JP4018284B2 - 無機多孔結晶−親水性高分子複合体を含有する組成物およびその成型物 - Google Patents

無機多孔結晶−親水性高分子複合体を含有する組成物およびその成型物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、悪臭除去、ガス吸着等の性質、さらには抗菌性、難燃性、保温性等を有し、且つ強度、その他の特性に優れた、親水性高分子がその実体内に無機多孔結晶を有する無機多孔結晶−親水性高分子複合体と固化しうる担体とを含有する組成物およびその成形物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゼオライトやアルミノシリカゲル等の無機化合物を、紙等のセルロース基材を始めとする親水性高分子に担持させて機能性を付与した素材が知られている。
かかる素材は悪臭除去、ガス吸着等の性質や抗菌性、難燃性、保温性を有するので種々の用途に使用しえるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記素材は、様々な用途展開が期待できるが、実際に消費者が求める用途により、より高強度なもの等、種々の機能性を高めたものが要求されている。
本発明の目的はかかる要求に応える素材を提供することであり、親水性高分子がその実体内に無機多孔結晶を有する無機多孔結晶−親水性高分子複合体の有する悪臭除去、ガス吸着等の性質や抗菌性、難燃性、保温性に加えて、更に機能性を高めたものを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる目的は下記の本発明によって解決される。
すなわち、本発明は下記の通りである。
(1)親水性高分子がその実体内に無機多孔結晶を有する無機多孔結晶−親水性高分子複合体と固化しうる担体とを含有する組成物。
(2)無機多孔結晶がゼオライトであることを特徴とする上記(1)記載の組成物。
(3)無機多孔結晶が銀、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、コバルト、パラジウムおよび白金からなる群より選択される少なくとも1種の金属を担持することを特徴とする上記(1)または(2)記載の組成物。
(4)親水性高分子が天然セルロース、再生セルロース、バクテリアセルロース、化学修飾セルロース、絹、羊毛、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、架橋型ポリビニルアルコール、キチン、キトサン、エチレン酢酸ビニルコポリマーおよびポリビニルホルマールからなる群より選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする 上記(1)記載の組成物。
(5)天然セルロースがパルプ、木綿、麻およびケナフからなる群より選ばれる少なくとも1種である上記(4)記載の組成物。
(6)化学修飾セルロースがエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースからなる群より選ばれる少なくとも1種である上記(4)記載の組成物。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の組成物を固化してなる成形物。
【0005】
本発明に用いられる固化しうる担体としては、親水性高分子がその実体内に無機多孔結晶を有する無機多孔結晶−親水性高分子複合体を当該担体に配合した後、何らかの手段で固化することができるものであれば特に制限はなく、固化の手段としては、例えば加熱、冷却、圧縮、化学反応(例えば、酸化反応、酵素反応等)等が挙げられる。また、固化の程度は少なくとも成形物を得ることができる程度であればよく、当該成形物は可撓性を有するもの、変形しうるものであってもよい。
かかる担体としては、例えば樹脂、無機系硬化剤等が挙げられる。当該樹脂としては、天然樹脂、合成樹脂またはこれらをブレンドした樹脂等が挙げられる。具体的に、天然樹脂としては、松ヤニ、セラック、ワックス、コラーゲン、プロポリス、漆、木粉等が挙げられる。合成樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアクリルアミド等のポリアミド、ポリビニルアルコール、ブタジエンゴム、シリコーンゴム、フェノール樹脂等が挙げられる。好ましくは、価格、低沸点、汎用性の点から、ポリエチレンである。天然樹脂および合成樹脂のブレンドは、自体公知の方法により得られる。担体として樹脂を使用した組成物の態様としては、例えば塗料等の流動体が、それを固化したものとして、ゴム状の可撓体、ボード状物、シート状物、ヒモ状物、網状物、クッション状物等が挙げられる。
