JP2008300301A - マイクロスイッチ及びその駆動方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】特別な不都合を生ずることなく、駆動電圧を小さくする。
【解決手段】可動板12は、基板11に対して上下動し得るように板ばね部14により支持される。可動板12の上方に、基板11に対して固定された固定板13が配置される。基板11上の固定側駆動電極32が相対的に下で、板ばね部14に設けられた可動側駆動電極33が相対的に上に配置される。固定板13の電気接点135が相対的に上で、可動板12の電気接点136が相対的に下に配置される。これにより、駆動電極32,33間に生ずる静電力が電気接点135,136間の間隔が拡がる方向に生ずるように、駆動電極32,33及び電気接点135,136が配置される。駆動電極32,33間に静電力が生じない場合は電気接点135,136が互いに接触する。駆動電極32,33間に静電力が生ずると、電気接点135,136が互いに離れる。
【選択図】図2

Description

本発明は、いわゆるMEMS(Micro-Electro-Mechanical System)スイッチなどのマイクロスイッチ及びその駆動方法に関するものである。このマイクロスイッチには、例えば無線通信装置やRF測定装置等において用いられる高周波スイッチ(RFスイッチ)の他、直流や低周波の信号をスイッチングするスイッチも含まれる。
携帯電話機などの無線通信技術の進展に伴い、高周波回路等で用いるスイッチの重要性が高まっている。従来は、このようなスイッチとして、PIN−DIODEやMOS−FETなど半導体デバイスが用いられていた。
しかしながら、昨今の無線通信技術の進化により、使用される周波数がGHz〜数10GHzと大きく増加しているため、従来の半導体デバイスにおいては、高周波数化に伴う、低Qによる伝送損失が問題となっている。また、例えば将来の携帯端末においては、1台の端末でさまざまな周波数帯をカバーする必要性があり、それらの周波数帯を切り替えるための必要なスイッチ数も増大する傾向にあるが、この点においても半導体デバイスの高消費電力が課題となっている。
そこで、RFスイッチとして、さまざまなMEMSスイッチが提案されている。MEMS型RFスイッチでは、MEMS技術によりスイッチングを行うため、伝送損失を十分に低く抑えることができる。
MEMS型RFスイッチには、いわゆる直列結合抵抗型スイッチ(以下直列型スイッチと略す)と並列結合容量型スイッチ(以下並列型スイッチと略す)とがある。直列型スイッチは、伝送線路に対して直列的に設けられたものであり、固定部の電気接点と可動部の電気接点との間が接離することでスイッチング動作を行う。直列型スイッチは、RFスイッチとして用いることができるのみならず、直流や低周波の信号をスイッチングするスイッチとしても用いることができる。並列型スイッチは、高周波伝送線路に対して並列的に設けられた容量を有するものであり、可動部の位置を変えることで前記容量を変化させ、前記容量の大小に応じて、入力された高周波信号を接地導体にシャントする状態(オフ状態)とシャントしない状態(オン状態)とを切り替えることで、伝送線路を流れる高周波信号のスイッチング動作を行う。例えば、直列型スイッチの例が下記特許文献1に開示され、並列型スイッチの例が下記特許文献2に開示されている。
そして、MEMSスイッチでは、スイッチング動作に伴う可動部の駆動を静電力によって行う静電駆動方式を採用することで、より消費電力の低い素子を提供できる。
特開平5−2976号公報 特開2004−6310号公報
しかしながら、静電駆動方式を採用した従来のMEMS型RFスイッチでは、直列型スイッチ及び並列型スイッチのいずれであっても、高い駆動電圧を要していた。これらの点について、直列型スイッチの場合と並列型スイッチの場合とに分けて、以下に説明する。なお、直列型スイッチの場合は、RFスイッチとして用いる場合のみならず、直流や低周波の信号をスイッチングするスイッチとして用いる場合も同様である。
静電駆動方式を採用した従来の直列型スイッチでは、板ばねである可動部に可動駆動電極及び可動電気接点が設けられ、基板に固定駆動電極及び固定電気接点が設けられ、両駆動電極間の印加電圧により両駆動電極間に静電力が可動部のバネ力に抗するように生ずる。これらの電極及び接点は、両駆動電極間に生ずる静電力が、両接点間の間隔が狭まる方向に生ずるように、配置されている。両駆動電極間に、両駆動電極間に生ずる静電力が板ばねの復元力よりも大きくなるような所定電圧(プルイン電圧)を印加すると、両接点間が接触して当該スイッチがオン状態となる。詳しくは、可動部のバネ力は、フックの法則に従い、両駆動電極間の間隔が初期間隔から変化した量に比例する。一方、前記静電力は、両駆動電極間の電圧の2乗に比例しかつ両駆動電極間の間隔の2乗に反比例する。従って、板ばねの復元力に抗するために十分な静電力を発生させるためには、両駆動電極間の間隔を十分近づけるまでの電圧を印加して、プルインさせる必要がある。一方、両駆動電極間に電圧を印加せずに両駆動電極間に静電力を生じさせないと、バネの復元力により可動部が初期の位置まで戻り、両接点間が離れて当該スイッチがオフ状態となる。このように、両駆動電極間の電圧を制御することで、当該スイッチのオンオフを切り替えることができる。
