JP2008180172A - 廃熱回収装置 - Google Patents

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日出夫 小林
Katsuhiko Arisawa
克彦 蟻沢
Kenichi Yamada
賢一 山田
Yoshio Yamashita
芳雄 山下
Kunihiko Hayashi
邦彦 林
Akira Michikawauchi
亮 道川内
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Abstract

【課題】本発明は、エンジンの高負荷運転時に、従来とは異なる方法で、系内の蒸気圧を低下させ、エンジンの温度を低下させることのできる廃熱回収装置を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の廃熱回収装置(1)は、エンジンにおける廃熱によって発生する蒸気によって作動するタービン(3)を介して廃熱を回収する動力回収機(13)と、蒸気をエンジン側から吸引してこのタービン(3)側へ吐出するコンプレッサ(4)とで構成されている。これにより、エンジン側の蒸気を吸引して、系内の蒸気圧を低下させることができるため、エンジンの過剰な温度上昇を抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンにおける廃熱を蒸気を介して回収する廃熱回収装置に関する。
従来、内燃機関(エンジン)の駆動に伴って発生する廃熱を、ランキンサイクルを利用して回収する廃熱回収装置が知られている。このような廃熱回収装置には、例えば、エンジンの水冷冷却系統を密閉構造とし、エンジンにおける廃熱によって気化した冷却水、すなわち蒸気によって膨張機を駆動して、その蒸気の持つ熱エネルギーを電気エネルギー等に変換して回収するものがある。
このような廃熱回収装置においてタービン(膨張器)を駆動する蒸気は、エンジンを冷却する冷媒の一部がエンジンの燃焼熱により気化して発生する。この蒸気は、エンジンの排気ガスの有する熱によって過熱されてタービンへ流入し、タービンを駆動する。このようなタービンの駆動力は発電などによって、電力や動力を得ることができる。タービンを通過した蒸気は、コンデンサにおいて冷却されて液体に戻り、再び、廃熱回収装置内を循環する。このような廃熱回収装置は、蒸気が高温かつ高圧であると高効率でエネルギーを回収できるため、蒸気の流通する経路内は高温、高圧であるほうが望ましい。ただし、このような廃熱回収装置では、経路内の蒸気圧が上昇するにつれて、冷媒の気化する温度が上昇する。このため、経路内の蒸気圧が高いほど、エンジン内の液相冷媒が高温となり、冷媒の冷却能力が低下するので、エンジンの燃焼室が高温になる。
特許文献1に開示されている発明は、このような蒸気圧とエンジンの燃焼室の温度との関係に基づいて、高負荷運転時に経路内の蒸気圧を低下させることにより燃焼室壁温度を低下させ、エンジンの過熱防止を図っている。経路内の蒸気圧は、可変容量のポンプがエンジンに吐出する冷媒の流量を加減することで調整されている。すなわち、経路内の蒸気圧を低下させるために、ポンプによる冷媒の吐出量を減少させている。さらに、ポンプによってエンジンに流入する冷媒の量に比べて、コンデンサにおいて凝縮する液相冷媒の量を増加させることで、経路内の蒸気を減少させ、蒸気圧を低下させている。
特開2000−345835号公報
しかしながら、高負荷運転時に、廃熱回収装置の経路内の蒸気圧を低下させるためにエンジンに供給する冷媒の吐出量を減らすことは、その一方で、エンジンを冷却する冷媒を減少させることになる。これは、エンジンの冷却能力を低下させることとなり、エンジンの過熱を助長することにもなりかねない。すなわち、廃熱回収装置では、冷媒の気化する温度の上昇を抑制するため、経路内の蒸気圧を低下させる一方で、熱交換によりエンジンを冷却するのに必要となる冷媒の量を維持しなければならない。また、コンデンサにおける蒸気の液化の促進は、コンデンサの性能向上を必要とするが、搭載スペースを考慮すると、大型化により容量をアップしたコンデンサの採用は望めない。このため、蒸気の液化の促進による系内の蒸気圧の低下は困難である。このように、従来の技術による系内の蒸気圧を減少する方法では、エンジンの燃焼室の温度を十分に低下させることができないおそれがある。