無機系硬化剤としては、例えば、セメント、石膏、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、粘土鉱物、コロイダルシリカ、アパタイト( リン酸カルシウム )またはタルサイト様化合物等が挙げられる。また、無機系硬化剤を含む組成物の固化後の形状には特に制限はなく、例えば球状、立方体状、柱状、板状等の様々な形状を挙げることができる。
【0006】
本発明に用いられる無機多孔結晶−親水性高分子複合体の無機多孔結晶としては、イオン交換能を有する無機イオン交換体結晶および多孔部分に吸着能を有する吸着体結晶が挙げられ、親水性高分子基材を溶解、分解または崩壊させないものであれば特に制限はない。例えば、ゼオライト、ハイドロタルサイト、ハイドロキシアパタイト、粘土鉱物類等が挙げられる。
中でも、最も用途が広いという点からゼオライトが好ましく、その中でも比較的合成が容易であるという点から4Aゼオライト〔Na12Si12Al1248・27H2 O〕が特に好ましい。
【0007】
本発明に用いられる無機多孔結晶−親水性高分子複合体の親水性高分子としては、水に対して膨潤するものであれば特に制限はない。例えば、天然セルロース(パルプ、ケナフ、木綿、麻)、再生セルロース(セロファン、セルロースビーズ、レーヨン、セルローススポンジ等)、バクテリアセルロースおよびセルロースを化学修飾したエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、更には絹、羊毛、麻、ポリビニルアルコール、架橋型ポリビニルアルコール、キチン、キトサン、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルホルマール等の天然、或いは人工の親水性高分子、ポリアクリルアミド等の高吸水性高分子ゲル、コラーゲン、プロポリス、漆、木粉等が挙げられる。
中でも、実際の使用形態、価格および取り扱い易さの点からパルプや再生セルロースが担持用基材として好ましく使用される。
【0008】
上記の親水性高分子の実体内に無機多孔結晶が担持され、本発明に用いられる無機多孔結晶−親水性高分子複合体を形成する。ここで、親水性高分子の実体内とは、例えば、親水性高分子がセルロースの場合、セルロース基材を構成している高分子物質の内部を意味し、例えば、セルロース基材の細胞壁表面、細胞壁内に存在する細孔および細胞内腔(ルーメン)は含まれない。
セルロース基材の実体内に無機多孔結晶を有するとは、無機多孔結晶の一部または全部がセルロース基材の実体内に存在することを意味する。
【0009】
当該無機多孔結晶−親水性高分子複合体は以下のようにして製造される。例えば、無機多孔結晶がゼオライトであり、親水性高分子がセルロースであるゼオライト−セルロース複合体である場合、特願平8−245538号記載の方法(具体的には、1.0〜100mmol/lのケイ素化合物の水溶液を10分〜2時間含浸させたセルロース基材に、20〜90℃で1.0〜1000mmol/lのアルミニウム化合物および10〜5000mmol/lの塩基性物質の混合水溶液に2時間〜20日間浸漬させる方法等)が挙げられる。親水性高分子がパルプまたはレーヨンである場合、上記と同様の方法によって、無機多孔結晶−パルプ複合体、無機多孔結晶−セロハン複合体、無機多孔結晶−レーヨン複合体を得ることができる。
無機多孔結晶−親水性高分子複合体中の無機多孔結晶と親水性高分子の割合は特に限定されないが、好ましくは該複合体中無機多孔結晶が1.0〜70.0重量%、特に好ましくは10.0〜50.0重量%である。
【0010】
当該無機多孔結晶−親水性高分子複合体を触媒機能を有する金属塩の水溶液に浸漬することにより、金属担持無機多孔結晶−親水性高分子複合体が得られる。使用される金属としては、例えば、銀、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、コバルト、パラジウムおよび白金等が挙げられ、これらの金属を複数併用してもよい。金属塩の水溶液の濃度に特に制限はないが、好ましくは1.0〜100mmol/lであり、浸漬する温度や時間にも特に制限はない。
この時、親水性高分子基材は水溶液を浸透させうるので、親水性高分子基材の実体内の無機多孔結晶全体に無駄なく金属を担持させることができる。
金属担持無機多孔結晶−親水性高分子複合体中の金属の量も特に限定されないが、好ましくは該複合体中0.001〜10.0重量%、特に好ましくは0.01〜1.0重量%である。
【0011】
