JP2008177043A - マイクロスイッチング素子およびマイクロスイッチング素子製造方法 - Google Patents

マイクロスイッチング素子およびマイクロスイッチング素子製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】固定コンタクト電極に対する可動コンタクト電極の配向ばらつきを抑制するのに適したマイクロスイッチング素子及び当該マイクロスイッチング素子の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の素子X1は、固定部11と、可動部12と、接触部13a’,13b’を有する電極13と、接触部13a’に当接する接触部14a’を有する電極14Aと、接触部13b’に対向する接触部14b’を有する電極14Bとを備える。本発明の方法は、基板上に電極13を形成する工程、電極13を覆うように基板上に犠牲層を形成する工程、犠牲層において電極13に対応する位置に、第1凹部とこれより浅い第2凹部とを形成する工程、犠牲層を介して電極13に対向する部位を有して第1凹部を充たす電極14Aを形成する工程、犠牲層を介して電極13に対向する部位を有して第2凹部を充たす電極14Bを形成する工程、及び犠牲層を除去する工程を含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、MEMS技術を利用して製造される微小なスイッチング素子に関する。
携帯電話など無線通信機器の技術分野では、高機能を実現するために搭載される部品の増加などに伴い、RF回路の小型化に対する要求が高まっている。このような要求に応えるべく、回路を構成する様々な部品について、MEMS(micro-electromechanical systems)技術の利用による微小化が進められている。
そのような部品の一つとして、MEMSスイッチが知られている。MEMSスイッチは、MEMS技術により各部位が微小に形成されたスイッチング素子であり、機械的に開閉してスイッチングを実行するための少なくとも一対のコンタクトや、当該コンタクト対の機械的開閉動作を達成するための駆動機構などを有する。MEMSスイッチは、特にGHzオーダーの高周波信号のスイッチングにおいて、PINダイオードやMESFETなどよりなるスイッチング素子よりも、開状態にて高いアイソレーションを示し且つ閉状態にて低い挿入損失を示す傾向にある。これは、コンタクト対間の機械的開離により開状態が達成されることや、機械的スイッチであるために寄生容量が少ないことに、起因する。MEMSスイッチについては、例えば下記の特許文献1〜4に記載されている。
特開2004‐1186号公報 特開2004‐311394号公報 特開2005‐293918号公報 特表2005‐528751号公報
図25から図29は、従来のマイクロスイッチング素子の一例であるマイクロスイッチング素子X4を表す。図25は、マイクロスイッチング素子X4の平面図であり、図26は、マイクロスイッチング素子X4の一部省略平面図である。図27から図29は、各々、図25の線XXVII−XXVII、線XXVIII−XXVIII、および線XXIX−XXIXに沿った断面図である。
マイクロスイッチング素子X4は、ベース基板S4と、固定部41と、可動部42と、コンタクト電極43と、一対のコンタクト電極44A,44B(図26では仮想線で表す)と、駆動電極45と、駆動電極46(図26では仮想線で表す)とを備える。
固定部41は、図27から図29に示すように、境界層47を介してベース基板S4に接合している。固定部41およびベース基板S4は単結晶シリコンよりなり、境界層47は二酸化シリコンよりなる。
可動部42は、例えば図26および図29に表れているように、固定部41に固定された固定端42aと自由端42bとを有してベース基板S4に沿って延び、スリット48を介して固定部41に囲まれている。また、可動部42は単結晶シリコンよりなる。
コンタクト電極43は、図26によく表れているように可動部42の自由端42b近くに設けられている。コンタクト電極44A,44Bの各々は、図27または図29に示すように、固定部41上に立設されており、且つ、コンタクト電極43に対向する部位を有する。また、コンタクト電極44A,44Bは、所定の配線(図示略)を介してスイッチング対象の所定の回路に接続されている。コンタクト電極43,44A,44Bは所定の導電材料よりなる。
駆動電極45は、図26によく表れているように、可動部42上および固定部41上にわたって設けられている。駆動電極46は、図28によく表れているように、その両端が固定部41に接合して駆動電極45の上方を跨ぐように立設されている。また、駆動電極46は、所定の配線(図示略)を介してグランド接続されている。駆動電極45,46は所定の導電材料よりなる。
このような構成のマイクロスイッチング素子X4において、駆動電極45に電位を付与すると、駆動電極45,46間には静電引力が発生する。付与電位が充分に高い場合、ベース基板S4に沿って延びる可動部42は、コンタクト電極43が両コンタクト電極44A,44Bに当接するまで弾性変形する。このようにして、マイクロスイッチング素子X4の閉状態が達成される。閉状態においては、コンタクト電極43により一対のコンタクト電極44A,44Bが電気的に橋渡しされ、電流が当該コンタクト電極44A,44B間を通過することが許容される。このようにして、例えば高周波信号のオン状態を達成することができる。
一方、閉状態にあるマイクロスイッチング素子X4において、駆動電極45に対する電位付与を停止することによって駆動電極45,46間に作用する静電引力を消滅させると、可動部42はその自然状態に復帰し、コンタクト電極43は、両コンタクト電極44A,44Bから離隔する。このようにして、図27および図29に示すような、マイクロスイッチング素子X4の開状態が達成される。開状態では、一対のコンタクト電極44A,44Bが電気的に分離され、電流が当該コンタクト電極44A,44B間を通過することは阻まれる。このようにして、例えば高周波信号のオフ状態を達成することができる。
このようなマイクロスイッチング素子X4においては、コンタクト電極44A,44Bに対するコンタクト電極43の配向のばらつきが比較的大きいという問題が存する。
マイクロスイッチング素子X4の製造過程において、コンタクト電極43は、可動部42上、ないし、材料基板における可動部形成予定箇所上にて、薄膜形成技術を利用して形成される。具体的には、スパッタリングや蒸着法などによって所定面上に所定の導電材料が成膜された後、当該膜がパターニングされることによって、コンタクト電極43は形成される。薄膜形成技術を利用して形成されるコンタクト電極43には、所定の内部応力が発生しやすい。この内部応力が発生すると、可動部42においてコンタクト電極43が接合する箇所およびその近傍は、コンタクト電極43とともに、例えば図30(a)や図30(b)に誇張して示すように、変形しやすい。このような変形に起因して、コンタクト電極44A,44Bに対するコンタクト電極43の配向は、素子ごとに比較的大きく異なる(即ち、ばらつく)こととなる。
コンタクト電極44A,44Bに対するコンタクト電極43の配向ばらつきが大きいと、マイクロスイッチング素子X4において閉状態を達成するために駆動電極45に付与すべき駆動電圧は大きくなる傾向にある。コンタクト電極43について想定されるいずれの配向が生じる場合であっても素子が動作できるように、駆動電圧を充分に大きく設定する必要があるからである。そのため、コンタクト電極44A,44B(固定コンタクト電極)に対するコンタクト電極43(可動コンタクト電極)の配向ばらつきが大きいことは、素子の低駆動電圧化の観点から好ましくない。
