封止部材100
とを備え、基板10における封止部材100との接着面
には、基板10を構成するガラス中のアルカリイオンの
溶出を防止する厚さ1μm以下の膜が形成されているE
L表示装置が提供される。
【0084】このガラス基板10における封止部材10
0との接着面に形成される膜は、上記基板側SiO2
以外にも、スパッタ法等により成膜された厚さが1nm
から1μmの絶縁性無機材料からなる膜であれば良い。
なお、ガラス基板10における封止部材100との接着
面であるガラス基板10の一面に、上記スズの膜を形成
することは、陽極20を短絡させてしまうので好ましく
ない。
【0085】(第2実施形態)上記第1実施形態は、発
光層が有機EL材料からなる有機EL表示装置S1であ
ったが、本第2実施形態は、発光層が無機EL材料から
なる無機EL表示装置に適用したものである。
【0086】図4は、本発明の第2実施形態に係る無機
EL表示装置S2の概略断面構成を示す図である。図4
において、ガラス基板10の一面上には、ITOからな
るストライプ状の下部電極20が形成されている。
【0087】下部電極20の上には、下部電極20側か
ら、絶縁膜、無機EL材料からなる発光層、絶縁膜が順
次積層されてなる無機層31およびITOからなる上部
電極40が形成されている。そして、これら無機層31
および上部電極40は、上記図1の装置と同様に、下部
電極20のストライプ方向と直交する方向へ延びるスト
ライプ形状をなしている。
【0088】本第2実施形態でも、下部電極20と無機
層31および上部電極40とが交差して重なり合う部分
が発光部50として構成され、複数個の発光部50が画
素として格子状に配列された形となっている。そして、
発光部50においては、下部電極20と上部電極40と
の間に電界を印加することによって、無機層31中の上
記発光層が発光するようになっている。
【0089】そして、本第2実施形態では、図4に示す
ように、板状ガラスからなる封止部材100の一面側の
全面を接着面としており、発光部50を含むガラス基板
10の一面上に配設された接着剤110を介してガラス
基板と接着している。この場合、発光部50は接着剤1
10によって封止され、機械的に保護されている。な
お、本実施形態のような無機EL表示装置においては、
通常、接着剤110は熱硬化型の樹脂からなるものを用
いる。
【0090】ここにおいて、封止部材100の接着面に
は、上記第1実施形態と同様に、ソーダガラス製造工程
で付着するスズの膜やSiO2膜等の絶縁性無機材料の
膜からなる厚さ1μm以下のイオン溶出防止膜130が
形成されており、このイオン溶出防止膜130によって
封止部材100を構成するガラスからのアルカリイオン
の防止がなされている。
【0091】そのため、本第2実施形態によっても、上
記第1実施形態と同様、封止部材100の接着部の剥が
れを適切に防止し、信頼性の高いEL表示装置S2を実
現することができる。なお、本実施形態でも、ガラス基
板10における封止部材100との接着面に、上記基板
側SiO2膜が形成されていても良い。
【0092】(第3実施形態)本発明の第3実施形態
は、上記第1および第2実施形態において、封止部材1
00自体、または、ガラス基板10自体をアルカリ成分
を含まないノンアルカリのガラスから構成したものであ
る。
【0093】つまり、封止部材100自体をノンアルカ
リのガラスから構成した場合は、上記図1や図4に示さ
れるEL表示装置において、封止部材100と接着剤1
10との間にイオン溶出防止膜130が介在しない構成
となる。また、ガラス基板10自体をノンアルカリのガ
ラスから構成した場合は、上記図1や図4に示されるE
L表示装置において、ガラス基板10の一面に上記基板
側SiO2膜が形成されていない構成となる。
【0094】あるいは、上記図1や図4に示されるEL
表示装置において、封止部材100およびガラス基板1
0の両方をノンアルカリのガラスから構成しても良い。
【0095】封止部材100をノンアルカリのガラスか
ら構成すれば、封止部材100の接着面からアルカリイ
オンが溶出することがない。また、ガラス基板10をノ
ンアルカリのガラスから構成すれば、基板10の接着面