例えば、銀、銅または亜鉛を担持させた無機多孔結晶−親水性高分子複合体は抗菌性を示し、パラジウムまたは白金を担持させた無機多孔結晶−親水性高分子複合体はエチレンを吸着することができることから、青果物の鮮度を保持する効果があり、銀または銅を担持させた無機多孔結晶−親水性高分子複合体は、硫化水素を吸着、分解できることから金属の防錆効果または脱臭効果が、またアンモニアを吸着、分解できることから防臭効果がある。また、銀を担持させた無機多孔結晶−親水性高分子複合体はメチルメルカプタンを吸着、分解できることから防臭効果がある。
この時、親水性高分子は気体を充分に透過させうるので、親水性高分子の実体内の金属担持無機多孔結晶全体を無駄なく利用して、気体を吸着、分解することができる。
【0012】
本発明の組成物は、固化しうる担体中に親水性高分子がその実体内に無機多孔結晶を有する無機多孔結晶−親水性高分子複合体を添加することによって製造される。
例えば、塗料等の流動性のものは、製造時は流動体であるが、これを被着体に塗布した後、皮膜形成して成型物とされる。例えば、アクリル樹脂を配合した塗料は、塗料の状態ではエマルジョンであるが、水分が蒸発することによって皮膜を形成する。また、エポキシ樹脂を配合した塗料は化学反応によって固化して成型物とされる。当該成型物の厚さは10〜500μm、好ましくは20〜100μm程度である。無機系硬化剤を用いて固化した成型物の厚さは、1〜10cm程度である。また成型物が球状の場合は、直径あるいは楕円の場合は長径が0.1〜5cm、好ましくは0.5〜2cmである。
【0013】
以下、本発明の組成物を固化して得られる成型物および本発明の組成物(流動体の態様)の製造方法をより具体的な例を挙げて詳細に説明する。
・固化して得られる成型物の製法
a.プラスチック系
ポリエチレンマスターバッチにゼオライト担持セルロースビーズを加え、130℃に設定したニーダーで混練する。混練したものを押し出し成型器に充填し、冷却させることによって固化する。
b.セメント系
市販のセメントを水に溶かし、これに二酸化チタン粉末を加え混練した後に、ゼオライト担持パルプを加え、更に混練する。型枠に入れ、ケイ酸カルシウム水和物の生成によってボード状に固化する。
c.皮膜系
アクリル樹脂またはメタクリル樹脂塗料にゼオライト担持セルロースビーズを分散させ攪拌する。これを刷毛またはロールによって石膏ボード、プラスチックボードに塗工した後、水分が蒸発し皮膜ができることによって固化する。
d.ファイバーボード系
製材所等から得られる木粉とポリビニルアルコール系の糊を混ぜ、これにゼオライト担持パルプを混練する。型枠に入れ、圧力をかけ乾燥させることによって固化する。
【0014】
・塗料等の流動体を得る製法
a.増粘剤系
カルボキシメチルセルロースを水に分散させ混練し、適度な粘度(B型粘度計で測定した粘度が10万〜100万センチポイズ程度)がでたところでゼオライト担持セルロースビーズを加え、更に混練する。
b.ポリビニルアルコール糊系
ポリビニルアルコールを60℃程度の湯に分散させ、適度な粘度(B型粘度計で測定した粘度が1万〜10万センチポイズ程度)がでたところでゼオライト担持セルロースビーズを加え、更に混練する。
c.塗料系
亜鉛鉄板用塗料、亜鉛末錆止めペイント、アクリル樹脂塗料、亜酸化鉛錆止めペイント、アセチルセルロース透明ドープ、油ワニス、アミノアルキド樹脂塗料、アルキド樹脂塗料、アルミニウムペイント、一般錆止め様ペイント、ウッドシーラー、上塗り塗料、エッチングプライマー、エナメル銅線用ワニス、エナメルペイント、エマルションペイント、オイルプライマー、カシュー樹脂塗料、カビ防止塗料、揮発性ワニス、クリアラッカー蛍光塗料、合成樹脂エマルションペイント、合成樹脂塗料、シリコーン樹脂塗料、白ラックワニス、水性塗料、精製漆、セラックニス、スーパーワニス、セルロースラッカー、ニトロセルロースラッカー、フェノール樹脂塗料、フタル酸樹脂塗料、不飽和ポリエステル樹脂塗料、メラミン樹脂塗料等の塗料にゼオライト担持セルロースビーズを混練する。
【0015】
添加する無機多孔結晶−親水性高分子複合体の割合は、固化しうる担体100重量部に対し、1〜60重量部程度である。また、必要に応じて当該樹脂または無機系硬化剤には、界面活性剤、可塑剤、酸化防止剤、分散剤、沈殿防止剤、ウッドフィラー、オイルステイン等の塗料補助剤を添加することができる。
【0016】
