JP2008175135A - V型内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】V型内燃機関に複リンク式の可変圧縮比機構を適用する際に、左右バンクの圧縮比変化量を同一にする。
【解決手段】アッパーリンク4、ロアリンク3及びコントロールリンク5と、コントロールリンク5の他端を揺動可能に支持するコントロールシャフト6と、コントロールリンク5の揺動中心位置を相対的に変化させることにより機関圧縮比を可変制御し得る複リンク機構と、を備え、各リンク3、4、5が構成するリンクジオメトリを、筒内でのピストン高さが同じであれば左右バンク18、19で同一形状であり、かつクランクシャフト1の回転軸を中心にバンク角分回転させたときに重なるように設定し、機関圧縮比を変化させる場合にはコントロールシャフト6をクランクシャフト1の回転軸を中心とした円弧状の軌跡を描くように移動させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリンダの軸線が所定のバンク角をなすV型内燃機関に関し、特に機関圧縮比を可変に変更可能な複リンク式のピストン駆動装置を備える内燃機関に関する。
ピストンとクランクシャフトとを複数のリンクを介して連結することで、運転中に機関圧縮比を可変に変更可能にする可変圧縮比機構が知られている。この可変圧縮比機構によれば、低中速・低中負荷域での高圧縮比による燃費向上や、過渡運転条件時の高圧縮比化による過渡トルク増大等の効果が得られる。
ところで、上記可変圧縮比機構は複数のリンクで構成され構成部品点数が多くなるため、特に、V型エンジンのようにクランクピン周りのスペースに制約がある内燃機関に適用する際には、各構成物品のコンパクト化や合理的な配置が課題となっていた。
当該課題を解決するための技術として、V型内燃機関に可変圧縮比機構を適用したものが特許文献1に開示されている。
具体的には、ピストン上死点位置を変更するためのリンク類(引用文献1中の「ロアリンク」、「制御リンク」、「制御軸」)を左右バンクで共有し、これにより必要最小限の簡素なリンク構成としている。
特開2002−256802号公報
しかしながら、特許文献1に開示された構成では、左右バンクのピストン挙動、ピストンスピードが異なるにもかかわらず制御リンク及び制御軸を左右バンクで共有しているので、圧縮比を変更する際に、左右バンクの圧縮比の変化量を同一にすることが困難であった。
そこで、本発明ではV型内燃機関に複リンク式の可変圧縮比機構を適用する際に、左右バンクの圧縮比変化量を同一にすることを目的とする。
本発明のV型内燃機関は、ピストンにピストンピンを介して連結されるアッパーリンクと、一端が前記アッパーリンクに他端がクランクシャフトのクランクピンにそれぞれ連結されるロアリンクと、一端が前記ロアリンクに連結され前記ピストンの挙動に応じて他端を軸として揺動するコントロールリンク(特許文献1の「制御リンク」と、気筒列方向に沿って前記クランクシャフトと略平行に延び全気筒の前記コントロールリンクの他端を揺動可能に支持するコントロールシャフト(特許文献1の「制御軸」)と、前記コントロールシャフトを移動させることによる前記コントロールリンクの揺動中心の相対的な位置変化により機関圧縮比を可変制御し得る複リンク機構と、を備え、前記アッパーリンク、前記ロアリンク及び前記コントロールリンクが構成するリンクジオメトリを、筒内でのピストン高さが同じであれば左右バンクで同一形状であり、かつ前記クランクシャフトの回転軸を中心としてバンク角分回転させたときに重なるように設定し、機関圧縮比を変化させる場合には前記コントロールシャフトを前記クランクシャフトの回転軸を中心とした円弧上を移動させる。
本発明によれば、左右バンクで1本のコントロールシャフトを共有するにもかかわらず、コントロールシャフトを移動した際にも左右バンクのリンクジオメトリは同一形状のままとなる。すなわち、圧縮比の変化量が同一となる。
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は第1実施形態の構成を表す図であり、V型6気筒エンジンのピストン−クランク機構を模式的に表した図である。なお、図面左側をエンジンのフロント側とし、フロント側から順に、#1〜#6気筒とする。図2は#1、#2気筒についてフロント側から見た断面図である。
