JP2008178197A - モーター用絶縁紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用環境をより高温化させ得るモーター用絶縁紙の提供を課題としている。
【解決手段】複数のシート材が熱硬化型接着剤により接着されて積層されている積層シートが用いられて形成されており、モーター内の絶縁材として用いられるモーター用絶縁紙であって、前記熱硬化型接着剤には、エポキシ樹脂成分、フェノール樹脂成分、アクリル樹脂成分およびイミダゾール系硬化剤成分を含有する熱硬化性樹脂組成物が用いられていることを特徴とするモーター用絶縁紙を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、相の異なる巻線コイル間、あるいは、巻線コイルとコアとの間に挿入されて用いられるモーター用絶縁紙に関する。
ハイブリッドカーや電気自動車には、電気モーターおよび発電機として選択的に機能するモータージェネレーターが搭載される。斯かるモータージェネレーターは、例えば、軸心まわりに回転可能に支持された出力軸に固定された円柱状のロータと、該ロータの外周面に対して所定の隙間を隔てた内周面を有するモーターステーターと、該モーターステーターを収容するモーターハウジングとを備えてなるものである。
そして、該モータージェネレーターは、自動車の加速や減速といった操作によって発熱し、100℃以上の高温にもなることから、モータージェネレーターを効果的に冷却すべくハウジング内に冷却油を供給してモーターステーターやロータを該冷却油中に浸漬させ、該冷却油を循環させる冷却方法が採用されたりもしている。
ところで、該モータージェネレーターを構成するモーターステーターは、一般にコア材と巻線とを用いて構成されてなり、このコア材と巻線あるいは相の異なる巻線と巻線とを絶縁するために絶縁紙が用いられている。なかでも、発熱によって高温となるモーターステーターにおいては、該絶縁紙についても耐熱性が必要となる。
従来、このようなモーター用絶縁紙としては、所定の強度、絶縁破壊電圧など求められる諸特性を担保するために、異なる特性を有する複数のシート材が接着剤などにより接着されて積層された積層シートが用いられたりしている。
例えば、ポリエステル系フィルムの両面に、ウレタン系やアクリル系の常温硬化型あるいは熱硬化型接着剤を介して耐熱紙を積層したものが検討されたりもしている。(下記特許文献1参照)
近年のモータージェネレーターにおいては、高出力、コンパクト化の要望からその内部温度が200℃を超えるような温度で用いることが検討されたりしている。
このモータージェネレーターを内部が200℃を超えるような温度となる状態で運転させることについては、近年になって広く検討されはじめたことから、このような高温で用いることができるモーター用絶縁紙については、これまでほとんど検討されていない。
例えば、従来のモーター用絶縁紙では、200℃を超えるような温度になった場合にウレタン系接着剤などが急激に粘度を低下させてしまい、モーター用絶縁紙の端部から接着剤が滲み出してしまうおそれを有している。
特にロータ側に用いられるモーター用絶縁紙では、遠心力が作用することからこのような滲み出しがより促進されるおそれを有し、より問題が深刻である。
モーター用絶縁紙からこのようなウレタン系接着剤の滲み出しを生じると、例えば、ロータの軸受などに付着して冷え固まってしまったり、接点部などの接触不良を発生させたりするおそれがある。
また、例えば、エポキシ樹脂を硬化剤で硬化させた硬化物においては、200℃を超えるような温度でも粘度の低下を発生させ難く、しかも、エポキシ樹脂は、熱硬化型接着剤に広く用いられているものであるが、一般的にエポキシ樹脂は、硬度が高くそのままでは、折り曲げられた状態でスロットに装着されるなど柔軟性が求められているモーター用絶縁紙の接着剤として用いることは実質困難である。
すなわち、高温環境で用いることのできるモーター用絶縁紙に適した接着剤がこれまで見出されておらず、複数のシート材が接着剤により接着されて積層された積層シートが用いられているモーター用絶縁紙においては、使用環境をより高温化させることが困難であるという問題を有している。
特開2006−262687号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、使用環境をより高温化させ得るモーター用絶縁紙の提供を課題としている。
前記課題を解決すべく本発明者らが鋭意研究したところ、所定の樹脂成分と所定の硬化剤成分とを含む接着剤は、従来のモーター用絶縁紙に用いられている接着剤に比べて高温時の粘度低下が抑制されることを見出し本発明の完成に至ったのである。