本発明は、以上のような事情の下で考え出されたものであり、固定コンタクト電極に対する可動コンタクト電極の配向ばらつきを抑制するのに適したマイクロスイッチング素子、および、そのようなマイクロスイッチング素子を製造するのに適した方法を提供することを、目的とする。
本発明の第1の側面によるとマイクロスイッチング素子が提供される。このマイクロスイッチング素子は、固定部と、可動部と、可動コンタクト電極と、第1固定コンタクト電極と、第2固定コンタクト電極と、駆動機構とを備える。可動部は、第1面および当該第1面とは反対の第2面を有し、且つ、固定部に固定された固定端を有して延びる。可動コンタクト電極は、可動部の第1面上に設けられ、且つ、第1接触部および第2接触部を有する。第1固定コンタクト電極は、素子の開状態(オフ状態)においても可動コンタクト電極の第1接触部に当接する第3接触部を有し、且つ、固定部に接合している。第2固定コンタクト電極は、可動コンタクト電極の第2接触部に対向する第4接触部を有し、且つ、固定部に接合している。駆動機構は、第2接触部および第4接触部が当接するように可動部を動作ないし弾性変形させることが可能に構成されている。
本マイクロスイッチング素子では、開状態(オフ状態)において、可動コンタクト電極の第1接触部と第1固定コンタクト電極の第3接触部とが当接している。このような開状態にある本素子の可動コンタクト電極ないしこれが接合形成されている可動部の、可動コンタクト電極の内部応力の作用に基づく変形の自由度は、第1および第3接触部が仮に当接せずに離隔している場合における可動部の変形の自由度よりも、低減されている。したがって、本マイクロスイッチング素子は、第1および第2固定コンタクト電極に対する可動コンタクト電極の配向ばらつきを抑制するのに適するのである。固定コンタクト電極に対する可動コンタクト電極の配向ばらつきが小さいことは、マイクロスイッチング素子の駆動電圧を低減するのに資する。
本発明の第2の側面によると、固定部と、可動部と、可動コンタクト電極と、第1固定コンタクト電極と、第2固定コンタクト電極と、駆動機構とを備える別のマイクロスイッチング素子が提供される。可動部は、第1面および当該第1面とは反対の第2面を有し、且つ、固定部に固定された固定端を有して延びる。可動コンタクト電極は、可動部の第1面上に設けられ、且つ、第1接触部および第2接触部を有する。第1固定コンタクト電極は、可動コンタクト電極の第1接触部と接合している第3接触部を有し、且つ、固定部に接合している。第2固定コンタクト電極は、可動コンタクト電極の第2接触部に対向する第4接触部を有し、且つ、固定部に接合している。駆動機構は、第2接触部および第4接触部が当接するように可動部を動作ないし弾性変形させることが可能に構成されている。
本マイクロスイッチング素子では、開状態(オフ状態)において、可動コンタクト電極の第1接触部と第1固定コンタクト電極の第3接触部とが接合している。このような開状態にある本素子の可動コンタクト電極ないしこれが接合形成されている可動部の、可動コンタクト電極の内部応力の作用に基づく変形の自由度は、第1および第2接触部が仮に接合せずに離隔している場合における可動部の変形の自由度よりも、低減されている。したがって、本マイクロスイッチング素子は、第1および第2固定コンタクト電極に対する可動コンタクト電極の配向ばらつきを抑制するのに適するのである。上述のように、固定コンタクト電極に対する可動コンタクト電極の配向ばらつきが小さいことは、素子の駆動電圧を低減するのに資する。
本発明の第1および第2の側面において、好ましくは、可動コンタクト電極は第1突起部を有し、当該第1突起部は第1接触部を含み、且つ、可動コンタクト電極は第1突起部より突出長さの小さい第2突起部を有し、当該第2突起部は第2接触部を含む。このような構成は、素子の開状態において可動コンタクト電極の第1接触部と固定コンタクト電極の第3接触部とを当接または接合させるうえで、好ましい。
好ましくは、第1固定コンタクト電極は第3突起部を有し、当該第3突起部は第3接触部を含み、且つ、第2固定コンタクト電極は第3突起部より突出長さの小さい第4突起部を有し、当該第4突起部は第4接触部を含む。このような構成は、素子の開状態においても可動コンタクト電極の第1接触部と固定コンタクト電極の第3接触部とを当接または接合させるうえで、好ましい。
好ましくは、可動コンタクト電極は、可動部の第1面上において固定端から離隔して設けられ、第1接触部および第2接触部は、当該離隔の方向とは交差する方向に離隔し、駆動機構は、可動部の第1面上において駆動力発生領域を有し、当該駆動力発生領域の重心は、可動コンタクト電極における第1接触部よりも第2接触部に近い。このような構成は、素子の駆動電圧を低減するうえで好ましい。
好ましくは、可動部の固定端と可動コンタクト電極の第1接触部との間の距離、および、固定端と第2接触部との間の距離は、異なる。例えば、固定端と第2接触部との間の距離は、固定端と第1接触部との間の距離より小さい。また、可動部は屈曲構造を有してもよい。好ましくは、固定端の長さを2等分する点と、第1接触部および第2接触部の間を2等分する点とを通る仮想線に対して、第2接触部と同じ側に、駆動力発生領域の重心は位置する。これらの構成は、素子の駆動電圧を低減するうえで好ましい。
好ましい実施の形態では、駆動機構は、可動部の第1面上に設けられた可動駆動電極と、可動駆動電極に対向する部位を有し且つ固定部に接合している固定駆動電極と、を含む。本発明に係るマイクロスイッチング素子は、駆動機構として、このような静電型駆動機構を具備するのが好ましい。
他の好ましい実施の形態では、駆動機構は、可動部の第1面上に設けられた第1電極膜と、第2電極膜と、当該第1および第2電極膜の間に介在する圧電膜とからなる積層構造を含む。本発明のマイクロスイッチング素子は、駆動機構として、このような圧電型駆動機構を具備してもよい。
他の好ましい実施の形態では、駆動機構は、可動部の第1面上に設けられた熱膨張率の異なる複数の材料膜からなる積層構造を含む。本発明のマイクロスイッチング素子は、駆動機構として、このような熱型駆動機構を具備してもよい。
本発明の第3の側面によると、固定部と、第1面および当該第1面とは反対の第2面を有し且つ固定部に固定された固定端を有して延びる可動部と、可動部の第1面上に設けられ且つ第1接触部および第2接触部を有する可動コンタクト電極と、可動コンタクト電極の第1接触部に当接する第3接触部を有し且つ固定部に接合している第1固定コンタクト電極と、可動コンタクト電極の第2接触部に対向する第4接触部を有し且つ固定部に接合している第2固定コンタクト電極と、を備えるマイクロスイッチング素子を製造するための方法が提供される。本方法は、基板上に可動コンタクト電極を形成する工程と、可動コンタクト電極を覆うように基板上に犠牲層を形成する工程と、犠牲層において可動コンタクト電極に対応する位置に、第1凹部および当該第1凹部より浅い第2凹部を形成する工程と、犠牲層を介して可動コンタクト電極に対向する部位を有して第1凹部を充たす第1固定コンタクト電極を形成する工程と、犠牲層を介して可動コンタクト電極に対向する部位を有して第2凹部を充たす第2固定コンタクト電極を形成する工程と、犠牲層を除去する工程とを含む。本方法によると、本発明の第1の側面に係るマイクロスイッチング素子を適切に製造することができる。