本発明の組成物は、固化しうる担体中に親水性高分子がその実体内に無機多孔結晶を有する無機多孔結晶−親水性高分子複合体を添加することによって得られ、無機多孔結晶−親水性高分子複合体の有するガス吸着能、揮発性有機溶剤除去能、難燃性、保温性、重金属および放射性元素除去能に加えて、固化させることによりその成型物は一般的に高強度となる。更に使用する担体に応じて成型物は手触り等の触感、強度、親水性、撥水性、防錆性等を改善することができる。当該成型物は、例えば、肌着、足拭きマット、シーツ、手袋、枕カバー、枕・布団・ちゃんちゃんこ・クッション等の中綿、障子紙、壁紙、衣装カバー、クッションカバー、布団収納袋等に使用することができ、また防虫シート、掃除機用パック、エアコンフィルター、空気清浄機用フィルター、食器用束子、水切りゴミ袋、カーペット、ホットカーペットカバー、カーテン、冷蔵庫用脱臭シート、特殊濾紙、野菜・肉等の鮮度保存シート、鮮度保持輸送用包装材料、壁材、床材、天井材、結露吸水シート等の様々な用途に使用することができる。また、組成物自体は塗料等として使用される。
【0017】
特に、本発明の組成物に用いられる無機多孔結晶−親水性高分子複合体に銀、銅または亜鉛等の金属を担持させた金属担持無機多孔結晶−親水性高分子複合体を用いることによって、上記の性質に加えて更に抗菌性および悪臭除去能等の性質を付与することができる。従って、紙おむつ、おむつカバー、自動車用携帯トイレ、靴中敷き、人工皮革、自動車・列車・飛行機・船舶等の内装(座席シート、シートカバー)、タオル、トイレ便座カバー等の様々な用途にも使用することができる。
【0018】
【実施例】
以下、実施例をあげて、本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0019】
製造例1
再生セルロースの粒状成型物であるセルロースビーズ(平均粒径5mm)10.0gをメタケイ酸ナトリウム・9水和物の水溶液(5.68g/100ml)に含浸せしめた後、アルミン酸ナトリウム4.68gおよび水酸化ナトリウム10.00gの混合水溶液100mlを加え、25℃で10日間浸漬させることにより、ゼオライト担持セルロースビーズ11.2gを得た。このゼオライト担持セルロースビーズのゼオライト担持率は20.8wt%であった。
【0020】
実施例1
製造例1で得られたゼオライト担持セルロースビーズをコロイダルシリカ、二酸化チタンを分散させた一般建材用セメントに加え、均一に混練した。これを型枠に入れ、放置することにより成型物(厚さ3.0cm)を得た。
【0021】
製造例2
パルプ200gをメタケイ酸ナトリウム・9水和物の水溶液(190g/5000ml)に含浸せしめた後、アルミン酸ナトリウム150gおよび水酸化ナトリウム330gの混合水溶液5000mlを加え、90℃で2時間浸漬させることにより、ゼオライト担持パルプを得た。得られたゼオライト担持パルプのゼオライト担持率は38.0wt%であった。
【0022】
実施例2
製造例2で得られたゼオライト担持パルプ100gを木粉300g、ポリビニルアルコールおよび酢酸ビニル系接着剤50g、水200gと混ぜ、型枠に入れ圧力をかけることにより成型物(厚さ3.0cm)を得た。
【0023】
実施例3
製造例2で得られたゼオライト担持パルプを用いて坪量100g/m2 、紙幅50cmの紙を抄き、これに下塗り塗料として用いられているフェノール樹脂(ノボラック型)をヘキサメチレンテトラミンと共重合させたものに含浸させた。余分な樹脂は掻き取り、担持パルプと樹脂とが混合したものの厚さ(紙厚)を100μmとした。10分後フェノール樹脂の硬化が始まることにより成型物を得た。
【0024】
実施例4
製造例2で得られたゼオライト担持パルプ100gを0.30mmol/1000mlの塩化カルシウム水溶液に浸漬し、当該ゼオライトを更に口径の大きい5Aゼオライトに変えた。5Aゼオライト担持パルプ10.0gに、コラーゲン5.0gおよびリン酸カルシウム1.0gを加えることにより成型物(5cm×3cm×1cm)を得た。
【0025】
実験例1
実施例1で得られた成型物を一辺が10cm×10cmの正方形に切り出し、試験片とした。内容量3.0リットルのガスバリアー性の高いフィルムバッグに試験片を入れ、一旦内部の空気を除去した。ここに100ppmの二酸化窒素ガス3.0リットルを封入し、15Wの蛍光灯下30cmに置いた。また同様に準備したフィルムバッグに100ppmのアンモニアガス3.0リットルを封入し、15Wの蛍光灯下30cmに置いた。
比較試験片No.1としてゼオライト担持セルロースビーズ10gおよび比較試験片No.2としてコロイダルシリカと二酸化チタンのみを一般建材用セメントに分散させることによって得た同形状の試験片を用いた。
バッグ内部の二酸化窒素ガス濃度を経時的に測定した結果を図1に示す。また同様にアンモニアガス濃度を経時的に測定した結果を図2に示す。図1および2に示すように実施例1で得られた成型物は二酸化窒素およびアンモニアに対し最も優れたガス除去能を示した。
