JP2010123353A - Memsスイッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】所謂スティッキング現象に基づく作動不良の発生を防止可能なMEMSスイッチを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係るMEMSスイッチは、所定の間隔をもって形成された少なくとも2本の平行な可動電極と;前記可動電極に連結され、当該可動電極に連動して移動する第1可動接点と;前記第1可動接点と対向し、前記可動電極の移動によって当該第1可動接点と接触/離間してオン・オフする第1固定接点と;前記少なくとも2本の平行な可動電極の間に形成され、互いに所定の間隔をもって配置された第1及び第2固定電極とを備えている。そして、前記第1及び第2固定電極に印加される電圧によって前記可動電極を駆動する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係るMEMSスイッチは、所定の間隔をもって形成された少なくとも2本の平行な可動電極と;前記可動電極に連結され、当該可動電極に連動して移動する第1可動接点と;前記第1可動接点と対向し、前記可動電極の移動によって当該第1可動接点と接触/離間してオン・オフする第1固定接点と;前記少なくとも2本の平行な可動電極の間に形成され、互いに所定の間隔をもって配置された第1及び第2固定電極とを備えている。そして、前記第1及び第2固定電極に印加される電圧によって前記可動電極を駆動する。
【選択図】図1
Description
この発明は、電極間に生じる静電引力を用いてスイッチングを行うMEMSスイッチ及びその製造方法に関する。特に、次世帯の携帯電話のアンテナ切り替えデバイス等の携帯無線端末機器に好適なMEMSスイッチ及びその製造方法に関する。
近年、ブロードバンド化や高周波化、グローバル化が進んでいることから、携帯電話や無線LANに代表される携帯無線端末機器では、高周波領域での使用が求められている。従来の携帯無線端末機器では、アンテナや送受信回路を切り替えるために、半導体デバイスであるFET(Field Effect Transistor)やダイオード等のスイッチが多用されてきた。しかしながら、半導体スイッチでは、数GHz帯以上の周波数領域で伝送損失が大きくなると共に、アイソレーション(Isolation)も低くなることから高周波信号をスイッチングすることが困難であった。
これに対してMEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を応用したスイッチ(MEMSスイッチ)では、機械的にほぼ完全にオン、オフを行うことができる。このため、MEMSスイッチでは、高周波領域を含む広い周波数帯域に亘って伝送損失を低く抑えると共に、高いアイソレーションを得ることができる。このような背景から、シリコン基板をベースとするRF(Radio-Frequency)−MEMSスイッチの研究が活発に進められてきた。
特開2008−059865号公報には、小型と低電圧で動作するMEMSスイッチが開示されている。特開2008−059865号公報に記載のMEMSスイッチにおいては、可動電極(13)と固定電極(15)が設けられ、可動電極は基板と垂直な動きをする構造となっている。そして、可動電極(13b)と固定電極(15b)が接触することによって、スイッチがONされるようになっている。この時、可動電極と固定電極に電圧を印加することで、可動電極が固定電極と接触する。また、ばねの復元力でスイッチをOFFするようになっている。
特開2008−059865号公報
特開2008-059865号公報に示す構造では、固定電極の上あるいは可動電極の下に絶縁層が作られ、可動電極と固定電極が接触後のショートを防いでいる。このため、可動電極と固定電極が接触した場合、絶縁層に電荷が溜まる場合がある。この場合、印加電圧がOFFになっても、絶縁層に溜まった電荷の静電力で、可動電極と固定電極が離れないスティキング現象が起こる場合がある。すなわち、電圧をOFFにしても、スイッチがOFFされない状況が発生する。
国際公開WO2005/015595号公報には、本発明に関連するマイクロスイッチング素子の構造が開示されている。
国際公開WO2005/015595号公報
また、特開2004−134370号公報には、二つの電極を用いてスイッチのONとOFF制御をする構造が開示されている。しかしながら、このような構造においては、固定電極と可動電極とが接合する力を大きくするために、固定電極と可動電極との対向面積を大きくしようとすると、各電極のサイズを大きくする必要がある。その結果、スイッチ構造部が大きくなったり、形状の自由度が損なわれる等の問題点がった。更に、可動電極が直接導通経路になるため、単に先端が接点と接触するだけでは信号を伝達しにくいなどの不具合がある。
特開2004−134370号公報
ところで、現在では2個のMEMSでSPDT(Single Pole Double Throw) スイッチを構成する構造が提案されている。しかしながら、2個のMEMSデバイスを用いるためスイッチが大型化する等の問題がある。なお、SPDTは、1入力2出力スイッチで、2出力のうち、いずれかがオンになっている状態と、いずれの出力もオフで入力電力がほぼ全反射する状態の計3つの状態がある。
本発明は上記のような状況に鑑みてなされたものであり、所謂スティッキング現象に基づく作動不良の発生を防止可能なMEMSスイッチを提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、単一のMEMSデバイスによって小型のSPDTスイッチを構成可能なMEMSスイッチを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係るMEMSスイッチは、所定の間隔をもって形成された少なくとも2本の平行な可動電極と;前記可動電極に連結され、当該可動電極に連動して移動する第1可動接点と;前記第1可動接点と対向し、前記可動電極の移動によって当該第1可動接点と接触/離間してオン・オフする第1固定接点と;前記少なくとも2本の平行な可動電極の間に形成され、互いに所定の間隔をもって配置された第1及び第2固定電極とを備えている。そして、前記第1及び第2固定電極に印加される電圧によって前記可動電極を駆動する。
本発明の第2の態様に係るMEMSスイッチは、所定の間隔をもって形成された少なくとも2本の平行な可動電極と;前記可動電極に連結され、当該可動電極に連動して移動する第1及び第2可動接点と;前記第1可動接点と対向し、前記可動電極の移動によって当該第1可動接点と接触/離間してオン・オフする第1固定接点と;前記第2可動接点と対向し、前記可動電極の移動によって当該第2可動接点と接触/離間してオン・オフする第2固定接点と;前記少なくとも2本の平行な可動電極の間に形成され、所定の間隔をもって配置された第1及び第2固定電極とを備えている。ここで、前記第1可動接点と前記第1固定接点によって第1スイッチが形成され、前記第2可動接点と前記第2固定接点によって第2スイッチが形成される。そして、前記第1及び第2固定電極に印加される電圧によって前記可動電極を駆動し、これによって前記第1スイッチ及び第2スイッチをオン・オフする。
上記のような本発明の第1及び第2の態様によれば、所謂スティキング現象が発生してもスイッチが問題なく動作することになる。また、可動電極と固定電極とのトータルの対向面積が増加し、固定電極の厚さを小さくできるという利点がある。これによって、膜の薄膜化ができ、プロセス装置の負担を緩和できることになる。
また、可動電極に連動する可動接点が固定接点と接触する構造であり、可動電極が直接導通経路にならないため、信号の伝達が良好になるというメリットもある。
本発明の第2の態様によれば、1つのMEMSでSPDTスイッチを構成でき、SPDTスイッチの小型化を図ることができる。
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施例に係るMEMSスイッチの構造を示す平面図である。本実施例のMEMSスイッチ110は、所定の間隔をもって形成された2本の平行な可動電極118a,118bと;可動電極118a,118bに連結され、当該可動電極118a,118bに連動して移動する第1可動接点122と;第1可動接点122と対向し、可動電極118a,118bの移動によって当該第1可動接点122と接触/離間してオン・オフする第1固定接点120と;2本の平行な可動電極118a,118bの間に形成され、互いに所定の間隔をもって配置された第1及び第2固定電極114,116とを備えている。
可動電極118a,118bは、基板上において当該可動電極118a,118bと直交する連結部材118cによって連結されている。なお、これら可動電極118a,118bと連結部材118cを全て含めて「可動電極」と言うこともできる。第1及び第2固定電極114,116に印加される電圧によって、可動電極118a,118bと連結部材118cとが一体で移動するようになっている。
可動電極118a,118bは固定電極114,116と対向する部分が絶縁層124で覆われている。ここで、第1固定電極114と、第2固定電極116と、可動電極118a,118bに別々の電圧を印加することが可能である。なお、本実施例においては、可動電極118a,118bは常時アースされている。
第1可動接点122は、連結部材118cの先端に絶縁膜126を介して設けられている。一対の第1固定接点120は、信号線119に接続されている。第1及び第2可動電極118a,118bの端部は、バネ128を介してアンカー112に接続されている。第1可動接点122と可動電極118a,118bは半導体基板の面に対して平行に動く。
スイッチの絶縁部124,126以外は全て導体によって構成されている。第2固定電極116にはV2の電圧を印加可能となっている。第1固定電極114にはV1の電圧を印加可能となっている。可動電極118a,118bの他、アンカー112、バネ128もアースされている。固定電極114,116と可動電極118a,118bの距離はd1、絶縁部124の幅はd4、固定電極114,116同士の距離はd2で示してある。可動接点122と固定接点120との距離はd3とする。固定電極114,116の長さはd5とし、厚さはd6(図3(G)参照)とする。絶縁部124,126、可動接点122も可動電極118a,118b(118c)上に形成され、可動電極118a,118b(118c)と一体で移動するようになっている。
次に、本実施例に係るMEMSスイッチ110の製造工程について説明する。図2(A)〜(D)、図3(E)〜(G)は図1のA−A‘方向の断面図であり、第1実施例に係るMEMSスイッチ110の製造工程を示す。
まず、図2(A)で示すように、Si基板150上に周知の方法(例:PECVD)により、SiO2膜152を形成する。次に、スパッタリング工程により、図2(B)で示すように、SiO2膜152上にW膜154を堆積する。ここで、W膜154の厚みが後の固定電極114,116の厚さd6となる。その後、図2(C)で示すように、エッチングによりW膜154に溝156を形成する。
次に、周知の方法(例えば、LPCVD)によって、図2(D)に示すように、W膜154上及び溝156内にSiN膜158を形成する。次に、図3(E)に示すように、W膜154上のSiN膜158をエッチングにより除去する。続いて、エッチング工程により、図3(F)に示すように、可動電極118a,118b、可動接点122、固定接点120、固定電極114,116となる部分を残してパターニングする。その後、図3(G)に示すように、W膜154をフッ酸を用いたウエットエッチングによって除去し、SiO2膜152をリリースする。これによって、厚さd6の固定電極114,116が成形される。
次に、上述した第1実施例の動作について図4及び図5を参照して説明する。図4は、MEMSスイッチ110のオン動作、図5はオフ動作を示す説明図である。
まず、スイッチをONする動作について説明する。第1固定電極114のV1をONし、第2固定電極116のV2をOFFする。可動電極118a,118bをアースする。可動電極118bと第1固定電極114間の静電力により、可動電極118a,118bが第1固定電極114の方向に移動する。これにより、可動電極118bと第1固定電極114との間隔が小さくなり、最終的には、可動電極118bが第1固定電極114と接触する。これによって、可動接点122が固定接点120と接触し、スイッチがONする。
次に、スイッチをOFFする動作について説明する。スイッチONの状態から、まず、第1固定電極114のV1をOFFし、第2固定電極116のV2をONする。可動電極118aと第2固定電極116間の静電力により、可動電極118a,118bが第2固定電極116の方向に移動する。これにより、可動電極118bが第1固定電極114から引き離される。同様に、可動接点122も固定接点120から引き離される。これによって、スイッチがOFFになる。
例えば、定常状態でd1=0.5um、d2=0.2um、d3=0.4um、d4=0.1um、d5=10um、d6=5umの場合、第2固定電極116と可動電極118a、第1固定電極114と可動電極118bの対向面積は両方とも100um2である。ばね部128のばね係数が約0.1N/m(ばね1本)とすると、シミュレーションの結果により、第1固定電極114に約V1≒12Vの電圧を印加すると可動電極118bが第1固定電極に接触し、第1可動接点122が第1固定接点120に接触する。したがって、スイッチがONする。この状態で、絶縁層124に電荷がチャージし始める。
第1固定電極114と可動電極118bとの間に働く力F1は以下の式(1)で示すことができる。
F1=FV1+FQ-Fr (1)
FV1:印加電圧V1による静電力
Fr:ばね128の復元力
FQ:チャージされた電荷による静電力
F1=FV1+FQ-Fr (1)
FV1:印加電圧V1による静電力
Fr:ばね128の復元力
FQ:チャージされた電荷による静電力
また、ばね128の復元力Frの大きさは以下の式(2)で計算される。
Fr=k×d1×4 =0.2uN (2)
kは一本ばねのばね係数
d1:第1固定電極114と可動電極118bとが接触した場合の可動電極の変位
「4」は、ばね128が4つあるため、これに対応している。
Fr=k×d1×4 =0.2uN (2)
kは一本ばねのばね係数
d1:第1固定電極114と可動電極118bとが接触した場合の可動電極の変位
「4」は、ばね128が4つあるため、これに対応している。
FQの大きさは第1固定電極114と可動電極118bにチャージする電荷量と関係する。電荷量は、第1固定電極114と可動電極118bとの接触時間、絶縁膜124のトラップ密度などと関係する。
また、第1固定電極114にかかる電圧V1が12V−>0Vのとき、FQ<Frの場合スティキング現象が発生せず、第1固定電極114と可動電極118bとが離れる。この場合、第2固定電極116には電圧V2を印加しなくても、スイッチが通常にOFFする。
これに対して、FQ>Frの場合にはスティキング現象が発生し、第1固定電極114と可動電極118bとの間に働く力F1は以下の式(3)で示すことができる。
F1=FQ−Fr (3)
F1=FQ−Fr (3)
例えば、FQがFrの2倍(0.4uN)の場合は、第1固定電極114と可動電極118bとの間に働く力F1が0.2uNになる。スティキングを防ぐには、第2固定電極116と可動電極118aに働く力F2を0.2uN以上にする必要がある。このときの第2固定電極116と可動電極118aとの間隔は、図4に示すように、d1の2倍になる。可動電極118aと第2固定電極116間のエネルギーUは、以下の式(数1)で示され、式(数1)から第2固定電極116と可動電極118aに働く力は式(数2)として求められる。(可動電極上の絶縁層は薄いため、無視して計算する。)
「S」は、第2固定電極116と可動電極118aの対向面積100E−12m2である。「C2」は、可動電極と第2固定電極間の容量、「ε」は空気の誘電率で8.85E−12F/mである。
したがって、第2固定電極116と可動電極118aにかかる電圧は、以下の式5で計算できる。
V2=root[F2*2*(2*d1)2/Sε] (5)
式5によると、F2>0.2uNの場合、V2>21.5Vにするとスティキングを解決できる。
したがって、第2固定電極116と可動電極118aにかかる電圧は、以下の式5で計算できる。
V2=root[F2*2*(2*d1)2/Sε] (5)
式5によると、F2>0.2uNの場合、V2>21.5Vにするとスティキングを解決できる。
以上のような理由により、本実施例においてスイッチ動作するには以下のような電圧設定とする。
スイッチON:第1固定電極114にV1≒12Vを印加する。第2固定電極116はV2=0V
スイッチOFF:第1固定電極114にV1≒0V。第2固定電極116はV2=21.5Vを印加する。第2固定電極116と可動電極118aとの接触を防ぐため、スイッチがOFFしたらV2も直ちにOFFする。なお、上述したように、可動電極118a,118bは常にアースしておく。
スイッチON:第1固定電極114にV1≒12Vを印加する。第2固定電極116はV2=0V
スイッチOFF:第1固定電極114にV1≒0V。第2固定電極116はV2=21.5Vを印加する。第2固定電極116と可動電極118aとの接触を防ぐため、スイッチがOFFしたらV2も直ちにOFFする。なお、上述したように、可動電極118a,118bは常にアースしておく。
以上のように本発明の第1実施例によれば、スティキングが発生してもスイッチが問題なく動作する。すなわち、スイッチがON動作時、可動電極118bと第1固定電極114が接触する場合、V1がONするため、絶縁層124に電荷がチャージされる。このチャージによって、V1がOFFになっても、チャージされた電荷の静電力で、可動電極118bは第1固定電極114と接触したままのスティキングが生じる。スイッチがOFF動作時は、可動電極118aと第2固定電極116との間に静電力が発生するため、可動電極118aが第2固定電極116の方向に移動する。したがって、スティキングが発生しても、強制的に可動接点122は固定接点120及び第1固定電極114から離れ、スイッチをOFFさせる。
次に、本発明の第2実施例について説明する。図6は、本発明の第2実施例に係るMEMSスイッチ210の構造を示す平面図である。なお、基本的な構造は上述した第1実施例に係る構造110と同様であり、重複した説明は適宜省略する。
本実施例に係るMEMSスイッチ210は、所定の間隔をもって形成された2本の平行な可動電極218a,218bと;
可動電極218a,218bに連結され、当該可動電極に連動して移動する第1及び第2可動接点222a,222bと;第1可動接点222aと対向し、可動電極218a,218bの移動によって当該第1可動接点222aと接触/離間してオン・オフする第1固定接点220aと;第2可動接点222bと対向し、可動電極218a,218bの移動によって当該第2可動接点222bと接触/離間してオン・オフする第2固定接点220bと;2の平行な可動電極218a,218bの間に形成され、所定の間隔をもって配置された第1及び第2固定電極214,216とを備えている。
可動電極218a,218bに連結され、当該可動電極に連動して移動する第1及び第2可動接点222a,222bと;第1可動接点222aと対向し、可動電極218a,218bの移動によって当該第1可動接点222aと接触/離間してオン・オフする第1固定接点220aと;第2可動接点222bと対向し、可動電極218a,218bの移動によって当該第2可動接点222bと接触/離間してオン・オフする第2固定接点220bと;2の平行な可動電極218a,218bの間に形成され、所定の間隔をもって配置された第1及び第2固定電極214,216とを備えている。
そして、第1可動接点222aと第1固定接点220aによって第1スイッチが形成される。また、第2可動接点222bと第2固定接点220bによって第2スイッチが形成される。第1及び第2固定電極214,216に印加される電圧によって可動電極218a,218bを駆動し、これによって第1スイッチ及び第2スイッチをオン・オフするようになっている。
可動電極218a,218bは、半導体基板上において可動電極218a,218bと直交する連結部材218cによって連結されている。なお、これら可動電極218a,218bと連結部材218cを含めて可動電極と言うこともできる。そして、第1及び第2固定電極214,216に印加される電圧によって可動電極218a,218bと連結部材218cとが一体で移動するようになっている。
可動電極218a,218bは固定電極214,216と対向する部分が絶縁層224で覆われている。ここで、第1固定電極214と、第2固定電極216と、可動電極218a,218bに別々の電圧を印加することが可能である。なお、本実施例においては可動電極218a,218bは常時アースされている。
第1可動接点222aは、連結部材218cの先端に絶縁膜226aを介して設けられている。一対の第1固定接点220aは、信号線219に接続されている。同様に、第2可動接点222bは、連結部材218cの他の先端に絶縁膜226bを介して設けられている。一対の第2固定接点220bは、信号線219に接続されている。第1及び第2可動電極218a,218bの端部は、バネ228を介してアンカー212に接続されている。第1及び第2可動接点222a,222bと可動電極218a,218bは半導体基板の面に対して平行に動く。
スイッチの絶縁部224,226以外は全て導体によって構成されている。第2固定電極216にはV2の電圧を印加可能となっている。第1固定電極214にはV1の電圧を印加可能となっている。可動電極218a,218b、アンカー212、バネ228は全てアースされている。固定電極214,216と可動電極218a,218bの距離はd1、絶縁部224の幅はd4、固定電極214,216同士の距離はd2で示してある。第1及び第2可動接点222a,222bと第1及び第2固定接点220a,220bとの距離は各々d3とする。固定電極214,216の長さはd5とし、厚さはd6(図8(G)参照)とする。絶縁部224,226、第1及び第2可動接点222a,222bも可動電極218a,218b(218c)上に形成され、可動電極218a,218b(218c)と一体で移動するようになっている。
次に、本実施例に係るMEMSスイッチ210の製造工程について説明する。図7(A)〜(D)、図8(E)〜(G)は図6のA−A‘方向の断面図であり、第2実施例に係るMEMSスイッチ210の製造工程を示す。
まず、図7(A)で示すように、Si基板250上に周知の方法(例:PECVD)により、SiO2膜252を形成する。次に、スパッタリング工程により、図7(B)で示すように、SiO2膜252上にW膜254を堆積する。ここで、W膜254の厚みが、後の固定電極214,216の厚さd6となる。その後、図7(C)で示すように、エッチングによりW膜254に溝256を形成する。
次に、周知の方法(例えば、LPCVD)によって、図7(D)に示すように、W膜254上及び溝256内にSiN膜258を形成する。次に、図8(E)に示すように、W膜254上のSiN膜258をエッチングにより除去する。続いて、エッチング工程により、図8(F)に示すように、可動電極218a,218b、第1及び第2可動接点222a,222b、第1及び第2固定接点220a,220b、固定電極214,216となる部分を残してパターニングする。その後、図8(G)に示すように、W膜254をフッ酸を用いたエッチングによって除去し、SiO2膜252をリリースする。これによって、厚さd6の固定電極214,216が成形される。
次に、本実施例の動作について図9及び図10を参照して説明する。まず、スイッチ1をONし、スイッチ2をOFFする動作について、図9を参照して説明する。第1固定電極214のV1をONし、第2固定電極216のV2をOFFする。可動電極218a,218bをアースし、可動電極218bと第1固定電極214間の静電力により、可動電極218a,218bが第1固定電極214の方向に移動する。これにより、可動電極218bと第1固定電極214との間隔が小さくなり、最終的には、可動電極218bが第1固定電極214と接触する。これによって、可動接点222aが固定接点220aと接触し、スイッチ1がONする。これに対して、第2可動接点222bは第2固定接点220bと接触せず、OFF状態である。
次に、スイッチ1をOFFし、スイッチ2をONする動作について、図10を参照して説明する。定常状態から、まず第1固定電極214のV1をOFFし、第2固定電極216のV2をONする。可動電極218aと第2固定電極216間の静電力により、可動電極218a,218bが第2固定電極216の方向に移動する。これにより、可動電極218aと第2固定電極216との間隔が小さくなり、最終的には、可動電極218aが第2固定電極216と接触する。これによって、可動接点222bが固定接点220bと接触し、スイッチ2がONする。これに対して、第1可動接点222aは第1固定接点220aと接触せず、スイッチ1がOFF状態となる。
次に、スイッチ1及びスイッチ2を両方ともOFFにする動作について説明する。まず、スイッチ1がON,スイッチ2がOFFの状態(図9)から両スイッチをOFFするには、第1固定電極214のV1をOFFするとともに、第2固定電極216にV2を印加する。これによって、スイッチ1がOFFする。一方、スイッチ1がOFF,スイッチ2がONの状態(図10)から両スイッチをOFFするには、第1固定電極214にV1を印加し、第2固定電極216のV2をOFFする。これによって、スイッチ2がOFFする。
例えば、定常状態でd1=0.5um、d2=0.2um、d3=0.4um、d4=0.1um、d5=10um、d6=5umの場合、第2固定電極216と可動電極218a、第1固定電極214と可動電極218bの対向面積は両方とも100um2である。ばね部228のばね係数が約0.1N/m(ばね1本)とする。
定常状態からスイッチ1をONするには、実施例1の動作説明例と同じように、第1固定電極214に約V1≒12Vの電圧を印加すると可動電極218bが第1固定電極に接触し、第1可動接点222aが第1固定接点220aに接触する。したがって、スイッチ1がONする。また、式3のFQがばね228の復元力の2倍の0.4uNとすると、F2>0.2uNで、スティキングを改善することができる。式5では、F2>0.2uN の場合V2>21.5VにするとF2>F1になり、スイッチ1がOFFする。
同様に、スイッチ2のONとOFFは以下の条件で実現可能となる。スイッチ2をONするには、第2固定電極216にV2≒12Vの電圧を印加する。第1固定電極214の電圧V1=0Vとする。一方、スイッチ2をOFFするには、第2固定電極216の電圧V2≒0Vとし、第1固定電極214には電圧V1=21.5Vを印加する。
以上のように、本実施例においては、スイッチ動作では以下の電圧設定とする。
(1)スイッチ1ON、スイッチ2OFF:第1固定電極214にV1≒12Vを印加する。第2固定電極216の電圧はV2=0V。
(2)スイッチ1OFF、スイッチ2OFF:第1固定電極214の電圧V1=0V。第2固定電極216の電圧V2=21.5Vを印加する。第2固定電極216と可動電極218aの接触を防ぐため、スイッチがOFFしたらV2もすぐOFFする。
(3)スイッチ2ON、スイッチ1OFF:第2固定電極216に電圧V2≒12Vを印加する。第1固定電極214の電圧V1=0V。
(4)スイッチ2OFF、スイッチ1OFF:第2固定電極216に電圧V2=0V。第1固定電極214には電圧V1=21.5Vを印加する。第1固定電極214と可動電極218bの接触を防ぐため、スイッチがOFFしたらV1もすぐOFFする。ただし、可動電極218a,218bは常にアースにする。
(1)スイッチ1ON、スイッチ2OFF:第1固定電極214にV1≒12Vを印加する。第2固定電極216の電圧はV2=0V。
(2)スイッチ1OFF、スイッチ2OFF:第1固定電極214の電圧V1=0V。第2固定電極216の電圧V2=21.5Vを印加する。第2固定電極216と可動電極218aの接触を防ぐため、スイッチがOFFしたらV2もすぐOFFする。
(3)スイッチ2ON、スイッチ1OFF:第2固定電極216に電圧V2≒12Vを印加する。第1固定電極214の電圧V1=0V。
(4)スイッチ2OFF、スイッチ1OFF:第2固定電極216に電圧V2=0V。第1固定電極214には電圧V1=21.5Vを印加する。第1固定電極214と可動電極218bの接触を防ぐため、スイッチがOFFしたらV1もすぐOFFする。ただし、可動電極218a,218bは常にアースにする。
本実施例によれば、所謂スティキング現象が発生しても、スイッチ動作に影響しないSPDTスイッチの実現が可能となる。また、1つのMEMSでSPDTスイッチを構成でき、SPDTスイッチの小型化を図ることができる。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲に示された技術的思想の範疇において変更可能なものである。
上述した第1及び第2実施例においては固定電極を2つとしているが、例えば、図11のように可動電極(318a,318b,318c,318d)と固定電極(314−1,316−1,314−2,316−2,314−3,316−3)の数を増やすことができる。この場合、可動電極と固定電極とのトータルの対向面積が増加し、固定電極の厚さ(d6)小さくできる。すなわち、膜の薄膜化ができ、プロセス装置の負担を緩和できる。また、第2実施例のSPDTスイッチを2個使用することで、SP4Tスイッチを構成することが出来る。
110,210:MEMSスイッチ
112,212:アース
114,214:第1固定電極
116,216:第2固定電極
118a,218a:第1可動電極
118b,118b:第2可動電極
120,220a:第1固定接点
122,222a:第1可動接点
220b:第2固定接点
222b:第2可動接点
124,126,224,226:絶縁膜
112,212:アース
114,214:第1固定電極
116,216:第2固定電極
118a,218a:第1可動電極
118b,118b:第2可動電極
120,220a:第1固定接点
122,222a:第1可動接点
220b:第2固定接点
222b:第2可動接点
124,126,224,226:絶縁膜
Claims (15)
- 半導体基板上に形成されるMEMSスイッチにおいて、
所定の間隔をもって形成された少なくとも2本の平行な可動電極と;
前記可動電極に連結され、当該可動電極に連動して移動する第1可動接点と;
前記第1可動接点と対向し、前記可動電極の移動によって当該第1可動接点と接触/離間してオン・オフする第1固定接点と;
前記少なくとも2本の平行な可動電極の間に形成され、互いに所定の間隔をもって配置された第1及び第2固定電極とを備え、
前記第1及び第2固定電極に印加される電圧によって前記可動電極を駆動することを特徴とするMEMSスイッチ。 - 前記可動電極は前記固定電極と対向する部分が絶縁層で覆われていることを特徴とする請求項1に記載のMEMSスイッチ。
- 前記第1可動接点と前記可動電極は前記半導体基板の面に対して平行に動くことを特徴とする請求項1又は2に記載のMEMSスイッチ。
- 前記第1固定電極と、前記第2固定電極と、前記可動電極に別々の電圧を印加可能としたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のMEMSスイッチ。
- 前記第1固定電極と前記可動電極間の静電力で前記第1可動接点が前記第1固定接点の方向に移動することによってスイッチONし;
前記第2固定電極と前記可動電極間の静電力で前記第1可動接点が前記第1固定接点から離れる方向に移動することによって、スイッチのOFFすることを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載のMEMSスイッチ。 - 前記可動電極はアースされていることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5に記載のMEMSスイッチ。
- 前記第1の固定電極と前記可動電極の一方との間隔が、前記第2の固定電極と前記可動電極の他方との間隔と同じであることを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6に記載のMEMSスイッチ。
- 半導体基板上に形成されたMEMSスイッチにおいて、
所定の間隔をもって形成された少なくとも2本の平行な可動電極と;
前記可動電極に連結され、当該可動電極に連動して移動する第1及び第2可動接点と;
前記第1可動接点と対向し、前記可動電極の移動によって当該第1可動接点と接触/離間してオン・オフする第1固定接点と;
前記第2可動接点と対向し、前記可動電極の移動によって当該第2可動接点と接触/離間してオン・オフする第2固定接点と;
前記少なくとも2本の平行な可動電極の間に形成され、所定の間隔をもって配置された第1及び第2固定電極とを備え、
前記第1可動接点と前記第1固定接点によって第1スイッチが形成され、
前記第2可動接点と前記第2固定接点によって第2スイッチが形成され、
前記第1及び第2固定電極に印加される電圧によって前記可動電極を駆動し、これによって前記第1スイッチ及び第2スイッチをオン・オフすることを特徴とするMEMSスイッチ。 - 前記の第2可動接点は前記第2固定接点と同一の水平面内に形成されることを特徴とする請求項8に記載のMEMSスイッチ。
- 前記第2可動接点と前記可動電極は前記半導体基板の表面に対して平行に移動することを特徴とする請求項8又は9に記載のMEMSスイッチ。
- 前記第1及び第2の可動接点は共に前記可動電極に連結され、前記第1及び第2スイッチが前記第1及び第2固定電極を共用するSPDTスイッチとして動作することを特徴とする請求項8,9又は10に記載のMEMSスイッチ。
- 前記第1固定電極に電圧を印加し、前記第2固定電極と前記可動電極とをアースすることにより、前記第1可動接点と前記第1固定接点とを接触させ、これによって前記第1スイッチ1をオンし、前記第2スイッチをオフすることを特徴とする請求項8,9,10又は11に記載のMEMSスイッチ。
- 前記第2固定電極に電圧を印加し、前記第1固定電極と前記可動電極をアースすることにより、前記第1可動接点を前記第1固定接点から引き離し、これによって前記第1スイッチをオフし、前記第2スイッチをオンすることを特徴とする請求項8,9,10,11又は12に記載のMEMSスイッチ。
- 前記第2固定電極に電圧を印加し、前記第1固定電極と前記可動電極をアースすることにより、前記第2可動接点と前記第2固定接点とを接触させ、これによって前記第2スイッチをオンし、前記第1スイッチをオフすることを特徴とする請求項8,9,10,11又は12に記載のMEMSスイッチ。
- 前記第1固定電極に電圧を印加し、前記第2固定電極と前記可動電極をアースすることにより、前記第2可動接点を前記第2固定接点から引き離し、これによって前記第1及び第2スイッチをオフすることを特徴とする請求項8,9,10,11,12,13又は14に記載のMEMSスイッチ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008294920A JP2010123353A (ja) | 2008-11-18 | 2008-11-18 | Memsスイッチ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008294920A JP2010123353A (ja) | 2008-11-18 | 2008-11-18 | Memsスイッチ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2010123353A true JP2010123353A (ja) | 2010-06-03 |
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ID=42324524
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008294920A Withdrawn JP2010123353A (ja) | 2008-11-18 | 2008-11-18 | Memsスイッチ |
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JP (1) | JP2010123353A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104241035A (zh) * | 2014-09-01 | 2014-12-24 | 清华大学 | 一种双段式静电驱动微机械开关 |
-
2008
- 2008-11-18 JP JP2008294920A patent/JP2010123353A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104241035A (zh) * | 2014-09-01 | 2014-12-24 | 清华大学 | 一种双段式静电驱动微机械开关 |
CN104241035B (zh) * | 2014-09-01 | 2016-08-24 | 清华大学 | 一种双段式静电驱动微机械开关 |
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