このような従来の直列型スイッチでは、電気接点同士が接触した状態(オン状態)においては、両電気接点間の信号の通過損失(接触抵抗による損失)が発生する。この通過損失をできるだけ低減するために、一般には、オン時の静電力を大きくし、両接点間の接触圧を大きくする手法を採用する。また、オン状態から電圧開放した際に可動駆動電極は直ぐには固定駆動電極側から離れず、プルイン電圧よりも小さい電圧で解放される。可動駆動電極の印加電圧−変位曲線を調べると、一般に印加電圧よりも解放電圧が低いヒステリシス曲線を描く。つまり、プルイン電圧が小さくてすむように板ばねのバネ定数を小さく設計しすぎると、プルイン状態であった可動電極が固定駆動電極側から解放される解放電圧も、そのバネ定数に応じた小さい値となる。これは、もし実際の解放電圧がばらつくと、可動電気接点が固定電気接点から離れず、スイッチとしての機能を果たさないことを意味する。従って、通常は、確実に電気接点を解放できるように、可動部のバネの復元力を大きくする。このように、従来の直列型スイッチでは、信号通過特性や信頼性の観点からは、設計駆動電圧を大きくせざるを得なかった。
静電駆動方式を採用した従来の並列型スイッチでは、板ばねである可動部に可動駆動電極及び可動容量電極が設けられ、基板に固定駆動電極及び固定容量電極が設けられ、両駆動電極間の印加電圧により両駆動電極間に静電力が可動部のバネ力に抗するように生ずる。これらの電極は、両駆動電極間に生ずる静電力が両容量電極間の間隔が狭まる方向に生ずるように配置されている。両容量電極間の容量は、高周波伝送線路に対して並列的に設けられている。両駆動電極間に、両駆動電極間に生ずる静電力が板ばねの復元力よりも大きくなるような所定電圧(プルイン電圧)を印加すると、両容量電極間の間隔が最も狭まって、両容量電極間の容量が最大となって、入力された高周波信号が接地導体にシャントされ、当該スイッチがオフ状態となる。一方、両駆動電極間に電圧を印加せずに両駆動電極間に静電力を生じさせないと、バネの復元力により可動部が初期の位置まで戻り、両容量電極間が大きくなって、両容量電極間の容量が小さくなり、入力された高周波信号が接地導体にシャントされずに伝送され、当該スイッチがオン状態となる。このように、両駆動電極間の電圧を制御することで、当該スイッチのオンオフを切り替えることができる。
このような従来の並列型スイッチでは、オン時の両容量電極間の間隔が大きい方が当該スイッチによる挿入損失を下げることができるとともに、オフ時の両容量電極間の間隔をなるべく狭くした方が高周波信号の遮断特性(アイソレーション)を上げることができる。このため、初期の両容量電極間の間隔を大きくする。その結果、初期の両駆動電極間の間隔を大きくすることになる。これは、駆動電圧を上昇させる原因となる。このように、従来の並列型スイッチでは、信号通過特性の観点からは、設計駆動電圧を大きくせざるを得なかった。
以上の通り、静電駆動方式を採用した従来のMEMS型RFスイッチでは、直列型スイッチ及び並列型スイッチのいずれであっても、信号通過特性や信頼性の観点からは、高い駆動電圧を要していた。したがって、従来のスイッチは、数V程度以下の低い電圧で駆動することが要求される携帯端末などに対して搭載するのが困難であった。また、直列型スイッチの場合は、RFスイッチとして用いる場合のみならず、直流や低周波の信号をスイッチングするスイッチとして用いる場合も同様である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、静電駆動方式を採用するにも拘わらず、特別な不都合を生ずることなく、駆動電圧を小さくすることができるマイクロスイッチ及びその駆動方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の第1の態様によるマイクロスイッチは、固定部と、該固定部に対して移動し得るとともに所定位置に復帰しようとするバネ力が生ずるように設けられた可動部とを備え、前記固定部は第1の駆動電極部及び第1の電気接点部を有し、前記可動部は第2の駆動電極部及び第2の電気接点部を有し、前記第1及び第2の駆動電極部間に印加される電圧により前記第1及び第2の駆動電極部間に静電力が前記バネ力に抗するように生じ、前記第1及び第2の駆動電極部間に生ずる前記静電力が前記第1及び第2の電気接点部間の間隔が拡がる方向に生ずるように、前記第1及び第2の駆動電極部及び前記第1及び第2の電気接点部が配置され、前記第1及び第2の駆動電極部間に所定の大きさの前記静電力が生じている状態において前記第1及び第2の電気接点部間に一定の間隔が生ずる一方、前記第1及び第2の駆動電極部間に前記静電力が生じていない状態において前記第1及び第2の電気接点部が互いに接触するものである。前記可動部は、薄膜で構成してもよい。
本発明の第2の態様によるマイクロスイッチの駆動方法は、前記第1の態様によるマイクロスイッチを駆動する方法であって、前記第1及び第2の電気接点部間に間隔を生じさせている定常的な状態において、前記第1及び第2の駆動電極部間にその間がプルインされない電圧を印加するものである。
本発明の第3の態様によるマイクロスイッチは、固定部と、該固定部に対して移動し得るとともに所定位置に復帰しようとするバネ力が生ずるように設けられた可動部とを備え、前記固定部は第1の駆動電極部及び第1の容量電極部を有し、前記可動部は、第2の駆動電極部及び第2の容量電極部を有し、前記第1及び第2の駆動電極部間に印加される電圧により前記第1及び第2の駆動電極部間に静電力が前記バネ力に抗するように生じ、前記第1及び第2の容量電極部間の容量が高周波信号伝送部と接地導体との間の容量をなすように、前記第1及び第2の容量電極部が設けられ、前記第1及び第2の容量電極部間の容量の大小に応じて、高周波信号伝送部を流れる高周波信号のスイッチング動作を行い、前記第1及び第2の駆動電極部間に生ずる前記静電力が前記第1及び第2の容量電極部間の間隔が拡がる方向に生ずるように、前記第1及び第2の駆動電極部及び前記第1及び第2の容量電極部が配置されたものである。前記可動部は、薄膜で構成してもよい。
本発明の第4の態様によるマイクロスイッチは、前記第3の態様において、前記第1及び第2の駆動電極部間に前記静電力が生じていない状態において、前記第1及び第2の容量電極部間の間隔が前記第1及び第2の駆動電極部間の間隔よりも狭いものである。