そこで、本発明は、エンジンの高負荷運転時に、従来とは異なる方法で、系内の蒸気圧を低下させ、エンジンの温度を低下させることのできる廃熱回収装置を提供することを課題とする。
かかる課題を解決する本発明の廃熱回収装置は、エンジンにおける廃熱によって発生する蒸気によって作動する膨張機を介して廃熱を回収する動力回収機と、前記蒸気をエンジン側から吸引して前記膨張機側へ吐出する圧縮機とを備えたことを特徴とする(請求項1)。このような構成とすることにより、エンジン側の蒸気を吸引して、系内の蒸気圧を低下させることができるため、エンジンの燃焼室付近における冷媒の気化する温度の過剰な上昇を抑制することができる。
このような廃熱回収装置は、前記膨張機から前記圧縮機へ駆動力を伝達して前記圧縮機を駆動する駆動力伝達器を備えた構成とすることができる(請求項2)。このような構成とすることにより、膨張機の駆動力によって圧縮機を駆動することができるため、圧縮機の駆動に必要な原動機が不要となる。
このような廃熱回収装置に備えられた圧縮機は、前記エンジンの燃焼室温度に基づいて、駆動制御される構成とすることができる(請求項3)。このような構成とすることにより、エンジンの高負荷時のように、必要な時のみ圧縮機を駆動することができ、エンジンの燃焼室温度の過剰な上昇が抑制される。さらに、このような廃熱回収装置は、エンジンの高負荷時以外、すなわち、エンジンの燃焼室温度が過剰に上昇していない場合に、圧縮機の駆動による圧縮機の稼動損失をなくし、膨張機によって回収される動力の全てを動力回収機におけるエネルギーの回収へ利用することができる。なお、圧縮機は、エンジンの燃焼室温度のみならずエンジンの負荷、エンジン回転数等、燃焼室温度と相関関係を有する情報に基づいて駆動制御することもできる。
本発明の廃熱回収装置は、前記膨張機及び前記圧縮機の上流側に三方弁を備え、当該三方弁は、燃焼室温度が低温側のときに、前記エンジン側から前記膨張機側へ蒸気を流通させ、燃焼室温度が高温のときに、前記エンジン側から前記圧縮機側へ蒸気を流通させる構成とすることもできる(請求項4)。このような構成とすることにより、蒸気は、エンジンの高負荷時のように、必要な時のみ圧縮機によって吸引され、エンジンの燃焼室温度の過剰な上昇が抑制される。
さらに、このような廃熱回収装置に備えられた動力回収機は、前記圧縮機を駆動して、前記蒸気をエンジン側から吸引する構成とすることができる(請求項5)。このような構成とすることにより、通常は膨張機によって駆動されて動力を回収する動力回収機を原動機として稼動させて、圧縮機を駆動させることができる。すなわち、膨張機と一体となることによって駆動される圧縮機において、圧縮機の駆動力が不足する場合には、動力回収機によって、圧縮機の駆動をアシストすることができる。これにより、蒸気の吸引量を増加させることができるので、エンジンの燃焼室温度の過剰な上昇を抑制することができる。
本発明の廃熱回収装置は、エンジンの高負荷運転時等、エンジンの燃焼室温度が過剰に上昇した場合に、膨張機の駆動力によって圧縮機が稼動し、エンジン内部から蒸気を吸引するので、廃熱回収装置内の蒸気圧が低下し、エンジンの過剰な温度上昇を抑制することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
本発明の実施例1について図面を参照しつつ説明する。図1は本実施例の廃熱回収装置1の概略構成を示した説明図である。廃熱回収装置1は、燃焼機関であるエンジン本体2に組み込まれており、タービン3、コンプレッサ4、クラッチ5を備えている。これらは、本発明の膨張機、圧縮機、駆動力伝達器に相当している。
