JP4799912B2 - シール構造 - Google Patents

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    • F16H57/0469Bearings or seals

Description

本発明は、車両の動力伝達装置などに用いられるシール構造に関する。
特許文献1に「4輪駆動装置」が記載されている。
この4輪駆動装置において、エンジンの駆動力は前輪側デファレンシャル装置のデフケースに連結された中空軸から一対のギア組とクラッチと方向変換歯車組などを介して後輪側動力伝達系に伝達される。前輪側デファレンシャル装置から右前輪に駆動力を伝達する右車軸は前記の中空軸を貫通しており、この右車軸は中空軸の内周に設けられた支持部で支持され、センターリングされている。
前輪側デファレンシャル装置はトランスアクスルのケース(トランスミッションケース)に収容されてトランスミッションオイルで潤滑され、中空軸以下のギア組とクラッチと方向変換歯車組などは動力配分ユニットのケース(トランスファケース)に収容されてトランスファオイルで潤滑される。
中空軸と右車軸との間には、トランスミッションオイルとトランスファオイルの混ざり合いを防止するためにオイルシールが配置されている。
特公平5−39818号公報
オイルシールは芯金となる外周側金属環の内周にシール機能を行うリップと呼ばれる弾性部材が設けられている。従って、上記従来例のようにオイルシールの装着部と車軸の支持部とを内周に設けた中空軸では、オイルシールの装着(組み付け)を可能にするために、車軸の支持部と開口壁部を、オイルシール装着部より大径にする必要がある。このように車軸支持部及び開口壁部の径とオイルシール装着部の径とが互いに影響し規制し合うから、オイルシールの外径に合わせて車軸支持部を大径にすると、車軸も大径になって装置の省スペース化と軽量化が難しくなると共に、車軸が大径になるとこれを支持するベアリングも大径になってコストの上昇を招く。また、車軸支持部の内径に合わせると大径のオイルシールを用いることができなくなる。
また、車軸を中空軸に貫通させ支持部で支持させる組み付け作業に当たっては、オイルシールのリップを破損させないように細心な注意が求められるから、それだけ作業が難しく、組み付けコストが高くなり易い。
そこで、この発明は、装置の省スペース化と軽量化を可能にすると共に、組み付け時にシール破損が生じないシール構造の提供を目的としている。
請求項1の発明は、原動機からの駆動力によって回転する中空軸と、前記中空軸を相対回転自在に貫通し車輪側に駆動力を伝達する駆動軸とを備えた装置のシール構造であって、前記中空軸端部から中空部内に挿入され、前記中空軸の内周と前記駆動軸の外周との間であって前記中空軸の内周に形成されたシール溝に断面がX字状のシールを配置し、前記中空軸の内周に、前記シールに近接して、前記駆動軸を回転自在に支持する半径方向の位置決め壁を設けたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載されたシール構造であって、前記中空軸の内周の、前記シールを装着するシール溝と前記位置決め壁との間に円周溝を設け、前記位置決め壁にオイルを供給する潤滑溝を設け、前記円周溝と前記潤滑溝とを連通させたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載されたシール構造であって、前記円周溝の軸方向幅及び底部径が前記シール溝の各当該寸法より小さいことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1に記載されたシール構造であって、前記中空軸と前記駆動軸とはオイルによる潤滑環境を備えたケース内に配置され、前記中空軸の内周面と前記駆動軸の外周面との間には、半径方向に区画され軸方向には前記中空軸の端部から前記シールに向けてオイルが流通する区画空間が形成され、この区画空間は前記シールに近接した位置で、前記中空軸に設けられた径方向の開口と連通していることを特徴とする。
請求項1のシール構造は、中空軸内周と駆動軸外周の間に配置される断面がX字状のシールは、オイルシールと異なり、芯金部がなく全体が弾性部材で出来たフレキシブルな部材であり、その外径より小径の部分を通して組み付けること可能であるから、駆動軸のセンターリング部(半径方向の位置決め壁)及び開口壁部の径とシール装着部の径とが互いに規制し合うことから解放される。