本発明の第5の態様によるマイクロスイッチは、前記第3又は第4の態様において、前記固定部又は前記可動部に、前記第1及び第2の容量電極部間の最小間隔を規定する突起が設けられたものである。
本発明の第6の態様によるマイクロスイッチの駆動方法は、前記第3乃至第5のいずれかの態様によるマイクロスイッチを駆動する方法であって、前記第1及び第2の容量電極部間の容量を小さくしている定常的な状態において、前記第1及び第2の駆動電極部間にその間がプルインされない電圧を印加するものである。
本発明によれば、静電駆動方式を採用するにも拘わらず、信号通過特性を犠牲にしたり信頼性を犠牲にしたりするなどの特別な不都合を生ずることなく、駆動電圧を小さくすることができるマイクロスイッチ及びその駆動方法を提供することができる。
以下、本発明によるマイクロスイッチ及びその駆動方法について、図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態によるマイクロスイッチ(本実施の形態では、MEMSスイッチ)1を模式的に示す概略平面図である。図2及び図3はそれぞれ図1中のY1−Y2−Y3−Y4線に沿った断面を−X側から+X側に見た概略断面図である。図2は、駆動電極32,33間に静電力が生じていない状態を示している。図3は駆動電極32,33間に静電力が生じている状態を示している。図4は、図1中のY5−Y6線に沿った概略断面図である。図5は、図1中のX1−X2線に沿った概略断面図である。
説明の便宜上、図1乃至図5に示すように、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を定義する。マイクロスイッチ1の基板11の面がXY平面と平行となっている。また、Z軸方向のうち矢印の向きを+Z方向又は+Z側、その反対の向きを−Z方向又は−Z側と呼び、X軸方向及びY軸方向についても同様とする。なお、Z軸方向の+側を上側、Z軸方向の−側を下側という場合がある。
なお、以下に説明する材料等は例示であり、その材料等に限定されるものでない。
本実施の形態によるマイクロスイッチ1は、直列型スイッチとして構成され、シリコン基板等の基板11と、基板11の上方に配置された可動板12と、可動板12の上方に可動板12と対向するように配置された固定板13とを備えている。可動板12及び固定板13の他、基板11以外の後述する各構成要素は、薄膜で構成されている。
本実施の形態では、可動板12は、4本の短冊状の板ばね部14によって支持されている。各板ばね部14の一端が接続部15を介して可動板12に接続されている。接続部15は、図1に示すように、幅が狭く構成されることで、ある程度機械的な自由度を持っている。各板ばね部14の他端は、基板11上に形成されたAl膜からなる配線パターン16(図1では省略)を介して基板11から立ち上がる立ち上がり部を持つ脚部(アンカー部)17によって、基板11に固定されている。配線パターン16は、基板11に形成された絶縁膜をなす下側のSiN膜(シリコン酸化膜)18と保護膜をなす上側のSiN膜19との間に、形成されている。各配線パターン16のうちの1つの配線パターン16は、高周波信号を伝送する伝送線200aとなっており、図示しない高周波回路に接続される。本実施の形態では、図1に示すように、伝送線200aの両側にAl膜からなる接地導体パターン201が形成され、これらによってコプレーナ伝送線が構成されている。接地導体パターン201もSiN膜18,19間に形成されている。接地導体パターンは、接地される導体パターンである。
各板ばね部14は、後述する駆動電極32,33間に静電力が生じていない場合、図2に示すように上方に(+Z方向)湾曲している。本実施の形態では、可動板12、板ばね部14及び接続部15が、基板11等の固定部に対して上下方向へ移動し得るとともに図2に示す上側位置に復帰しようとするバネ力が生ずるように設けられた可動部を、構成している。4組の板ばね部14、接続部15及び脚部17が、可動板12に対して図1に示すように配置されることによって、可動板12は基板11に対して平行な状態を保ったまま上下動し得るようになっている。可動板12、板ばね部14及び接続部15以外の要素(基板11、固定板13等)が、固定部を構成している。
可動板12は、図2及び図3に示すように、下側から順に積層されたSiN膜21、Al膜22、Al膜23及びSiN膜24で構成されている。ただし、上側のSiN膜24には、後述する固定板13の電気接点135に対応する箇所に、可動板12の電気接点136を露出するための開口が形成されている。ここでは、可動板12におけるAl膜22,23を、可動板導体部31と呼ぶ。可動板12の周囲付近には、図2及び図3に示すように、補強のための段差12aが形成されている。
接続部15は、図2及び図3に示すように、下側から順に積層されたSiN膜28、可動板12からそのまま連続して延びたAl膜23、及び、可動板12からそのまま連続して延びたSiN膜24で構成されている。
板ばね部14は、下側から順に積層されたSiN膜25、Al膜26、接続部15からそのまま連続して延びたAl膜23、及び、接続部15からそのまま連続して延びたSiN膜24で構成されている。これらの膜25,26,23,24の内部応力によって、板ばね部14は、後述する駆動電極32,33間に静電力が生じていない場合、図2に示すように上方に(+Z方向)湾曲している。