1はクランクシャフト、2はクランクピン、3はロアリンク、4はアッパーリンク、5はコントロールリンク、6はコントロールシャフト、9はピストン、10はレール、18は右バンク、19は左バンクである。なお、右バンク18のフロント側から#1、#3、#5気筒、そして左バンク19のフロント側から#2、#4、#6気筒とし、左右バンク18、19の挟み角、すなわち、いわゆるバンク角は前面投影図で左右バンクのアッパーデッキ上端がオーバーラップする狭いバンク角、例えば15度とする。また、各リンク3、4、5は左右バンク18、19で同一形状のものを使用し、クランクシャフト1のアーム長さ、すなわちクランクピン2の回転半径は全気筒同一とする。
ピストン9は、アッパーリンク4及びロアリンク3を介してクランクシャフト1に連結される。ピストン9はアッパーリンク4の一端にピストンピン12を介して回転可能に連結され、アッパーリンク4の他端とロアリンク3とはアッパーピン8を介して連結されている。ロアリンク3は、略中央をクランクシャフト1のクランクピン2に回転可能に締結され、クランクシャフト1とともに回転する。また、ロアリンク3のアッパーリンク4と反対側には、コントロールリンク5がコントロールピン7を介して回転可能に締結され、コントロールリンク5はコントロールシャフト6のコントロールシャフトピン16(オフセットピン)に回転可能に締結される。コントロールシャフト6の中心軸とコントロールシャフトピン16の軸とは偏心している。レール10は図示しないシリンダブロックの下部に締結されるラダーフレームやオイルパン等の内燃機関本体の構造部材に固定又は一体化されており、また、クランクシャフト1の回転軸を中心とする円弧状の長孔(以下、円弧状長孔という)11が設けられる。
図2に示すように、クランクシャフト1の回転軸は右バンク18と左バンク19のそれぞれシリンダ軸線から図中右側にオフセットしており、かつ、クランクシャフト1の回転軸に対してシリンダ軸線とは反対側にコントロールシャフト6を配置する。ここで、左右バンク18、19のオフセット量は同一とする。
図3はコントロールシャフト6の単品図面である。図3に示すように、コントロールシャフト6は、コントロールシャフト6の中心軸から偏心したコントロールシャフトピン16を気筒数分だけ、すなわち6箇所備える。そして、#1、#3、#5気筒用の各コントロールシャフトピン16は、コントロールシャフト6の中心軸に対して同一方向に同一量だけ偏心している。#2、#4、#6気筒用の各コントロールシャフトピン16も同様である。
また、#1、#3、#5気筒用の各コントロールシャフトピン16の中心軸と#2、#4、#6気筒用の各コントロールシャフトピン16の中心軸は、クランクシャフト1の回転軸とコントロールシャフト6の中心軸とを結ぶ直線に対して互いに対称となる位置であって、かつクランクシャフト1の回転軸を中心とする円周上に位置する。
コントロールシャフト6の両端及び各コントロールシャフトピン16の間には、コントロールシャフト6と同軸のメインジャーナル17を備える。
図4はクランクシャフト1の単品図面である。図4に示すようにクランクピン2が設けられる。クランクピン2の配置については図5を参照して説明する。図5はクランクシャフト1をエンジンリア側から見た場合のクランクピン2の配置の模式図である。なお、エンジン回転方向は図中反時計周りとする。
#1気筒のクランクピン位置を基準とすると、#2気筒のクランクピン位置は#1気筒のクランクピン位置から時計回り方向に120度+バンク角(=135度)だけ回転した位置、#3気筒のクランクピン位置は#2気筒のクランクピン位置から時計回り方向に120度−バンク角(=105度)だけ回転した位置、#4気筒のクランクピン位置は#3気筒のクランクピン位置から時計回り方向にバンク角(=15度)だけ回転した位置、#5気筒のクランクピン位置は#4気筒のクランクピン位置から反時計周り方向に120度+バンク角(=135度)だけ回転した位置、#6気筒のクランクピン位置は#5気筒のクランクピン位置から反時計回り方向に120度−バンク角(=105度)だけ回転した位置とする。
点火順序は#1−#5−#3−#6−#2−#4とする。すなわち、右バンク18ではリア側の気筒からフロント側の気筒へ順次点火し、右バンク18の3つの気筒を連続して点火した後に、左バンク19ではフロント側の気筒からリア側の気筒へ順次点火する。このように右バンク18と左バンク19とで前後方向逆周りの点火順序で、かつクランクピン2を上述したように配置することにより、点火間隔が120度のいわゆる等点火間隔となる。