本発明の第4の側面によると、固定部と、第1面および当該第1面とは反対の第2面を有し且つ固定部に固定された固定端を有して延びる可動部と、可動部の第1面上に設けられ且つ第1接触部および第2接触部を有する可動コンタクト電極と、可動コンタクト電極の第1接触部に接合している第3接触部を有し且つ固定部に接合している第1固定コンタクト電極と、可動コンタクト電極の第2接触部に対向する第4接触部を有し且つ固定部に接合している第2固定コンタクト電極と、を備えるマイクロスイッチング素子を製造するための方法が提供される。本方法は、基板上に可動コンタクト電極を形成する工程と、可動コンタクト電極を覆うように基板上に犠牲層を形成する工程と、犠牲層において可動コンタクト電極に対応する位置に、可動部を部分的に露出させるための孔部、および、凹部を形成する工程と、犠牲層を介して可動コンタクト電極に対向する部位を有して孔部を充たす第1固定コンタクト電極を形成する工程と、犠牲層を介して可動コンタクト電極に対向する部位を有して凹部を充たす第2固定コンタクト電極を形成する工程と、犠牲層を除去する工程とを含む。本方法によると、本発明の第2の側面に係るマイクロスイッチング素子を適切に製造することができる。
図1から図5は、本発明の第1の実施形態に係るマイクロスイッチング素子X1を表す。図1は、マイクロスイッチング素子X1の平面図であり、図2は、マイクロスイッチング素子X1の一部省略平面図である。図3から図5は、各々、図1の線III−III、線IV−IV、および線V−Vに沿った断面図である。
マイクロスイッチング素子X1は、ベース基板S1と、固定部11と、可動部12と、コンタクト電極13と、一対のコンタクト電極14A,14B(図2では仮想線で表す)と、駆動電極15と、駆動電極16(図2では仮想線で表す)とを備える。
固定部11は、図3から図5に示すように、境界層17を介してベース基板S1に接合している。また、固定部11は、単結晶シリコンなどのシリコン材料よりなる。固定部11を構成するシリコン材料は、1000Ω・cm以上の抵抗率を有するのが好ましい。境界層17は例えば二酸化シリコンよりなる。
可動部12は、例えば図1、図2、または図5に表れているように、第1面12aおよび第2面12bを有し、固定部11に固定された固定端12cと自由端12dとを有してベース基板S1に沿って延び、スリット18を介して固定部11に囲まれている。可動部12について図3および図4に示す厚さTは例えば15μm以下である。また、可動部12について、図2に示す長さL1は例えば650〜1000μmであり、長さL2は例えば200〜400μmである。スリット18の幅は例えば1.5〜2.5μmである。可動部12は、例えば単結晶シリコンよりなる。
コンタクト電極13は、可動コンタクト電極であり、図2によく表れているように、可動部12の第1面12a上にて自由端12d近くに設けられている(即ち、コンタクト電極13は可動部12の固定端12cから離隔して設けられている)。また、コンタクト電極13は接触部13a’,13b’を有する。図2においては、図の明確化の観点より、接触部13a’,13b’を黒ベタで表す。コンタクト電極13の厚さは例えば0.5〜2.0μmである。このような厚さ範囲は、コンタクト電極13の低抵抗化を図るうえで好ましい。コンタクト電極13は、所定の導電材料よりなり、例えば、Mo下地膜とその上のAu膜とからなる積層構造を有する。
コンタクト電極14A,14Bは、第1および第2固定コンタクト電極であり、図3または図5に示すように、固定部11上に立設されており且つ突起部14a,14bを有する。突起部14aの先端は接触部14a’をなし、この接触部14a’は、コンタクト電極13内の接触部13a’に当接する。突起部14bの先端は接触部14b’をなし、コンタクト電極13内の接触部13b’に対向する。突起部14aの突出長さは、突起部14bの突出長さより大きい。例えば、突起部14aの突出長さは1〜4μmであり、突起部14bの突出長さは、突起部14aの突出長さより小さい限りにおいて0.8〜3.8μmである。また、各コンタクト電極14A,14Bは、所定の配線(図示略)を介してスイッチング対象の所定の回路に接続されている。コンタクト電極14A,14Bの構成材料としては、コンタクト電極13の構成材料と同一のものを採用することができる。
駆動電極15は、図2によく表れているように可動部12上および固定部11上にわたって設けられている。駆動電極15の厚さは例えば0.5〜2μmである。駆動電極15の構成材料としては、Auを採用することができる。
駆動電極16は、駆動電極15との間に静電引力(駆動力)を発生させるためのものであり、図4によく表れているように、その両端が固定部11に接合して駆動電極15の上方を跨ぐように立設されている。駆動電極16の厚さは例えば15μm以上である。また、駆動電極16は、所定の配線(図示略)を介してグラウンド接続されている。駆動電極16の構成材料としては、コンタクト電極15の構成材料と同一のものを採用することができる。
図6から図9は、マイクロスイッチング素子X1の製造方法を、図3および図4に相当する断面の変化として表す。本方法においては、まず、図6(a)に示すような材料基板S1’を用意する。材料基板S1’は、SOI(silicon on insulator)基板であり、第1層101、第2層102、および、これらの間の中間層103よりなる積層構造を有する。本実施形態では、例えば、第1層101の厚さは15μmであり、第2層102の厚さは5105μmであり、中間層103の厚さは4μmである。第1層101は、例えば単結晶シリコンよりなり、固定部11および可動部12へと加工される。第2層102は、例えば単結晶シリコンよりなり、ベース基板S1へと加工される。中間層103は、例えば二酸化シリコンよりなり、境界層17へと加工される。
次に、図6(b)に示すように、第1層101上に導体膜104を形成する。例えば、スパッタリング法により、第1層101上にMoを成膜し、続いてその上にAuを成膜する。Mo膜の厚さは例えば30nmであり、Au膜の厚さは例えば500nmである。
次に、図6(c)に示すように、フォトリソ法により導体膜104上にレジストパターン105,106を形成する。レジストパターン105は、コンタクト電極13に対応するパターン形状を有する。レジストパターン106は、駆動電極15に対応するパターン形状を有する。
次に、図7(a)に示すように、レジストパターン105,106をマスクとして利用して導体膜104に対してエッチング処理を施すことにより、第1層101上に、コンタクト電極13および駆動電極15を形成する。本工程におけるエッチング手法としては、イオンミリング(例えばArイオンによる物理的エッチング)を採用することができる。後出の金属材料に対するエッチング手法としてもイオンミリングを採用することができる。
次に、レジストパターン105,106を除去した後、図7(b)に示すように、第1層101にエッチング処理を施すことによってスリット18を形成する。具体的には、フォトリソ法により第1層101上に所定のレジストパターンを形成した後、当該レジストパターンをマスクとして利用して、第1層101に対して異方性のエッチング処理を施す。エッチング手法としては、反応性イオンエッチングを採用することができる。本工程にて、固定部11および可動部12がパターン形成されることとなる。
次に、図7(c)に示すように、スリット18を塞ぐように、材料基板S1’の第1層101側に犠牲層107を形成する。犠牲層材料としては例えば二酸化シリコンを採用することができる。また、犠牲層107を形成するための手法としては、例えばプラズマCVD法やスパッタリング法を採用することができる。