板ばね部14の下方には、板ばね部14と対向する領域において、Al膜からなる固定側駆動電極(第1の駆動電極)32が形成されている。固定側駆動電極32は、基板11上のSiN膜18,19間に形成されている。板ばね部14におけるAl膜23,24、特に固定側駆動電極32と対向する領域のAl膜23,24が、可動側駆動電極(第2の駆動電極)33を構成している。駆動電極32,33間に電圧を印加すると、駆動電極32,33間に静電力が生ずるため、図3に示すように、可動部(板ばね部14、接続部15及び可動板12)は、下方へ移動し、その静電力と板ばね部14によるバネ力とが釣り合った位置で停止する。
脚部17は、板ばね部14を構成するSiN膜25、Al膜26、Al膜23、SiN膜24がそのまま連続して延びることによって構成されている。Al膜26は、脚部17においてSiN膜25に形成された開口を介して配線パターン16(そのうちの1つは、伝送線200a)に電気的に接続されている。脚部17の立ち上がった周囲付近には、図2及び図3に示すように、補強のための段差17aが形成されている。
以上の説明からわかるように、本実施の形態では、可動板導体部31及び駆動電極33は、互いに電気的に共通に接続され、脚部17において配線パターン16(そのうちの1つは、伝送線200a)に接続されている。
固定板13は、図1乃至図3に示すように可動板12の上方に可動板12と対向するように配置され、図1及び図4に示すように4つの支持部41によって基板11に対して動かないように基板11に固定されている。固定板13は、基本的に、Al膜27からなる固定板導体部34で構成されている。固定板13には、下方に突出したAl膜27からなる電気接点135が設けられている。なお、固定板導体部34の上面及び下面には、電気接点135の箇所を除いてSiN膜を形成してもよい。電気接点135は、後述するように、可動板12の電気接点136と接離する。本実施の形態では、可動板12の電気接点136は、可動板導体12における固定板13の電気接点135と接離する箇所(具体的には、電気接点135に対応してSiN膜24に形成された開口を介して接点135と対向するAl膜23の箇所)である。したがって、可動板12の電気接点136は、可動板導体部31、接続部15、板ばね部14及び脚部17を介して、伝送線200aと電気的に接続されている。
各支持部41は、基板11から立ち上がる立ち上がり部を持つ2つの脚部(アンカー)41aと、これらの脚部41aによって基板11に対して固定された支持本体41bと、支持本体41bと固定板13とを接続する接続部41cとを有している。図4に示すように、接続部41cは、固定板13の固定板導体部34を構成するAl膜27がそのまま連続して延びることによって構成されている。支持本体41bは、下側から順に積層されたSiN膜51、Al膜52、Al膜53、SiN膜54、及び、接続部41cからそのまま連続して延びたAl膜27で構成されている。なお、SiN膜54とAl膜27との間には、空隙91が形成されている。脚部41aは、支持本体41bを構成するSiN膜51、Al膜52、Al膜53、Al膜27がそのまま連続して延びることによって構成されている。脚部41aの立ち上がった周囲付近には、補強のための段差が形成されている。
図1及び図5に示すように、固定板13の固定板導体部34は、接続部61を介して、高周波信号を伝送する伝送線200bと電気的に接続されている。伝送線200bは、基板11上のSiN膜18,19間に形成されたAl膜からなる配線パターンであり、図示しない高周波回路に接続される。本実施の形態では、伝送線200bの両側にAl膜からなる接地導体パターン201が形成され、これらによってコプレーナ伝送線が構成されている。
接続部61は、伝送線200bを介して基板11から立ち上がる立ち上がり部を持つ脚部(アンカー部)61aと、−X側の端部が脚部61aを介して基板11に固定された1段目の接続板部61bと、接続板部61bの+X側の箇所から立ち上がる立ち上がり部を持つ脚部61cと、−X側の端部が脚部61cを介して接続板部61bに固定されるとともに+X側の端部が固定板13の−X側に接続された2段目の接続板部61dとを有している。
図5に示すように、接続板部61d及び脚部61cは、固定板13の固定板導体部34を構成するAl膜27がそのまま連続して延びることによって構成されている。接続板部61bは、下側から順に積層されたSiN膜71、Al膜72、Al膜73及びSiN膜74で構成されている。脚部61cのAl膜27は、接続板部61bにおいて、SiN膜74に形成された開口を介してAl膜73(ひいては、Al膜72)に電気的に接続されている。脚部61aは、接続板部61bを構成するSiN膜71、Al膜72、Al膜73、SiN膜74がそのまま連続して延びることによって構成されている。Al膜72は、脚部61aにおいてSiN膜71に形成された開口を介して伝送線200bに電気的に接続されている。
以上の説明からわかるように、本実施の形態では、固定板13の電気接点135は、固定板13の固定板導体部34及び接続部61を介して、伝送線200bと電気的に接続されている。
ここで、高周波信号に着目した本実施の形態によるマイクロスイッチ1の電気回路図を、図6に示す。図6からもわかるように、固定板の電気接点135と可動板12の電気接点136とが接離することで、両接点135,136間が導通・遮断し、これにより、一方の伝送線200aに入力された高周波信号の、他方の伝送線200bへの伝送が、オンオフされる。なお、電気接点135の方を突出させずに電気接点136の方を突出させたり、両接点135,136共に突出させたりしてもよいことは、言うまでもない。
本実施の形態では、駆動電極32,33間に静電力が生じていない場合、図2に示すように、可動板12の電気接点136が固定板13の電気接点135に当接し、しかもその際に板ばね部14のバネ力により電気接点136が電気接点135に押し付けられる力(接触圧)は、挿入損失(接点135,136間の接触抵抗による損失)が十分に小さくなるように、板ばね部14の応力等が設定されている。