図1、図2に示したピストン−クランク機構は、各気筒毎についてみれば特開2001−227367や特開2002−61501等に記載された可変圧縮比機構と基本的に同じであるため、機構の概略及びV型エンジン特有の事項についてのみ説明する。
まず、左右バンク18、19の各リンク3、4、5が互いになす角度等の位置関係(以下、リンクジオメトリという)について図9を参照して説明する。図9はピストン9が上死点位置となる場合の左右バンク18、19のリンクジオメトリを表す図であり(実際には左右両バンクともにピストンが上死点位置にある状態はない)、円弧Pはエンジン回転に伴うクランクピン2の移動の軌跡、円弧Rは圧縮比変更する際のコントロールシャフト6の軌跡をそれぞれ表している。
前述したように、左右バンク18、19の気筒のコントロールシャフトピン16をクランクシャフト1の回転軸とコントロールシャフト6の中心軸とを結ぶ直線に対して対称な位置、すなわちクランクシャフト1の回転軸からの距離が等しくなるように配置する。また、クランクシャフト1の回転軸からクランクピン2までの長さは全気筒で同一にする。そして、各リンク3、4、5は全気筒で同一のものを使用し、アッパーリンク4とロアリンク3とがなす角、及びロアリンク3とコントロールリンク5とがなす角、が左右バンク18、19で等しく、かつ左右バンク18、19のコントロールピン7及びアッパーピン8はそれぞれクランクシャフト1の回転軸からの距離が等しくなるようにリンクジオメトリを設定する。
このように左右バンク18、19のリンクジオメトリを設定することで、筒内でのピストン9の位置が同じ状態におけるリンクジオメトリを比較すると、左バンク19のリンクジオメトリをクランクシャフト1の回転軸を中心としてバンク角分回転すると右バンク18のリンクジオメトリに重なる。
上記のように構成したV型エンジンを回転させた場合について、図8を参照して説明する。図8は、フロント方向から見た#1、#2気筒のピストン9、各リンク3、4、5等の挙動を表した図であり、左側から順にクランク角度が90度、180度、270度、ゼロ度の状態を表す。なお、クランク角度がゼロ度とは、#1気筒のクランクピン2が図中12時方向を向いた状態であり、このとき#1気筒は上死点となる。
#1気筒では、クランク角がゼロ度から90度になるとロアリンク3が図中反時計回りに傾き、これに伴ってアッパーリンク4が下方に移動することでピストン9の位置が下降する。クランク角が180度になると、さらにロアリンク3が反時計回りに傾き、ピストン9の位置が更に下降する。クランク角が270度になると、ロアリンク3はクランク角180度の状態から時計回り方向に傾くのでピストン9の位置は上昇する。そして、クランク角がゼロ度になるまで上昇し続ける。また、コントロールリンク5は、ロアリンク3の傾きの変化に伴ってコントロールリンクジャーナル16を中心として揺動する。
#2気筒は、位相のずれはあるものの、各リンク3、4、5及びピストン9の挙動は#1気筒と同じである。そして、他の#3〜#6の気筒についても同様の挙動となる。
次に、圧縮比を変化させる場合について図6を参照して説明する。図6は左右バンク18、19のいずれか一つの気筒について、ピストンピン12からコントロールシャフト6までのリンクジオメトリを模式的に表した図であり、図6中の破線Rは円弧状長孔11に沿って移動するコントロールシャフト6の軌跡を表している。なお、図6ではピストン上死点位置の変化を明確にするため、シリンダ軸を垂直に表している。
コントロールシャフト6のメインジャーナル17が、レール10に設けた円弧状長孔11に沿って移動することにより、連結ピン7が移動し、ロアリンク3の傾きが変わることによりアッパーリンク4及びピストン9の上死点位置が変わる。
例えば、コントロールシャフト6が反時計周り方向に移動する場合、すなわち図6(a)の状態から図6(b)の状態に変化する場合には、ロアリンク3はクランクピン2を中心として反時計回りに傾き、これによりロアリンク3と連結されたアッパーリンク4は下方に移動するので、ピストンピン12の位置が低くなって機関圧縮比が低くなる。
逆にコントロールシャフト6が時計回り方向に移動する場合、すなわち図6(b)の状態から図6(a)の状態に変化する場合には、ロアリンク3はクランクピン2を中心として時計回り方向に傾き、これによりロアリンク3と連結されたアッパーリンク4は上方に移動するので、ピストンピン12の位置が高くなって機関圧縮比が高くなる。
このようにして機関圧縮比を変化させる場合、前述したように左右バンク18、19のリンクジオメトリを設定することにより、変化後のリンクジオメトリもクランクシャフト1の回転軸を中心としてバンク角分だけ回転すると重なり合う形状となる。すなわち、コントロールシャフト6を移動させた場合に、機関圧縮比の変化の挙動は左右バンク18、19で同一となる。
なお、コントロールシャフト6は、図示しないモータ付きアクチュエータ等により駆動するものとする。
また、コントロールシャフト6が円弧状長孔11に沿って移動する際には、クランクシャフト1の回転軸から各コントロールシャフトピン16の中心軸までの距離は一定のままである。すなわち、コントロールシャフト6がコントロールシャフト6の中心軸を中心として回転することはない。
したがって、円弧状長孔11に接するコントロールシャフト6のメインジャーナル17の断面形状は必ずしも円形である必要はなく、例えば、メインジャーナル17と円弧状長孔11との接触部の面圧荷重を低減させるために、図7に示すような円弧状長孔11と同曲率の曲率面を持つ半円弧状台形断面としてもよい。
次に、本実施形態のようにピストン9とクランクシャフト1とを複数のリンク3、4を介して連結する複リンク式のエンジンと、従来と同様のコンロッドのみを介して連結する単一リンク式のエンジンとの、起振力差、及び点火順序の影響について比較して説明する。
なお、単一リンク式はバンク角60度のV型6気筒エンジンであって点火順序が#1−#2−#3−#4−#5−#6のエンジンとし、複リンク式は、バンク角60度のV型6気筒エンジンであって点火順序が#1−#2−#3−#4−#5−#6のエンジンと、バンク角が15度のV型6気筒エンジンであって点火順序が#1−#2−#3−#4−#5−#6のエンジンと、バンク角が15度のV型6気筒エンジンであって点火順序が#1−#5−#3−#6−#2−#4のエンジンの3つの仕様として比較する。なお、上記の各仕様は、クランクシャフト1が同一の質量及び重心半径をもつカウンターウェイトを有するものとする。
起振力としては、慣性力及びピッチングモーメント、ヨーイングモーメントによるモーメント起振力があり、これらは、(アッパーピン8(アッパーピン)〜コントロールピン7(コントロールピン)間距離)/(クランクピン2〜コントロールピン間距離)で表されるアーム比(以下、この比を荷重増加率という)によるクランクピン2に掛かる荷重の増加、複リンク式による往復質量ピストン12の運動の時間軸軌跡やアッパーピン8の運動の軌跡の変化、及びそれらが6気筒組み合わされたことによる結果として増加する。
ピッチングモーメントは、主にバンク間の点火順序差による影響が大きく、一般的なV型エンジンの点火順序である#1−#2−#3−#4−#5−#6、すなわち、左右バンク18、19で交互に、かつ左右バンク18、19ともにフロント側からリア側に向けて点火する場合に対し、点火順序を#1−#5−#3−#6−#2−#4、すなわち、右バンク18の3つの気筒を連続して点火した後に、左バンク19の3つの気筒を連続して点火し、かつ左右バンク18、19で点火順序の前後方向が逆(右バンク18だけを見ると#1−#5−#3−#1−・・・の順番であり、左バンク19だけを見ると#6−#−2−#4−#6−・・・の順番)にすると、大幅に振幅が低減する。
ヨーイングモーメントは主にバンク角による影響が大きく、狭角になるほどその振幅が低減するが、ピッチングモーメントと同様に、点火順序を#1−#5−#3−#6−#2−#4にすると、さらに低減する。
6気筒エンジンの基本次数群である3n次(3次、6次、9次・・・)の成分は、ピッチング、ヨーイング共にモーメント起振力に対してバンク角による感度が大きい。また、全気筒の起振力が同位相であるため、基本次数群3n次は点火順序による改善はない。
1次成分は、バンク角を狭角、かつ左右バンク18、19で逆周りの点火順にすることで1次モーメント素質が良好となるので、同一の1次起振力に対しては、質量×重心半径の値が小さい仕様のカウンターウェイトで対応することができる。
慣性力は、その各気筒で120度等間隔で行われるピストン9の往復運動により3次成分が大きく、バンク角を狭角にすることで必然的にその上下方向(垂直)成分が悪化する。FR機種では、慣性力を発生するエンジンに対して、リア側のトランスミッションマウント点にとってはモーメントアームの大きいピッチングモーメントとして作用するため、バンク角が狭角になるほど、慣性力の上下方向成分悪化のトランスミッションマウント振動への影響は増大する。
一方、先に述べたエンジンそのものに発生するピッチングモーメントは、バンク角を狭角化することにより改善されるため、慣性力悪化によるリア側のトランスミッションマウント点での悪化とトレードオフ関係となる。
この結果、バンク角が狭角のV型エンジンでは、バンク角60度のV型エンジンに比べてピッチングモーメント等の起振力は低減し、さらに、点火順序をV型エンジンとして一般的な#1−#2−#3−#4−#5−#6から、#1−#5−#3−#6−#2−#4に変更することで、左右バンク18、19のモーメントを相殺し、図10、図11に示すように、振幅が大きい1次、2次の起振力を含め、3次成分を除く高次まで、パワープラント振動(フロント右側エンジンマウント及びリアトランスミッションマウントの振動)が低減する。なお、図10は、FR(フロントエンジン−リアドライブ)機種のフロント右側エンジンマウントの振動の計算例を表す図であり、図11は同じくFR機種のリアトランスミッションマウントの振動の計算例を表す図である。
以上のように本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
V型内燃機関において、ピストン9にピストンピン12を介して連結されるアッパーリンク4と、一端がアッパーリンク4に他端がクランクピン2に連結されるロアリンクと、一端がロアリンク3に連結され、ピストン9の挙動に応じて他端を軸として揺動するコントロールリンク5と、気筒列方向に沿ってクランクシャフト1と略平行に延び、全気筒のコントロールリンク5の他端を揺動可能に支持するコントロールシャフト6とを有し、コントロールシャフト6を移動させることによるコントロールリンク5の揺動中心の相対的な位置変化により機関圧縮比を可変制御する可変圧縮比機構を備え、アッパーリンク4、ロアリンク3及びコントロールリンク5が構成するリンクジオメトリを、筒内でのピストン高さが同じであれば左右バンク18、19で同一形状であり、かつクランクシャフト1の回転軸を中心としてバンク角分回転させたときに重なるように設定し、機関圧縮比を変化させる場合にはコントロールシャフト6をクランクシャフト1の回転軸を中心とした円弧上を移動させるので、左右バンク18、19で同一の圧縮比可変挙動を実現することができ、さらに、1本のコントロールシャフト6で全気筒の圧縮比を変化させることができるのでコンパクトな構造とすることができる。
コントロールシャフト6は中心軸からオフセットしたコントロールシャフトピン16を備え、オフセットピン16のオフセット方向は、左バンク19の気筒のコントロールリンク5を連結するオフセットピン群のオフセット方向と、右バンク18の気筒の前記コントロールリンク5を連結するオフセットピン群のオフセット方向の2方向であり、これらオフセットしたピンの間にメインジャーナル17を備えるので、コントロールシャフト6を1本化できるだけではなく、さらに、コントロールシャフト6を保持するために高荷重に耐えうる剛性を要求され、重量増を余儀なくされる軸受部や、コントロールシャフト6を駆動するためのアクチュエータ等の数を最小限にすることができるので、V型エンジンに複リンク式のピストン−クランク機構を適用することによる重量増加を抑制することができる。
左右バンク18、19のボアの軸線が同一量だけクランクシャフト1の回転軸からオフセットしており、コントロールシャフト6がクランクシャフト1に対して左右バンク18、19とは反対側に位置する回転2次成分の振動を低減することができる。
さらに、バンク角を狭角に設定することによるピッチングモーメント及びヨーイングモーメント起振力の低減効果と、前面投影図で左右バンク18、19のアッパーデッキ上端付近がオーバーラップすることによるシリンダブロックの剛性向上効果とにより、機関全体としての振動を低減することができる。
また、バンク角が60度や90度の場合と比較して、対向する気筒のボア下端付近と複リンク機構との干渉を回避することが容易となり、さらに、ピッチングモーメント及びヨーイングモーメント起振力の低減により、小さなカウンターウェイトで済むようになるので、比較的容易にロングストローク化することが可能となる。
左バンク19と右バンク18とで点火順序を前後方向逆周りにすることで、左右バンク18、19のモーメントが相殺され、バンク角を狭角に設定することによる特性とあわせて、ピッチングモーメント起振力とヨーイングモーメント起振力の振幅を低減することができるので、複リンク式にすることにより増大する慣性力とピッチングモーメントとヨーイングモーメントによる機関全体の振動増大を低減することができる。
クランクシャフト1のクランクピン配列は、点火順序が1番目の気筒のクランクピン2を基準として、エンジンリア側から見たときに時計回転方向に120度オフセットした位置に点火順序が2番目の気筒のクランクピン2、そこから時計回転方向に120度オフセットした位置に点火順序が3番目の気筒のクランクピン2、そこから120度+バンク角だけオフセットした位置に点火順序が4番目の気筒のクランクピン2、そこから120度オフセットした位置に点火順序が5番目の気筒のクランクピン2、そこから120度オフセットした位置に点火順序が6番目の気筒のクランクピン2、という配列、又は前記配列とは逆回転方向の配列とするので、V型6気筒エンジンにおいて120度ごとの等点火間隔とすることができる。これにより、エンジン回転の0.5次の倍数次の起振力の増幅を抑制できるので、バンク角にかかわらず、従来の複リンク式のV型エンジンに比べて振動の増幅を防止することができる。
第2実施形態について図12、図13を参照して説明する。
図12、図13はそれぞれ図1、図2に相当する図であり、図12は本実施形態のピストン−クランク機構を模式的に表した図、図13は図12をフロント側から見た図である。
本実施形態の構成は基本的に第1実施形態と同様であるが、コントロールシャフト6を移動させるための機構が異なる。
本実施形態では、第1実施形態のレール10に代えてアーム20を用い、これによりコントロールシャフト6をクランクシャフト1の回転軸を中心として移動させる。
アーム20は、一方の端部付近がクランクシャフト1の両端付近にクランクシャフト1の回転軸を中心として回転自由に支持され、他方の端部付近はコントロールシャフト6の前後端部付近に接続される。なお、例えば図12のように、#2気筒と#3気筒との間及び#4気筒と#5気筒との間でメインジャーナル17を支持してもよい。
そして、クランクシャフト1付近に設けた図示しないモータアクチュエータ等によって、アーム20をクランクシャフト1の回転軸を中心として回転させることにより、コントロールシャフト6はクランクシャフト1の回転軸を中心とした円弧軌跡上を移動する。
これにより、第1実施形態と同様に、左右バンク18、19の圧縮比変化量を同一にすることができる。
また、コントロールシャフト6がアーム20の先端付近でクランクの回転軸を中心とした円弧の軌跡を描くので、回転挙動であること、及び操作角度に対するコントロールシャフト6のストロークが大きいことから、圧縮比の可変制御を精度良く行うことができる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
第1実施形態のピストン−クランク機構を表す概略図である。 第1実施形態のピストン−クランク機構の前面投影図である。 コントロールシャフトを表す図である。 クランクシャフトを表す図である。 クランクピン配列を表す図である。 圧縮比を変化させる際の各リンクの動きを説明するための図である。 コントロールシャフトのメインジャーナル断面形状の一例を表す図である。 クランクシャフトを回転させたときの複リンクを説明するための図である。 複リンクのリンクジオメトリを模式的に表した図である。 バンク角や点火順序等の条件ごとのフロントエンジンマウント振動を表した図である。 バンク角や点火順序等の条件ごとのリアエンジンマウント振動を表した図である。 第2実施形態のピストン−クランク機構を表す概略図である。 第2実施形態のピストン−クランク機構の前面投影図である。
符号の説明
1 クランクシャフト
2 クランクピン
3 ロアリンク
4 アッパーリンク
5 コントロールリンク
6 コントロールシャフト
7 コントロールピン
8 アッパーピン
9 ピストン
10 レール
11 円弧状長孔
12 ピストンピン
13 アーム
14 ジャーナル加工部
15 連結部
16 コントロールシャフトピン
17 メインジャーナル
18 右バンク
19 左バンク
20 アーム

Claims (8)

  1. 左バンクと右バンクとを備えるV型内燃機関において、
    ピストンにピストンピンを介して連結されるアッパーリンクと、
    一端が前記アッパーリンクに、他端がクランクシャフトのクランクピンにそれぞれ連結されるロアリンクと、
    一端が前記ロアリンクに連結され、前記ピストンの挙動に応じて他端を軸として揺動するコントロールリンクと、
    気筒列方向に沿って前記クランクシャフトと略平行に延び、全気筒の前記コントロールリンクの他端を揺動可能に支持するコントロールシャフトと、を有し、
    前記コントロールシャフトを移動させることによる前記コントロールリンクの揺動中心の相対的な位置変化により機関圧縮比を可変制御し得る複リンク機構を備え、
    前記アッパーリンク、前記ロアリンク及び前記コントロールリンクが構成するリンクジオメトリを、筒内でのピストン高さが同じであれば左右バンクで同一形状であり、かつ前記クランクシャフトの回転軸を中心としてバンク角分回転させたときに重なるように設定し、
    機関圧縮比を変化させる場合には前記コントロールシャフトを前記クランクシャフトの回転軸を中心とした円弧上を移動させることを特徴とするV型内燃機関。
  2. 前記コントロールシャフトは中心軸からオフセットしたオフセットピンを少なくとも気筒数分だけ備え、
    前記オフセットピンのオフセット方向は、左バンクの気筒の前記コントロールリンクを連結するオフセットピン群のオフセット方向と、右バンクの気筒の前記コントロールリンクを連結するオフセットピン群のオフセット方向の2方向であることを特徴とする請求項1に記載のV型内燃機関。
  3. 前記クランクシャフトの回転軸を中心とした円弧状のレール部材を備え、
    機関圧縮比を変化させる場合には、前記コントロールシャフトを前記レール部材に沿って円弧軌跡上を移動させることを特徴する請求項1又は2に記載のV型内燃機関。
  4. 前記コントロールシャフトの少なくとも前後端のいずれか一方に接続され前記クランクシャフトの回転軸を中心として揺動可能なアーム部材を備え、
    機関圧縮比を変化させる場合には、前記アーム部材を前記クランクシャフトの回転軸を中心として揺動させることによって、前記コントロールシャフトが円弧軌跡上を移動するようにすることを特徴とする請求項1又は2に記載のV型内燃機関。
  5. 前記クランクシャフトの回転軸が左右のバンクのシリンダ軸線から同一量だけオフセットしており、前記コントロールシャフトが前記クランクシャフトに対して前記左右バンクとは反対側に位置することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のV型内燃機関。
  6. バンク角が、前面投影図で左右バンクの少なくともアッパーデッキ上端付近がオーバーラップする程度に狭いことを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載のV型内燃機関。
  7. 左バンクと右バンクとで、点火順序が前後方向逆周りであることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載のV型内燃機関。
  8. 前記V型内燃機関はV型6気筒内燃機関であって、
    前記クランクシャフトのクランクピン配列は、点火順序が1番目の気筒のクランクピンを基準として、エンジンリア側から見たときに時計回転方向に120度オフセットした位置に点火順序が2番目の気筒のクランクピン、そこから時計回転方向に120度オフセットした位置に点火順序が3番目の気筒のクランクピン、そこから120度+バンク角だけオフセットした位置に点火順序が4番目の気筒のクランクピン、そこから120度オフセットした位置に点火順序が5番目の気筒のクランクピン、そこから120度オフセットした位置に点火順序が6番目の気筒のクランクピン、という配列、又は前記配列とは逆回転方向の配列であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載のV型内燃機関。
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