即ち、本発明は、複数のシート材が熱硬化型接着剤により接着されて積層されている積層シートが用いられて形成されており、モーター内の絶縁材として用いられるモーター用絶縁紙であって、前記熱硬化型接着剤には、エポキシ樹脂成分、フェノール樹脂成分、アクリル樹脂成分およびイミダゾール系硬化剤成分を含有する熱硬化性樹脂組成物が用いられていることを特徴とするモーター用絶縁紙を提供する。
本発明においては、複数のシート材を熱硬化型接着剤により接着して積層させた積層シートをモーター用絶縁紙に用いており、しかも、この熱硬化型接着剤には、エポキシ樹脂成分、フェノール樹脂成分、アクリル樹脂成分およびイミダゾール系硬化剤成分を含有する熱硬化性樹脂組成物が用いられている。
この熱硬化性樹脂組成物の硬化後の硬化物は、エポキシ樹脂単体の熱硬化物などに比べて十分柔軟であり、しかも、従来のモーター用絶縁紙に用いられているウレタン系接着剤やアクリル系接着剤に比べて高温での粘度低下を生じさせ難い。
したがって、本発明によれば、従来よりも高温環境下で使用させ得るモーター用絶縁紙を提供し得る。
以下、本発明の実施の形態について空冷式モーターに用いる場合を例にモーター用絶縁紙を説明する。
図1は、本発明に係るモーター用絶縁紙の一実施形態を示した断面図である。図1に示したように、本実施形態のモーター用絶縁紙1は、ポリエステル系フィルム2と、該ポリエステル系フィルム2の表裏両面に配された耐熱シート4、4との3枚のシート材が、熱硬化型接着剤3を介して接着されて積層された積層シートにより形成されている。
ポリエステル系フィルム2を構成する樹脂としては、絶縁紙として求められる強度と絶縁破壊電圧とを備えた樹脂フィルムを広く使用できる。具体的には、強度として150MPa以上のもの、絶縁破壊電圧としては3kV以上のものを好適に使用し得る。
斯かるポリエステル系フィルム2としては、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)やポリエチレンテレフタレート(PET)などを挙げることができる。
中でも、低オリゴマータイプのPET又はPENを用いるのが好ましく、斯かる低オリゴマータイプのものを使用することにより、加水分解を受けて劣化してしまうことを抑制させることができるという効果がある。
斯かるポリエステル系フィルム2の厚みについては特に限定するものではないが、16〜350μmのものを好適に使用することができる。
耐熱シート4を構成する樹脂としては、前記ポリエステル系フィルムよりも耐熱性に優れた樹脂からなるフィルムを好適に使用することができる。
斯かる耐熱シートとしては、例えば、ポリイミド(PI)、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、又は四フッ化エチレンコポリマー(ETFE)等からなる紙状或いはフィルム状のものを挙げることができる。
また、前記耐熱シートがポリアミドからなるシートであれは、すべり性が良好となるため、例えば、モーターにおいてモーターステーターのコア材と巻線との間、即ちコア材に設けたスロットの間に挿入しやすくなるという効果がある。
該ポリアミドとしては、芳香族ポリアミド、なかでも、メタ系アラミド(例えば、デュポン社製、商品名「ノーメックス(Nomex)」)を好適に使用することができる。
さらに、メタ系アラミド繊維が用いられてなる紙状の耐熱シート(例えば、デュポン社製、商品名「ノーメックスペーパー(NomexPaper)」)が特に好適である。
斯かる耐熱シート4の厚みについては特に限定するものではないが、16〜125μmのものを好適に使用することができる。
また、ポリエステル系フィルム2と、該ポリエステル系フィルム2の表裏両面に配された耐熱シート4、4との接着に用いられる熱硬化型接着剤には、エポキシ樹脂成分、フェノール樹脂成分、アクリル樹脂成分およびイミダゾール系硬化剤成分を含有する熱硬化性樹脂組成物が用いられている。
また、この熱硬化型接着剤には、熱硬化性樹脂組成物をポリエステル系フィルム2あるいは耐熱シート4、4に対する塗工、または、含浸するなどの方法を用いてポリエステル系フィルム2と耐熱シート4、4との接着を実施させるべく熱硬化性樹脂組成物を溶解可能な溶媒がさらに含まれており、接着に供される前の熱硬化型接着剤は、前記熱硬化性樹脂組成物が前記溶媒に溶解された液体状態とされている。
前記エポキシ樹脂成分としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂などを使用することができる。これらは1種または2種以上を組合せて用いることができる。
