JP2008190690A - ディファレンシャル装置の潤滑構造 - Google Patents

ディファレンシャル装置の潤滑構造 Download PDF

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Abstract

【課題】オイル貯留量を多く設定することなしに、車両が長期間に亘って停車された状態から発進された場合であっても、ディファレンシャル機構に良好な潤滑状態を得ることができるディファレンシャル装置の潤滑構造を提供する。
【解決手段】ディファレンシャルのサイドギヤ10,11の背面及びピニオンギヤ8,9の背面それぞれにデフケースの内壁面に先端が当接するシールリップ25,26を取り付ける。車両が長期間に亘って停車された場合であっても、シールリップ25,26により形成されるオイル保持空間にオイルを継続的に保持できる。また、車両走行開始時や差動時には、シールリップ25,26に作用する遠心力によりオイル保持空間が開放され、オイルの入れ換え動作が行われる。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば車両の左右車輪に対する差動動作を行うディファレンシャル装置の潤滑構造に関する。特に、ピニオンギヤ及びサイドギヤを有するディファレンシャル機構部に潤滑油を保持させるための対策に関する。
従来より、車両のディファレンシャル装置は、例えば下記の特許文献1に開示されているように、リングギヤに回転一体に取り付けられたディファレンシャルギヤケース(以下、単にデフケースと呼ぶ)の内部に、一対のピニオンギヤをピニオンシャフトにより自転自在に支持している。また、上記各ピニオンギヤに一対のサイドギヤを噛み合わせている。これにより、上記ピニオンギヤは、ドライブシャフトの回転軸心回りに公転自在(デフケースと回転一体)で且つピニオンシャフトの軸心回りに自転自在に支持され、サイドギヤは、ドライブシャフトの回転軸心回りに自転自在に支持されている。また、この各サイドギヤには、それぞれドライブシャフトが連結されている。
これにより、車両の直進走行時には、リングギヤから伝達された回転駆動力によりデフケースが回転し、それに伴い各ピニオンギヤがドライブシャフトの回転軸心回りに公転すると共に、各サイドギヤがドライブシャフトの回転軸心回り自転して左右のドライブシャフト及び駆動輪が同一回転数で回転する。一方、車両の旋回時等にあっては、上記一対のピニオンギヤがそれぞれ互いに逆方向に自転することで両サイドギヤを差動回転させながらドライブシャフトの回転軸心回りに公転し、これに伴い、リングギヤから伝達された回転駆動力が左右のドライブシャフトを介して左右の駆動輪に差動分配されることになる。
一方、この種のディファレンシャル装置における潤滑方法としては、一般的に所謂跳ねかけ方式が採用されている。つまり、ハウジングの底部に貯留されている潤滑用オイル(以下、単にオイルと呼ぶ)をリングギヤで跳ね上げて、上記各ギヤ同士の噛み合い部分や軸受け部分に供給する構成となっている。また、オイルポンプから供給されるオイルの一部をデフケース内部に導いて上記各所の潤滑を行うものも知られている。
下記の特許文献2には、車両走行時にデフケースに生じる遠心力によってデフケース内の潤滑油量が少なくなってしまうことを抑制するために、デフケース内壁面の一部を凹陥させ、この凹陥部分を油溜として機能させる構成が開示されている。
特開2001−90806号公報 特開2002−174327号公報
ところで、車両が長期間に亘って停車された場合、上記ディファレンシャル機構に存在していた潤滑油が流下し、この機構部分には殆ど潤滑油が存在しない状況となる。
このような状況で車両が発進されると、上記跳ねかけ潤滑式のものでは、ハウジング底部のオイルがリングギヤによって跳ね上げられ、また、オイルポンプからのオイルを利用するものでは、このオイルポンプからの給油によって、次第にディファレンシャル機構各所にオイルが供給されて適切な潤滑が行えるようになっていく。
このような車両の発進後、直進走行が継続される状況では、各ピニオンギヤ及び各サイドギヤがデフケースと一体的に回転する状態が続くため、車両の旋回等に伴う差動動作が開始される前にディファレンシャル機構各所へのオイル供給が行われ、適切な潤滑がなされた状態での差動動作が可能であり、特に支障は招かない。
しかしながら、この車両発進直後に車両旋回等が行われてディファレンシャル機構の差動動作が行われた場合、未だ十分なオイルがディファレンシャル機構部分に導入されていない状況で差動動作が行われてしまう可能性がある。そして、差動動作によって上記ピニオンギヤとデフケースとの間の相対回転差及び上記サイドギヤとデフケースとの間の相対回転差が大きくなった状況では、これら部材間での潤滑不良を招いてしまう可能性がある。実際には、ピニオンギヤとデフケースとの間には球面滑り軸受けとしてのピニオンスラストワッシャが介在されており、また、サイドギヤとデフケースとの間にはスラスト軸受けとしてのサイドギヤスラストワッシャが介在されているため、各ワッシャとそれに摺接する部材との間の潤滑不良が生じてしまうことになる。