次に、図8(a)に示すように、犠牲層107においてコンタクト電極13に対応する箇所に凹部107a,107bを形成する。具体的には、フォトリソ法により犠牲層107上に所定のレジストパターンを形成した後、当該レジストパターンをマスクとして利用して犠牲層107に対してエッチング処理を施す。エッチング手法としては、ウエットエッチングを採用することができる。ウエットエッチングのためのエッチング液としては、例えばバッファードフッ酸(BHF)を採用することができる。犠牲層107に対する後出のウエットエッチングにおいてもBHFを採用することができる。凹部107aは、コンタクト電極14Aの突起部14aを形成するためのものである。凹部107aの底面とコンタクト電極13との間の距離、即ち、凹部107aとコンタクト電極13の間の犠牲層107の厚さは、例えば12μm以下である。図8(a)以降の工程図では、凹部107aとコンタクト電極13との間の犠牲層107の厚さを誇張して表す。凹部107bは、コンタクト電極14bの突起部14bを形成するためのものであり、凹部107aよりも浅い。
次に、図8(b)に示すように、犠牲層107をパターニングして開口部107c,107d,107eを形成する。具体的には、フォトリソ法により犠牲層107上に所定のレジストパターンを形成した後、当該レジストパターンをマスクとして利用して犠牲層107に対してエッチング処理を施す。エッチング手法としては、ウエットエッチングを採用することができる。開口部107c,107dは、各々、固定部11においてコンタクト電極14A,14Bが接合する領域を露出させるためのものである。開口部107eは、固定部11において駆動電極16が接合する領域を露出させるためのものである。
次に、材料基板S1’において犠牲層107が設けられている側の表面に通電用の下地膜(図示略)を形成した後、図8(c)に示すようにレジストパターン108を形成する。下地膜は、例えば、スパッタリング法により厚さ50nmのMoを成膜し、続いてその上に厚さ500nmのAuを成膜することによって形成することができる。レジストパターン108は、コンタクト電極14A,14Bに対応する開口部108a,108bおよび駆動電極16に対応する開口部108cを有する。
次に、図9(a)に示すように、コンタクト電極14A,14Bおよび駆動電極16を形成する。具体的には、開口部107a〜107e,108a〜108cにて露出する上述の下地膜上に、電気めっき法により例えばAuを成長させる。
次に、図9(b)に示すように、レジストパターン108をエッチング除去する。この後、電気めっき用の上述の下地膜において露出している部分をエッチング除去する。これらエッチング除去においては、各々、ウエットエッチングを採用することができる。
次に、図9(c)に示すように、犠牲層107および中間層103の一部を除去する。具体的には、犠牲層107および中間層103に対してウエットエッチング処理を施す。本エッチング処理では、まず犠牲層107が除去され、その後、スリット18に臨む箇所から中間層103の一部が除去される。このエッチング処理は、可動部12の全体と第2層102との間に適切に空隙が形成された後に停止する。このようにして、中間層103において境界層17が残存形成される。また、第2層102は、ベース基板S1を構成することとなる。
本工程を経ると、可動部12に反りが生じ、図9(c)にて誇張して表すように、可動部12がコンタクト電極14A,14B側に変位する。上述のようにして形成された駆動電極15には、その形成過程において内部応力が生じており、この内部応力の作用により、当該駆動電極15とこれが接合する可動部12とが反るのである。具体的には、可動部12の自由端12dがコンタクト電極14に接近するように、可動部12に変形ないし反りが生じる。その結果、可動部12は、コンタクト電極13の接触部13a’とコンタクト電極14Aの突起部14aの接触部14a’とが当接するまで、変形する。突起部14aは、当接した接触部13a’,14a’間に好ましくは押圧力が生ずるように、充分に長く形成される必要がある。
次に、必要に応じて、コンタクト電極14A,14Bおよび駆動電極16の下面に付着している下地膜の一部(例えばMo膜)をウエットエッチングにより除去した後、超臨界乾燥法により素子全体を乾燥する。超臨界乾燥法によると、可動部12がベース基板S1等に張り付いてしまうスティッキング現象を適切に回避することができる。
以上のようにして、マイクロスイッチング素子X1を製造することができる。本方法では、コンタクト電極13に対向する部位を有するコンタクト電極14A,14Bについて、めっき法によって犠牲層107上に厚く形成することができる。そのため、一対のコンタクト電極14A,14Bについては、所望の低抵抗を実現するための充分な厚さを設定することが可能である。厚いコンタクト電極14A,14Bは、マイクロスイッチング素子X1の挿入損失を低減するうえで好ましい。
以上のようにして製造されるマイクロスイッチング素子X1において、駆動電極15に電位を付与すると、駆動電極15,16間には静電引力が発生する。付与電位が充分に高い場合、可動部12は、コンタクト電極13の接触部13b’とコンタクト電極14Bの突起部14bの接触部14b’とが当接するまで動作ないし弾性変形する。このようにして、マイクロスイッチング素子X1の閉状態が達成される。閉状態においては、コンタクト電極13により一対のコンタクト電極14A,14Bが電気的に橋渡しされ、電流がコンタクト電極14A,14B間を通過することが許容される。このようなスイッチオン動作により、例えば高周波信号のオン状態を達成することができる。
一方、閉状態にあるマイクロスイッチング素子X1において、駆動電極15に対する電位付与を停止することによって駆動電極15,16の間に作用する静電引力を消滅させると、可動部12はその自然状態に復帰し、コンタクト電極13の接触部13b’は、コンタクト電極14Bの突起部14bの接触部14b’から離隔する。このようにして、図3および図5に示すような、マイクロスイッチング素子X1の開状態が達成される。開状態では、一対のコンタクト電極14A,14Bが電気的に分離され、電流がコンタクト電極14A,14B間を通過することは阻まれる。このようなスイッチオフ動作により、例えば高周波信号のオフ状態を達成することができる。また、このような開状態にあるマイクロスイッチング素子X1については、上述したスイッチオン動作によって再び閉状態ないしオン状態に切り替えることが可能である。
マイクロスイッチング素子X1では、開状態(オフ状態)において、コンタクト電極13の接触部13a’とコンタクト電極14Aの突起部14aの接触部14a’とが当接している。このような開状態にあるマイクロスイッチング素子X1のコンタクト電極13ないしこれが接合形成されている可動部12の、コンタクト電極13の内部応力の作用に基づく変形の自由度は、接触部13a’,14a’が仮に当接せずに離隔している場合における可動部12の変形の自由度よりも、低減されている。したがって、マイクロスイッチング素子X1は、コンタクト電極14A,14B(固定コンタクト電極)に対するコンタクト電極13(可動コンタクト電極)の配向ばらつきを抑制することが可能なのである。コンタクト電極14A,14Bに対するコンタクト電極13の配向ばらつきが小さいことは、マイクロスイッチング素子X1の駆動電圧を低減するのに資する。