からアルカリイオンが溶出することがない。
【0096】そのため、本第3実施形態によっても、封
止部材100を構成するガラスと接着剤110との結合
がアルカリイオンによって分断されることが無くなった
り、基板10を構成するガラスと接着剤110との結合
がアルカリイオンによって分断されることが無くなるた
め、封止部材100の接着部の剥がれを適切に防止する
ことができる。
【0097】なお、上記図1に示す有機EL表示装置に
おいて、封止部材100をノンアルカリガラスで構成し
た場合について、上記図3に示したのと同様の高温高湿
環境下における接着強度の測定を行ったが、上記第1実
施形態と同様の傾向を示した。つまり、本第3実施形態
においても、1000時間以上経過しても接着強度の低
下は見られなかった。
【0098】(第4実施形態)図5は、本発明の第4実
施形態に係る有機EL表示装置S4の概略断面構成を示
す図である。
【0099】本実施形態のEL表示装置S4は、上記図
1に示す有機EL表示装置において、透明なガラス基板
10における光取りだし面である他面に、反射防止用の
フィルタや偏光フィルタやカラーフィルタといったフィ
ルタ200を、粘着テープ等のフィルタ用接着剤(図示
せず)を介して接着したものである。
【0100】そして、ガラス基板10の他面には、ガラ
ス基板10を構成するガラス中のアルカリイオンの溶出
を防止する厚さ1μm以下の膜220が形成されてい
る。このガラス基板10の他面側の膜220は、上記し
たイオン溶出防止膜130と同様に、ソーダガラス製造
工程で付着するスズの膜やSiO2膜等の厚さが1nm
から1μmの絶縁性無機材料の膜からなるもので、その
作用効果も同様である。
【0101】つまり、ガラス基板10の他面(光取り出
し面)すなわちガラス基板10におけるフィルタ200
との接着面に、上記膜220が形成されているため、ガ
ラス基板10の他面からのアルカリイオンの溶出防止を
十分に実現することができる。
【0102】それにより、ガラス基板10を構成するガ
ラスと上記フィルタ用接着剤との結合がアルカリイオン
によって分断されることがないため、フィルタ200の
接着部の剥がれを適切に防止することができる。また、
アルカリイオンにより析出する炭酸ナトリウム等の発生
も防止できるため、フィルタ200の接着部の白濁も適
切に防止することができる。
【0103】ここで、フィルタ200の接着面であるガ
ラス基板10の光取り出し面に、膜220を形成するに
あたっては、次のようにする。一般に、EL用のガラス
基板では、EL発光層を有する面についてスズを研磨で
除去した後、SiO2をつけており、光取り出し面はソ
ーダガラスがむき出しになっていることが多い。
【0104】よって、図5に示すように、ガラス基板1
0の他面側から光取り出しを行う場合には、光取り出し
面であるガラス基板10の他面にスズの膜を残し、これ
を上記膜220とする。
【0105】(第5実施形態)ところで、上記第4実施
形態に示すEL表示装置(図4参照)では、発光部50
が形成されたガラス基板10の側から光を取り出すよう
にしていたが、本第5実施形態では、透明ガラスからな
る封止部材100を通過させて発光部50の光を取り出
すようにしたものである。
【0106】図6は、本発明の第5実施形態に係る有機
EL表示装置S5の概略断面構成を示す図である。具体
的には、本EL表示装置S5は、上記第1実施形態にて
図1に示したEL表示装置S1において、封止部材10
0の光取り出し面101に、上記第4実施形態に示した
のと同様のフィルタ200をフィルタ用接着剤(図示せ
ず)を介して接着したものである。
【0107】このとき、封止部材100の光取り出し面
101には、封止部材100を構成するガラス中のアル
カリイオンの溶出を防止する厚さ1μm以下の膜131
が形成されている。この膜131は、上記したイオン溶
出防止膜130と同様に、ソーダガラス製造工程で付着
するスズの膜やSiO2膜等の厚さが1nmから1μm
の絶縁性無機材料の膜からなるもので、その作用効果も
同様である。
【0108】つまり、封止部材100の光取り出し面1
01すなわち封止部材100におけるフィルタ200と
の接着面に、上記膜131が形成されているため、封止