従って、中空軸の位置決め壁の内径をシールの外径より大径にする必要がなくなり、これに伴って駆動軸の大径化が防止されるから、装置の省スペース化と軽量化が可能になると共に、駆動軸用ベアリングの大径化とコスト上昇も防止される。
また、中空軸の位置決め壁の内径に規制されずに、大径のシールを用いて充分なシール耐久性を得ることが可能になる。
また、車軸を中空軸に貫通させ、位置決め壁で支持させる組み付け作業の際にも、フレキシブルなX字状シールは破損の心配がなく、組み付け時に特別な注意が不要になるから、それだけ作業が容易になり、作業コストが低減される。
請求項2のシール構造は、請求項1の構成と同等の効果が得られる。
また、潤滑溝を介して供給されるオイルによって位置決め壁と駆動軸との摺動部が潤滑・冷却されて磨耗、発熱が抑制され、耐久性が向上する。
また、シールを装着するシール溝と位置決め壁との間に設けた円周溝を前記の潤滑溝と連通させ、また、円周溝がシールを装着するシール溝と位置決め壁との間に設けられていることにより、潤滑溝とシール溝との直接の連通を防ぐことにより、シールに供給されるオイル量を制御することができるのと共に、シール溝に隣接して位置決め壁を残存させシール形状を保持することができるので、シールの耐久性が向上する。
請求項3のシール構造は、請求項1または請求項2の構成と同等の効果が得られる。
また、円周溝の軸方向幅及び底部径をシール溝の各当該寸法より小さくしたことにより、シールの組付け時に、シールを撓ませて中空軸端部から中空部内に挿入するとき、シールを円周溝に誤って組み込んでしまうことを防止できる。つまり、極端には組付け時に目視をせずとも、シール溝にシールを組み込むことが可能になる。
請求項4のシール構造は、請求項1の構成と同等の効果が得られる。
また、中空軸の内周面と駆動軸の外周面との間には、半径方向に区画され軸方向には中空軸の端部からシールに向けてオイルが流通する区画空間が形成され、この区画空間を通じて導入されたオイルは、中空軸の回転により径方向の開口から中空軸の外部に放出される。開口に作用する遠心力によるオイルポンプ作用で、位置決め壁による駆動軸の支持部の潤滑を積極的に行うことができる。また、開口の開口面積を設定することにより、近接するシールへ供給されるオイル量を制御することができ、オイル漏れを防止しながらシールの耐久性が向上する。
以下に本発明の実施形態について説明する。
<一実施例>
図1、図2によってシール構造1の説明をする。図1は後輪駆動ベースの4輪駆動車に用いられたトランスファ3を示しており、シール構造1はこのトランスファ3に用いられている。以下、左右の方向はこの4輪駆動車及び図1での左右の方向であり、図1の上方は上記4輪駆動車の前方である。また、図2は、図1の部分拡大図であり、本発明のシール構造の一部が詳細に記載されたものである。
[シール構造1の特徴]
シール構造1は、原動機(エンジン)からの駆動力によって回転する中空軸5と、中空軸5を相対回転自在に貫通し車輪(左右の後輪)側に駆動力を伝達するドライブシャフト6(駆動軸:右後車軸)とを備えたトランスファ3(装置)に用いられている。また、このシール構造1では、中空軸5の内周面とドライブシャフトの外周面との間にXリング7(断面がX字状のシール)が配置され、中空軸5の内周に、Xリング7に近接して、ドライブシャフトを回転自在に支持するセンターリング部9(半径方向の位置決め壁)が設けられている。
さらに、このシール構造1では、中空軸5内周において、中空軸7の端部12側から軸方向に、内周面8に螺旋溝(潤滑溝、区画空間)15を有したセンターリング部9,円周溝8,内周面8に螺旋溝(区画空間)15を有さずシール7の軸方向の一端を支持する壁部22,シール7,螺旋溝(区画空間)15を有さずシール7の軸方向の他端を支持する壁部24が配置されている。Xリング7を装着するシール溝11とセンターリング部9との間に円周溝13が設けられ、センターリング部9にオイルを保有して、かつ、必要箇所へ供給する螺旋溝15が設けられると共に、円周溝13と螺旋溝15と連通され、円周溝13の軸方向幅14及び底部径がシール溝11の各当該寸法(軸方向幅18,底部径20)より小さく設定されている。