マイクロスイッチング素子X1では、コンタクト電極14A,14Bの突起部14a,14bを設けずに、コンタクト電極14Aに向って突出して素子の開状態においても当該コンタクト電極14Aに当接する第1突起部と、コンタクト電極14Bに向って突出して素子の開状態においては当該コンタクト電極14Bから離隔する第2突起部とを、コンタクト電極13に形成してもよい。このような構造を有するマイクロスイッチング素子X1を作製する場合、例えば、図7(b)を参照して上述した工程の後にコンタクト電極13上に当該第1および第2突起部を形成し、その後、当該第1および第2突起部を覆うようにして、図7(c)を参照して上述したように犠牲層107を形成する。また、図8(a)を参照して上述した凹部107a,107bを形成しない。
図10および図11は、マイクロスイッチング素子X1の一変形例たるマイクロスイッチング素子X1’を表す。図10は、マイクロスイッチング素子X1’の平面図であり、図11は、図10の線XI−XIに沿った断面図である。
マイクロスイッチング素子X1’は、ベース基板S1と、固定部11と、可動部12と、コンタクト電極13と、一対のコンタクト電極14A,14Bと、圧電駆動部21とを備える。マイクロスイッチング素子X1’は、駆動機構として駆動電極15,16に代えて圧電駆動部21を有する点において、マイクロスイッチング素子X1と異なる。
圧電駆動部21は、圧電型駆動機構であり、駆動電極21a,21bと、これらの間の圧電膜21cとからなる。駆動電極21a,21bは、各々、例えば、Ti下地層およびAu主層からなる積層構造を有する。駆動電極21bは、所定の配線(図示略)を介してグランド接続されている。圧電膜21cは、電界が加えられることにより歪みが生じる性質(逆圧電効果)を示す圧電材料からなる。そのような圧電材料としては、例えば、PZT(PbZrO3とPbTiO3の固溶体)、MnがドープされたZnO、ZnO、またはAlNを採用することができる。駆動電極21a,21bの厚さは例えば0.55μmであり、圧電膜21cの厚さは例えば1.5μmである。このような圧電駆動部21が稼動することによって、マイクロスイッチング素子X1’におけるオン動作が実現される。
本発明のマイクロスイッチング素子における駆動機構としては、このような圧電駆動部21を利用してもよい。後出の実施形態に係るマイクロスイッチング素子における駆動機構としても、このような圧電駆動部21を利用することができる。
図12および図13は、マイクロスイッチング素子X1の一変形例たるマイクロスイッチング素子X1’’を表す。図12は、マイクロスイッチング素子X1’’の平面図であり、図13は、図12の線XIII−XIIIに沿った断面図である。
マイクロスイッチング素子X1’’は、ベース基板S1と、固定部11と、可動部12と、コンタクト電極13と、一対のコンタクト電極14A,14Bと、熱駆動部22とを備える。マイクロスイッチング素子X1’’は、駆動機構として駆動電極15,16に代えて熱駆動部22を有する点において、マイクロスイッチング素子X1と異なる。
熱駆動部22は、熱型駆動機構であり、熱膨張率の異なる熱電極22a,22bからなる。可動部12に直接接合している熱電極22aの方が、熱電極22bよりも、大きな熱膨張率を有する。熱駆動部22は、通電時に熱電極22a,22bが発熱および熱膨張するように設けられている。熱電極22aは、例えば、Au、Fe合金、またはCu合金よりなる。熱電極22bは例えばAl合金よりなる。
本発明のマイクロスイッチング素子における駆動機構としては、このような熱駆動部22を利用してもよい。後出の実施形態に係るマイクロスイッチング素子における駆動機構としても、このような熱駆動部22を利用することができる。
図14から図16は、本発明の第2の実施形態に係るマイクロスイッチング素子X2を表す。図14は、マイクロスイッチング素子X2の平面図である。図15および図16は、各々、図14の線XV−XVおよび線XVI−XVIに沿った断面図である。
マイクロスイッチング素子X2は、ベース基板S1と、固定部11と、可動部12と、コンタクト電極13と、一対のコンタクト電極14B,14Cと、駆動電極15,16とを備える。マイクロスイッチング素子X2は、コンタクト電極14Aに代えてコンタクト電極14Cを具備する点において、マイクロスイッチング素子X1と異なる。
コンタクト電極14Cは、第1固定コンタクト電極であり、図15に示すように、固定部11上に立設されており且つ突起部14cを有する。突起部14cの先端は接触部14c’をなし、この接触部14c’は、コンタクト電極13内の接触部13a’に接合している。また、コンタクト電極14Cは、所定の配線(図示略)を介してスイッチング対象の所定の回路に接続されている。コンタクト電極14Cの構成材料としては、コンタクト電極13の構成材料と同一のものを採用することができる。マイクロスイッチング素子X2の他の構成については、マイクロスイッチング素子X1と同様である。
このような構造を有するマイクロスイッチング素子X2を製造するには、マイクロスイッチング素子X1の製造方法に関して図8(a)を参照して上述した工程において、図17(a)に示すように、犠牲層107を貫通する凹部107aを形成する。そして、図9(a)を参照して上述した工程において、図17(b)に示すように、突起部14cを当該凹部107a内に形成しつつコンタクト電極14Cを形成する。他の工程については、マイクロスイッチング素子X1の製造方法に関して上述したのと同様である。
マイクロスイッチング素子X2において、駆動電極15に電位を付与すると、駆動電極15,16間には静電引力が発生する。付与電位が充分に高い場合、可動部12は、コンタクト電極13の接触部13b’とコンタクト電極14Bの突起部14bの接触部14b’とが当接するまで動作ないし弾性変形する。このようにして、マイクロスイッチング素子X2の閉状態が達成される。閉状態においては、コンタクト電極13により一対のコンタクト電極14B,14Cが電気的に橋渡しされ、電流がコンタクト電極14B,14C間を通過することが許容される。このようなスイッチオン動作により、例えば高周波信号のオン状態を達成することができる。
一方、閉状態にあるマイクロスイッチング素子X2において、駆動電極15に対する電位付与を停止することによって駆動電極15,16の間に作用する静電引力を消滅させると、可動部12はその自然状態に復帰し、コンタクト電極13の接触部13b’は、コンタクト電極14Bの突起部14bの接触部14b’から離隔する。このようにして、図15に示すような、マイクロスイッチング素子X2の開状態が達成される。開状態では、一対のコンタクト電極14B,14Cが電気的に分離され、電流がコンタクト電極14B,14C間を通過することは阻まれる。このようなスイッチオフ動作により、例えば高周波信号のオフ状態を達成することができる。また、このような開状態にあるマイクロスイッチング素子X2については、上述したスイッチオン動作によって再び閉状態ないしオン状態に切り替えることが可能である。
マイクロスイッチング素子X2では、開状態(オフ状態)において、コンタクト電極13の接触部13a’とコンタクト電極14Cの突起部14cの接触部14c’とが接合している。このような開状態にあるマイクロスイッチング素子X2のコンタクト電極13ないしこれが接合形成されている可動部12の、コンタクト電極13の内部応力の作用に基づく変形の自由度は、接触部13a’,14c’が仮に接合せずに離隔している場合における可動部12の変形の自由度よりも、低減されている。したがって、マイクロスイッチング素子X2は、コンタクト電極14B,14C(固定コンタクト電極)に対するコンタクト電極13(可動コンタクト電極)の配向ばらつきを抑制することが可能なのである。コンタクト電極14B,14Cに対するコンタクト電極13の配向ばらつきが小さいことは、マイクロスイッチング素子X2の駆動電圧を低減するのに資する。