このような不具合を回避するために、予めハウジング内のオイル貯留量を多く設定しておき、車両停車状態では、上記ピニオンギヤやサイドギヤがオイルに浸漬される構成としておくことが考えられる。
しかし、これでは、比較的大量のオイルをハウジング内に貯留させておかねばならず、コストの高騰を招くばかりでなく、車両走行時には、各ギヤが、貯留されているオイルを攪拌する状況となり、その攪拌抵抗が大きくなって燃料消費率の悪化を招いてしまうことになる。このような状況は、上記特許文献2の構成とした場合であっても同様に生じることになる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、オイル貯留量を多く設定することなしに、車両が長期間に亘って停車された状態から発進された場合であっても、ディファレンシャル機構に良好な潤滑状態を得ることができるディファレンシャル装置の潤滑構造を提供することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、ディファレンシャル装置の差動動作を行うためのギヤであるサイドギヤやピニオンギヤとデフケースとの間で潤滑油を保持できる構成とし、車両が長期間に亘って停車された場合であっても、この両者間での潤滑油保持状態が継続的に維持できる構成としている。
−解決手段−
具体的に、先ず、サイドギヤとディファレンシャルケースとの間で潤滑油を保持する構成として以下のものが挙げられる。つまり、ディファレンシャルケースの内部に、互いに噛み合いながら回転するピニオンギヤ及びサイドギヤが収容され、これらピニオンギヤ及びサイドギヤの回転により差動動作を行うよう構成されたディファレンシャル装置を前提とする。このディファレンシャル装置に対し、上記サイドギヤを、その背面がディファレンシャルケースの内壁面に近接するよう配置させ、このサイドギヤの背面に、サイドギヤ回転中心回りの全周囲に亘るシール部材を取り付ける。そして、外力が作用していない状態では、このシール部材の先端部の全周囲がディファレンシャルケースの内壁面に当接する構成としている。
この特定事項により、車両の走行時には、上述した潤滑油の跳ねかけやオイルポンプからの潤滑油供給等の手段により、ディファレンシャルケースの内部に潤滑油が供給され、ピニオンギヤとサイドギヤとの噛み合い部分や、サイドギヤの背面とディファレンシャルケースの内壁面との間に潤滑油が導入されて各所が潤滑される。この際、潤滑油の一部は、サイドギヤの背面、ディファレンシャルケースの内壁面、サイドギヤの背面に取り付けられたシール部材の間で囲まれた空間に流れ込んでおり、車両が停車した後には、この空間に潤滑油が保持され、この保持状態が継続される。具体的には、車両の停車状態ではシール部材に外力(遠心力やオイル圧力)が作用しないので、この状態では、シール部材の先端部の全周囲がディファレンシャルケースの内壁面に当接する。これにより、上記三者(サイドギヤ、ディファレンシャルケース、シール部材)で囲まれた空間のうちの少なくとも下部にあっては潤滑油が継続的に保持される。このため、車両が長期間に亘って停車された状態から発進された場合であっても、この空間に保持されている潤滑油によって、サイドギヤの背面とディファレンシャルケースの内壁面との間は迅速に潤滑されることになる。その結果、車両発進直後に車両旋回等が行われてディファレンシャル機構の差動動作が行われた場合であっても、十分な潤滑が行われた状態での差動動作が可能になるので、このサイドギヤとディファレンシャルケースとの間の潤滑不良を招くことはなく、良好な差動動作が行える。
一方、ピニオンギヤとディファレンシャルケースとの間で潤滑油を保持する構成として以下のものが挙げられる。つまり、ディファレンシャルケースの内部に、互いに噛み合いながら回転するピニオンギヤ及びサイドギヤが収容され、これらピニオンギヤ及びサイドギヤの回転により差動動作を行うよう構成されたディファレンシャル装置を前提とする。このディファレンシャル装置に対し、上記ピニオンギヤを、その背面がディファレンシャルケースの内壁面に近接するよう配置させ、このピニオンギヤの背面に、ピニオンギヤの自転中心軸回りの全周囲に亘るシール部材を取り付ける。そして、外力が作用していない状態では、このシール部材の先端部の全周囲がディファレンシャルケースの内壁面に当接する構成としている。