【0026】
実験例2
実施例2で得られた成型物を一辺が10cm×10cmの正方形に切り出し、試験片とした。内容量3.0リットルのガスバリアー性の高いフィルムバッグに試験片を入れ、一旦内部の空気を除去した。ここに100ppmのアンモニアガス3.0リットルを封入した。
比較実験片No.3としてゼオライト担持パルプを除いて同様に成型することによって得た同形状の木質ボードを用いた。
バッグ内部のアンモニアガス濃度を経時的に測定した結果を図3に示す。図3に示すように実施例2で得られた成型物はアンモニアに対し優れたガス除去能を示した。
【0027】
実験例3
実施例3で得られた成型物を一辺が10cm×10cmの正方形に切り出し、試験片とした。10ppmの濃度に調整した硝酸銀水溶液100cm3にこの試験片を浸漬し、30分後にこの水溶液中の銀濃度を調べたところ、50ppbとなり著しく銀濃度を減少させられることが判明した。
【0028】
実験例4
実施例4で得られた成型物(5cm×3cm×1cm)を人工体液100cm3に浸漬させ、38℃で保持した。30日後、成型物を取出し、乾燥後重量を測定したところ、測定開始時は15.8gであったのに対し、16.5gに増加していた。表面の形状も実験開始時は滑らかであったのに対し、ざらつきが認められ、人工骨が生成していた。人工体液のカルシウムおよびリン濃度を測定したところ、実験開始時の30モル%に減少していた。
【0029】
【発明の効果】
本発明の組成物は、樹脂または無機系硬化剤に親水性高分子がその実体内に無機多孔結晶を有する無機多孔結晶−親水性高分子複合体を添加することによって、無機多孔結晶−親水性高分子複合体の有するガス吸着能、揮発性有機溶剤除去能、難燃性、保温性、重金属および放射性元素除去能に加えて、固化させることによって成型物が高強度となり、更に手触り等の触感を改善することができ、更なる機能性を有する素材として有用である。さらに、無機多孔結晶に金属を担持させることにより、抗菌性および悪臭除去能等の性質が更に付与される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験例1での各試験片の二酸化窒素除去能を示すグラフである。
【図2】実験例1での各試験片のアンモニア除去能を示すグラフである。
【図3】実験例2での各試験片のアンモニア除去能を示すグラフである。

Claims (10)

  1. セルロースがその実体内に無機多孔結晶を有する無機多孔結晶−セルロース複合体と固化しうる樹脂または無機系硬化剤とを含有する組成物。
  2. 無機多孔結晶がゼオライトであることを特徴とする請求項1記載の組成物。
  3. 無機多孔結晶が銀、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、コバルト、パラジウムおよび白金からなる群より選択される少なくとも1種の金属を担持することを特徴とする請求項1または2記載の組成物。
  4. セルロースが天然セルロース、再生セルロース、バクテリアセルロースおよび化学修飾セルロースからなる群より選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の組成物。
  5. 天然セルロースがパルプ、木綿、麻およびケナフからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項4記載の組成物。
  6. 化学修飾セルロースがエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項4記載の組成物。
  7. 樹脂がコラーゲン、木粉、ポリビニルアルコール、フェノール樹脂またはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載の組成物。
  8. 無機系硬化剤がセメント、二酸化チタン、コロイダルシリカ、リン酸カルシウムまたはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載の組成物。
  9. 上記複合体が、膨潤しているセルロースの存在下で、水溶性化合物および塩基性物質が、セルロースの実体内で反応し無機多孔結晶を合成して得られることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の組成物。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物を固化してなる成型物。
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