この内ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型及びビスフェノールF型のものなどいずれでもよいが、好ましくはビスフェノールA型である。
なお、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とは、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を意図しており、このビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、例えば、ジャパンエポキシレジン社から商品名「エピコート828」、「エピコート1001」、「エピコート1004」、「エピコート1009」、「エピコート1010」などとして市販のものや、大日本インキ社より商品名「エピクロン4050」、「エピクロン9055」、ダウケミカル社より商品名「DER668」、「DER669」などとして市販されているものを用いることができる。
一方、ノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、オルソクレゾールノボラック型、フェノールノボラック型あるいはクレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂などを用いることができ、例えば、ジャパンエポキシレジン社から商品名「エピコート152」、「エピコート154」、ダウケミカル社より商品名「DER485」、大日本インキ社より商品名「N740」、「N673」、住友化学社より商品名「ESCN220」として市販されているものを用いることができる。
なかでも、エポキシ当量が450〜2200g/eqのビスフェノールAタイプのエポキシが好ましく、エポキシ当量が875〜975g/eqのビスフェノールAタイプのエポキシが特に好ましい。
なお、このエポキシ当量は、JIS K 7236により求めることができる。
また、熱硬化性樹脂組成物中に含まれる樹脂成分に占めるこのエポキシ樹脂成分の割合は、重量で20〜60%とされることが好ましく、25〜45%であることがより好ましい。
前記フェノール樹脂成分としては、アルキルフェノール樹脂 、パラフェニルフェノール樹脂 、ビスフェノールA型フェノール樹脂などのノボラックフェノール樹脂、および、レゾールフェノール樹脂 、ポリフェニルパラフェノール樹脂など一般的なフェノール樹脂を1種または2種以上組合せて用いることができる。
なかでも、フェノール・p−キシリレングリコールジメチルエーテル重縮合物などのフェノールアラルキル樹脂が好ましい。
また、熱硬化性樹脂組成物中に含まれる樹脂成分に占めるこのフェノール樹脂成分の割合は、重量で10〜50%とされることが好ましく、20〜40%であることがより好ましい。
また、前記アクリル成分としては、例えば下記一般式(1)
CH2=C(R1)−COOR2 (1)
〔式中、R1は水素原子または低級アルキル基、R2は炭素原子数1〜12のアルキル基である〕
で表される単量体の単独重合体、あるいは該単量体に基づく構成単位を有する共重合体を使用することができる。
具体的には、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル等のポリメタクリル酸エステル、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニル共重合体、アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル−ブタジエン共重合体、メタクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体などの共重合体を、1種または2種以上組合せて用いることができる。
なかでも、ポリアクリル酸ブチルが好ましい。
また、熱硬化性樹脂組成物中に含まれる樹脂成分に占めるこのアクリル樹脂成分の割合は、重量で20〜60%とされることが好ましく、30〜50%であることがより好ましい。
イミダゾール系硬化剤成分としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−(2−メチルイミダゾリルエチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2−ウンデシルイミダゾリルエチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2−エチル−4−メチルイミダゾリルエチル)−1,3,5−トリアジン、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールなどを1種または2種以上組合せて用いることができる。