駆動電極32,33間に電圧を印加せずにそれらの間に静電力が生じていない状態では、図2に示すように、可動板12の電気接点136と固定板13の電気接点135とが、一定の接触圧で接触する。その結果、このマイクロスイッチ1はオン状態となり、一方の伝送線200aに入力された高周波信号は、電気接点135,136を介して、他方の伝送線200bに流れる。駆動電極32,33間に電圧を印加してそれらの間に静電力を生じさせると、図3に示すように、可動部(板ばね部14、接続部15及び可動板12)が下方へ移動し、可動板12の電気接点136が固定板13の電気接点135から離れる。その結果、このマイクロスイッチ1はオフ状態となり、伝送線200aから伝送線200bへ高周波信号が流れなくなる。
先の説明からわかるように、本実施の形態では、固定側駆動電極32が相対的に下で可動側駆動電極33が相対的に上に配置されているのに対し、固定側電気接点135が相対的に上で可動側電気接点136が相対的に下で配置されており、駆動電極32,33と電気接点135,136とで、固定側と可動側の上下の位置関係が逆になっている。本実施の形態では、これにより、駆動電極32,33間に生ずる静電力が電気接点135,136間の間隔が拡がる方向に生ずるように、電極32,33及び電気接点135,136が配置されている。
したがって、本実施の形態では、当該マイクロスイッチ1がオン状態からオフ状態になるとき、原理的には、駆動電極32,33間の印加電圧がプルイン電圧よりはるかに低い領域においても、可動部(板ばね部14、接続部15及び可動板12)が下方へ移動さえすれば、電気接点135,136間が離れるため、スイッチング機能を果たすことが可能である。オフ時の電気接点135,136間の間隔の大きさが高周波信号のアイソレーション性能を決めるが、このアイソレーションを十分に保つだけの可動距離を設計することによって、プルイン現象を利用しないでスイッチングすることができる。具体的には、図2に示す状態の駆動電極32,33間の距離(より厳密には、固定板13がないと仮定した状態で、駆動電極32,33間に静電力が生じていない場合の、駆動電極32,33間の距離)の約3分の1の距離以下の距離が、アイソレーションを保てる距離となるように設計すればよい。
このように、本実施の形態によれば、駆動電極32,33と電気接点135,136とで固定側と可動側の上下の位置関係が逆になっているので、プルイン現象を利用しなくても、挿入損失が増大してしまうような特別な不都合を生ずることなく、スイッチング動作を行うことができる。したがって、本実施の形態によれば、特別な不都合を生ずることなく、プルイン電圧よりも低い駆動電圧でスイッチング動作を行うことができる。本実施の形態によるマイクロスイッチ1を駆動する場合、オフ状態にするべく電気接点135,136間に間隔を生じさせる際に及びその後にその間隔を生じさせている定常的な状態において、駆動電極32,33間にその間がプルインされない電圧(プルイン電圧よりも低い駆動電圧)を印加する。
次に、本実施の形態によるマイクロスイッチ1の製造方法の一例について、図7乃至図14を参照して簡単に説明する。図7乃至図14は、この製造方法の各工程をそれぞれ模式的に示す概略断面図であり、図2及び図3のほぼ左側半分に対応している。
まず、シリコン基板11の上面に熱酸化によってSiN膜18を成膜し、その上にAl膜を蒸着又はスパッタ法等によりデポした(図7(a))後に、フォトリソエッチング法により、そのAl膜を固定側駆動電極32、伝送線200a,200b、接地導体パターン201、配線パターン16及びその他の配線パターンの形状にパターニングする(図7(b))。
次いで、図7(b)に示す状態の基板の上に、SiN膜をプラズマCVD法などによりデポジションし、所定のフォトリソエッチング工程を施して、そのSiN膜を前記SiN膜19の形状にパターニングする(図8(a))。その後、犠牲層となるフォトレジスト101,102をコーティングし、これらのフォトレジスト101,102に所定のフォトリソエッチング工程を施す(図8(b))。
引き続いて、補強用の段差を形成するための犠牲層となるフォトレジスト103をコーティングし、これに所定のフォトリソエッチング工程を施す(図9(a))。
その後、図9(a)に示す状態の基板の上に、SiN膜をプラズマCVD法などによりデポジションし、所定のフォトリソエッチング工程を施して、そのSiN膜を前記SiN膜21,25,51,71の形状にパターニングする(図9(b))。
次に、図9(b)に示す状態の基板の上に、Al膜をスパッタリングなどにより成膜し、そのAl膜を前記Al膜22,26,52,72の形状にパターニングする(図10(a))。
次いで、図10(a)に示す状態の基板の上に、SiN膜をプラズマCVD法などによりデポジションし、所定のフォトリソエッチング工程を施して、そのSiN膜を接続部15の下側のSiN膜28の形状にパターニングする(図10(b))。
引き続いて、図10(b)に示す状態の基板の上に、Al膜をスパッタリングなどにより成膜し、そのAl膜を前記Al膜23,53,73の形状にパターニングする(図11(a))。
その後、図11(a)に示す状態の基板の上に、SiN膜をプラズマCVD法などによりデポジションし、所定のフォトリソエッチング工程を施して、そのSiN膜を前記SiN膜21,25,54,74の形状にパターニングする(図11(b))。
次に、穴埋めのため、犠牲層となるフォトレジスト104をコーティングし、これに所定のフォトリソエッチング工程を施す(図12(a))。
次いで、犠牲層となるフォトレジスト105をコーティングし、これに所定のフォトリソエッチング工程を施す(図12(b))。
引き続いて、補強用の段差を形成するための犠牲層となるフォトレジスト106をコーティングし、これに所定のフォトリソエッチング工程を施す(図13)。