エンジン本体2は、ピストン6、シリンダブロック7、シリンダヘッド8を備えており、シリンダブロック7とシリンダヘッド8との内部には冷却水が流通するウォータジャケット9が形成されている。エンジン本体2の燃焼室2aで燃焼が起こり、エンジン本体2の温度が上昇すると、ウォータジャケット9内の冷却水が気化し、蒸気に変化する。ウォータジャケット9の上部には開放口9aが備えられており、気化した蒸気は開放口9aから流れ出る。また、エンジン本体2の燃焼室2aにおいて燃焼を終えた排気ガスは、エキゾーストパイプ11を通じて排出される。
ウォータジャケット9から流れ出た蒸気は、エンジン本体2の下流に配置されている過熱器12に流入する。過熱器12は、エキゾーストパイプ11と接続されており、エキゾーストパイプ11を通じる排気ガスから熱を回収し、過熱器12に流入した蒸気へさらに熱を付与し、廃熱の回収効率を向上させるものである。
過熱器12の下流にはコンプレッサ4が配置されている。コンプレッサ4は遠心式の圧縮機であって、内部に羽根を有する回転部を備え、吸入した気体を圧縮して吐出する。コンプレッサ4の吸入側はエンジン側、すなわち、過熱器12へ接続し、吐出側はコンプレッサ4の下流に配置されているタービン3の吸入側と接続している。
タービン3は、内部に羽根を有する回転部を備え、この羽根に衝突する蒸気から回転力を生み出し、蒸気の持つエネルギーを動力に変換する。このタービン3と共通の駆動軸3aを備えた動力回収機13は、タービン3の駆動によって発電して廃熱のエネルギーを電力として回収する。
タービン3とコンプレッサ4の間にはクラッチ5が配置されている。クラッチ5は、タービン3のタービン駆動軸3aとコンプレッサ4のコンプレッサ駆動軸4aを結合、又は切断することができる。過熱器12で熱エネルギーを付与された蒸気は、クラッチ5が切断されている場合には、コンプレッサ4を通り抜けて、タービン3へ流入する。タービン3はこの蒸気によって駆動され、動力回収機13において電力が回収される。一方、クラッチ5が結合されると、タービン3の駆動力はコンプレッサ4へ伝達される。これにより、コンプレッサ4は上流側から蒸気を吸引するため、エンジン内部の蒸気圧が低下する。蒸気圧が低下することにより、冷却水の気化する温度が低下するので、冷却水の温度上昇が抑えられ、エンジン内部の温度上昇が抑制される。コンプレッサ4が吸引した蒸気は圧縮されて吐出され、タービン3へ流入し、タービン3を駆動する。このようなクラッチ5は、蒸気によって高速回転するタービン3と停止中のコンプレッサ4とを接続するため、滑らかに駆動力が伝わるように、徐々に結合する構造となっている。
タービン3を通過した蒸気はコンデンサ14で凝縮されて冷却水に戻される。コンデンサ14で凝縮された冷却水はウォータポンプ15によって、エンジン本体2のウォータジャケット9に圧送されて、再びエンジン本体2の冷却に利用される。なお、このウォータポンプ15による圧送によって、ウォータジャケット9内は冷却水の量が一定以上に保たれている。
次に、コンプレッサ4の駆動について説明する。コンプレッサ4は、エンジンの燃焼室温度に基づいて、駆動制御される。ここで、コンプレッサ4はクラッチ5の結合によって、タービン3から駆動力が伝達されることになるので、コンプレッサ4の駆動制御はクラッチ5の結合及び切断制御によって行われる。クラッチ5の結合及び切断の制御は、ECU(Electronic Control Unit)16によって行われる。ECU16は、シリンダヘッド8に備えられた温度センサ17によって計測される燃焼室2aの壁温に基づいて、クラッチ5の結合、切断の制御を行う。すなわち、ECU16は、エンジンの燃焼室温度に基づいて、コンプレッサ4を駆動制御している。ECU16は、燃焼室2aの壁温がエンジンの信頼性上の限界温度T1に到達するまでは、クラッチ5を切断状態とする。すなわち、コンプレッサ4は駆動されない。このとき、蒸気はコンプレッサ4内部の羽根の間をすり抜け、蒸気の持つエネルギーをほとんど損失することなく、タービン3へ流入する。このため、タービン3が回収する仕事量は、コンプレッサ4のような圧縮機を備えていない廃熱回収装置とほとんど変わらない。一方、エンジン本体2の燃焼により燃焼室2aの壁温が限界温度T1に到達すると、ECU16は、クラッチ5の結合を判断し、クラッチ5へ信号を送る。これにより、クラッチ5が結合し、タービン3の駆動力がコンプレッサ4へ伝達するので、コンプレッサ4が駆動を開始される。コンプレッサ4が駆動を開始されると、廃熱回収装置1のエンジン内部の蒸気がコンプレッサ4によって吸引される。
