JP2008183908A - 無機多孔結晶−親水性高分子複合体層を有する積層体 - Google Patents
無機多孔結晶−親水性高分子複合体層を有する積層体 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】本発明の積層体は、機能向上基材に親水性高分子がその実体内に無機多孔結晶を有する無機多孔結晶−親水性高分子複合体よりなる層を積層させることによって、無機多孔結晶−親水性高分子複合体の有するガス吸着能、揮発性有機溶剤除去能、難燃性、保温性、重金属および放射性元素除去能に加えて、高強度となり、更に手触り等の触感を改善することができ、更なる機能性を有する素材として有用である。さらに、無機多孔結晶に金属を担持させることにより、抗菌性および悪臭除去能等の性質が更に付与された積層体を提供することができる。
【選択図】なし
Description
(1)親水性高分子をケイ素化合物の水溶液に含浸させた後、アルミニウム化合物および塩基性物質の混合溶液に2時間乃至20日間浸漬させることにより製造したゼオライト−親水性高分子複合体よりなる層並びにプラスチックフィルム、再生セルロースフィルム、金属箔、天然繊維、半合成繊維、合成繊維、金属繊維、無機繊維、活性炭繊維、無機系硬化剤および無機膜からなる群より選ばれる少なくとも1種を有することを特徴とする積層体。
(2)親水性高分子が天然セルロース、再生セルロースおよびバクテリアセルロースからなる群より選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする上記(1)記載の積層体。
(3)天然セルロースがパルプ、木綿、麻およびケナフからなる群より選ばれる少なくとも1種である上記(2)記載の積層体。
(4)ケイ素化合物がメタケイ酸ナトリウムであり、アルミニウム化合物がアルミン酸ナトリウムであり、塩基性物質が水酸化ナトリウムである、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の積層体。
(5)ゼオライトが銀、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、コバルト、パラジウムおよび白金からなる群より選択される少なくとも1種の金属を担持することを特徴とする上記(1)記載の積層体。
パルプ300gをメタケイ酸ナトリウム・9水和物の水溶液(190g/5000ml)に含浸せしめた後、アルミン酸ナトリウム150gおよび水酸化ナトリウム330gの混合水溶液5000mlを加え、90℃で2時間浸漬させることにより、ゼオライト担持パルプを得た。得られたゼオライト担持パルプのゼオライト担持率は30.1wt%であった。このゼオライト担持パルプを傾斜金網式の抄紙機(傾斜角5°、速度10m/分)を用いて坪量100g/m2、紙幅50cmのゼオライト担持紙を抄いた。
製造例1で得られたゼオライト担持紙に澱粉糊をバインダーとして用い、湿式法によって製造したレーヨン不織布(坪量60g/m2、布幅50cm)を貼り付けることにより積層体を得た。
製造例1で得られたゼオライト担持紙を熱ロールに通し、表面温度を150℃になるように加熱した。これに高分子吸収ポリマー粉末を飛沫させながら、乾式法によって製造したポリエチレン−ポリプロピレン複合繊維からなる不織布(厚さ30μm)を連続して接触させることにより積層体を得た。
製造例1で得られたゼオライト担持紙を熱ロールに通し、表面温度を150℃になるように加熱した。この操作を2系統作り、この紙の間に厚さ40μm、幅50cmの低密度ポリエチレン(LDPE)フィルムを連続して接触させた。これにより当該担持紙の間にLDPEフィルムが熱融着することにより挟持された積層体を得た。
製造例1で得られたゼオライト担持紙を熱ロールに通し、表面温度を150℃になるように加熱した。この操作を2系統作り、この紙の間に乾式法によって製造されたポリエチレン不織布(厚さ30μm)を連続して接触させた。これにより当該担持紙の間にポリエチレン不織布が熱融着することにより挟持された積層体を得た。
