JP2008188781A - 出没式筆記具 - Google Patents
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Abstract
【目的】 本体内を中筒が摺動して、ペン先が突出・収納する繰り出し機構の作動の、特にペン先を収納する際に、スプリングなどからなる前方付勢部材の係止状態の解除により生じる前方付勢部材の反撥力による衝撃によって、中筒内のインキ吸蔵体に吸蔵している還元剤を含有するインキの流動とその流動によって生じる対流で、空気中の酸素や二酸化炭素の巻き込みが促進され、インキの物性変化を生じてしまうという問題点があった。
【構成】 ペン先又はペン先に接続されるインキ中継部材をインキ吸蔵体に接続して内設すると共に先端開口部にペン先を備えた有底の中筒を、本体内に前後動自在に配置すると共に、本体が有する繰り出し機構の操作によって前記ペン先の本体先端よりの突出・収納をなす出没式筆記具において、前記インキ吸蔵体に吸蔵されるインキが、還元剤を含有すると共に、本体と中筒との間に弾性体を配置し、前記繰り出し機構の作動衝撃を緩和してなす出没式筆記具。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ペン先又はペン先に接続されるインキ中継部材をインキ吸蔵体に接続して内設すると共に先端開口部にペン先を備えた有底の中筒を、本体内に前後動自在に配置すると共に、本体が有する繰り出し機構の操作によって前記ペン先の本体先端よりの突出・収納をなす出没式筆記具に関する。
インキ吸蔵体などのインキ貯蔵部に、還元剤を含有するインキを収容しされたものとしては、塩基性染料が配合された消去性インキの消色を、酸化還元反応により行う亜硫酸系還元剤を含む消去インキを収容し、キャップの閉塞により、外部とペン先とを密閉したものが知られている(特許文献1参照)。
また、本体が有する繰り出し機構の操作によって前記ペン先の本体先端よりの突出・収納をなした出没式筆記具としては、本体と、中筒との間にペン先の突出時に前方付勢部材となるスプリングを配置して後端のノック部のノック作動及びノック解除によって、ペン先を本体先端よりの突出・収納させると共に、本体とシール蓋を糸状部材により連結し、ペン先を本体内へ収納した際、シール蓋を閉塞してペン先と外部とを密閉し、ペン先の乾燥防止機構となしたもの(特許文献2参照)、本体と中筒との間にスプリングを配置して後端のノック部のノック作動及びノック解除により、ペン先を本体先端よりの突出・収納させると共に、本体内の先端部に、凹んだ薄肉部を有するスリット溝が形成された、先端方向に突出したゴム材または弾性樹脂材からなるシール蓋を配置し、ペン先を本体へ収納した際、シール蓋のスリット溝が閉塞してペン先と外部とを密閉し、ペン先の乾燥防止機構となしたもの(特許文献3参照)が知られている。
特開昭56−14570号公報
特公平5−68360号公報
特開2002−264579号公報
また、本体が有する繰り出し機構の操作によって前記ペン先の本体先端よりの突出・収納をなした出没式筆記具としては、本体と、中筒との間にペン先の突出時に前方付勢部材となるスプリングを配置して後端のノック部のノック作動及びノック解除によって、ペン先を本体先端よりの突出・収納させると共に、本体とシール蓋を糸状部材により連結し、ペン先を本体内へ収納した際、シール蓋を閉塞してペン先と外部とを密閉し、ペン先の乾燥防止機構となしたもの(特許文献2参照)、本体と中筒との間にスプリングを配置して後端のノック部のノック作動及びノック解除により、ペン先を本体先端よりの突出・収納させると共に、本体内の先端部に、凹んだ薄肉部を有するスリット溝が形成された、先端方向に突出したゴム材または弾性樹脂材からなるシール蓋を配置し、ペン先を本体へ収納した際、シール蓋のスリット溝が閉塞してペン先と外部とを密閉し、ペン先の乾燥防止機構となしたもの(特許文献3参照)が知られている。