次に、このようなコンプレッサ4の駆動制御による廃熱回収装置1の系内の蒸気圧、蒸気温度の変化について図2を参照しつつ説明する。図2はエンジンの燃焼室壁温、エンジン内部の蒸気圧、エンジン内部の蒸気温度と経過時間との関係を示した説明図である。図2中参照符号Aで示すように、エンジンの燃焼室壁温がエンジンの信頼性上の限界温度T1に到達すると、クラッチ5が結合され、コンプレッサ4の駆動が開始される。コンプレッサ4が駆動されることにより、エンジン内部の蒸気がコンプレッサ4に吸引されるので、図2中参照符号Bで示すように、エンジン内部の蒸気圧が低下し始める。このように、エンジン内部の蒸気圧が低下することで、エンジン内部の冷却水の気化する温度が低下し始める。そのため、図2中参照符号Cで示すように、エンジン内部の蒸気温度が低下し始める。蒸気温度が低下することにより、燃焼室の温度も低下するので、図2中Dで示すように、エンジンの燃焼室壁温も低下することになる。このようにして、燃焼室壁温は低下し続ける。ECU16は、燃焼室壁温が、温度T2まで低下すると、クラッチ5を切断する判断を行い、クラッチ5へ信号を送る。これにより、コンプレッサ4の駆動が停止され、図2中参照符号Eで示すように、低下していた燃焼室壁温は上昇を始める。再び上昇を始めた燃焼室壁温が、限界温度T1に達すると、コンプレッサ4の駆動が再び開始され、燃焼室壁温が低下する。ここで温度T2は、エンジン内部の蒸気圧を低下する必要がなくなった時の燃焼室壁温として予め設定された値である。
このように、廃熱回収装置1は、温度センサ17によって計測される燃焼室壁温に基づいて、コンプレッサ4を駆動制御することで、エンジン本体2の燃焼室温度を適切な温度へ低下させることができる。
次に、コンプレッサ4の稼働前後の廃熱回収装置1における系内の各部の蒸気圧の変化について図3を参照しつつ説明する。図3はコンプレッサ4の停止時および稼動時のエンジン出口、コンプレッサ出口、タービン出口、コンデンサ出口の蒸気圧について示した説明図である。ここでのエンジン出口は図1で示したウォータジャケット9の上部の開放口9aであり、コンプレッサ出口、タービン出口、コンデンサ出口はそれぞれ図1で示した4b、3b、14aの箇所に相当する。図3の実線が示すようなコンプレッサ4が停止している場合には、コンプレッサ4は仕事をしないため、エンジン出口(開放口)9aとコンプレッサ出口4bとでは蒸気圧は等しい。蒸気はタービン3を駆動して蒸気圧が低下し、コンデンサ14において、凝縮されて冷却水に戻る。
次に、図3の点線が示すようなコンプレッサ4が稼動している場合には、エンジン出口(開放口)9aの蒸気圧は、コンプレッサ4が強制的にエンジン側から蒸気を吸引するため低下することとなる。一方で、コンプレッサ出口4bでは蒸気は加圧されているので蒸気圧が上昇する。コンプレッサが駆動している場合においても同様に、蒸気はタービン3を駆動して蒸気圧が低下し、コンデンサ14において、凝縮されて冷却水に戻る。コンデンサ出口では、エンジン本体2から得られる熱量はコンプレッサ4の駆動によらないため、コンプレッサ4が稼働しているか否かにかかわらずコンデンサ14での必要放熱量は変わらず、コンデンサ出口の圧力は変わらない。