この特定事項によっても上記解決手段の場合と同様に、車両の走行時には、潤滑油の一部が、ピニオンギヤの背面、ディファレンシャルケースの内壁面、ピニオンギヤの背面に取り付けられたシール部材の間で囲まれた空間に流れ込んでおり、車両が停車した後には、この空間に潤滑油が保持され、この保持状態が継続される。具体的には、車両の停車状態ではシール部材に外力(遠心力やオイル圧力)が作用しないので、この状態では、シール部材の先端部の全周囲がディファレンシャルケースの内壁面に当接する。これにより、上記三者(ピニオンギヤ、ディファレンシャルケース、シール部材)で囲まれた空間のうちの少なくとも下部にあっては潤滑油が継続的に保持される。特に、ピニオンギヤは、差動動作時にはサイドギヤの回転軸心回りを公転することになり、車両停車時の公転方向の停止位置は様々であるが、如何なる公転位置でピニオンギヤが停止した場合であっても、上記三者で囲まれた空間に潤滑油を保持することが可能である。このため、車両が長期間に亘って停車された状態から発進された場合であっても、この空間に保持されている潤滑油によって、ピニオンギヤの背面とディファレンシャルケースの内壁面との間は迅速に潤滑されることになる。その結果、車両発進直後に車両旋回等が行われてディファレンシャル機構の差動動作が行われた場合であっても、十分な潤滑が行われた状態での差動動作が可能になるので、このピニオンギヤとディファレンシャルケースとの間の潤滑不良を招くことはなく、良好な差動動作が行える。
このようにピニオンギヤとディファレンシャルケースとの間で潤滑油を保持する構成とした場合において、潤滑油の保持性能を更に高めるための構成としては以下のものが挙げられる。つまり、上記ピニオンギヤは、ディファレンシャルケースに形成されたシャフト挿通孔に挿通されたピニオンシャフトによって自転自在に支持されており、このピニオンシャフトの外面と上記シャフト挿通孔の内面との間にシールリングを介在させた構成である。
上述した如く、一般的なピニオンギヤの支持構造としては、ディファレンシャルケースに形成されたシャフト挿通孔に挿通されたピニオンシャフトによってピニオンギヤは自転自在に支持されている。このため、車両停車後には、ピニオンギヤ背面とディファレンシャルケース内壁面との間に存在していた潤滑油は上記シャフト挿通孔から下方へ流下する可能性がある。特に、シャフト挿通孔の軸心が略鉛直方向に延びる状態でピニオンギヤが停止した場合は顕著である。これではピニオンギヤ背面とディファレンシャルケース内壁面との間に潤滑油を保持することが困難になるため、本解決手段では、この潤滑油の流下経路となるピニオンシャフトの外面とシャフト挿通孔の内面との間にシールリングを介在させている。これにより、車両停車後の潤滑油の流下が確実に防止され、ピニオンギヤ、ディファレンシャルケース、シール部材で囲まれた空間に潤滑油を確実に保持することができて、潤滑性能の信頼性の向上を図ることができる。
また、上述したサイドギヤとデフケースとの間で潤滑油を保持する構成における、より具体的な構成としては以下のものが挙げられる。つまり、上記シール部材を、略円環状の弾性体で成し、その内周縁部をサイドギヤの背面に取り付ける一方、外力が作用していない状態では、外周縁部の全周囲をディファレンシャルケースの内壁面に当接するよう配設する。
この構成によれば、車両が発進するまではサイドギヤは停止状態であるので、上述した如く、上記サイドギヤ、ディファレンシャルケース、シール部材で囲まれた空間に潤滑油が保持され、発進直後の潤滑性が良好に確保される。そして、車両が発進すると、それに伴ってサイドギヤが回転し、シール部材や上記空間内の潤滑油に遠心力等の外力が作用することになる。この外力の作用により、シール部材の外周縁部はディファレンシャルケースの内壁面から離隔することになる。つまり、サイドギヤ、ディファレンシャルケース、シール部材で囲まれていた空間が開放されることになる。このため、この空間の開放により、上記車両停止時に保持されていた潤滑油は排出され、新たな潤滑油がこの空間に流入して潤滑油の入れ換え動作が行われる。その結果、この空間内において潤滑油の温度が異常上昇してしまうことを回避でき、潤滑性能が良好に維持される。また、シール部材の外周縁部がディファレンシャルケースの内壁面に連続的に摺接する状況を防止できるため、シール部材の摩耗を抑制することができて、このシール部材によるオイル保持機能を長期間に亘って安定的に維持することができる。
同様に、上述したピニオンギヤとディファレンシャルケースとの間で潤滑油を保持する構成における、より具体的な構成としては以下のものが挙げられる。つまり、上記シール部材を、略円環状の弾性体で成し、その内周縁部をピニオンギヤの背面に取り付ける一方、外力が作用していない状態では、外周縁部の全周囲をディファレンシャルケースの内壁面に当接するよう配設する。