また、中空軸5の内周面8と駆動軸6の外周面10の一部であるセンターリング部9においては、内周面8と外周面10とによって径方向に区画され、軸方向に中空軸5の端部12からシール7に向けて連通する区画空間15が形成され、区画空間15は、シール7に近接し、円周溝13を介して区画空間15より外径側に形成された径方向の開口としての排出溝59と連通している。
また、区画空間を流通するオイル量に対して、開口59の開口面積を所定に設定して、オイルの排出量が制御されている。
[上記4輪駆動車の構成]
上記の4輪駆動車は、エンジンを駆動力源にするR・R(リヤエンジン・リヤドライブ)車をベースにして構成されており、横置きのエンジン及びトランスミッションと、トランスミッションに内蔵されたリヤデフと、トランスファ3と、左右の後車軸及び後輪と、フロントデフと、プロペラシャフトとフロントデフとの間に配置されたカップリングと、左右の前車軸及び前輪などから構成されている。
エンジンは車両の後部(後車軸の前方)に横置き配置されており、その駆動力はトランスミッションで変速されてリヤデフに伝達され、後車軸から左右の後輪に配分される。また、上記のカップリングが連結されていると、エンジンの駆動力はトランスファ3とプロペラシャフトとカップリングとを介してフロントデフに伝達され、前車軸から左右の前輪に配分され、車両は4輪駆動状態になる。
また、カップリングの連結を解除すると、フロントデフから前車軸及び左右の前輪までが切り離されて、車両は後輪駆動の2輪駆動状態になる。
[シール構造1の構成]
トランスファ3は、中空軸5と、方向変換歯車組17と、3連ギア列19と、これらを収容するトランスファケース21などから構成されている。
中空軸5は横置き配置されており、テーパーローラーベアリング23,25によってトランスファケース21に支持されている。リヤデフのデフケースは中空軸に連結されており、この中空軸は中空軸5にスプライン連結されている。上記のドライブシャフトはこの中空軸と中空軸5とを貫通してリヤデフから右後輪に駆動力を伝達する右後車軸である。
方向変換歯車組17は一対のベベルギア27,29から構成されており、ベベルギア27は中空軸5にボルトで固定され、ベベルギア29は縦置きの中実軸31の前端に一体形成されている。
3連ギア列19はヘリカルギア33,35,37から構成されており、ヘリカルギア33は中空軸31にスプライン連結され、ヘリカルギア35,37はそれぞれ中空軸39,41に一体形成されている。中実軸31は一対のテーパーローラーベアリング43,45により、ヘリカルギア35の中空軸39はニードルベアリング47,47により、ヘリカルギア37の中空軸41はボールベアリング49,49により、それぞれトランスファケース21に支持されている。
トランスファケース21にはトランスファオイルが充填されており、Oリング51と、中空軸41(ヘリカルギア37)とトランスファケース21の間に配置されたオイルシール53と、ドライブシャフトとトランスファケース21の間に配置されたオイルシール55によりトランスファケース21からのオイル漏れと異物の侵入が防止されている。また、トランスファケース21と中空軸5の間に配置されたオイルシール57と中空軸5とドライブシャフトの間に配置された上記のXリング7とによってトランスファオイルとトランスミッションオイルの混ざり合いが防止されている。
トランスファオイルは中空軸5の回転に伴う螺旋溝15のポンプ作用によりセンターリング部9とドライブシャフトとの摺動面に導かれて潤滑・冷却する。また、円周溝13の底部にはオイルの排出孔59が形成されており、中空軸5の回転による遠心力を受けてトランスファオイルは螺旋溝15と連通した円周溝13から排出孔59(開口)を介してテーパーローラーベアリング25側に排出される。排出孔59から外部に排出されることによってトランスファオイルはXリング7から遮断されており、トランスファオイルの影響(例えば、膨潤)によるXリング7の耐久性低下が抑制される。また、開口として排出孔59についてさらに説明すると、円周溝11に導入されたオイルは、円周溝11と連通し、径方向に形成された開口から中空軸の外部に放出される。潤滑溝および区画空間としての螺旋溝15より径方向外側に形成されている排出孔59には中空軸5の回転によって遠心力によるオイルポンプ作用が生じ、オイルを積極的に流動させるので、位置決め壁による駆動軸のセンターリング部9の潤滑性が向上する。なお、開口の開口面積を設定することにより、近接するシールへ供給されるオイル量を制御することができ、オイル漏れを防止しながらシールの耐久性が向上させることができる。