以上のように廃熱回収装置1はクラッチ5を結合してコンプレッサを駆動することによりエンジン内の蒸気圧を低下させることができるが、エンジンの負荷が非常に高く、タービン3による駆動力だけで、コンプレッサ4がエンジン内部の蒸気圧を下げることができない場合には、動力回収に利用していた動力回収機13を動力放出に利用する。すなわち、動力回収機13を原動機として駆動させて、タービン駆動軸3aの回転を上昇させる。これによって、コンプレッサ4の駆動軸4aの回転を上昇させて、エンジン側の蒸気圧を低下させることで、燃焼室2aの温度を下げ、エンジンの信頼性を確保する。
以上のように、本実施例の廃熱回収装置1は、燃焼室2aの温度がエンジン性能、信頼性を確保できる場合には、クラッチ5を切断して、コンプレッサ4の駆動による回収動力の損失をなくし、動力回収の向上を図っている。一方、燃焼室2aの温度が信頼性やエンジン性能が確保できない温度に上昇した場合には、クラッチ5を結合し、コンプレッサ4を駆動してエンジン内部の蒸気圧を下げることにより、エンジン内部の蒸気温度を下げる。これにより、冷却水が一定以上に保たれているエンジンは適切に冷却され、エンジンの燃焼室温度の過剰な上昇が抑制される。さらに、エンジンの負荷が非常に高い場合には、動力回収機13を駆動元としてコンプレッサ4を駆動して、エンジン側の蒸気圧を減少させ、エンジンの信頼性を確保する。
なお、クラッチ5が結合する場合には、タービン3の駆動力の一部がコンプレッサ4の駆動に使用されこととなるが、蒸気はコンプレッサ4で昇圧されて、タービン3に流入し、タービン3で再回収されることとなる。
次に本発明の実施例2について説明する。実施例2の廃熱回収装置が実施例1の廃熱回収装置1と異なる点は、実施例1ではタービン4の駆動制御の際にシリンダヘッド8に温度センサ17の計測値を用いていたの対し、実施例2では、エンジン負荷及びエンジン回転数から算出する燃焼室温度に基づいて駆動制御されている点である。すなわち、実施例2では、ECU16は、予め作成されたマップを参照して、エンジン負荷及びエンジン回転数から燃焼室温度を算出し、算出された燃焼室温度に基づいて、クラッチ5の結合、切断を制御してコンプレッサ4の駆動制御を行う。
図4は、エンジン負荷とエンジン回転数とから算出される燃焼室温度のマップを示した説明図である。図4のマップは実際に計測されたエンジン負荷、エンジン回転数、燃焼室温度とから作成され、縦軸にエンジン負荷、横軸にエンジン回転数を示している。図4のマップに実線で示された放物線は、エンジン負荷とエンジン回転数とから計測された燃焼室温度の等しい点を結んだ等燃焼室温度ラインである。図4中、Yで示した領域は、燃焼室温度がエンジンの信頼性上の限界温度T1を超えた状態を示し、Zで示した領域は、エンジン負荷、エンジン回転数が共に非常に高い状態で、燃焼室温度が非常に高温となった状態を示している。
運転時に、ECU16はエンジン負荷及びエンジン回転数を取得し、図4に示すマップから、エンジンの燃焼室温度を算出する。ECU16は、算出された燃焼室温度が限界温度T1を超えない場合、すなわち、図4中Xで示された領域であれば、クラッチ5を切断した状態で保ち、コンプレッサ4を駆動させない。ECU16は、算出された燃焼室温度が限界温度T1を超える場合、すなわち、図4中、Y及びZで示された領域であれば、クラッチ5を結合して、コンプレッサ4を駆動する。これにより、エンジン内部の蒸気圧が低下されるため、蒸気温度が低下され、燃焼室2aの温度を低下させることができる。
さらに、算出された燃焼室温度が図4中、Zで示された領域である場合には、燃焼室の温度が非常に高いため、タービン3による駆動力だけで、コンプレッサ4はエンジン内部の蒸気圧を十分に下げることができない。そこで、ECU16は、算出された燃焼室温度が非常に高く、図4中、Zで示す領域となるときは、動力回収機を原動機として駆動させ、タービン駆動軸3aを回転させる。これにより、コンプレッサ4が吸引する蒸気の量が増加し、大幅にエンジン内の蒸気圧が低下されるので、燃焼室2aの温度を低下させることができる。