その後、図13に示す状態の基板の上に、Al膜をスパッタリングなどにより成膜し、そのAl膜を前記Al膜27の形状にパターニングする(図14(a))。
最後に、犠牲層であるフォトレジスト101〜106を酸素プラズマでアッシング除去する(図14(b))。これにより、本実施の形態によるマイクロスイッチ1が完成する。なお、フォトレジスト101〜106の除去によって、板ばね部14は図2に示すように上方へ湾曲するが、理解を容易にするため、図14(b)では板ばね部14は湾曲しないものとして示している。
なお、フォトレジスト101〜106の除去後に前記膜23〜26の内部応力によって板ばね部14が図2に示すように上方に湾曲するように、各膜23〜26の成膜条件等を設定する。
なお、図面には示していないが、フォトレジスト101〜106の除去を完全に行うことができるように、適当な箇所にエッチング用の孔を設けておく。例えば、固定板13の固定板導体部34を構成するAl膜27には、エッチング用の孔を設けておく。
なお、支持部41及び接続部61は、図7乃至図14には示していないが、先の説明からわかるように、図7乃至図14に示す工程と並行して同時に形成される。
本実施の形態によれば、前述したように、挿入損失が増大してしまうような特別な不都合を生ずることなく、従来に比べて低い駆動電圧(プルイン電圧よりも低い駆動電圧)でスイッチング動作を行うことができるという利点が得られる。
なお、本実施の形態によるマイクロスイッチ1は、高周波スイッチとしてのみならず、直流や低周波の信号をスイッチングするスイッチとしても用いることができる。
[第2の実施の形態]
図15は、本発明の第2の実施の形態によるマイクロスイッチ(本実施の形態では、MEMSスイッチ)301を模式的に示す概略平面図である。図16及び図17はそれぞれ図15中のY7−Y8線に沿った概略断面図である。図16は、駆動電極32,33間に静電力が生じていない状態を示している。図17は駆動電極32,33間に静電力が生じている状態を示している。図15中のY9−Y10線に沿った断面は、図1中のY5−Y6線に沿った断面(図4参照)と同一となる。図15中のX3−X4線に沿った断面は、図1中のX1−X2線に沿った断面(図5参照)と同一となる。図15中のX6−X7線に沿った断面は、図1中のX1−X2線に沿った断面(図5参照)と同様となるが、伝送線200bに代えて伝送線200cが現れる。図15乃至図17において、図1乃至図5中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施の形態によるマイクロスイッチ301は、前記第1の実施の形態によるマイクロスイッチ1を改変して、並列型スイッチとして構成したものである。本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、以下に説明する点のみである。
本実施の形態では、可動板12の可動板導体部31(可動板12におけるAl膜22,23)は、可動側容量電極(第2の容量電極)となっている。固定板13の固定板導体部34は、固定側容量電極(第1の容量電極)となっており、両者の間に容量(可変容量)が形成される。よって、本実施の形態の説明では、可動板導体部31を可動側容量電極31と呼び、固定板導体部34を固定側容量電極34と呼ぶ場合がある。固定板13には電気接点135が設けられていないとともに、それに伴い可動板12にも電気接点136は存在せず、可動板導体部31と固定板導体部34とが電気的に接触することはない。
本実施の形態では、固定板13には、下方に突出したAl膜からなる突起35が設けられている。突起35と固定側容量電極34との間を電気的に絶縁するために、固定側容量電極34と突起35との間にSiN膜からなる突起保持部材36が設けられている。図16からわかるように、突起35は、可動板12と当接することで、可動側容量電極31と固定側容量電極34との間の最小間隔を規定するようになっている。突起35によって固定板13と可動板12との間の接触面積が小さくなるので、固定板13と可動板12とが貼り付いて離れなくなってしまうスティッキングと呼ばれる現象が生ずるおそれを低減することができる。もっとも、本発明では、突起35は必ずしも設ける必要はない。なお、このような突起は可動板12側に設けてもよい。なお、可動板12におけるSiN膜24には、突起35に対応する箇所に開口が形成されている。
前記第1の実施の形態では、各配線パターン16のうちの1つの配線パターン16が高周波信号を伝送する伝送線200aとなっているのに対し、本実施の形態では、その代わりに、その配線パターン16は接地導体パターン202となっている。よって、本実施の形態では、可動側容量電極31は接地導体パターン202に電気的に接続されている。
また、前記第1の実施の形態では、固定板13の固定板導体部34の−X側部分が接続部61を介して、高周波信号を伝送する伝送線200bと電気的に接続されているのみであったが、本実施の形態では、それに加えて、固定板13の固定板導体部34の+X側部分が接続部61を介して、高周波信号を伝送する伝送線200cと電気的に接続されている。伝送線200cは、基板11上のSiN膜18,19間に形成されたAl膜からなる配線パターンであり、図示しない高周波回路に接続される。本実施の形態では、伝送線200cの両側にAl膜からなる接地導体パターン201が形成され、これらによってコプレーナ伝送線が構成されている。