なかでも、2−ウンデシルイミダゾールが好ましい。
この熱硬化性樹脂組成物には、本発明の効果を損ねない範囲において、ロジン成分など、エポキシ樹脂成分、フェノール樹脂成分、アクリル樹脂成分以外の他の樹脂成分を含有させることができるが、熱硬化性樹脂組成物中の樹脂成分における、エポキシ樹脂成分とフェノール樹脂成分とアクリル樹脂成分との合計量は、重量で95%以上とされていることが好ましく、熱硬化性樹脂組成物中の樹脂成分がエポキシ樹脂成分とフェノール樹脂成分とアクリル樹脂成分のみであることが最も好ましい。
また、熱硬化性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、老化防止剤、酸化防止剤、安定剤、難燃剤、増粘剤、顔料などといった各種配合剤を適宜加えることができる。
この熱硬化性樹脂組成物を溶解させて、液状の熱硬化型接着剤とするには、例えば、溶媒を用いる方法などを採用することができる。
各シート材を組み合わせて積層シートとする際の組み合わせ方については、必要とされる耐熱性によって適宜選択することができる。
例えば、比較的耐熱性が低くても良い場合には、低オリゴマータイプのポリエステルフィルム(例えば東レ株式会社製、商品名「ルミラーX10S」)を用い、その表裏両面に上記に説明したような熱硬化型接着剤を介してPENフィルムを耐熱シートとして積層したものを挙げることができる。
また、例えば、200℃以上の耐熱性が求められる場合には、ポリエステル系フィルムとしてPENフィルムを用い、その表裏両面に上記に説明したような熱硬化型接着剤を介してメタ系アラミド繊維が用いられてなる紙状の耐熱シート(例えば、デュポン社製、商品名「ノーメックスペーパー(NomexPaper)」)を積層したものや、同じくポリエステル系フィルムとしてPENフィルムを用い、その表裏両面にアクリル系接着剤を介してポリイミド(PI)フィルムを積層したものを挙げることができる。
また積層シートの製造方法や、積層シートを油浸モーター用絶縁紙に加工する方法については、従来用いられている方法を採用することができる。
例えば、ノーメックスペーパーの片面に熱硬化型接着剤を塗布した後に溶剤を乾燥させたものを2枚用いて、この熱硬化型接着剤塗布面を対向させた状態で間にPENフィルムを挟んだ状態で熱ロールを通過させて加熱、加圧し、ノーメックスペーパーとPENフィルムとの接着を実施させると共に熱硬化型接着剤の硬化を実施することで、これらを積層一体化させ“ノーメックスペーパー/熱硬化型接着剤/PEN/熱硬化型接着剤/ノーメックスペーパー”の5層となる積層構造を有する積層シートを形成させることができる。
その後、必要であれば、積層シートにアフターキュアを施した後、所定の形状に切り出してモーター用絶縁紙を製造することができる。
尚、本実施形態では、接着剤を含めて5層構造とした場合のモーター用絶縁紙について説明したが、本発明はこれに限定されず、外側に必要に応じて他のフィルム又は接着剤を積層して6層以上とすることも可能である。
また、本実施形態においては、モーター用絶縁紙が、より高温環境下に曝されやすいことから空冷式モーターを例に説明したが、この空冷式モーター以外の油浸モーターなどに用いる場合も本発明の意図する範囲である。
また、モーター用絶縁紙は、表裏において樹脂の種類や厚みが異なるような非対象の構成とすることも可能である。
本実施形態に例示のモーター用絶縁紙は、モーターにおいて絶縁材として用いられる。
斯かる絶縁材としては、例えば、モーターを構成するモーターステーターにおいては、コア材と巻線とを絶縁すべくその間に挿入される絶縁材、又は相の異なる巻線同士を絶縁すべくその間に挿入される絶縁材が挙げられる。また、モーターを構成するロータにおいては、モーターステーターと同様にコア材と巻線間の絶縁材が挙げられる。さらに、これ以外にも、異なる相の結束部分である中性点の絶縁材として用いることができる。
上記のような構成のモーター用絶縁紙を用いれば、モーター内部が、例えば、200℃以上の高温環境とされた場合においても滲出した接着剤によるトラブルが発生することを抑制させ得る。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに詳細に説明する。
(実施例1〜7)
ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、商品名「ルミラーX10S」、厚さ16μm)の表裏両面に、表1に示す配合の熱硬化型接着剤を介してアラミドペーパー(デュポン帝人社製、商品名「ノーメックス464」、厚さ50μm」)を積層することにより、実施例1乃至7のモーター用絶縁紙を作製した。
Figure 2008178197