このようにして、本実施例の廃熱回収装置は、予め作成されたマップを参照して、エンジン負荷及びエンジン回転数から算出される燃焼室温度に基づいて、コンプレッサ4を駆動することができる。これによって、廃熱回収装置は、燃焼室2aの温度が信頼性やエンジン性能が確保できない温度に上昇した場合には、コンプレッサ4を駆動して、エンジン内部の蒸気圧を低下することにより、エンジン内部の蒸気温度を下げることができる。なお、ここで作成されたマップは、エンジン負荷、エンジン回転数に加えて、エンジン負荷の継続時間や外気温度などを考慮して作成したものを用いてもよい。
次に、本発明の実施例3について説明する。図5及び図6は、本実施例の廃熱回収装置20の概略構成を示した説明図である。廃熱回収装置20は実施例1の廃熱回収装置1と同様の構成をしているが、以下の点で相違している。すなわち、廃熱回収装置20は、廃熱回収装置1が備えていたクラッチ5を備えておらずコンプレッサ4の駆動軸がタービン3のタービン駆動軸3aと一体となっている点、過熱器12の下流で、コンプレッサ側とタービン側とに蒸気の流路が分岐し、この分岐点に三方弁21が備えられている点で相違している。
図5は過熱器12を通過した蒸気がコンプレッサ4をバイパスし、直接タービン3側へ流入する場合の廃熱回収装置20を示し、図6は過熱器12を通過した蒸気がコンプレッサ4を通過した後、タービン3側へ流入する場合の廃熱回収装置20を示している。なお、図5及び図6において、点線で示した流路は蒸気が流通しないことを表している。また、その他の構成は実施例1と同一であるため、実施例1と同一の構成要素については、図面中、同一の参照番号を付し、その詳細な説明は省略する。
廃熱回収装置20の三方弁21は燃焼室温度が低温側のときに、図5に示す蒸気の流通経路を形成し、燃焼室温度が高温側のときに、図6に示す蒸気の流通経路を形成する。この三方弁21の開閉は、シリンダヘッド8に備えられた温度センサ17によって計測される燃焼室2aの壁温に基づいて、ECU16によって制御されている。
ECU16は、燃焼室2aの壁温がエンジンの信頼性上の限界温度T1に到達するまでは、図5に示すように過熱器12を通過した後の蒸気がコンプレッサ4をバイパスし、直接、タービン3側へ流入するように三方弁21の開閉を制御する。このとき、コンプレッサ4側への蒸気の流入は遮断されるので、エンジン内の蒸気の吸引は行われない。タービン3は流入した蒸気によって駆動され、動力回収機13で発電して廃熱のエネルギーを電力として回収する。
エンジン本体2の燃焼により、燃焼室2aの壁温が限界温度T1に到達すると、ECU16は、三方弁21へ開閉状態を変更するための信号を送る。これにより、三方弁21は、図6に示すように、タービン3側への蒸気が直接流入する経路を遮断し、コンプレッサ4側へ蒸気を流入させる。コンプレッサ4を通過した後の蒸気はタービン3側へ流入する。なお、三方弁21の開閉状態が変更される以前からタービン3は駆動されており、このため、駆動軸が一体となっているコンプレッサ4も駆動された状態となっている。このため、三方弁21の開閉状態が変更され、蒸気の流路が変更されるとすぐにコンプレッサ4はエンジン内部の蒸気の吸引を開始する。これにより、エンジン内部の蒸気圧が低下されるので、エンジン内部の蒸気温度が低下され、燃焼室2aの温度を低下させることができる。また、タービン3には、過熱器12を通過した蒸気が直接流入することはないが、コンプレッサ4に吸引された蒸気は圧縮されて、タービン3に流入する。これにより、タービン3は駆動されるので、コンデンサ4の駆動や動力回収機13におけるエネルギーの回収を行うことができる。
さらに、エンジンの負荷が非常に高く、タービン3による駆動力だけで、コンプレッサ4がエンジン内部の蒸気圧を下げることができない場合には、動力回収機13を原動機として駆動させて、タービン駆動軸3aの回転を上昇させる。これによって、コンプレッサ4の吸引力を増加させて、エンジン側の蒸気圧を低下させることで、燃焼室2aの温度を下げ、エンジンの信頼性を確保することができる。
以上のように、本実施例の廃熱回収装置20は、燃焼室2aの温度が信頼性やエンジン性能が確保できる場合には、蒸気がタービン3側へ流通するように三方弁21を制御して、動力回収を図っている。一方、燃焼室2aの温度が信頼性やエンジン性能が確保できない温度に上昇した場合には、蒸気がコンプレッサ4側へ流入するように三方弁21を制御する。これにより、コンプレッサ4はエンジン内部の蒸気の吸引をするので、エンジン内部の蒸気圧を下げ、エンジン内部の蒸気温度を下げることができる。さらに、エンジンの負荷が非常に高い場合には、動力回収機13を駆動源としてコンプレッサ4を駆動して、エンジン側の蒸気圧を減少させ、エンジンの信頼性を確保する。
上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、さらに本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
例えば、本発明の廃熱回収装置は、実施例のようなタービン、コンプレッサに代えて、容積型の膨張機や圧縮機を備えてもよい。この場合、蒸気の通過抵抗や通過不能な場合を想定して蒸気のバイバス経路を備えてもよい。
実施例1の廃熱回収装置の概略構成を示した説明図である。 廃熱回収装置におけるエンジンの燃焼室壁温、エンジン内部の蒸気圧、エンジン内部の蒸気温度と経過時間との関係を示した説明図である。 廃熱回収装置におけるコンプレッサの停止時および稼動時のエンジン出口、コンプレッサ出口、タービン出口、コンデンサ出口の蒸気圧について示した説明図である。 実施例2の廃熱回収装置のエンジン負荷とエンジン回転数とから算出される燃焼室温度のマップを示した説明図である。 実施例3の廃熱回収装置の概略構成を示した説明図であって、タービン側へ蒸気が流入する場合を示した説明図である。 実施例3の廃熱回収装置の概略構成を示した説明図であって、コンプレッサ側へ蒸気が流入する場合を示した説明図である。
符号の説明
1、20 廃熱回収装置
2 エンジン本体
3 タービン
4 コンプレッサ
5 クラッチ
9 ウォータジャケット
11 エキゾーストパイプ
13 動力回収機
16 ECU
17 温度センサ
21 三方弁

Claims (5)

  1. エンジンにおける廃熱によって発生する蒸気によって作動する膨張機を介して廃熱を回収する動力回収機と、
    前記蒸気をエンジン側から吸引して前記膨張機側へ吐出する圧縮機と、
    を備えたことを特徴とする廃熱回収装置。
  2. 請求項1記載の廃熱回収装置において、
    前記膨張機から前記圧縮機へ駆動力を伝達して前記圧縮機を駆動する駆動力伝達器を備えたことを特徴とする廃熱回収装置。
  3. 請求項1記載の廃熱回収装置において、
    前記圧縮機は、前記エンジンの燃焼室温度に基づいて、駆動制御されることを特徴とする廃熱回収装置。
  4. 請求項1記載の廃熱回収装置において、
    前記膨張機及び前記圧縮機の上流側に三方弁を備え、
    当該三方弁は、燃焼室温度が低温側のときに、前記エンジン側から前記膨張機側へ蒸気を流通させ、燃焼室温度が高温のときに、前記エンジン側から前記圧縮機側へ蒸気を流通させることを特徴とした廃熱回収装置。
  5. 請求項1記載の廃熱回収装置において、
    前記動力回収機は、前記圧縮機を駆動して、前記蒸気をエンジン側から吸引することを特徴とした廃熱回収装置。
JP2007014876A 2007-01-25 2007-01-25 廃熱回収装置 Pending JP2008180172A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010242680A (ja) * 2009-04-08 2010-10-28 Toyota Motor Corp エンジンの冷却装置
JPWO2015198656A1 (ja) * 2014-06-25 2017-07-20 株式会社大島造船所 熱供給システム

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