以下、本発明による光学部品の調芯方法及びその装置、並びに光学部品の組立体の製造方法について、図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態による光学部品の調芯装置を有する光学部品の組立装置を模式的に示す概略構成図である。
この組立装置は、半導体レーザ1と集光レンズ2とを有する光源モジュール(第1の光学部品に相当)3と、単芯の光ファイバ4(第2の光学部品に相当)の端面4aとを調芯した後に、レーザ溶接機5により両者を連結することにより、半導体レーザ1の光を光ファイバに結合する半導体レーザモジュールを組み立てる装置として構成されている。後述する各要素のうち、レーザ溶接機5及び下記の制御部17のレーザ溶接機制御機能以外の要素により、本実施の形態による光学部品の調芯装置が構成されている。
図1に示す組立装置は、レーザ溶接機5の他に、基体6と、基体6上に搭載された移動機構としての光源モジュール3用のステージ7と、基体6上に搭載された移動機構としての光ファイバ4用のステージ8と、ステージ7上に搭載され光源モジュール31つの軸に関して1次元的に繰り返してステージ7に対して往復走査させる往復走査機構としてのピエゾアクチュエータ9と、ステージ7に対する光源モジュール3の位置を検出する静電センサや差動トランスなどの位置検出器10と、位置検出器10からの検出信号を増幅する増幅回路11と、ピエゾアクチュエータ9を駆動するピエゾ駆動部12と、光源モジュール3の半導体レーザ1を発光させる光源駆動回路13と、ステージ7,8を駆動するステージ駆動部14と、端部4aから光ファイバ4に導入された光を検出するフォトダイオード等の光検出器15と、光検出器15の出力を増幅する増幅部16と、例えばパーソナルコンピュータ等を用いて構成され装置全体を制御する制御部17と、を備えている。
光源モジュール3は、保持具18を介してピエゾアクチュエータ9上に搭載されている。光ファイバ4の端部4a側の部分が、V溝等を有する保持具19を介してステージ8上に搭載されている。これにより、光源モジュール3と光ファイバ4の端部4aとが対向している。光ファイバ4の端部4a側の部分には、調芯後に光ファイバ4と光源モジュール3との連結を行うためのリング状の連結部材20が設けられている。
説明の便宜上、図1に示すように、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を定義する。Z方向が光源モジュール3及び光ファイバ4の端部4aの光軸方向と略一致している。なお、図1中の各軸の矢印側の+(プラス)、その反対側を−(マイナス)とする。これらの点は、後述する各実施の形態の説明についても同様とする。
ステージ7は、ピエゾアクチュエータ9(したがって、光源モジュール3)をX軸、Y軸及びZ軸上を独立して移動させる機能を持つが、本実施の形態では、ステージ7は調芯開始時の初期の位置設定時などに使用されるのみであり、調芯時には固定されたままとされる。したがって、以下の説明では、ステージ7は基体6と一体となる。なお、調芯時にも、ステージ7を、ステージ8共に又はそれに代えて又は使用してもよいことは言うまでもない。
本実施の形態では、ピエゾアクチュエータ9は、制御部17からの指令に応じてピエゾ駆動部12が出力される正弦波のアナログ電圧信号からなるピエゾ駆動信号により、駆動され、光源モジュール3をステージ7に対して(したがって、基体6に対して)X軸方向に繰り返して往復運動(往復走査)させる。なお、往復走査機構としては、ピエゾアクチュエータ9に代えて、ボイスコイルモータ、電磁プランジャー、直動ステージなどを用いてもよい。
光源モジュール3のステージ7に対する位置(ピエゾアクチュエータ9の変位量)は、位置検出器10により検出され、その検出信号が増幅回路11で増幅された後に制御部17へ入力される。なお、位置検出器10が内蔵されたピエゾアクチュエータ9が市販されているので、例えば、これを用いることができる。また、ピエゾアクチュエータ9を駆動する駆動信号がピエゾアクチュエータ9の変位量に対応しているので、位置検出器10を用いずに、駆動信号自体を位置検出信号として用いてもよい。
光源モジュール3の半導体レーザ1は、光源駆動回路13から供給される電流により一定の光量で発光させられ、集光レンズ2の焦点位置に微少な光スポットが形成される。ピエゾアクチュエータ9による光源モジュール3の往復走査に従って、この光スポットも往復走査されることになる。前記焦点位置と光ファイバ4の端部4aとが合致する位置が調芯位置となる。
ステージ8は、光ファイバ4(厳密には光ファイバ4の入射端4a側部分)ををX軸、Y軸及びZ軸上を独立して移動させる機能を持ち、X軸ステージ8x、Y軸ステージ8y及びZ軸ステージ8zを複合したものとなっている。ただし、各軸のステージ8x〜8zの図示は省略している。本実施の形態では、このステージ8が調芯時の位置調整機構として用いられる。
光検出器15は、光ファイバ4aの出射端に配置され、光源モジュール3から光ファイバ4に入射したレーザ光強度を検出し、その出力信号が増幅部16で増幅され光強度信号として制御部17へ送られる。
本実施の形態では、増幅部16は、制御部17からの増幅モード選択信号に応答して対数増幅及び直線増幅のうちの一方を選択的に行うように構成されている。増幅部16の構成の一例を図2に示す。図2は、増幅部16の構成の一例を示す概略ブロック図である。図2に示す例では、増幅部16は、対数増幅器21と、直線増幅器22と、これらを増幅モード選択信号に応じて切り換えるスイッチ23,24とから構成されている。増幅部16は、常に対数増幅を行うように構成してもよく、その場合には、図3に示すように対数増幅器21のみで構成すればよい。通常、対数増幅器はその増幅度を変更する機能を含むので、前記増幅モード選択信号により、増幅度を切り替えるようにしてもよい。
対数増幅器21は、入力に対して対数的な増幅特性を持つ。対数増幅器21として、例えば、1nAから1mAまでの6桁の電流変化に対して−10Vから+10Vの電圧で出力するものを用いることができる。この場合、通常光検出器15として用いるフォトダイオード(PD)の感度は0.5A/W程度なので、−10Vから+10Vの電圧出力は、PDの光入力パワーに換算して2nWから2mWに相当する。一方、直線増幅器22は、狭い範囲での電流変化は対数増幅器21に比べて捉えやすいが、例えば2〜3桁の電流変化しか捉えることができない。したがって、このような対数増幅器21を用いることにより、6桁に及ぶ信号強度変化をゲインの切換なしにリアルタイム検出できることとなり、集光スポット(焦点位置)と入射点(光ファイバ4の端部4a)の3次元的なずれに対して、従来技術と同じく常に直線増幅器22を用いる場合に比べて、各軸でそれぞれ3倍以上の面積、体積では30倍程度の広い空間で信号の強度をモニターしながら調整を進めることができる。
ここで、図4乃至図7を参照して、光源モジュール3から出射される光(集光レンズ2により集光された光)の強度分布について説明する。図4及び図6は、XZ平面(又はYZ平面)と平行であり前記焦点位置を含む平面内における光強度分布を模式的に示す光強度分布図である。なお、この光強度分布は、前記焦点位置を通りZ軸と平行な直線を中心として略回転対称となる。図4及び図6は、集光されたビームの光強度が焦点位置からガウス分布で拡がると仮定して、対数表示したものであり、焦点位置での光強度を1(=100)として規格化し、各桁の等強度線を記入したものである。図5は、図4の紙面内においてX方向(又はY方向)に互いにずれたZ軸と平行な各ラインO,P,Q,R上での、各Z方向位置における光強度を示す図である。図7は、図6の紙面内においての互いにZ方向にずれたX軸(又はY軸)と平行な各ラインH,I,J,K上での、各X方向(Y方向)位置における光強度を示す図である。
図4乃至図7からわかるように、光源の焦点位置でビームは3次元的に極めて小さく集光され、極めて高い光強度になるが、焦点の前方、後方及びXY軸外側に向けて急激に減衰する。従来技術と同じく常に直線増幅器22を用いる場合には、一度に観察できる信号強度の範囲は例えば2〜3桁であり、図4及び図6において一度に2〜3本の等強度線の範囲しか観察できない。これに対して、対数増幅器21を用いると、例えば、図4及び図6の中心点(集光位置)から最も外側の等強度線(10−6の等強度線)までの範囲を同時に観察することが可能になる。
次に、図1に示す装置の調芯動作について、図8を参照して説明する。図8は、各調整段階における光ファイバ4及びその端部(先端部)4aの移動の様子を、図4及び図6に示すような光強度分布と共に示す図である。図8では、理解を容易にするため、X軸、Y軸及びZ軸の原点(中心)を集光点としている。
調芯動作を開始する際の初期の位置設定に関して、光源モジュール3の集光点に対する光ファイバ4の先端部4aの機械的設定誤差がZ軸で±250μm程度、X軸及びY軸で±200μm程度に収まっている場合について説明する。
この場合、光ファイバ4の先端部4aの位置は、予想される集光点に対して予めZ軸に−1000μm程度(光源モジュール3から遠方)、XY軸に各々−250μm程度、ずらした位置(この位置は設定位置であり、実際の位置は設定位置から前記設定誤差の分だけずれる。)から調芯動作を開始する。
調芯動作を開始すると、制御部17は、ピエゾ駆動部12に指令を与えて、ピエゾ駆動部12を介してピエゾアクチュエータ9を駆動し、光源モジュール3及びその集光スポットを、X軸方向に例えば周波数30Hz、振幅100μm〜300μmの所定の振幅の正弦波形で往復走査させ、また、光源駆動回路13を介して光源モジュール3の半導体レーザ1を所定の電流値で発光させる。光ファイバ4の出射光の強度は、光検出器15で検出され、その出力が増幅部16で増幅され、増幅部16の出力が制御部17へ供給される。制御部17は、増幅部16に増幅モード選択信号を与えて、増幅部16に対数増幅を行わせる。本実施の形態では、後述するような微調整を行う場合を除き、増幅部16には対数増幅を継続して行わせる。一方、位置検出器10から増幅回路11を介して得られる位置検出信号が、制御部17へ供給される。制御部17は、増幅回路11からの位置検出信号と増幅部16からの出力(増幅された光強度信号)をA/D変換してデータとしてそれぞれ取り込むことにより、X軸方向の往復走査の全振幅に渡る光強度分布を、例えば往復走査の半周期毎に順次得る。
このようなピエゾアクチュエータ9によるX軸方向の往復走査に従った1次元的な光強度分布の取得は、後述する時点まで順次継続される。
このような状態で、まず、図8(a)に示すように、Y軸方向の位置調整を行う。この段階では、制御部17は、前述のようにして順次得られる各1次元的な光強度分布について、当該光強度分布から所定範囲の光強度の積分値又は平均値を演算する。そして、制御部17は、各1次元的な光強度分布から得られる光強度の所定範囲の積分値又は平均値をモニタしながら、ステージ駆動部14を介してY軸ステージ8yをプラス方向へ走査し、この積分値又は平均値が最大になる位置(Y軸方向のほぼ中心位置に相当)を求め、Y軸ステージ8yを停止させる。このとき、積分値又は平均値が最大になる位置を求めるため、図8(a)に示すように、一旦プラス方向へ行き過ぎた後に、積分値又は平均値が最大になる位置に戻して止めることになる。前記積分値又は平均値が最大になる位置がY軸方向のほぼ中心位置に相当するものとなることは、図4乃至図7を参照して説明した光強度分布から理解することができる。なお、前記積分値又は平均値が最大になる位置ではなく、その付近の位置でY軸ステージ8yを停止させてもよい。これは、図8(d)を参照して後述する最終調整において、Y軸方向について再調整を行うためである。
次いで、図8(b)に示すように、X軸方向の位置調整を行う。この段階においても、制御部17は、前述のようにして順次得られる各1次元的な光強度分布について、当該光強度分布から所定範囲の光強度の積分値又は平均値を演算する。そして、制御部17は、各1次元的な光強度分布から得られる光強度の所定範囲の積分値又は平均値をモニタしながら、ステージ駆動部14を介してX軸ステージ8xをプラス方向へ走査し、この積分値又は平均値が最大になる位置(X軸方向のほぼ中心位置に相当)を求め、X軸ステージ8xを停止させる。このとき、積分値又は平均値が最大になる位置を求めるため、図8(b)に示すように、一旦プラス方向へ行き過ぎた後に、積分値又は平均値が最大になる位置に戻して止めることになる。前記積分値又は平均値が最大になる位置がX軸方向のほぼ中心位置に相当するものとなることは、図4乃至図7を参照して説明した光強度分布から理解することができる。なお、前記積分値又は平均値が最大になる位置ではなく、その付近の位置でX軸ステージ8xを停止させてもよい。これは、図8(d)を参照して後述する最終調整において、X軸方向について再調整を行うためである。
次に、図8(c)に示すように、Z軸方向の位置調整を行う。すなわち、制御部17は、まず、ステージ駆動部14を介してY軸ステージ8yを数10μm程度プラス方向又はマイナス方向にオフセットさせる。これは、Z軸ステージ8zをプラス方向へ走査していった際には、図4乃至図7を参照して説明した光強度分布から理解することができるように、Z軸方向のほぼ中心位置で、前述のようにして順次得られる各1次元的な光強度分布から得られる光強度の積分値、平均値及びピーク値が最小となるためである。Y軸ステージ8yのオフセット後に、制御部17は、前述のようにして順次得られる各1次元的な光強度分布について、当該光強度分布から光強度の積分値又は平均値又はピーク値を演算する。制御部17は、各1次元的な光強度分布から得られる光強度の積分値又は平均値又はピーク値をモニタしながら、ステージ駆動部14を介してZ軸ステージ8zをプラス方向へ走査し、積分値又は平均値又はピーク値が減少し、最小値を示した後に再び増加に転じることを確認し、最少値になる位置へ戻してZ軸ステージ8zを停止させる。なお、前記積分値又は平均値又はピーク値が最小になる位置ではなく、その付近の位置でZ軸ステージ8zを停止させてもよい。これは、図8(d)を参照して後述する最終調整において、Z軸方向について再調整を行うためである。
以上の動作により、光ファイバ4の端部4aは、調芯位置(集光点の位置)に近づいた状態となる。
その後、図8(d)に示すように、最終調整を行う。この最終調整では、Y軸方向の再調整、Z軸方向の再調整及びX軸方向の再調整を順次行う。調芯精度をより高めるためには、このようにZ軸方向の再調整を行うことが好ましいが、Z軸方向の再調整は省略してもよい。
まず、Y軸方向の再調整では、制御部17は、前述のようにして順次得られる各1次元的な光強度分布について、当該光強度分布から光強度のピーク値又は半値幅(他の比率による所定比率値幅でもよい。この点は以下同様である。)を演算する。そして、制御部17は、各1次元的な光強度分布から得られる光強度のピーク値又は半値幅をモニタしながら、ステージ駆動部14を介してY軸ステージ8yを走査し、前記ピーク値が最大となる位置あるいは前記半値幅が最小となる位置を求め、Y軸ステージ8yを停止させる。前記ピーク値が最大となる位置や前記半値幅が最小となる位置がY軸方向の中心位置に相当するものとなることは、図4乃至図7を参照して説明した光強度分布から理解することができる。
引き続くZ軸方向の再調整では、制御部17は、前述のようにして順次得られる各1次元的な光強度分布について、当該光強度分布から光強度のピーク値又は半値幅を演算する。そして、制御部17は、各1次元的な光強度分布から得られる光強度のピーク値又は半値幅をモニタしながら、ステージ駆動部14を介してZ軸ステージ8zを走査し、前記ピーク値が最大となる位置あるいは前記半値幅が最小となる位置を求め、Z軸ステージ8zを停止させる。前記ピーク値が最大となる位置や前記半値幅が最小となる位置がZ軸方向の中心位置に相当するものとなることは、図4乃至図7を参照して説明した光強度分布から理解することができる。既に説明したように、このZ軸方向の再調整を省略してもよい。
その後のX軸方向の再調整では、制御部17は、ピエゾアクチュエータ9への正弦波による駆動信号の供給をピエゾ駆動部12に停止させ、ピエゾアクチュエータ9のX軸方向への往復走査を停止させる。その後、制御部17は、ステージ駆動部14を介してX軸ステージ8xを走査するかあるいはピエゾ駆動部12を介してピエゾアクチュエータ9に直流電圧を掃引して、X軸方向へ走査させることにより、増幅部16から得られる信号が最大となる位置を求め、その位置の状態にして、調芯動作を終了する。
以上説明した動作では、制御部17は、最後まで増幅部16に対数増幅を行わせていた。しかしながら、制御部17は、前述した図8(d)を参照して説明した最終段階においては、増幅部16に直線増幅を行わせてもよい。このように、光ファイバ4の端部4aが調芯位置に近づいた後に増幅部16の増幅モードを直線増幅に切り換えることにより、ピーク点検出等の分解能を更に上げることができ、ひいてはサブミクロンレベル等のより高精度な調芯が可能となる。
図1に示す装置では、調芯が終了したら、リング状の連結部材20を図1中の左方向へ移動し、連結部材20と光源モジュール3との間、連結部材20と光ファイバ4のフェルールとの間をそれぞれ、レーザ溶接機5からのパルスレーザなどによりスポット溶接する。
なお、本実施の形態において、Y軸、X軸の調整後Y軸を数10μm程度オフセットして、Z軸の調整を行っているが、これは焦点調整をする上で、微少な集光スポットそのものを検知対象とするよりも、圧倒的に広い空間を有する無信号領域を含めて検知対象とする方が焦点位置を迅速に検知できるためである。このような手法を行う場合には、本実施の形態のように、例えば6桁にも及ぶ広い光量変化をリアルタイムで観察する能力を持つ対数増幅器21を用いることが好ましい。
本実施の形態では、前述したように、ピエゾアクチュエータ9により光源モジュール3をX軸方向に1次元的に繰り返して往復走査させてX軸に関する1次元的な光強度分布を得、この光強度分布に基づいて、光ファイバ4の位置を調整している。このように、従来技術と異なり、1次元的な光強度分布を一括して利用することにより位置調整を行うので、無駄な信号探索の動作を減らすことができ、迅速に光学部品の位置合わせを行うことができる。また、1次元的な光強度分布の積分値又は平均値又は波形そのものを一括して利用することにより位置調整を行うので、光強度分布が理想的なガウス分布にならず、その分布に対して実際の光強度分布が局所的に変動していても、その影響を大きく低減することができる。さらに、本実施の形態では、光検出器15の出力を対数増幅するので、光強度を信号としてモニタし得る3次元空間を大幅に拡大することができ、集光スポットと光ファイバ4の端部4aの3次元的なずれに対して、直線増幅器を用いた場合と比較して各軸でそれぞれ3倍以上の面積、体積では30倍程度の広い空間で信号の強度をモニターしながら調整を進めることができる。このように、本実施の形態によれば、1次元的な光強度分布の利用に加えて、対数増幅を併用することにより、1次元的な光強度分布を有効に得ることができる空間を大幅に拡大することができるため、両者の効果が相俟って、より調芯時間を短縮することができる。
本発明者は、本実施の形態による装置と同様の装置を実際に作製し、光源モジュール3と光ファイバ4との調芯を行ったところ、約5秒程度と非常に短い時間で調芯が終了することが確認できた。
本実施の形態では、調芯の軸としてX,Y,Zの3軸による調芯制御を行っているが、更にXθ、Yθ、Zθを含む調芯においても、本発明の有効性は明らかである。例えば、本実施の形態で更にXθ、Yθを含む調芯を行う場合、ステージの角度移動によっても、対数増幅の採用により検出系のダイナミックレンジが大きいため、信号を見失うことが少ない。また、Xθ軸の角度移動については、角度移動によるビームスポット位置または検出点位置のずれがピエゾアクチュエータ9の振幅以内であれば、角度移動による強度分布の変化を捉えることも可能であり、この方法で光結合の最適角度を求めて調芯することもできる。
[第2の実施の形態]
図9は、本発明の第2の実施の形態による光学部品の調芯装置を有する光学部品の組立装置を模式的に示す概略構成図である。図9において、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
図9に示す装置が前述した図1に示す装置と基本的に異なる所は、図1に示す装置では、制御部17が調芯の自動制御を実現しているのに対し、図9に示す装置では、増幅部16の出力に基づく判断等をオペレータに委ねる装置として構成されている点である。
図9に示す装置では、制御部17が取り除かれ、その代わりに、オペレータが各種の指令を与えるための操作部31と、操作部31から指令された通りに装置各部を制御する制御部32と、オシロスコープ33とが設けられている。
制御部32は、操作部31を介してオペレータから与えられる指令に従って、ピエゾ駆動部12にピエゾアクチュエータ9を駆動させる。制御部32は、操作部31を介してオペレータから与えられる指令に従って、光源駆動回路13に半導体レーザ1を発光させる。制御部32は、操作部31を介してオペレータから与えられる指令に従って、増幅部16に増幅モード選択信号を供給する。制御部32は、操作部31を介してオペレータから与えられる指令に従って、ステージ駆動部14を介してステージ7,8を移動させる。
オシロスコープ33は、位置検出器10からの位置信号を増幅回路11で増幅した信号をトリガ信号として受け取り、増幅部16の出力信号を時間波形として表示する。ピエゾアクチュエータ9により光源モジュール3がX軸方向に往復走査されているときには、光源モジュール3のステージ7に対する位置(ピエゾアクチュエータ9の変位量)と時間とは対応関係にあるので、位置信号をトリガ信号としてオシロスコープ33が表示する増幅部16の出力信号の時間波形は、ピエゾアクチュエータ9によるX軸方向の往復走査に従った1次元的な光強度分布を示している。このように、本実施の形態では、オシロスコープ33が、1次元的な光強度分布を表示することによりオペレータに提示する提示部を構成している。もっとも、1次元的な光強度分布をオペレータに提示する提示部としては、例えば、CRT等の画像表示部と、増幅回路11からの位置信号及び増幅部16からの出力を取り込み、X軸方向の往復走査の全振幅に渡る光強度分布を直接的に、例えば往復走査の半周期毎に順次画像表示部に表示させる信号処理部と、を用いてもよい。なお、増幅回路11からの位置信号をトリガ信号として用いる代わりに、ピエゾ駆動信号をトリガ信号として用いてもよいことは、言うまでもない。
この図9に示す装置を用いれば、オペレータは、オシロスコープ33に表示された波形(1次元的な光強度分布)を見ながら、操作部31を操作してステージ8を調整することにより、前記第1の実施の形態による装置が実現している調芯方法に準じた調芯方法を実現して、光源モジュール3と光ファイバ4との調芯を行うことができる。ただし、オペレータが波形を見て判断するので、以下に説明するような調芯方法を採用することができる。
図9に示す装置を用いた調芯方法の一具体例について、説明する。
図4乃至図7を参照して説明した光強度分布から理解することができるように、光ファイバ4の端部4aのZ軸方向の位置が集光点のZ軸方向の位置と一致していると、Y軸方向のずれに対して信号強度の変化が大きくなって調整が難しくなるため、Z軸方向の位置は、例えば、予め数100μm程度集光点のZ軸方向位置からずらした位置から調整を開始することが望ましい。
オペレータは、操作部31を介して指令を与えて、ピエゾアクチュエータ9を駆動し、光源モジュール3及びその集光スポットを、X軸方向に例えば周波数30Hz、振幅100μm〜300μmの正弦波形で往復走査させ、また、光源モジュール3の半導体レーザ1を所定の電流値で発光させる。また、オペレータは、操作部31を介して指令を与えて、増幅部16に対数増幅を行わせる。オシロスコープ33には、X軸方向の往復走査の全振幅に渡る光強度分布を示す波形が、例えば往復走査の半周期毎に順次更新されて表示される。
このような状態で、まず、オペレータは、操作部31を操作することによりX軸ステージ8xを調整して、オシロスコープ33の波形の最大値を見つけ、さらに信号が大きくなるようにY軸ステージ8yを調整する。ここで、オシロスコープ33で観察している波形に顕著なピークが見つかれば、オペレータは、操作部31を操作して、画面の中心にピークがくるようにX軸ステージ8xを調整する。ピエゾアクチュエータ9によるX軸方向の往復走査範囲からX軸のピークが外れている場合は、波形が傾斜して観察されるので、傾斜の高い方向にX軸ステージ8xを調整すれば、容易にピークを見つけることができる。往復走査範囲内にピークが入ってきたら、オペレータは、画面の中心にピークがくるように操作部31の操作によりX軸ステージ8xを調整する。
次に、Z軸ステージ8zを調整し、信号が大きくなる位置を確認する。ピーク位置を確認したら、さらに同じ方向にZ軸を移動させ、信号が一方的に減少する場合は、確認したピーク位置に戻って、Y軸ステージ8yを調整して信号が最大になる位置を求める。
Z軸方向に移動させた時、信号が一旦減少し、信号が最少となる位置を確認後、さらに同じ方向にZ軸を移動させた時、信号が再度増加に転じる場合は、2番目のピーク位置を確認する。2番目のピーク位置を確認後、Z軸ステージ8yを先ほどの信号が最少となる位置に戻し、Y軸ステージ8yを調整して信号が最大になる位置を求める。
この一連の操作で、X,Y,Zの調整位置が決定されるが、更に高精度な調芯が必要な場合は、再度、X,Y,Z軸の調整を行ってもよい。このとき、オペレータは、操作部31を操作して、増幅部16に直線増幅を行わせることが、好ましい。なお、増幅部16に直線増幅を行わせることがない場合には、図3に示すように、増幅部16を対数増幅器21のみで構成しておいてもよい。
以上の調整が終了したら、オペレータは、操作部31を操作することにより、ピエゾアクチュエータ9による往復走査を止め、ピエゾアクチュエータ9に直流電圧を印加する。オペレータは、オシロスコープ33に表示される増幅部16の信号レベルを見ながら、そのレベルが最大となるように、操作部31を操作してこの直流電圧を調整し、調芯を終了する。なお、前記直流電圧を印加したり調整したりする代わりに、X軸ステージ8xを調整してもよい。
本実施の形態では、オペレータが介在する形で調芯が行われるが、オペレータは、前述したように、ピエゾアクチュエータ9により光源モジュール3をX軸方向に1次元的に繰り返して往復走査させてX軸に関する1次元的な光強度分布に基づいて、光ファイバ4の位置を調整することができる。したがって、本実施の形態によれば、オペレータが介在する形で調芯を行う従来技術に比べて、格段に調芯時間を短縮することができ、しかも、オペレータはほとんど熟練を要しない。
なお、ステージ7,8として、手動操作型のステージ(例えばオペレータが調整ねじ等を操作して位置を調整し得るステージ)を用いてもよく、その場合には、ステージ駆動部14は不要となる。
また、後述する第3の実施の形態の場合と同様に、本実施の形態による装置において、ピエゾアクチュエータ9による往復走査の走査方向をZ軸方向に変えてもよい。
[第3の実施の形態]
本実施の形態の第3の実施の形態による光学部品の調芯装置を有する光学部品の組立装置について、説明する。
本実施の形態による装置は、前述した図1に示す装置を次のように変形したものである。すなわち、本実施の形態による装置では、ピエゾアクチュエータ9による往復走査の走査方向がX軸方向ではなくZ軸方向に変更され、これに伴い、調芯動作が変更されている。したがって、本実施の形態の説明においても図1を参照し、図1に示す装置の説明と重複する説明は省略する。
本実施の形態による装置の調芯動作について、説明する。
調芯動作を開始する際の初期の位置設定に関して、光源モジュール3の集光点に対する光ファイバ4の先端部4aの機械的設定誤差がZ軸で±250μm程度、X軸及びY軸で±200μm程度に収まっている場合について説明する。
この場合、ファイバ4の先端部4aの位置は、予想される集光点に対して予めZ軸に−1000μm程度(光源モジュール3から遠方)、XY軸に各々−150μm程度、ずらした位置(この位置は設定位置であり、実際の位置は設定位置から前記設定誤差の分だけずれる。)から調芯動作を開始する。
調芯動作を開始すると、制御部17は、ピエゾ駆動部12に指令を与えて、ピエゾ駆動部12を介してピエゾアクチュエータ9を駆動し、光源モジュール3及びその集光スポットを、Z軸方向に例えば周波数30Hz、振幅100μm〜300μmの所定の振幅の正弦波形で往復走査させ、また、光源駆動回路13を介して光源モジュール3の半導体レーザ1を所定の電流値で発光させる。光ファイバ4の出射光の強度は、光検出器15で検出され、その出力が増幅部16で増幅され、増幅部16の出力が制御部17へ供給される。制御部17は、増幅部16に増幅モード選択信号を与えて、増幅部16に対数増幅を行わせる。本実施の形態では、後述するような微調整を行う場合を除き、増幅部16には対数増幅を継続して行わせる。一方、位置検出器10から増幅回路11を介して得られる位置検出信号が、制御部17へ供給される。制御部17は、増幅回路11からの位置検出信号と増幅部16からの出力(増幅された光強度信号)をA/D変換してデータとしてそれぞれ取り込むことにより、Z軸方向の往復走査の全振幅に渡る光強度分布を、例えば往復走査の半周期毎に順次得る。
このようなピエゾアクチュエータ9によるZ軸方向の往復走査に従った1次元的な光強度分布の取得は、後述する時点まで順次継続される。
このような状態で、まず、X軸方向の位置調整を行う。この段階では、制御部17は、前述のようにして順次得られる各1次元的な光強度分布について、当該光強度分布から所定範囲の光強度の積分値又は平均値を演算する。そして、制御部17は、各1次元的な光強度分布から得られる光強度の所定範囲の積分値又は平均値をモニタしながら、ステージ駆動部14を介してX軸ステージ8xをプラス方向へ走査し、この積分値又は平均値が最大になる位置(X軸方向のほぼ中心位置に相当)を求め、X軸ステージ8xを停止させる。前記積分値又は平均値が最大になる位置がX軸方向のほぼ中心位置に相当するものとなることは、図4乃至図7を参照して説明した光強度分布から理解することができる。なお、必要に応じて後にX軸方向について再調整を行う場合には、前記積分値又は平均値が最大になる位置ではなく、その付近の位置でX軸ステージ8xを停止させてもよい。
次いで、Z軸方向の位置調整を行う。この段階においては、制御部17は、前述のようにして順次得られる各1次元的な光強度分布について、当該光強度分布から光強度の積分値又は平均値又はピーク値を演算する。制御部17は、各1次元的な光強度分布から得られる光強度の積分値又は平均値又はピーク値をモニタしながら、ステージ駆動部14を介してZ軸ステージ8zをプラス方向へ走査し、積分値又は平均値又はピーク値が減少し、最小値を示した後に再び増加に転じることを確認し、最少値になる位置へ戻してZ軸ステージ8zを停止させる。なお、前記積分値又は平均値又はピーク値が最小になる位置ではなく、その付近の位置でZ軸ステージ8zを停止させてもよい。これは、Z軸方向について、後に再調整を行うためである。
次に、Y軸方向の位置調整を行う。この段階においては、制御部17は、前述のようにして順次得られる各1次元的な光強度分布について、当該光強度分布から光強度のピーク値又は半値幅(他の比率による所定比率値幅でもよい。この点は以下同様である。)を演算する。そして、制御部17は、各1次元的な光強度分布から得られる光強度のピーク値又は半値幅をモニタしながら、ステージ駆動部14を介してY軸ステージ8yを走査し、前記ピーク値が最大となる位置あるいは前記半値幅が最小となる位置を求め、Y軸ステージ8yを停止させる。
その後、Z軸方向の位置の再調整を行う。この段階においては、制御部17は、前述のようにして順次得られる各1次元的な光強度分布の形状を判別し、光強度信号が大きくなる方向へZ軸ステージ8zを走査し、1次元的な光強度分布からピーク位置がZ軸方向の往復走査の振幅のほぼ中央になる位置へZ軸ステージ8zを移動して停止させる。
最後に、制御部17は、ピエゾアクチュエータ9への正弦波による駆動信号の供給を停止させ、Z軸ステージ8zを走査するかピエゾアクチュエータ9の直流電圧を掃引して増幅部16から得られる信号が最大になる位置を求め、その位置の状態にして、調芯動作を完了する。
なお、例えばサブミクロンレベルのより高精度な調芯を行う場合は、最初のX軸方向の調整及びY軸方向の調整が終了した段階で、制御部17が増幅部16を対数増幅モードから直線増幅モードに切替えることによりピーク点検出の分解能を更に上げることができる。また、より完全な調芯を行う場合は、X軸方向の微調整及びY軸方向の微調整を複数回行ってもよい。
このX軸方向の微調整は、例えば、次のようにして行う。制御部17は、前述のようにして順次得られる各1次元的な光強度分布について、当該光強度分布から光強度のピーク値又は半値幅を演算する。そして、制御部17は、各1次元的な光強度分布から得られる光強度のピーク値又は半値幅をモニタしながら、ステージ駆動部14を介してX軸ステージ8xを走査し、前記ピーク値が最大となる位置あるいは前記半値幅が最小となる位置を求め、X軸ステージ8xを停止させる。なお、前記Y軸方向の微調整は、このX軸方向の微調整と同様に行うことができる。
本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
[第4の実施の形態]
図10は、本発明の第4の実施の形態による光学部品の調芯装置を有する光学部品の組立装置を模式的に示す概略構成図である。図10において、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
図10に示す装置が図1に示す装置と異なる所は、以下に説明する点である。
図10に示す装置は、図1中の光源モジュール3に代わる光源モジュール41と、図1中の光ファイバ4に代わる単芯の偏波面保持光ファイバ43とを調芯した後に、レーザ溶接機5により両者を連結することにより、半導体レーザ1の光を光ファイバ43に結合する半導体レーザモジュールを組み立てる装置として構成されている。
光源モジュール41は、半導体レーザ1及び集光レンズ2の他に、偏光方向が調整された偏光子42を有している。光源モジュール41は、保持具18を介してピエゾアクチュエータ9上に搭載されている。本実施の形態では、ピエゾアクチュエータ9は、光源モジュール41をステージ7に対してZ軸方向に往復走査するようになっている。また、図面には示していないが、光源モジュール41の半導体レーザ1及び偏光子42は、制御部17の制御下でステージ駆動部14により駆動されZθ方向に(すなわち、Z軸の回りの回転方向に)少なくとも180゜回転する回転ステージ(図示せず)に取り付けられている。ここでは、この回転ステージをZθ回転ステージと呼ぶ。偏波面保持光ファイバ43は、保持具19を介してステージ8上に搭載されている。
次に、図10に示す装置の調芯動作について説明する。
調芯動作を開始する際の初期の位置設定に関して、光源モジュール41の集光点に対する光ファイバ43の先端部43aの機械的設定誤差がZ軸で±250μm程度、X軸及びY軸で±200μm程度に収まっている場合について説明する。
この場合、ファイバ43の先端部43aの位置は、予想される集光点に対して予めZ軸に−300μm程度(光源モジュール43から遠方)、XY軸に各々−150μm程度、ずらした位置(この位置は設定位置であり、実際の位置は設定位置から前記設定誤差の分だけずれる。)から調芯動作を開始する。
調芯動作を開始すると、制御部17は、ピエゾ駆動部12に指令を与えて、ピエゾ駆動部12を介してピエゾアクチュエータ9を駆動し、光源モジュール41及びその集光スポットを、Z軸方向に例えば周波数30Hz、振幅300μmの正弦波形で往復走査させ、また、光源駆動回路13を介して光源モジュール41の半導体レーザ1を所定の電流値で発光させる。光ファイバ43の出射光の強度は、光検出器15で検出され、その出力が増幅部16で増幅され、増幅部16の出力が制御部17へ供給される。制御部17は、増幅部16に増幅モード選択信号を与えて、増幅部16に対数増幅を行わせる。本実施の形態では、増幅部16には対数増幅を継続して行わせる。一方、位置検出器10から増幅回路11を介して得られる位置検出信号が、制御部17へ供給される。制御部17は、増幅回路11からの位置検出信号と増幅部16からの出力(増幅された光強度信号)をA/D変換してデータとしてそれぞれ取り込むことにより、Z軸方向の往復走査の全振幅に渡る光強度分布を、例えば往復走査の半周期毎に順次得る。
このようなピエゾアクチュエータ9によるZ軸方向の往復走査に従った1次元的な光強度分布の取得は、後述する時点まで順次継続される。
このような状態で、まず、Zθ方向の位置調整を行う。すなわち、制御部17は、前述のようにして順次得られる各1次元的な光強度分布をモニタしながら、前記Zθ回転ステージを180゜の範囲で回転させ、光信号強度が概ね最大になる位置に戻って固定する。
次いで、X軸方向の位置調整を行う。この段階においては、制御部17は、前述のようにして順次得られる各1次元的な光強度分布について、当該光強度分布から光強度のピーク値又は半値幅(他の比率による所定比率値幅でもよい。この点は以下同様である。)を演算する。そして、制御部17は、各1次元的な光強度分布から得られる光強度のピーク値又は半値幅をモニタしながら、ステージ駆動部14を介してX軸ステージ8xを走査し、前記ピーク値が最大となる位置あるいは前記半値幅が最小となる位置を求め、X軸ステージ8xを停止させる。
次いで、Y軸方向の位置調整を行う。この段階においては、制御部17は、前述のようにして順次得られる各1次元的な光強度分布について、当該光強度分布から光強度のピーク値又は半値幅(他の比率による所定比率値幅でもよい。この点は以下同様である。)を演算する。そして、制御部17は、各1次元的な光強度分布から得られる光強度のピーク値又は半値幅をモニタしながら、ステージ駆動部14を介してY軸ステージ8yを走査し、前記ピーク値が最大となる位置あるいは前記半値幅が最小となる位置を求め、Y軸ステージ8yを停止させる。
次に、Z軸方向の位置調整を行う。この段階においては、制御部17は、前述のようにして順次得られる各1次元的な光強度分布の形状を判別し、光強度信号が大きくなる方向へZ軸ステージ8zを走査し、1次元的な光強度分布からピーク位置がZ軸方向の往復走査の振幅のほぼ中央になる位置へZ軸ステージ8zを移動して停止させる。
その後、Zθ方向の位置の再調整を行う。すなわち、制御部17は、前述のようにして順次得られる各1次元的な光強度分布をモニタしながら、前記Zθ回転ステージを180゜の範囲で回転させ、光信号波形が最大になる位置に戻って固定する。
最後に、制御部17は、ピエゾアクチュエータ9への正弦波による駆動信号の供給を停止させ、Z軸ステージ8zを走査するかピエゾアクチュエータ9の直流電圧を掃引して増幅部16から得られる信号が最大になる位置を求め、その位置の状態にして、調芯動作を完了する。
なお、更に高精度な調芯を行う場合は、最初のX軸方向の調整及びY軸方向の調整が終了した段階で、制御部17が増幅部16を対数増幅モードから直線増幅モードに切替えることによりピーク点検出の分解能を更に上げることができる。また、より完全な調芯を行う場合は、X軸方向の微調整及びY軸方向の微調整を複数回行ってもよい。
このX軸方向の微調整は、例えば、次のようにして行う。制御部17は、前述のようにして順次得られる各1次元的な光強度分布について、当該光強度分布から光強度のピーク値又は半値幅を演算する。そして、制御部17は、各1次元的な光強度分布から得られる光強度のピーク値又は半値幅をモニタしながら、ステージ駆動部14を介してX軸ステージ8xを走査し、前記ピーク値が最大となる位置あるいは前記半値幅が最小となる位置を求め、X軸ステージ8xを停止させる。なお、前記Y軸方向の微調整は、このX軸方向の微調整と同様に行うことができる。
図10に示す装置では、調芯が終了したら、リング状の連結部材20を図10中の左方向へ移動し、連結部材20と光源モジュール41との間、連結部材20と光ファイバ43のフェルールとの間をそれぞれ、レーザ溶接機5からのパルスレーザなどによりスポット溶接する。
本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
本実施の形態の変形例として、光源モジュール41の偏光子42の後段に着脱可能な1/4波長板を挿入し、これを挿入した状態で前記第3の実施の形態と同様にX,Y,Z軸の調整を行った後、前記1/4波長板を取り外して光源モジュール41を前記Zθ回転ステージにより回転し、偏波面保持光ファイバ43との偏光方向を合わせる方法でも良い。
[第5の実施の形態]
図11は、本発明の第5の実施の形態による光学部品の調芯装置を有する光学部品の組立装置を模式的に示す概略構成図である。図11において、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
図11に示す装置が図1に示す装置と異なる所は、以下に説明する点である。
図11に示す装置は、図1中の光源モジュール3に代わる光検出モジュール54の導波路デバイス51の導波路51aの入射端面と、図1中の光ファイバ4に代わる単芯の光ファイバ55とを調芯した後に、接着機59により両者を連結する組立装置として構成されている。
光検出モジュール54は、導波路51aを持つ導波路デバイス51と、光検出器としてのフォトダイオード53と、導波路51aの出射端面から出射した光をフォトダイオード53に集光するレンズ52と、を有し、導波路51aの入射端面から入射した光をフォトダイオード53で検出するようになっている。フォトダイオード53の出力である光強度信号は、増幅部16で増幅された後に制御部17に供給される。光検出モジュール54は、ピエゾアクチュエータ9上に搭載されている。本実施の形態では、ピエゾアクチュエータ9は、光検出モジュール54をステージ7に対してX軸方向に往復走査するようになっている。
光ファイバ55は、保持具19を介してステージ8上に搭載されている。光ファイバ55の入射端には、半導体レーザ57と集光レンズ58とを有する光源モジュール56が配置され、光源モジュール56の半導体レーザ57は光源駆動回路13から供給される電流により一定の光量で発光させられる。光源モジュール56の半導体レーザ57からの光は、集光レンズ58を経て光ファイバ55の入射端から光ファイバ55に入り、光ファイバ55の出射端から出射される。図11に示すように、光ファイバ55の出射端は導波路デバイス51の導波路51aの入射端と対向している。
ここで、図12乃至図15を参照して、光ファイバ55の出射端(発光点)から出射される光の強度分布について説明する。図12及び図14は、XZ平面(又はYZ平面)と平行であり前記焦点位置を含む平面内における光強度分布を模式的に示す光強度分布図である。なお、この光強度分布は、前記発光点を通りZ軸と平行な直線を中心として回転対称となる。図12及び図14は、発光点から出射された光強度が発光点位置からガウス分布で拡がると仮定して、対数表示したものであり、発光点位置での光強度を1(=100)として規格化し、各桁の等強度線を記入したものである。図13は、図12の紙面内においてX方向(又はY方向)に互いにずれたZ軸と平行な各ラインO’,P’,Q’,R’上での、各Z方向位置における光強度を示す図である。図15は、図14の紙面内においての互いにZ方向にずれたX軸(又はY軸)と平行な各ラインH’,I’,J’,K’上での、各X方向(Y方向)位置における光強度を示す図である。
図12乃至図15からわかるように、発光点から離れるに従って急激に減衰する。従来技術と同じく常に直線増幅器22を用いる場合には、一度に観察できる信号強度の範囲は例えば2〜3桁であり、図12及び図15において一度に2〜3本の等強度線の範囲しか観察できない。これに対して、対数増幅器21を用いると、例えば、図12及び図13の発光点から最も外側の等強度線(10−6の等強度線)までの範囲を同時に観察することが可能になる。なお、本実施の形態においても、増幅部16は、前記第1の実施の形態と同じ構成を持っており、対数増幅器22を有している。
次に、図11に示す装置の調芯動作について説明する。
調芯動作を開始する際の初期の位置設定に関して、光ファイバ55の出射端のの機械的設定誤差がZ軸で所定の設定位置に対して±250μm程度、X軸及びY軸で±100μm程度に収まっている場合について説明する。
この場合、光ファイバ55の出射端の位置は、導波路51aの入射端に対して予めZ軸に1500μm程度(導波路51aの入射端から遠方)、XY軸に各々−150μm程度、ずらした位置(この位置は設定位置であり、実際の位置は設定位置から前記設定誤差の分だけずれる。)から調芯動作を開始する。
調芯動作を開始すると、制御部17は、ピエゾ駆動部12に指令を与えて、ピエゾ駆動部12を介してピエゾアクチュエータ9を駆動し、導波路51aを含む光検出モジュール54を、X軸方向に例えば周波数30Hz、振幅100μm程度の正弦波形で往復走査させ、また、光源駆動回路13を介して光源モジュール56の半導体レーザ57を所定の電流値で発光させる。導波路51aに導入された光の強度は、フォトダイオード53で検出され、その出力が増幅部16で増幅され、増幅部16の出力が制御部17へ供給される。制御部17は、増幅部16に増幅モード選択信号を与えて、増幅部16に対数増幅を行わせる。本実施の形態では、増幅部16には対数増幅を継続して行わせる。一方、位置検出器10から増幅回路11を介して得られる位置検出信号が、制御部17へ供給される。制御部17は、増幅回路11からの位置検出信号と増幅部16からの出力(増幅された光強度信号)をA/D変換してデータとしてそれぞれ取り込むことにより、X軸方向の往復走査の全振幅に渡る光強度分布を、例えば往復走査の半周期毎に順次得る。
このようなピエゾアクチュエータ9によるX軸方向の往復走査に従った1次元的な光強度分布の取得は、後述する時点まで順次継続される。
このような状態で、まず、X軸方向の位置調整を行う。この段階では、制御部17は、前述のようにして順次得られる各1次元的な光強度分布について、当該光強度分布から所定範囲の光強度の積分値又は平均値を演算する。そして、制御部17は、各1次元的な光強度分布から得られる光強度の所定範囲の積分値又は平均値をモニタしながら、ステージ駆動部14を介してX軸ステージ8xをプラス方向へ走査し、この積分値又は平均値が最大になる位置(X軸方向のほぼ中心位置に相当)を求め、X軸ステージ8xを停止させる。前記積分値又は平均値が最大になる位置がY軸方向のほぼ中心位置に相当するものとなることは、図12乃至図15を参照して説明した光強度分布から理解することができる。
次いで、Y軸方向の位置調整を行う。この段階では、制御部17は、前述のようにして順次得られる各1次元的な光強度分布について、当該光強度分布から所定範囲の光強度の積分値又は平均値を演算する。そして、制御部17は、各1次元的な光強度分布から得られる光強度の所定範囲の積分値又は平均値をモニタしながら、ステージ駆動部14を介してY軸ステージ8yをプラス方向へ走査し、この積分値又は平均値が最大になる位置(Y軸方向のほぼ中心位置に相当)を求め、Y軸ステージ8yを停止させる。前記積分値又は平均値が最大になる位置がX軸方向のほぼ中心位置に相当するものとなることは、図12乃至図15を参照して説明した光強度分布から理解することができる。
次に、制御部17は、Z軸ステージ8zを光ファイバ55と導波路51aを近づける方向へ約1000μm移動させる。この時、制御部17は、1次元的な光強度分布が台形状を示していれば台形波形がピエゾアクチュエータ9によるX軸方向の往復走査の振幅のほぼ中央になる位置へX軸ステージ8xを移動させ、台形状でなく、左右非対称の波形の場合は、X軸ステージ8xを信号のレベルの高い方向へ走査し、台形波形がピエゾアクチュエータ9によるX軸方向の往復走査の振幅のほぼ中央になる位置までX軸ステージ8xを移動させる。
次に、制御部17は、1次元的な光強度分布の積分値又は平均値をモニタしながらY軸方向の位置を再度調整し、積分値又は平均値が最大になる位置までY軸ステージ8yを移動させる。
次に、制御部17は、Z軸ステージ8zでファイバ55を導波路51aへ徐々に近づけて行く。すると、1次元的な光強度分布は、図16に示すように徐々に信号のピーク強度が増すとともに、波形の幅(半値幅)が縮まってくる。ファイバ55の出射端と導波路51aの入射端との間のギャップ長と波形の幅(半値幅)とは、図17に例示するように、一定の関係があるので、所定の幅に到達した時点でZ軸ステージ8zの移動を止める。
その後、制御部17は、ピエゾアクチュエータ9への正弦波による駆動信号の供給を停止させ、X軸ステージ8xを走査するかピエゾアクチュエータ9の直流電圧を掃引して増幅部16から得られる信号が最大になる位置を求め、その位置の状態にする。
次に、制御部17は、Z軸ステージ8zを所定の距離だけ移動してファイバ55の出射端を導波路51aの入射端に突き当てる。
その後、制御部17は、接着機59により、半田付けもしくは接着剤等によりファイバ55の出射端と導波路51aの入射端とを固定させる。これにより、組立が完了する。
なお、本実施の形態の方法により、導波路デバイスの導波路端面と半導体レーザチップとの調芯も可能である。但し、この場合、制御部17は、導波路端面と半導体レーザチップのギャップ長を決定した時点で、ピエゾアクチュエータ9への正弦波による駆動信号の供給を停止させ、X軸ステージ8xを走査するかピエゾアクチュエータ9の直流電圧を掃引して増幅部16から得られる信号が最大になる位置を求め、その位置の状態にし、両者の突き当ては行わない。
なお、本実施の形態では、ピエゾアクチュエータ9による往復走査の走査方向をX軸方向としているが、その走査方向は例えばY軸方向であっても構わない。
[第6の実施の形態]
図18は、本発明の第6の実施の形態による光学部品の調芯装置を有する光学部品の組立装置を模式的に示す概略構成図である。図19は、図18中の要部を模式的に示す概略斜視図である。図20は、図18に示す装置の傾きに関する調芯の原理を模式的に示す図である。図18及び図19において、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
図18に示す装置が図1に示す装置と異なる所は、以下に説明する点である。
図18に示す装置は、図1中の光源モジュール3に代わる導波路デバイス61と、図1中の光ファイバ4に代わるリボン光ファイバ62とを調芯した後に、接着機63により両者を連結する組立装置として構成されている。
導波路デバイス61は、図19に示すように、1本の導波路(説明の便宜上、「分岐前導波路」と呼ぶ。)が複数の導波路(説明の便宜上、「分岐後導波路」と呼ぶ。)に分岐した構成の分岐導波路64を有している。分岐導波路64の複数の分岐後導波路の端面は、図19及び図20に示すように、直線L1上に所定ピッチで配置され、それぞれ光を互いに平行な光軸に沿って出射させ得る部位となっている。
導波路デバイス61は、ピエゾアクチュエータ9上に搭載されている。導波路デバイス61の分岐前導波路の端面には光ファイバ65の一端が結合され、光ファイバ65の他端には、半導体レーザ66と集光レンズ67とを有する光源モジュール68が配置され、光源モジュール68の半導体レーザ66は光源駆動回路13から供給される電流により一定の光量で発光させられる。半導体レーザ66からの光は、集光レンズ57及び光ファイバ65を経由して、分岐導波路64の分岐前導波路に入射され、分岐導波路64の複数の分岐後導波路からそれぞれ出射される。
リボン光ファイバ62は、図19に示すように、複数の芯線光ファイバ69を有している。複数の芯線光ファイバ69の一方端面は、図19及び図20に示すように、直線L2上に前記所定ピッチと同一ピッチで配置され、それぞれ光を互いに平行な光軸に沿って入射させ得る部位となっている。リボン光ファイバ62の一方側部分が、保持具19により、ステージ8上に搭載されている。複数の芯線光ファイバ69の一方端面は、導波路デバイス61の分岐導波路64の複数の分岐後導波路の端面とそれぞれ対向している。
リボン光ファイバ62の両側の2つの芯線光ファイバ69の他端には、光検出器15A,15Bがそれぞれ配置されている。導波路デバイス61の分岐導波路64の両側の2つの分岐後導波路の端面からそれぞれ出射された光は、リボン光ファイバ62の両側の2つの芯線光ファイバ69を経由して、光検出器15A,15Bによりそれぞれ検出される。光検出器15A,15Bの各出力は、それぞれ増幅部16A,16Bで増幅された後に制御部17に供給される。各増幅部16A,16Bは、図1中の増幅部16と同じ構成を持っており、対数増幅器22を有している。
また、本実施の形態では、ステージ8は、X,Y,Z軸以外にZθ回転軸の調整機構を有している。すなわち、ステージ8は、X軸ステージ8x、Y軸ステージ8y、Z軸ステージ8z及びZθ回転ステージ8zθを複合したものとなっている。ただし、各軸のステージ8x〜8z,8zθの図示は省略している。
次に、図18に示す装置の調芯動作について説明する。
調芯動作を開始すると、制御部17は、ピエゾ駆動部12に指令を与えて、ピエゾ駆動部12を介してピエゾアクチュエータ9を駆動し、導波路デバイス61を、X軸方向に例えば周波数30Hz程度、振幅100μm〜300μm程度(±50〜150μm)程度の所定振幅の正弦波形で往復走査させ、また、光源駆動回路13を介して光源モジュール68の半導体レーザ66を所定の電流値で発光させる。これにより、リボン光ファイバ62の両側の2本の芯線光ファイバ69にそれぞれ導入された各光の強度は、光検出器15A,15Bでそれぞれ検出され、それらの出力が増幅部16A,16Bでそれぞれ増幅され、増幅部16A,16Bの出力が制御部17へ供給される。制御部17は、増幅部16A,16Bに増幅モード選択信号を与えて、増幅部16A,16Bに対数増幅を行わせる。本実施の形態では、増幅部16には対数増幅を継続して行わせる。一方、位置検出器10から増幅回路11を介して得られる位置検出信号が、制御部17へ供給される。制御部17は、増幅回路11からの位置検出信号と増幅部16A,16Bからの出力(増幅された光強度信号)をそれぞれA/D変換してデータとしてそれぞれ取り込むことにより、X軸方向の往復走査の全振幅に渡る1次元的な光強度分布を、光検出器15A,15Bに対応するもの毎に、例えば往復走査の半周期毎に順次得る。光検出器15Aに対応するものをチャンネルA(CH A)、光検出器15Bに対応するものをチャンネルB(CH B)と呼ぶ。
このようなピエゾアクチュエータ9によるX軸方向の往復走査に従った1次元的な光強度分布の取得は、後述する時点まで順次継続される。
このような状態で、まず、制御部17は、Z軸ステージ8zを調整して、機械的に安全な範囲でリボンファイバ62を導波路デバイス61に接近させる。
このとき、導波路デバイス61とリボンファイバ62の左右端がX軸で±50μm程度に収まっている場合、光検出器15A,15Bにそれぞれ対応して得られた各チャンネルCH A,CH Bの1次元的な光強度分布は、図20に示すようになる。
この時、導波路デバイス61の前記直線L1とリボンファイバ62の前記直線L2とが傾いていれば、1次元的な光強度分布におけるのピーク位置(ピークのX軸方向位置)は、互いにずれてばらつくことになる。制御部17は、2つの1次元的な光強度分布のピーク位置を演算し、両者のばらつきがほぼなくなるように、Zθ回転ステージ8zθにより角度を調整する。
なお、本発明によれば、ピエゾアクチュエータ9によるX軸方向の往復走査の振幅が小さい場合や部品の機械的設定誤差が大きい等の原因で1次元的な光強度分布のピーク位置がピエゾアクチュエータ9によるX軸方向の往復走査の振幅の範囲内に収まらない場合でも、得られる1次元的な光強度分布の波形の裾部分の傾斜から、それぞれのピーク位置が往復走査の振幅のどちらにずれているかを判別できるので、制御部17は、その判別結果に基づいてピークが現れる方向へZθ軸のステージ8zθおよびX軸ステージ8xを調整すれば、容易に角度調整ができる。
次に、制御部17は、Y軸ステージ8yを走査し、各チャンネルの1次元的な光強度分布のピーク強度が最大になるY軸位置を求め、この位置に停止させる。この時、左右のチャンネルで最大信号の得られるY軸上の位置がずれる場合は、その中間位置とするかもしくは2つのピーク強度が同一になるように調整する。
制御部17は、Y軸の調整が終了した後、制御部17は、Z軸ステージ8zを走査して導波路にリボンファイバを近づけ、所定の距離でステージの移動を止める。この時、図16及び図17を参照して既に説明した事項と同様に、導波路デバイス61とリボンファイバ62先端の距離を1次元的な光強度分布から得られる半値幅等から知ることができる。
次に、制御部17は、ピエゾアクチュエータ9への正弦波による駆動信号の供給を停止させ、X軸ステージ8xを走査するかピエゾアクチュエータ9の直流電圧を掃引して増幅部16A,16Bの一方から得られる信号が最大になる位置を求め、その位置の状態にする。その後、Z軸ステージ8zを所定の距離だけ移動してリボン光ファイバ62を導波路デバイス61に突き当てるか最少距離に設定する。
その後、制御部17は、接着機63により、接着剤等によりリボン光ファイバ62の端部と導波路デバイス61の端部とを固定させる。これにより、組立が完了する。
なお、以上説明した例では、リボン光ファイバ62の複数の芯線光ファイバ69のうちの両側の2本の芯線光ファイバ69について光強度を検出しているが、2本以上の任意の数の芯線光ファイバ69について光強度を検出してもよく、リボン光ファイバ62が例えば16〜32本のような多芯であっても、全ての芯線光ファイバ69についてそれぞれ光強度を検出してもよい。
[第7の実施の形態]
図21は、本発明の第7の実施の形態による光学部品の調芯装置を有する、高周波特性計測装置を模式的に示す概略構成図である。図21において、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
図21に示す装置が図1に示す装置と異なる所は、以下に説明する点である。
図21に示す装置は、光検出器としての高速フォトダイオードの高周波特性を計測する高周波特性計測装置として、構成されている。
図21に示す装置では、図1中の光ファイバ4に代えて、計測対象としてのフォトダイオード71が保持具72を介してステージ8上に搭載されている。フォトダイオード71は、光源モジュール3に対向している。また、図21に示す装置では、レーザ溶接機5及び光検出器15に代えて、バイアスT73、信号発生器74、分岐回路75及びスペクトラムアナライザ76が設けられている。
フォトダイオード71は、光源モジュール3から入射したレーザ光強度を検出する。フォトダイオード71の出力は、分岐回路75により2つに分岐され、分岐された一方の出力が増幅部16で増幅されて制御部17に送られる。分岐回路75により分岐された他方の出力は、スペクトラムアナライザ76に送られ、スペクトラムアナライザ等によりその周波数特性などが計測される。光源モジュール3の半導体レーザ1は、バイアスT73を通して信号発生器74により変調される。
図21に示す装置では、前述した図1に示す装置の調芯動作と同様の調芯動作によって、光源モジュール3の集光点に対してフォトダイオード71が位置合わせされる。
なお、通常は、フォトダイオード71の受光面積は数10μmφと光源モジュール3の集光スポットよりも大きく、また、受光面積内の感度ムラもあるため、1値次元的な光強度分布のピーク点が明確に決められない場合があり得る。そのような場合は、信号の最大値に対して半値全幅の中心や重心位置に合わせても良く、フォトダイオード71の受光面に設けられたガードリング位置(図22を参照)を参照して中心位置を求める方法でも良い。
調芯が終了したら、制御部17は、信号発生器74を制御して、発振周波数を掃引し、スペクトラムアナライザ76等により、フォトダイオード71の周波数特性を計測する。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
例えば、図1に示す装置を変形して図9に示す装置を得たのと同様の変形を、図10に示す装置、図11に示す装置、図18に示す装置及び図21に示す装置にそれぞれ適用して、それらの装置に対応しオペレータの判断等に委ねる装置を構成することもできる。なお、図18に示す装置にそのような変形を適用する場合には、増幅器16A,16Bの各々に対して1つずつオシロスコープを設けてよいが、2現象オシロスコープを用いることが好ましい。