図18から図22は、本発明の第3の実施形態に係るマイクロスイッチング素子X3を表す。図18は、マイクロスイッチング素子X3の平面図であり、図19は、マイクロスイッチング素子X3の一部省略平面図である。図20から図22は、各々、図18の線XX−XX、線XXI−XXI、および線XXII−XXIIに沿った断面図である。
マイクロスイッチング素子X3は、ベース基板S3と、固定部31と、可動部32と、コンタクト電極33と、一対のコンタクト電極34A,34B(図19において省略)と、駆動電極35と、駆動電極36(図19において省略)とを備える。
固定部31は、図20から図22に示すように、境界層37を介してベース基板S3に接合している。また、固定部31は、単結晶シリコンなどのシリコン材料よりなる。固定部31を構成するシリコン材料は、1000Ω・cm以上の抵抗率を有するのが好ましい。境界層37は例えば二酸化シリコンよりなる。
可動部32は、例えば図18、図19、または図22に表れているように、第1面32aおよび第2面32bを有し、固定部31に固定された固定端32cと自由端32dとを有してベース基板S3に沿って延び、スリット38を介して固定部31に囲まれている。可動部32は、例えば単結晶シリコンよりなる。
コンタクト電極33は、可動コンタクト電極であり、図19によく表れているように、可動部32の第1面32a上にて自由端32d近くに設けられている(即ち、コンタクト電極33は可動部32の固定端32cから離隔して設けられている)。また、コンタクト電極33は接触部33a’,33b’を有する。図19においては、図の明確化の観点より、接触部33a’,33b’を黒ベタで表す。コンタクト電極33は、所定の導電材料よりなり、例えば、Mo下地膜とその上のAu膜とからなる積層構造を有する。
コンタクト電極34A,34Bは、第1および第2固定コンタクト電極であり、図20または図22に示すように、固定部31上に立設されており且つ突起部34a,34bを有する。突起部34aの先端は接触部34a’をなし、この接触部34a’は、第1の実施形態に係るマイクロスイッチング素子X1において接触部14a’が接触部13a’に当接しているのと同様に、コンタクト電極33内の接触部33a’に当接するか、或は、第2の実施形態に係るマイクロスイッチング素子X2において接触部14c’が接触部13c’に接合しているのと同様に、コンタクト電極33内の接触部33a’に接合している。突起部34bの先端は接触部34b’をなし、コンタクト電極33内の接触部33b’に対向する。突起部34aの突出長さは、突起部34bの突出長さより大きい。また、各コンタクト電極34A,34Bは、所定の配線(図示略)を介してスイッチング対象の所定の回路に接続されている。コンタクト電極34A,34Bの構成材料としては、コンタクト電極33の構成材料と同一のものを採用することができる。
駆動電極35は、図19によく表れているように可動部32上および固定部31上にわたって設けられている。駆動電極35の構成材料としては、Auを採用することができる。
駆動電極36は、駆動電極35との間に静電引力(駆動力)を発生させるためのものであり、図21によく表れているように、その両端が固定部31に接合して駆動電極35の上方を跨ぐように立設されている。また、駆動電極36は、所定の配線(図示略)を介してグラウンド接続されている。駆動電極36の構成材料としては、コンタクト電極35の構成材料と同一のものを採用することができる。
駆動電極35,36は、マイクロスイッチング素子X3における静電型駆動機構をなし、図19に示すように、可動部32の第1面32a上に駆動力発生領域Rを有する。この駆動力発生領域Rは、図21によく表れているように、駆動電極35において駆動電極36に対向する領域である。
マイクロスイッチング素子X3は、図19によく表れているように、可動部32の形状について非対称性を有する。例えば、可動部32の固定端32cとコンタクト電極33の接触部33a’を通る仮想線F1に対して、コンタクト電極33の接触部33b’と同じ側に可動部32の重心が位置するように、可動部32は非対称な形状を有する。加えて、マイクロスイッチング素子X3は、コンタクト電極33の接触部33a’,33b’の配置(従って、コンタクト電極34A,34Bの接触部34a’,34b’の配置)、および、駆動電極35,36により構成される駆動機構における駆動力発生領域Rの配置について、非対称性を有する。例えば、駆動力発生領域Rの重心Cは、コンタクト電極33の接触部33a’よりも接触部33b’に近い。可動部32の固定端32cとコンタクト電極33の接触部33a’との間の距離より、固定端32cとコンタクト電極33の接触部33b’との間の距離は長い。可動部32の固定端32cの長さを2等分する点P1と、コンタクト電極33における接触部33a’,33b’間を2等分する点P2とを通る仮想線F2に対して、接触部33b’と同じ側に、駆動力発生領域Rの重心Cは位置する。
このようなマイクロスイッチング素子X3において、駆動電極35に電位を付与すると、駆動電極35,36間には静電引力が発生する。付与電位が充分に高い場合、可動部32は、コンタクト電極33の接触部33b’とコンタクト電極34Bの突起部34bの接触部34b’とが当接するまで動作ないし弾性変形する。このようにして、マイクロスイッチング素子X3の閉状態が達成される。閉状態においては、コンタクト電極33により一対のコンタクト電極34A,34Bが電気的に橋渡しされ、電流がコンタクト電極34A,34B間を通過することが許容される。このようなスイッチオン動作により、例えば高周波信号のオン状態を達成することができる。
一方、閉状態にあるマイクロスイッチング素子X3において、駆動電極35に対する電位付与を停止することによって駆動電極35,36の間に作用する静電引力を消滅させると、可動部32はその自然状態に復帰し、コンタクト電極33の接触部33b’は、コンタクト電極34Bの突起部34bの接触部34b’から離隔する。このようにして、図20および図22に示すような、マイクロスイッチング素子X3の開状態が達成される。開状態では、一対のコンタクト電極34A,34Bが電気的に分離され、電流がコンタクト電極34A,34B間を通過することは阻まれる。このようなスイッチオフ動作により、例えば高周波信号のオフ状態を達成することができる。また、このような開状態にあるマイクロスイッチング素子X3については、上述したスイッチオン動作によって再び閉状態ないしオン状態に切り替えることが可能である。
マイクロスイッチング素子X3では、開状態(オフ状態)において、コンタクト電極33の接触部33a’とコンタクト電極34Aの突起部34aの接触部34a’とが当接または接合している。このような開状態にあるマイクロスイッチング素子X3のコンタクト電極33ないしこれが接合形成されている可動部32の、コンタクト電極33の内部応力の作用に基づく変形の自由度は、接触部33a’,34a’が仮に当接または接合せずに離隔している場合における可動部32の変形の自由度よりも、低減されている。したがって、マイクロスイッチング素子X3は、コンタクト電極34A,34B(固定コンタクト電極)に対するコンタクト電極33(可動コンタクト電極)の配向ばらつきを抑制することが可能なのである。コンタクト電極34A,34Bに対するコンタクト電極33の配向ばらつきが小さいことは、マイクロスイッチング素子X3の駆動電圧を低減するのに資する。