特許文献1に開示されているものでは、外部とペン先とを密閉をキャップの閉塞により行うが、キャップはユーザーの手動によって行われるものであるため、ペン先先端にキャップが接触して潰れなどの不具合が発生してしまうこと想定して、あらゆる角度とあらゆる方向からの閉塞を予測したものとしなければならない。このため、キャップ内のペン先収納容積は、ペン先容積に対して数倍以上の容積となる。通常のインキを収容する場合には、このキャップ内容積が大きくなることは各段問題にはならない。しかしながら、還元剤を含有したインキが収容されたものでは、空気中の酸素によって還元剤が酸化されて、還元性能を低下させたり、二酸化炭素が溶け込むことによってpHが下がったりして、
インキの物性変化を起こし、特に、酸化還元反応によって消色を行う消去インキである場合には、還元性能が低下することで消去性を著しく低下してしまう問題がある。そのため、キャップ内のペン先収納容積が多いと、少ない場合に比べて空気中の単位体積当たりの酸素や二酸化炭素の濃度には変わりがないものの、存在し得る量が多くなるため、経時的にインキの物性変化を進行させ、消去性インキの場合、消去性の低下が進行してしまうという問題があった。
また、特許文献1の図2には、キャップ閉塞後、キャップを確実に係止し、非使用時に本体からのキャップ脱落を防止する嵌合突起を本体に形成した状態が開示されている。特に、特許文献1のものでは、キャップの閉塞不良は直接、消去性の低下につながるため、キャップの閉塞を確実に行わなければならない。したがって、嵌合突起は、キャップ締めが確実であることを知らしめる、ユーザーに対する一種のセンサーに該当するものであり、嵌合突起は必要不可欠であるといえる。しかしながら、キャップ締めの際、キャップは本体に形成されている嵌合突起を乗り越えるため、本体に衝撃が発生することになり、ペン先及び本体内に収容されている消去インキが流動し、対流し合うことによって、空気中の酸素や二酸化炭素の巻き込みを促進してしまうという問題があった。
インキの物性変化を起こし、特に、酸化還元反応によって消色を行う消去インキである場合には、還元性能が低下することで消去性を著しく低下してしまう問題がある。そのため、キャップ内のペン先収納容積が多いと、少ない場合に比べて空気中の単位体積当たりの酸素や二酸化炭素の濃度には変わりがないものの、存在し得る量が多くなるため、経時的にインキの物性変化を進行させ、消去性インキの場合、消去性の低下が進行してしまうという問題があった。
また、特許文献1の図2には、キャップ閉塞後、キャップを確実に係止し、非使用時に本体からのキャップ脱落を防止する嵌合突起を本体に形成した状態が開示されている。特に、特許文献1のものでは、キャップの閉塞不良は直接、消去性の低下につながるため、キャップの閉塞を確実に行わなければならない。したがって、嵌合突起は、キャップ締めが確実であることを知らしめる、ユーザーに対する一種のセンサーに該当するものであり、嵌合突起は必要不可欠であるといえる。しかしながら、キャップ締めの際、キャップは本体に形成されている嵌合突起を乗り越えるため、本体に衝撃が発生することになり、ペン先及び本体内に収容されている消去インキが流動し、対流し合うことによって、空気中の酸素や二酸化炭素の巻き込みを促進してしまうという問題があった。
特許文献2及び特許文献3に開示されているものはいずれも、本体と、ペン先又はペン先に接続されるインキ中継部材をインキ吸蔵体などのインキ貯蔵部に接続して内設すると共に先端開口部に本体ペン先を備えた有底の中筒との間に前方付勢部材となるスプリングを配置して後端のノック部のノック作動及びノック解除によって、中筒が摺動してペン先を本体へ収納させ、ペン先が本体へ収納した際、シール蓋を閉塞してペン先の乾燥を防止する出没式筆記具である。そのため、ペン先の外部との閉塞は機械的に確定した軌道上において行われるので、ペン先の潰れなどの不具合の発生を想定した形状とする必要性がなく、閉塞後のペン先収納部内の空気量を極力抑制することができる。しかしながら、特許文献2に開示されたものでは、シール蓋は糸状部材にて本体と単に連結しているだけであるので、シール蓋は閉塞の際、後端のノック部のノック解除におけるスプリングの反撥力が伝達して閉塞される。そのため、スプリングの反撥力を伝達しているシール蓋は、閉塞部との衝突によって、本体内部であるペン先及びインキ貯蔵部を有した中筒に対してスプリングの反撥力とほぼ近い衝撃を生じてしまうことになり、特許文献2のペン先及びインキ貯蔵部に特許文献1の消去インキを収容したとしても、消去インキの流動によって生じる対流による、空気中の酸素や二酸化炭素の巻き込みの促進を抑制することはできなかった。さらに、特許文献3に開示されたものでは、シール蓋の開閉がノック解除におけるスプリングの反撥力の影響を受けないものの、スプリングの反撥力を微小なりとも緩和し得るシール蓋及び糸状部材などの連結部材がないために、ノック解除におけるスプリングの反撥力の衝撃が直接中筒に付与するので、特許文献1の消去インキを収容した際の、空気中の酸素や二酸化炭素の巻き込みの促進を抑制の解決には至らなかった。
本発明は、ペン先又はペン先に接続されるインキ中継部材をインキ吸蔵体に接続して内設すると共に先端開口部にペン先を備えた有底の中筒を、本体内に前後動自在に配置すると共に、本体が有する繰り出し機構の操作によって前記ペン先の本体先端よりの突出・収納をなす出没式筆記具において、前記インキ吸蔵体に吸蔵されるインキが、還元剤を含有すると共に、本体と中筒との間に弾性体を配置し、前記繰り出し機構の作動衝撃を緩和してなす出没式筆記具を要旨とする。
繰り出し機構の作動の、特にペン先を収納する際、スプリングなどからなる前方付勢部材の係止状態の解除により生じる前方付勢部材の反撥力による中筒への衝撃は、弾性体と中筒または本体との摺接による摩擦抵抗及び弾性体の変形により緩和される。そのため、中筒内のインキ吸蔵体に吸蔵している還元剤を含有するインキの流動とその流動によって生じる対流による、空気中の酸素や二酸化炭素の巻き込みの促進を極力抑制することができる。
本発明の出没式筆記具に使用されるインキは、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム等の亜硫酸塩、二亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウム等のチオ硫酸塩などの還元剤を含有し、水などの主媒体、有機溶媒、pH調整剤、界面活性剤、防腐剤、保湿剤により配合される、還元剤を含有するインキを使用する場合に良好である。即ち、ペン先に浸透している還元剤を含有するインキは、手動によるペン先潰れなどを考慮するため、キャップ内部のペン先収納部内の空気量が多くなる、所謂キャップ式筆記具である場合には、空気中の酸素や二酸化炭素により、経時的に還元剤の酸化やpHの低下による物性変化を生じて不利であるが、機械的に確定した軌道上においてペン先収納部内へペン先を収納する出没式筆記具とすれば、ペン先収納部内の空気量を極力小さいものとすることができ、インキの経時的な物性変化を抑制することができる。例えば、酸化還元反応によって消色を行う消去インキでは、消色対象インキとの酸化還元反応や、pHによる酸性からアルカリ性への変化度合が、消色対象インキの筆跡などの消色性に大きく影響することになるが、インキの経時的な物性変化を抑制することで、これらの消色性を維持することが可能となる。本発明は、このような還元剤を含有するインキをインキ吸蔵体に吸蔵した出没式筆記具を使用するに際して、極めて効率的かつ確実に、ペン先の繰り出し機構の作動衝撃を緩和することによって、インキ吸蔵体内におけるインキの流動とその流動によって生じる対流による、空気中の酸素や二酸化炭素の巻き込みの促進を極力抑制することができるものである。
以下、図面に基づき一例について説明する。
図1に示したものは、本体1内を、内筒2の後端に設けたノック部3を押圧することにより、本体1のペン先突出部1aよりのペン先4を突出及び、ペン先4をペン先収納部6に収納する繰り出し機構を備えた所謂、出没式筆記具と呼ばれる筆記具の一例である。
本体1のペン先突出部1aには、硬度60゜のエチレンプロピレンゴムの射出成形品であるシール蓋7が配置され、ペン先4が突出する際、シール蓋7の中央部に設けられた一文字状のスリット7aが変形して、ペン先4の接触によって開口すると共に、ペン先4がペン先収納部6に収納された際には、スリット7aがゴム弾性力の反撥力によって閉塞して、ペン先4と外気とを遮断するようなされている。
尚、このシール蓋7は、ペン先4の突出及び収納において開閉し、特に、ペン先4のペン先収納部6に収納された際にペン先4と外気とを遮断するものであれば、本例の材質及びシール蓋7の開閉機構のものに限られるものではない。例えば、シール蓋7の材質としては、ペン先4がペン先収納部6に収納された際の、ペン先4と外気との遮断性能及び、ペン先4が開口時にシール蓋7と接触することを考慮して、インキ8との非反応性や膨潤性などの影響を受けない1種若しくは2種以上を混合した加硫ゴム、熱可塑性エラストマー、軟質の合成樹脂などから適宜選択できる。
本例の繰り出し機構は、内筒2の後端に設けたノック部3を押圧することにより、本体1のペン先突出部1aより、ペン先4を突出させると共に、本体1内に配置されたスプリング5を圧縮した状態で、凸部3aが係止部1bを乗り越えることにより内筒2を係止している。また、再度、ノック部3を押圧するとことにより、凸部3aの係止部1bからの係止状態が解除され、スプリング5の反撥力を生じさせ、ペン先4をペン先収納部6に収納するものとなっている。
このように、本例では、本体1内を内筒2が前後方向にのみの摺動するスライド式の繰り出し機構としているが、勿論、この機構に限られず、例えば、本体1内に設けられた回転カムにより、内筒2が径方向へ螺旋状に回転しながら前後方向に摺動する回転式の繰り出し機構なども挙げられ、デザインなどの仕様や寸法上の制約などに応じて適宜設定されるものである。
図1に示したものは、本体1内を、内筒2の後端に設けたノック部3を押圧することにより、本体1のペン先突出部1aよりのペン先4を突出及び、ペン先4をペン先収納部6に収納する繰り出し機構を備えた所謂、出没式筆記具と呼ばれる筆記具の一例である。
本体1のペン先突出部1aには、硬度60゜のエチレンプロピレンゴムの射出成形品であるシール蓋7が配置され、ペン先4が突出する際、シール蓋7の中央部に設けられた一文字状のスリット7aが変形して、ペン先4の接触によって開口すると共に、ペン先4がペン先収納部6に収納された際には、スリット7aがゴム弾性力の反撥力によって閉塞して、ペン先4と外気とを遮断するようなされている。
尚、このシール蓋7は、ペン先4の突出及び収納において開閉し、特に、ペン先4のペン先収納部6に収納された際にペン先4と外気とを遮断するものであれば、本例の材質及びシール蓋7の開閉機構のものに限られるものではない。例えば、シール蓋7の材質としては、ペン先4がペン先収納部6に収納された際の、ペン先4と外気との遮断性能及び、ペン先4が開口時にシール蓋7と接触することを考慮して、インキ8との非反応性や膨潤性などの影響を受けない1種若しくは2種以上を混合した加硫ゴム、熱可塑性エラストマー、軟質の合成樹脂などから適宜選択できる。
本例の繰り出し機構は、内筒2の後端に設けたノック部3を押圧することにより、本体1のペン先突出部1aより、ペン先4を突出させると共に、本体1内に配置されたスプリング5を圧縮した状態で、凸部3aが係止部1bを乗り越えることにより内筒2を係止している。また、再度、ノック部3を押圧するとことにより、凸部3aの係止部1bからの係止状態が解除され、スプリング5の反撥力を生じさせ、ペン先4をペン先収納部6に収納するものとなっている。
このように、本例では、本体1内を内筒2が前後方向にのみの摺動するスライド式の繰り出し機構としているが、勿論、この機構に限られず、例えば、本体1内に設けられた回転カムにより、内筒2が径方向へ螺旋状に回転しながら前後方向に摺動する回転式の繰り出し機構なども挙げられ、デザインなどの仕様や寸法上の制約などに応じて適宜設定されるものである。
内筒2の内部には、先端開口部2aに、空間率60.0%のポリエチレンテレフタレート繊維を樹脂で固めて成形し先端を、ナイフカット形状に研磨したペン先4が配置され、このペン先4と接続した、空間率87.6%のポリエチレンテレフタレート繊維を集束させ、繊維の集束状態を維持するために、側面を繊維のポリプロピレン製のフィルムにより被覆した棒状体であるインキ吸蔵体9が配置されている。
このインキ吸蔵体9には、水を主媒体とし、二亜硫酸ナトリウムの還元剤、pH調整剤、
界面活性剤、防腐剤、保湿剤を溶解した4mPa・s(B型粘度計No.3ローター、60rpm、25℃)の低粘度でpH10に設定してある水性のインキ8が吸蔵されている。
ペン先4及び、インキ吸蔵体9の材質及び空間率は、インキ8との非反応性や膨潤性などの影響を考慮しつつ、インキ8のインキ吸蔵体9内での保持性能、インキ8のペン先4からの吐出性能や仕様の筆跡状態に応じて設定したものである。したがって、インキ8のインキ吸蔵体9内での保持性能、インキ8のペン先4からの吐出性能を維持し得るものであれば、インキ吸蔵体9としては、インキ8を保持するための毛細管力を有する連通曲路が形成されるものを使用することができ、ポリエチレンテレフタレート繊維の他、ポリプロピレン繊維を接着剤や、融点の異なる繊維を溶融することによって収束させた繊維収束体や、ウレタンなどの合成樹脂を発泡や溶出により連通多孔を形成した連通多孔質体、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの合成樹脂を小球体や粉末状にして堆積させた粒状物の集合体などが例示できる。
ペン先4の材質としては、ポリエチレンテレフタレート繊維の他に、ポリアミド繊維、ポリアクリロニトリル繊維などとしてもよいし、仕様とする筆跡状態によっては、ペン先4を射出成形後の熱処理によって硬化させる焼結体、ポリアセタール等を押出成形によって形成する所謂樹脂ペン先、ステンレスパイプを切断し、筆記面に研磨やコーティングを施した細管パイプ、合成樹脂の射出成形品やステンレスなどを切削加工した後、先端にボールを抱持させたボールペンチップなどが例示できる。
内筒2は、ペン先4が配置される先端開口部2aと、インキ吸蔵体9に収容されるインキ8が、外部へ放出することを抑制する有底のものとしている。また、本例では、本例のものと、インキ4の異なる他の同一機構よりなる製品群とを区別するために、製品毎に色の異なるノック部3とし、識別可能とする仕様及びデザイン上、内筒2とは別部材となっているが、両部品は接続して本体1内を前後動自在に摺動するものであり、ノック部3は内筒2の一部であるといえる。したがって、仕様及びデザイン上の制約がないのであれば、一体成形により1つの部品となしてもよい。
このインキ吸蔵体9には、水を主媒体とし、二亜硫酸ナトリウムの還元剤、pH調整剤、
界面活性剤、防腐剤、保湿剤を溶解した4mPa・s(B型粘度計No.3ローター、60rpm、25℃)の低粘度でpH10に設定してある水性のインキ8が吸蔵されている。
ペン先4及び、インキ吸蔵体9の材質及び空間率は、インキ8との非反応性や膨潤性などの影響を考慮しつつ、インキ8のインキ吸蔵体9内での保持性能、インキ8のペン先4からの吐出性能や仕様の筆跡状態に応じて設定したものである。したがって、インキ8のインキ吸蔵体9内での保持性能、インキ8のペン先4からの吐出性能を維持し得るものであれば、インキ吸蔵体9としては、インキ8を保持するための毛細管力を有する連通曲路が形成されるものを使用することができ、ポリエチレンテレフタレート繊維の他、ポリプロピレン繊維を接着剤や、融点の異なる繊維を溶融することによって収束させた繊維収束体や、ウレタンなどの合成樹脂を発泡や溶出により連通多孔を形成した連通多孔質体、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの合成樹脂を小球体や粉末状にして堆積させた粒状物の集合体などが例示できる。
ペン先4の材質としては、ポリエチレンテレフタレート繊維の他に、ポリアミド繊維、ポリアクリロニトリル繊維などとしてもよいし、仕様とする筆跡状態によっては、ペン先4を射出成形後の熱処理によって硬化させる焼結体、ポリアセタール等を押出成形によって形成する所謂樹脂ペン先、ステンレスパイプを切断し、筆記面に研磨やコーティングを施した細管パイプ、合成樹脂の射出成形品やステンレスなどを切削加工した後、先端にボールを抱持させたボールペンチップなどが例示できる。
内筒2は、ペン先4が配置される先端開口部2aと、インキ吸蔵体9に収容されるインキ8が、外部へ放出することを抑制する有底のものとしている。また、本例では、本例のものと、インキ4の異なる他の同一機構よりなる製品群とを区別するために、製品毎に色の異なるノック部3とし、識別可能とする仕様及びデザイン上、内筒2とは別部材となっているが、両部品は接続して本体1内を前後動自在に摺動するものであり、ノック部3は内筒2の一部であるといえる。したがって、仕様及びデザイン上の制約がないのであれば、一体成形により1つの部品となしてもよい。
図1のI部拡大図である図2に示すように、本体1内を前後動自在に摺動する内筒2に接続固定したノック部3の外周固定部3bに固定され、本体1の内面を摺接する、硬度65゜のブチルゴムの射出成形品であるリング状の弾性体10が配置されている。
既にノック部を押圧して突出しているペン先4を、再度、ノック部6の押圧により、ペン先収納部6に収納する際、スプリング5の係止状態が解除して、スプリング5に反撥力が生じて、内筒2及び内筒2に接続固定したノック部3が本体1内を後方へ摺動することになる。スプリング5は内筒2を直接押し上げることになるため、内筒2及びノック部3は、スプリング5の反撥力による衝撃を直に受けることとなるが、内筒2に接続固定したノック部3の外周凹部3bに固定された弾性体10が、本体1の内面を摺接しているため、この摺接により、本体1の内面と弾性体10との間に摩擦抵抗が発生する。また、ノック部3には外周固定部3bに連接して、弾性体10の変形空間とした外周凹部3cを設けてあるので、ノック部3に伝達した衝撃を、弾性体10の変形によって吸収させることができる。これにより、内筒2及びノック部6へのスプリング5の反撥力による衝撃が緩和されることになるので、インキ8は、インキ吸蔵体9の内部における流動が抑えられ、内筒2及びインキ吸蔵体9の内部に存在する空気との対流も抑制されることになる。即ち、繰り出し機構の作動における衝撃による、還元剤を含有するインキ8への空気中の酸素による還元剤の酸化や、二酸化炭素が溶け込むことによるpHの低下が抑えられ、インキ8の物性変化の促進を極力抑制することができる。
尚、弾性体10は、衝撃の緩和に伴って変形した形状を元に戻し得る、圧縮永久歪み率が20%以下のエラストマーであれば、本例の材質や形状に限られるものではない。本例のインキ8のように水を主媒体とした水性のインキ8を用いる場合には、インキ8との非反応性や膨潤性などの影響を受けず、更に、この弾性体10は、ペン先4と外気との本体1の後端側における遮断部となるため、インキ8の水成分の経時による減量にて物性変化が発生してしまうことを考慮すると、水分透過率が3.0g・mm/m2・day(37.8℃・90%RH(ASTM F 1249))以下であるものとすることが望ましい。例示すると、ブチルゴムの他に、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴム及びこれらを2種以上混合したものや、これらのゴムをソフトセグメントとし、ポリプロピレンやポリエチレンからなるオレフィン系樹脂をハードセグメントとした、オレフィン系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
また、スプリング5の反撥力による内筒2の摺動において、本体1の内面と弾性体10との間に生じる摩擦抵抗によって、本体1の内面若しくは弾性体10に摩耗による密閉性低下の懸念や、内筒2の摺動性の阻害される懸念がある場合、スプリング5の反撥力による衝撃を、弾性体10の変形によってのみ吸収し得るに事足りるならば、例えば、本体1の内面と弾性体10との間に、潤滑性を付与し得るオイルなどを介在させてもよい。介在させるオイルとしては、シリコーン、ワセリン、αオレフィン、ポリブテン、鉱油などのオイル、またはこれらを主媒体として添加剤を付与した高粘調流体等が例示できる。
既にノック部を押圧して突出しているペン先4を、再度、ノック部6の押圧により、ペン先収納部6に収納する際、スプリング5の係止状態が解除して、スプリング5に反撥力が生じて、内筒2及び内筒2に接続固定したノック部3が本体1内を後方へ摺動することになる。スプリング5は内筒2を直接押し上げることになるため、内筒2及びノック部3は、スプリング5の反撥力による衝撃を直に受けることとなるが、内筒2に接続固定したノック部3の外周凹部3bに固定された弾性体10が、本体1の内面を摺接しているため、この摺接により、本体1の内面と弾性体10との間に摩擦抵抗が発生する。また、ノック部3には外周固定部3bに連接して、弾性体10の変形空間とした外周凹部3cを設けてあるので、ノック部3に伝達した衝撃を、弾性体10の変形によって吸収させることができる。これにより、内筒2及びノック部6へのスプリング5の反撥力による衝撃が緩和されることになるので、インキ8は、インキ吸蔵体9の内部における流動が抑えられ、内筒2及びインキ吸蔵体9の内部に存在する空気との対流も抑制されることになる。即ち、繰り出し機構の作動における衝撃による、還元剤を含有するインキ8への空気中の酸素による還元剤の酸化や、二酸化炭素が溶け込むことによるpHの低下が抑えられ、インキ8の物性変化の促進を極力抑制することができる。
尚、弾性体10は、衝撃の緩和に伴って変形した形状を元に戻し得る、圧縮永久歪み率が20%以下のエラストマーであれば、本例の材質や形状に限られるものではない。本例のインキ8のように水を主媒体とした水性のインキ8を用いる場合には、インキ8との非反応性や膨潤性などの影響を受けず、更に、この弾性体10は、ペン先4と外気との本体1の後端側における遮断部となるため、インキ8の水成分の経時による減量にて物性変化が発生してしまうことを考慮すると、水分透過率が3.0g・mm/m2・day(37.8℃・90%RH(ASTM F 1249))以下であるものとすることが望ましい。例示すると、ブチルゴムの他に、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴム及びこれらを2種以上混合したものや、これらのゴムをソフトセグメントとし、ポリプロピレンやポリエチレンからなるオレフィン系樹脂をハードセグメントとした、オレフィン系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
また、スプリング5の反撥力による内筒2の摺動において、本体1の内面と弾性体10との間に生じる摩擦抵抗によって、本体1の内面若しくは弾性体10に摩耗による密閉性低下の懸念や、内筒2の摺動性の阻害される懸念がある場合、スプリング5の反撥力による衝撃を、弾性体10の変形によってのみ吸収し得るに事足りるならば、例えば、本体1の内面と弾性体10との間に、潤滑性を付与し得るオイルなどを介在させてもよい。介在させるオイルとしては、シリコーン、ワセリン、αオレフィン、ポリブテン、鉱油などのオイル、またはこれらを主媒体として添加剤を付与した高粘調流体等が例示できる。
図3に他の一例を示す。
図3に示したものは、図1の例のものと同様の、ペン先4、インキ吸蔵体9及びこのインキ吸蔵体9に吸蔵されているインキ8を使用し、基本的に同様のスライド式の繰り出し機構としたものである。
この弾性体12は、外周上に凸部12aを設け、本体1に嵌着され実質的に一体化した、スプリング5の固定部材13の凹部13aに嵌め込み固定されており、弾性体12のシール蓋11側をペン先収納部6に露出させ、スプリング5の反撥力による衝撃を吸収する、弾性体10の変形空間としている。また、本例の弾性体12は、内筒2の先端の外周部に摺接するように配置しているので、ペン先4をペン先収納部6へ収納した時の、ペン先収納部6の空気の容積を最小限にすることができる。このため、空気中に含まれる酸素や二酸化炭素の絶対量を最小限に抑えることができるため、静止状態における還元剤を含有するインキ8の酸素による還元剤の酸化や、二酸化炭素が溶け込むことによるpHの低下、即ち、インキ8の経時的な物性変化の促進を一層抑制することができるものである。
図3に示したものは、図1の例のものと同様の、ペン先4、インキ吸蔵体9及びこのインキ吸蔵体9に吸蔵されているインキ8を使用し、基本的に同様のスライド式の繰り出し機構としたものである。
この弾性体12は、外周上に凸部12aを設け、本体1に嵌着され実質的に一体化した、スプリング5の固定部材13の凹部13aに嵌め込み固定されており、弾性体12のシール蓋11側をペン先収納部6に露出させ、スプリング5の反撥力による衝撃を吸収する、弾性体10の変形空間としている。また、本例の弾性体12は、内筒2の先端の外周部に摺接するように配置しているので、ペン先4をペン先収納部6へ収納した時の、ペン先収納部6の空気の容積を最小限にすることができる。このため、空気中に含まれる酸素や二酸化炭素の絶対量を最小限に抑えることができるため、静止状態における還元剤を含有するインキ8の酸素による還元剤の酸化や、二酸化炭素が溶け込むことによるpHの低下、即ち、インキ8の経時的な物性変化の促進を一層抑制することができるものである。
1 本体
1a ペン先突出部
1b 係止部
2 内筒
2a 先端開口部
3 ノック部
3a 凸部
3b 外周固定部
3c 外周凹部
4 ペン先
5 スプリング
6 ペン先収納部
7 シール蓋
7a スリット
8 インキ
9 インキ吸蔵体
10 弾性体
11 シール蓋
12 弾性体
12a 凸部
13 固定部材
13a 凹部
1a ペン先突出部
1b 係止部
2 内筒
2a 先端開口部
3 ノック部
3a 凸部
3b 外周固定部
3c 外周凹部
4 ペン先
5 スプリング
6 ペン先収納部
7 シール蓋
7a スリット
8 インキ
9 インキ吸蔵体
10 弾性体
11 シール蓋
12 弾性体
12a 凸部
13 固定部材
13a 凹部
Claims (1)
- ペン先又はペン先に接続されるインキ中継部材をインキ吸蔵体に接続して内設すると共に先端開口部にペン先を備えた有底の中筒を、本体内に前後動自在に配置すると共に、本体が有する繰り出し機構の操作によって前記ペン先の本体先端よりの突出・収納をなす出没式筆記具において、前記インキ吸蔵体に吸蔵されるインキが、還元剤を含有すると共に、本体と中筒との間に弾性体を配置し、前記繰り出し機構の作動衝撃を緩和してなす出没式筆記具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007022446A JP2008188781A (ja) | 2007-01-31 | 2007-01-31 | 出没式筆記具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007022446A JP2008188781A (ja) | 2007-01-31 | 2007-01-31 | 出没式筆記具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008188781A true JP2008188781A (ja) | 2008-08-21 |
Family
ID=39749353
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007022446A Pending JP2008188781A (ja) | 2007-01-31 | 2007-01-31 | 出没式筆記具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008188781A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019526470A (ja) * | 2016-08-23 | 2019-09-19 | フロコン, インコーポレイテッド | 引込み可能な流動体塗布装置 |
-
2007
- 2007-01-31 JP JP2007022446A patent/JP2008188781A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019526470A (ja) * | 2016-08-23 | 2019-09-19 | フロコン, インコーポレイテッド | 引込み可能な流動体塗布装置 |
JP7097151B2 (ja) | 2016-08-23 | 2022-07-07 | フロコン, インコーポレイテッド | 引込み可能な流動体塗布装置 |
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