ここで、高周波信号に着目した本実施の形態によるマイクロスイッチ301の電気回路図を、図18に示す。図18からもわかるように、本実施の形態によるマイクロスイッチ301は高周波伝送線路に対して並列的に設けられた容量を有し、可動側容量電極31の位置を変えることで容量電極31,34間の容量を変化させ、前記容量の大小に応じて、一方の伝送線200aに入力された高周波信号を接地導体パターン202にシャントする状態(オフ状態)とシャントしない状態(オン状態)とを切り替える。これにより、一方の伝送線200cに入力された高周波信号の、他方の伝送線200bへの伝送が、オンオフされる。
本実施の形態では、駆動電極32,33間に静電力が生じていない場合、図2に示すように、可動板12が固定板13の突起35に当接し、しかもその際に板ばね部14のバネ力により可動板12が突起35に押し付けられる力は比較的小さくなるように、板ばね部14の応力等が設定されている。そして、本実施の形態では、この図2に示す状態において、容量電極31,34間の間隔が十分に小さくなるように設計されている。オフ状態のときに高周波信号を十分にシャントしてアイソレーションを十分に大きくするためには、駆動電極32,33間に静電力が生じていない状態における容量電極31,34間の容量は大きいほど好ましく、したがって、駆動電極32,33間に静電力が生じていない状態における容量電極31,34間の間隔は狭ければ狭いほど好ましい。したがって、この間隔は、少なくとも、駆動電極32,33間の間隔(本実施の形態では、平均間隔)よりも狭いことが好ましい。
駆動電極32,33間に電圧を印加せずにそれらの間に静電力が生じていない状態では、図2に示すように、容量電極31,34間の間隔が十分に小さくなり、容量電極31,34間の容量が十分に大きくなる。その結果、このマイクロスイッチ301はオフ状態となり、一方の伝送線200cに入力された高周波信号は、容量電極31,34間の容量によって接地導体パターン202へシャントされ、他方の伝送線200bへ流れなくなる。駆動電極32,33間に電圧を印加してそれらの間に静電力を生じさせると、図3に示すように、可動部(板ばね部14、接続部15及び可動板12)が下方へ移動し、容量電極31,34間の間隔が大きくなり、容量電極31,34間の容量が小さくなる。その結果、このマイクロスイッチ301はオン状態となり、一方の伝送線200cに入力された高周波信号は、容量電極31,34間の容量によって接地導体パターン202へシャントされなくなり、他方の伝送線200bへ流れる。
先の説明からわかるように、本実施の形態では、固定側駆動電極32が相対的に下で可動側駆動電極33が相対的に上に配置されているのに対し、固定側容量電極34が相対的に上で可動側容量電極31が相対的に下で配置されており、駆動電極と容量電極とで、固定側と可動側の上下の位置関係が逆になっている。本実施の形態では、これにより、駆動電極32,33間に生ずる静電力が容量電極31,34間の間隔が拡がる方向に生ずるように、電極32,33及び容量電極31,34が配置されている。
したがって、本実施の形態では、オフ状態において、プルイン現象を利用することなく、容量電極31,34間の間隔を十分に狭くして、アイソレーションを十分に高めることができる。また、駆動電極32,33間に静電力が生じていない状態において、容量電極31,34間の間隔を十分に狭くして容量電極31,34間の容量を十分に大きくすることができるので、プルイン現象が生じない範囲内の駆動電圧を駆動電極32,33間に印加しても、その際に得られる容量と、駆動電極32,33間に静電力が生じていない状態で得られる容量との比は、十分に大きくなる。このことは、オン状態において、プルイン現象を利用しなくても、容量電極31,34間の容量を十分に小さくすることができることを意味する。したがって、本実施の形態では、オン状態において、プルイン現象を利用することなく、容量電極31,34間の容量を十分に小さくして、当該マイクロスイッチ301による挿入損失(オン状態で、一方の伝送線200cから他方の伝送線200bへ伝送されずに前記容量を介して接地導体パターン202へ流れる成分に相当。)を十分に下げることができる。
このように、本実施の形態によれば、駆動電極32,33と容量電極31,34とで固定側と可動側の上下の位置関係が逆になっているので、プルイン現象を利用しなくても、アイソレーションが低下したり挿入損失が増大したりするような特別な不都合を生ずることなく、スイッチング動作を行うことができる。したがって、本実施の形態によれば、特別な不都合を生ずることなく、プルイン電圧よりも低い駆動電圧でスイッチング動作を行うことができる。本実施の形態によるマイクロスイッチ301を駆動する場合、オン状態にするべく容量電極31,34間の容量を小さくする際に及びその後にその容量を小さくしている定常的な状態において、駆動電極32,33間にその間がプルインされない電圧(プルイン電圧よりも低い駆動電圧)を印加する。
次に、本実施の形態によるマイクロスイッチ301の製造方法の一例について、図19及び図20を参照して簡単に説明する。図19及び図20は、この製造方法の各工程をそれぞれ模式的に示す概略断面図であり、図16及び図17のほぼ左側半分に対応している。
まず、前述した図7(a)から図13までのマイクロスイッチ1の製造工程と基本的に同様の工程を行う。図19(a)はここまでの工程を経た状態を示している。
次に、図19(a)に示す状態の基板の上に、Al膜をスパッタリングなどにより成膜し、そのAl膜を前記Al膜27及び突起35の形状にパターニングする(図19(b))。
その後、図19(b)に示す状態の基板の上に、SiN膜をプラズマCVD法などによりデポジションし、所定のフォトリソエッチング工程を施して、そのSiN膜を前記突起保持部材36の形状にパターニングする(図20(a))。
最後に、犠牲層であるフォトレジスト101〜106を酸素プラズマでアッシング除去する(図20(b))。これにより、本実施の形態によるマイクロスイッチ301が完成する。なお、フォトレジスト101〜106の除去によって、板ばね部14は図16に示すように上方へ湾曲するが、理解を容易にするため、図20(b)では板ばね部14は湾曲しないものとして示している。