なお、円周溝13の底部に形成されている排出孔59はドライブシャフトと接触しないからバリ取りが不要である。また、螺旋溝15と連通する円周溝13を設けたことによって螺旋溝15の加工性が向上している。
トランスミッションからリヤデフのデフケースを介してトランスファ3の中空軸5に伝達されたエンジンの駆動力は、方向変換ギア組17で方向を変換され、3連ギア列19(ヘリカルギア33,35,37)を介して上記のプロペラシャフトとカップリングからフロントデフに伝達される。
[シール構造1の効果]
シール構造1において、中空軸5とドライブシャフトの間に配置したXリング7は、オイルシールと異なり、ドライブシャフトを支持するセンターリング部9の径を大径化するように規制する芯金部がないから、センターリング部9の径とXリング7の径とが互いに規制し合うことがなくなる。
従って、センターリング部9の内径をXリング7より大径にする必要がなくなり、ドライブシャフト及びその支持ベアリングの大径化が防止されるから、トランスファ3の省スペース化と軽量化が可能になると共に、ドライブシャフト用ベアリングの大径化によるコストの上昇も防止される。
また、センターリング部9の内径に規制されないから、所定の径のXリング7を用いて充分なシール性とシール耐久性を得ることができる。
また、ドライブシャフトを中空軸5に貫通させセンターリング部9で支持させる組み付け作業に当たっても、フレキシブルなXリング7は破損の心配が極めて小さく、従って、破損を避けるための特別な注意が不要になるから、それだけ作業が容易になり、作業コストを低減することができる。
また、潤滑溝15から供給されるトランスファオイルによってセンターリング部9とドライブシャフトとの摺動部が潤滑・冷却され、磨耗と発熱が抑制されて耐久性が向上する。
また、シールを装着するシール溝11とセンターリング部(位置決め壁)9との間に設けた円周溝13を前記の潤滑溝15と連通させ、また、円周溝13がシールを装着するシール溝11とセンターリング部(位置決め壁)9との間に設けられていることにより、潤滑溝15とシール溝11との直接の連通を防ぐことにより、シールに供給されるオイル量を制御することができるのと共に、シール溝11に隣接して位置決め壁を残存させシール形状を保持することができるので、シールの耐久性が向上する。
また、円周溝13の軸方向幅及び底部径をシール溝11の各当該寸法より小さくしたことにより、シールの組付け時に、シールを撓ませて中空軸端部から中空部内に挿入するとき、シールを円周溝13に誤って組み込んでしまうことを防止できる。詰まり、極端には組み付け時に目視をせずとも、シール溝11にシールを組み込むことが可能になる。
また、中空軸の内周面と駆動軸の外周面との間には、半径方向に区画され軸方向には中空軸の端部からシールに向けてオイルが流通する区画空間が形成され、この区画空間を通じて導入されたオイルは、中空軸の回転により径方向の開口から中空軸の外部に放出される。開口に作用する遠心力によるオイルポンプ作用で、位置決め壁による駆動軸の支持部の潤滑を積極的に行うことができる。また、開口の開口面積を設定することにより、近接するシールへ供給されるオイルRY王を制御することができ、オイル漏れを防止しながらシールの耐久性が向上する。
[本発明の範囲に含まれる他の態様]
本発明の範囲を明確にするために、本発明に係る各部の基本的な機能について説明しておく。まず半径方向の位置決め壁は、ケース21ベアリング23,25を介して支持される中空軸7の内周面8に対して駆動軸6の外周面10をし、回転軸心を一致させる機能を有する。次に潤滑溝は、中空軸7の内周面8または駆動軸6の外周面10に形成され、半径方向の位置決め壁の壁面を挟んだ軸方向の両側を潤滑溝の空間を通してオイルが流通可能に連通させる機能を有する。また区画空間は、中空軸7の内周面8と駆動軸6の外周面10との対抗面間に確保され、半径方向の位置決め壁の壁面を軸方向に挟んだ両側を、区画空間を通じてオイルを流通させる機能を有するものであり、潤滑溝の技術概念より広く捉え、例えば、潤滑溝を形成しなくとも、中空軸7の内周面8と駆動軸6の外周面10との間の支持面間の微小空間(即ち、支持隙間)にオイルが流通可能であることも含まれる。