部材100の光取り出し面101からのアルカリイオン
の溶出防止を十分に実現することができる。
【0109】それにより、封止部材100を構成するガ
ラスと上記フィルタ用接着剤との結合がアルカリイオン
によって分断されることがないため、フィルタ200の
接着部の剥がれを適切に防止することができる。また、
アルカリイオンにより析出する炭酸ナトリウム等の発生
も防止できるため、フィルタ200の接着部の白濁も適
切に防止することができる。
【0110】ここで、本第5実施形態では、封止部材1
00の接着面および光取り出し面101といった互いに
反対に位置する両面に、イオン溶出防止用の膜130、
131が形成されている。
【0111】この場合、例えば、封止部材100の接着
面および光取り出し面101のどちらか一方にSn面を
用い、他方はSiO2膜が形成された面を用いればよ
い。または、封止部材100の接着面および光取り出し
面101の両面にSiO2膜を形成しても良い。それに
よって、スズの膜やSiO2膜が、イオン溶出防止用の
膜130、131として構成される。
【0112】なお、上記第4および第5実施形態は有機
EL表示装置以外にも、無機EL表示装置にも適用でき
ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る有機EL表示装置
の概略断面構成を示す図である。
【図2】ソーダガラス板におけるスズの膜が形成された
Sn面と、Sn面とは反対側のTOP面とについて、表
面からの距離に対するナトリウムやスズの比率を測定し
た結果を示す図である。
【図3】上記第1実施形態のEL表示装置と比較例とに
ついて、高温高湿環境下に放置した時間と封止部材の接
着強度との関係を示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る無機EL表示装置
の概略断面構成を示す図である。
【図5】本発明の第4実施形態に係る有機EL表示装置
の概略断面構成を示す図である。
【図6】本発明の第5実施形態に係る有機EL表示装置
の概略断面構成を示す図である。
【符号の説明】
10…ガラス基板、50…発光部、100…封止部材、
101…封止部材の光取り出し面、110…接着剤、1
30、131、220…膜。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板(10)と、 前記基板の一面側に形成され、EL材料からなる発光層
    を含む発光部(50)と、 前記発光部を封止するように前記基板の一面に接着剤
    (110)を介して接着されたガラスからなる封止部材
    (100)とを備えるEL表示装置において、 前記封止部材の接着面には、前記封止部材を構成するガ
    ラス中のアルカリイオンの溶出を防止する厚さ1μm以
    下の膜(130)が形成されていることを特徴とするE
    L表示装置。
  2. 【請求項2】 前記封止部材(100)はソーダガラス
    からなり、前記封止部材の接着面に形成される前記膜
    (130)は、前記ソーダガラスの製造工程にて付着す
    るスズからなる膜であることを特徴とする請求項1に記
    載のEL表示装置。
  3. 【請求項3】 前記封止部材(100)の接着面に形成
    される前記膜(130)は、厚さが1nmから1μmの
    絶縁性無機材料からなる膜であることを特徴とする請求
    項1に記載のEL表示装置。
  4. 【請求項4】 基板(10)と、 前記基板の一面側に形成され、EL材料からなる発光層
    を含む発光部(50)と、 前記発光部を封止するように前記基板の一面に接着剤
    (110)を介して接着された封止部材(100)とを
    備えるEL表示装置において、 前記封止部材は、アルカリ成分を含まないノンアルカリ
    のガラスからなるものであることを特徴とするEL表示
    装置。
  5. 【請求項5】 ガラスからなる基板(10)と、 前記基板の一面側に形成され、EL材料からなる発光層
    を含む発光部(50)と、 前記発光部を封止するように前記基板の一面に接着剤
    (110)を介して接着された封止部材(100)とを