セロハン200gをメタケイ酸ナトリウム・9水和物の水溶液(190g/5000ml)に含浸せしめた後、アルミン酸ナトリウム150gおよび水酸化ナトリウム330gの混合水溶液5000mlに含浸させた。この後、110℃の水蒸気が発生している蒸気発生装置内で4時間反応させることにより、ゼオライト担持セロハンを得た。得られたゼオライト担持セロハンのゼオライト担持率は15.3重量%であった。
製造例2で得られたゼオライト担持セロハンを熱ロールに通し、表面温度を150℃になるように加熱した。この操作を2系統作り、このセロハンの間に厚さ40μm、幅50cmのLDPEフィルムを連続して接触させた。これにより当該担持セロハンの間にLDPEフィルムが熱融着することにより挟持された積層体を得た。
実施例5で得られた積層体15.0gを硫酸銅・5水和物2.20gの水溶液500mlに2時間浸漬した。これにより当該積層体に5.0mmolの銅が担持された積層体を得た。
レーヨンの再生の際に、当該レーヨンの芯の部分にポリプロピレンを挿入した高強度レーヨン繊維(ポリプロピレン径20μm;繊度50μm;繊維長平均20mm)100gをメタケイ酸ナトリウム・9水和物の水溶液(85g/2000ml)に含浸せしめた後、アルミン酸ナトリウム80gおよび水酸化ナトリウム160gの混合水溶液2000mlを加え、90℃で2時間浸漬させることにより、図4で示される積層体の一態様であるゼオライト担持レーヨンを得た。当該ゼオライト担持レーヨンは高強度であり、レーヨン部分にのみゼオライトが生成している。このゼオライト担持レーヨンのゼオライト担持率は23.5重量%であった。
実施例7で得られたゼオライト担持レーヨンから湿式法により製造した不織布、および乾式法により製造したポリエチレン不織布を実施例3と同様の方法により熱処理後、接触、融着させた後に、乾式法により製造した活性炭繊維からなるシートを接触、融着させて3層からなる積層体を得た。
実施例4で得られた積層体に厚さ10mmの発泡ポリウレタンシートを酢酸ビニル樹脂エマルジョン系接着剤を介して接着し、更に厚さ10μmのアルミ箔を貼り付けた。これにより、図5で示される4層からなる積層体を得た。
壁用モルタル1kgを水1リットルに溶かし、アクリル板(厚さ5mm)で作成した25cm×25cm×5cmの型枠に流し込んだ。このモルタルが半乾きの状態で製造例1で作成したゼオライト担持紙をその上にのせ、更に完全に固まるまで放置した。型枠を取り除きゼオライト担持紙を接着した面と反対側の面に二酸化チタンを分散させたコロイダルシリカを厚さ50μmになるようにコーティングすることにより積層体を得た。
1’ フィルム状である機能向上基材
2 無機多孔結晶−親水性高分子複合体の繊維よりなる層
2’ 無機多孔結晶−親水性高分子複合体のフィルムよりなる層
2” 筒状である無機多孔結晶−親水性高分子複合体よりなる層
Claims (5)
- 親水性高分子をケイ素化合物の水溶液に含浸させた後、アルミニウム化合物および塩基性物質の混合溶液に2時間乃至20日間浸漬させることにより製造したゼオライト−親水性高分子複合体よりなる層並びに
プラスチックフィルム、再生セルロースフィルム、金属箔、天然繊維、半合成繊維、合成繊維、金属繊維、無機繊維、活性炭繊維、無機系硬化剤および無機膜からなる群より選ばれる少なくとも1種を有することを特徴とする積層体。 - 親水性高分子が天然セルロース、再生セルロースおよびバクテリアセルロースからなる群より選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1記載の積層体。
- 天然セルロースがパルプ、木綿、麻およびケナフからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項2記載の積層体。
- ケイ素化合物がメタケイ酸ナトリウムであり、アルミニウム化合物がアルミン酸ナトリウムであり、塩基性物質が水酸化ナトリウムである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。
- ゼオライトが銀、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、コバルト、パラジウムおよび白金からなる群より選択される少なくとも1種の金属を担持することを特徴とする請求項1記載の積層体。
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