(比較例1〜4)
熱硬化型接着剤として、下記1〜4に示すものを用いたこと以外は実施例1乃至7と同様にモーター用絶縁紙を作製した。
比較例1:アクリル樹脂+イソシアネート系硬化剤
比較例2:ポリエステル樹脂+エポキシ樹脂+イソシアネート系硬化剤
比較例3:ポリエステル樹脂+イソシアネート系硬化剤
比較例4:ウレタン樹脂+イソシアネート系硬化剤
(評価)
(耐熱性評価)
各実施例、比較例のモーター用絶縁紙を、熱風循環高温乾燥機を用いて、200℃×1000時間の耐熱試験を実施した。
評価は、初期状態のモーター用絶縁紙と耐熱試験後のモーター用絶縁紙とのそれぞれについて、引張試験と絶縁破壊試験を実施し、初期状態のモーター用絶縁紙の引張り強さ(Ts0:MPa)ならびに絶縁破壊電圧(V0:kV)と耐熱試験後のモーター用絶縁紙の引張り強さ(Ts1:MPa)と絶縁破壊電圧(V1:kV)との測定値を下記式により残率として求めた。
・引張り強さ残率(%)=Ts1÷Ts0×100(%)
・絶縁破壊電圧残率(%)=V1÷V0×100(%)
この引張り強さ残率が50%以上で且つ絶縁破壊電圧残率が80%以上のものを「◎」、引張り強さ残率が30%以上50%未満で且つ絶縁破壊電圧残率が50%以上80%未満のものを「○」、引張り強さ残率が30%未満で且つ絶縁破壊電圧残率が50%未満のものを「×」として判定した。
結果を、表2に示す。
(モーター稼動評価)
各実施例、比較例のモーター用絶縁紙をロータのスロットに装着して、該ロータが約150℃から約230℃の間で変動し、平均して約180℃となる運転環境において1万時間のモーター運転を行い、接着剤の付着などモーター用絶縁紙が原因となるモーターの故障が生じないかどうかを観察した。モーター故障のない場合を「○」、モーター故障が生じた場合を「×」として判定した。
結果を、表2に示す。
(加工性評価)
各実施例、比較例のモーター用絶縁紙をモーターのスロットに装着させるべく、断面「コ」の字状に折り曲げを行いポリエチレンテレフタレートフィルムとアラミドペーパーとの間で“ハガレ”、“浮き”が生じたり、アラミドペーパーに“裂け”が生じたりしないかどうかを評価した。
その結果において、「コ」の字状の折り曲げ部に“ハガレ”、“浮き”、“裂け”が生じていないものを「○」、折り曲げ部に“ハガレ”、“裂け”が生じていないものの“浮き”が観察されたものを「△」、「コ」の字状の折り曲げ自体が困難であるもの、折り曲げることができても“ハガレ”、“裂け”が生じてしまうものを「×」として判定した。
結果を、表2に示す。
(絶縁性評価)
各実施例、比較例のモーター用絶縁紙の絶縁破壊電圧をJIS C 2111に準じて測定した。その結果において、3kV以上の絶縁破壊電圧を有するものを「◎」、絶縁破壊電圧が3kV未満のものを「×」として判定した。
結果を、表2に示す。
(接着性評価)
各実施例、比較例のモーター用絶縁紙の片面側のアラミド紙をモーター用絶縁紙に対して90度の方向に50mm/minの速度で引っ張って剥離強度の測定を行った。
アラミド紙自体が凝集破壊する場合を「◎」、界面剥離を生じ剥離強度が1N/cm以上の場合を「○」、界面剥離を生じ剥離強度が1N/cm未満の場合を「×」として判定した。
結果を、表2に示す。
Figure 2008178197
この表2からもわかるように、実施例1乃至7のモーター用絶縁紙は、耐熱性評価、モーター稼動評価の何れにおいても優れた結果が得られており、本発明によれば、従来よりも高温環境下で使用させ得るモーター用絶縁紙が得られることがわかる。
また、アクリル樹脂成分が、エポキシ樹脂成分よりも重量で多く配合されている樹脂組成物を用いた実施例1、5、7のモーター用絶縁紙においては、加工性、絶縁性、接着性の点において他の実施例のモーター用絶縁紙に比べて優れていることもわかる。
本実施形態のモーター用絶縁紙を示した断面図。
符号の説明
1 モーター用絶縁紙
2 ポリエステル系フィルム
3 アクリル系接着剤
4 耐熱シート

Claims (2)

  1. 複数のシート材が熱硬化型接着剤により接着されて積層されている積層シートが用いられて形成されており、モーター内の絶縁材として用いられるモーター用絶縁紙であって、
    前記熱硬化型接着剤には、エポキシ樹脂成分、フェノール樹脂成分、アクリル樹脂成分およびイミダゾール系硬化剤成分を含有する熱硬化性樹脂組成物が用いられていることを特徴とするモーター用絶縁紙。
  2. 前記積層シートの最表面側に備えられているシート材が、芳香族ポリアミドが用いられた紙状の耐熱シート材である請求項1に記載のモーター用絶縁紙。
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