この構成によれば、車両が発進して差動動作が行われるまではピニオンギヤの自転は行われないことになるので、上述した如く、上記ピニオンギヤ、ディファレンシャルケース、シール部材で囲まれた空間に潤滑油が保持され、発進直後の潤滑性が良好に確保される。そして、車両が旋回するなどして差動動作が行われると、それに伴ってピニオンギヤが自転し、シール部材や上記空間内の潤滑油に遠心力等の外力が作用することになる。この外力の作用により、シール部材の外周縁部はディファレンシャルケースの内壁面から離隔することになる。つまり、ピニオンギヤ、ディファレンシャルケース、シール部材で囲まれていた空間が開放されることになる。このため、この空間の開放により、上記差動動作の開始前に保持されていた潤滑油は排出され、新たな潤滑油がこの空間に流入して潤滑油の入れ換え動作が行われる。その結果、この空間内において潤滑油の温度が異常上昇してしまうことを回避でき、潤滑性能が良好に維持される。また、シール部材の外周縁部がディファレンシャルケースの内壁面に摺接する時間を短くすることができるため、シール部材の摩耗を抑制することができて、このシール部材によるオイル保持機能を長期間に亘って安定的に維持することができる。
本発明では、ディファレンシャル装置の差動動作を行うためのギヤであるサイドギヤやピニオンギヤとディファレンシャルケースとの間で潤滑油を保持できる構成とし、車両が長期間に亘って停車された場合であっても、この両者間での潤滑油保持状態が継続的に維持できる構成としている。このため、車両発進直後に車両旋回等が行われてディファレンシャル機構の差動動作が行われた場合であっても、十分な潤滑が行われた状態での差動動作が可能になる。その結果、サイドギヤとディファレンシャルケースとの間やピニオンギヤとディファレンシャルケースとの間の潤滑不良を回避することができ、良好な差動動作を行うことができる。また、潤滑油貯留量を予め多く設定しておく必要がないため、ギヤ等による潤滑油の攪拌が抑制されて攪拌抵抗が削減でき、燃料消費率の改善を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式の自動車に搭載されたディファレンシャル装置(以下、単にディファレンシャルと呼ぶ)に本発明を適用した場合について説明する。
図1は、本実施形態に係るディファレンシャル1の断面図であり、図2は、図1における(2)−(2)線に対応した位置における断面図である。また、図3は、ディファレンシャル1に備えられている各ピニオンギヤ8,9、各サイドギヤ10,11、各ワッシャ20,21,22,23等の分解斜視図である。
−ディファレンシャル1の概略構成−
デファレンシャル1は、図示しない変速機構(例えば自動変速機)から出力される回転動力を、左右一対のドライブシャフト2,3を介して左右の駆動輪に伝達するものである。
そして、デファレンシャル1は、一般的に公知のツーピニオンタイプで構成されており、主として、デフケース6、リングギヤ7、一対のピニオンギヤ8,9、一対のサイドギヤ10,11等を含む構成となっている。
デフケース6は、変速機ハウジング12の左右二つの貫通孔12a,12bにそれぞれ転がり軸受14,14を介して相対回転可能に支持されている。詳しくは、このデフケース6は、中空の箱形状で成り、その周壁部分において対向する2箇所にボス部6a,6bが突設されており、これら各ボス部6a,6bの外周面と、変速機ハウジング12の貫通孔12a,12bの内周面との間に上記転がり軸受14,14が介装されている。
リングギヤ7は、デフケース6の外周部に形成されたフランジ6iにボルト16により一体的に取り付けられており、変速機構の出力ギヤ5に噛合されている。
上記一対のピニオンギヤ8,9は、デフケース6の内部空間に配置され、デフケース6に取り付けられるピニオンシャフト15によって回転自在に支持されている。具体的に、デフケース6には、上記ドライブシャフト2,3の軸心に対して直交する方向を軸心とするシャフト挿通孔6c,6dが形成されており、これらシャフト挿通孔6c,6dに挿通されたピニオンシャフト15によって各ピニオンギヤ8,9が回転(自転)自在に支持されている。また、これら一対のピニオンギヤ8,9の背面(外周側の面)8a,9a(図6及び図7参照)は略球面形状とされており、このピニオンギヤ8,9の背面8a,9aとデフケース6の内壁面6e,6fとの間には球面滑り軸受けとしてのピニオンスラストワッシャ20,21が介在されている。
一対のサイドギヤ10,11は、中空軸部10a,11aの軸方向の一端にかさ歯車を設けた構成である。この一対のサイドギヤ10,11は、そのかさ歯車が一対のピニオンギヤ8,9に噛合されている。この中空軸部10a,11aの軸方向外端側は、デフケース6のボス部6a,6bの内径側に微小隙間を介して回転可能に挿入されている。また、この一対のサイドギヤ10,11の背面(外周側の面)10b,11b(図4及び図6参照)とデフケース6の内壁面6g,6hとの間には円環状のスラスト軸受けとしてのサイドギヤスラストワッシャ22,23が介在されている。
各サイドギヤ10,11の中空軸部10a,11a内には、左右の各ドライブシャフト2,3の内端部分がそれぞれスプライン嵌合されており、この各サイドギヤ10,11の回転に伴って各ドライブシャフト2,3が回転するようになっている。
尚、変速機ハウジング12の貫通孔12a,12bの内周面には、アウターシール18,18が装着されることによって、貫通孔12a,12bとドライブシャフト2,3との環状対向空間が軸方向内外で仕切られている。このアウターシール18,18は、変速機ハウジング12内に貯留される潤滑油(オイル)が外部へ漏洩することを防止するためのものである。
尚、図1における符号15aはピニオンシャフト15の抜け止めのためのピンであり、符号12c,12dは各転がり軸受14,14やデフケース6内にオイルを導入するためのオイル導入孔である。
このような構成のデファレンシャル1の動作については基本的に公知のとおりであるので、ここでは簡単に説明する。
先ず、車両が直進している場合には、出力ギヤ5からリングギヤ7に回転動力が入力されると、リングギヤ7に回転一体となっているデフケース6が回転し、このデフケース6と一体的に各ピニオンギヤ8,9が公転(ドライブシャフト2,3の軸心回りに公転)することになる。これにより、一対のサイドギヤ10,11及び一対のドライブシャフト2,3が回転駆動されるので、左右の駆動輪が同一回転数で駆動される。
一方、車両のカーブ走行(旋回)等によって、左右の駆動輪に回転抵抗差が生じたときには、一対のピニオンギヤ8,9が自転することになって、両サイドギヤ10,11が差動回転することになる。これにより、リングギヤ7に入力された回転動力が左右のドライブシャフト2,3を介して左右の駆動輪に差動分配されることになる。
−オイル保持構造−
次に、本実施形態の特徴とする構成であるオイル保持構造について説明する。このオイル保持構造としては、上記各サイドギヤ10,11の背面10b,11bとデフケース6の内壁面6g,6hとの間の空間でオイルを保持する構造(以下に述べる第1のオイル保持構造)と、上記ピニオンギヤ8,9の背面8a,9aとデフケース6の内壁面6e,6fとの間の空間でオイルを保持する構造(以下に述べる第2のオイル保持構造)とが備えられている。以下、それぞれのオイル保持構造について説明する。
(第1のオイル保持構造)
先ず、各サイドギヤ10,11の背面10b,11bとデフケース6の内壁面6g,6hとの間の空間でオイルを保持する構造について説明する。図1中の左側のサイドギヤ10の背面10bとデフケース6の内壁面6gとの間のオイル保持構造と、図1中の右側のサイドギヤ11の背面11bとデフケース6の内壁面6hとの間のオイル保持構造とは略同一構造であるので、ここでは図1中の右側のサイドギヤ11の背面11bとデフケース6の内壁面6hとの間のオイル保持構造を代表して説明する。
図4は、一方のサイドギヤ11とデフケース6とで成るオイル保持構造部分を示す断面図である。また、図5は、サイドギヤ11の背面11b及びこの背面11bに当接されている上記サイドギヤスラストワッシャ23を示す図である。
これら図に示すように、サイドギヤ11の背面11b(デフケース6の内壁面6hに対向する面)において、上記サイドギヤスラストワッシャ23の外周側の領域には円環形状のシールリップ25が取り付けられている。このシールリップ25はゴム製であって、その内周縁がサイドギヤ11の背面11bに加硫接着等の手段によって取り付けられている。一方、このシールリップ25は、外周側に向かうに従ってサイドギヤ11の背面11bから離れる方向、つまり、デフケース6の内壁面6hに向かう方向に延びる略擂り鉢形状に形成されており、外力(後述する遠心力やオイル圧力など)が作用していない状況では、その外周縁がデフケース6の内壁面6hに当接している。
つまり、このシールリップ25は、サイドギヤ11の背面11bからデフケース6の内壁面6hに亘って配設され、これにより、サイドギヤ11の背面11b、デフケース6の内壁面6h、シールリップ25間でオイル保持空間S1が形成されている。上述したシールリップ25の配設状態により、上記オイル保持空間S1の内部に上記サイドギヤスラストワッシャ23が位置することになる。尚、上述した如く、シールリップ25は、その外周縁がデフケース6の内壁面6hに取り付けられることなく当接しているのみであるので、上記外力が作用して当接状態が解除されると、このオイル保持空間S1は外部へ開放されることになる。この開放動作については後述する。
(第2のオイル保持構造)
次に、各ピニオンギヤ8,9の背面8a,9aとデフケース6の内壁面6e,6fとの間の空間でオイルを保持する構造について説明する。図1中の上側のピニオンギヤ8の背面8aとデフケース6の内壁面6eとの間のオイル保持構造と、図1中の下側のピニオンギヤ9の背面9aとデフケース6の内壁面6fとの間のオイル保持構造とは略同一構造であるので、ここでは図1中の下側のピニオンギヤ9の背面9aとデフケース6の内壁面6fとの間のオイル保持構造を代表して説明する。
図6は、一方のピニオンギヤ9とデフケース6とで成るオイル保持構造部分を示す断面図である。
この図6に示すように、ピニオンギヤ9の背面9a(デフケース6の内壁面6fに対向する面)において、上記ピニオンスラストワッシャ21の外周側の領域には円環形状のシールリップ26が取り付けられている。このシールリップ26はゴム製であって、その内周縁がピニオンギヤ9の背面9aに加硫接着等の手段によって取り付けられている。一方、このシールリップ26は、外周側に向かうに従ってピニオンギヤ9の背面9aから離れる方向、つまり、デフケース6の内壁面6fに向かう方向に延びる略擂り鉢形状に形成されており、外力(後述する遠心力やオイル圧力など)が作用していない状況では、その外周縁がデフケース6の内壁面6fに当接している。
つまり、このシールリップ26は、ピニオンギヤ9の背面9aからデフケース6の内壁面6fに亘って配設され、これにより、ピニオンギヤ9の背面9a、デフケース6の内壁面6f、シールリップ26間でオイル保持空間S2が形成されている。上述したシールリップ26の配設状態により、上記オイル保持空間S2の内部に上記ピニオンスラストワッシャ21が位置することになる。尚、上述した如く、シールリップ26は、その外周縁がデフケース6の内壁面6fに取り付けられることなく当接しているのみであるので、上記外力が作用して当接状態が解除されると、このオイル保持空間S2は外部へ開放されることになる。この開放動作についても後述する。
また、この第2のオイル保持構造のもう一つの特徴として、上記ピニオンシャフト15の外面と上記シャフト挿通孔6c,6dの内面との間にOリング(シールリング)27,27がそれぞれ装着されている。このOリング27を装着している理由について以下に述べる。
上記ピニオンギヤ8,9の支持構造としては、デフケース6に形成されたシャフト挿通孔6c,6dに挿通されたピニオンシャフト15によってピニオンギヤ8,9は自転自在に支持されている。このため、車両停車後には、ピニオンギヤ8,9の背面8a,9aとデフケース6の内壁面6e,6fとの間に存在していたオイルは上記シャフト挿通孔6c,6dから下方へ流下する可能性がある。これではピニオンギヤ8,9の背面8a,9aとデフケース6の内壁面6e,6fとの間にオイルを保持することが困難になる。このため、本実施形態では、このオイルの流下経路となるピニオンシャフト15の外面とシャフト挿通孔6c,6dの内面との間にOリング27を介在させている。これにより、車両停車後のオイルの流下が確実に防止され、ピニオンギヤ8,9、デフケース6、シールリップ26で囲まれたオイル保持空間S2にオイルを確実に保持することができて、潤滑性能の信頼性の向上を図ることができるようになっている。
−オイル保持動作−
次に、上述したオイル保持構造によるオイル保持動作について説明する。先ず、車両の走行時には、上記リングギヤ7の回転に伴うオイルの跳ねかけや、図示しないオイルポンプからのオイル供給等により、デフケース6の内部にオイルが供給され、ピニオンギヤ8,9とサイドギヤ10,11との噛み合い部分、各軸受け部分、サイドギヤ10,11の背面10b,11bとデフケース6の内壁面6g,6hとの間、ピニオンギヤ8,9の背面8a,9aとデフケース6の内壁面6e,6fとの間にそれぞれオイルが導入されて各所が潤滑される。
この際、オイルの一部は、各サイドギヤ10,11の背面10b,11b、デフケース6の内壁面6g,6h、サイドギヤ10,11の背面10b,11bに取り付けられたシールリップ25,25の間で囲まれたオイル保持空間S1,S1に流れ込んでいる。同様に、オイルの一部は、各ピニオンギヤ8,9の背面8a,9a、デフケース6の内壁面6e,6f、ピニオンギヤ8,9の背面8a,9aに取り付けられたシールリップ26,26の間で囲まれたオイル保持空間S2,S2に流れ込んでいる。
そして、車両が停車した後には、各シールリップ25,26の外周縁がデフケース6の内壁面6e,6f,6g,6hにそれぞれ当接して上記各オイル保持空間S1,S2を閉鎖するため、これらオイル保持空間S1,S2にオイルが保持され、この保持状態が維持される。
図5の二点鎖線は、サイドギヤ11の背面11b側に形成されたオイル保持空間S1に貯留されているオイルの油面を示している。
また、ピニオンギヤ8,9は上記差動動作に伴ってサイドギヤ10,11の回転軸心回りを公転することになるため、車両停車時の公転方向の停止位置は様々であるが、如何なる位置でピニオンギヤ8,9が停止した場合であっても、ピニオンギヤ8,9の背面8a,9a側に形成されたオイル保持空間S2,S2にオイルは貯留されることになる。例えば、図6は、一方のピニオンギヤ9がデフケース6内の下部で停止した場合を示しており、図中の二点鎖線は、このピニオンギヤ9の背面9a側に形成されたオイル保持空間S2に貯留されているオイルの油面を示している。また、この場合、他方のピニオンギヤ8は、デフケース6内の上部で停止している。図7は、このピニオンギヤ8がデフケース6内の上部で停止した場合を示しており、図中の二点鎖線は、このピニオンギヤ8の背面8a側に形成されたオイル保持空間S2に貯留されているオイルの油面を示している。
また、ピニオンギヤ8,9同士が互いに水平方向で対向する位置で停止する場合もある。図8は、この場合におけるピニオンギヤ8,9の背面8a,9a及びこの背面8a,9aに当接されている上記ピニオンスラストワッシャ20,21を示す図であって、図中の二点鎖線は、このピニオンギヤ8,9の背面8a,9a側に形成されたオイル保持空間S2に貯留されているオイルの油面を示している。
このようにして各オイル保持空間S1,S2にオイルが貯留されることになるため、車両が長期間に亘って停車された状態から発進された場合であっても、これらオイル保持空間S1,S2に保持されているオイルによって、ピニオンギヤ8,9の背面8a,9aとデフケース6の内壁面6e,6fとの間、サイドギヤ10,11の背面10b,11bとデフケース6の内壁面6g,6hとの間は迅速に潤滑されることになる。その結果、車両発進直後に車両旋回等が行われてディファレンシャル機構の差動動作が行われた場合であっても、十分な潤滑が行われた状態での差動動作が可能になるので、このピニオンギヤ8,9とデフケース6との間やサイドギヤ10,11とデフケース6との間の潤滑不良を招くことはなく、良好な差動動作を行うことができる。
−オイル入れ換え動作−
次に、車両が発進された後の動作について説明する。上述した如く、各オイル保持空間S1,S2にオイルが継続的に保持された状態では、このオイルの温度が上昇し過ぎて良好な潤滑性能が維持できなくなる可能性があるが、本実施形態では、以下に述べるようなオイル入れ換え動作が行われるため、これらオイル保持空間S1,S2におけるオイル温度が適正に維持される。以下、具体的に説明する。
先ず、サイドギヤ10,11の背面10b,11bに取り付けられているシールリップ25,25により得られているオイル保持空間S1,S1のオイル入れ換え動作について説明する。
車両が発進するまではサイドギヤ10,11は停止状態であるので、上述した如く、上記オイル保持空間S1,S1にはオイルが保持され、発進直後の潤滑性が良好に確保される。
そして、車両が発進すると、それに伴ってサイドギヤ10,11が回転し、シールリップ25,25に遠心力等の外力が作用することになる。また、このオイル保持空間S1,S1に存在しているオイルにも遠心力等の外力が作用することになる。この外力の作用により、シールリップ25,25の外周縁部はデフケース6の内壁面6g,6hから離隔することになる(図9参照)。つまり、上記オイル保持空間S1,S1が開放されることになる。このため、このオイル保持空間S1,S1の開放により、上記車両停止時に保持されていたオイルは排出され、新たなオイルがこのオイル保持空間S1,S1に流入してオイルの入れ換え動作が行われる。その結果、このオイル保持空間S1,S1内においてオイルの温度が異常上昇してしまうことを回避でき、潤滑性能が良好に維持される。また、シールリップ25,25の外周縁部がデフケース6の内壁面6g,6hに連続的に摺接する状況を防止できるため、シールリップ25,25の摩耗を抑制することができて、このシールリップ25,25によるオイル保持機能を長期間に亘って安定的に維持することができる。
次に、ピニオンギヤ8,9の背面8a,9aに取り付けられているシールリップ26,26により得られているオイル保持空間S2,S2のオイル入れ換え動作について説明する。
車両が発進して差動動作が行われるまではピニオンギヤ8,9の自転は行われないことになるので、上述した如く、上記オイル保持空間S2,S2にはオイルが保持され、発進直後の潤滑性が良好に確保される。
そして、車両が旋回するなどして差動動作が行われると、それに伴ってピニオンギヤ8,9が自転し、シールリップ26,26に遠心力等の外力が作用することになる。また、このオイル保持空間S2,S2に存在しているオイルにも遠心力等の外力が作用することになる。この外力の作用により、シールリップ26,26の外周縁部はデフケース6の内壁面6e,6fから離隔することになる(図10及び図11参照)。つまり、上記オイル保持空間S2,S2が開放されることになる。このため、このオイル保持空間S2,S2の開放により、上記差動動作の開始前に保持されていたオイルは排出され、新たなオイルがこのオイル保持空間S2,S2に流入してオイルの入れ換え動作が行われる。その結果、このオイル保持空間S2,S2内においてオイルの温度が異常上昇してしまうことを回避でき、潤滑性能が良好に維持される。また、シールリップ26,26の外周縁部がデフケース6の内壁面6e,6fに摺接する時間を短くすることができるため、シールリップ26,26の摩耗を抑制することができて、このシールリップ26,26によるオイル保持機能を長期間に亘って安定的に維持することができる。
−その他の実施形態−
以上説明した実施形態は、フロントエンジン・フロントドライブ(FF)方式の車両に搭載されるフロント側のデファレンシャル1を例に挙げているが、フロントエンジン・リアドライブ(FR)方式の車両に搭載されるリア側のデファレンシャルや、四輪駆動方式の車両におけるフロント側のデファレンシャルおよびリア側のデファレンシャルにも、本発明を適用することが可能である。
また、上記実施形態では、デファレンシャル1をツーピニオンタイプとした例を挙げているが、フォーピニオンタイプのデファレンシャルや、その他の形式のデファレンシャルであっても、本発明を適用することが可能である。
また、上記実施形態では、ワンピース構造のデフケース6を例に挙げているが、ツーピース構造であってもよい。
実施形態に係るディファレンシャルの断面図である。 図1における(2)−(2)線に対応した位置における断面図である。 ピニオンギヤ、サイドギヤ、各ワッシャの分解斜視図である。 一方のサイドギヤとデフケースとで成るオイル保持構造部分を示す断面図である。 サイドギヤの背面及びこの背面に当接されているワッシャを示す図である。 一方のピニオンギヤとデフケースとで成るオイル保持構造部分を示す断面図である。 ピニオンギヤがデフケース内の上部で停止した場合を示す図6相当図である。 ピニオンギヤ同士が互いに水平方向で対向する位置で停止した場合におけるピニオンギヤの背面及びこの背面に当接されているワッシャを示す図である。 車両の発進に伴うオイル入れ換え動作を説明するための図4相当図である。 車両の旋回に伴うオイル入れ換え動作を説明するための図6相当図である。 車両の旋回に伴うオイル入れ換え動作を説明するための図7相当図である。
符号の説明
1 ディファレンシャル
6 ディファレンシャルケース
6e〜6h ディファレンシャルケース内壁面
6c,6d シャフト挿通孔
8,9 ピニオンギヤ
8a,9a ピニオンギヤの背面
10,11 サイドギヤ
10b,11b サイドギヤの背面
15 ピニオンシャフト
25,26 シールリップ(シール部材)
27 Oリング(シールリング)

Claims (5)

  1. ディファレンシャルケースの内部に、互いに噛み合いながら回転するピニオンギヤ及びサイドギヤが収容され、これらピニオンギヤ及びサイドギヤの回転により差動動作を行うよう構成されたディファレンシャル装置において、
    上記サイドギヤは、その背面がディファレンシャルケースの内壁面に近接するよう配置されており、このサイドギヤの背面には、サイドギヤ回転中心回りの全周囲に亘るシール部材が取り付けられており、このシール部材は、外力が作用していない状態では、その先端部の全周囲がディファレンシャルケースの内壁面に当接するよう配設されていることを特徴とするディファレンシャル装置の潤滑構造。
  2. ディファレンシャルケースの内部に、互いに噛み合いながら回転するピニオンギヤ及びサイドギヤが収容され、これらピニオンギヤ及びサイドギヤの回転により差動動作を行うよう構成されたディファレンシャル装置において、
    上記ピニオンギヤは、その背面がディファレンシャルケースの内壁面に近接するよう配置されており、このピニオンギヤの背面には、ピニオンギヤの自転中心軸回りの全周囲に亘るシール部材が取り付けられており、このシール部材は、外力が作用していない状態では、その先端部の全周囲がディファレンシャルケースの内壁面に当接するよう配設されていることを特徴とするディファレンシャル装置の潤滑構造。
  3. 上記請求項2記載のディファレンシャル装置の潤滑構造において、
    上記ピニオンギヤは、ディファレンシャルケースに形成されたシャフト挿通孔に挿通されたピニオンシャフトによって自転自在に支持されており、このピニオンシャフトの外面と上記シャフト挿通孔の内面との間にはシールリングが介在されていることを特徴とするディファレンシャル装置の潤滑構造。
  4. 上記請求項1記載のディファレンシャル装置の潤滑構造において、
    上記シール部材は、略円環状の弾性体で成り、その内周縁部がサイドギヤの背面に取り付けられている一方、外力が作用していない状態では、外周縁部の全周囲がディファレンシャルケースの内壁面に当接するよう配設されていることを特徴とするディファレンシャル装置の潤滑構造。
  5. 上記請求項2または3記載のディファレンシャル装置の潤滑構造において、
    上記シール部材は、略円環状の弾性体で成り、その内周縁部がピニオンギヤの背面に取り付けられている一方、外力が作用していない状態では、外周縁部の全周囲がディファレンシャルケースの内壁面に当接するよう配設されていることを特徴とするディファレンシャル装置の潤滑構造。
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