    備えるEL表示装置において、 前記基板における前記封止部材との接着面には、前記基
    板を構成するガラス中のアルカリイオンの溶出を防止す
    る厚さ1μm以下の膜が形成されていることを特徴とす
    るEL表示装置。
  6. 【請求項6】 前記基板(10)における前記封止部材
    (100)との接着面に形成される前記膜は、厚さが1
    nmから1μmの絶縁性無機材料からなる膜であること
    を特徴とする請求項5に記載のEL表示装置。
  7. 【請求項7】 基板(10)と、 前記基板の一面側に形成され、EL材料からなる発光層
    を含む発光部(50)と、 前記発光部を封止するように前記基板の一面に接着剤
    (110)を介して接着された封止部材(100)とを
    備えるEL表示装置において、 前記基板は、アルカリ成分を含まないノンアルカリのガ
    ラスからなるものであることを特徴とするEL表示装
    置。
  8. 【請求項8】 透明なガラスからなる基板(10)と、 前記基板の一面側に形成され、EL材料からなる発光層
    を含む発光部(50)とを備えるEL表示装置におい
    て、 前記基板における前記発光部の光を取り出す光取り出し
    面には、前記基板を構成するガラス中のアルカリイオン
    の溶出を防止する厚さ1μm以下の膜(220)が形成
    されていることを特徴とするEL表示装置。
  9. 【請求項9】 前記基板(10)はソーダガラスからな
    り、前記基板の光取り出し面に形成される前記膜(22
    0)は、前記ソーダガラスの製造工程にて付着するスズ
    からなる膜であることを特徴とする請求項8に記載のE
    L表示装置。
  10. 【請求項10】 前記基板(10)の光取り出し面に形
    成される前記膜(220)は、厚さが1nmから1μm
    の絶縁性無機材料からなる膜であることを特徴とする請
    求項8に記載のEL表示装置。
  11. 【請求項11】 基板(10)と、 前記基板の一面側に形成され、EL材料からなる発光層
    を含む発光部(50)と、 前記発光部を封止するように前記基板の一面に接着剤
    (110)を介して接着された透明なガラスからなる封
    止部材(100)とを備え、 前記発光部の光を前記封止部材を通過して取り出すよう
    にしたEL表示装置において、 前記封止部材の光取り出し面(101)には、前記封止
    部材を構成するガラス中のアルカリイオンの溶出を防止
    する厚さ1μm以下の膜(131)が形成されているこ
    とを特徴とするEL表示装置。
  12. 【請求項12】 前記封止部材(100)はソーダガラ
    スからなり、前記封止部材の光取り出し面(101)に
    形成される前記膜(131)は、前記ソーダガラスの製
    造工程にて付着するスズからなる膜であることを特徴と
    する請求項11に記載のEL表示装置。
  13. 【請求項13】 前記封止部材(100)の光取り出し
    面(101)に形成される前記膜(131)は、厚さが
    1nmから1μmの絶縁性無機材料からなる膜であるこ
    とを特徴とする請求項11に記載のEL表示装置。
JP2001380225A 2001-12-13 2001-12-13 El表示装置 Expired - Fee Related JP3991672B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001380225A JP3991672B2 (ja) 2001-12-13 2001-12-13 El表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001380225A JP3991672B2 (ja) 2001-12-13 2001-12-13 El表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003187960A true JP2003187960A (ja) 2003-07-04
JP3991672B2 JP3991672B2 (ja) 2007-10-17