本実施の形態によれば、前述したように、アイソレーションが低下したり挿入損失が増大したりするような特別な不都合を生ずることなく、従来に比べて低い駆動電圧(プルイン電圧よりも低い駆動電圧)でスイッチング動作を行うことができるという利点が得られる。
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
例えば、各部の膜構成(層数、材料等)は、前述した例に限定されるものではない。
本発明によるマイクロスイッチをRFスイッチとして用いる場合、その用途は特に限定されるものではないが、例えば、送受信回路の信号切り替えスイッチ、可変フィルタ切り替えスイッチなどに用いることができる。
本発明の第1の実施の形態によるマイクロスイッチを模式的に示す概略平面図である。 駆動電極間に静電力が生じていない状態における図1中のY1−Y2−Y3−Y4線に沿った概略断面図である。 駆動電極間に静電力が生じている状態における図1中のY1−Y2−Y3−Y4線に沿った概略断面図である。 図1中のY5−Y6線に沿った概略断面図である。 図1中のX1−X2線に沿った概略断面図である。 高周波信号に着目した図1に示すマイクロスイッチの電気回路図である。 図1に示すマイクロスイッチの製造方法を示す工程図である。 図7に引き続く工程を示す工程図である。 図8に引き続く工程を示す工程図である。 図9に引き続く工程を示す工程図である。 図10に引き続く工程を示す工程図である。 図11に引き続く工程を示す工程図である。 図12に引き続く工程を示す工程図である。 図13に引き続く工程を示す工程図である。 本発明の第2の実施の形態によるマイクロスイッチを模式的に示す概略平面図である。 駆動電極間に静電力が生じていない状態における図15中のY7−Y8線に沿った概略断面図である。 駆動電極間に静電力が生じている状態における図15中のY7−Y8線に沿った概略断面図である。 高周波信号に着目した図15に示すマイクロスイッチの電気回路図である。 図15に示すマイクロスイッチの製造方法を示す工程図である。 図19に引き続く工程を示す工程図である。
符号の説明
1,301 マイクロスイッチ
11 基板
12 可動板
13 固定板
14 板ばね部
31 可動板導体部
32 固定側駆動電極(第1の駆動電極)
33 可動側駆動電極(第2の駆動電極)
34 固定板導体部
135 固定側電気接点
136 可動側電気接点

Claims (6)

  1. 固定部と、該固定部に対して移動し得るとともに所定位置に復帰しようとするバネ力が生ずるように設けられた可動部とを備え、
    前記固定部は、第1の駆動電極部及び第1の電気接点部を有し、
    前記可動部は、第2の駆動電極部及び第2の電気接点部を有し、
    前記第1及び第2の駆動電極部間に印加される電圧により前記第1及び第2の駆動電極部間に静電力が前記バネ力に抗するように生じ、
    前記第1及び第2の駆動電極部間に生ずる前記静電力が前記第1及び第2の電気接点部間の間隔が拡がる方向に生ずるように、前記第1及び第2の駆動電極部及び前記第1及び第2の電気接点部が配置され、
    前記第1及び第2の駆動電極部間に所定の大きさの前記静電力が生じている状態において前記第1及び第2の電気接点部間に一定の間隔が生ずる一方、前記第1及び第2の駆動電極部間に前記静電力が生じていない状態において前記第1及び第2の電気接点部が互いに接触することを特徴とするマイクロスイッチ。
  2. 請求項1記載のマイクロスイッチを駆動する方法であって、前記第1及び第2の電気接点部間に間隔を生じさせている定常的な状態において、前記第1及び第2の駆動電極部間にその間がプルインされない電圧を印加することを特徴とするマイクロスイッチの駆動方法。
  3. 固定部と、該固定部に対して移動し得るとともに所定位置に復帰しようとするバネ力が生ずるように設けられた可動部とを備え、
    前記固定部は、第1の駆動電極部及び第1の容量電極部を有し、
    前記可動部は、第2の駆動電極部及び第2の容量電極部を有し、
    前記第1及び第2の駆動電極部間に印加される電圧により前記第1及び第2の駆動電極部間に静電力が前記バネ力に抗するように生じ、
    前記第1及び第2の容量電極部間の容量が高周波信号伝送部と接地導体との間の容量をなすように、前記第1及び第2の容量電極部が設けられ、
    前記第1及び第2の容量電極部間の容量の大小に応じて、高周波信号伝送部を流れる高周波信号のスイッチング動作を行い、
    前記第1及び第2の駆動電極部間に生ずる前記静電力が前記第1及び第2の容量電極部間の間隔が拡がる方向に生ずるように、前記第1及び第2の駆動電極部及び前記第1及び第2の容量電極部が配置されたことを特徴とするマイクロスイッチ。
  4. 前記第1及び第2の駆動電極部間に前記静電力が生じていない状態において、前記第1及び第2の容量電極部間の間隔が前記第1及び第2の駆動電極部間の間隔よりも狭いことを特徴とする請求項3記載のマイクロスイッチ。
  5. 前記固定部又は前記可動部に、前記第1及び第2の容量電極部間の最小間隔を規定する突起が設けられたことを特徴とする請求項3又は4記載のマイクロスイッチ。
  6. 請求項3乃至5のいずれかに記載のマイクロスイッチを駆動する方法であって、前記第1及び第2の容量電極部間の容量を小さくしている定常的な状態において、前記第1及び第2の駆動電極部間にその間がプルインされない電圧を印加することを特徴とするマイクロスイッチの駆動方法。
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