マイクロスイッチング素子X3が開状態から閉状態に至るまでのオン動作では、可動部32において、駆動力発生領域Rに対応する箇所から固定端32cまでの間が、主に捩り変形するので、可動部32の固定端32cとコンタクト電極33,34A間の接触箇所とを図19に示すように通る仮想線F1を固定軸ないし回転軸とし、且つ、駆動力発生領域Rの重心Cを力点として、可動部32に力が作用する、とみなすことができる。駆動力発生領域Rの重心Cがコンタクト電極33の接触部33a’よりも接触部33b’に近いという構成は、駆動力発生領域Rの重心C(力点)と当該軸(仮想線F1)との間において長い距離を確保するうえで好ましい。駆動力発生領域Rの重心C(力点)と当該軸との間の距離が長いほど、コンタクト電極33とコンタクト電極34B(突起部34b,接触部34b’)の間が閉じるまで可動部32が変形する過程において駆動力発生領域Rの重心Cにて大きなモーメントを発生させやすく、閉状態を実現するうえで駆動機構(駆動電極35,36)にて発生させる必要のある最小駆動力(最小静電引力)は小さい。この最小駆動力が小さいほど、閉状態を実現するうえで駆動機構に印加する必要のある最小電圧は小さい。したがって、マイクロスイッチング素子X3は、閉状態を実現するうえで駆動機構に印加すべき駆動電圧を低減するのに好適である。
マイクロスイッチング素子X3は、上述のように、可動部32の形状、コンタクト電極33の接触部33a’,33b’の配置(従って、コンタクト電極34A,34Bの接触部34a’,34b’の配置)、および、駆動電極35,36により構成される駆動機構における駆動力発生領域Rの配置について、非対称性を有する。例えば、可動部32の固定端32cとコンタクト電極33の接触部33a’を通る仮想線F1に対して、コンタクト電極33の接触部33b’と同じ側に可動部32の重心が位置するように、可動部32は非対称な形状を有する。駆動力発生領域Rの重心Cは、コンタクト電極33の接触部33a’よりも接触部33b’に近い。可動部32の固定端32cとコンタクト電極33の接触部33a’との間の距離より、固定端32cとコンタクト電極33の接触部33b’との間の距離は長い。可動部32の固定端32cの長さを2等分する点P1と、コンタクト電極33における接触部33a’,33b’間を2等分する点P2とを通る仮想線F2に対して、接触部33b’と同じ側に、駆動力発生領域Rの重心Cは位置する。非対称性に係るこれらの構成は、可動部32上の駆動力発生領域Rの重心C(力点)と上述の固定軸(仮想線F1)との間において長い距離を確保するうえで好ましい。
可動部32は、図23(a)に示すような屈曲構造を有してもよい。図23(a)に示す可動部32は、固定端32cにて固定部31に直接固定され且つ可動部32の主延び方向Mに対して直交する方向に延びる部位32Aを有する。
このような屈曲構造を可動部32が有する場合、マイクロスイッチング素子X3が開状態から閉状態に至るまでのオン動作では、固定端32cにて固定部31に固定されている部位32Aが主に、図23(b)において矢印A1にて示すように、曲げ変形する。また、このようなオン動作では、可動部32の固定端32cとコンタクト電極33,34A間の接触箇所とを通る仮想線を固定軸ないし回転軸とし、且つ、駆動力発生領域Rの重心Cを力点として、可動部32に力が作用する、とみなすことができる。
可動部32において駆動力発生領域Rに対応する箇所から固定端32cまでの間が捩り変形する、可動部32が図19に示す形状を有する場合の上述のオン動作よりも、部位32Aが曲げ変形する本変形例のオン動作の方が、駆動機構(駆動電極35,36)にて発生すべき駆動力は小さい傾向にある。このように、本変形例の可動部32の屈曲構造は、マイクロスイッチング素子X3において閉状態を実現するうえで駆動機構に印加すべき駆動電圧を低減するのに資する。
可動部32は、図24(a)に示すような屈曲構造を有してもよい。図24(a)に示す可動部32は、固定端32cにて固定部31に直接固定され且つ可動部32の主延び方向Mと交差する方向に延びる部位32Bを有する。
このような屈曲構造を可動部32が有する場合、マイクロスイッチング素子X3が開状態から閉状態に至るまでのオン動作ではでは、固定端32cにて固定部31に固定されている部位32Bが主に、図24(b)において矢印A2にて示すように、曲げ変形する。また、このようなオン動作では、可動部32の固定端32cとコンタクト電極33,34A間の接触箇所とを通る仮想線を固定軸ないし回転軸とし、且つ、駆動力発生領域Rの重心Cを力点として、可動部32に力が作用する、とみなすことができる。
可動部32において駆動力発生領域Rに対応する箇所から固定端32cまでの間が捩り変形する、可動部32が図19に示す形状を有する場合の上述のオン動作よりも、部位32Bが曲げ変形する本変形例のオン動作の方が、駆動機構(駆動電極35,36)にて発生すべき駆動力は小さい傾向にある。また、本変形例では、図23に示す変形例よりも、駆動力発生領域Rの重心C(力点)とオン動作における固定軸ないし回転軸との間において、長い距離を確保しやすい。駆動力発生領域Rの重心C(力点)と当該軸との間の距離が長いほど、コンタクト電極33とコンタクト電極34B(突起部34b,接触部34b’)の間が閉じるまで可動部32が変形する過程において駆動力発生領域Rの重心Cにて大きなモーメントを発生させやすく、閉状態を実現するうえで駆動機構(駆動電極35,36)にて発生させる必要のある最小駆動力(最小静電引力)は小さい。このように、本変形例の可動部32の屈曲構造は、マイクロスイッチング素子X3において閉状態を実現するうえで駆動機構に印加すべき駆動電圧を低減するのに資する。
本発明の第1の実施形態に係るマイクロスイッチング素子の平面図である。 図1に示すマイクロスイッチング素子の一部省略平面図である。 図1の線III−IIIに沿った断面図である。 図1の線IV−IVに沿った断面図である。 図1の線V−Vに沿った断面図である。 図1に示すマイクロスイッチング素子の製造方法における一部の工程を表す。 図6の後に続く工程を表す。 図7の後に続く工程を表す。 図8の後に続く工程を表す。 本発明の第1の実施形態に係るマイクロスイッチング素子の一変形例の平面図である。 図10の線XI−XIに沿った断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るマイクロスイッチング素子の他の変形例の平面図である。 図12の線XIII−XIIIに沿った断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るマイクロスイッチング素子の平面図である。 図14の線XV−XVに沿った断面図である。 図14の線XVI−XVIに沿った断面図である。 図14に示すマイクロスイッチング素子の製造方法における一部の工程を表す。 本発明の第3の実施形態に係るマイクロスイッチング素子の平面図である。 図18に示すマイクロスイッチング素子の一部省略平面図である。 図18の線XX−XXに沿った断面図である。 図18の線XXI−XXIに沿った断面図である。 図18の線XXII−XXIIに沿った断面図である。 図1に示すマイクロスイッチング素子の一変形例を表す。(a)は、素子の平面図であり、(b)は、(a)の線XXIII-XXIIIに沿った断面図である。 図1に示すマイクロスイッチング素子の他の変形例を表す。(a)は、素子の平面図であり、(b)は、(a)の線XXIV-XXIVに沿った断面図である。 従来のマイクロスイッチング素子の平面図である。 図25に示すマイクロスイッチング素子の一部省略平面図である。 図25の線XXVII−XXVIIに沿った断面図である。 図25の線XXVIII−XXVIIIに沿った断面図である。 図25の線XXIX−XXIXに沿った断面図である。 変形態様が誇張された可動部およびその上のコンタクト電極の断面を表す。