Family

ID=27591360

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001380225A Expired - Fee Related JP3991672B2 (ja) 2001-12-13 2001-12-13 El表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3991672B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008192426A (ja) * 2007-02-02 2008-08-21 Fujifilm Corp 発光装置
JP2010244774A (ja) * 2009-04-03 2010-10-28 Denso Corp El表示装置およびその製造方法
WO2018221319A1 (ja) * 2017-06-02 2018-12-06 日東電工株式会社 光学積層体、偏光フィルムおよび画像表示装置
KR20200006063A (ko) * 2017-06-02 2020-01-17 닛토덴코 가부시키가이샤 편광 필름 및 화상 표시 장치
KR20200007827A (ko) * 2017-06-02 2020-01-22 닛토덴코 가부시키가이샤 편광 필름 및 화상 표시 장치

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008192426A (ja) * 2007-02-02 2008-08-21 Fujifilm Corp 発光装置
JP2010244774A (ja) * 2009-04-03 2010-10-28 Denso Corp El表示装置およびその製造方法
WO2018221319A1 (ja) * 2017-06-02 2018-12-06 日東電工株式会社 光学積層体、偏光フィルムおよび画像表示装置
JP2018205497A (ja) * 2017-06-02 2018-12-27 日東電工株式会社 光学積層体、偏光フィルムおよび画像表示装置
TWI673175B (zh) * 2017-06-02 2019-10-01 日商日東電工股份有限公司 光學積層體、偏光薄膜及影像顯示裝置
KR20200006063A (ko) * 2017-06-02 2020-01-17 닛토덴코 가부시키가이샤 편광 필름 및 화상 표시 장치
CN110720063A (zh) * 2017-06-02 2020-01-21 日东电工株式会社 光学层叠体、偏振膜及图像显示装置
KR20200007827A (ko) * 2017-06-02 2020-01-22 닛토덴코 가부시키가이샤 편광 필름 및 화상 표시 장치
KR20200015894A (ko) * 2017-06-02 2020-02-13 닛토덴코 가부시키가이샤 광학 적층체, 편광 필름 및 화상 표시 장치
CN110720063B (zh) * 2017-06-02 2022-07-26 日东电工株式会社 光学层叠体、偏振膜及图像显示装置
KR102575477B1 (ko) * 2017-06-02 2023-09-07 닛토덴코 가부시키가이샤 편광 필름 및 화상 표시 장치
KR102575467B1 (ko) * 2017-06-02 2023-09-08 닛토덴코 가부시키가이샤 광학 적층체, 편광 필름 및 화상 표시 장치
KR102579336B1 (ko) 2017-06-02 2023-09-15 닛토덴코 가부시키가이샤 편광 필름 및 화상 표시 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP3991672B2 (ja) 2007-10-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102470375B1 (ko) 디스플레이 장치
US8674596B2 (en) Organic light emitting display device and fabrication method for the same
JP4533392B2 (ja) 有機発光装置
US7872255B2 (en) Organic light-emitting device
JP2007242436A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス装置
JP2008098148A (ja) 有機発光装置
JP2009266922A (ja) 有機発光装置
KR20140105482A (ko) 밀봉된 박막 디바이스 및 수리 방법, 수리하기 위한 시스템 및 컴퓨터 프로그램 제품
JP2003208975A (ja) 有機el素子の製造方法
TW201906209A (zh) 有機電致發光顯示裝置
US8159128B2 (en) Sealed thick film dielectric electroluminescent display
TW201911566A (zh) 有機電致發光顯示裝置
JP2013131339A (ja) 有機発光装置及びその製造方法
TWI645592B (zh) Organic electroluminescent display device
JP2003187960A (ja) El表示装置
JP2000311782A (ja) 有機elディスプレイおよびその製造方法
JP2009277549A (ja) 有機elパネル、及び有機elパネルの欠陥検出方法
JP2007128726A (ja) 有機el発光装置
KR20160075063A (ko) 유기 발광 표시 장치
JP5018820B2 (ja) El表示装置およびその製造方法
KR100815761B1 (ko) 유기 전계 발광표시장치의 제조방법
JP2006185679A (ja) 有機elパネル及び有機el発光装置、並びに有機elパネルの製造方法
KR20040039607A (ko) 유기 전계 발광 표시 소자의 봉지 방법
KR101643012B1 (ko) 표시장치
JP5260029B2 (ja) 有機el表示装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040906

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070130

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070330

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070424

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070607

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070703

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070716

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100803

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110803

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120803

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130803

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees