JP2008186858A - 化合物半導体積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】InAs層等の活性層を直接GaAs等の基板上に形成した構造の化合物半導体積層体であって、信頼性が高く、かつ、バルク単結晶に対して電子移動度の低下が小さい化合物半導体積層体を提供すること。
【解決手段】本発明に係る化合物半導体積層体は、GaAs基板上にInAs層を0.3μm以上と厚く形成し、そのInAs層上にInAs層と基板に平行方向の格子定数が等しく、基板に垂直方向の格子定数差が3%以内の化合物半導体保護層を形成することを特徴とする。すなわち、GaAs、InP、Siのバルク単結晶板、またはそれらの薄膜基板上に、直にInGa1−xAsSb1−y(0≦x≦0.5、0≦y≦1)を活性層として、0.3μm以上3μm以下の厚さで形成する。この活性層には、導電性の小さな半導体層を保護層として直に形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、化合物半導体積層体に関し、より詳細には、ホール素子等の電子デバイスを提供する化合物半導体積層体に関する。
磁気センサは、DVD−ROMやVTRの駆動に用いられるブラシレスモータの磁極の位置検出をはじめとして、携帯電話、自動車用途など幅広い分野で使用されてきている。特に近年では、高感度かつ高信頼性の磁気センサに対するニーズが、車載用途を中心として大きくなりつつある。
ホール素子用材料としては、GaAs、InSb、InAsが主であるが、その中で、InSb、InAsは、電子移動度が大きく、高感度化に有利であり、有望な材料である。通常、これら材料を用いたホール素子を形成する場合、バルク単結晶成長は困難であるため、GaAsなどの基板上に薄膜を形成し使用する。
ホール素子や半導体MRでは、高感度化のために電子移動度を大きくする必要がある。一方で、車載を念頭に置いた場合、高い信頼性を確保することが求められるため、静電破壊などを起こしづらくするために活性層は厚い方が好ましい。また、SiN等の保護膜で素子を完全に覆うことが重要となるが、このような場合、半導体積層体の構造は、被覆性の良い、基板に直接活性層が形成されているような単純な構造が好ましい。
そのため、従来は、特許文献1で開示されているような、GaAs基板上に直接、0.4μm前後の活性層であるInAs層を形成し、その上部に保護層としてGaAs層を形成して、素子化による特性劣化を防止した化合物半導体積層体が作製されていた。
特開平03−288482号公報 特許第3069545号明細書 特許第2793440号明細書
しかしながら、バルク単結晶では33000cm/Vsであった電子移動度が、上記構造のようにGaAs基板に直接InAs層を形成した場合、1/3程度の11000cm/Vs前後まで電子移動度が低下してしまうという問題があった。
この電子移動度の低下に対処する技術としては、InAs層が薄いという条件において、GaAs基板上に、まずSbを含む3元素以上から構成されるバッファ層を0.5μm程度積むことにより、電子移動度の低下を、バルクInAs単結晶のときの1/2から2/3(16000〜21000cm/Vs)程度まで大幅に改善できる(特許文献2、3参照)。この手法は、電子移動度低下の抑制には極めて有効である。
しかしながら、GaAs基板にInAs等の活性層を直接形成した単純な構造ではないので、その作製には手間がかかるという問題があった。すなわち、バッファ層上にInAs層を形成し、さらにInAs層を静電気破壊対策のため厚くした場合、バッファ層にInAs層を加えた厚さで素子パターニングを行い、SiN等の保護膜で全面をくまなく覆わなければならない。そのため、同じ厚さのInAs層のみが積まれている場合に比べ、被覆面積が増大し、信頼性を確保するのが難しいという問題があった。そのため、高い信頼性が要求される車載用途には、バッファ層を介さずに基板に直接InAs等の活性層を積層する構造が望ましい。
以上のように、従来、化合物半導体積層体において大きな電子移動度と高い信頼性とを両立させるのは困難であった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、InAs層等の活性層を直接GaAs等の基板上に形成した構造の化合物半導体積層体であって、信頼性が高く、かつ、バルク単結晶に対して電子移動度の低下が小さい化合物半導体積層体を提供することにある。
このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、化合物半導体積層体において、GaAs、InP、またはSiのいずれかからなるバルク単結晶又は薄膜層を有する基板と、前記基板上に形成されたInGa1−xAsSb1−y(0≦x≦0.5、0≦y≦1)からなり、0.3μm以上3μm以下の厚さに形成された活性層と、前記活性層上に形成された化合物半導体層とを備え、前記活性層と前記化合物半導体層のそれらの界面に平行な方向の格子定数が等しく、かつ、前記活性層と前記化合物半導体層のそれらの界面に垂直な方向の格子定数の差が3%以下であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の化合物半導体積層体において、前記活性層がInGa1−xAs(0≦x≦0.5)であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の化合物半導体積層体において、前記活性層がInAsSb1−y(0≦y≦1)であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の化合物半導体積層体において、前記活性層にN型ドーパントがドープされ、当該活性層の室温でのシートキャリア濃度が1×1016/cm以上2×1017/cm以下であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の化合物半導体積層体において、前記活性層がInAsであり、前記化合物半導体層がGaAsSb1−z(0.8≦z≦1)であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の化合物半導体積層体において、前記活性層は、厚さが0.5μm以上1.5μm以下であり、かつ、シートキャリア濃度が1.9×1016/cm以上1.4×1017/cm以下であり、電子移動度が16000cm/V・s以上であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、電子デバイスにおいて、請求項1乃至6のいずれかに記載の化合物半導体積層体と、前記活性層と電気的に結合したオーミック電極とを備えたことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、磁気センサにおいて、請求項1乃至6のいずれかに記載の化合物半導体積層体と、前記活性層と電気的に結合したオーミック電極とを備えたことを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、ホール素子において、請求項1乃至6のいずれかに記載の化合物半導体積層体と、前記活性層と電気的に結合したオーミック電極とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、InAs層等の活性層を直接GaAs等の基板に成膜した構成であることによりInAs層が厚くても信頼性が高く、かつバルク単結晶に対して電子移動度の低下が小さい化合物半導体積層体を提供することができる。また、この化合物半導体積層体上に、ホール素子等の電子デバイスを形成することにより、高い信頼性が要求される車載用途で、高感度な磁気センサ等の電子デバイスを提供することができる。
特許文献2、3では、電子移動度を改善するためにGaAsの上にバッファ層を形成することが必須であるとされている。しかしながら、詳細な研究の結果、バッファ層を持たない、特許文献1で開示されているようなGaAs基板上に直接InAs層を形成した構造において、飛躍的に電子移動度の改善が行なえることが分かった。
本発明に係る化合物半導体積層体は、GaAs基板上にInAs層を0.3μm以上と厚く形成し、そのInAs層上にInAs層と基板に平行方向の格子定数が等しく、基板に垂直方向の格子定数差が3%以内の化合物半導体保護層を形成することを特徴とする。
すなわち、GaAs、InP、Siのバルク単結晶板、またはそれらの薄膜基板上に、直にInGa1−xAsSb1−y(0≦x≦0.5、0≦y≦1)を活性層として、0.3μm以上3μm以下の厚さで形成する。この活性層には、導電性の小さな半導体層を保護層として直に形成する。尚、活性層と保護層は、界面に平行方向の格子定数が等しく、かつ、界面に垂直方向の格子定数の差が3%以下とする。
本発明では、InAs層等の活性層をGaAs基板等の上で直接成長させているにもかかわらず、特許文献2、3で開示されているバッファ層を用いた場合と同等以上の電子移動度が得られるが、そのメカニズムは以下のように考えられる。
GaAs基板の上に0.3μm以上のInAs層を形成し、さらにその上、GaAs保護層を形成した場合、GaAs基板とInAs層及びInAsとGaAs保護層の2つの界面に、格子定数及び熱膨張係数差等に起因する欠陥や歪みが発生する。元来、このような界面で発生する歪みや欠陥が電子移動度を低下させると考えられていた。そのため、GaAs基板とInAs層の界面では歪みや欠陥が多数発生し、電子移動度が低下すると考えられる。この電子移動度の低下を改善するためには、GaAs基板とInAs層との間に特許文献2、3にあるようなバッファ層を介在させることによって歪みや欠陥を抑制することが必要であると考えられていた。
しかしながら、詳細に検証した結果、InAsが0.3μm以上と厚い場合、電子移動度はGaAs基板とInAs層の界面よりもInAs層とGaAs保護層の界面の歪みや欠陥の状態の方が支配的になることが分かった。すなわち、このInAs膜とGaAs保護層の界面の歪みや欠陥が少なければ、電子移動度の低下は小さくなる。このInAs膜とGaAs保護層の界面の歪みや欠陥は、GaAs保護層の代わりにInAs層と格子定数の近いGaAsSb層を形成することにより、その歪みと欠陥を大幅に抑制することが可能である。その結果、バッファ層を用いた場合と比べて同等以上の電子移動度が得られたものと考えられる。
また、GaAs基板とInAs層との界面の電子移動度への影響は、InAs層が薄いと強くなり、InAs層が厚くなると弱くなった。このことから、InAs層を厚くすることによりGaAs基板とInAs層の界面の影響が小さくなる理由としては、GaAs基板とInAs膜の界面で発生した欠陥などが厚い膜に埋もれたことによると考えられる。
本発明のInAs層等の活性層の厚さは、通常0.3μm以上3μm以下であり、好ましくは0.4μm以上2μm以下であり、さらに好ましくは0.5μm以上1.5μm以下である。活性層の材料は、通常、InGa1−xAsにおいて好ましくは0≦x≦0.5であり、さらに好ましくは0≦x≦0.2である。また、活性層の他の材料としては、InAsSb1−yにおいて好ましくは0≦y≦1であり、さらに好ましくは0≦y≦0.5である。また、特に好ましい活性層の材料はInAsである。
基板材料は、通常、GaAs、InP、Siのバルク単結晶基板またはそれらの薄膜基板であり、特にGaAsが好ましい。
半導体保護層は、表面に平行方向の格子定数が活性層と等しいことが必要である。また、保護層と活性層の表面に垂直方向の格子定数差は、通常3%以内であり、好ましくは1.2%以内であり、さらに好ましくは0.6%以内である。保護層の材料としては、GaAsSb1−zにおいて0.8≦z≦1が好ましい。保護層の厚さは、表面に平行方向の格子定数が活性層と等しい範囲内であればよい。尚、表面に平行方向の格子定数が活性層と等しいとは、半導体保護層が臨界膜厚以下ということになる。
これは必須ではないが、上記保護層の上に、さらにGaAs等の保護層を最上層として形成してもよい。この効果は、特許文献1に開示されているが、素子化におけるプラズマCVD成膜時等に発生するプロセス時の特性劣化を防ぐためである。
これも必須ではないが、活性層にN型ドーパントをドーピングすることによって電子移動度をさらに改善することができる。ドーピング元素としては、通常、Si、S、Sn又はGeが好ましく、特にSiが好ましいが、特にこれらのドーパントのみに制限されるものではない。ドープ量は、室温でのシートキャリア濃度が1×1016〜2×1017/cmの範囲が通常であり、好ましくは1.2×1016〜1.5×1017/cmであり、さらに好ましくは、1.5×1016〜6×1016/cmである。
特許文献1で開示されているGaAs基板上のInAs層や通常報告されているGaAs基板上のInAs層では、電子濃度の増加により電子移動度は一度上昇した後降下する。しかし、本発明のInAs層では、電子濃度の増加により電子移動度は単調に低下し、従来報告されているInAs層の特性と大きく異なった挙動を示す。さらに、室温でのシートキャリア濃度が1×1016〜2×1017/cmの範囲で、かつInAs層の膜厚が同じ場合は、いずれの電子濃度においても特許文献1で開示されている通常のInAs層より電子移動度は大幅に大きくなる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1に、本発明の一実施形態に係る半導体積層体の断面構造模式図を示す。基板1の上に活性層2が積層され、その活性層の上に保護層3がさらに積層されている。
以下に、本発明の具体例について詳細に説明する。
(実施例1)
直径4インチの(100)GaAs基板上に分子線エピタキシー(MBE)法により、活性層としてInAs層、そのInAs層上に保護層としてGaAsSb層、さらにそのGaAsSb層上に最上層として厚さ7nmのGaAs層を順次形成した。InAs層、GaAsSb層は、下表に示すように複数の厚さを設定した。
作製した化合物半導体積層体の電子移動度、キャリア濃度を4端子によるファンデルポー法によりそれぞれ測定した。また、GaAs基板のピークを内部標準として、X線解析法により、基板に垂直方向及び平行方向の格子定数をInAs層、GaAsSb層各々に関して求めた。表1に、それらの測定結果を示す。
Figure 2008186858
ここで比較例1として以下のような化合物半導体積層体を作製した。直径4インチの(100)GaAs基板上にMBE法により、活性層としてInAs層、そのInAs層上に最上層としてGaAs層を順次形成した。また、GaAs層厚を0とした最上層を設けないものも作製した。
作製した積層体の電子移動度、キャリア濃度を4端子によるファンデルポー法によりそれぞれ測定した。また、GaAs基板のピークを内部標準として、X線解析法により、基板に垂直方向及び平行方向の格子定数をInAs層、GaAs層各々に関して求めた。これらの測定結果を表2に示す。
Figure 2008186858
実施例1(表1)と比較例1(表2)とをInAs層が同じ膜厚のもので比較すると、実施例1の電子移動度が比較例1の電子移動度の2倍以上であることが分かる。
(実施例2)
直径4インチの(100)GaAs基板上にMBE法により、活性層としてInAs層、そのInAs層上に保護層としてGaAsSb層、さらにそのGaAsSb層上に最上層としてGaAs層を順次形成した。尚、InAs層にSiドープを行った。実施例1と実施例2との違いは、このInAs層にSiドープを行った点にある。
作製した化合物半導体積層体の電子移動度、キャリア濃度を4端子によるファンデルポー法によりそれぞれ測定した。また、GaAs基板のピークを内部標準として、X線解析法により、基板に垂直方向及び平行方向の格子定数をInAs層、GaAsSb層各々に関して求めた。これらの測定結果を表3に示す。
Figure 2008186858
実施例1(表1)の結果と併せて見ると、活性層の厚さが0.5μm以上1.5μm以下であり、かつ化合物半導体積層体のキャリア濃度が1.9×1016/cm以上1.4×1017以下において、電子移動度が16000cm/Vs以上である。その中でも特にキャリア濃度が1.9×1016/cm以上5.5×1016/cm以下の場合では、電子移動度は19000cm/Vs以上となる。このように本発明に係る化合物半導体積層体は、従来の化合物半導体積層体を代表する比較例1と比べて電子移動度が著しく改善されている。
次に、比較例2として以下のようにInAs層にSiドープを行った化合物半導体積層体を作製した。直径4インチの(100)GaAs基板上にMBE法により、活性層としてInAs層、そのInAs層上に最上層としてGaAs層を順次形成した。尚、InAs層にSiドープを行った。
作製した化合物半導体積層体の電子移動度、キャリア濃度を4端子によるファンデルポー法によりそれぞれ測定した。また、GaAs基板のピークを内部標準として、X線解析法により、基板に垂直方向及び平行方向の格子定数をInAs層、GaAsSb層各々に関して求めた。これらの測定結果を表4に示す。
Figure 2008186858
実施例2(表3)と比較例2(表4)とをInAs層が同じ膜厚のもので比較すると、電子移動度は、キャリア濃度が14×1016のNo.12で約30%、5.5×1016のNo.9では約60%比較例2に対して改善されている。
(実施例3)
図2に、実施例1、2で作製した積層体の最上層を省いた化合物半導体積層体を用いて作製したホール素子の断面構造模式図を示す。すなわち、直径4インチの(100)GaAs基板1上にMBE法により、活性層2としてInAs層、そのInAs層上に保護層3としてGaAsSb層を順次形成した。GaAsSb層の一部をInAs層が露出するまで除去し、GaAsSb層の除去された位置に真空蒸着法によりTi層を100nm、Au層を900nmと連続蒸着してオーミック電極4を形成した。さらに、プラズマCVD法により厚さ300nmのSiNからなるパッシベーション膜5をGaAsSb層3上に形成した。尚、ここではオーミック電極4として一例を示したが、本発明に係るホール素子一般においては、オーミック電極4はAu/Pt/Ti等の公知の多層電極でも良いし、単層の金属でもよい。
表5に実施例3のホール素子特性を示す。従来のInAsホール素子は、入力抵抗(Rin)=300±60Ωで、3V、50mTにおいて感度(Vh)が55±11mV程度であった。これに対し、本発明に係るホール素子は、同じ条件の下で測定を行った結果、55mVに対して40%〜100%の大幅な感度改善、すなわち最大で感度が2倍に改善されている。
Figure 2008186858
比較例3として、比較例2として作製した化合物半導体積層体を用いて、実施例3と同様にホール素子を作製した。すなわち、直径4インチの(100)GaAs基板上にMBE法により、活性層としてInAs層、そのInAs層上に最上層としてGaAs層を順次形成した。GaAs層の一部をInAs層が露出するまで除去し、GaAs層の除去された位置に、真空蒸着法によりTi層を100nm、Au層を900nmと連続蒸着してオーミック電極を形成した。さらに、プラズマCVD法により厚さ300nmのSiNからなるパッシベーション膜をGaAs層上に形成した。
この比較例3のホール素子特性を表6に示す。感度は従来のものと同程度で、本発明に係るホール素子と比べ、著しく小さい。
Figure 2008186858
以上説明したように、本発明により、GaAs等の基板に直接InAs等を形成した構造において、従来のGaAs等の基板に直接InAs等を形成したものよりも大幅に電子移動度が改善された化合物半導体積層体を提供することが可能になった。この化合物半導体積層体上にホール素子等の電子デバイスを形成することにより、車載用途にも耐えうる高信頼性、高感度の磁気センサ等の電子デバイスを提供することが可能になった。
本発明の一実施形態に係る半導体積層体の断面構造模式図である。 実施例1、2で作製した積層体の最上層を省いた化合物半導体積層体を用いて作製したホール素子の断面構造模式図である。
符号の説明
1 基板
2 活性層
3 保護層
4 オーミック電極
5 パッシベーション膜

Claims (9)

  1. GaAs、InP、またはSiのいずれかからなるバルク単結晶又は薄膜層を有する基板と、
    前記基板上に形成されたInGa1−xAsSb1−y(0≦x≦0.5、0≦y≦1)からなり、0.3μm以上3μm以下の厚さに形成された活性層と、
    前記活性層上に形成された化合物半導体層と
    を備え、
    前記活性層と前記化合物半導体層のそれらの界面に平行な方向の格子定数が等しく、かつ、前記活性層と前記化合物半導体層のそれらの界面に垂直な方向の格子定数の差が3%以下であることを特徴とする化合物半導体積層体。
  2. 前記活性層がInGa1−xAs(0≦x≦0.5)であることを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体積層体。
  3. 前記活性層がInAsSb1−y(0≦y≦1)であることを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体積層体。
  4. 前記活性層にN型ドーパントがドープされ、当該活性層の室温でのシートキャリア濃度が1×1016/cm以上2×1017/cm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の化合物半導体積層体。
  5. 前記活性層がInAsであり、前記化合物半導体層がGaAsSb1−z(0.8≦z≦1)であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の化合物半導体積層体。
  6. 前記活性層は、厚さが0.5μm以上1.5μm以下であり、かつ、シートキャリア濃度が1.9×1016/cm以上1.4×1017/cm以下であり、電子移動度が16000cm/V・s以上であることを特徴とする請求項5に記載の化合物半導体積層体。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の化合物半導体積層体と、
    前記活性層と電気的に結合したオーミック電極と
    を備えたことを特徴とする電子デバイス。
  8. 請求項1乃至6のいずれかに記載の化合物半導体積層体と、
    前記活性層と電気的に結合したオーミック電極と
    を備えたことを特徴とする磁気センサ。
  9. 請求項1乃至6のいずれかに記載の化合物半導体積層体と、
    前記活性層と電気的に結合したオーミック電極と
    を備えたことを特徴とするホール素子。
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