符号の説明
X1,X2,X3,X4 マイクロスイッチング素子
S1,S3,S4 ベース基板
11,31,41 固定部
12,32,42 可動部
13,14A,14B,14C,33,34A,34B コンタクト電極
14a,14b,34a,34b 突起部
15,16,35,36,45,46 駆動電極
17,37,47 境界層
18,38,48 スリット
21 圧電駆動部
22 熱駆動部
S1’ 材料基板
101 第1層
102 第2層
103 中間層
104 導体膜
105,106,108 レジストパターン
107 犠牲層

Claims (13)

  1. 固定部と、
    第1面および当該第1面とは反対の第2面を有し、且つ、前記固定部に固定された固定端を有して延びる、可動部と、
    前記可動部の前記第1面上に設けられ、且つ、第1接触部および第2接触部を有する、可動コンタクト電極と、
    前記可動コンタクト電極の前記第1接触部に当接する第3接触部を有し、且つ、前記固定部に接合している、第1固定コンタクト電極と、
    前記可動コンタクト電極の前記第2接触部に対向する第4接触部を有し、且つ、前記固定部に接合している、第2固定コンタクト電極と、
    前記第2接触部および前記第4接触部が当接するように前記可動部を動作させることが可能な駆動機構と、を備えるマイクロスイッチング素子。
  2. 固定部と、
    第1面および当該第1面とは反対の第2面を有し、且つ、前記固定部に固定された固定端を有して延びる、可動部と、
    前記可動部の前記第1面上に設けられ、且つ、第1接触部および第2接触部を有する、可動コンタクト電極と、
    前記可動コンタクト電極の前記第1接触部に接合している第3接触部を有し、且つ、前記固定部に接合している、第1固定コンタクト電極と、
    前記可動コンタクト電極の前記第2接触部に対向する第4接触部を有し、且つ、前記固定部に接合している、第2固定コンタクト電極と、
    前記第2接触部および前記第4接触部が当接するように前記可動部を動作させることが可能な駆動機構と、を備えるマイクロスイッチング素子。
  3. 前記可動コンタクト電極は第1突起部を有し、当該第1突起部は前記第1接触部を含み、且つ、前記可動コンタクト電極は前記第1突起部より突出長さの小さい第2突起部を有し、当該第2突起部は前記第2接触部を含む、請求項1または2に記載のマイクロスイッチング素子。
  4. 前記第1固定コンタクト電極は第3突起部を有し、当該第3突起部は前記第3接触部を含み、且つ、前記第2固定コンタクト電極は前記第3突起部より突出長さの小さい第4突起部を有し、当該第4突起部は前記第4接触部を含む、請求項1または2に記載のマイクロスイッチング素子。
  5. 前記可動コンタクト電極は、前記可動部の前記第1面上において前記固定端から離隔して設けられ、前記第1接触部および第2接触部は、当該離隔の方向とは交差する方向に離隔し、
    前記駆動機構は、前記可動部の前記第1面上において駆動力発生領域を有し、当該駆動力発生領域の重心は、前記可動コンタクト電極における前記第1接触部よりも前記第2接触部に近い、請求項1から4のいずれか一つに記載のマイクロスイッチング素子。
  6. 前記可動部の前記固定端と前記可動コンタクト電極の前記第1接触部との間の距離、および、前記固定端と前記第2接触部との間の距離は、異なる、請求項5に記載のマイクロスイッチング素子。
  7. 前記可動部は屈曲構造を有する、請求項5または6に記載のマイクロスイッチング素子。
  8. 前記固定端の長さを2等分する点と、前記第1接触部および前記第2接触部の間を2等分する点とを通る仮想線に対して、前記第2接触部と同じ側に、前記駆動力発生領域の前記重心は位置する、請求項5から7のいずれか一つに記載のマイクロスイッチング素子。
  9. 前記駆動機構は、前記可動部の前記第1面上に設けられた可動駆動電極と、前記可動駆動電極に対向する部位を有し且つ前記固定部に接合している固定駆動電極とを含む、請求項1から8のいずれか一つに記載のマイクロスイッチング素子。
  10. 前記駆動機構は、前記可動部の前記第1面上に設けられた第1電極膜と、第2電極膜と、当該第1および第2電極膜の間に介在する圧電膜とからなる積層構造を含む、請求項1から8のいずれか一つに記載のマイクロスイッチング素子。
  11. 前記駆動機構は、前記可動部の前記第1面上に設けられた熱膨張率の異なる複数の材料膜からなる積層構造を含む請求項1から8のいずれか一つに記載のマイクロスイッチング素子。
  12. 固定部と、
    第1面および当該第1面とは反対の第2面を有し、且つ、前記固定部に固定された固定端を有して延びる、可動部と、
    前記可動部の前記第1面上に設けられ、且つ、第1接触部および第2接触部を有する、可動コンタクト電極と、
    前記可動コンタクト電極の前記第1接触部に当接する第3接触部を有し、且つ、前記固定部に接合している、第1固定コンタクト電極と、
    前記可動コンタクト電極の前記第2接触部に対向する第4接触部を有し、且つ、前記固定部に接合している、第2固定コンタクト電極と、を備えるマイクロスイッチング素子を製造するための方法であって、
    基板上に可動コンタクト電極を形成する工程と、
    前記可動コンタクト電極を覆うように前記基板上に犠牲層を形成する工程と、
    前記犠牲層において前記可動コンタクト電極に対応する位置に、第1凹部および当該第1凹部より浅い第2凹部を形成する工程と、
    前記犠牲層を介して前記可動コンタクト電極に対向する部位を有して前記第1凹部を充たす第1固定コンタクト電極を形成する工程と、
    前記犠牲層を介して前記可動コンタクト電極に対向する部位を有して前記第2凹部を充たす第2固定コンタクト電極を形成する工程と、
    前記犠牲層を除去する工程と、を含むマイクロスイッチング素子製造方法。
  13. 固定部と、
    第1面および当該第1面とは反対の第2面を有し、且つ、前記固定部に固定された固定端を有して延びる、可動部と、
    前記可動部の前記第1面上に設けられ、且つ、第1接触部および第2接触部を有する、可動コンタクト電極と、
    前記可動コンタクト電極の前記第1接触部に接合している第3接触部を有し、且つ、前記固定部に接合している、第1固定コンタクト電極と、
    前記可動コンタクト電極の前記第2接触部に対向する第4接触部を有し、且つ、前記固定部に接合している、第2固定コンタクト電極と、を備えるマイクロスイッチング素子を製造するための方法であって、
    基板上に可動コンタクト電極を形成する工程と、
    前記可動コンタクト電極を覆うように前記基板上に犠牲層を形成する工程と、
    前記犠牲層において前記可動コンタクト電極に対応する位置に、前記可動部を部分的に露出させるための孔部、および、凹部を形成する工程と、
    前記犠牲層を介して前記可動コンタクト電極に対向する部位を有して前記孔部を充たす第1固定コンタクト電極を形成する工程と、
    前記犠牲層を介して前記可動コンタクト電極に対向する部位を有して前記凹部を充たす第2固定コンタクト電極を形成する工程と、
    前記犠牲層を除去する工程と、を含むマイクロスイッチング素子製造方法。
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