また円周溝11は、潤滑溝を流通するオイルの指向性を異なる方向に変換する機能を有するものであり、必ずしも環状に限られるものではなく、部分的な周方向の空間を有する溝であれば良く、また潤滑溝と連通して形成されなくとも良い。またシールの軸方向端部を支持する壁部22,24は、壁部22,24の側面がシール7と対向しており、シール7が所定形状を超えて移動または変形しようとする場合にシールと当接してシール形状を保持する機能を有するものであり、壁部22,24の内周面は駆動軸6をセンターリングしてもしなくても良い。またシール溝については、溝幅および溝深さ(底径)が所定寸法に設定されており、駆動軸や中空軸の作動時においてもシール機能が正常に保持されるように、シール7の微小な変形量や微小な移動量が規制される機能を有する。またシール7は断面がX字状のシールであり、シール7と駆動軸6(または中空軸5)との摺動部の軸方向両端側での潤滑環境を区画する機能を有するもので、必ずしも、断面がX字状でなくとも同様な機能を有するシールであれば良い。最後に開口は、潤滑油および区画空間より径方向外側に形成されて中空軸5の回転によって遠心力によるオイルポンプ機能を生じさせるものであり、オイルポンプ機能の程度や近接するシールへ供給されるオイル量を制御具合と考慮して孔形状に限られるものではなく、種々の形状を取りうる。
さらに、本発明の範囲を明確にするために、本発明の係る語句の定義について説明しておく。まず「近接」とは、2つの構成要件(実施例中のシール7と半径方向の位置決め壁9)が隣り合いに配置されていることだけではなく、他に関連する構成要件をもって機能的に関連性が保てる近い位置に配置されていることも含まれる。例えば実施例の場合、シール7と半径方向の位置決め壁9は円周溝13と壁部22を軸方向間に介在させているが、他の構成要件としてのオイルの流れによって潤滑状態が得られており、また駆動軸6の支持部に近いところでシールすることで、シールの摺動部の軸心ズレが抑制できるという機能的な関連性が保たれている。次に「連通」とは、2つの空間(溝)が他に関連する構成要件をもって連通する機能が保てることも含まれる。例えば実施例の場合、螺旋溝15と円周溝13が形状的に連通していなくとも、他の構成要件としてオイルが両方の溝間を流通可能で、螺旋溝15と円周溝13各々の機能を発揮できれば「連通」するものである。
なお、本発明のシール構造は、原動機の駆動力によって回転する中空軸と、中空軸を貫通する駆動軸とを備えた装置であれば、トランスファ以外の装置に用いてもよい。
一実施例のシール構造を用いたトランスファ3を示す断面図である。 一実施例のシール構造の一部を拡大した拡大図である。
符号の説明
1 シール構造
3 トランスファ(装置)
5 中空軸
7 Xリング(断面がX字状のシール)
9 センターリング部(半径方向の位置決め壁)
11 シール溝
13 円周溝
15 螺旋溝、区画空間

Claims (4)

  1. 原動機からの駆動力によって回転する中空軸と、前記中空軸を相対回転自在に貫通し車輪側に駆動力を伝達する駆動軸とを備えた装置のシール構造であって、
    前記中空軸端部から中空部内に挿入され、前記中空軸の内周と前記駆動軸の外周との間であって前記中空軸の内周に形成されたシール溝に断面がX字状のシールを配置し、前記中空軸の内周に、前記シールに近接して、前記駆動軸を回転自在に支持する半径方向の位置決め壁を設けたことを特徴とするシール構造。
  2. 請求項1に記載された発明であって、
    前記中空軸の内周の、前記シールを装着するシール溝と前記位置決め壁との間に円周溝を設け、前記位置決め壁にオイルを供給する潤滑溝を設け、前記円周溝と前記潤滑溝とを連通させたことを特徴とするシール構造。
  3. 請求項1または請求項2に記載された発明であって、
    前記円周溝の軸方向幅及び底部径が前記シール溝の各当該寸法より小さいことを特徴とするシール構造。
  4. 請求項1に記載された発明であって、前記中空軸と前記駆動軸とはオイルによる潤滑環境を備えたケース内に配置され、前記中空軸の内周面と前記駆動軸の外周面との間には、半径方向に区画され軸方向には前記中空軸の端部から前記シールに向けてオイルが流通する区画空間が形成され、この区画空間は前記シールに近接した位置で、前記中空軸に設けられた径方向の開口と連通していることを特徴とするシール構造。
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